JPH06316147A - 搬送用基布媒体及びそれを用いる捺染方法とインク記録装置 - Google Patents

搬送用基布媒体及びそれを用いる捺染方法とインク記録装置

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JPH06316147A
JPH06316147A JP5108226A JP10822693A JPH06316147A JP H06316147 A JPH06316147 A JP H06316147A JP 5108226 A JP5108226 A JP 5108226A JP 10822693 A JP10822693 A JP 10822693A JP H06316147 A JPH06316147 A JP H06316147A
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祥司 小池
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美由紀 松原
Hitoshi Sugimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット簡易捺染方法用カットシート
状布記録媒体の提供。 【構成】 下紙ないしは剛直化剤によって剛直度を向上
さたカットシート状布記録媒体を自動装着可能かつ背面
側搬送駆動のインクジェット記録装置と組み合わせて記
録する。必要に応じて、裏側給紙手段・加熱手段・高濃
度記録手段を設ける。 【効果】 インクジェット技術を応用した簡易捺染方法
及び装置を提供でき、インクジェット技術を応用したイ
ンクジェット簡易捺染方法による高精彩な色表現を簡単
な操作で行えるようにしたので、工業用のみならず広く
一般家庭の趣味的な分野への応用を可能とすることが可
能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、インク、固
体インクを溶解状態としたインク、粉体を溶解したトナ
を担持できる搬送用基布媒体被搬送部材に関し、これを
用いるインク捺染方法、更にはインク記録装置として複
写機、ファクシミリ等の記録機器、通信機器、事務機
器、複合機器、プリンタ等に適用可能な装置発明に関す
る。特に本発明は、インクジェット記録手段を用いてカ
ットシート状の基布にインクジェット捺染する方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年インクジェット技術を用いた捺染装
置が実用化され高精彩なプリント生地が簡略な工程で生
産されるようになってきたが、いずれも工業的な捺染装
置であり、ユーザが手軽に思いのままのプリントを高精
彩に行うことは実質上難しい状況である。
【0003】そうしたインクジェット捺染方法に関する
発明として、吉田等は特開昭61−55277号公報に
布帛素材に染着させる染料に対して実質的に非染着性で
ある化合物を、該布帛素材に対して0.1〜50重量%
含有させたインクジェット染色用布帛及びそれを用いた
インクジェット染色法を開示することでインクジェット
捺染におけるにじみ防止を可能としているが、いずれの
実施例においても汎用のインクジェットプリンタでの初
期搬送性に対する考慮がなされておらず、その応用はほ
ぼ工業的な捺染分野に限定されている。
【0004】また、本発明と同一出願人による発明とし
て、小池等は特開昭62−53492号公報にインクジ
ェット方式によって水溶性染料を含む記録液を布帛類に
付与し、次いで必要に応じ染着処理する捺染方法におい
て、上記布帛類に、25℃における粘度が1000cp
以上の記録液受容層を形成した捺染方法を開示すること
で流動性を有する記録液受容層にインクを受容させるこ
とでにじみを防止して高品位なインクジェット捺染布を
得ることを可能としている。その実施例中では綿100
%のブロード生地を2200cpの記録液受容層液に浸
積した後、軽く絞って過剰の受容層液を除き、これを市
販のレポート用紙と重ね合わせてプリンタに装着しやす
い状態とした後、直ちにインクジェットプリンタに取り
付け、布帛綿上にプリントし、次ぎに、プリンタから取
りはずしてアイロンをかけて定着を行い、その後中性洗
剤にて受容層液を除去してインクジェットプリンタによ
る布帛のプリント物を得ている。また、別の実施例では
15000cpの記録液受容層剤を50%水溶液にして
綿65%麻35%のワイシャツ生地にバーコーターにて
塗布し、80℃1時間の熱風乾燥をしてプリント用生地
を得、これをインクジェットプリンタを用いてプリント
を行い、アイロンによる染着処理と中性洗剤による洗浄
を行いインクジェット捺染布を得ている。上記実施例に
より作成したインクジェット捺染布は1.5mm間隔の
直線の解像度を十分に満たした上、ボヤケや滲みもなく
さらに十分な濃度が得られ、また、上記発明のひとつの
利点として、工業的な捺染方法のみならず、一般家庭で
の趣味的なプリント捺染にも応用可能としている。即
ち、記録液受容層液と布帛とインクジェットプリンタと
ドライヤーないしは市販の普通紙とアイロンと市販の洗
剤さえあれば、非工業的なインクジェット捺染が可能と
なる。そのうち、記録液および布帛に適した記録液受容
液については広く市販されているものではないので、イ
