JP2003293272A - インクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染方法

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JP2003293272A
JP2003293272A JP2002098894A JP2002098894A JP2003293272A JP 2003293272 A JP2003293272 A JP 2003293272A JP 2002098894 A JP2002098894 A JP 2002098894A JP 2002098894 A JP2002098894 A JP 2002098894A JP 2003293272 A JP2003293272 A JP 2003293272A
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inkjet
cloth
dye
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Atsushi Aoki
淳 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの滲みがなく鮮明で且つ堅牢性に優
れ、布帛の表裏ともに高濃度の記録物を簡易な方法で与
えるインクジェット捺染方法の提供。 【解決手段】 布帛にインクジェット記録を行う工程、
インクジェット記録された布帛の染料を加熱固着させる
工程を有するインクジェット捺染方法において、前記加
熱固着させる工程が、100℃以上に加熱することがで
きる加熱圧着手段、水分率20%以上の湿潤媒体、液体
水分は遮断し水蒸気は透過することが可能な水分遮断手
段、インクジェット記録された布帛を有し、それぞれが
この順番になるようにそれぞれを接触させるようにして
圧着させることで前記湿潤媒体の水分を水蒸気として前
記インクジェット記録された布帛に付与し、染料を蒸熱
固着させる工程であることを特徴とするインクジェット
捺染方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット捺
染方法において、特に簡易な方法で優れた画質の捺染物
を作成することができる後処理工程に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙、布、プラスチックシー
ト、OHP用シート等の被記録媒体に対して記録を行う
方法がいくつか知られており、その中でも特に布帛に記
録を行う技術を捺染と称し、この技術として、スクリー
ン捺染、ローラ捺染のほかにインクジェット捺染方法が
ある。インクジェット捺染はスクリーンや彫刻ロール等
を必要としない無製版のシステムであるため、多品種少
量生産に適している。このインクジェット捺染に必要と
される技術はスクリーン捺染やローラ捺染のものとは大
きく異なる。これはインクジェット捺染に使用されるイ
ンクの物性のうち、粘度の適正値がスクリーン捺染等の
インクのものと異なっていてかなり低いことや、インク
ジェット捺染ではヘッドの目詰まり等の信頼性に関する
対策をとらなければならないこと、或はインクが同一地
点に何色か重ね打ちされいわゆる加法混色が行われるこ
と、インクのドットが非常に小さいこと等のシステム上
の違いから発生するものである。
【0003】そこで、このようなインクジェット捺染方
法については、特に発色性の向上や滲み防止等について
種々の検討が試みられている。例えばこの染色方法に用
いる布帛に関して、特開平4−59282号公報には、
親水性繊維素材からなり、0.1〜3重量%の界面活性
剤を含有するインクジェット捺染用布帛が開示されてい
る。又、特公昭62−45359号公報には、繊維構造
物にあらかじめ含窒素カチオン性物質を付与するインク
ジェット染色方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のような先行技術に記載されているインクジェット捺染
方法での染料の固着方法は、何れもスクリーン捺染等で
行われているのと同様な既存の蒸し箱(固定式/連続
式)、高圧蒸熱機等の比較的大きな装置を使用し且つ蒸
気供給施設等の付帯設備が必要で例えばオフィス環境で
作業ができるような工程ではなかった。又、ベーキング
法等の乾熱固着方法では設備は比較的簡易であるが蒸気
がない固着方法では発色性が劣るという致命的な問題が
あるため高品位の画像は得られなかった。
【0005】以上のように従来技術では、優れた捺染物
を得るのに必要なインクジェット捺染方法として簡易な
方法で捺染物を作成することができなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、インクの滲みが
なく鮮明で且つ堅牢性に優れ、布帛の表裏ともに高濃度
の記録物を簡易な方法で与えるインクジェット捺染方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。即ち、本発明は、布帛にインクジェット記録を
行う工程、インクジェット記録された布帛の染料を加熱
固着させる工程を有するインクジェット捺染方法におい
て、前記加熱固着させる工程が、(1)100℃以上に
加熱することができる加熱圧着手段、(2)水分率20
%以上の湿潤媒体、(3)液体水分は遮断し水蒸気は透
過することが可能な水分遮断手段、(4)インクジェッ
ト記録された布帛を有し、それぞれがこの順番になるよ
うにそれぞれを接触させるようにして圧着させることで
前記湿潤媒体の水分を水蒸気として前記インクジェット
記録された布帛に付与し、染料を蒸熱固着させる工程で
あることを特徴とするインクジェット捺染方法に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明のインクジ
