JP4620604B2 - 印刷用基材 - Google Patents

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Description

本発明は、柔軟性に優れ、且つ軽量でありながら、耐水性と耐久性にも優れた不織布からなる印刷用基材であり、特に鮮明な画像形成を可能とし通紙性にも優れた印刷用基材に関する。
従来より、不織布を基材とした印刷用基材は、紙を基材としたものよりも耐水性に優れ、風合いが柔軟である、また織物風の地合を有するなどの特徴があり、これらの利点を生かして、例えばオフセット印刷用としてカレンダー、お菓子の包装袋、手提げバッグなどの用途に、また例えばグラビア印刷用として布団袋、こたつ掛けカバー材などの用途に使用されている。しかし、屋外で使用する公告用の印刷基材として、例えば製品の広告、道路案内用、あるいは広告用ののぼり旗などには、柔軟性に優れ、且つ軽量でありながら、耐水性と耐久性にも優れた基材が要求されており、印刷特性についてもより鮮明な高品質の素材が要求されている。また枚葉印刷する場合には、インクジェット印刷機やオフセット印刷機への通紙がスムーズに行えることも必要とされる。
このような、印刷基材として、例えば特許文献1に、支持体上にインク受理成分を塗設あるいは含浸してなるインクジェット記録シートにおいて、該支持体が不織布からなり、さらに該不織布が繊維径0.1デニール以上0.8デニール以下の繊維より構成されていることを特徴とするインクジェット記録シートが記載されている。また、支持体としての不織布は、湿式不織布、又はステッチボンド方式、スパンボンド方式、メルトブローン方式、サーマルボンド方式等による乾式不織布、或いは湿式不織布又は乾式不織布を用いたスパンレース不織布があり、好ましくは、湿式不織布或いは湿式不織布を用いたスパンレース不織布が用いられる。
このように、特許文献1では、用いられる繊維が0.1〜0.5デニールの極細繊維または0.5〜0.8デニールの細繊維であるので印刷適性に優れるという効果がある。しかし、極細繊維は湿式不織布またはメルトブローン方式の不織布しか適用ができず、このうち湿式不織布は、繊維長がその実施例の例えば3mmというように極めて小さいために、得られる不織布の強度は極めて小さくなり、耐久性に劣るという問題があった。また、メルトブローン方式の不織布では、繊維長は長いものの繊維が延伸されていないため、得られる不織布の強度は極めて小さくなり、耐久性に劣るという問題があった。一方、繊維長が例えば15mm以上の細繊維を用いた、ステッチボンド方式、スパンボンド方式、カード機を用いる乾式方式などの不織布では、強度はある程度確保できても、印刷用基材としては、繊維が太いため繊維の分散性が劣り、部分的な質量のバラツキが大きくなってしまい、鮮明な印刷ができないという問題があった。また、細繊維を用いると柔軟な風合いの印刷基材となってしまい、枚葉紙として多量に印刷しようとすると、インクジェット印刷時に重送されたり、搬送ロールに巻き付いたり、縦置きの給紙ホルダーで曲がってしまったりするという問題があり、また手差しのオフセット印刷では、印刷機に給紙する際に折れ曲がって給紙してしまうという問題があった。このように、枚葉紙として多量に印刷しようとすると給紙し難いという問題があった。
特開2000−296670号公報
本発明は、上記の問題を解決し、柔軟性に優れ、且つ軽量でありながら、耐水性と耐久性にも優れた不織布からなる印刷用基材であって、鮮明な画像形成を可能とし通紙性にも優れた印刷用基材を提供することを課題とする。
本発明の課題を解決するための手段は、分割性繊維から分割して発生した極細繊維を含む不織布と、前記不織布に剥離可能に積層された支持シートとからなる印刷用基材であって、前記不織布と前記支持シートとの剥離強度が0.3〜1.5N/50mm巾であり、前記印刷基材の縦および横方向のうち少なくとも一方向のカンチレバー法による剛軟度が150mm以上である印刷用基材であり、前記不織布はスパンボンド法により形成された、連続した分割性長繊維からなる繊維ウエブに対して、高圧水を内蔵するノズルヘッドより噴射される水流の作用により、前記繊維ウエブ中の分割性長繊維が分割して繊維径が0.1〜10μmの極細繊維が発生し且つ前記極細繊維が絡合する工程のみにより形成された不織布であり、前記分割性長繊維は繊維形成性のポリエステル系樹脂成分とポリアミド系樹脂成分が複合され、水流の作用により分割可能な複合繊維からなる繊維径が10〜100μmの繊維であり、前記極細繊維はポリエステル系繊維とポリアミド系繊維とからなることを特徴とする印刷用基材である。
本発明によって、柔軟性に優れ、且つ軽量でありながら、耐水性と耐久性にも優れた不織布からなる印刷用基材であって、鮮明な画像形成を可能とし通紙性にも優れた印刷用基材を提供することが可能となった。
本発明のインクジェット印刷用基材を構成する不織布(以下、不織布基布と称する場合がある)は、分割性繊維から分割して発生した極細繊維を含んでいる。前記分割性繊維とは、2種類以上の繊維形成性樹脂成分が複合された分割可能な複合繊維からなる繊維であり、水流などの外力によって分割する分割繊維を適用することができる。また、この分割性繊維の横断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば図1の(a)〜(d)に示す形態や海島型の形態がある。これらの横断面形状の中でも、(a)及び(c)に示すオレンジ型の形状であれば、水流などの外力の作用によって分割し易く、分割した後の繊維強度も高くすることができるので好ましい。前記分割性繊維の分割の個数も限定されるものではなく、2個以上であればよく、例えば6〜20分割程度が好ましい。
