JP2018020475A - 転写用紙 - Google Patents

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【課題】発色性が良好であり、捺染ムラが抑制され、密着性に優れる、昇華型捺染インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙を提供することである。【解決手段】課題は、昇華型捺染インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙であって、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有し、転写用紙において、CD方向の10秒後の水中伸度が3.5%以下である転写用紙によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維材料などの被印刷物へ図柄を形成する転写捺染法において、図柄を転写するために使用される転写用紙に関する。
繊維材料などの被印刷物に図柄を形成させる方法として、昇華型捺染インクを用いて転写用紙に図柄を印刷して転写紙を作製し、転写紙を被印刷物に密着させて、昇華型捺染インクを被印刷物に転写させる転写捺染法が公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
転写捺染法に用いる転写用紙は公知である。
例えば、水性インクの吸収性に優れて滲みなどのない鮮明な記録画像を得ることができ、昇華転写の際の転写対象物へのインク転写効率にも優れた昇華転写用シートとして、シート状基材と、前記シート状基材の片面又は両面に設けられるインク受理層とを包含し、インク受理層には顔料とバインダーとカチオン性樹脂とが含まれ、前記バインダーとしては、デンプン、デンプン誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールの何れか1種又はそれら2種以上の混合物が使用されることを特徴とする昇華転写用シートが公知である(例えば、特許文献3参照)。
また、昇華型捺染インクを用いたインクジェット印刷において優れたインク吸収・乾燥性を有しており作業性が良好であるとともに、転写紙表面での画像再現性、加熱転写時の耐熱性、転写後の被転写物表面での画像再現性や転写効率の点でも良好な特性を有する昇華型インクジェット捺染転写紙として、基材上に昇華型捺染インク受容層を有し、前記昇華型捺染インク受容層は、水溶性樹脂と微細粒子を含有し、前記微細粒子として、合成非晶質シリカを含有し、前記昇華型インクジェット捺染転写紙の昇華型捺染インク受容層側における超音波透過強度の相対値における最小値のピークを、測定時間3秒以内に有する昇華型インクジェット捺染転写紙が公知である(例えば、特許文献4参照)。
昇華型染料を含有するインクや昇華型捺染インクを用いて転写用紙に図柄を印刷して転写紙を作製する方法としては、特許文献3および特許文献4に記載されるように、インクジェット印刷方式がよく用いられる。
特開2015−168705号公報 特開2015−124324号公報 特開2010−158875号公報 特開2010−058335号公報
転写紙から被印刷物へ昇華型捺染インクの転写が不十分であると、被印刷物に形成された図柄の発色が低下する現象がある。この現象は特に、画質を求めて転写用紙の昇華型捺染インクに対する受容性を向上させると発生し易くなる。この理由は、昇華型捺染インクに対する転写用紙の受容性を向上させた結果、転写紙から被印刷物へ受容された昇華型捺染インクが転写し難くなるためである。
また、被印刷物に形成された図柄の発色とは別に、色に関しては被印刷物の捺染ムラの問題もある。捺染ムラは、転写紙において均一な色である領域が最終的な被印刷物において部分的に発色が低下する現象である。図柄の発色が低下する前記現象が、転写紙から画像全体的に昇華型捺染インクの転写が不十分になる現象に対して、捺染ムラは、転写紙から画像部分的に昇華型捺染インクの転写が不十分になる現象である。捺染ムラは、特に、ロール状にした転写紙を用いて連続的に被印刷物に転写する場合、発生する傾向にある。
しかし、特許文献3の昇華熱転写シートや特許文献4の昇華型インクジェット捺染転写紙の品質は必ずしも十分とはいえず、特に、捺染ムラの抑制に関して向上が望まれている。
本発明の目的は、下記の項目を満足する転写用紙を提供することである。
(1)被印刷物において発色の低下が無く、発色性が良好であること。
(2)被印刷物において捺染ムラが抑えられ、捺染ムラ抑制性が良好であること。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の目的は、以下により達成される。
[1]昇華型捺染インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙であって、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有し、転写用紙において、CD方向の10秒後の水中伸度が3.5%以下である転写用紙。
[2]前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、カオリン、炭酸カルシウムおよび水溶性カルシウム塩を少なくとも含有する前記[1]に記載の転写用紙。
[3]前記水溶性カルシウム塩が、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[2]に記載の転写用紙。