ェット捺染方法について説明する。本発明でいうインク
ジェット捺染とはインク滴発生手段によりインク滴を布
帛に吐出させ、このインク滴が付着した布帛を加熱する
ことでインク中の染料を繊維に固着させる方式のもので
ある。インク滴発生手段としては連続噴射方式、機械的
加圧パルス方式(ピエゾ)、静電吸引方式、電気熱変換
体による膜沸騰方式(バブルジェット(登録商標))等
がある。これについては詳細を後述する。
【0009】先ず始めに本発明において最も重要な特徴
である印字後の布帛を加熱染着させる工程について説明
する。加熱染着の方法としては図5に一実施例を示す。
図中301は100℃以上に加熱することができる加熱
圧着手段、302は表面保護手段、303は水分遮断手
段、304は水分率20%以上の湿潤媒体、305は液
体水分は遮断し水蒸気は透過することが可能な水分遮断
手段、306は転写防止手段、307はインクジェット
記録された布帛である。
【0010】加熱圧着手段301は布帛に印字されたイ
ンク中の染料を加熱染着するための熱発生手段である。
これは図示しない加熱ヒーターとヒーター板等とからな
り布帛に印字された画像の大きさよりも大きい圧着部で
あることが好ましい。具体的には熱プレス機やアイロン
のように板状のものや熱ロールのような回転体の形態の
ものでよい。温度としては液体水分を蒸気にさせるため
100℃以上に加熱することができることが必要であ
る。更に好ましくは水が蒸気になったときに奪われる潜
熱を見越して、100℃よりやや高めの100〜180
℃の温度であることが好ましい。圧着部は布帛等に熱を
伝え均一に強く押すものであるため熱伝導性に優れ、高
熱下でも剛性を保持することのできる金属、無機物等で
あることが好ましく、鉄、アルミ、合金等が使用され
る。
【0011】又、加熱圧着手段301の表面に汚れ防止
を主な目的とした表面保護手段302としてテフロン
(登録商標)シートやシリコンマット、乾燥した布、紙
等を使用しても良い。尚、この表面保護手段302には
静電気防止や圧力バランスを安定化させる効果を持たせ
ることもできる。この下部には液体水分を遮断すること
が可能な水分遮断手段303が配置されていてもよい。
これは湿潤媒体304に存在する液体状態の水分を外に
漏らさないようにさせるためのものである。液体水分が
加熱圧着手段301に接触し、大量の蒸気が急激に発生
してしまうのを防止する。具体的には新聞紙等の紙を何
枚かを重ねたものや、樹脂フィルム等水分をそのまま通
してしまわないものであればどういったものでもかまわ
ない。
【0012】この下部には水分率20%以上の湿潤媒体
304を位置させる。湿潤媒体304は加熱圧着手段3
01の熱の伝達により高温になり水蒸気を発生する。こ
の水蒸気がインクジェット記録された布帛307に達す
ることで蒸熱染着が行われ、蒸気が存在しないベーキン
グ法、サーモゾル法等の乾熱固着と比較して染着率が高
い状態で固着が行われる。この湿潤媒体304としては
具体的には布、紙、多孔質体、高分子吸収体等の水分保
持能力のある媒体に水を付与したものであり、高温にな
っても変質しないものが好ましい。水分率が20%未満
では高温にしても充分な蒸気を発生できない。好ましく
は50%以上であることがよい。又、水分率が300%
以上と逆に多すぎても圧着した際に水分がにじみ出てき
てしまい好ましくない。よって湿潤媒体の水分率は50
〜300%がより好ましい。尚、ここでいう水分率とは
JIS−L1096に従い下式で出される数値のことで
ある。 水分率(%)={(W1−W2)/W2}×100 ただし、W1:乾燥前の質量 W2:絶乾質量
【0013】湿潤媒体304の下部には水分遮断層30
5を位置させる。これは水分遮断層303の機能に更に
水蒸気は通過させやすい性質を持つものである。即ち、
湿潤媒体に存在する液体水分は通しにくいためインクジ
ェット記録された布帛を直接ぬらすことはないが、湿潤
媒体から発生する水蒸気を比較的通しやすいため布帛3
07近傍の雰囲気を飽和蒸気環境にすることが可能にな
る。具体的には新聞紙等の紙を何枚かを重ねたものや、
ガス透過性のあるPTFEシートのような樹脂フィルム
等水分をそのまま通してしまわないで且つ水蒸気を通す
ものであればどういったものでもかまわない。特に新聞
紙は資源再利用、低コストといった面で好ましい上、紙
のなかでも比重が軽い方でガス透過性が高く、更には文
字等が印刷されているため表面に顔料インキの凹凸があ
り紙同士が接触しづらくなり液体水分は浸透しにくくな
るという効果もあり特に好ましい。
【0014】更にこの下部にはインクジェット記録され
た布帛を配置させるが、その手前に転写防止手段306
を配置させてもよい。これはインクジェット記録された
布帛307に付着しているインクが水分遮断層305に
転写しないようにするための手段であり、印字された表
面を圧着させたときにインクが転写しにくいものであれ
ばどんなものでもよい。具体的には乾燥布や表面性の粗
い紙、撥水・撥油性のある媒体等が好ましい。インクジ
ェット記録された布帛307の下部は平面性の高い板で
あっても、図6のように上下対象に水分遮断層、湿潤媒
体等を配置させてもかまわない。即ち本発明で加熱圧着
手段301、湿潤媒体304、水分遮断層305、イン
クジェット記録された布帛307の4つは最低必須条件
となり(図7)、表面保護手段302、水分遮断層30
3、転写防止手段306はより好ましい条件となる。
【0015】以上の順で重ねられたインクジェット記録
された布帛等は加熱圧着手段301により圧着される。
圧着力としては0.05〜6kg/cm2程度が好まし
い。0.05kg/cm2以下では媒体同士が完全に密
着しにくいため染着ムラが発生する場合があり、6kg
/cm2以上では湿潤媒体304から水分が絞り出され
すぎて、適度な蒸気を発生させにくいからである。0.