ンクジェットプリンタメーカーなどで適宜販売されるも
のを購入すれば良い。
【0005】また、インクジェット記録以外の方法、た
とえば、簡易印刷機として広く普及しているプリントゴ
ッコ(理想科学工業社製)を用いてカラープリントを行
った後アイロンで加熱処理するなどの方法が開示されて
いる。そうした簡易印刷機を用いた布プリントでは、基
布のサイズや形状自体に関する制約は少ないが、印刷圧
の均一化の点から一度の印刷で行える領域が小さく、広
い領域でのプリントは複数回に分けて行っているのが実
情で印刷ごとのレジスト合わせが難しく、微妙な色調変
化や高精彩な表現は難しいという問題があった。
【0006】
【技術課題】本発明の主たる目的は、非工業的な分野に
おいても応用可能な簡易捺染方法及び装置を提供するこ
とであり、上述従来の簡易捺染方法では認識されていな
かった、ロール状布の初期自動搬送を確実なものにして
捺染記録を可能にすることやカットシート状搬送用基布
媒体自体の特性を改良して自動給送を可能にし、記録条
件を乱すことのない搬送用基布媒体を提供することにあ
る。
【0007】この背景としては、上述従来の簡易捺染方
法の中でもっとも有望なものとしてインクジェットプリ
ンタを用いたインクジェット捺染方法があり、近年のイ
ンクジェット技術の急速な進歩により、インクジェット
技術を用いて紙などのカットシート状の記録媒体にホス
ト装置などから転送されたカラー画像データを高精彩に
記録できる、いわゆる、インクジェット記録装置の分野
で、小型化・低価格のカラーインクジェット記録装置が
普及してきているからである。しかしながら上述の特開
昭61−55277号公報に開示された構成では近年の
進化したインクジェットプリンタにそのまま応用するこ
とは難しくなって来ている。即ち、前記公報における第
1の実施例では高粘度ではあるが流動性の記録液受容層
液によるインクジェットプリンタの搬送手段への汚染や
プリント生地の装着性および搬送性の改善を市販のレポ
ート用紙を重ねて装着することで改善しているが、ま
た、第2の実施例ではさらに高粘度の記録液受容層液を
記録面側から塗布・乾燥して下紙なしでインクジェット
プリンタに装着するようにしているが、近年のより高解
像度化・高精彩化したインクジェットプリンタを生かし
て高精細なプリントを自動搬送で行うには十分な搬送性
を得ることは難しい。また、上記実施例中で用いたイン
クジェットプリンタは、主搬送手段である円筒状のプラ
テンに手動で記録媒体を装着するものであり前述のよう
に下紙を重ねただけの生地や、生地そのものであっても
装着できたが、近年のインクジェットプリンタでは搬送
手段への装着は自動的に行える様に構成されているもの
が主流であり、そうしたインクジェットプリンタの搬送
手段への装着はそのままでは難しい。
【0008】従って、本発明は、詳しくは、インクジェ
ット技術を応用した簡易捺染方法及び装置を提供であ
り、より詳しくは搬送手段への自動装着が可能なインク
ジェットプリンタを用いることが可能なインクジェット
簡易捺染方法および、記録液受容のための前処理済の基
布を搬送手段に自動装着して記録可能なインクジェット
記録(捺染)装置及びそれに用いるカットシート状布記
録媒体を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、インクジェット技術
を応用したインクジェット簡易捺染方法による高精彩な
色表現を工業用のみならず広く一般家庭の趣味的な分野
への応用を可能とすることである。
【0010】
【本発明の概要】本発明は、基布がなす片面を備えたク
ラーク剛度10以上400以下の部分を少なくとも搬送
用先端に備えた搬送用基布媒体によって、搬送用基布媒
体がカットシート状やロール状の母体であっても、捺染
開始の自動給送を安定かつ確実なものにでき、記録画像
を良好なものにできる。
【0011】具体的例を挙げれば、表層に染色液吸収性
の粘着層を有する搬送基材に貼付して得たクラーク剛度
10以上400以下のカットシート状記録媒体に、イン
クジェット記録装置を用いてインクジェット捺染した
後、基布を搬送基材から剥離して捺染布を得るか、基布
を、剛直化剤を用いて処理して得たクラーク剛度10以
上400以下のカットシート状記録媒体に、インクジェ
ット記録装置を用いてインクジェット捺染して捺染布を
得るなどすれば良い。
【0012】本発明のより好ましい搬送用基布媒体は、
染色液吸収性粘着層を介して搬送基材の片面側全面に基
布が一体化されたクラーク剛度10以上400以下のカ
ットシート状搬送用基布媒体で、汎用のプリンタに適用
可能で、インクジェットヘッドがどのようなインク吐出
を行っても、インク過多による記録不良を防止しつつ記
録にとって安定した搬送性を保証できる。特に、基布の
布目の横地又は縦地方向を搬送基材の搬送方向と同一方
向に揃えられている構成をとることで、更に安定した搬
送性を保証できる。
【0013】記録装置に対して、装置の駆動を受けて搬
送する給送部材が上記搬送基材に作用する様にすること
で、手差し給送はもちろんのこと、自動カットシート送
り(ASF)にも対応できる。特に、分離給紙手段に加
えて分離効果を高めるような構成の様に、自動給送シス
テムにおいては、摩擦条件が複雑になる場合があり、こ
の場合は、クラーク剛度25以上300以下のカットシ
ート状搬送用基布媒体とすることで、より安定した供給
