JP3413112B2 - インクジェット染色用布帛処理剤、インクジェット染色用布帛処理液、インクジェット染色用布帛、捺染方法及び捺染物 - Google Patents

インクジェット染色用布帛処理剤、インクジェット染色用布帛処理液、インクジェット染色用布帛、捺染方法及び捺染物

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JP3413112B2
JP3413112B2 JP28247198A JP28247198A JP3413112B2 JP 3413112 B2 JP3413112 B2 JP 3413112B2 JP 28247198 A JP28247198 A JP 28247198A JP 28247198 A JP28247198 A JP 28247198A JP 3413112 B2 JP3413112 B2 JP 3413112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式を用いてプリントする場合に好適に使用されるインク
ジェット染色用布帛処理剤、インクジェット染色用布帛
処理液、インクジェット染色用布帛、捺染方法及び捺染
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、布帛にインクジェット記録する方
法としては、用いる染料に対して非染着性の水溶性高分
子物質と、水溶性塩類と、水不溶性無機微粒子のいずれ
かを含む水溶液で前処理した布にインクジェット染色す
る方法(特公昭63−31594号公報参照)や、セル
ロース繊維からなる布帛に、アルカリ性物質と尿素又は
チオ尿素と水溶性高分子を含む水溶液で前処理し、反応
染料を含むインクでインクジェット染色した後、乾熱固
着処理する方法(特公平4−35351号公報参照)等
がある。又、本発明者等は、布帛素材に、撥水剤とポリ
エチレンオキサイド樹脂を付着せしめたインクジェット
捺染用布帛にインクジェット方式によりインクを付与
し、次いで発色処理後、洗浄し、乾燥する方法(特開平
9−279490号公報参照)を提案している。
【0003】これらの従来技術や先願技術の目的とする
ところは、インクジェット方式により布帛へプリントす
る場合に、画像の滲みを防止し、シャープな絵柄及び高
濃度で鮮明な捺染物を得ることである。しかしながら、
上記した種々の提案は、上記の目的を満足する捺染物が
得られるものの、布処理工程から発色工程に至る迄の様
々な条件が変動した場合、例えば、布に前処理をしてか
ら発色するまでの時間が長くあいてしまうような場合に
おいては、上記課題を満足した捺染物が得られない場合
があった。即ち、高品位の捺染物を安定的に得ることに
対しては着目しておらず、布帛に染色する場合の条件設
定が難しく、それゆえ、捺染物への応用範囲が狭められ
ている。
【0004】中でも、ポリエチレンオキサイド化合物及
びその誘導体は、インクジェット記録方式で捺染物を得
る場合に布の前処理剤として使用した場合に、画像の滲
み防止と高濃度化に優れた効果を発揮するが、これらの
化合物は、その性質として、温度、金属や酸化剤の存
在、pH値、物理的外力、空気や光等の影響により分子
が切断され易く、性能の劣化が起こることが知られてお
り、安定な状態で使いこなすためには、改善が求められ
る。特に、各種捺染物への応用の範囲が広げるために
は、オフィス用やパーソナル用として汎用されている通
常のインクジェットプリンターで、各種繊維からなる布
帛上にプリントした場合に、深みがあり、発色濃度が高
く、且つ鮮明なプリント物が、容易に且つ安定して得ら
れることが望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ポリエチレンオキサイド化合物及びその誘導体を使
用しているにもかかわらず、発色条件が変動た場合や、
上記化合物を有する布帛用の前処理剤や、該処理剤を水
で薄めた布帛用処理液、或いは、該処理液で処理された
インクジェット染色用布帛を長期間保存した後でも、画
像濃度が充分に高く、形成された画像の色に深みがあ
り、インクの付与量が多い場合であっても滲みの発生が
極力抑えられた捺染物を得ることができるインクジェッ
ト染色用布帛処理剤、インクジェット染色用布帛処理
液、これらを用いて処理されたインクジェット染色用布
帛、該布帛を用いた捺染方法及び該捺染方法により得ら
れる捺染物を提供することにある。更に、本発明の目的
は、オフィス用やパーソナル用として汎用されている通
常のインクジェットプリンターによっても、深みがあ
り、発色濃度が高く、且つ鮮明な各種繊維からなる捺染
物を容易に且つ安定して得ることを可能とするインクジ
ェット染色用布帛処理剤、これを用いて処理されたイン
クジェット染色用布帛を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、第1の成分
としてポリエチレンオキサイド化合物及びその誘導体か
ら選択される少なくとも1種の化合物と第2の成分とし
てアルカリ金属塩とを5:1〜1:20の重量比で含
、更に、第3の成分として、カルボン酸のアンモニウ
ム塩を、該カルボン酸のアンモニウム塩1に対して、上
記混合物を10〜150の重量比で含むことを特徴とす
るインクジェット染色用布帛処理剤である。更に、本発
明は、上記インクジェット染色用布帛処理剤を用いたイ
ンクジェット染色用布帛処理液、上記インクジェット染
色用布帛処理剤を用いて処理されたインクジェット染色
用布帛、該布帛を用いた捺染方法及び該捺染方法により
得られる捺染物である
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者ら
は、上記した従来技術の課題について鋭意検討の結果、
前記したように、画像の滲み防止と高濃度化に優れた効
果を発揮し得るポリエチレンオキサイド化合物及びその
誘導体を少なくとも有するインクジェット染色用布帛処
理剤において、アルカリ金属塩及びカルボン酸のアンモ
ニウム塩を特定の割合で含有させれば、上記の効果を損
