JP2002339242A - 記録シートの製造方法 - Google Patents

記録シートの製造方法

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JP2002339242A
JP2002339242A JP2001138271A JP2001138271A JP2002339242A JP 2002339242 A JP2002339242 A JP 2002339242A JP 2001138271 A JP2001138271 A JP 2001138271A JP 2001138271 A JP2001138271 A JP 2001138271A JP 2002339242 A JP2002339242 A JP 2002339242A
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Katsuaki Arai
克明 新井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性、伸縮性、布風な独特な風合いを有し、
記録画像の発色が良好な記録シートを安定に製造する方
法を提供する。 【解決手段】支持体が破断伸度5%以上の布帛であり、
該支持体の幅方向の収縮を抑制する装置を有する塗工装
置を用いて、該支持体の少なくとも一方の面に情報記録
層を設ける。支持体にスパンレース不織布を用いると好
ましく、支持体の少なくとも一方の面に情報記録層を設
けた後、熱カレンダー処理を行うことは好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録シートの製造方
法に関するものであり、さらに詳しくは柔軟性、伸縮
性、布風な独特な風合いを有し、記録画像の発色が良好
な記録シートを安定に製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より紙、フィルム、布帛を支持体と
した記録シートを用い、電子写真方式、インクジェット
方式、直接感熱方式、熱転写方式、銀塩写真方式等の各
種方式で文字、図形、絵画、写真等の情報を出力するこ
とが行われている。特に、電子写真方式、インクジェッ
ト方式は、近年のプリンター等の出力機の進歩により、
モノクロ画像の形成だけでなくフルカラー画像の形成が
可能となり、大判化が容易であり、さらにはフルカラー
出力機の低価格化、印字品質の向上により、漢字を含め
各種図形およびカラー画像などの記録手段として種々の
用途において急速に普及している。
【0003】電子写真方式は、感光体への帯電→露光に
よる潜像形成→トナー現像→被記録体へのトナー転写→
トナーの定着の各工程を経て画像形成を行う方式であ
り、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、
ファクシミリ等で一般的に使用されている。この電子写
真方式で使用される記録シートとして、通常上質紙が使
用される。電子写真記録シートには、トナー転写性、ト
ナー定着性、用紙の搬送性、用紙保存性等の特性が要求
される。これらのうち、トナー転写性にはシートの平滑
性がある程度高いことが必要である。こうした特性を満
たすために、抄紙材料中に各種顔料、サイズ剤、電解質
等を内添し抄造したり、抄造後にオンマシンまたはオフ
マシンで前記薬剤を含浸したりしている。
【0004】インクジェット方式は、種々の作動原理に
よりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録シート
に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであ
る。このインクジェット方式で使用される記録シートと
しては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッ
ド紙、あるいはこれらにインク受理層を設けてインクジ
ェット記録適性を向上させたものがある。近年、装置の
高速化・高精細化あるいはフルカラー化などインクジェ
ット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シ
ートに対してもより高度な特性が要求されるようになっ
ている。
【0005】一方、デザイン、イベント、広告などの分
野では、ポスター、看板、装飾品等での使用を目的とし
て、耐久性や耐水性のある支持体を使用し、支持体自体
の風合いを特徴とするカラー画像記録が普及している。
こうした特徴を有する支持体として不織布、織布、編物
等の布帛が挙げられる。布帛を支持体に用いた記録シー
トは伸縮性があるため、角や曲面、凹凸等を有する非平
面体に該記録シートを貼り付ける用途も考えられてい
る。しかしながら、布帛は紙やフィルムに比べ伸縮性が
高く、紙やフィルムで通常使用されている塗工装置を用
いて、布帛の少なくとも一方の面に情報記録層を設け記
録シートを作製した場合、記録シートの縦方向にかかる
テンションが強すぎるせいか、塗工途中に該記録シート
の幅方向への収縮が発生する。こうした幅方向への収縮
の影響により、記録シートの密度が上昇し当初予期した
記録シートの風合いが得られなかったり、さらには記録
