JP2014000736A - 難燃性インクジェット記録用不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れたインクジェット印刷適性と、消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性とを有する難燃性インクジェット記録用不織布を提供する。
【解決手段】
難燃性不織布基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、前記難燃性不織布基材は、難燃処理のなされていない繊維からなる不織布に、難燃性含浸液を含浸させてなるものであり、前記難燃性含浸液は、液体難燃剤とバインダとを含み、前記バインダは、難燃剤100質量部に対して固形分換算で3〜20質量部の範囲で含まれ、前記インク受理層は、難燃剤及び難燃バインダを含まないものであって、固形分換算で片面当たり6〜20g/m2の範囲で設けられ、JIS L1091 A−1法による残炎時間が3秒以下、残じん時間が5秒以下、燃焼面積が30cm2以下であることを特徴とするものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、垂れ幕などバナー、ポスター、壁紙などの内装材として屋内で使用することのできる難燃性不織布に係り、特に、好適なインクジェット印刷適性をもった難燃性不織布に関する。
近年、インクジェットプリンタによる印刷は、ワイドフォーマットタイプのプリンタの普及により、製版工程を有するオフセット印刷と比べて少ない印刷部数に対応でき、低コストでの印刷が可能となっている。また、巾及び/又は長さが数メートルある懸垂幕や横断幕などの大型印刷物への印刷も可能となり、壁紙等の内装材、ポスターなど多くの用途に用いられている。このような大型印刷物に使用される印刷媒体としては、紙や樹脂シートなどと比べて軽量で可撓性が高く、耐久性に優れた不織布が用いられることが多い。
垂れ幕、壁紙等の内装材、ポスターなどは、屋内での使用にあたって建造物の火災事故の防止のために消防法で定められた防炎性試験に合格することが必要となり、印刷媒体に用いる不織布にも難燃性を付与させる必要がある。不織布に難燃性を付与する方法としては、不織布を製造する段階で繊維自体に水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤を添加する方法や、完成品である不織布に含浸コータなどで固体難燃剤や液体難燃剤を含む含浸液を含浸させる方法などがある。
また、これらの用途で用いられる不織布には、インクジェット印刷適性を付与するために基材とする不織布表面にインク受理層を設けることがある。このようなインクジェット印刷適性を付与された難燃性不織布として、特許文献1には、特定の難燃剤を含浸させた不織布よりなる基材にインク受理層を設けた防炎印刷用シートが開示されている。また、特許文献2には、インク受理層に特定の難燃化剤を特定量含有させて難燃性を向上させる技術が開示されている。また特許文献3には、難燃化処理された基布に上部層と下部層からなるインク受理層を設け、下部層のインク受理層に難燃剤を含ませたインクジェット記録用布帛が開示されている。
特開2002−61071号公報 特許第3783774号 特許第3923739号
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、不織布基材中の難燃剤が経時でインク受理層にブリーディングし、インクジェット印刷性能の低下と難燃性の低下を引き起こすという問題がある。また、特許文献2に記載された技術では、インク受理層に配合された難燃剤が印刷適性に影響して印字滲みや印字ムラなどを引き起こすという問題があった。また、特許文献3に記載された技術では、上部層となるインク受理層には難燃剤が配合されていないものの下部層のインク受理層には難燃剤が配合されているため、この難燃剤がインクジェット印刷適性に悪影響を及ぼす問題があり、加えて、2種類のインク受理層を設けるために製造コストが高くなるといった問題がある。このように特許文献1〜3に記載された技術では、難燃性とインクジェット印刷適性とを両立するのは困難であった。
更に、難燃性についても、繊維自体に難燃処理を施す方法では不織布製造のコストが高くなり、このような不織布を使用すると製造コストが嵩むという問題がある。
製造コストについては、前述した難燃剤を含む含浸液を不織布に含浸させる方法を用いることで難燃性の繊維を用いた不織布を使用する場合と比べて比較的安価に抑えることができるが、難燃剤として固体難燃剤を用いると、不織布の表面が粗くなり風合いを損ない、加えて、固体難燃剤が不織布から脱落し易いため、優れた難燃性を有しても耐久性に劣る問題がある。
また、不織布に液体難燃剤を単体で含浸させた場合には、含浸された液体難燃剤が不織布自体に留まらずインク受理層にブリーディングしてインクジェット印刷適性が低下し、インクジェット印刷をした際に液体難燃剤の影響で印刷面にインク滲みなどが発生する問題や、インクジェット印刷面の保存性が悪化するという問題もある。さらに、不織布に留まらずにインク受理層にブリーディングした液体難燃剤がインク受理層に接触している物品等に転移することで、不織布に含浸されている難燃剤の量が減少し、消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性を維持できなくなる問題がある。
