JPH07331586A - インクジェット捺染用布帛、その製造方法、及びインクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染用布帛、その製造方法、及びインクジェット捺染方法

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JPH07331586A
JPH07331586A JP6121139A JP12113994A JPH07331586A JP H07331586 A JPH07331586 A JP H07331586A JP 6121139 A JP6121139 A JP 6121139A JP 12113994 A JP12113994 A JP 12113994A JP H07331586 A JPH07331586 A JP H07331586A
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cloth
ink
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ink jet
fabric
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Masahiro Haruta
昌宏 春田
Shoji Koike
祥司 小池
Tomoya Yamamoto
智也 山本
Kinu Shirota
衣 城田
Fumi Takaide
文 高出
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
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Canon Inc
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    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P5/00Other features in dyeing or printing textiles, or dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form
    • D06P5/30Ink jet printing

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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像濃度、色の深み、裏面への色抜けが良い
等の点で優れたインクジェット捺染用布帛等を提供す
る。 【構成】 ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリイソ
ピロピルメタクリルアミド、アクリルアミドとイソプロ
ピルアクリルアミドの共重合体、及びアクリルアミドと
イソプロピルメタクリルアミドの共重合体から成る群よ
り選ばれる一種以上の水性樹脂と、HLBが10以上の
活性剤とを少なくとも含む水溶液で予め前処理されたイ
ンクジェット捺染用布帛、この前処理工程を有する布帛
の製造方法、およびこの布帛にインクジェット記録を行
う工程を有するインクジェット捺染方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
ターを用いて布に記録を行う場合に好適なインクジェッ
ト捺染用布帛、その製造方法、及びこの布帛を用いたイ
ンクジェット捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、布にインクジェット記録する方法
として、粘着剤を塗布した伸縮性のない平面支持体上に
一時的に布を接着しプリンターで印捺するもの(特開昭
63−6183号公報)、用いる染料に対して非染着性
の水溶性高分子物質と、水溶性塩類と、水不溶性無機微
粒子のいずれかを含む水溶液で前処理された布にインク
ジェット染色する方法(特公昭63−31594号公
報)、セルロース繊維にアルカリ性物質と尿素またはチ
オ尿素と水溶性高分子物質を含む水溶液で前処理し、反
応性染料を含むインクでインクジェット染色し、乾熱固
着処理する方法(特公平4−35351号公報)などが
あった。これらの従来技術の目的とするところは、画像
のにじみ防止と、シャープな絵柄及び高濃度で鮮明な捺
染物を得ることであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、従来の捺染法(スクリーン捺染)で得ら
れた捺染物と同程度の色濃度と鮮明性を得るには至って
いない。また、布の厚さ方向に対する浸透が悪いので、
色の深みや裏面への均一な色抜けが不十分であった。こ
れらの点から、従来技術による捺染物では、その応用範
囲が狭められてしまっていた。
【0004】本発明はこれら従来技術の課題を解決すべ
くなされたものであり、画像濃度が十分であり、色の深
みが十分であり、布の裏面への色抜けが良く、その結果
捺染物の応用範囲の拡大を可能とするインクジェット捺
染用布帛、その製造方法及びインクジェット捺染方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ポ
リイソプロピルアクリルアミド、ポリイソピロピルメタ
クリルアミド、アクリルアミドとイソプロピルアクリル
アミドの共重合体、及びアクリルアミドとイソプロピル
メタクリルアミドの共重合体から成る群より選ばれる一