05〜6kg/cm2では加熱圧着手段の熱が均一に湿
潤媒体等に伝わり、蒸気を適度に発生させ続けることが
でき、この蒸気がインクジェット記録された布帛に達し
て蒸熱固着される。更に、この圧着力により布帛が厚さ
方向に潰されることで繊維と繊維とが接触しやすくなっ
たり、見かけの染料密度が高くなる効果によって発色性
がよくなる効果もある。又、加熱圧着時間は染着性の観
点で20秒〜10分程度が好ましい。
【0016】このようにしてインクジェット記録された
インクのうちの大部分の染料は布帛に固着するがこの中
の一部の染料は繊維に染着しないものがある。この未固
着染料は洗い流しておくことが好ましい。未固着染料の
除去は従来公知の洗浄方法が採用できる。数10℃から
100℃のお湯を使用したり、アニオン、ノニオン系の
ソーピング剤を使用することが好ましい。未固着の色材
が完全に除去されていないと、洗濯堅牢性、耐水堅牢
性、耐汗堅牢性において良好な結果が得られない場合が
ある。
【0017】次に印字するときに使用される布帛につい
て説明する。布帛は特に限定されるものではなく、綿、
絹、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリ
ル系繊維等種々の繊維素材が挙げられ、又、これらの混
紡、交織物、不織布等のものであってもよい。本発明に
おいて用いる布帛に品質的に期待する性能としては、
(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、(2)
インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛上で速
やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則なインク
の滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬送性に
優れていること、等の性能を持っているものがより好ま
しい。これらの要求性能を満足させるために、本発明に
おいて、必要に応じて布帛に対し、あらかじめ前処理を
施しておくことができる。例えば、特開昭62−534
92号公報においてはインク受容層を有する布帛類が開
示され、又、特公平3−46589号公報においては還
元防止剤やアルカリ性物質を含有させた布帛の提案がな
されている。このような前処理の例としては、布帛に、
アルカリ性物質、水溶性高分子、水溶性金属塩、尿素及
びチオ尿素、撥水剤、界面活性剤から選ばれる物質を含
有させる処理を挙げることができる。
【0018】アルカリ性物質は特に反応性染料を用いた
ときにセルロース繊維を染着させるのに必要であるた
め、あらかじめ布帛に含有させておくのが好ましい。ア
ルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、モノ,ジ,トリ
エタノールアミン等のアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸若しくは重炭酸ア
ルカリ金属塩等が挙げられる。更に酢酸カルシウム、酢
酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモニア及びアンモニ
ア化合物等がある。又、スチーミング及び乾熱下でアル
カリ物質となるトリクロロ酢酸ナトリウム等も用い得
る。特に好ましいアルカリ性物質としては、炭酸ナトリ
ウム及び重炭酸ナトリウムがある。アルカリは布帛に対
して0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重
量%付与することが好ましい。
【0019】水溶性高分子としては、トウモロコシ、小
麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、
ローカスイトビーンガム、トラガントガム、グアガム、
タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等の蛋
白質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等の天然水
溶性高分子や、合成高分子としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合
物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶
性高分子等が挙げられる。これらの中でも分子量として
は10万〜400万、より好ましくは50万〜250万
のものが好ましい。かかる水溶性高分子の中でもとりわ
けポリエチレンオキサイドが滲みを抑えるという点で好
ましい。水溶性高分子は布帛に対して0.1〜30重量
%付与することが好ましい。
【0020】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、Na2
4、KCl及びCH3COONa等が挙げられ、又、ア
ルカリ土類金属としては、CaCl2及びMgCl2等が
挙げられる。中でもNa、K及びCaの塩類が好まし
い。水溶性金属塩は布帛に対して0.1〜30重量%、
より好ましくは1〜10重量%付与することが好まし
い。又、尿素、チオ尿素も滲みの防止や、発色性の向上
に非常に効果的であり、特に水溶性塩との併用は相乗効
果があり、好ましい。付与量は布帛に対して0.1〜3