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、難燃処理を施していない繊維からなる不織布を用いながらも、優れたインクジェット印刷適性と、消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性とを有する難燃性インクジェット記録用不織布を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、本明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の目的を達成するために、本発明の難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃処理を施していない繊維からなる不織布に、液体難燃剤及びバインダを配合した含浸液を含浸させ、液体難燃剤のブリーディング及び転移を抑制することで優れたインクジェット印刷適性を有し、且つ消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性を担持させるものである。
具体的には、本発明の難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃性不織布基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、前記難燃性不織布基材は、難燃処理のなされていない繊維からなる不織布に、難燃性含浸液を含浸させてなるものであり、前記難燃性含浸液は、液体難燃剤とバインダとを含み、前記バインダは、難燃剤100質量部に対して固形分換算で3〜20質量部の範囲で含まれ、前記インク受理層は、難燃剤及び難燃バインダを含まないものであって、固形分換算で片面当たり6〜20g/m2の範囲で設けられ、JIS L1091 A−1法による残炎時間が3秒以下、残じん時間が5秒以下、燃焼面積が30cm2以下であることを特徴とする。
ここで、難燃性の評価基準としてJIS L1091 A−1法による基準を採用しているのは、JIS L1091 A−1法では試験条件と評価基準が詳細に設定されており、また同基準の区分3を満足するものであれば消防法に定められている防炎基準は満足されるためである。なお、残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下、燃焼面積30cm2以下という条件は、同基準の区分3(合格基準)に相当する。
そして、このような構成によれば、液体難燃剤により難燃性が付与され、また、難燃性含浸液に含まれたバインダの機能により液体難燃剤のブリーディング及び転移を抑制できるため、難燃性不織布基材上にインク受理層を設けても、インクジェット印刷適性が阻害されることなくインクジェット印刷適性に優れ、且つ転移により難燃剤の含浸量が減少することもない。このため、インク受理層中に難燃剤又は難燃バインダを含ませなくても、難燃性インクジェット記録用不織布全体としては消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性を充たす難燃性インクジェット記録用不織布とすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、難燃性含浸液に含まれるバインダは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールの中から選ばれた1種又は2種以上であっても良い。このような構成によれば、難燃剤のブリーディング及び転移をさらに抑制でき、インクジェット印刷適性と難燃性を両立した良好な難燃性インクジェット記録用不織布が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記難燃性含浸液には浸透剤が含まれ、前記浸透剤は、難燃剤100質量部に対して固形分換算で0.5〜10質量部の範囲で含まれていても良い。このような構成によれば、密度のバラツキが大きい不織布においても含浸ムラが生じにくくなり、難燃性含浸液を均一に浸透させやすくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記液体難燃剤はノンハロゲン系難燃剤であって、リン系化合物もしくはリン系有機化合物を含むものであってもよい。このような構成によれば、焼却処分をする際など不織布を燃焼させてもダイオキシン等の有害物が発生しにくい難燃性インクジェット記録用不織布が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記不織布はポリエチレン繊維又はポリエステル繊維からなるものであってもよい。このような構成によれば、より強度や耐久性に優れた難燃性インクジェット記録用不織布が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記難燃性含浸液は、不織布100質量部に対して、含浸液に含まれる難燃剤が固形分換算で15質量部以上となるように含浸させられていてもよい。このような構成を充たすことにより、高い難燃性能が得られ、JIS L1091 A−1法における区分3の条件、ひいては消防法の基準を満たしやすくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記難燃性含浸液に含まれる浸透剤は、モノアルキルアンモニウムクロライド、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの中から選ばれた1種又は2種以上であってもよい。このような構成によれば、浸透剤が水との相溶性が高いものであるため、難燃性含浸液がより均一な液体となりやすくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記インク受理層に含まれない難燃剤及び難燃バインダは、ノンハロゲン系難燃剤、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートであってもよい。これらの難燃剤及び難燃バインダがインク受理層に含まれないことによりインク受理性が妨げられず、良好なインクジェット印刷適性が得られる。