種以上の水性樹脂と、HLBが10以上の活性剤とを少
なくとも含む水溶液または水分散液で布を予め前処理し
てなるインクジェット捺染用布帛、この前処理する工程
を有するインクジェット捺染用布帛の製造方法、および
このインクジェット捺染用布帛にインクジェット記録を
行う工程を有するインクジェット捺染方法により達成で
きる。
【0006】
【作用】本発明においては、特定の水性樹脂とHLBが
10以上の活性剤を含む水溶液または水分散液で前処理
する。この特定の水性樹脂は、インクを吸収保持して画
像のにじみや絵際の混色を防止するばかりでなく、スチ
ーミングなどの発色処理時に布の表面方向への染料の拡
散を防止し、発色処理時の画像のにじみを防止する。ま
た、HLBが10以上の活性剤は、染色効率を向上し、
布の厚さ方向への染料の拡散性を向上し、発色濃度を向
上する。これら各作用効果の相乗により、本発明の上記
目的が達成されることとなる。
【0007】以下、更に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明に用いる水性樹脂は、ポリイソプロ
ピルアクリルアミド、ポリイソピロピルメタクリルアミ
ド、アクリルアミドとイソプロピルアクリルアミドの共
重合体、及びアクリルアミドとイソプロピルメタクリル
アミドの共重合体から成る群より選ばれる。この水性樹
脂は、先に述べた様に画像のにじみ防止効果等を奏する
が、これは水性樹脂が40〜50℃以上の温度で凝集し
疎水化する性質があるためと考えられる。共重合体の場
合には、イソプロピルアクリルアミドとアクリルアミド
の組成比が3/7以上、好ましくは1/1以上である。
イソプロピルメタクリルアミドとアクリルアミドの組成
比も同様である。
【0009】本発明で用いるHLBが10以上、好まし
くは12以上の活性剤は、用いる染料と布の組み合わせ
に応じて、染色効率、布の厚さ方向への染料の拡散性、
発色濃度等の点を考慮して、各種の活性剤を適宜用いれ
ばよい。HLBが10未満の活性剤の場合は、十分な効
果は得られない。具体的には、例えば、ラウリルアルコ
ールEO(EOはエチレンオキシドの略、以下同様)
5モル付加物、オレイルアルコールEO 20モル付加
物、ノニルフェノールEO 10モル付加物、ノニルフ
ェノールEO 40モル付加物、ポリエチレングリコー
ル(MW=1000)のラウリン酸ジエステル、ポリエ
チレングリコール(MW=1000)ステアリン酸モノ
エステル、ソルビチン・オレイン酸モノエステルEO
5モル付加物、ソルビタンラウリン酸モノエステルEO
20モル付加物、アセチレングリコールのEO付加物
などである。HLBが10未満の活性剤では効果が不十
分になる。すなわち、HLBが10以上の上記活性剤
は、染料の可溶化と布繊維中への染料の浸透性を向上さ
せる働きがあるが、HLBが10未満のものは布表面で
のインクのぬれ性のみを向上し、インクの表面方向への
広がり(ニジミ)を大きくする。
【0010】また、pH調整剤の添加も有効である。具
体例としては、りん酸、塩酸、硫酸、ほう酸、けい酸、
酢酸、炭酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フタル
酸、およびこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、
トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、苛性ソ
ーダ、トリエタノールアミン等がある。
【0011】更に、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムな
どの塩類、尿素やチオ尿素などを併用するとより効果的
である。
【0012】これらの前処理剤の布への付与量は、布帛
自体の全重量に対して0.1〜30重量%が望ましい。
布への付与方法(前処理方法)は、前処理剤の水溶液ま
たは水分散液を、例えば塗布、含浸、スプレー法のいず
れかによって付与する等の方法がある。
【0013】上記塩類や尿素類の添加量は前処理剤の水
溶液または水分散液全重量に対して1〜50重量%、好
ましくは3〜40重量%、より好ましくは5〜30重量
%である。この時の水溶性樹脂の含有量は0.5〜10
重量%が好ましく、HLBが10以上の活性剤の含有量
は0.01〜3重量%、pH調整剤の含有量は0.1〜
5重量%が好ましい。
【0014】また更に、本発明においては、画像の発色
効率を向上させる目的で、カチオン化処理剤による前処
理を行っても良い。一般にカチオン化処理はアニオン性
染料の染着効率を向上させるものであり、主に綿やレー
ヨンに適用されて、酸性染料可染性に改質したり反応性
染料の染着率を向上させる。この様なカチオン化処理剤
の具体例と処理方法については、特公昭39−5985
号公報、特開昭46−40510号公報、特開昭60−
134080号公報に記載されている。
【0015】例えば、以下に挙げた具体例の化合物が含
まれる溶液を布帛に塗布するか、または、含浸し、次い
で加熱キュア後水洗、乾燥することにより、カチオン性
物質が布に含有される。これらの物質の布帛への付与量
は処理方法、付与した化合物の種類によって異なるが一
般的には布帛重量に対して、0.01〜30重量%程度
が好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】 本発明の前処理剤には必要に応じて種々の添加剤を更に
添加することができる。例えば、水溶性樹脂としては、
CMC(カルボキシメチルセルロース)、アルギン酸ソ