なうことなく、裏抜け性の向上や染着率向上を図ること
ができ、発色条件が変動した場合や、この布帛処理剤を
保存したり、又は、該処理剤を薄めて布帛処理溶液とし
た状態で、或いは、その溶液で処理された布帛を長期間
保存した後に使用した場合においても、その性能が劣化
することなく、インクジェット方式による捺染によっ
て、画像濃度が充分に高く、プリント物の色に深みがあ
り、インク保持性に優れ、インクの付与量が多い場合で
あっても画像滲みの発生が極力抑えられた優れた捺染物
が、容易に且つ安定して得られることを知見して本発
至った。
【0008】以下、本発明のインクジェット染色用布帛
処理剤を構成する各化合物について説明する。本発明で
用いるポリエチレンオキサイド化合物及びその誘導体に
ついては、特に限定されないが、本発明で使用するポリ
エチレンオキサイド化合物としては、分子量が約10万
〜200万のものを用いることが好ましい。即ち、分子
量が200万以上のものを使用した場合は、布帛処理剤
を水で薄めて水溶液の態様とした場合に粘度が高くなり
過ぎるため、その使いこなしが難しく、一方、分子量が
10万以下のものを用いた場合は、インクの保持性や画
像の滲み防止効果が充分に得られない傾向がある。又、
ポリエチレンオキサイド化合物の誘導体としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ
るが、中でも、エチレンオキサイド[−(CH2CH2O)
n−]の付加数が、n=25〜80程度のものを使用す
ることが好ましい。
【0009】次に、本発明のインクジェット染色用布帛
処理剤の構成材料として上記したようなポリエチレンオ
キサイド化合物及び/又はその誘導体(以下、ポリエチ
レンオキサイド化合物等と呼ぶ)と共に用いられるアル
カリ金属塩について説明する。本発明で使用するアルカ
リ金属塩も特に制約はないが、例えば、硫酸カリウム、
硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等の
無機塩や、クエン酸ナトリウム、コハク酸カリウム、酢
酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム等の有機酸塩等を好
ましく用いることができる。
【0010】本発明のインクジェット染色用布帛処理剤
中におけるアルカリ金属塩の含有量は、ポリエチレンオ
キサイド化合物等に対するアルカリ金属塩の混合比が、
重量比で、5:1〜1:20の範囲となるように構成す
る。更には、上記混合比が、ポリエチレンオキサイド化
合物等:アルカリ金属塩=2:1〜1:15、より好ま
しくは、1:1〜1:10の範囲になるようにすること
が好ましい。即ち、ポリエチレンオキサイド化合物及び
その誘導体は、インクジェット染色用布帛処理剤に使用
した場合に、染料を布帛表面に留めて発色性を向上さ
せ、滲みを防止させる効果があり、一方のアルカリ金属
塩には、インクの裏抜け性を向上させ、染着率を向上さ
せる効果があるので、本発明のインクジェット染色用布
帛処理剤を調製する場合には、ポリエチレンオキサイド
化合物等とアルカリ金属塩の使用量を、捺染に使用する
布帛の種類や、どの性能を重視するかによって、上記の
範囲内で適宜にバランスさせることが好ましい。
【0011】更に、本発明のインクジェット染色用布帛
処理剤は、上記した2種類の構成材料に加えて、第3の
成分として、下記の(1)の化合物を、下記の割合で含
有させる。下記でいう混合物とは、ポリエチレンオキサ
イド化合等とアルカリ金属塩の2種類の構成材料の混
合物のことである。 (1) カルボン酸のアンモニウム塩を、混合物に対し
て、重量比で、10:1〜150:1の範囲で含有させ
る。即ち、カルボン酸のアンモニウム塩1に対して、混
合物を10〜150の重量比で含有させる。
【0012】上記の場合において、本発明のインクジェ
ット染色用布帛処理剤中の第3成分の量が多くなって、
該処理剤中におけるポリエチレンオキサイド化合物等と
アルカリ金属塩との混合物の割合が上記範囲よりも少な
くなると、酸化によるエチレンオキサイド部分の切断が
起こり易くなる。そして、特に、このような処理剤で処
理された布帛を保存した場合には、その効能の劣化が生
じ、インクジェット染色用布帛処理剤による効果が充分
に得られなくなる。逆に、ポリエチレンオキサイド化合
物等とアルカリ金属塩の混合物の割合が、上記した範
よりも多くなくなると、本発明のインクジェット染色用
布帛処理剤を水で薄めて前処理液を作成する場合に、そ
の作り方等によっては、できた前処理剤のpH値がばら
ついて、発色性に悪影響が出てしまう。
【0013】 ここで、上記(1)で用いるカルボン酸の
例としては、モノ、ジ、トリカルボン酸が好ましく、中
でも、クエン酸、コハク酸、マロン酸、酢酸、マレイン
酸、イタコン酸、フマル酸等を用いるのが最も好まし
い。
【0014】本発明のインクジェット染色用布帛処理剤
を布帛に付与する方法としては、特に手段を選ばない
が、上記のような構成を有する布帛処理剤を使用し、こ
れを、1〜20重量%、より好ましくは、1.5〜15
重量%程度含有するように水で希釈し、水溶液(以下、
前処理液と呼ぶ)にし、得られた前処理液で布帛を処理
する方法等が挙げられる。中でも、本発明のインクジェ
ット染色用布帛処理剤を布帛に付与して前処理して、本
発明のインクジェット染色用布帛を得る上では、140
℃以下、好ましくは120℃以下で乾燥処理するパッド
ドライ法が特に好ましい。更に、インクジェット方式に
よって染色を行った場合の滲み防止の効果を向上させる
ために、ヒドロトロープ剤やキレート剤等を添加して処
理することも好ましい。
【0015】本発明のインクジェット染色用布帛処理剤
で処理する対象となる布帛としては、いずれのものでも
よいが、例えば、綿、絹、麻、レーヨン、アセテート、
ナイロン若しくはポリエステル繊維からなる布帛、又
は、これらの繊維の2種以上からなる混紡布帛が挙げら
れるが、特にポリエステル繊維からなる布帛を使用する
ことが好ましい。
【0016】次に、上記した構成の本発明のインクジェ