また、本発明の好ましい実施の形態においては、前記難燃性含浸液には、更に固体難燃剤が含まれていてもよい。固体難燃剤単独での使用は前述の問題があるが、液体難燃剤及びバインダと併用することで、このような問題は解消し固体難燃剤の使用も可能となる。
また本発明は、難燃性インクジェット記録用不織布の製造方法としても捉えることが出来る。本発明に係る難燃性インクジェット記録用不織布の製造方法は、難燃剤と、前記難燃剤100質量部に対して固形分換算で3〜20質量部のバインダとを用いて難燃性含浸液を調製する難燃性含浸液調製ステップと、前記難燃性含浸液を不織布に含浸させて難燃性不織布基材を作る難燃性不織布基材製造ステップと、無機化合物とバインダと水とを用いてインク受理層用塗布液を調製するインク受理層用塗布液調製ステップと、前記難燃性不織布基材の少なくとも一方の面に前記インク受理層用塗布液を塗布し、片面当たり固形分換算で6〜20g/m2の範囲となるようにインク受理層を設けるインク受理層塗布ステップと、を有し、前記難燃剤は、少なくとも液体難燃剤を含み、それにより、JIS L1091 A−1法による残炎時間が3秒以下、残じん時間が5秒以下、燃焼面積が30cm2以下である難燃性インクジェット記録用不織布を製造することを特徴とするものである。
そして、このような構成によれば、難燃剤のブリーディング及び転移が抑制され、安定した難燃性を有する難燃性インクジェット記録用不織布を製造することが出来る。加えて、インク受理層には難燃剤及び難燃バインダが含まれていないため、インク受理性が阻害されず、優れたインクジェット印刷適性が得られる。
以上の説明で明らかなように、本発明の難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃性不織布基材に含まれたバインダにより液体難燃剤のブリーディング及び転移が抑制され、不織布基材に難燃剤が担持されることから難燃性不織布基材が高い難燃性を有するものとなる。また、難燃性不織布基材上にインク受理層を設けても、不織布に含浸された難燃剤のブリーディングによりインクジェット印刷適性が阻害されることがない。このため、インクジェット印刷適性に優れ、且つ難燃性インクジェット記録用不織布全体としては、消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性インクジェット記録用不織布とすることができる。
実施例及び比較例の組成及び配合比を示す図表である。 実施例及び比較例の評価結果を示す図表である。
以下、本発明について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
先にも述べたように、本発明に係る難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃性能乃至防炎性能において消防法の基準を満たすことを目的の一つとしている。
ここで、消防法施行規則について説明する。
消防法で防炎性能を有するカーテン、じゅうたん等防炎物品の使用が義務付けられている防火対象建築物として代表的なものとしては、例えば次のようなものがある。
消防法第8条の3第1項 高層建築物(31mを超える建物)、地下街
消防法施行令 別表第一
(1)イ…劇場、映画館、演劇場 ロ…集会場
(2)イ…カフェなど ロ…遊技場など ニ…カラオケボックスなど
(3)イ…待合、料理店など ロ…飲食店
(4) 百貨店、マーケットなど
(5) イ…旅館、ホテルなど
(6) イ…病院など ロ…養護老人ホームなど ハ…養護老人ホーム
(9) イ…公衆浴場のうち蒸気浴場、熱気浴場など
(12)ロ…映画又はテレビスタジオ
また、消防法第8条の3第1項に記載されている防炎対象物品としては、次のものがある。
1 カーテン
2 布製のブラインド
3 暗幕
4 じゅうたん等
5 展示用の合板
6 どん帳その他舞台において使用する幕
7 舞台において使用する大道具用の合板
8 工事用シート(網目12mm以下)
また、消防法で用いられる燃焼試験方法のうち代表的なものとしては、次のものがある。
45°ミクロバーナー法、45°メッケルバーナー法、45°たるませ法、45°コイル法、45°エアーミックスバーナー法
本発明に係る難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃性不織布基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、前記難燃性不織布基材は、難燃処理のなされていない繊維からなる不織布に、難燃性含浸液を含浸させてなるものであり、前記難燃性含浸液は、液体難燃剤とバインダとを含み、前記バインダは、難燃剤100質量部に対して固形分換算で3〜20質量部の範囲で含まれ、前記インク受理層は、難燃剤及び難燃バインダを含まないものであって、固形分換算で片面当たり6〜20g/m2の範囲で設けられ、JIS L1091 A−1法による残炎時間が3秒以下、残じん時間が5秒以下、燃焼面積が30cm2以下であることを特徴とするものである。
即ち、本発明の難燃性インクジェット記録用不織布を、カーテン、布製ブラインド、工事用シート等に用いた場合には、薄手布で着炎する物に該当し、更に物品質量が450g/m2以下であるため、炎の長さが45mmで加熱時間が1分の条件の評価に該当する。本発明において難燃性の評価を行うに際しては、試験条件と評価基準が詳細に設定されているJIS L1091 A−1法による評価を行う。これは、同基準の区分3(合格基準)が、残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下、燃焼面積30cm2以下という条件であり、これを満足するものであれば消防法に定められている防炎基準は満足されるためである。