0重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%で
ある。
【0021】撥水剤としては、例えばパラフィン系、フ
ッ素系化合物、ピリジニウム塩類、N−メチロールアル
キルアミド、アルキルエチレン尿素、オキザリン誘導
体、シリコーン系化合物、トリアジン系化合物、ジルコ
ニウム系化合物、或はこれらの混合物が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これらの撥水剤の中で
も、パラフィン系及びフッ素系撥水剤は、滲み防止、濃
度の点において特に好ましい。撥水剤は布帛に対して
0.05〜40重量%付与することが好ましく、より好
ましくは0.5〜10重量%の範囲である。これは、
0.05重量%未満ではインクの過度の浸透を防止する
効果が少なく、40重量%を超えて含有させても性能的
に大きな変化がないからである。界面活性剤としては、
アニオン系、非イオン系や両性界面活性剤等が使用でき
る。
【0022】アニオン系の界面活性剤としては、スルホ
ン酸型、カルボン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステ
ル型等が挙げられ、スルホン酸型としては、アルキルス
ルホネート系、アルキルアリルスルホネートエステル系
のスルホネート系界面活性剤等、カルボン酸型として
は、石鹸、脂肪蛋白質縮合物等、硫酸エステル型として
は、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールEO
付加物硫酸エステル、オレフィンの硫酸エステル、脂肪
酸の硫酸エステル等、リン酸エステル型としては、高級
アルコールリン酸エステル、高級アルコールEO付加物
リン酸エステル等が挙げられる。
【0023】非イオン系の界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンエーテル、アセチレングリコール等のエーテ
ル型や、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン等のアミノエーテル型、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル
型等を使用することができる。特にHLB12.5以
上、好ましくは14以上の非イオン系界面活性剤を用い
ることが好ましい。
【0024】又、両性界面活性剤としてはベタイン型等
を使用することができる。界面活性剤は布帛に対して
0.01〜30重量%付与することが好ましい。更に、
使用する染料の特性等に応じて還元防止剤、酸化防止
剤、均染剤、濃染剤、キャリヤー、還元剤、酸化剤とい
った添加剤を入れることが好ましい。
【0025】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コーティング法、スプレー法、インクジ
ェット法等を挙げることができる。
【0026】本発明において使用されるインクとして
は、インクジェット記録用へッドで印字できるインクで
あり、加熱により布帛に固着するタイプの染料を用いた
ものであればどのようなものでもかまわない。そのなか
でも布帛が綿、絹等の素材の場合は反応性染料及び水性
媒体から構成されるインクが好ましく用いられ、ナイロ
ン、羊毛、絹、レーヨン等の素材の場合は酸性染料、直
接染料等と水性媒体から構成されるインクが好ましく用
いられる。又、布帛がポリエステル素材の場合は分散性
染料と水性媒体から構成されるインクが好ましく用いら
れる。
【0027】先ず、インクにおける染料として、反応染
料としては、C.I.リアクティブイエロー2、15、
37、42、76、95、168、175;C.I.リ
アクティブレッド21、22、24、33、45、11
1、112、114、180、218、226、22
8、235;C.I.リアクティブブルー15、19、
21、38、49、72、77、176、203、22
0、230、235;C.I.リアクティブオレンジ
5、12、13、35、95;C.I.リアクティブブ
ラウン7、11、33、37、46;C.I.リアクテ
ィブグリーン8、19;C.I.リアクティブバイオレ
ット2、6、22;C.I.リアクティブブラック5、
8、31、39等が挙げられる。
【0028】酸性、直接染料としては、C.I.アシッ
ドイエロー1、7、11、17、23、25、36、3
8、49、72、110、127;C.I.アシッドレ
ッド1、27、35、37、57、114、138、2
54、257、274;C.I.アシッドブルー7、
9、62、83、90、112、185;C.I.アシ
ッドブラック26、107、109、155;C.I.
アシッドオレンジ56、67、149;C.I.ダイレ
クトイエロー12、44、50、86、106、14
2;C.I.ダイレクトレッド79、80;C.I.ダ
イレクトブルー86、106、189、199;C.
I.ダイレクトブラック17、19、22、51、15
4、168、173;C.I.ダイレクトオレンジ2
6、39等が挙げられる。
【0029】分散性染料としては、C.I.ディスパー
スイエロー3、5、7、33、42、60、64、7
9、104、160、163、237;C.I.ディス
パースレッド1、60、135、145、146、19
1;C.I.ディスパースブルー56、60、73、1
43、158、198、354、365、366;C.