ーダ、デンプン、ポリビニルアルコール、トラガントガ
ムがあり、また、ノニオン、アニオン、カチオンの界面
活性剤や、シリコン系、フッ素系およびワックス系の撥
水性活性剤、更には、グリコールまたはグリコールエー
テルなどの水溶性溶剤、m−ニトロベンゼンスルホン酸
ソーダなどの還元防止剤が挙げられる。
【0019】本発明に用いられる布の種類としては綿、
絹、麻、ナイロン、レーヨン、アセテート、ポリエステ
ル及びこれらの混紡布帛であって、これらの布帛の種類
によって、処理剤の種類とpHを変える必要がある。例
えば、綿、絹、麻、レ−ヨンはアニオン性樹脂を用いて
アルカリ性のpHにコントロールするが、ナイロンの場
合はpHは酸性にコントロールする。アセテートとポリ
エステルの場合はpHは中性近傍が好ましい。
【0020】次に、本発明のインクジェット捺染用布帛
を用いてインクジェット記録を行う方法について説明す
る。使用可能なインクとしては、反応性染料、酸性染
料、直接染料、分散染料のいずれの染料のインクでも良
く、布の種類に応じて最適な染料のインクを用いること
ができる。記録はインクジェットプリントヘッドを用い
て本発明のインクジェット捺染用布帛上を走査してイン
クを画像状に付与すればよい。記録後は必要に応じて加
熱発色処理し、次いで洗浄して乾燥することにより目的
が達成される。
【0021】加熱発色処理は従来の捺染プロセスにおい
て行われている公知の方法がそのまま適用される。すな
わち、高温スチーム法やサーモゾル法が用いられる。イ
ンクの構成成分としては、染料、水、水溶性有機溶剤、
pH調整剤、防黴剤、界面活性剤、水溶性樹脂などが適
宜用いられる。水溶性有機溶剤の例としては、グリコー
ル類、グリコールエーテル類、含窒素溶剤、などであ
る。界面活性剤の例としては、ノニオン、アニオン、カ
チオン、両性、のいずれの活性剤も使用可能であり目的
に応じて使い分ける。
【0022】本発明のインクジェット捺染用布帛を用い
てインクジェット記録を行うのに好適な方法及び装置と
しては、例えば、ヘッドの室内のインクに信号に対応し
て熱エネルギーを与え、該熱エネルギーによりインク液
滴を発生させる方法及び装置が挙げられる。
【0023】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。
【0024】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックスまたはプラスチック板などと、感
熱プリントに用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッド
が示されているが、これに限定されるものではない)と
を接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコンな
どで形成される保護膜16、アルミニウム電極17−
1、17−2、ニクロムなどで形成される発熱抵抗層1
8、蓄熱層19、アルミナなどの放熱性のよい基板20
よりなっている。
【0025】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。ここで、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22よりインク滴24となり、インクジ
ェット捺染用布帛25に向かって飛翔とする。
【0026】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同
様な発熱ヘッド28とを密着して製作されている。な
お、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図で
あり、図2は図1のA−B線での切断面である。
【0027】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェットプリント装置の一例を示す。
【0028】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は、ヘッドによるプリント領域に隣接
した位置に配設され、また、本例の場合、ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口
面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に6
3はブレード61に隣接して設けられる吸収体であり、
ブレード61と同様、ヘッドの移動経路中に突出した形
態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸
収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード
61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵
埃などの除去が行われる。
【0029】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被プリント媒体(イン
クジェット捺染用布帛)にインクを吐出してプリントを
行うヘッド、66はヘッド65を搭載してヘッド65の
移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66は
ガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一
部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続