本発明において難燃性不織布基材に用いる不織布としては、難燃処理のなされていない繊維からなる不織布を用いる。不織布を構成する繊維としては、羊毛やコットンなどの天然繊維、レーヨンやアセテートなどの化学繊維、ポリオレフィンやポリエステルなどの合成繊維、などの繊維から構成されているものを用いることができるが、これらの中でも強度や耐久性の点からポリエチレン繊維又はポリエステル繊維からなる不織布を使用することが好ましい。
本発明において難燃性含浸液に用いる難燃剤としては液体難燃剤が好ましいが、液体難燃剤と併用することで固体難燃剤も用いることができる。ここで用いる難燃剤としては、特に限定するものではなく、公知の難燃剤を用いることが可能である。しかしながら、臭素、塩素などのハロゲン化合物からなる難燃剤は、燃焼条件によってはダイオキシン等の有害物を発生する可能性がある為、ノンハロゲン系難燃剤を使用することが好ましい。
ノンハロゲン系難燃剤としては、市販されている無機系の難燃剤や、リンおよび/または窒素含有の有機系の難燃剤を用いることが可能である。これらの難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、三酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、亜リン酸アルミニウム等の金属酸化物、ホウ酸、ホウ酸亜鉛などのホウ素系化合物、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、アミノ基変性リン酸エステル、又は水酸基含有リン酸エステル等のリン系化合物、メラミン又はメラミンシアヌレート化合物、メラミンリン酸塩、メラミンボレート等のメラミン系誘導体、グアニジン若しくはスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等のグアニジン系誘導体などのリンおよび/または窒素含有化合物など挙げられる。これらのノンハロゲン系難燃性化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。
本発明において難燃性含浸液に用いるバインダとしては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド等の水溶性バインダ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体等のエマルジョン型バインダ又はエマルジョン型などを用いることができるが、これら例示化合物に限定されるものではない。なお、上述のものの中では、より難燃剤のブリーディング及び転移を抑制できるという点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールが好ましい。
前記難燃性含浸液におけるバインダの含有量は、難燃剤100質量部に対し、固形分換算で3〜20質量部とすることが好ましく、5〜15質量部とすればより好ましい。バインダの配合量が3質量部未満だと、液体難燃剤のブリーディング及び転移を抑制する十分な量ではないため、難燃性インクジェット記録用不織布の表面上及びインク受理層へ液体難燃剤が染み出してインクジェット印刷適性を低下させる虞があり、また、液体難燃剤の転移によって難燃剤の含浸量が減少することにより難燃性能を低下させる虞がある。逆に、バインダの配合量が20質量部を超えると、液体難燃剤の添加量が相対的に低下し、難燃性インクジェット記録用不織布全体の難燃性能を悪化させる虞がある。
本発明において難燃性含浸液にはさらに浸透剤を添加することができる。浸透剤を添加することにより、難燃性含浸液が不織布へ均一に浸透しやすくなる。浸透剤としては、イソプロピルアルコール、ポリエーテル変性シリコーン、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレンジオール、モノアルキルアンモニウムクロライド、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどを用いることができるが、これら例示化合物に限定されるものではない。なお、上述のものの中では、水との相溶性が高いことから、モノアルキルアンモニウムクロライド、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
前記難燃性含浸液に浸透剤を添加する場合の添加量は、難燃剤100質量部に対し、固形分換算で0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜3質量部とすればより好ましい。浸透剤の配合量が0.5質量部未満だと浸透剤が効力を発揮するのに十分な量ではないため、密度のバラツキが大きい不織布において含浸ムラが多くなり、難燃性含浸液を均一に浸透させることができない虞がある。逆に、浸透剤の配合量が10質量部を超えると、浸透剤の添加による効果が頭打ちとなり、使用量に見合うだけの効果が期待できないことに加えてコスト増加にも繋がる。
また、本発明において不織布に含浸させる難燃性含浸液は、不織布100質量部に対して、含浸液に含まれる難燃剤が固形分換算で15質量部以上となるように含浸させ、より好ましくは18質量部以上とする。難燃剤の含浸量が15質量部未満であると目的とする難燃性能が得られにくく、消防法やJIS L1091 A−1法における区分3の条件を満たすことが困難となる。また、不織布への難燃剤の含浸量の上限については特に限定するものではないが、難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して30質量部を超えても使用量に見合うだけの効果が期待できず、経済的にも不利であるため、30質量部以下とすることが望ましい。なお、難燃剤の含浸量については、難燃性含浸液中の難燃剤濃度に応じて難燃性含浸液の濃度と含浸量とを適宜変更することにより調整可能である。
本発明において、不織布への難燃性含浸液の含浸方法については特に限定するものではなく、公知の含浸方法を用いることが可能であり、サイズプレスコータや含浸コータを用いることができる。