I.ディスパースブラック1、10;C.I.ディスパ
ースオレンジ30、73、テラプリントレッド3GNリ
キッド、テラプリントブラック2R等が挙げられる。こ
れらの染料の使用量(固形分)としてはインク全量に対
して1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%の
範囲が好ましい。
【0030】又、インク中に染料とともに用いる水性媒
体としては、一般的なものが使用でき、好ましくはエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール等の低級アルキレン
グリコール類;エチレングリコールメチル(又はエチ
ル、プロピル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコー
ルメチル(又はエチル、プロピル、ブチル)エーテル、
トリエチレングリコールメチル(又はエチル、プロピ
ル、ブチル)エーテル、プロピレングリコールメチル
(又はエチル、プロピル、ブチル)エーテル、ジプロピ
レングリコールメチル(又はエチル、プロピル、ブチ
ル)エーテル、トリプロピレングリコールメチル(又は
エチル、プロピル、ブチル)エーテル等のアルキレング
リコールの低級アルキルエーテル類;ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレン
グリコール類、及びこれらのモノ、ジアルキルエーテル
に代表される水酸基の1或は2個が修飾されたもの;グ
リセリン、チオジエチレングリコール、スルホラン、N
−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これ
らの水性媒体のインク全量に対する含有量は通常は0〜
50重量%、より好ましくは0〜30重量%が好まし
い。
【0031】又、水性インクの場合、主成分である水は
インク全重量に対して30〜95重量%、より好ましく
は50〜95重量%の範囲が好ましい。
【0032】更に、インクの構成成分として、必要に応
じて目詰まり防止剤として尿素やその誘導体、分散剤、
界面活性剤、粘度調整剤としてポリビニルアルコールや
セルロース系化合物やアルギン酸ソーダ、pH調整剤、
蛍光増白剤、防かび剤等を添加することが可能である。
【0033】使用するインクジェット記録方法として
は、従来公知の何れのものでもよいが、例えば記録ヘッ
ド内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与
え、この熱エネルギーにより液滴を発生させる方法が挙
げられる。
【0034】次に、本発明におけるインクジェット記録
を行う工程で使用されるインクジェット捺染装置の一例
の概略構成を説明する。もちろん、本発明が適用可能な
装置は以下のような構成に限定されるものでなく、当業
者が容易に考えられるいかなる構成上の変更或は構成要
素を付加することも可能である。
【0035】図1は、捺染装置の概略構成を示す模式的
側断面図である。ここで、図中の1はプリント媒体とし
ての布帛であり、巻出しローラ11の回転に応じて巻出
され、中間ローラ13及び15を介して、プリンタ部1
000に対向する部位に設けた搬送部100により実質
的に水平方向に搬送された後、送りローラ17及び中間
ローラ19を介して巻取りローラ21に巻取られる。
【0036】搬送部100は、大略、布帛1の搬送方向
上、プリンタ部1000の上流側及び下流側に設けた搬
送ローラ110及び120を、それらローラ間に巻回さ
れた無端ベルト形態の搬送ベルト130と、プリンタ部
1000による捺染に際し布帛の被捺染面を平坦に規制
するべく搬送ベルト130を所定範囲で適切な張力で展
張し、平坦性を向上すべく設けた一対のプラテンローラ
140とを有している。ここで、搬送ベルト130は、
この図の装置では特開平5−212851号公報に開示
されたような金属製のものを用いており、図1中に部分
的に拡大して示すように、その表面には粘着層(シー
ト)133が設けられている。そして、布帛1は貼付け
ローラ150によって粘着層133を介して搬送ベルト
130に接着され、捺染時の平坦性が確保される。
【0037】そのように平坦性が確保された状態で搬送
される布帛1は、プラテンローラ140間の領域内でプ
リンタ部1000によりプリント剤が付与され、搬送ロ
ーラ120の部位において搬送ベルト130乃至接着層
133から剥離され、巻取りローラ21によって巻取ら
れていくが、その途中において乾燥ヒータ600により
乾燥処理が施される。この乾燥ヒータ600は、特にプ
リント剤として液体を用いる場合に有効なものである。
尚、乾燥ヒータ600としては、温風を布帛1に対して
吹付けるもの、赤外線を照射するもの等、形態は適宜選
択することができる。
【0038】図2はプリンタ部1000及び布帛1の搬
送系を模式的に示す斜視図であり、この図2と図1とを
用いてプリンタ部1000の構成を説明する。先ず、図
1及び図2において、プリンタ部1000は、布帛1の
搬送方向(副走査方向)fとは異なる方向、例えば搬送
方向fに直交する布帛1の幅方向Sに走査されるキャリ
ッジ1010を有している。1020はそのS方向(主
走査方向)に延在する支持レールであり、キャリッジ1
010に固着したスライダ1012を支持し、案内する
スライドレール1022を支持している。1030はキ
ャリッジ1010の主走査を行なうための駆動源をなす
モータであり、その駆動力はキャリッジ1010が固定
されたベルト1032その他の適宜の伝動機構を介して
キャリッジ1010に伝達される。
【0039】キャリッジ1010は、所定方向(この場