前記分割性繊維を構成する繊維形成性樹脂の種類も、特に限定されるものではなく、ポリアミド系樹脂(例えば、6ナイロン、66ナイロンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)を挙げることができる。これらの樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂を少なくとも一成分として選択することにより、高い強度と、優れた耐久性や印刷適性を付与することができるので好ましい。
前記分割性繊維の太さも、紡糸条件や分割可能性を考慮する限り、特に限定されず、繊維径は10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。また、分割後の繊維径も0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。なお、分割前または分割後の繊維径とは、繊維の横断面と同じ面積を有する円の直径とすることができる。
前記分割性繊維の長さも、不織布を形成することが可能である限り特に限定されることはなく、スパンボンド法不織布とするには、連続した長繊維を適用することができる。
前記分割性繊維から分割して発生した極細繊維を含む不織布基布とは、前記分割性繊維を含む繊維から構成される繊維ウエブが、水流などの外力によって、繊維ウエブ中の分割性繊維が分割して得られる不織布基布である。特に前記繊維ウエブが高圧水を内蔵するノズルヘッドより噴射される水流の作用を受ける場合は、繊維ウエブ中の分割性繊維が分割するとともに構成繊維が絡合した形態の不織布基布が得られる。
前記繊維ウエブは、前記分割性繊維のみからなる場合も、前記分割性繊維以外の他の繊維も含むことが可能であり、このような他の繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール繊維などの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維を挙げることができる。しかし、他の繊維の混入比率は、本発明の印刷用基材としての特性を失わない範囲に留めるべきであり、前記繊維ウエブから形成される不織布基布全体に対して30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
また、前記繊維ウエブとしては、例えばスパンボンド法によって、熱可塑性合成繊維をノズルより紡出させて積層した長繊維からなる繊維ウエブがある。繊維ウエブとして、スパンボンド法による長繊維からなる繊維ウエブを採用することにより、不織布基布の強度が高くなり耐久性に優れるとともに、繊維の毛羽立ちが発生せず表面の滑り性にも優れるという利点があり、この点で短繊維を使用した不織布基布よりも優れる。
また、前記繊維ウエブにニードルパンチによる絡合処理を予め施した繊維ウエブであることも可能である。
次に、特に水流による作用によって分割する場合について説明する。高圧水を内蔵するノズルヘッドより噴射される水流の作用により、繊維ウエブ中の分割性繊維を分割するには、通常の水流絡合による不織布の製法を用いることが可能であり、例えば、前記繊維ウエブをベルトコンベアなどからなる開孔性支持体の上に載置して、この開孔性支持体を移動させながら、繊維ウエブの上部に設置した、高圧水を内蔵するノズルヘッドより、多数のノズル孔を直線状に配置したノズルプレートを通して、柱状流を噴出して、繊維ウエブに水流を作用させる方法がある。この方法で用いるノズル孔の直径は0.1〜0.3mmが好ましく、ノズル孔の間隔は0.5〜2mmが好ましく、また複数本のノズルヘッドを用いることが好ましい。またノズルヘッド内の水圧は0.2〜2MPaが好ましく、分割性繊維を分割するには分割性の程度にもよるが0.5〜2MPaが好ましい。
このように、前記分割性繊維を含む繊維から構成される繊維ウエブが、高圧水を内蔵するノズルヘッドより噴射される水流の作用により、繊維ウエブ中の分割性繊維が分割するとともに構成繊維が絡合して不織布基布が形成される。また、前記不織布基布を例えば液流染色機を用いて120℃前後で10分間程度、もみ加工を施し、柔軟性を向上させた不織布基布とすることも可能である。
また、前記不織布基布の面密度は20〜300g/mが好ましく、30〜200g/mがより好ましく、50〜150g/mがさらに好ましい。20g/m未満であると、繊維密度が少ないため鮮明な印刷とならない場合があり、300g/mを超えると、コスト高となる場合がある。
このようにして、得られた不織布基布は、分割性繊維から分割して発生した極細繊維を含むので、インクジェット印刷により、鮮明な印刷画像形成を可能とする。また、水流の作用により構成繊維が絡合するので、耐水性と耐久性にも優れており、且つ柔軟性に優れ、軽量であるという優れた効果を奏する。
本発明では、前記不織布基布がインク受理層を有している形態(以下、インク受理層付き基布と称する場合がある)であることが好ましい。インク受理層とはインクジェットインクなどの印刷用インクを吸収して定着させる層であり、さらに好ましくは画像の滲みや耐水性を付与するという機能を有することが求められる層である。なお、本発明の印刷用基材をオフセット印刷用として用いる場合は、前記不織布基布は必ずしもインク受理層付き基布である必要はなく、単にインクが滲まないようにするため、前記不織布基布がノニオン系界面活性剤などを含む形態であることも可能である。