先にも述べたように、本発明の難燃性インクジェット記録用不織布においては、難燃性不織布基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けるものである。インク受理層の構成としては、特に限定するものではなく、インクジェット記録材料における公知のインク受理層を用いることができるが、良好なインクジェット記録適性を確保する観点からは無機顔料とバインダとを含有するインク受理層を設けることが好ましい。
なお、本発明においては、インクジェット印刷適性を損ねることのないようインク受理層中には難燃剤又は難燃バインダを含有させない。このような難燃剤としては、先に例示した難燃性含浸液に含有させることのできる難燃剤が挙げられ、難燃バインダとしてはポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが挙げられる。
インク受理層に用いる無機顔料は特に限定するものではなく、インクジェット印刷を目的としたインク受理層に用いられる公知の無機顔料を1種又は2種以上を選択して用いることができる。このような無機顔料としては、例えば、合成非晶質シリカ、焼成クレー、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、アルミナ、リトポン、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト等の白色無機顔料などを例示することができる。インク吸収性に着目した場合には、高いインク吸収性の点から合成シリカを用いることが好ましい。また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、少量の有機顔料を用いることも可能である。
本発明において、インク受理層に用いるバインダは特に限定するものではなく、インクジェット印刷を目的としたインク受理層に用いられる公知のバインダを用いることができる。このようなバインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、でんぷん、変性でんぷん、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチン、テルペン等の水溶性バインダ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリビスクロロメチルオキサシクロブタン、ポリ−p−キシリレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体等のエマルジョン型バインダ又はエマルジョン型であるウレタン樹脂バインダなどを用いることができる。これらのバインダの中で、インクジェット印刷適性や操業性の観点からはポリビニルアルコールが好ましい。なお、これらのバインダの重合度、ケン化度、Tg(ガラス転移温度)、MFT(最低造膜温度)などは、限定されず、また、これらの分子鎖中に架橋性の官能基を付加しても構わない。
また本発明においては、インクの定着性と発色性を向上させるためにインク受理層にカチオン性高分子を主成分とするインク定着剤を含有させても良い。このようなインク定着剤としては、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性ポリビニルアルコール、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、その他第4級アンモニウム塩類、ポリアミン等を用いることが可能である。
インク受理層形成用の塗布液には、前記した無機顔料とバインダ以外の製紙用添加剤も本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて用いることができる。このような製紙用添加剤としては、分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤、増粘剤、架橋剤、離型剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、可塑剤、蛍光増白剤、着色染料、還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤等が挙げられる。
本発明において、インク受理層は難燃性不織布基材の少なくとも一方の面に、単層若しくは二層以上を設ける。インク受理層の塗布量は、片面当たり固形分換算で6〜20g/m2の範囲とし、好ましくは10〜15g/m2である。インク受理層の塗布量が6g/m2未満だと、塗布量が少なすぎるためにインク受理層が難燃性不織布基材表面の全体を均一に覆うことができず、また、インキ受理層の厚み自体も十分ではないため、印字滲み及び印字ムラを起こすなど十分なインクジェット印刷適性が得られない虞がある。逆に、インク受理層の塗布量が20g/m2を超えると、印刷適性の向上が見られず生産性やコスト的に好ましくないことに加え、難燃性が付与されてないインク受理層の割合が増加することで難燃性インクジェット記録用不織布全体としての難燃性能を悪化させる虞がある。
本発明において、インク受理層を難燃性不織布基材上に設けるにあたり、それら塗布液の塗布方法については特に限定されるものではなく、公知の塗布方法を用いることができる。例えばキスコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、ショートドウェルコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ等から選ばれたコーターを用い、インク受理層又は難燃塗工層をそれぞれ単層又は多層に分けて塗布できる。塗布液の液性からはエアナイフコータ、カーテンコータ、ロッドコータが好ましく、更に好ましくはエアナイフコータである。本願においてインク受理層用塗布液の固形分濃度等は限定しないが、塗工性能の面から、固形分濃度が10〜25程度の範囲であることが好ましい。