合では搬送方向f)に多数のプリント剤付与素子を配列
してなるプリントヘッド1100を、上記所定方向とは
異なる方向(この場合では主走査方向S)に複数段保持
したものを1組とし、かっこの場合ではこのプリントヘ
ッドの組を搬送方向に2段保持している。各組のプリン
トヘッド1100は、色を異にするインクやインク中の
色材を凝集させる機能を持つ処理液に対応して複数個を
1組として設けられ、これによってカラープリントを可
能とする。インクや処理液に用いられるプリントヘッド
の1組中の個数は、布帛1上に形成しようとする画像等
に応じて適宜選択できるが、例えば印刷の三原色である
イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)、或
は更にこれにブラック(Bk)を加えたものとこれらの
インク中の色材を凝集させる機能を持つ処理液の計5つ
を一組とすることができる。又はそれらに代えて、若し
くはそれらとともに、三原色では表現が不能若しくは困
難である特色(金色、銀色等の金属色や、鮮やかなレッ
ド、ブルー等)等も組に加えて用いることができる。或
は、同一色であっても、濃度に対応して複数のプリント
剤を用いるようにしてもよい。
【0040】この場合においては、主走査方向Sに複数
配置したプリントヘッド1100の組を、図1に示すよ
うに、搬送方向fに1組ずつ2段設ける。各段のプリン
トヘッドが用いるプリント剤の色、配置個数、配置順序
等は、捺染しようとする画像等に応じて各段毎で同一と
してもよく、異ならせてもよい。又、1段目のプリント
ヘッドの主走査によって捺染される領域に対し、次段の
プリントヘッドによって再度捺染を行うようにすること
もできるし(各段のプリントヘッドによって相補的な間
引き捺染を行うものでも重ね捺染を行うものでもよ
い)、捺染領域を分担させて高速プリントを行うように
することもできる。更に、プリントヘッドの段数は2段
に限らず、1段若しくは3段以上としてもよい。
【0041】これらの図においては、プリントヘッド1
100としてインクジェットヘッド、例えばインクを吐
出するために利用されるエネルギーとしてインクに膜沸
騰を生じさせる熱エネルギを発生する発熱素子を有し
た、キヤノン(株)の提唱になるバブルジェットヘッド
を用いる。そして、搬送部100によって実質的に水平
方向に搬送される布帛1に対し、プリント剤付与素子と
してのインク吐出口を下向きとした状態で用い、以て各
吐出口間での水頭差を無くし、吐出条件を均一化して良
好な画像形成を可能とするとともに、全吐出口に対する
均一な回復処理を可能とする。
【0042】各プリントヘッド1100にはキャリッジ
1010の移動に追従すべく設けたフレキシブルケーブ
ル1110が接続され、不図示の制御手段との間でべッ
ド駆動信号やヘッド状態信号等種々の信号の授受が行わ
れる。又、プリントヘッド1100に対しては各色イン
クを収容したインク供給系1130よりフレキシブルチ
ューブ1120を介してインクが供給される。
【0043】図3はインク供給系を模式的に示した斜視
図である。インク供給系1130は2系統から構成され
る。即ち、第1の系統では、第1の1組のインク貯蔵タ
ンク1131に接合された第1のインク供給チューブ1
120がフレキシブルチューブ1110の中を通ってヘ
ッド接合部1150につながっており、第2の系統で
は、同様に第2のインク貯蔵タンク1132に接合され
た第2のインク供給チューブ1121がフレキシブルチ
ューブ1110の中を通ってヘッド接合部1150につ
ながっている。
【0044】ここで、インク供給チューブ1120及び
1121はそれぞれ、往路のインク供給チューブ112
0a、1121a及び復路のインク供給チューブ112
0b、1121bからなる循環経路を形成している。
【0045】又、前述したインク貯蔵タンク1131及
び1132は、それぞれ不図示の加圧ポンプを有してお
り、タンク内のインクはこの加圧ポンプで加圧されて図
3の往路のインク供給チューブ1120a,1121a
を通ってプリントヘッド1100内を循環し、復路のイ
ンク供給チューブ1120b,1121bを通ってイン
ク貯蔵タンク1131及び1132に戻るようになって
いる。
【0046】更に、この加圧ポンプにより、インク供給
チューブ1120及び1121内にインクを再充填で
き、且つインクをへッド内に循環させてこのときの何分
の1かのインクをノズルから流れ出すようにすることに
より、ヘッドの回復操作をも行うことができる。ここ
で、インク貯蔵タンク1131及び1132のそれぞれ
は、色を異にするプリント剤に対応して複数設けられ、
これによってカラープリントを可能とする。
【0047】各組のインク貯蔵タンクの個数は、布帛1
上に形成しようとする画像等に応じて適宜選択できる
が、例えば印刷の三原色であるイエロー(Y)、マゼン
タ(M)及びシアン(C)、或は更にこれにブラック
(Bk)を加えたものとすることができる。又はそれら
に代えて、若しくはそれらとともに、三原色では表現が
不能若しくは困難である特色(金色、銀色等の金属色
や、鮮やかなレッド、ブルー等)等も用いることができ
る。或は、同一色であっても、濃度に対応して複数のプ
リント剤を用いるようにしてもよい。
【0048】ヘッド接合部1150は、図3の実線部に
示した第1の1組のヘッド接合部1151及び破線で示
した第2の1組のヘッド接合部1152と、接合部カバ
ー1160とで構成される。
【0049】次に、上記装置において用いられるヘッド
の概略的構成について、図4を参照しながら説明する。
図4は、インクジェットヘッドの概略構成を説明するた
めの斜視図である。この図において、プリントヘッド