前記インク受理層を構成する材料としては、従来公知の材料をいずれも使用することが可能である。具体的には、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオンでんぷん、アラビアゴム、ポリビニルイミダゾール、寒天、アルギン酸ナトリウム等の親水性天然素材、デキストリン、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール(ポリビニルアセタール)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリル酸、水溶性アルキド、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニル−3メチルピロリドン)、ポリマレイン酸コポリマー、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルイミダゾール、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリエステル等の、水溶性若しくは親水性合成樹脂が挙げられ、所望によりこれらの材料が少なくとも1種以上用いられる。
また、前記インク受理層を構成する材料として、生分解性樹脂である、例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)(例えば、ポリグリコール酸、ポリ−L−乳酸など)、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(β−ヒドロキシ酪酸)、β−ヒドロキシ酪酸−βヒドロキシ吉草酸共重合体など)、ポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリ−ω−カプロラクトンなど)、ポリアルキレンジカルボキシレート(例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ブチレンサクシネート−ブチレンアジペート共重合体など)が挙げられ、所望によりこれらの材料が少なくとも1種以上用いることも可能である。
また、特にインクジェット記録適性、例えば、耐ビーディング性、耐ブロッキング性等を向上させる目的で、更に、得られるインクジェット記録物の保存性、例えば、高湿環境下における画像の滲みや耐水性等を向上する目的で、上記材料の他に、水溶性の低分子有機化合物、及びカチオン性化合物、更には、水不溶性の有機化合物を適宜使用することができる。
この際に用いる水溶性の低分子有機化合物としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体、D−ソルビトール、ショ糖に代表される分子量5,000以下の多価アルコール等が挙げられる。
また、カチオン性化合物としては、1級、2級及び3級アミン塩型の化合物、例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩及び酢酸塩;第4級アンモニウム塩型の化合物、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等;ピリジウム塩型化合物、例えば、セチルピリジニウムクロライド等;イミダゾリン型カチオン性化合物、例えば、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等;高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン等が挙げられる。
さらに、水不溶性の有機化合物としては、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル樹脂、6,6ナイロンに代表されるポリアミド、ブチラール樹脂に代表されるポリビニルアセタール、その他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ジアセテート化合物、D−ソルビトール/芳香族アルデヒド縮合物等が挙げられる。
また、インクジェット用の記録媒体としての物性、例えば、耐ブロッキング性等を向上させる為に、従来公知の有機及び又は無機の微粒子(粉体、エマルジョン等)をインク受理層中に0.01〜30g/m2、好ましくは1〜20g/m2程度添加することも可能である。有機及び又は無機の微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。これらの微粒子の中でも、インク受理層中に主体成分として含有する白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
また、インク受理層中に、前記微粒子の他に、分散剤、潤滑剤、消泡剤等の各種界面活性剤や油類、pH調整剤、蛍光染料、防腐剤等、従来公知の添加剤を本発明におけるインクジェット印刷用基材の性能を低下しない範囲で使用することが可能である。
前記不織布基布にインク受理層を形成する方法としては、上記の材料からなる塗工液を、例えばパッダーなどにより含浸して形成する方法がある。また、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドコータ、ゲートロールコータ、カーテンコータ、ショートドウェルコータ、グラビアコータ、フレキソグラビアコータ、サイズプレス等により塗布して形成する方法がある。これらの方法の中で、パッダー含浸により形成する方法であれば、一回の処理で、不織布基布の両表面を印刷可能とできる点で有利な方法である。
前記不織布基布がインク受理層を有している具体的な形態としては、上述のインク受容層を形成する方法などによって、形態が異なり、主としてパッダー含浸などによって得られる形態と、主としてコーティングなどによって得られる形態の二種類の形態に分けることができる。