が達成できる。
【0014】記録装置構成を搬送手段が、上記基布を下
面側に上記搬送基材を上面側にして上記カットシート状
搬送用基布媒体を積載収容でき、一枚づつ分離搬送する
手段と、該分離搬送されたカットシート状搬送用基布媒
体を反転して排出するユーターン搬送路と、を有し、上
記インクジェット記録手段を該反転領域以降の搬送経路
の上記基布に対向する領域に配置した構成にすること
で、不都合のない簡易捺染方法による高精彩な色表現を
達成できる。
【0015】いづれにしても、本発明は、新規な観点に
技術課題を見出し、搬送用基布媒体の安定した初期搬
送、特にカットシートでは安定した全体搬送を実現で
き、インクジェット技術を応用した簡易捺染方法及び装
置及びそれに用いるカットシート状布記録媒体を提供で
き、インクジェット技術を応用したインクジェット簡易
捺染方法による高精彩な色表現を工業用のみならず広く
一般家庭の趣味的な分野への応用を可能とした。本発明
の更なる概要は以下の実施例から理解できよう。
【0016】
【実施例】図1に本発明の第1実施例のインクジェット
捺染(記録)装置における、カットシート状記録媒体の
搬送手段、インクジェット記録手段及びカットシート状
布記録媒体の主要構成を示す。また、図2に本発明の第
1実施例におけるインクジェット捺染方法のブロック図
を示す。本実施例のインクジェット捺染方法を図1及び
図2を用いて簡略に説明すると、予めインクジェット用
インク及び基布に適した前処理(インク染着制御処理)
を施した基布を、表層にインク(染色液)吸収性であっ
て剥離容易な粘着層を設けた普通紙(下紙)に貼り付け
てなるカットシート状布記録媒体707を、インクジェ
ット捺染装置における記録媒体の搬送手段である搬送ロ
ーラ対(搬送駆動ローラ703及搬送従動ローラ70
4)の搬送方向上流側にセットする。インクジェット捺
染(記録)の準備(インクジェットヘッドの回復処理及
び画像データの設定など)が行われて、捺染工程を開始
すると、まず、搬送駆動ローラ703及びそれに従動す
る搬送従動ローラ704が回転を始め、搬送駆動ローラ
703に先端部がつき当たっているカットシート状布記
録媒体707が回転している搬送ローラ対の圧接部に引
き込まれることによって、カットシート状布記録媒体7
07が搬送手段に自動的に装着される。このとき、搬送
駆動ローラ703に接するカットシート状布記録媒体7
07の面は、インクジェット記録(捺染)装置に通常頻
繁に用いられる普通紙と同様な下紙側601の面になる
様に構成しているので、安定した搬送を行うことができ
る。
【0017】また、搬送駆動されるカットシート状記録
媒体の普通紙601と、記録(捺染)面であって搬送従
動ローラと圧接搬送される基布602とがインク吸収性
の粘着層603によって貼り合わせてあるので、搬送駆
動ローラによって下紙を安定して搬送することによって
インクジェット記録の高精彩な記録を可能とする搬送性
を得ることができる。カットシート状布記録媒体の搬送
に同期をとって、搬送路上に設けられたインクジェット
記録部が動作して、カットシート状布記録媒体の基布上
に画像データに応じた記録(捺染)が行われる。記録が
終了して搬送手段によってインクジェット記録(捺染)
装置から排出された捺染済のカットシート状布記録媒体
を自然乾燥した後、必要に応じて加熱等による固着処理
を施した上で下紙をはがしてインクジェット捺染された
基布を洗浄処理を行い、再び自然乾燥して、カットシー
ト状の捺染布を得る。
【0018】以下本実施例の構成について詳細に述べ
る。
【0019】(カットシート状布記録媒体)本実施例に
おける基布602は綿100%の生地である。本実施例
では綿100の生地をカットシート状に裁断・加工する
際に搬送従動ローラと接する際の搬送性のより安定化、
及び、捺染後の布目管理(横地・縦地の判別)の容易
化、さらには、原反からの取り枚数の経済性の向上など
を目的として、布目とカットシートの4辺とをほぼ合致
させた長方形にしている。
【0020】まず基布の染着制御処理は、基布602及
びインクジェットインク(インク処方B)に合わせて調
整した処理液A(尿素100重量部、炭酸水素ナトリウ
ム30重量部、メタニトロベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム10重量部、水860重量部)を用いて、チンマー
タイプの捺染機にて100メッシュ、ベタ柄のスクリー
ンを使用して、基布を処理し、100℃で2分間乾燥さ
せた。インク処方Bとしては、(C.I.リアクティブ
ブルー49 10重量部、ジエチレングリコール25
重量部、水65重量部)の混合液を2時間撹拌後、濾過
したものを使用した。次ぎに、粘着層は処理液Cを用い
て普通紙601に設ける。基布の厚み(インク受容容
量)やインクジェット捺染(記録)のインク付与量にも
よるが、基布で吸収仕切れずに滲み出してきたインクを
吸収して基布内での不如意なインクを広がりを防止でき
るように、粘着層603はインク吸収性に優れたもので
あることが好ましい。処理液Cとしては、ポリビニルア
ルコールノ20%水溶液を用い、ドクターナイフコータ
ーにより、普通紙上に均一に塗布した。染着制御処理を
終えた基布と、粘着層を設けた普通紙との貼り合せは、
2本のゴムローラを80℃に加熱して圧着により行なっ
た。