は、天板71と基板72とが重なり合って構成される。
天板71は、インクを通すためのノズルとなる複数の溝
73、これらの溝に連通した共通液室となる溝74、該
共通液室へインクを供給するための供給口75を有す
る。一方、基板72は、各ノズルに対応した電気熱変換
体76と各電気熱変換体に電力を供給する電極77とが
成膜技術により一体的に形成されたものである。このよ
うな天板71と基板72とが合わさってインクを吐出す
るための複数の吐出口(オリフィス)78が形成され
る。
【0050】ここで、上記プリントヘッドで行われる上
記のバブルジェット方式のインク滴形成過程について簡
単に説明する。
【0051】先ず、発熱抵抗体(ヒータ)が所定の温度
に達するとヒータ面を覆うような膜気泡が生ずる。この
気泡の内部圧力は非常に高く、ノズル内のインクを押し
出す。インクはこの押し出しによる慣性力でノズルの外
及びその反対方向にある共通液室内に向かって移動す
る。インクの移動が進むと気泡の内部圧力は負圧にな
り、又、流路抵抗も加わってノズル内部のインクの速度
は遅くなる。ノズル口(オリフィス)から外へ吐出され
たインクは、ノズル内部に比べて速いため、慣性力と流
路抵抗、気泡の収縮、インク表面張力のバランスでくび
れが生じ、分離・液滴化する。そして、気泡の収縮と同
時に、毛管力によりノズル内に共通液室よりインクが供
給され次のパルスを待つ。
【0052】このように、電気熱変換素子をエネルギー
発生手段(以下、エネルギー発生素子ともいう)として
用いたプリントヘッド(以下、インクジェットヘッドと
もいう)は、駆動電気パルス信号により一対一の対応で
液路のインク内に気泡を発生させることができ、又、即
時且つ適切に気泡の成長・収縮を行わせることができる
ので特に、応答性の優れたインク滴吐出が達成できる。
又、プリントヘッドのコンパクト化も容易であり、且つ
最近の半導体分野における技術の推歩と信頼性の向上が
著しいIC技術やマクロ加工技術の長所を十二分に活用
でき、高密度実装化が容易で、製造コストも低いことか
ら有利である。
【0053】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるのは
特に断りのない限り質量基準である。 <実施例1> (A).インクジェット捺染用布帛の製造 綿100%のサテン織物(シルケット加工品)を用いて
表1に示す前処理をパッド法にて行った後、マングルで
絞り率90%に絞り乾燥温度120度/1分で乾燥を行
った。前処理処方を下記に示す。 ・撥水剤(パラフィン系) 3部 ・界面活性剤 (ポリオキシエチレンアルキルエーテル系)10部 ・炭酸ナトリウム 3部 ・水 84部
【0054】(B).インクジェット捺染用インクの調
整 次のように反応染料インクを調整した。尚、インクの全
量は何れも100部である。 ・反応染料 10部 ・チオジグリコール 40部 ・水 50部 用いた染料はC.I.リアクティブイエロー95、C.
I.リアクティブレッド226、C.I.リアクティブ
ブルー15、C.I.リアクティブブラック39であ
る。
【0055】(C).インクジェット捺染 インクジェット記録装置としてキヤノン製バブルジェッ
トプリンターBJC−820Jを使用し、これに上記捺
染インクを詰め替え、布帛に台紙を張り、搬送可能なよ
うにして印捺を行った。記録装置はこれに限定されるも
のではなくどのようなものを使用しても構わない。
【0056】(D).後処理 ハシマ(株)製熱プレス機HP−54を使用し、加熱温
度を120℃に設定し加熱板、テフロンシート及び乾燥
綿布、新聞紙2枚、水分率100%の綿布帛3枚、新聞
紙2枚、インクジェット記録された布帛、新聞紙2枚、
水分率100%の綿布帛3枚、新聞紙2枚、乾燥綿布、
加熱板の順になるように重ね、2分間加熱圧着した。こ
の処理の終わった布帛を90℃の湯、及び水で洗浄し乾
燥させた。
【0057】<実施例2>インクジェット記録までは実
施例1と同じ工程で、後処理の工程をハシマ(株)製熱
プレス機HP−54を使用し、加熱温度を130℃に設
定し加熱板、テフロンシート及び乾燥綿布、新聞紙2
枚、水分率100%の綿布帛3枚、新聞紙1枚、インク
ジェット記録された布帛、新聞紙2枚、乾燥綿布、加熱
板の順になるように重ね、2分間加熱圧着した。この処
理の終わった布帛を90℃の湯、及び水で洗浄し乾燥さ
せた。
【0058】<比較例1>インクジェット記録までは実
施例1と同じ工程で、後処理の工程を従来型のHTスチ
ーマー(固定式)で105℃/8分間蒸熱させた。この
処理の終わった布帛を90℃の湯、及び水で洗浄し乾燥
させた。
【0059】(結果)実施例1、2の印字サンプルは染
着率が高く、裏通りも良く、にじみもない画像であった
のに対し、比較例1の印字サンプルではにじみはなかっ
たが、染着率(表面濃度)、裏通りの点で実施例1、2
に比較して見劣りするものであった。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、布帛への印字工程から染料の固着工程を主とす
る後処理工程まで非常に簡易に作業することが可能で且
つ裏抜け性に優れ、滲みがなく鮮明で且つ高濃度で、高
画質の捺染物を得られるインクジェット捺染方法が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット捺染装置の
概略構成を示す模式的側断面図である。
【図2】図1の装置におけるプリンタ部及び搬送部を模
式的に示す斜視図である。
【図3】図1の装置におけるインク供給系を模式的に示
す斜視図である。
【図4】図1の装置に搭載されるプリントヘッドの概略