パッダー含浸などによって得られる形態としては、不織布基布の厚さ方向全体に比較的均一にインク受理層が形成されており、繊維間にインク受理層を形成する材料が緻密に詰まった形態ばかりでなく、繊維間にインク受理層を形成する材料が散在した形態をも含む。具体的には、不織布基布を構成する繊維の質量100部に対して、インク受理層を形成する材料の質量が5〜150部であることが好ましく、5〜100部であることがより好ましく、10〜50部であることがさらに好ましい。
また、繊維間にインク受理層を形成した後の空隙率が95〜10%であることが好ましく、90〜20%であることがより好ましく、90〜30%であることがさらに好ましい。また、印刷用基材の表面を平滑にすること、および空隙率を高める目的で不織布基布または繊維間にインク受理層を形成した後の不織布基布を加圧ロールなどによって、厚さを薄くすることも可能であり、この場合は、空隙率は85〜30%であることが好ましく、80〜40%であることがより好ましく、70〜40%であることがさらに好ましい。なお、空隙率は、面密度とJIS L1085−1998(不織布しん地試験方法)に規定される、6.1.2A法により得られる厚さとから算出される見掛けの体積をVnとし、インク受理層を形成した後の不織布基布を構成する各材料の総体積をVoとすると、空隙率Vs(%)=(Vn−Vo)/Vn×100の式から求めることができる。
また、不織布基布の厚さ方向全体に比較的均一にインク受理層が形成された形態としては、繊維組織が非常に粗く孔径が大きい場合は、パッダー含浸のみならずコーティングによっても得ることが可能である。
前記不織布基布が、コーティングなどによってインク受理層を有している形態としては、前記不織布基布の少なくとも片面に、前述の各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドコータ、ゲートロールコータ、カーテンコータ、ショートドウェルコータ、グラビアコータ、フレキソグラビアコータ、サイズプレス等により塗布して形成する方法により、インク受理層が塗布されている形態がある。インク受理層の塗布量は不織布基布の表面状態と多孔質な繊維構造内への浸透性を考慮して決めることができ、不織布基布を構成する繊維の質量100部に対して、インク受理層を形成する材料の質量が3〜80部であることが好ましく、3〜50部であることがより好ましく、5〜30部であることがさらに好ましい。このコーティングなどによってインク受理層を有している形態は、インクジェット印刷用基材の表面付近でインク受理層の密度が高くなっていることを特徴としている。また、繊維を実質的に含まない(例えば質量比率で10%以下)表面部分にインク受理層を有している場合は、そのインク受理層の厚さとしては、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
前記不織布基布(またはインク受理層付き基布)の面密度は、30〜350g/mが好ましく、40〜250g/mがより好ましく、50〜200g/mがさらに好ましい。30g/m未満であると、不織布基布の面密度が少ないため鮮明な印刷とならない場合があり、350g/mを超えると、コスト高となる場合がある。また、不織布基布(またはインク受理層付き基布)の厚さは、0.1〜1.2mmであることが好ましく、0.13〜0.8mmがより好ましく、0.15〜0.7mmがさらに好ましい。なお、厚さはJIS L1913−1998の6.1.2A法に規定される厚さとする。ただし、荷重は2.0kPaとした。
また、前記不織布基布(またはインク受理層付き基布)の引張強度は、縦方向と横方向の平均値で表すと、面密度100g/mに換算した値が、100N/50mm巾以上であることが好ましく、150N/50mm巾以上がより好ましく、200N/50mm巾以上がさらに好ましい。また、前記不織布基布(またはインク受理層付き基布)の引裂強度は、縦方向と横方向の平均値で表すと、面密度100g/mに換算した値が、4N以上であることが好ましく、5N以上がより好ましい。なお、引張強度はJIS L1913−1998の6.3に規定される引張強さとする。また、引裂強度はJIS L1913−1998の6.4.3(シングルタング法)に規定される引裂強さとする。
また、前記不織布基布(またはインク受理層付き基布)の剛軟度(カンチレバー法)は、縦方向と横方向の平均値で表すと、300mm以下であることが好ましく、250mm以下がより好ましい。また、特に柔軟性が要求される分野では、160mm以下であることが好ましく、100mm以下がより好ましい。なお、剛軟度はJIS L1096−1999の8.19.1A法(45°カンチレバー法)に規定される剛軟度とする。
また、前記不織布基布(またはインク受理層付き基布)の通気度は、2〜100cm/cm/secであることが好ましく、4〜50cm/cm/secがより好ましく、5〜30cm/cm/secがさらに好ましい。なお、通気度はJIS L1096−1999の8.27.1A法(フラジール形法)に規定される通気度とする。
本発明の印刷用基材は、前記不織布と、前記不織布に剥離可能に積層された支持シートとからなる印刷用基材である。前記支持シートは、前記不織布と前記支持シートとの剥離強度が0.3〜1.5N/50mm巾である限り、特に限定されず、例えば坪量が50〜120g/mの上質紙、クラフト紙、グラシン紙等の紙上に、面密度5〜30g/mのポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂層を設けた樹脂被覆紙、またはこれらの紙上にシリコーン剥離剤等の剥離剤や粘着剤を塗布した塗工紙、或いはポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスティクフィルム、またはこれらのプラスティクフィルム上にシリコーン剥離剤等の剥離剤や粘着剤を塗布した塗工フィルムなどを適用することができる。これらの中でも、長期間の保存中に品質の変化が少ない、樹脂被覆紙またはプラスティクフィルムが好ましい。つまり剥離剤や粘着剤を塗布した塗工紙や塗工フィルムでは、剥離剤や粘着剤に含まれる薬剤が接着性を増加したり、逆に粘着性が低下する場合がある。また、接着性が増加した場合、剥離した際に不織布基布の表面が毛羽立ってしまう場合がある。