ット捺染用布帛を用い、該布帛上にインクジェット記録
を行う本発明の捺染方法について説明する。本発明の捺
染方法においては、上記した種々の布帛に応じた最適な
染料が含有されているインクを用いることが好ましい。
インクジェット用インクを構成する色材としては、例え
ば、反応染料、酸性染料、直接染料、分散染料、顔料等
が挙げられる。インクジェット用インクの構成成分とし
ては、これらの染料の他、水、或いは、水と水溶性有機
溶剤とからなる液媒体を少なくとも含み、その他、pH
調整剤、防黴剤、界面活性剤、水溶性樹脂等の各種添加
剤が挙げられ、これらを適宜に含有して構成される。水
溶性有機溶剤としては、例えば、グリコール類、グリコ
ールエーテル類、含窒素溶剤等が挙げられる。又、界面
活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン
性、両性のいずれの界面活性剤も使用可能であり、これ
らを目的に応じて適宜に使い分ければよい。又、色材と
して分散染料や顔料を含むインクジェット用インクの場
合には、分散剤を添加することが好ましく、その具体例
としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物や、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0017】本発明の捺染方法では、先に説明したよう
にして得られる本発明のインクジェット捺染用布帛上
に、上記したような構成のインクジェット用インクを用
い、インクジェット記録方法により画像を形成するが、
その際、インクジェト記録ヘッドを布帛上で走査して、
インクを布帛の所望の位置に付与することによって画像
記録を行う。そして、インクジェット記録後、必要に応
じた発色処理を行い、次いで洗浄及び乾燥して、目的の
捺染物を得る。上記の発色処理には、従来の捺染プロセ
スにおいて通常行われている加熱発色処理等の公知の方
法をそのまま適用できる。即ち、発色処理に、高温スチ
ーム法やサーモゾル法を用いることが好ましい。
【0018】本発明の捺染方法で使用するインクジェッ
ト方式による染色は、従来公知のものをいずれも使用で
きるが、例えば、特開昭54−59936号公報に記載
されている、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激
な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって
インクをノズルから吐出させる方式が最も有効である。
その理由としては、上記方式では、用いる複数のノズル
を有する記録ヘッドにおいて、各ノズル間のインクの吐
出速度のばらつきが小さく、インクの吐出速度が5〜2
0m/sec.の範囲に集約されていることが挙げられ
る。即ち、この速度でインクが布帛上に衝突すると、着
滴時の液滴の繊維に対する浸透の具合が最適となる。更
に、本発明で特に効果の高い捺染物が得られる布帛への
インク付与条件としては、吐出液滴が5〜200pl、
インク打込み量が4〜40nl/mm2、駆動周波数が
1.5KHz以上、及びヘッドの温度が35〜60℃の
条件が好ましい。
【0019】上記した本発明の捺染方法に用いるのに好
適な装置の一例として、記録ヘッドの液室のインクに記
録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギー
より液滴を発生させる装置が挙げられるが、以下、これ
について説明する。図1、図2及び図3に、その装置の
主要部分であるヘッド構成例を示した。ヘッド13は、
図2に示したように、インクを通す溝14を有するガラ
ス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記録に
用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されてい
るが、これに限定されるものではない)とを接着して得
られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成され
る保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−
2、ニクロム等形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層1
9、及びアルミナ等の放熱のよい基板20よりなってい
る。インク21は吐出オリフィス(微細孔)22までき
ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0020】今、電極17−1及び17−2に電気信号
が加わると、発熱ヘッド15のnで示される境域が急激
に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、布帛
25に向かって飛翔する。図3に、図1に示すヘッドを
多数並べたマルチヘッドの概観図を示す。該マルチヘッ
ドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明
したものと同様な発熱ヘッド28を密着して作製されて
いる。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断
面図であり、図2は、図1の2−2線での切断面であ
る。
【0021】図4に、ヘッドを組み込んだインクジェッ
ト記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピ
ング部材としてのブレードであり、その一端はブレード
保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッドによる記
録領域に隣接した位置に配設され、又、図4に示した装
置例の場合は、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態
で保持されている。62は、キャップであり、ブレード