シートに波打ち、皺、縦筋が発生したり、塗層がひび割
れしたりして外観を損ねたりするという問題があった。
特に伸縮性の高い布帛を用いた場合には、シートが急激
に幅方向に縮み記録シート自体の作製が困難となる問題
があった。
【0006】また、布帛は多孔性であり表面の平滑性に
劣るため、布帛の少なくとも一方の面に情報記録層を設
けて記録シートとした場合、情報記録層の平滑性に劣
り、上記に挙げた各種記録方式により記録した画像の記
録濃度が低く色調が不鮮明になりやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性、伸縮性、布風な独特な風合いを有し、記録画像の発
色が良好な記録シートを安定に製造する方法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、以
下の発明に至った。
【0009】支持体の少なくとも一方の面に情報記録層
を設けてなる記録シートの製造方法において、該支持体
が破断伸度5%以上である布帛であり、かつ該支持体の
幅方向の収縮を抑制する装置を有する塗工装置を用い
て、該支持体の少なくとも一方の面に情報記録層を設け
ることを特徴とする記録シートの製造方法の発明であ
る。
【0010】該支持体がスパンレース不織布であると好
ましい。
【0011】支持体の少なくとも一方の面に情報記録層
を設けた後、熱カレンダー処理を行うことは好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に関わる記録シートの製造
方法について詳細に説明する。本発明の記録シートの製
造方法は、支持体が破断伸度5%以上である布帛であ
り、かつ該支持体の幅方向の収縮を抑制する装置を有す
る塗工装置を用いて、該支持体の少なくとも一方の面に
情報記録層を設けることを特徴とする。本製造方法によ
って、柔軟性、伸縮性、布風な独特な風合いを有し、シ
ートに波打ち、皺、縦筋等の発生や塗層のひび割れ等の
外観不良のない記録シートを安定に製造することが可能
となるのである。
【0013】通常、紙、フィルム等の支持体の一方の面
に塗液を塗布する塗工装置は、巻き取り状、短冊状等の
形態となった支持体を繰り出すアンリーラー部、支持体
の一方の面に規定量の塗液を付与する塗工ヘッド部、塗
液中に含まれる水等の溶媒を蒸発させる乾燥部、乾燥さ
れたシートを回収するリーラー部の少なくとも4つの装
置からなる。こうした塗工装置を使用して支持体の一方
の面に塗液を塗工する際には、シートはアンリーラー部
とリーラー部の間を連続走行することになる。該構成の
塗工装置を用いて、布帛等の伸縮性の高い支持体の少な
くとも一方の面に塗液を塗布、乾燥した場合、アンリー
ラー部とリーラー部間の各部において、連続走行するシ
ートの縦方向にかかるテンションにより、シートは次第
に幅方向へ収縮する問題を発生する。シートの幅方向へ
の収縮は、軽度の場合はシートの密度上昇による風合い
の低下、酷くなるとシートの波打ち、皺、縦筋の発生、
塗層のひび割れを招く。特に伸縮性の高い布帛を用いた
場合には、シートが急激に幅方向に縮みシートの作製自
体が困難となる問題があった。こうした幅方向への収縮
は、塗工装置内の乾燥部で顕著に発生する。おそらく、
布帛の伸縮性は、乾燥時より湿潤時の方が高く、かつ加
熱時の方が高いためと思われる。本発明者らはこうした
状況に鑑み、鋭意検討した結果、本発明に到った。
【0014】本発明において、幅方向の収縮を抑制する
装置とは、アンリーラー部とリーラー部の間に装備さ
れ、支持体の幅方向の両端をある一定の幅で固定し、そ
の一定幅の状態で支持体をリーラー部方向へ搬送可能な
装置を指す。設置される箇所は、幅方向への収縮が起こ
りやすい乾燥部の一部分あるいは乾燥部全体を含んでい
ることが好ましい。支持体の幅方向の両端を一定の幅に
固定する方法としては、ピンやニードル等の先端が尖っ
た器具を支持体に突き刺す方法、クリップ、ベルト、ロ
ール等で支持体を上下から挟み込む方法等が挙げられ
る。シートの幅方向の両端に、こうした固定具を連続的
あるいは断続的に配置することで、塗工・乾燥工程中の
支持体の幅を一定に保ち、シートの幅方向の収縮を抑制
することが可能となるのである。幅方向を固定する際の
幅は特に限定されないが、塗工前の支持体と同じ幅かこ
の幅に近いことが好ましい。塗工前の支持体の幅から大
きくはずれると、支持体である布帛の有する柔軟性、伸
縮性、独特の風合いが損なわれやすい。
【0015】本発明に用いられる支持体は、支持体の縦
方向、横方向のいずれの方向についても破断伸度5%以
上の布帛である。本発明において破断伸度とは、JIS
P8113に規定される紙及び板紙の引張強さ試験方
法に準じて引張強さを測定した際に、試験片が破断した
時点での2個のつかみ具の間隔を測定し、以下の式によ
り計算した値を指す。ただし、測定には定速伸張形引張
試験機を用い、引張速度は毎分20mmとする。こうし
た特性を有する支持体を用いることで、紙やフィルムで
は得られない柔軟性、伸縮性、独特な風合いを有した記
録シートとすることが可能となる。上記特性から破断伸
度の値は5%以上である必要があり、より好ましくは1
0%以上、さらに好ましくは20%以上である。