なお、前記支持シートは前記不織布基布に剥離可能に積層され一体化しているが、印刷後に不織布基布から剥離した支持シートを、再度別の不織布基布に剥離可能に積層一体化することも可能であり、このようにして形成された印刷用基材も本発明に含まれる。(以下、このように再度用いることが可能な支持シートを再剥離可能支持シートと称する場合がある。)再剥離可能支持シートを用いることにより、印刷材としての最終目的に不要な材料のリサイクルが可能となり廃棄物を減らすことが可能となる。
前記支持シートは、より具体的には、市販の剥離紙や再剥離紙などを用いることが可能であるが、本発明では前記不織布と前記支持シートとの剥離強度が0.3〜1.5N/50mm巾である必要があり、好ましくは剥離強度が0.4〜1.2N/50mm巾であり、より好ましくは剥離強度が0.4〜1.0N/50mm巾である。剥離強度が0.3N/50mm巾未満であると、印刷時または印刷前に剥離してしまうという問題があり、剥離強度が1.5N/50mm巾を超えると、印刷後に剥離する際に極細繊維が毛羽立ったり、剥離し難くなるという問題がある。なお、前記支持シートに部分的に開口部を設けておき、この部分を印刷可能にすることによって、両面印刷の可能な形態とすることも好ましい一例である。
前記支持シートと前記不織布基布とを剥離可能に積層する方法としては、例えば長尺の不織布基布と長尺の支持シートとを夫々ロール状に巻きあげておき、各ロールから不織布基布と支持シートとを巻き出しながら、一対のフラットロール間に重ねて通し、ロールを加圧して、必要に応じて加熱を行ない、積層一体化する方法がある。また、ベルトをかけた一対のフラットロール間に重ねて通し、ロールを加圧すると共に加熱して積層一体化する方法がある。
本発明の印刷基材は、前記支持シートと前記不織布基布とを剥離可能に積層しているため、不織布基布単体よりも剛軟度が高くなるという利点を有することを特徴としている。具体的には、本発明の印刷基材は、縦および横方向のうち少なくとも一方向のカンチレバー法による剛軟度が150mm以上であることが必要であり、165mm以上であることが好ましく、180mm以上であることがより好ましい。剛軟度が150mm未満である場合には、枚葉紙として多量に印刷しようとすると、インクジェット印刷時に重送されたり、搬送ロールに巻き付いたり、縦置きの給紙ホルダーで曲がってしまったりするという問題があり、また手差しのオフセット印刷では、印刷機に給紙する際に折れ曲がって給紙してしまうという問題がある。このように、枚葉紙として多量に印刷しようとすると給紙し難いという問題がある。なお、縦および横方向の両方向のカンチレバー法による剛軟度が150mm以上であることが好ましく、縦方向と横方向の区別を気にかけることなく給紙できる利点がある。
また、本発明の印刷基材は、前記印刷用基材の不織布面と支持シート面との静摩擦係数が0.10〜0.70であることが好ましく、0.10〜0.61であることがより好ましい。また、不織布面を滑り易くするために不織布面に特別な加工を施すことも可能であるが、このような加工を有していない場合は、前記印刷用基材の不織布面と支持シート面との静摩擦係数は、0.30以上になる場合が多いといえる。したがって、このような場合、静摩擦係数は、0.30〜0.70であることが好ましく、0.35〜0.61であることがより好ましい。静摩擦係数が0.10未満であると、印刷装置内部でのスリップなどにより給紙不良が生じたり、斜行などの搬送トラブルが生じる場合がある。また、静摩擦係数が0.70を超えると、多数の繊維が印刷基材の表面に飛び出して毛羽が立った状態となるため、印刷機に通す際に滑り難く、印刷時間が極めて長くかかってしまうか、重送されたり斜行などの搬送トラブルが生じる場合がある。
なお、静摩擦係数はJIS P8147−1994に規定される静摩擦係数とする。ただし、水平板または傾斜板に支持シート面が表面になるように本発明の印刷基材を取り付け、おもりには、不織布面が表面になるように本発明の印刷基材を取り付けて測定するものとする。また、簡易に測定する場合は、上記JIS規格に規定される静摩擦係数の測定方法で得られる値に相当する値が得られる測定器を用いることも可能である。
以上説明したように、本発明によって、柔軟性に優れ、且つ軽量でありながら、耐水性と耐久性にも優れた不織布からなる印刷用基材であって、鮮明な画像形成を可能とし通紙性にも優れた印刷用基材を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(印刷適性−鮮明性の評価方法)
顔料インク又は染料インクを用いてフルカラー画像をインクジェット印刷し、目視により滲みや画像の鮮明性を評価した。評価の基準としては、滲みが無く鮮明な場合は○、若干滲むが実用上問題ない場合は△、滲みが目立ち不鮮明な場合は×とした。
(引張強度及び引張伸度)
JIS L1913−1998の6.3に規定される方法にて試験した。
(引裂強度)
JIS L1913−1998の6.4.3(シングルタング法)に規定される方法にて試験した。
(剛軟度)
JIS L1096−1999の8.19.1A法(45°カンチレバー法)に規定される方法にて試験した。
(通気度)