【0021】ついで、スリットカッターを用いて、布目
の方向に合わせて裁断する。ただし、布目の方向とカッ
トシート状に裁断する際の角度が一定で判別できる様に
すれば、基布の材質・用途に依っては布目に対して所定
の角度、たとえば45度傾けても良い。本実施例では、
裁断と同時ないしは裁断に前後して、下紙となる普通紙
に切れめ604を入れて捺染後の剥離を容易にしてい
る。同様の効果をもたらすために、搬送性を損なわない
様に留意して粘着層603を全面に設けず、後端部に非
貼り合わせ部を設けたり、搬送方向に沿って非貼り合わ
せ部を設ける等しても良い。
【0022】本実施例では面100%の基布に対して下
紙の坪量・抄紙方向を変えてクラーク剛度を調整して搬
送性のテストを行った。坪量20gr/m2 以下の軽量
紙を下紙として剛度の小さい横目方向で貼り合わせて得
たクラーク剛度8のカットシート状布記録媒体を用いて
搬送テストを行ったところ斜行や搬送シワが発生する頻
度が高く搬送性にかかわる不良の発生頻度は総合的には
48/50と高く実用不可能と判定した。それに対して
上記の軽量紙を剛度の高い縦目方向で貼り合わせて得た
クラーク剛度12のカットシート状布記録媒体では搬送
不良が10/50に激減するとともに不良自体の程度も
若干の斜行であって搬送シワのような致命的な不良はな
かった。また、坪量38gr/m2 の軽量紙を用いて作
成した横目・縦目方向のカットシート状布記録媒体のク
ラーク剛度はそれぞれ20、39であり搬送テストでは
どちらも不良の発生はなく良好な搬送性が得られた。よ
って、インクジェット記録(捺染)装置での搬送性の安
定化及び自動装着を可能とするために、剛直度の小さい
基布を下紙との貼り合わせによってクラーク剛度10以
上に向上させれば良いことが判明した。クラーク剛度の
上限・下限はインクジェット記録装置の構成にも依る
が、好ましくは400以下であり、より好ましくは20
以上300以下の範囲に調整する様に、基布に応じて粘
着層・下紙を選定している。
【0023】クラーク剛度の限界は、落とし込むための
給紙トレイの角度と印字方向との角度とに関係し、あま
りに小さいとカットシート状布記録媒体の自重と先端部
で受ける搬送駆動ローラの駆動力に依って圧接部へ送る
ことが難しくなった。逆に、余りに大きいと、カットシ
ート状記録媒体の若干のカールなどの非直線性の補正を
その先端部を搬送駆動ローラの周面を利用して直線状に
ならわせることが難しくなった。また、給紙トレイに依
らずに圧接部へ手動でつき当てておく場合でも、搬送ロ
ーラの周面に沿って保持することが必要であり、そのた
めにも上記の剛直度の範囲が好ましいことが判明した。
【0024】本実施例では、物流保管時のカットシート
状布記録媒体の記録特性(染着特性)の変化を抑制する
ために、チャック付きアルミ蒸着袋に入れた上で紙製の
箱に詰めて提供する様にしているが、目的・用途によっ
ては防湿紙などによる簡易包装でも良い。
【0025】インクジェット記録後の洗浄は市販の中性
洗剤を用いた水洗いでも良いが、より染着性を向上させ
るために処理剤Dを用いても良く、錠剤・シート状等の
形態で、カットシート状布記録媒体に同梱するなどして
提供しても良い。また、さらに染着性を向上させるため
に、洗浄に先立ってアイロンなどによる加熱処理を加え
ることが好ましい。処理剤Dとしては、フィックス剤等
であり、湿潤堅牢度の向上が主目的である。
【0026】(インクジェット捺染・記録装置)図1は
本実施例のインクジェット捺染(記録)装置の構成例の
主要部を示したものである。この図において、キャリッ
ジ706には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
の4色の濃淡インクがそれぞれ詰め込まれた4個のイン
クタンク701と、4色のインクを吐出するための4個
の記録ヘッド174を一体化した一体記録ヘッドカート
リッジ702が搭載されている。
【0027】図1に本実施例における、カットシート状
布記録媒体の搬送ローラ対への自動装着の様子を示すも
のである。従来のインクジェット記録装置では円筒状の
プラテンローラに記録媒体を押しつける部材をいったん
解除して記録媒体を手動で装着した後押しつけ部材を再
び押しつけることでプラテンローラと記録媒体とを密着
させてことで装着する方式のものが多く、そうした記録
装置では記録媒体の剛直度などの制約は少なく、剛直度
の低い布でも搬送・記録することができたが、手動で布
をセットするので斜行などにより布目と搬送方向を合わ
せたり、また、しわなく巻きつけ・搬送することが難し
く、高精細なインクジェット捺染を行うのが難しかっ
た。さらに解除機構の繰り返し使用による押しつけ力の
劣化などで搬送性を安定させるのが難しく、また、装着
動作そのものが操作性に劣ることなどから、本実施例の
様に自動装着できるものが好ましい。
【0028】図1で、本実施例では自動装着を安定して
行うために傾斜した給送トレイ705を設け、給送トレ
イに沿ってカットシート状布記録媒体707を挿入して
おくだけで、その先端部が搬送駆動ローラ703に正し
くつき当たる構成としている。この状態で搬送駆動ロー
ラ703を回転駆動することによりカットシート状布記
録媒体707の先端部は正しく搬送ローラ対の圧接部に
導かれて斜行やしわを生じないで搬送手段である搬送ロ
ーラ対に自動装着される。本実施例では、前述のごとく