61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッ
ドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接
し、キャッピングを行う構成を備えている。更に、63
は、ブレード61に隣接して設けられている吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除
去が行われる。
【0022】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する布帛にインクを吐出
して記録を行う記録ヘッドであり、66は、記録ヘッド
65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャ
リッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動
可能に係合されており、キャリッジ66の一部はモータ
68によって、駆動されるベルト69と接続(不図示)
している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67
に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65により記録
領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。51
は、布帛を挿入するための給布部、52は、不図示のモ
ータにより駆動される布送りローラである。これらの構
成によって、記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ布
帛が給布され、記録が進行するにつれて排布ローラ53
を配した排布部へと排布される。
【0023】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64
のキャップ62は、記録ヘッド65の移動経路から退避
しているが、ブレード61は移動経路中に突出してい
る。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピング
される。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に
当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録
ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘ
ッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動す
る場合、キャップ62及びブレ−ド61は、上述したワ
イピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この
移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピング
される。
【0024】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0025】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで、40は
供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収
容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特
にポリエチレンで形成されているものが好ましい。本発
明で使用するインクジェット記録装置としては、上記の
如きヘッドとインクカートリッジが別体になったものに
限らず、図6に示すが如き、それらが一体になったもの
も好適に用いることができる。
【0026】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。72
は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通
口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘ
ッドに変えて用いられるものであって、キャリッジ66
に対し着脱可能になっている。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例、参考例及び比較例に
より更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。尚、特に断らない限り、「部」は
「重量部」を、「%」とは「重量%」をいう。表1に
ンクジェット染色用布帛処理剤の構成材料の比率及び
評価結果をまとめて示した。
【0028】<参考例1> その重量比が、ポリエチレンオキサイド化合物(明成化
学社製、アルコックスE−30、分子量30〜50万)
が20%、硫酸ナトリウムが79.5%、硫酸アンモニ
ウムが0.5%となるようにこれらの化合物を混合し
て、本参考例のインクジェット染色用布帛処理剤を得
た。次に、上記で得た布帛処理剤の濃度が10%となる
ように、90%の水とよく混合して布帛用処理液を調製
した。更に、この布帛用処理液をポリエステル布帛に絞
り率100%で含浸させた後、ピンテンターにて、10
0℃、1分間乾燥して、インクジェット捺染用布帛を得
た。次に、このようにして得られた本参考例のインクジ
ェット染色用布帛処理剤によって処理された布帛をA4
版の大きさに切り出し、該布帛に、市販のインクジェッ
トカラープリンター(キヤノン製BJC−820、商品
名)を用いて、以下のようにして得られる各色のインク
でフルカラープリントを行なった。
【0029】上記で用いた各色のインクジェット用イン
クは、下記に示す組成を、各々サンドグラインダーを用
いて混合分散し、フィルターでろ過して調製した。 [イエローインク] ・C.I.ディスパーズイエロー93 5部 ・リグニンスルホン酸ソーダ 3部 ・チオジグリコール 10部 ・トリエチレングリコール 15部 ・イオン交換水 67部