JIS L1096−1999の8.27.1A法(フラジール形法)に規定される方法にて試験した。
(摩擦に対する染色堅ろう度)
JIS L0849−2004に規定される方法にて試験した。学振形摩擦試験機を用い、乾燥した試験片を試験台の上に取り付け、摩擦子に2Nの荷重をかけ、100回往復後に、試験片の表面状態を観察し、印刷の色の変化が無いか又は極めて少ない場合を良(○)とし、色の変化が少ない場合をやや良(△)とし、色が薄くなった場合を不良(×)とした。
(摩擦に対する耐摩耗性)
JIS L0849−2004に規定される方法にて試験した。学振形摩擦試験機を用い、乾燥した試験片を試験台の上に取り付け、摩擦子に2Nの荷重をかけ、100回往復後に、試験片の表面状態を観察し、繊維組織の変化及び毛羽立ちが無いか又は極めて少ない場合を良(○)とし、繊維組織の変化及び毛羽立ちが少ない場合をやや良(△)とし、繊維組織が崩れるか毛羽立ちが極めて多い場合を不良(×)とした。
(静摩擦係数)
静摩擦係数の測定にはJIS P8147−1994に規定される静摩擦係数の測定方法で得られる値に相当する値が得られる、新東科学株式会社より販売されているポータブル摩擦計であるHEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94iを使用した。この摩擦計を使用する場合は、該当する印刷基材を支持シートと不織布基材とに予め剥離しておき、測定対象とする支持シート面が表面になるように剥離済み支持シートをテーブルの上に載置しておく。次いで、摩擦計のスライダーに付属されているOリングを外し、測定対象とする不織布面が表面となるように剥離済み不織布基材を包み込むようにして、不織布基材をスライダーにOリングで固定する。次いでスライダーを付属のスライダーホルダーに載せ、基板接続部へネジが止まる迄ネジ込む。この準備の後に前記摩擦計のスライダーを支持シート面の表面に接触させながら、紙管の軸方向にスライダーを移動させて摩擦計の表示より静摩擦係数の値を読み取る。
(実施例1)
スパンボンド法により、分割性長繊維として、図1の(C)に示す断面形態を有する2.4デシテックスの複合繊維(繊維径12μm、樹脂成分1はポリエステル樹脂、樹脂成分2は6ナイロン樹脂)をノズルより紡出させ、分割性長繊維からなる繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを、開孔性支持体の上に載置して、高圧水を内蔵するノズルヘッドより柱状流を噴出して、繊維ウエブに水流を作用させ、乾燥機にて乾燥させた。その結果、水流の作用により、分割性長繊維は分割し、各繊維より最大16個の極細繊維が発生し、且つ発生した極細繊維は水流の作用により絡合し、平均繊維径が3.1μmの極細長繊維からなる面密度100g/mの不織布基布を得た。
また、インク受理層形成のため、アクリル樹脂エマルジョンにシリカ粒子及びポリビニルアルコールを添加した水溶液(液濃度21%)50質量%、とともにカチオン系定着剤(ポリアリルアミン塩酸塩水溶液、液濃度35%)2質量%、を水48質量%に分散させた分散液を調製した。次いで、前記不織布基布をこの分散液に浸漬した後、一対のゴムロール間を通過させることにより、パッダー含浸させ、一定量の分散液量を不織布基布に含ませた。次いで、この含浸した不織布基布を、温度150℃に設定したドライヤーで乾燥することによって、不織布基布にインク受理層を形成して、インク受理層付き基布Aを得た。このインク受理層付き基布Aにはインク受理層が厚み方向にほぼ均一に形成されており、両表面とも印刷が可能であった。
次いで、面密度10g/mのポリエチレン系樹脂を被覆したクラフト紙からなる、面密度が68g/mであり、厚さが0.081mmである再剥離可能支持シートを準備して、前記支持シートと前記インク受理層付き基布Aとを夫々ロール状に巻きあげておき、各ロールからインク受理層付き基布Aと支持シートとを巻き出しながら、ベルトをかけた一対のフラットロール間に重ねて通し、ロールを0.2MPaで加圧すると共に120℃に加熱して支持シートとインク受理層付き基布Aとを積層一体化して実施例1の印刷用基材を得た。
この実施例では、インク受理層付き基布Aの面密度は125g/mであり、厚さは0.42mmであった。また、引張強度は縦方向と横方向の平均値が331N/50mm巾であり、破断時の引張伸度は縦方向と横方向の平均値が50%であった。また、引裂強度は縦方向と横方向の平均値が6.2Nであり、剛軟度は縦方向が217mm、横方向が175mmであり、縦方向と横方向の平均値が196mmであった。また、通気度は6.5cm/cm/secであった。また、印刷の鮮明性の評価、染色堅ろう度試験及び耐摩耗性試験を行った。また、実施例1の印刷用基材において、面密度は193g/mであり、厚さは0.50mmであり、インク受理層付き基布Aと支持シートとの剥離強度は0.60N/50mm巾であり、不織布面と支持シート面との静摩擦係数は0.40であった。また、実施例1の印刷用基材の剛軟度は縦方向が264mm、横方向が210mmであり、縦方向と横方向の平均値が237mmであった。なお、実施例1の印刷用基材から剥離した後のインク受理層付き基布の物性はインク受理層付き基布Aと同等であった。また、剥離後のインク受理層付き基布の表面には毛羽立ちは殆んど認められなかった。以上の結果を表1〜表3に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、面密度100g/mの不織布基布を得た。