カットシート状布記録媒体の布目に合わせて裁断してあ
るので所定の布目の方向に対して安定した画像を捺染
(記録)でき、捺染布を切り出してパッチワークなどに
用いる場合に捺染の柄と布目が揃えることが可能となる
ので歪みのない高品位な創作が行える。給送トレイがな
い場合には搬送駆動ローラと搬送従動ローラの圧接部に
カットシート状布記録媒体の先端部を合わせておいて搬
送駆動ローラを回転駆動させる様にすれば良い。本発明
におけるカットシート状布記録媒体は前述のごとく普通
紙と同等の搬送特性を有するものであり、その他公知の
紙送りレジスト調整機構などの適用も可能である。
【0029】703は搬送駆動ローラで704の搬送従
動ローラとともに自動装着されたカットシート状記録媒
体707を抑えながら図の矢印の方向に回転し、記録媒
体707を随時送っていく。キャリッジ706は印字を
行っていないとき、あるいはマルチヘッドの回復作業な
どを行うときにはホームポジション(不図示)に待機す
るようになっている。
【0030】印字開始前、図の位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくる
と、キャリッジガイド軸708に沿って移動しながら、
リニアエンコーダの読み取り信号に基づいてタイミング
を取って記録ヘッド174上のマルチノズルより記録信
号に応じて4色のインクを吐出することにより、紙面上
に幅Dだけの印字を行う。この記録走査により紙面上に
は、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、
イエローインクの順でインクが着弾してドットが形成さ
れる。紙面端部までデータの印字が終了するとキャリッ
ジは元のホームポジションに戻り、再び次の行の印字を
行う。この最初の印字が終了してから2回目の印字が始
まる前までに、搬送駆動ローラ703が回転することに
より幅Dだけの紙送りを行う。この様にしてキャリッジ
1スキャンごとに記録ヘッドの記録幅Dだけの印字と紙
送りを行う繰り返しにより、一紙面上のデータ印字が完
成する。記録が終了した時点で搬送手段による排出を行
うと同時に、印字時に平坦な記録面を形成していたプラ
テン709が排出方向に傾斜して、後端部の排出を補助
する構成としている。排出の補助、及びカットシート記
録媒体の記録部での安定した押さえを行うために、記録
部の下流側に拍車ローラなどの手段を設けても良い。
【0031】図4はインクを吐出する記録ヘッド174
の構成についての説明図である。配線基板80の一端
は、ヒーターボード81の配線部分と相互に接続され、
さらに配線基板80の他端部には、本体装置からの電気
信号を受け入れるための各電気・熱エネルギー変換体に
対応した複数個のパッドが設けられている。このことに
より本体装置からの電気信号は、それぞれの電気・熱エ
ネルギー変換体に供給されるようになる。配線基板80
の裏面を平面で支持する金属製の支持体82は、インク
ジェットユニットの底板となる。押さえバネ83は溝天
84のインク吐出口近傍の領域を線上に弾性的に押し圧
を作用するために断面略U字形状に折り曲げ形成した部
分とベースプレートに設けた逃げ穴を利用して引っかけ
る爪と、バネに作用する力をベースプレートで受ける一
対の後脚を有している。このバネ力により配線基板80
の取り付けは、溝天84とを圧接している。支持体に対
する配線基板80の取り付けは、接着剤などによる貼り
付けで行われる。
【0032】インク供給管85の端部にはフィルター8
6が設けられている。インク供給部材87は、モールド
成型で作られ、溝天84もオリフィスプレート部880
と各インク供給口へと導く流路が一体的に形成されてい
る。インク供給部材87の支持体82に対する固定は、
インク供給部材87の裏面側の2本のピン(不図示)を
支持体82の2つの穴88にそれぞれ貫通突出させ、こ
れを熱融着することにより簡単に行われる。この際、オ
リフィスプレート部880とインク供給部材87との隙
間を封止し、さらに支持基板82に設けられた溝89を
通り、オリフィスプレート部と支持基板82前端部との
隙間を完全に封止する。
【0033】図5はK,C,M,Yの4色のインクをそ
れぞれ吐出可能な上記4つのヘッド174をフレーム枠
170で一体的に組み立てた4ヘッド一体インクジェッ
トカートリッジ702の構造を示している。4つの記録
ヘッドはフレーム170内に所定の間隔で取りつけら
れ、しかもノズル列方向のレジストも調整された状態で
固定される。本実施例ではヘッドの機械的な基準面を用
いて調整して色間の相互着弾位置精度を向上させている
が、フレーム枠に記録ヘッドを仮止めした上で実際に吐
出させて着弾位置を測定したデータを基にして直接的に
色間の相互着弾位置を調整してさらに精度を高めても良
い。171はフレームのカバーであり、173は4つの
記録ヘッドの配線基板80に設けられたパッドと記録装
置本体からの電気信号をつなぐためのコネクタである。
4ヘッドを一体的に組み立てることは取り扱い上の優位
性に加えて、前述のごとくヘッド間の相互着弾位置精度
を向上させる点で有効であるが、記録装置本体との信号
線接続数を少なくできる点でも大きな効果がある。たと
えば、GNDラインなど4ヘッド共通の信号線はコネク
タ基板172上で共通化して線数をそのまま減らすこと