(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイ
ド軸67に沿った移動が可能となり、ヘッド65による
プリント領域及びその隣接した領域の移動が可能とな
る。
【0030】51は被プリント媒体を挿入するための給
布部、52は不図示のモータにより駆動される布送りロ
ーラである。これらの構成によってヘッドの吐出口面と
対向する位置へ被プリント媒体が給布され、プリントが
進行するにつれて排布ローラ53を配した排布部へ排布
される。
【0031】上記構成においてヘッド65がプリント終
了などでホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64
のキャップ62はヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、ヘッド65の吐出口面がワイピイングされる。な
お、キャップ62がヘッド65の吐出面に当接してキャ
ッピングを行う場合、キャップ62はヘッドの移動経路
中に突出するように移動する。
【0032】ヘッド65がホームポジションからプリン
ト開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においてもヘッド65の吐出口
面はワイピングされる。
【0033】上述のヘッドのホームポジションへの移動
は、プリント終了時や吐出回復時ばかりでなく、ヘッド
がプリントのためにプリント領域を移動する間に所定の
間隔でプリント領域に隣接したホームポジションへ移動
し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0034】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを需要する吸収体である。インク供給部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとっては好まし
い。本発明で使用されるインクジェットプリント装置と
しては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別
体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体
になったものにも好適に用いられる。
【0035】図6において、70はプリントユニットで
あって、この中にはインクを収容したインク収容部、例
えばインク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
好ましい。72はプリントユニット内部を大気に連通さ
せるための大気連通口である。このプリントユニット7
0は、図4で示すヘッド65に代えて用いられるもので
あって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0036】この用な装置によりプリントされたインク
ジェット捺染用布帛を、必要に応じて加熱し、次いで水
洗し、布帛を基材から剥して乾燥する。もしくは、乾燥
した後に、布帛を基材から剥すことによりプリント物が
得られる。
【0037】なお、得られたプリント物は、必要に応じ
て所望の大きさに切り離され、切り離された片は縫着、
接着、溶着など、最終的な加工品を得るための工程が施
され、ネクタイ、ハンカチなどの加工品を得ることがで
きる。
【0038】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。なお、以下特記の無い限り「%」及び「部」は
重量基準のものとする。
【0039】<実施例1>反応性第四級アミン化合物と
してトリメチル−2ヒドロキシ−3クロルプロピルアン
モニウムクロライドにより処理された木綿(厚さ:25
0μm)に、水性樹脂としてポリイソプロピルアクリル
アミドの2.0%、HLBが10以上の活性剤としてソ
ルビタン・ラウリン酸モノエステルEO 20モル付加
物の0.1%、クエン酸ソーダの1.0%、尿素の5%
からなる水溶液を含浸させ(絞り率:90%)、乾燥し
て本発明のインクジェット捺染用布帛を得た。
【0040】得られた布帛をA4版の大きさに切り出
し、市販のインクジェットカラープリンター(キャノン
社製、商品名BJC−820J)を用いてマルチカラー
プリントを行った。プリント終了後直ちに102℃8分
間の蒸気熱処理を行ない、その後ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダの0.1%水溶液で十分洗浄し、乾燥し
た。
【0041】この木綿(布帛)上には、深みのある十分
な濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされていた。ま
た、インクが付着しない白色部分の汚れもなくシャープ
な画像が得られた。
【0042】<実施例2>水性樹脂としてポリイソプロ
ピルアクリルアミドの2.0%、アルギン酸ソーダの
0.5%、炭酸ソーダ1.0%、HLBが10以上の活
性剤としてノニルフェノールEO 10モル付加物の
0.2%、塩化ナトリウムの5%、尿素の10%含まれ
る水溶液を、厚さ200μmの平織り綿布に含浸させ
(絞り率:80%)、して本発明のインクジェット捺染
用布帛を得た。
【0043】得られた布帛をA4版の大きさのシート状
に裁断した。次いで、市販のインクジェットカラープリ
ンター(キャノン社製、商品名BJC−820)を用い
て、以下に示したインクでフルカラープリントを行っ