また、インク受理層形成のため、アクリル樹脂エマルジョンにカチオン系定着剤を添加した水溶液(液濃度35%)8質量%を水92質量%に分散させた分散液を調製した。次いで、前記不織布基布をこの分散液に浸漬した後、一対のゴムロール間を通過させることにより、パッダー含浸させ、一定量の分散液量を不織布基布に含ませた。次いで、この含浸した不織布基布を、温度150℃に設定したドライヤーで乾燥することによって、不織布基布にインク受理層を形成して、インク受理層付き基布Bを得た。このインク受理層付き基布Bにはインク受理層が厚み方向にほぼ均一に形成されており、両表面とも印刷が可能であった。
この実施例では、インク受理層付き基布Bの面密度は105g/mであり、厚さは0.44mmであった。また、引張強度は縦方向と横方向の平均値が323N/50mm巾であり、破断時の引張伸度は縦方向と横方向の平均値が65%であった。また、引裂強度は縦方向と横方向の平均値が8.2Nであり、剛軟度は縦方向が105mm、横方向が79mmであり、縦方向と横方向の平均値が92mmであった。また、通気度は9.6cm/cm/secであった。また、印刷の鮮明性の評価、染色堅ろう度試験及び耐摩耗性試験を行った。また、実施例2の印刷用基材において、面密度は173g/mであり、厚さは0.49mmであり、インク受理層付き基布Bと支持シートとの剥離強度は0.50N/50mm巾であり、不織布面と支持シート面との静摩擦係数は0.53であった。また、実施例2の印刷用基材の剛軟度は縦方向が208mm、横方向が185mmであり、縦方向と横方向の平均値が197mmであった。なお、実施例2の印刷用基材から剥離した後のインク受理層付き基布の物性はインク受理層付き基布Bと同等であった。また、剥離後のインク受理層付き基布の表面には毛羽立ちは殆んど認められなかった。以上の結果を表1〜表3に示す。
(参考例1)
分割性短繊維として、図1の(a)に示す断面形態を有する2.2デシテックスの複合ステープル繊維(繊維径12μm×38mm長さ、樹脂成分1はポリエステル樹脂、樹脂成分2は6ナイロン樹脂)をカード機に供給して、繊維フリースを作製し、この繊維フリースを折り重ねることにより、クロスレイ繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを、開孔性支持体の上に載置して、高圧水を内蔵するノズルヘッドより柱状流を噴出して、繊維ウエブに水流を作用させ、乾燥機にて乾燥させた。また、水圧は15MPaとして、複数のノズルヘッドを用いた。その結果、水流の作用により、分割性短繊維は分割し、各繊維より最大13個の極細繊維が発生し、且つ発生した極細繊維は水流の作用により絡合し、平均繊維径が3.3μmの極細短繊維からなる面密度85g/mの不織布基布を得た。
次いで、実施例1と同様にインク受理層を形成させて、インク受理層付き基布Cを得た。このインク受理層付き基布Cにはインク受理層が厚み方向にほぼ均一に形成されており、両表面とも印刷が可能であった。
この参考例では、インク受理層付き基布Cの面密度は104g/mであり、厚さは0.50mmであった。また、引張強度は縦方向と横方向の平均値が240N/50mm巾であり、破断時の引張伸度は縦方向と横方向の平均値が53%であった。また、引裂強度は縦方向と横方向の平均値が11.2Nであり、剛軟度は縦方向が180mm、横方向が130mmであり、縦方向と横方向の平均値が155mmであった。また、通気度は33.2cm/cm/secであった。また、印刷の鮮明性の評価、染色堅ろう度試験及び耐摩耗性試験を行った。また、参考例1の印刷用基材において、面密度は172g/mであり、厚さは0.56mmであり、インク受理層付き基布Cと支持シートとの剥離強度は0.41N/50mm巾であり、不織布面と支持シート面との静摩擦係数は0.56であった。また、参考例1の印刷用基材の剛軟度は縦方向が230mm、横方向が180mmであり、縦方向と横方向の平均値が205mmであった。なお、参考例1の印刷用基材から剥離した後のインク受理層付き基布の物性はインク受理層付き基布Cと同等であった。また、剥離後のインク受理層付き基布の表面には毛羽立ちは殆んど認められなかった。以上の結果を表1〜表3に示す。
(比較例1)
極細繊維として、図1の(b)に示す断面形態を有する3.3デシテックスの複合繊維(繊維径18μm、繊維長5mm、樹脂成分1はポリエチレンテレフタレート樹脂、樹脂成分2は6ナイロン樹脂)と、非接着性繊維として1.7デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径13μm、繊維長10mm)を、分散剤を含む水中に分散させてスラリーを形成した。このとき前記複合繊維は最大11個の部分に離解し、離解した各繊維(平均繊維径5.5μm)は断面が扁平形状の極細繊維となった。次いで、このスラリーを手漉き装置で抄紙して繊維ウエブとした後110℃で乾燥させた。次いで、この繊維ウエブを、開孔性支持体の上に載置して、高圧水を内蔵するノズルヘッドより柱状流を噴出して、繊維ウエブに水流を作用させ、乾燥機にて乾燥させた。また、水圧は4MPaとして、複数のノズルヘッドを用いた。その結果、極細繊維が水流で3次元的に絡合された面密度65g/mの不織布基布を得た。
次いで、実施例1と同様にインク受理層を形成させて、インク受理層付き基布Dを得た。このインク受理層付き基布Dにはインク受理層が厚み方向にほぼ均一に形成されており、両表面とも印刷が可能であった。
この比較例では、インク受理層付き基布Dの面密度は73g/mであり、厚さは0.39mmであった。また、引張強度は縦方向と横方向の平均値が106N/50mm巾であり、破断時の引張伸度は縦方向と横方向の平均値が72%であった。また、引裂強度は縦方向と横方向の平均値が3.6Nであり、剛軟度は縦方向が116mm、横方向が88mmであり、縦方向と横方向の平均値が102mmであった。また、通気度は15.4cm/cm/secであった。また、印刷の鮮明性の評価、染色堅ろう度試験及び耐摩耗性試験を行った。以上の結果を表1及び表2に示す。