ができ、また、一体化回路基板を設けてヘッドごとに時
分割駆動を行うようにすれば記録信号線の共通化も可能
となる。こうした電気的接続数の減少はカラー機や多ノ
ズル高速機のように信号線数の多い装置で有効である。
【0034】(第2実施例)本実施例では基布の搬送性
向上のための剛度調整を下紙の貼り合わせではなく、基
布自体を剛直化剤を用いて処理することで行ってカット
シート状布記録媒体を得た例を示す。目標としたクラー
ク剛度は前記実施例と同様に、自動装着可能なインクジ
ェット記録装置に適応可能な値であるクラーク剛度10
以上400以下、好ましくは20以上300以下とし
た。
【0035】布自体の剛直度を向上させるため剛直化剤
を含有させた処理液E(尿素100重量部、炭酸水素ナ
トリウム30重量部、アルギン酸ナトリウム5重量部、
メタニトロベンゼンスルフォン酸ナトリウム10重量
部、水855重量部)を用いて、チンマータイプの捺染
機にて100メッシュ、ベタ柄のスクリーンを使用し
て、基布を処理し、100℃で2分間乾燥させた。イン
ク処方Fとして、(C.I.リアクティブ ブルー15
10重量部、ジエチレングリコール25重量部、水6
5重量部)の混合液を2時間撹拌後、濾過したものを使
用した。
【0036】前記実施例で示したインクジェット記録装
置で搬送テストを実施したところ良好な搬送性が得ら
れ、高精彩な捺染布が得られた。
【0037】インクジェット記録後の洗浄は市販の中性
洗剤を用いた水洗いでも良いが、より染着性を向上させ
るために処理剤Dを用いても良く、錠剤・シート状等の
形態で、カットシート状布記録媒体に同梱するなどして
提供しても良い。また、さらに染着性を向上させるため
に、洗浄に先立ってアイロンなどによる加熱処理を加え
ることが好ましい。処理剤Dとしては、フィックス剤等
であり、湿潤堅牢度の向上が主目的である。本実施例で
は、後処理剤を袋詰めなどの形態で提供する様にした
が、基布の非印字領域(先端部・後端部等)に吸収させ
ておいて、水洗い時に溶け出すようにしても良い。
【0038】(第3実施例)本実施例では図6に示すよ
うに、カットシート状記録媒体の自動装着に加え、自動
給送機構を搭載したインクジェット記録装置の例を示
す。また、本実施例ではインクジェット記録後に記録媒
体を加熱処理して染着率の向上を図る機構をも合わせて
持たせた。さらに、インクジェット記録部の記録方式を
改良して厚手のカットシート布記録媒体に対しても適応
可能な様に記録モードの選択機構を設けた。
【0039】本実施例における給送機構は、前記2つの
実施例で示したカットシート状布記録媒体でも給送可能
である。前述のごとくカットシート状布記録媒体はイン
クの染着制御を行うための前処理がなされており、搬送
機構と同様に、記録面側に接する給送部材を駆動するこ
とは搬送性および記録特性の点から好ましくない。即
ち、インクジェット記録装置で一般的に用いられる給送
部材の駆動側である給送駆動部材はゴム材などの弾性部
材であるが、ゴム材と前処理済のカットシート状布記録
媒体の記録面とが摩擦褶動されると、褶動部のインク受
容特性が変化して給送跡を発生させたり、また、逆にゴ
ム材へ前処理剤が若干ずつ転移した場合には摩擦係数の
低下による給送不良が生じたりする場合がある。そこで
本実施例では、給送駆動部材をカットシート状記録媒体
の裏面(非記録面)側に限定した構成としている。本発
明の第2実施例で示したカットシート状布記録媒体は下
紙を用いずに搬送性の改善を行っているので裏面側にも
前処理剤があるが、給送駆動部材の保護の点から裏面に
対して転移防止処理をさらに施す様にしても良い。ある
いは特別な処理剤を用いずに、裁断前のロール状の状態
などでで裏面に対して予め褶動摩擦処理を行うことによ
って、転移する可能性のある前処理剤を除去するように
しても良い。
【0040】本実施例における給送機構は必要に応じて
回転駆動される給送駆動ゴムローラ902と、カットシ
ート状布記録媒体を積層保持し必要に応じて上下する給
送保持板901と、カットシート状布記録媒体の先端部
に当接して積層されたカットシート状布記録媒体を分離
する分離パッド903及び分離給送されたカットシート
状布記録媒体を搬送ローラ対まで送出するための給送ガ
イド904とで構成される。
【0041】給送信号に応じてまず給送保持板901が
上昇して給送保持板に設けられたバネ部材の加圧力によ
って給送保持板上に裏面を上にして積層保持されたカッ
トシート状布記録媒体707と給送駆動ゴムローラ90
2とが圧接される。その状態で給送駆動ゴムローラが給
送方向に回転駆動されると、カットシート状布記録媒体
が裏面で摩擦褶動力を受けて給送される。このとき、積
層されているカットシート状布記録媒体間においても摩
擦褶動力が発生するので、給送駆動ゴムローラに接する
最上部のカットシート状布記録媒体に引きずられてその
下側のものも同時に給送され始める。同時に、重ねて給
送され始めた複数枚のカットシート状布記録媒体の先端
部が摩擦力の高い分離パッド903にさしかかると下側
から順次引き止められるので、分離パッド上を通過する
内に一枚のみが給送されることになる。分離給送された
カットシート状布記録媒体は依然回転を継続する給送駆
動ローラ902によって給送ガイドを介して回転駆動さ
れている搬送ローラ対の圧接部に到達して搬送ローラに
自動装着される。自動装着された時点でタイミングをと