また、インク受理層を形成する塗布液の乾燥方式についても特に限定されるものではなく、熱風乾燥、赤外乾燥、常温乾燥、凍結乾燥等を用いることができるが、乾燥効率の点から赤外乾燥、熱風乾燥が好ましい。
以下、本発明に係る難燃性インクジェット記録用不織布の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」及び「%」は特に断らない限り乾燥固形分での「質量部」及び「質量%」を示す。
(実施例1)
<難燃性不織布基材の作製>
液体難燃剤としてリン系化合物を含有するノンハロゲン難燃剤(商品名:フラムガードSP−10Y、90%濃度液、松本油脂製薬社製)100部を水中に添加し、更に、バインダとしてエチレン−酢酸ビニル系共重合体(商品名:スミカフレックス755、51%濃度品、住友化学社製)を5部、浸透剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(商品名:エマルゲンMS110、100%濃度品、花王社製)を2部添加して撹拌し、固形分濃度が35%の難燃性含浸液を得た。得られた難燃性含浸液を、難燃処理の施されていない繊維からなる不織布(商品名:タイベック1073D、坪量75g/m2、旭デュポン社製)に含浸コータにて難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で19質量部となるよう含浸し、難燃性不織布基材を得た。
<インク受理層用塗布液の調製>
非晶質シリカ(商品名:74X5500、平均粒子径8μm、細孔容積1.2ml/g、吸油量180〜220ml/100g、グレースデビソン社製)70部、及び、非晶質シリカ(商品名:P−412、平均粒子径12μm、細孔容積2.0ml/g、吸油量300〜330ml/100g、グレースデビソン社製)30部を水中に添加し、カウレス分散機で固形分濃度が27.5%の顔料スラリーを調製した。得られた顔料スラリーに、バインダとしてポリビニルアルコール(商品名:エクセバールRS2117、11.5%溶解液、クラレ社製)30部、エチレン酢酸ビニル共重合体(商品名:ポリゾールAD−13−50、50%濃度品、昭和高分子社製)20部、インクジェットインクの定着剤としてカチオン性樹脂(商品名:ユニセンスCP−103、40%濃度品、センカ社製)20部、バインダの耐水化剤として酢酸ジルコニル(商品名:ジルコゾールZA−30、30%濃度品、第一稀元素社製)10部を添加して攪拌し、さらに水を添加して攪拌し、固形分濃度が17.5%のインク受理層用塗布液を得た。
<難燃性インクジェット記録用不織布の作製>
難燃性不織布基材の一方の面に、インク受理層用塗布液を、塗布量が固形分換算で12.0g/m2となるようにエアナイフコータにて塗布し、次いでエアドライヤにて熱風乾燥を行い、目的とする難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例2)
実施例1において、インク受理層用塗布液の塗布量を6.0g/m2となるように塗布した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例3)
実施例1において、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で16質量部となるように含浸し、インク受理層用塗布液の塗布量を20.0g/m2となるように塗布した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例4)
実施例1において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を3部とし、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で16質量部となるように含浸した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例5)
実施例1において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を15部とし、浸透剤をポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:エマルゲン707、100%濃度品、花王社製)に変更し、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で18質量部となるように含浸し、インク受理層用塗布液の塗布量を10.0g/m2となるように塗布した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例6)
実施例5において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を10部とし、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で20質量部となるように含浸し、インク受理層用塗布液の塗布量を12.0g/m2となるように塗布した以外は実施例5と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例7)
実施例5において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を20部とし、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で20質量部となるように含浸し、インク受理層用塗布液の塗布量を10.0g/m2となるように塗布した以外は実施例5と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例8)