(比較例2)
メルトブロー法により、平均繊維径が3.5μmのポリエステル繊維からなる繊維ウエブを形成し、一対のエンボスロールと平滑ロールからなる加圧ロールにより、この繊維ウエブを部分的に融着して、面密度80g/mの不織布基布を得た。
次いで、実施例1と同様にインク受理層を形成させて、インク受理層付き基布Eを得た。このインク受理層付き基布Eにはインク受理層が厚み方向にほぼ均一に形成されており、両表面とも印刷が可能であった。
この比較例では、インク受理層付き基布Eの面密度は98g/mであり、厚さは0.33mmであった。また、引張強度は縦方向と横方向の平均値が73N/50mm巾であり、破断時の引張伸度は縦方向と横方向の平均値が49%であった。また、引裂強度は縦方向と横方向の平均値が4.0Nであり、剛軟度は縦方向が126mm、横方向が114mmであり、縦方向と横方向の平均値が120mmであった。また、通気度は4.9cm/cm/secであった。また、印刷の鮮明性の評価、染色堅ろう度試験及び耐摩耗性試験を行った。以上の結果を表1及び表2に示す。
表1.不織布基布(インク受理層付き基布)の評価
Figure 0004620604
表2.印刷用基材の評価
Figure 0004620604
表1及び表2から明らかなように、実施例1および2のインク受理層付き基布は、比較例1および2と比較して、引張強度の値が高く、耐久性に優れていた。また、実施例および2のインク受理層付き基布は、印刷の鮮明性に優れるとともに染色堅ろう度試験や耐摩耗性試験においても優れた結果が認められた。また、実施例1および2のインク受理層付き基布は、剛軟度の値が高く通紙性や搬送性に優れていた。
(比較例3)
実施例1で、支持シートを積層しないインク受理層付き基布Aを複数枚重ねて使用した場合を想定して、インク受理層付き基布A同士の製摩擦係数を測定すると、0.62であった。なお、この製摩擦係数の測定に際しては、測定対象とする支持シート面が表面になるように剥離済み支持シートをテーブルの上に載置しておく替わりに、インク受理層付き基布Aをテーブルの上に載置して測定した。この結果を表3に示す。
(比較例4)
実施例2で、支持シートを積層しないインク受理層付き基布Bを複数枚重ねて使用した場合を想定して、インク受理層付き基布B同士の製摩擦係数を測定すると、0.84であった。なお、この製摩擦係数の測定に際しては、測定対象とする支持シート面が表面になるように剥離済み支持シートをテーブルの上に載置しておく替わりに、インク受理層付き基布Bをテーブルの上に載置して測定した。この結果を表3に示す。
(比較例5)
実施例1で、支持シートを積層しないインク受理層付き基布Cを複数枚重ねて使用した場合を想定して、インク受理層付き基布C同士の製摩擦係数を測定すると、0.79であった。なお、この製摩擦係数の測定に際しては、測定対象とする支持シート面が表面になるように剥離済み支持シートをテーブルの上に載置しておく替わりに、インク受理層付き基布Cをテーブルの上に載置して測定した。この結果を表3に示す。
表3.支持シート有無による比較
Figure 0004620604
表3から明らかなように、実施例1および2の印刷用基材は、不織布基材に剥離可能に支持シートが積層一体化しているため、不織布面と支持シート面との摩擦係数の値が低く、通紙性や搬送性に優れていた。これに対して、比較例3〜5の印刷用基材は、支持シートが積層一体化していないため、不織布面同士の摩擦係数の値が高く、通紙性や搬送性に劣っていた。
(a)は本発明で用いる分割性繊維の断面の例、(b)は本発明で用いる分割性繊維の断面の別の例、(c)は本発明で用いる分割性繊維の断面の別の例、(d)は本発明で用いる分割性繊維の断面の別の例を示す図である。
符号の説明
1.樹脂成分
2.他の樹脂成分

Claims (4)

  1. 分割性繊維から分割して発生した極細繊維を含む不織布と、前記不織布に剥離可能に積層された支持シートとからなる印刷用基材であって、前記不織布と前記支持シートとの剥離強度が0.3〜1.5N/50mm巾であり、前記印刷基材の縦および横方向のうち少なくとも一方向のカンチレバー法による剛軟度が150mm以上である印刷用基材であり、
    前記不織布はスパンボンド法により形成された、連続した分割性長繊維からなる繊維ウエブに対して、高圧水を内蔵するノズルヘッドより噴射される水流の作用により、前記繊維ウエブ中の分割性長繊維が分割して繊維径が0.1〜10μmの極細繊維が発生し且つ前記極細繊維が絡合する工程のみにより形成された不織布であり、
    前記分割性長繊維は繊維形成性のポリエステル系樹脂成分とポリアミド系樹脂成分が複合され、水流の作用により分割可能な複合繊維からなる繊維径が10〜100μmの繊維であり、前記極細繊維はポリエステル系繊維とポリアミド系繊維とからなることを特徴とする印刷用基材。
  2. 前記印刷用基材の不織布面と支持シート面との静摩擦係数が0.10〜0.70であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用基材。
  3. 前記不織布のカンチレバー法による剛軟度が300mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用基材。
  4. 前記不織布の引き裂き強度が、面密度100g/mあたり、4N以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の印刷用基材。
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