【0016】
【数1】破断伸度=((B−A)/A)×100 A:試験開始時の2個のつかみ具の間隔 B:試験片が破断したときの2個のつかみ具の間隔
【0017】本発明の支持体で用いられる布帛とは、短
繊維あるいは連続長繊維からなる織物、編物、不織布等
を指す。これらのうち、シートの柔軟性、伸縮性、風合
い、記録画像の発色の観点から、湿式不織布又は乾式不
織布を用いたスパンレース不織布が好ましく用いられ
る。
【0018】本発明においてスパンレース不織布とは、
スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、
エアレイ法等の乾式法、あるいは抄紙技術を用いた湿式
法にて形成された繊維ウェブ、さらには、これらの各種
製法で得られた繊維ウェブを多層に積層した繊維ウェブ
に、ノズルから噴出される高圧または低圧の水流を当て
ることにより繊維ウェブ内の繊維同士を絡み合わせた不
織布を指す。このようなスパンレース不織布は、引張強
度に富み、柔軟性、伸縮性があるため、本発明の目的に
合致した記録シートを作製することが可能となるのであ
る。
【0019】本発明の支持体で用いられる布帛の剛軟性
は、特に限定されないが、記録シートの柔軟性、風合い
の点で、JIS L1096で規定されるA法(45゜
カンチレバー法)による剛軟度が、布帛の縦方向、横方
向のいずれについても120mm以下であることが好ま
しく、より好ましくは100mm以下、さらに好ましく
は80mm以下である。
【0020】布帛を形成する繊維として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はこ
れらポリマーの変性ポリマー等のホモポリマー及びコポ
リマーのようなポリエステル系繊維、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリスチレン、又はこれらポリマーの変
性ポリマー等のホモポリマー及びコポリマーのようなポ
リオレフィン系繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維等
のようなポリアクリロニトリル系繊維、ナイロン6、ナ
イロン66等のようなポリアミド系繊維、ポリビニルア
ルコール系繊維、ウレタン繊維、等の有機合成繊維;
又、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン、ア
ルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡糸した繊維
等のような再生繊維;アセテート繊維等のような半合成
繊維;麻、コットン、パルプ等のセルロース系繊維や羊
毛、絹等の蛋白質系繊維等のような天然繊維が挙げら
れ、これらを単独又は組み合わせて使用することが出来
る。さらに、上記繊維に金属繊維、ガラス繊維、炭素繊
維のような無機系繊維等の各種繊維を配合してもよい。
【0021】本発明に関わる記録シートを作製するため
には、布帛の少なくとも一方の面に情報記録層を設ける
必要がある。その手段としては、各種ブレードコータ
ー、ロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコ
ーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショ
ートドウェルコーター、コンマコーター、ダイコータ
ー、リバースロールコーター、キスコーター、カーテン
コーター、エクストルージョンコーター、ゲートロール
コーター、グラビアコーター、マイクログラビアコータ
ー、などの塗工装置を用いることが出来る。
【0022】布帛の少なくとも一方の面に情報記録層を
設けた後には、熱カレンダー、マシンカレンダー、TG
カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーな
どのカレンダーを用いて、オンラインあるいはオフライ
ンで平坦化仕上げを行うことが好ましい。カレンダー処
理の際に幅方向の収縮を抑制する装置がないと、本発明
のような破断伸度5%以上の布帛を支持体に用いた場合
に、カレンダーのニップ部で布帛の伸縮の影響と考えら
れる波打ちや皺が発生しやすい。本発明のように、幅方
向の収縮を抑制する装置を有している場合には、こうし
たトラブルが発生しにくく、安定して記録シートを製造
することが可能となる。
【0023】上記のカレンダー方式の中で、特に好まし
くは熱カレンダー処理である。熱カレンダー処理は他の
カレンダー方式に比べ、情報記録層の平滑性向上効果が
大きく、情報記録層の面質も滑らかになり、それに伴い
記録画像の発色が向上する。特に電子写真方式で画像記
録を行った場合の画像の発色向上が顕著である。おそら
く、熱カレンダー時の熱の影響により、情報記録層を構
成するバインダーおよび布帛を構成する繊維が可塑化
し、情報記録層の平滑化に大きく寄与しているのではな
いかと考えられる。また、熱を使用しないカレンダー方
式では、カレンダー直後の厚みが経時でカレンダー前の
厚みに戻りやすい傾向が見られるが、熱カレンダー方式
では経時での厚みの戻りが少なく、一定した品質を得る
という観点からも好ましい方式である。熱カレンダー時