って給送保持板901が下降して、給送駆動ローラ90
2の給送力がカットシート状布記録媒体に伝達されなく
なった時点で給送駆動ローラの回転を停止して給送動作
を終了する。本実施例では、給送ガイドの部分でカット
シート状布記録媒体をUターンさせて上下反転させてい
るので、給送部で裏面が上側であったものが、搬送ロー
ラ対を通過する時点では記録面が上側になっている。し
たがって、インクジェット記録部でのインクの吐出方向
は下向きである。インクの吐出方向はインクジェット記
録方式によって多少は異なるが好ましくは下向きから横
向きの範囲であれば良く、給送ガイドでその方向に送り
出すようにすれば良い。また、近年の複写機などで用い
られる両面記録ユニットと同様の機構を用いて、いった
ん裏面給送されたカットシート状布記録媒体を上下反転
させるなどの構成を取っても良い。
【0042】いずれにしても、本実施例の給送機構でカ
ットシート状布記録媒体を分離給送する際に重要な構成
は、カットシート状布記録媒体の裏面側から給送駆動す
る構成に限定することである。従って、本実施例の分離
パッド方式以外の公知の方式、たとえば、爪分離方式で
あっても適用可能であり記録面の裏面側に給送駆動部材
を圧接させるように構成すれば良い。自動給送機構では
上記の様にカットシート状布記録媒体に対して何らかの
摩擦褶動力が加わるので、カットシート状布記録媒体の
クラーク剛度はを多少高く設定する必要があり、好まし
くは25以上300以下の範囲に調整することで給送特
性が安定することが見いだされた。
【0043】インクジェット記録動作自体は第1実施例
とほぼ同様の構成・動作であるので説明を省くが、本実
施例では、インクジェット記録部の下流側に加熱手段を
設けており、必要に応じてカットシート状布記録媒体を
加熱処理を行える構成としている。加熱手段は基本的に
はプリンタ・複写機などの分野で従来公知の加熱機構の
いずれもが適用可能であるが、本実施例の目的とする染
着率の向上に十分な効果が得られる様に構成されていれ
ば良い。また、カットシート状布記録媒体の構成・基布
の材質及び厚み等に応じて加熱条件を適宜調整・選択で
きるような構成をすることがより好ましい。本実施例で
は主加熱手段として反射笠付きの赤外線ヒータ905を
用いて、インクジェット記録に伴うカットシート状布記
録媒体の前記搬送動作に同期して所定の加熱条件で通電
制御する。記録面側から直接加熱した場合には、記録パ
ターンの色分布などに応じて加熱ムラ・インク蒸発ムラ
が生ずる場合があるので、本実施例では裏面側からの加
熱を行うように構成しているが、加熱手段の構成・加熱
条件によっては記録面側からの直接加熱や、両面からの
加熱を行う様にしても良く、また、加熱板などを用いた
接触加熱方式でも良い。本実施例では赤外線加熱方式の
補助構成として、加熱部近傍の熱や蒸気の滞留を防止し
て安定した加熱制御を行える様に送風手段(不図示)を
設け必要に応じて、加熱部に風の流れを生じさせてい
る。本実施例では裏面からの赤外線加熱を行っているの
で、第1実施例で示した下紙付きのカットシート状布記
録媒体では熱受容面となる下紙の赤外線吸収効率を高め
るために、下紙に黒色の紙を用いるなどして赤外線吸収
特性の向上を計っても良く、また下紙及び粘着層に添加
剤を用いる等して熱伝導性を高めたものや、搬送性・給
送性に考慮してなるべく薄いものを用いる様にしても良
い。
【0044】本実施例で示したカットシート状布記録媒
体が搬送可能なインクジェット記録装置では、布厚さ・
材質に応じてインク打ち込み量を調節・選択できる様に
している。普通紙を用いて記録を行う場合には、解像性
の低下、色間の滲み出し、裏抜け及び定着時間増大など
の点でインクの最大打込量は制限されるので、通常はイ
ンクの最大打ち込み量は水系インクの場合には16〜2
8nl/mm2 程度に収める様に設計するのが一般的で
ある。しかしながら、本発明の様にカットシート状布記
録媒体に記録(捺染)する場合には、基布の材質・厚
み、さらには前処理条件にもよるが、さらに多くのイン
クを受容できる場合がある。そこで本実施例では、記録
周波数に対応する印字速度よりも小さい印字速度で高密
度記録、たとえば1/2の印字速度で倍密度記録した
り、同一の記録領域を複数回の記録走査で重ね印字した
り、インクの吐出量を増加させるためのインクジェット
ヘッド駆動制御、たとえば、熱インクジェットヘッドで
は保温温度を高めたり、マルチパルス駆動を行うことに
よって、必要に応じてインクの打込量を増加させること
を可能としている。本実施例では操作パネル906上で
印字モードを厚手布に指定すると、同一の記録領域を3
回の重ね印字で行う全色300%印字を行い、薄手布を
指定すると全色200%、また普通紙では全色100%
印字を行うようにしている。そのため布に応じて最適な
印字条件を選択でき、糸の内部まで十分に染色すること
が可能となり、深みのある捺染布を得ることができた。
【0045】本実施例では、給送機構・加熱機構・打込
量増加機構を備えたインクジェット記録装置を用いてカ
ットシート状布記録媒体に捺染する様にしたので、操作
性・染着性・色の深味が一段と優れた簡易インクジェッ
ト捺染が行える様になった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、剛直度を向上させるこ