た。プリント終了後直ちに布を102℃の蒸気中で8分
間発色処理し、次いで水洗して乾燥した。
【0044】この綿布(布帛)上には、深みのある十分
な濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされていた。ま
た、布の表面と裏面の発色濃度も高くシャープな画像が
得られた。
【0045】インク組成 [シアンインク] C.I.リアクティブブルー15 13部 チオジグリコール 20部 エチレングリコール 15部 イオン交換水 52部 [マゼンタインク] C.I.リアクティブレッド226 10部 チオジグリコール 20部 ジエチレングリコール 10部 イオン交換水 60部 [イエローインク] C.I.リアクティブイエロー95 10部 チオジグリコール 20部 ジエチレングリコール 15部 イオン交換水 55部 [ブラックインク] C.I.リアクティブブラック39 9部 チオジグリコール 20部 エチレングリコール 15部 イオン交換水 56部 なお、上記四種のインクは、混合攪拌機、水酸化ナトリ
ウムでpHを7.0に調整してからフロロポアフィルタ
ーで濾過して用いた。
【0046】<実施例3>水性樹脂としてポリイソプロ
ピルメタアクリルアミドの2.0%、HLBが10以上
の活性剤としてラウリルアルコールEO 5モル付加物
の0.3%、塩化ナトリウムの3.0%、尿素の10%
を含有した水溶液でパッド処理(絞り率:70%)した
厚さ200μmのポリエステル布帛を、本発明のインク
ジェット捺染用布帛として用意した。
【0047】次いで、この布帛を42cm幅のロール状
に切り出し、市販のインクジェットカラープリンター
(キャノン社製、商品名BJC−440)を用いて、下
記に示した分散染料を含有するインクでフルカラープリ
ントを行った。プリント終了後直ちにプリント部分を切
り取り、180℃の過熱蒸気にて5分間発色処理した。
次いで、ハイドロサルファイドを含有するアルカリ液で
還元洗浄し、水洗の工程を経てから乾燥した。
【0048】このポリエステル布帛上には、深みのある
十分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされてい
た。また、インクが付着しない白色部分の汚れもなくシ
ャープな画像が得られた。更に裏面の画像濃度も十分で
あった。
【0049】インク組成 [シアンインク] C.I.ディスパーズブルー87 7部 リグニンスルホン酸ソーダ 1部 チオジグリコール 15部 トリエチレングリコール 15部 イオン交換水 62部 [マゼンタインク] C.I.ディスパーズレッド92 6部 リグニンスルホン酸ソーダ 1部 チオジグリコール 15部 トリエチレングリコール 15部 イオン交換水 63部 [イエローインク] C.I.ディスパーズイエロー93 6部 リグニンスルホン酸ソーダ 1部 チオジグリコール 15部 トリエチレングリコール 15部 イオン交換水 63部 [ブラックインク] C.I.ディスパーズブラック1 8部 リグニンスルホン酸ソーダ 1部 チオジグリコール 15部 トリエチレングリコール 15部 イオン交換水 61部 なお、上記成分は各々サンドグラインダーを用いて混合
分散し、フィルターで濾過後使用した。
【0050】<実施例4>水性樹脂としてイソプロピル
アクリルアミドとアクリルアミドの共重合体の2.0
%、HLBが10以上の活性剤としてノニルフェノール
EO 7モル付加物の0.2%、硫酸ソーダの2%、尿
素の5.0%を含有した水溶液でパッド処理(絞り率:
90%)し、乾燥した新合繊のポリエステル布(繊維太
さ:0.8デニール)を、本発明のインクジェット捺染
用布帛として用意した。
【0051】この後の操作は実施例3と全く同様にして
行い、最終のプリント物を得た、得られたポリエステル
布帛上には深みのある十分な濃度のカラー画像が鮮やか
にプリントされていた。更にインクが付着していない白
色部分の汚れもなくシャープな画像が表と裏に得られ
た。
【0052】<実施例5>水性樹脂としてポリイソプロ
ピルアクリルアミドの1.5%、HLBが10以上の活
性剤としてノニルフェノールEO 40モル付加物の
0.2%、クエン酸の0.05%、m−ニトロベンゼン
スルホン酸ソーダの0.1%、塩化ナトリウムの8%を
含有する水溶液を含浸させた(絞り率:70%)ナイロ
ン布帛(厚さ:240μm)を、本発明のインクジェッ
ト捺染用布帛として用意した。
【0053】この布帛をA3版の大きさに切り出し、市
販のインクジェットカラープリンター(キャノン社製、
商品名BJC820J)を用いてマルチカラープリント
を行った。プリント終了後直ちに102℃の過熱蒸気で
8分間処理し、次いで水洗、乾燥を行った。
【0054】得られたナイロン布帛上には、ムラのない
深みのある十分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリント
されていた。また、インクが付着しない白色部分の汚れ
もなくシャープな画像が得られた。
【0055】<比較例1>実施例2で用いたポリイソプ
ロピルアクリルアミドの代わりに、アルギン酸ソーダを
1.0%用いた以外は、実施例2と同様にしてプリント
用布を得た。この布に実施例2と同様のインクとプリン
ターを用いてマルチカラープリントを行った。このプリ
ント終了後も実施例2と同様に処理して捺染物を得た。
【0056】この綿布上には鮮やかな色調のカラー画像
は得られたが、深みのある十分な濃度の画像は得られな
かった。