【0030】[マゼンタインク] ・C.I.ディスパーズレッド92 5部 ・リグニンスルホン酸ソーダ 3部 ・チオジグリコール 10部 ・トリエチレングリコール 15部 ・イオン交換水 67部
【0031】[シアンインク] ・C.I.ディスパーズブルー87 6部 ・リグニンスルホン酸ソーダ 3部 ・チオジグリコール 10部 ・トリエチレングリコール 15部 ・イオン交換水 66部
【0032】[ブラックインク] ・C.I.ディスパーズブラック1 7部 ・リグニンスルホン酸ソーダ 3部 ・チオジグリコール 10部 ・トリエチレングリコール 15部 ・イオン交換水 65部
【0033】プリント終了後、直ちに180℃で8分間
スチーム処理を行って、常法により還元洗浄を行い、そ
の後、水で充分に洗浄し、乾燥した
【0034】更に、先の構成の本参考例のインクジェッ
ト染色用布帛処理剤を1ヶ月間放置後、これを用いて上
記と同様の方法で水で希釈して布帛用処理液を作製し、
該処理液でポリエステル布帛に前処理を行なってインク
ジェット捺染用布帛を得た
【0035】又、本参考例のインクジェット捺染用布帛
処理剤を上記と同様にして水で希釈して得られ布帛用
処理液を2週間保存した後、該処理液でポリエステル布
帛に前処理を行なってインクジェット捺染用布帛を得
た。そして、このインクジェット捺染用布帛を用いて上
記と同様の方法で捺染した
【0036】更に、本参考例のインクジェット染色用布
帛処理剤を用いて上記と同様の方法で水で希釈して布帛
用処理液を作製し、該処理液でポリエステル布帛を前処
理して得られたインクジェット捺染用布帛を2週間保存
した後、このインクジェット捺染用布帛を用いて上記と
同様の方法で捺染した
【0037】<参考例2> ポリオキシエチレン(付加数:n=50)セチルエーテ
ルが30%、塩化カリウムが30%、酒石酸が0.12
%、尿素が39.88%となるようにこれらの化合物を
混合して、本参考例のインクジェット染色用布帛処理剤
を得た。次に、上記で得た布帛処理剤の濃度が15%と
なるように、85%の水とよく混合して布帛用処理液を
調製した。更に、この布帛用処理液をナイロン布帛に絞
り率100%で含浸させた後、ピンテンターにて、10
0℃、1分間乾燥して、インクジェット捺染用布帛を得
た。更に、このようにして得られた本参考例のインクジ
ェット染色用布帛処理剤によって処理されたナイロン布
帛をA4版の大きさに切り出し、該布帛に、市販のイン
クジェットカラープリンター(キヤノン製BJC−62
0、商品名)を用いて、以下のようにして得られる各色
のインクでフルカラープリントを行なった。
【0038】上記で用いた4種のインクジェット用イン
クは、下記に示す組成を混合攪拌後、水酸化ナトリウム
でpH8に調整してからフロロポアフィルターでろ過し
て調製した。 [イエローインク] ・C.I.アシッドイエロー135 3部 ・C.I.ダイレクトイエロー86 2部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・イオン交換水 60部
【0039】[マゼンタインク] ・C.I.アシッドレッド226 7部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・イオン交換水 68部
【0040】[シアンインク] ・C.I.アシッドブルー185 9部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 15部 ・イオン交換水 56部
【0041】[ブラックインク] ・C.I.アシッドブラウン13 2部 ・C.I.アシッドオレンジ156 1.5部 ・C.I.アシッドブルー205 6.5部 ・チオジグリコール 25部 ・ジエチレングリコール 10部 ・イオン交換水 55部
【0042】プリント終了後、直ちに100℃で30分
間スチーム処理を行い、次いで洗浄、乾燥した
【0043】<実施例> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−60、分子量100〜120万)が10%、
ポリオキシエチレン(付加数:n=80)セチルエーテ
ルが10%、硫酸ナトリウムが78.6%、クエン酸3
アンモニウムが1.4%となるようにこれらの化合物を
混合して、本実施例のインクジェット染色用布帛処理剤
を得た。次に、上記で得た布帛処理剤の濃度が5%とな
るように、95%の水とよく混合して布帛用処理液を調
製した。更に、この布帛用処理液をナイロン布帛に絞り
率100%で含浸させた後、ピンテンターにて、100
℃、1分間乾燥して、インクジェット捺染用布帛を得
た。更に、このようにして得られた本実施例のインクジ
ェット染色用布帛処理剤によって処理されたナイロン布
帛をA4版の大きさに切り出し、該布帛に、市販のイン
クジェットカラープリンター(キヤノン製BJC−82
0、商品名)を用いて、参考例2と同様のインクを使用
して同様にフルカラープリントを行った。
【0044】プリント終了後、直ちに100℃で30分
間スチーム処理を行い、次いで洗浄、乾燥した。この結
果、得られたナイロン布帛上には、深みのある充分な濃
度のフルカラー画像が鮮やかにプリントされていた。
又、染料打込み量の多いところでも滲みのない画像が得
られた。更に、参考例1の場合と同様に、本実施例で得
られたインクジェット染色用布帛処理剤、該処理剤を水
で希釈した布帛処理液、及び本実施例のインクジェット
染色用布帛処理剤で処理した布帛を夫々、参考例1と同
様の期間保存した後、これらを用いてインクジェット染
色を行なって得られたプリント物の評価を行なった。こ
の結果、これらを保存したことによる劣化に起因する画
像欠陥は見られなかった。
【0045】<実施例> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスR−1000、分子量25〜30万)が25%、
硫酸ナトリウムが74.3%、クエン酸3アンモニウム
が0.7%となるようにこれらの化合物を混合して、本