とにより搬送特性を向上させたカットシート状布記録媒
体とそれに適合した搬送手段を有するインクジェット記
録装置とを合わせて提供することで、インクジェット技
術を応用した簡易捺染方法及び装置を提供でき、インク
ジェット技術を応用したインクジェット簡易捺染方法に
よる高精彩な色表現を簡単な操作で行えるようにしたの
で、工業用のみならず広く一般家庭の趣味的な分野への
応用を可能とすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるインクジェット記
録装置の主要構成図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるカットシート状布
記録媒体の構成図である。
【図3】本発明第1実施例におけるインク簡易捺染方法
のブロック図である。
【図4】本発明に適用できるインクジェット記録ヘッド
の構成図である。
【図5】本発明に適用できるカラーインクジェット記録
ヘッドの構成図である。
【図6】本発明の第3実施例におけるインクジェット記
録装置の主要構成図である。
【符号の説明】
601 搬送基材としての普通紙 602 基布 603 接着層 703 搬送駆動ローラ 704 搬送従動ローラ 707 カットシート状布記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 7/00 9356−4H (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布がなす片面を備えたクラーク剛度1
    0以上400以下の部分を少なくとも搬送用先端に備え
    た搬送用基布媒体。
  2. 【請求項2】 染色液吸収性粘着層を介して搬送基材の
    片面側全面に基布が一体化されたクラーク剛度10以上
    400以下のカットシート状搬送用基布媒体。
  3. 【請求項3】 上記基布の布目の横地又は縦地方向を搬
    送基材の搬送方向と同一方向に揃えられている請求項2
    に記載のカットシート状搬送用基布媒体。
  4. 【請求項4】 基布を剛直化剤を用いて処理して得たク
    ラーク剛度10以上400以下のカットシート状搬送用
    基布媒体。
  5. 【請求項5】 染色液吸収性粘着層を介して搬送基材の
    片面側全面に基布が一体化されたクラーク剛度10以上
    400以下のカットシート状搬送用基布媒体に、カット
    シート搬送可能なインク記録装置を用いてインク捺染し
    た後、基布を搬送基材から剥離して捺染布を得ることを
    特徴とするインク捺染方法。
  6. 【請求項6】 インク記録装置の駆動を受けて搬送する
    給送部材は上記搬送基材に作用する請求項5に記載のイ
    ンク捺染方法。
  7. 【請求項7】 基布を、剛直化剤を用いて処理して得た
    クラーク剛度10以上400以下のカットシート状記録
    媒体に、カットシート搬送可能なインク記録装置を用い
    てインクジェット捺染して捺染布を得ることを特徴とす
    るインクジェット捺染方法。
  8. 【請求項8】 上記基布に染着制御剤を用いて予め染着
    制御処理を施した基布を染色液吸収性粘着層を介して搬
    送基材の片面側全面に一体化したクラーク剛度10以上
    400以下のカットシート状搬送用基布媒体に、カット
    シート搬送可能なインク記録装置を用いてインク捺染し
    た後、基布を搬送基材から剥離して捺染布を得ることを
    特徴とするインク捺染方法。
  9. 【請求項9】 インク記録後に加熱処理し、捺染布を染
    着率向上剤を溶解した水溶液で水洗することを特徴とす
    る請求項8に記載のインク捺染方法。
  10. 【請求項10】 カットシートを搬送する手段と、該搬
    送手段により搬送されるカットシートに非接触でインク
    記録を行うインクジェット記録手段と、インク記録され
    たカットシートを加熱処理する加熱手段と、を備えたイ
    ンクジェット記録装置において、上記カットシートとし
    て、予め染着制御剤を用いて染着制御処理を施した基布
    が染色液吸収性の粘着層を介して搬送基材に貼付されて
    いるカットシート状搬送用基布媒体か、基布が染着制御
    剤及び剛直化剤を用いて処理して得たクラーク剛度10
    以上400以下のカットシート状搬送用基布媒体か、の
    いずれかを上記搬送手段が搬送する際に、上記加熱手段
    を作用させる捺染モードを有することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 上記搬送手段は、上記基布を下面側に
    上記搬送基材を上面側にしてクラーク剛度25以上30
    0以下のカットシート状搬送用基布媒体を積載収容して
    一枚づつ分離搬送する自動給送手段と、分離搬送された
    カットシート状搬送用基布媒体を反転して排出するユー
    ターン搬送路と、を有し、上記インクジェット記録手段
    を該反転領域以降の搬送経路の上記基布に対向する領域
    に配置したことを特徴とする請求項10に記載のインク
    ジェット記録装置。
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