【0057】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、布に
にじみのない深みのある高濃度画像を記録でき、かつ布
の裏面の発色濃度も十分なインクジェット捺染が可能と
なり、その結果捺染物の応用範囲を拡大できる。
【0058】また本発明は、オフィス用やパーソナル用
の市販のインクジェットプリンターにそのまま適用して
も発色濃度が高く鮮明な捺染物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできるインクジェットプ
リント装置のヘッド部の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明に用いることのできるインクジェットプ
リント装置のヘッド部の一例を示す横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】本発明に用いることのできるインクジェットプ
リント装置の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に用いることのできるインクカートリッ
ジの一例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に用いることのできるプリントユニット
の一例を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城田 衣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高出 文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 真理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリ
    イソピロピルメタクリルアミド、アクリルアミドとイソ
    プロピルアクリルアミドの共重合体、及びアクリルアミ
    ドとイソプロピルメタクリルアミドの共重合体から成る
    群より選ばれる一種以上の水性樹脂と、HLBが10以
    上の活性剤とを少なくとも含む水溶液または水分散液で
    布を予め前処理してなるインクジェット捺染用布帛。
  2. 【請求項2】 布が、綿、絹、麻、レーヨン、アセテー
    ト、ナイロン、ポリエステル繊維布帛、及びこれらの混
    紡布帛からなる群より選ばれる請求項1記載のインクジ
    ェット捺染用布帛。
  3. 【請求項3】 ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリ
    イソピロピルメタクリルアミド、アクリルアミドとイソ
    プロピルアクリルアミドの共重合体、及びアクリルアミ
    ドとイソプロピルメタクリルアミドの共重合体から成る
    群より選ばれる一種以上の水性樹脂と、HLBが10以
    上の活性剤とを少なくとも含む水溶液または水分散液で
    布を前処理する工程を有するインクジェット捺染用布帛
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 布が、綿、絹、麻、レーヨン、アセテー
    ト、ナイロン、ポリエステル繊維布帛、及びこれらの混
    紡布帛からなる群より選ばれる請求項3記載のインクジ
    ェット捺染用布帛の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリ
    イソピロピルメタクリルアミド、アクリルアミドとイソ
    プロピルアクリルアミドの共重合体、及びアクリルアミ
    ドとイソプロピルメタクリルアミドの共重合体から成る
    群より選ばれる一種以上の水性樹脂と、HLBが10以
    上の活性剤とを少なくとも含む水溶液または水分散液で
    布を予め前処理してなるインクジェット捺染用布帛に、
    インクジェット記録を行う工程を有するインクジェット
    捺染方法。
  6. 【請求項6】 インクジェット記録後に、発色処理し、
    洗浄乾燥する工程を有する請求項5記載のインクジェッ
    ト捺染方法。
  7. 【請求項7】 布が、綿、絹、麻、レーヨン、アセテー
    ト、ナイロン、ポリエステル繊維布帛、及びこれらの混
    紡布帛からなる群より選ばれる請求項5または6記載の
    インクジェット捺染方法。
JP6121139A 1994-06-02 1994-06-02 インクジェット捺染用布帛、その製造方法、及びインクジェット捺染方法 Pending JPH07331586A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003029363A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Mitsui Chemicals, Inc. Water-color ink
KR100678432B1 (ko) * 2005-12-12 2007-02-02 김광일 디지털 날염기 출력용 원단 및 침지 약제

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WO2003029363A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Mitsui Chemicals, Inc. Water-color ink
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