実施例のインクジェット染色用布帛処理剤を得た。次
に、上記で得た布帛処理剤の濃度が10%となるよう
に、90%の水とよく混合して布帛用処理液を調製し
た。更に、この布帛用処理液をポリエステル布帛に絞り
率100%で含浸させた後、ピンテンターにて、100
℃、1分間乾燥して、インクジェット捺染用布帛を得
た。更に、このようにして得られた本実施例のインクジ
ェット染色用布帛処理剤によって処理されたポリエステ
ル布帛をA4版の大きさに切り出し、該布帛に、市販の
インクジェットカラープリンター(キヤノン製BJC−
820、商品名)を用いて、参考例1と同様のインクを
使用してフルカラープリントを行った。
【0046】プリント終了後、直ちに180℃で8分間
スチーム処理を行って、常法により還元洗浄を行い、そ
の後、水で充分に洗浄し、乾燥した。この結果、得られ
たポリエステル布帛上には、深みのある充分な濃度のフ
ルカラー画像が鮮やかにプリントされていた。又、染料
打込み量の多いところでも、滲みのない画像が得られ
た。更に、参考例1の場合と同様に、本実施例で得られ
たインクジェット染色用布帛処理剤、該処理剤を水で希
釈した布帛処理液、及び本実施例のインクジェット染色
用布帛処理剤で処理した布帛を夫々、参考例1と同様の
期間保存した後、これらを用いてインクジェット染色を
行なって得られたプリント物の評価を行なった。この結
果、これらを保存したことによる劣化に起因する画像欠
陥は見られなかった。
【0047】<実施例> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−30、分子量30〜50万)が20%、塩化
ナトリウムが50%、マロン酸2ナトリウムが10%、
コハク酸2アンモニウムが8%、尿素が12%となるよ
うにこれらの化合物を混合して、本実施例のインクジェ
ット染色用布帛処理剤を得た。次に、上記で得た布帛処
理剤の濃度が10%となるように、90%の水とよく混
合して布帛用処理液を調製した。更に、この布帛用処理
液をポリエステル布帛に絞り率100%で含浸させた
後、ピンテンターにて、100℃、1分間乾燥して、イ
ンクジェット捺染用布帛を得た。更に、このようにして
得られた本実施例のインクジェット染色用布帛処理剤に
よって処理されたポリエステル布帛をA4版の大きさに
切り出し、該布帛に、市販のインクジェットカラープリ
ンター(キヤノン製BJC−620、商品名)を用い
て、参考例1と同様のインクを使用してフルカラープリ
ントを行った。
【0048】プリント終了後、直ちに180℃で8分間
スチーム処理を行って、常法により還元洗浄を行い、そ
の後、水で充分に洗浄し、乾燥した。この結果、得られ
たポリエステル布帛上には、深みのある充分な濃度のフ
ルカラー画像が鮮やかにプリントされていた。又、染料
打込み量の多いところでも、滲みのない画像が得られ
た。更に、参考例1の場合と同様に、本実施例で得られ
たインクジェット染色用布帛処理剤、該処理剤を水で希
釈した布帛処理液、及び本実施例のインクジェット染色
用布帛処理剤で処理した布帛を夫々、参考例1と同様の
期間保存した後、これらを用いてインクジェット染色を
行なって得られたプリント物の評価を行なった。この結
果、これらを保存したことによる劣化に起因する画像欠
陥は見られなかった。
【0049】<比較例1> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−30、分子量30〜50万)が20%、硫酸
ナトリウムが79.905%、硫酸アンモニウムが0.
095%となるようにこれらの化合物を混合して、本比
較例のインクジェット染色用布帛処理剤を得た。そし
て、その後は参考例1と同様にして、上記処理剤で処理
した比較用のインクジェット捺染用のポリエステル布帛
を得た。この布帛に、市販のインクジェットカラープリ
ンター(キヤノン製BJC−820、商品名)を用い
て、参考例1と同様のインクを使用してフルカラープリ
ントを行った。又、プリント終了後、参考例1と同様の
処理を行なって捺染物を得た。
【0050】この結果、得られたポリエステル布帛上に
は、深みのある充分な濃度のフルカラー画像がプリント
されていたが、染料打込み量の多いところでの滲みが見
られた。しかし、参考例1の場合と同様に、本比較例で
得られたインクジェット染色用布帛処理剤、該処理剤を
水で希釈した布帛処理液、及び本比較例のインクジェッ
ト染色用布帛処理剤で処理した布帛を夫々、参考例1と
同様の期間保存した後、これらを用いてインクジェット
染色を行なって得られたプリント物の評価を行なっ
ころ、参考例1の場合と同様に、これらを保存したこと
による劣化に起因する画像欠陥は見られなかった。
【0051】<比較例2> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−30、分子量30〜50万)が20%、硫酸
ナトリウムが63%、硫酸アンモニウムが17%となる
ようにこれらの化合物を混合して、本比較例のインクジ
ェット染色用布帛処理剤を得た。そして、その後は参考
例1と同様にして、上記処理剤で処理された比較用のイ
ンクジェット捺染用のポリエステル布帛を得た。この布
帛に、市販のインクジェットカラープリンター(キヤノ
ン製BJC−820、商品名)を用いて、参考例1と同
様のインクを使用してフルカラープリントを行った。
又、プリント終了後、参考例1と同様の処理を行なって
捺染物を得た。
【0052】この結果、得られたポリエステル布帛上に
は、深みのある充分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリ
ントされていた。又、染料打込み量の多いところでも滲
みのない画像が得られた。しかし、参考例1の場合と同
様に、本比較例で得られたインクジェット染色用布帛処
理剤、該処理剤を水で希釈した布帛処理液、及び本比較
例のインクジェット染色用布帛処理剤で処理した布帛を
夫々、参考例1と同様の期間保存した後、これらを用い
てインクジェット染色を行なって得られたプリント物の
評価を行なっところ、いずれの場合も保存しなかった