実施例6において、難燃性含浸液中のバインダをポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランWLI−602、40%濃度品、大日本インキ工業社製)に変更し、浸透剤をモノアルキルアンモニウムクロライド(商品名:アーカード16−29、29%濃度品、ライオン社製)に変更した以外は実施例6と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例9)
実施例6において、難燃性含浸液中のバインダをポリビニルアルコール(商品名:PVA117、10%溶解液、クラレ社製)に変更した以外は実施例6と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(実施例10)
実施例6において、難燃性含浸液中のバインダをスチレン−ブタジエン共重合体(商品名:L−1432、48%濃度品、旭化成ケミカルズ社製)に変更した以外は実施例6と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例1)
実施例6において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を1部とした以外は実施例6と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例2)
実施例6において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を2部とした以外は実施例6と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例3)
実施例6において、難燃性含浸液中のバインダの配合量を30部とし、インク受理層用塗布液の塗布量を10.0g/m2となるように塗布した以外は実施例6と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例4)
実施例1において、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で11質量部となるように含浸した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例5)
実施例1において、インク受理層用塗布液の塗布量を25.0g/m2となるように塗布した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例6)
実施例1において、インク受理層用塗布液の塗布量を5.0g/m2となるように塗布した以外は実施例1と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例7)
実施例9において、難燃性含浸液を難燃剤の含浸量が不織布100質量部に対して固形分換算で13質量部となるように含浸した以外は実施例9と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例8)
実施例9において、インク受理層用塗布液の塗布量を23.0g/m2となるように塗布した以外は実施例9と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
(比較例9)
実施例9において、インク受理層用塗布液の塗布量を4.0g/m2となるように塗布した以外は実施例9と同様にして難燃性インクジェット記録用不織布を得た。
<難燃性インクジェット記録用不織布の物性評価>
実施例1〜10、比較例1〜8で得られた難燃性インクジェット記録用不織布について、実施例及び比較例の組成及び配合比が図1に、評価結果が図2に、それぞれ示されている。なお、図2に示された難燃性、ブリーディング、転移、インクジェット印刷適性の評価は、23℃×50%RHの条件で調湿後、以下の方法により行ったものである。
<難燃性評価(燃焼性試験方法)>
繊維製品の燃焼性試験方法であるJIS L1091 A−1法(45°ミクロバーナー法)に準拠して、各実施例及び比較例で得られた難燃性インクジェット記録用不織布に対して以下の条件で試験を行った。
試験条件:加熱時間 60秒、着炎後加熱時間 3秒
評価方向:表(縦、横)、裏(縦、横)
評価基準:○ 着炎しない。仮に着炎しても次の基準を超えないこと。
(残炎時間 3秒以下、残じん時間 5秒以下、炭化面積 30cm2以下)
× 着炎し燃え広がる。
<ブリーディング評価>
インクジェットプリンタ EPSON PX G5300を用いて、各実施例及び比較例で得られた難燃性インクジェット記録用不織布のインク受理層を有する面に任意の図柄を印字後、50℃、70%RHの条件下で24時間処理し印字面を目視評価した。
◎ 印字面に全く変化なし。
○ 印字面に概ね変化なし。
△ 印字面にムラ、滲みが部分的に発生。
× 印字面全体にムラ、滲みが発生。
<転移評価>
各実施例及び比較例で得られた難燃性インクジェット記録用不織布を上質紙など非塗工紙で挟み込み、上部に錘を乗せ、1週間常温で保管後、非塗工紙に転移した難燃剤の染み出しを目視評価した。
○ 挟んだ紙に難燃剤が染み込まず、難燃剤の転移抑制効果あり。
× 挟んだ紙に難燃剤の染み込みが発生し難燃剤の転移抑制効果なし。
<インクジェット印刷適性>
インクジェットプリンタ EPSON PX G5300を用いて、各実施例及び比較例で得られた難燃性インクジェット記録用不織布のインク受理層を有する面に任意の図柄を印字して印字滲み及びムラを目視評価した。
○ 印字滲み及びムラがなく、合格。
× 印字滲み及び/又はムラが顕著で実用に耐えず、不合格。