本発明により、発色性が良好であり、捺染ムラ抑制性が良好である転写用紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、「転写用紙」とは、転写する図柄が印刷される前の白紙状態にある用紙をいう。「転写紙」とは、転写用紙に対して転写する図柄が印刷された状態にある用紙をいう。
転写用紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有する。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。塗工層が2層以上の場合において、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、顔料およびバインダーを含有する塗工層または顔料を含有しない塗工層のいずれであってよく、特に限定しない。
製造コストの点から、塗工層は1層が好ましい。また塗工層は、原紙の片面上または両面上に有してよい。転写用紙は、本発明にかかる最外塗工層が原紙の片面上に有する場合、原紙の裏面に従来公知のバックコート層を有してよい。
塗工層の塗工量は特に限定されない。転写用紙の製造コストや被印刷物に対する密着させ易い点から、塗工量は、片面あたり乾燥固形分量で2g/m以上70g/m以下が好ましい。前記塗工量の範囲において、塗工量の上限は、30g/m以下がより好ましく、10g/m以下がさらに好ましい。さらに、転写紙と被印刷物との密着時において最外塗工層の欠落を防止し易い点から、塗工量の上限は8g/m以下が最も好ましい。塗工量は、片面あたり塗工層が複数存在する場合、それら合計の値である。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理や表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
抄造は、紙料を酸性、中性またはアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を挙げることができる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
原紙の坪量は特に限定されない。転写紙と被印刷物との密着時の取扱い易さの点から、原紙の坪量は10g/m以上100g/m以下が好ましく、40g/m以上90g/m以下がさらに好ましい。また、転写用紙の厚さは特に限定されない。転写紙と被印刷物との密着時の取扱い易さの点から、転写用紙の厚さは0.01mm以上0.5mm以下が好ましく、0.05mm以上0.3mm以下がさらに好ましい。
転写用紙は、原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層を有する。
塗工層または最外塗工層は、原紙上または塗工層上に、各塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって設けることができる。設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて塗工および乾燥する方法を挙げることができる。従来公知の塗工装置の例としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーター等を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
転写用紙は、CD方向の10秒後の水中伸度が3.5%以下である。
用紙の「CD方向」とは、紙の抄造工程において、抄紙機のなかで流れに直交する幅方向を意味する。「10秒」とは用紙を水中に浸漬してからの時間を指す。
転写用紙のCD方向の10秒後の水中伸度が上記範囲であることによって、転写用紙に図柄を印刷する工程において昇華型捺染インク中の液成分によって起こる紙の波打ちや歪みを抑えることができる。転写用紙のCD方向の10秒後の水中伸度が上記範囲に該当しない転写用紙を用いて転写捺染法によって被印刷物に図柄を形成した場合は、紙の波打ちや歪みを生じ、結果、捺染ムラを発生することがある。転写捺染法によって多量の被印刷物に図柄を形成する場合、その数に見合うだけの転写紙を必要とする。例えば、ロール状にした転写紙を用いて連続的に転写捺染法によって被印刷物に図柄を形成すると、CD方向の10秒後の水中伸度が上記範囲に該当しない転写用紙は、捺染ムラを有する不良品の発生率が高くなる。さらに、CD方向の10秒後の水中伸度が上記範囲に該当しない転写用紙は、昇華型捺染インク中の液成分と一緒に色材も用紙の伸びとともに取り込まれるため、転写紙から被印刷物へ色材の転写が妨げられる。結果、発色の低下を引き起こすことがある。
本発明における水中伸度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」に準拠して求められる値である。本発明における水中伸度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」に準拠する各種水中伸度測定装置で測定することができる。具体的な水中伸度測定装置の例としては、DPM−30(emco社製)等を挙げることができる。
本発明にかかる水中伸度を有する転写用紙は、従来公知の方法で得ることができる。例えば、原紙の繊維配向を調整する方法、抄紙機における紙の流れ方向の張力(ドロー)等を調整する方法を挙げることができる。特に、原紙の繊維配向を調整する方法が紙質の変化が少ないことと本発明の効果を得る点で好ましい。繊維配向は、抄紙機の操業条件、特にヘッドボックスから噴出される紙料の速度(J)とワイヤー速度(W)との比(J/W比)に左右される。一般に、繊維配向が小さい程、水中伸度は小さくなる。本発明にかかる水中伸度を有する転写用紙を得るには、J/W比は、0.8〜1.2が好ましい。