場合と同じレベルの画像を得ることはできず、保存によ
る劣化が見られた。
【0053】<比較例3> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−30、分子量30〜50万)が4.5%、硫
酸ナトリウムが95.15%、クエン酸が0.35%と
なるようにこれらの化合物を混合して、本比較例のイン
クジェット染色用布帛処理剤を得た。そして、その後は
上記で得た布帛処理剤の濃度が10%となるように、9
0%の水とよく混合して布帛用処理液を調製した。更
に、この布帛用処理液をポリエステル布帛に絞り率10
0%で含浸させた後、ピンテンターにて、100℃、1
分間乾燥して、上記処理剤で処理された比較用のインク
ジェット捺染用のポリエステル布帛を得た。この布帛
に、市販のインクジェットカラープリンター(キヤノン
製BJC−820、商品名)を用いて、参考例1と同様
のインクを使用してフルカラープリントを行った。又、
プリント終了後、参考例1と同様の処理を行なって捺染
物を得た。
【0054】この結果、得られたポリエステル布帛上に
は、深みのある充分な濃度のカラー画像が得られず、染
料打込み量の多いところでの滲みも見られた。しかし、
参考例1の場合と同様に、本比較例で得られたインクジ
ェット染色用布帛処理剤、該処理剤を水で希釈した布帛
処理液、及び本比較例のインクジェット染色用布帛処理
剤で処理した布帛を夫々、参考例1と同様の期間保存し
た後、これらを用いてインクジェット染色を行なって得
られたプリント物の評価を行なっところ、参考例1の
場合と同様に、これらを保存したことによる劣化に起因
する画像欠陥は見られなかった。
【0055】<比較例4> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−30、分子量30〜50万)が15%、硫酸
ナトリウムが50%、クエン酸が35%となるようにこ
れらの化合物を混合して、本比較例のインクジェット染
色用布帛処理剤を得た。そして、その後は上記で得た布
帛処理剤の濃度が10%となるように、90%の水とよ
く混合して布帛用処理液を調製した。更に、この布帛用
処理液をポリエステル布帛に絞り率100%で含浸させ
た後、ピンテンターにて、100℃、1分間乾燥して、
上記処理剤で処理された比較用のインクジェット捺染用
のポリエステル布帛を得た。この布帛に、市販のインク
ジェットカラープリンター(キヤノン製BJC−82
0、商品名)を用いて、参考例1と同様のインクを使用
してフルカラープリントを行った。又、プリント終了
後、参考例1と同様の処理を行なって捺染物を得た。
【0056】この結果、得られたポリエステル布帛上に
は深みのある充分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリン
トされていた。又、染料打込み量の多いところでも滲み
のない画像が得られた。しかし、参考例1の場合と同様
に、本比較例で得られたインクジェット染色用布帛処理
剤、該処理剤を水で希釈した布帛処理液、及び本比較例
のインクジェット染色用布帛処理剤で処理した布帛を夫
々、参考例1と同様の期間保存した後、これらを用いて
インクジェット染色を行なって得られたプリント物の評
価を行なっところ、いずれの場合も保存しなかった場
合と同じレベルの画像を得ることはできず、保存による
劣化が見られた。
【0057】<比較例5> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−60、分子量100〜120万)が10%、
ポリオキシエチレン(付加数:n=80)セチルエーテ
ルが10%、硫酸ナトリウムが79.55%、クエン酸
3アンモニウムが0.45%となるようにこれらの化合
物を混合して、本比較例のインクジェット染色用布帛処
理剤を得た。そして、その後は実施例と同様にして、
上記処理剤で処理された比較用のインクジェット捺染用
のナイロン布帛を得た。この布帛に、市販のインクジェ
ットカラープリンター(キヤノン製BJC−820、商
品名)を用いて、参考例2と同様のインクを使用してフ
ルカラープリントを行った。又、プリント終了後、参考
例1と同様の処理を行なって捺染物を得た。
【0058】この結果、得られたナイロン布帛上には、
深みのある充分な濃度のカラー画像がプリントされてい
たが、染料打込み量の多いところでの滲みが見られた。
しかし、参考例1の場合と同様に、本比較例で得られた
インクジェット染色用布帛処理剤、該処理剤を水で希釈
した布帛処理液、及び本比較例のインクジェット染色用
布帛処理剤で処理した布帛を夫々、参考例1と同様の期
間保存した後、これらを用いてインクジェット染色を行
なって得られたプリント物の評価を行なっところ、
例1の場合と同様に、これらを保存したことによる劣
化に起因する画像欠陥は見られなかった。
【0059】<比較例6> ポリエチレンオキサイド化合物(明成化学社製、アルコ
ックスE−60、分子量100〜120万)が15%、
ポリオキシエチレン(付加数:n=80)セチルエーテ
ルが26%、硫酸ナトリウムが8%、クエン酸3アンモ
ニウムが51%となるようにこれらの化合物を混合し
て、本比較例のインクジェット染色用布帛処理剤を得
た。そして、その後は実施例と同様にして、上記処理
剤で処理された比較用のインクジェット捺染用のナイロ
ン布帛を得た。この布帛に、市販のインクジェットカラ
ープリンター(キヤノン製BJC−820、商品名)を
用いて、参考例2と同様のインクを使用してフルカラー
プリントを行った。又、プリント終了後、参考例1と同
様の処理を行なって捺染物を得た。
【0060】この結果、得られナイロン布帛上には深み
のある充分な濃度のカラー画像が鮮やかにプリントされ
ていた。又、染料打込み量の多いところでも滲みのない
画像が得られた。しかし、参考例1の場合と同様に、本
比較例で得られたインクジェット染色用布帛処理剤、該
処理剤を水で希釈した布帛処理液、及び本比較例のイン
クジェット染色用布帛処理剤で処理した布帛を夫々、
例1と同様の期間保存した後、これらを用いてインク