の温度は特に限定されないが、布帛を構成する繊維が融
着しない温度範囲が好ましく、好ましくは50℃以上1
50℃以下、さらに好ましくは70℃以上120℃以下
である。
【0024】本発明の記録シートの製造方法において、
布帛への前処理として、例えばコロナ処理を行ったりア
ンダーコート層を設けたり、あるいはプリンター通紙性
を上げるために、支持体の情報記録層とは反対面に導電
処理を施したり、バックコート層を設けたり等の公知の
技術を用いることは何ら問題なく行うことができる。さ
らには、支持体の情報記録層とは反対面に、さらに情報
記録層を設け、両面画像記録可能な記録シートとするこ
とも可能である。
【0025】本発明に関わる情報記録層は、少なくとも
顔料とバインダー樹脂から構成される。顔料としては公
知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、
軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、
珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、
コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色
無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリ
ル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロ
カプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料など
が挙げられる。
【0026】情報記録層に使用されるバインダー樹脂と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、
酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家
変性澱粉、カチオン化澱粉等の各種澱粉類、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソ
ーダ、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼ
イン、ゼラチン、大豆蛋白等;スチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、ア
クリル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重合体等のア
クリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合
体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれらの各種
重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官
能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等
の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタク
リレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブ
チラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げ
られ、1種以上で使用される。
【0027】記録シートに画像記録を行う方式が電子写
真方式、インクジェット方式の場合、記録層を構成する
顔料およびバインダー樹脂以外の成分として、カチオン
性樹脂を配合することが好ましい。記録層にカチオン性
樹脂を配合することにより、電子写真方式、インクジェ
ット方式で該記録シートに記録した際の発色性が良好に
なる。さらに、インクジェット方式では耐水性も向上す
る。
【0028】本発明で用いられる情報記録層中には、上
記以外の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改
良剤、pH調製剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、
浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙
力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することもでき
る。
【0029】本発明の記録シートにおいて、情報記録層
の塗工量は特に制限されることはないが、好ましくは3
g/m2以上50g/m2以下で、更に好ましくは5g/m2
以上35g/m2以下である。塗工量が3g/m2より少な
くなると記録画像の品質に劣りやすい。また、塗工量が
50g/m2を超えると、記録画像の品質は飽和に達し不
経済であるばかりか、記録シートから布帛特有の風合い
が失われたり、情報記録層の粉落ちが目立つようになっ
たりするうえ、製品のカールが酷くなりやすい。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、