転写用紙の最外塗工層は、顔料としてカオリンおよび炭酸カルシウム、並びに水溶性カルシウム塩を少なくとも含有することが好ましい。この理由は、発色性または捺染ムラ抑制性が良化するからである。
最外塗工層中のカオリンと炭酸カルシウムとの含有質量比は、カオリン:炭酸カルシウム=9:1〜5:5が好ましい。転写用紙に図柄を印刷する方法においてインクジェット印刷方式を用いる場合、インクジェット印刷方式に対する印刷適性の点から、炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムが好ましい。
最外塗工層は、カオリンおよび炭酸カルシウム以外に従来公知の顔料を含有することができる。従来公知の顔料の例としては、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、活性白土、珪藻土などの無機顔料、およびプラスチック顔料などの有機顔料を挙げることができる。最外塗工層は、これら顔料から1種または2種以上を組み合わせて、カオリンおよび炭酸カルシウムと併用して含有することができる。
最外塗工層の顔料中、カオリンおよび炭酸カルシウムが占める割合は80質量%以上が好ましい。
水溶性カルシウム塩とは、最終的に20℃の水に1質量%以上溶解することができるカルシウム塩である。水溶性カルシウム塩の例としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム等の塩化合物、またはエチレンジアミン四酢酸カルシウム等の錯塩化合物を挙げることができる。水溶性カルシウム塩は、これらからなる群から1種または2種以上を選択する。これらの中で、水溶性カルシウム塩は、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
最外塗工層中の水溶性カルシウム塩の含有量は、最外塗工層中の顔料100質量部に対して2質量部以上30質量部以下が好ましい。含有量の下限は、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。含有量の上限は、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
最外塗工層は、塗工紙分野で従来公知のバインダーを含有することが好ましい。
従来公知のバインダーの例としては、澱粉およびその各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性共重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等のバインダー、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等を挙げることができる。最外塗工層は、これらバインダーからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
耐画像劣化性の点から、バインダーは、澱粉およびその各種変性澱粉、並びにポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
最外塗工層中のバインダーの含有量は、最外塗工層中の顔料100質量部に対して5質量部以上60質量部以下が好ましく、20質量部以上40質量部以下がより好ましい。
最外塗工層は、必要に応じて塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、分散剤、定着剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を挙げることができる。
また、最外塗工層は、転写捺染法で従来公知の各種助剤を含有することができる。助剤は、最外塗工層塗工液の各種物性を最適化する、あるいは転写される昇華型捺染インクの染着性を向上させるため等に加えられるものである。助剤は、例えば、各種界面活性剤、保湿剤、湿潤剤、pH調整剤、アルカリ剤、濃染化剤、脱気剤および還元防止剤等を挙げることができる。
転写紙は、昇華型捺染インクを備える従来公知の各種印刷方法を用いて、転写用紙の最外塗工層を有する面側に図柄を印刷することによって得ることができる。
転写用紙に図柄を印刷する各種印刷方法は、従来公知の印刷方法であって、特に限定されない。印刷方法は、例えば、グラビア印刷方式、インクジェット印刷方式、電子写真印刷方式およびスクリーン印刷方式などを挙げることができる。中でも、画質の高精細化および装置の小型化の点でインクジェット印刷方式が好ましい。
昇華型捺染インクを用いた転写捺染法は、転写用紙に図柄を印刷して転写紙を得る工程と、転写紙を被印刷物に密着させる工程とを有する方法である。密着させる工程には、必要に応じて、加熱および加圧が含まれる。密着させる工程における加熱および加圧の条件は、転写捺染法で従来公知の条件である。密着させる工程は、例えば、プレス機や加熱ドラムなどにより転写紙を被印刷物に密着させ加熱および加圧する方法を挙げることができる。
被印刷物は、繊維材料であって、特に限定されない。繊維材料は、天然繊維材料および合成繊維材料のいずれでも構わない。天然繊維材料は、例えば、綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料等を挙げることができる。合成繊維材料は、例えば、ポリアミド繊維(ナイロン)、ビニロン、ポリエスエル、ポリアクリル等を挙げることができる。繊維材料の構成としては、織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊または交織などを挙げることができる。さらに、これらの構成が複合化してもよい。また、必要に応じて、染着促進に効果のある薬剤などで被印刷物を前処理してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
LBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉1.2質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に表面サイズ剤を付着させ、マシンカレンダー処理をして原紙を作製した。
得られる転写用紙の、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」に準拠して求められるCD方向の10秒後の水中伸度が所定の値になるように、抄紙機におけるJ/W比やドロー等を調整した。
<最外塗工層塗工液>
最外塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
重質炭酸カルシウム 部数は表1に記載
シリカ 部数は表1に記載
燐酸エステル化澱粉 15質量部
ポリビニルアルコール 10質量部
水溶性塩 種類および部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度48質量%に調整した。
<転写用紙>
転写用紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に、表1に記載の最外塗工層塗工液をエアナイフコーターにて両面塗工し、乾燥させた後カレンダー処理をして各実施例および各比較例の転写用紙を得た。塗工量は、片面あたり6g/mとした。
<転写紙>
以上により得られた転写用紙に、昇華型捺染インクを使用したインクジェットプリンター(JV2−130II、ミマキエンジニアリング社製)を用いて、昇華型捺染インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)による評価用図柄を印刷し、転写紙を得た。
<捺染(カット紙)>
被印刷物としてポリエステル布を用いた。得られた転写紙とポリエステル布とを密着させ、熱転写用プレス機(手動ワイドスインガーModel221、INSTA社製)を用いて200℃、60秒間加熱し、染料をポリエステル布へ転写した。その後転写紙をポリエステル布から剥離して、図柄が形成されたポリエステル布を得た。
<発色性の評価>
被印刷物において、昇華型捺染インク3色(シアン、マゼンタ、イエロー)のベタ画像部を光学濃度計(X−rite530、サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて色濃度を測定し、3色の色濃度値を合計した。発色性を下記の基準により判断した。本発明において、転写用紙は、評価がAまたはBであれば発色性が良好であるものとする。
A:合計の値が4.8以上
B:合計の値が4.5以上4.8未満
C:合計の値が4.2以上4.5未満
D:合計の値が4.2未満
<捺染(ロール紙)>
被印刷物として巻き物のポリエステル布を用いた。得られたロール紙状の転写紙とポリエステル布とを密着させ、加熱および加圧機(190℃、0.5MPa、2.5m/min、ローラー型)を用いて、染料をポリエステル布へ転写した。その後転写紙をポリエステル布から剥離して、図柄が形成されたポリエステル布を得た。
<耐捺染ムラ性の評価>
50点の図柄を印刷して常温でロール状に巻き取られた転写紙を使用し、上記のように、50点の図柄が形成された巻き物の被印刷物を作製した。得られた被印刷物について、捺染ムラの発生程度を目視にて下記の基準により官能評価した。
X:捺染ムラがほとんど認められず、形成された図柄は良好である。
Y:捺染ムラがわずかに認められるが、形成された図柄は実用上問題無い。
Z:捺染ムラが認められ、形成された図柄は実用上問題になる。
官能評価した結果から、XおよびZに該当する被印刷物の件数を求め、下記の基準により評価した。本発明において、評価がAまたはBであれば耐捺染ムラ性を有するものとする。
A:Zの件数が2件未満であり、且つXの件数が30件以上である。
B:Zの件数が2件未満であり、且つXの件数が30件未満である。
C:Zの件数が2件以上6件未満である。
D:Zの件数が6件以上である。
評価結果を表1に示す。
Figure 2018020475
表1の評価結果から、本発明に該当する実施例1〜13は、発色性および捺染ムラ抑制性が良好であることが分かる。しかしながら、本発明の構成を満足しない比較例1〜3は、これら効果を得ることができないと分かる。
主に、実施例1〜7と実施例8〜10との対比から、最外塗工層が、カオリン、炭酸カルシウムおよび水溶性カルシウム塩を含有することが好ましいと分かる。
また主に、実施例1〜4と実施例5との対比から、水溶性カルシウム塩は、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましいと分かる。

Claims (3)

  1. 昇華型捺染インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙であって、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有し、転写用紙において、CD方向の10秒後の水中伸度が3.5%以下である転写用紙。
  2. 前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、カオリン、炭酸カルシウムおよび水溶性カルシウム塩を少なくとも含有する請求項1に記載の転写用紙。
  3. 前記水溶性カルシウム塩が、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の転写用紙。
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