ジェット染色を行なって得られたプリント物の評価を行
なっところ、いずれの場合も保存しなかった場合と同
じレベルの画像を得ることはできず、保存による劣化が
見られた。
【0061】評価 実施例1〜実施例及び比較例1〜比較例6で得たプリ
ント物の画質評価は下記のようにして行なった。評価結
果を表にまとめて示した。 *1:インクジェット染色用布帛処理剤を保存しない状
態で使用した布帛を用いたプリント物(以下、初期画像
と呼ぶ)については以下の基準で評価した。 ◎:特に良好 ○:良好 △:問題あり ×:不可 *2:インクジェット染色用布帛処理剤を1ケ月間保存
したもの、インクジェット染色用布帛処理液及びインク
ジェット染色用布帛を2週間保存したものを使用して処
理した後に得られたプリント物については、ミノルタ社
製の分光測色機CM−2022を使用して測定した最大
吸収波長におけるK/S値、及び目視で観察した滲みの
程度を初期画像のそれと比較して、以下の基準で評価し
た。 ○:初期画像に比べ、K/S値の低下が2未満であり、
滲みも同等 △:初期画像に比べ、K/S値の低下が2以上4未満で
あり、滲みは初期画像よりも少し劣る ×:初期画像に比べ、K/S値の低下が4以上であり、
滲みも初期画像よりかなり劣る
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェット記録装置を利用して各種繊維からなる布
帛上に画像を形成した場合に、鮮明で且つ深みがあり、
ムラのない高濃度の画像を長期にわたって安定的に形成
することが可能となる。又、本発明によれば、オフィス
用やパーソナル用として汎用されている通常のインクジ
ェットプリンターによっても、深みがあり、発色濃度が
高く、且つ鮮明な各種繊維からなる捺染物を容易に、し
かも安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用するインクジェットヘッドの構
成例を示すための、インク流路に沿った模式的断面図で
ある。
【図2】 図1の2−2線での切断面を示す。
【図3】 図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッド
の模式概観図である。
【図4】 インクジェットヘッドを組み込んだ、本発明
で使用するインクジェット記録装置の一例を示す斜視図
である。
【図5】 インクジェットヘッドに供給されるインクを
収容したインクカートリッジの一例を示す断面図であ
る。
【図6】 ヘッドとインクカートリッジが一体となって
いるインクジェット記録装置の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:溝 15、28:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1及び17−2:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス 23:メニスカス 24:記録小滴 25:布帛 26:マルチ溝 27:ガラス板 40:インク袋 42:栓 44、63:吸収体 51:給布部 52:布送りローラ 53:排布ローラ 61:ブレード 62:キャップ 64:回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モータ 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 13/184 B41J 3/04 101Y 15/53 D06M 11/04 K (56)参考文献 特開 平8−127982(JP,A) 特開 平9−279490(JP,A) 特開 平8−158271(JP,A) 特開 平8−127977(JP,A) 特開 平9−279488(JP,A) 特開 平11−302985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 5/00 111 D06P 5/00 102 - 104

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の成分としてポリエチレンオキサイ
    ド化合物及びその誘導体から選択される少なくとも1種
    の化合物と第2の成分としてアルカリ金属塩とを5:1
    〜1:20の重量比で含み、更に、第3の成分として、
    カルボン酸のアンモニウム塩を、該カルボン酸のアンモ
    ニウム塩1に対して、上記混合物を10〜150の重量
    で含むことを特徴とするインクジェット染色用布帛処
    理剤。
  2. 【請求項2】 第1の成分と第2の成分を2:1〜1:
    15の重量比で含む請求項1に記載のインクジェット染
    色用布帛処理剤。
  3. 【請求項3】 第1の成分と第2の成分を1:1〜1:
    10の重量比で含む請求項1又は2に記載のインクジェ
    ット染色用布帛処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット染色用布帛処理剤を1〜20重量%含有
    ていることを特徴とするインクジェット染色用布帛処理
    液。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット染色用布帛処理剤を0.1〜30重量%含
    していることを特徴とするインクジェット染色用布
    帛。
  6. 【請求項6】 インクジェット方式により布帛にインク
    を付与し、次いで発色処理後、洗浄し乾燥する工程を含
    む捺染方法において、上記布帛に請求項に記載のイン
    クジェット染色用布帛を用いることを特徴とする捺染方
    法。
  7. 【請求項7】 発色処理がスチームを用いる処理である
    請求項に記載の捺染方法。
  8. 【請求項8】 請求項又は請求項に記載の捺染方法
    により得られたことを特徴とする捺染物。
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