特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。
【0031】塗工装置1 巻き取りの形態となった支持体を繰り出すアンリーラー
部、コンマヘッドを有する塗工ヘッド部、熱風方式で乾
燥を行う乾燥部、シートの平坦化を行う熱カレンダー
部、塗工・乾燥されたシートを巻き取りの形態で回収す
るリーラー部からなる塗工装置を作製した。この塗工装
置の塗工ヘッド部直後と熱カレンダー部直前の間に、シ
ートの幅方向の両端をクリップで挟むことでシートを一
定の幅に保持するタイプの幅方向の収縮を抑制する装置
を設置し、本発明に関わる塗工装置1を作製した。こう
した構成とすることで、塗工ヘッド部直後と熱カレンダ
ー部直前の間では、シートの幅方向は一定の長さに保た
れることになる。
【0032】塗工装置2 幅方向の収縮を抑制する装置として、シートの幅方向の
両端をピンで突き刺し、シートを一定の幅に保持するタ
イプのものを使用した以外は塗工装置1と同様にして本
発明に関わる塗工装置2を作製した。
【0033】塗工装置3 幅方向の収縮を抑制する装置を使用しなかった以外は塗
工装置1と同様にして塗工装置3を作製した。
【0034】塗工装置4 幅方向の収縮を抑制する装置を使用せず、乾燥部のみ支
持体を支えるためのキャンバス布による搬送装置を設置
した以外は塗工装置1と同様にして塗工装置4を作製し
た。
【0035】情報記録層塗液の調製 合成非晶質シリカ(Nipsil E150J:日本シ
リカ工業製、平均粒径4.0μm)100部、ポリビニ
ルアルコール(PVA117:クラレ製)30部、カチ
オン性染料定着剤(スミレーズレジン1001:住友化
学工業製)20部を用い、これを調液し、固形分濃度1
6%とした。
【0036】実施例1 支持体としてアクリル繊維からなる坪量50g/m2の湿
式スパンレース不織布の巻き取りを用いた。引張速度毎
分20mmのときのこの不織布の破断伸度は、縦方向で
15%、横方向で35%であった。この不織布の一方の
面に、塗工装置1を用いて、情報記録層塗液の調整で得
た塗液を乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗
布、乾燥して記録シートを得た。塗工時の熱カレンダー
の加熱温度は80℃、幅方向の収縮を抑制する装置のシ
ート幅の設定は、塗工前の支持体と同一の幅とした。
【0037】実施例2 熱カレンダーの加熱を行わなかった以外は実施例1と同
様にして、実施例2の記録シートを作製した。
【0038】実施例3 実施例1で使用した塗工装置1の代わりに、塗工装置2
を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の記録
シートを作製した。
【0039】実施例4 支持体としてナイロン/ポリエステルの分割繊維からな
る坪量50g/m2の乾式スパンレース不織布の巻き取り
を使用した。引張速度毎分20mmのときのこの不織布
の破断伸度は、縦方向で50%、横方向で55%であっ
た。この布帛を用いた以外は実施例1と同様にして、実
施例4の記録シートを作製した。
【0040】実施例5 支持体として坪量50g/m2の絵画用キャンバス布の巻
き取りを使用した。引張速度毎分20mmのときのこの
不織布の破断伸度は、縦方向で10%、横方向で7%で
あった。この布帛を用いた以外は実施例1と同様にし
て、実施例5の記録シートを作製した。
【0041】実施例6 支持体として坪量60g/m2の綿布の巻き取りを使用し
た。引張速度毎分20mmのときのこの布の破断伸度
は、縦方向で65%、横方向で65%であった。この布
帛を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の記
録シートを作製した。
【0042】比較例1 実施例1で使用した塗工装置1の代わりに、塗工装置3
を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の記録
シートを作製した。
【0043】比較例2 実施例1で使用した塗工装置1の代わりに、塗工装置4
を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の記録
シートを作製した。
【0044】比較例3 実施例5で使用した塗工装置1の代わりに、塗工装置4
を用いた以外は実施例5と同様にして、比較例3の記録
シートを作製した。
【0045】〈試験方法〉 1)シートの幅方向の収縮率 下記の式により収縮率を計算した。収縮率は4%以下で
あれば実用上問題ないレベルである。 収縮率=((A−B)/A)×100 A:塗工前の支持体の幅 B:リーラー部の記録シートの幅
【0046】2)シートの状態 記録シートの状態を以下の基準で判定した。 ◎:柔軟性があり、布風の独特な風合いを有している。
また、皺や波打ち等の欠点も全くなく良好。 △:シートの幅方向への収縮の影響による記録シートの
風合いの低下が見られる。あるいは、所々で皺や波打ち
等の欠点が見られる。 ×:シートが大きく収縮している。皺や波打ちも酷く、
記録シートとして使用できないレベルである。