構成を説明するための斜視図である。
【図5】印字後の布帛を加熱染着させる工程を説明する
図である。
【図6】印字後の布帛を加熱染着させる他の工程を説明
する図である。
【図7】印字後の布帛を加熱染着させる他の工程を説明
する図である。
【符号の説明】
1:プリント媒体(布帛) 100:搬送部 1000:プリンタ部 1010:キャリッジ 1100:プリントヘッド 1130:インク供給系 1150:ヘッド結合部 1160:接合部カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/53 B41J 3/04 101Y D06M 11/04 B Fターム(参考) 2C056 EA05 EB14 EB30 EC14 EC29 FB03 FC02 HA46 3B154 AA01 AA07 AA08 AA09 AA12 AB19 AB22 BA09 BB02 BB12 BB78 BC07 BC16 BC47 BD01 BD04 BD08 BD18 BE02 BE05 BF01 BF02 BF13 CA37 CA38 CA42 DA13 4H057 AA02 DA01 DA34 FA16 FA17 GA06 HA01 HA02 JA10 JB02 4L031 AA01 AA11 AB31 BA07 BA11 BA14 DA09 4L033 AA02 AA03 AA05 AA06 AA07 AA08 AB04 AC03 AC12 BA01 BA14 BA29 CA02 CA04 CA06 CA07 CA22 DA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛にインクジェット記録を行う工程、
    インクジェット記録された布帛の染料を加熱固着させる
    工程を有するインクジェット捺染方法において、前記加
    熱固着させる工程が、(1)100℃以上に加熱するこ
    とができる加熱圧着手段、(2)水分率20%以上の湿
    潤媒体、(3)液体水分は遮断し水蒸気は透過すること
    が可能な水分遮断手段、(4)インクジェット記録され
    た布帛を有し、それぞれがこの順番になるようにそれぞ
    れを接触させるようにして圧着させることで前記湿潤媒
    体の水分を水蒸気として前記インクジェット記録された
    布帛に付与し、染料を蒸熱固着させる工程であることを
    特徴とするインクジェット捺染方法。
  2. 【請求項2】 布帛にインクジェット記録を行う工程、
    インクジェット記録された布帛の染料を加熱固着させる
    工程を有するインクジェット捺染方法において、前記加
    熱固着させる工程が、(1)100℃以上に加熱するこ
    とができる加熱圧着手段、(2)液体水分は遮断し水蒸
    気は透過することが可能な水分遮断手段、(3)水分率
    20%以上の湿潤媒体、(4)液体水分は遮断し水蒸気
    は透過することが可能な水分遮断手段、(5)転写防止
    手段、(6)インクジェット記録された布帛を有し、そ
    れぞれがこの順番になるようにそれぞれを接触させるよ
    うにして圧着させることで前記湿潤媒体の水分を水蒸気
    として前記インクジェット記録された布帛に付与し、染
    料を蒸熱固着させる工程であることを特徴とするインク
    ジェット捺染方法。
  3. 【請求項3】 布帛にインクジェット記録を行う工程、
    インクジェット記録された布帛の染料を加熱固着させる
    工程を有するインクジェット捺染方法において、前記加
    熱固着させる工程が、(1)100℃以上に加熱するこ
    とができる加熱圧着手段、(2)水分率20%以上の湿
    潤媒体、(3)液体水分は遮断し水蒸気は透過すること
    が可能な水分遮断手段、(4)インクジェット記録され
    た布帛を有し、それぞれがこの順番になるようにインク
    ジェット記録された布帛の両側にそれぞれを接触させる
    ようにして圧着させることで前記湿潤媒体の水分を水蒸
    気として前記インクジェット記録された布帛に付与し、
    染料を蒸熱固着させる工程であることを特徴とするイン
    クジェット捺染方法。
  4. 【請求項4】 使用される染料が反応性染料、酸性染
    料、分散性染料である請求項1〜3の何れか1項に記載
    のインクジェット捺染方法。
  5. 【請求項5】 湿潤媒体の水分率が50%以上300%
    以下である請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジ
    ェット捺染方法。
  6. 【請求項6】 加熱圧着手段の温度が100℃以上18
    0℃以下である請求項1〜3の何れか1項に記載のイン
    クジェット捺染方法。
  7. 【請求項7】 加熱圧着手段の圧着力が0.05〜6k
    g/cm2である請求項1〜3の何れか1項に記載のイ
    ンクジェット捺染方法。
  8. 【請求項8】 湿潤媒体が布、紙、多孔質体、高分子吸
    収体の何れかに水を付与したものである請求項1〜3の
    何れか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  9. 【請求項9】 布帛にアルカリ性物質、水溶性高分子、
    水溶性金属塩、尿素及びチオ尿素、撥水剤、界面活性剤
    から選択される物質をあらかじめ含有させておく請求項
    1〜3の何れか1項に記載のインクジェット捺染方法。
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