図2に示された結果から明らかなように、実施例1〜10により得られた難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃剤のブリーディング及び転移が起こらずインクジェットプリンタによる印刷適性が良好なものである。
また、実施例1〜10により得られた難燃性インクジェット記録用不織布はいずれもJIS L1091 A−1法による区分3の条件を満たし、これらは全て消防法で定められた防炎性試験に合格するレベルの難燃性を有していると言える。即ち実施例1〜10により得られた難燃性インクジェット記録用不織布はいずれも難燃性とインクジェット印刷適性を両立したものである。
これに対して、比較例1、2で得られた難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃性含浸液中のバインダ配合量が少ないために、難燃剤のブリーディングが十分に抑制されず、インクジェット印刷適性が低下している。
また、比較例3、4、5、7、8により得られた難燃性インクジェット記録用不織布は、難燃性の点で実施例1〜10のものよりも劣り、JIS L1091 A−1法による区分3の条件を満たさないものであった。これは、難燃性含浸液においてバインダの配合割合が高いため難燃剤の配合割合が相対的に低下して難燃性不織布全体の難燃性が低下している(比較例3)、難燃剤の含浸量が少ない(比較例4、7)、インク受理層の塗布量が多く難燃性不織布全体の難燃性が低下している(比較例5、8)といったことが原因であると考えられる。
さらに、比較例6、9では、インク受理層の塗布量が少ないため、インクジェット印刷適性が劣るものとなった。
以上述べたように、本発明の難燃性インクジェット記録用不織布は難燃性と難燃剤のブリーディング及び転移を抑制した、優れたインクジェット印刷適性を有するものであり、消防法により防炎基準の規定されている垂れ幕、壁紙等の内装材、ポスターなどの用途にも好適に用いることができるものである。

Claims (10)

  1. 難燃性不織布基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、
    前記難燃性不織布基材は、難燃処理のなされていない繊維からなる不織布に、難燃性含浸液を含浸させてなるものであり、
    前記難燃性含浸液は、液体難燃剤とバインダとを含み、
    前記バインダは、難燃剤100質量部に対して固形分換算で3〜20質量部の範囲で含まれ、
    前記インク受理層は、難燃剤及び難燃バインダを含まないものであって、固形分換算で片面当たり6〜20g/m2の範囲で設けられ、
    JIS L1091 A−1法による残炎時間が3秒以下、残じん時間が5秒以下、燃焼面積が30cm2以下であることを特徴とする難燃性インクジェット記録用不織布。
  2. 前記難燃性含浸液に含まれるバインダは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールの中から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  3. 前記難燃性含浸液には浸透剤が含まれ、前記浸透剤は、難燃剤100質量部に対して固形分換算で0.5〜10質量部の範囲で含まれていることを特徴とする難燃性インクジェット記録用不織布。
  4. 前記液体難燃剤は、ノンハロゲン系難燃剤であって、リン系化合物もしくはリン系有機化合物を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  5. 前記不織布は、ポリエチレン繊維又はポリエステル繊維からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  6. 前記難燃性含浸液は、不織布100質量部に対して、含浸液に含まれる難燃剤が固形分換算で15質量部以上となるように含浸させられていることを特徴とする請求項1に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  7. 前記難燃性含浸液に含まれる浸透剤は、モノアルキルアンモニウムクロライド、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの中から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項3に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  8. 前記インク受理層に含まれない難燃剤及び難燃バインダは、ノンハロゲン系難燃剤、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  9. 前記難燃性含浸液には、更に固体難燃剤が含まれることを特徴とする請求項1に記載の難燃性インクジェット記録用不織布。
  10. 難燃剤と、前記難燃剤100質量部に対して固形分換算で3〜20質量部のバインダとを用いて難燃性含浸液を調製する難燃性含浸液調製ステップと、
    前記難燃性含浸液を不織布に含浸させて難燃性不織布基材を作る難燃性不織布基材製造ステップと、
    無機化合物とバインダと水とを用いてインク受理層用塗布液を調製するインク受理層用塗布液調製ステップと、
    前記難燃性不織布基材の少なくとも一方の面に前記インク受理層用塗布液を塗布し、片面当たり固形分換算で6〜20g/m2の範囲となるようにインク受理層を設けるインク受理層塗布ステップと、を有し、
    前記難燃剤は、少なくとも液体難燃剤を含み、
    それにより、JIS L1091 A−1法による残炎時間が3秒以下、残じん時間が5秒以下、燃焼面積が30cm2以下である難燃性インクジェット記録用不織布を製造する、ことを特徴とする難燃性インクジェット記録用不織布の製造方法。
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