【0047】3)インクジェット記録濃度 2)シートの状態の判定が◎、△であった実施例及び比
較例で作製した記録シートをA4判に断裁した後、顔料
インクを使用したインクジェットプリンター(ヒューレ
ッド・パッカード製DesignJet2500CP)
でブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色100
%のベタ印字を行った。マクベスRD919で印字部の
濃度を測定した。値は大きい方が印字濃度が高く印字性
が良好であることを示す。
【0048】4)電子写真記録濃度 市販のPPC用紙にインクジェットプリンター(ヒュー
レッド・パッカード製DesignJet2500C
P)でブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色1
00%のベタ印字を行った。2)シートの状態の判定が
◎および△であった実施例及び比較例で作製した記録シ
ートをA4判に断裁した後、この画像を元画像としてゼ
ロックス社製カラー複写機Acolor935を用いて
複写を行った。マクベスRD919を用いて、記録シー
トに複写された画像の濃度を測定した。値は大きい方が
濃度が高く良好であることを示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1より明らかなように、支持体が破断伸
度5%以上である布帛であり、該支持体の幅方向の収縮
を抑制する装置を有する塗工装置を用いて、該支持体の
一方の面に情報記録層を設けた実施例1〜6では、シー
トの幅方向の収縮がなく、柔軟で布風な独特な風合いを
有し、記録画像の発色が良好な記録シートを安定に製造
することが可能となる。特に、支持体にスパンレース不
織布を用いた実施例1〜4は、各種記録法による画像の
発色が良好となり好ましい。また、支持体の少なくとも
一方の面に情報記録層を設けた後、熱カレンダー処理を
行った実施例1は、通常のカレンダー処理を行った実施
例2に比較し、電子写真記録時の発色が良好であり好ま
しい。
【0051】一方、幅方向の収縮を抑制する装置を有し
ない塗工装置を用いて、破断伸度が5%以上の布帛の一
方の面に情報記録層を設けた比較例1〜3は、いずれも
シートが幅方向に収縮している。比較例1では、乾燥部
に支持体を支える機構を何も備えていない塗工装置を用
いているが、シートの縦方向にかかるテンションが強す
ぎるため、幅が大きく収縮し、皺や波打ちの状態が酷
く、記録シートとして使用不可なレベルであった。ま
た、比較例2、3では、乾燥部に支持体を支えるための
キャンバス布による搬送装置を設置した塗工装置を用い
ている。こうした搬送機構の採用により、幅方向の収縮
は少なくなってはいるものの依然として起こっており、
幅方向への収縮の影響による記録シートの風合いの低
下、およびシートの所々で皺や波打ち等の欠点が見られ
る。また、各種記録方式による画像の発色も実施例に比
較し劣っている。
【0052】
【発明の効果】本発明の記録シートの製造方法は、支持
体が破断伸度5%以上である布帛であり、該支持体の幅
方向の収縮を抑制する装置を有する塗工装置を用いて、
該支持体の少なくとも一方の面に情報記録層を設けたこ
とを特徴とする。この製造方法を用いることで、柔軟
性、伸縮性、布風な独特な風合いを有し、記録画像の発
色が良好な記録シートを安定に製造することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06B 11/00 G03G 7/00 J 4L047 D06M 15/333 M G03G 7/00 D06M 11/12 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA02 BA15 BA22 BA41 3B154 AA07 AA08 AA09 AB22 AB27 BA35 BB02 BB12 BB39 BF18 DA06 DA09 DA30 4L031 AB34 BA09 BA20 CA11 DA00 4L033 AB07 AC15 BA00 BA98 BA99 4L047 AA17 BA21 BA23 CB10 DA00 EA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の面に情報記録
    層を設けてなる記録シートの製造方法において、該支持
    体が破断伸度5%以上である布帛であり、かつ該支持体
    の幅方向の収縮を抑制する装置を有する塗工装置を用い
    て、該支持体の少なくとも一方の面に情報記録層を設け
    たことを特徴とする記録シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 該支持体がスパンレース不織布である請
    求項1記載の記録シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体の少なくとも一方の面に情報記録
    層を設けた後、熱カレンダー処理を行うことを特徴とす
    る請求項1または2記載の記録シートの製造方法。
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