JPH09291235A - インクジェット捺染用水系分散インクおよびそれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット捺染用水系分散インクおよびそれを用いたインクジェット記録装置

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JPH09291235A
JPH09291235A JP12930996A JP12930996A JPH09291235A JP H09291235 A JPH09291235 A JP H09291235A JP 12930996 A JP12930996 A JP 12930996A JP 12930996 A JP12930996 A JP 12930996A JP H09291235 A JPH09291235 A JP H09291235A
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JP
Japan
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ink
water
disperse dye
inkjet
printing method
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JP12930996A
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Shoji Koike
祥司 小池
Kinu Shirota
衣 城田
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
Masahiro Haruta
昌宏 春田
Tomoya Yamamoto
智也 山本
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
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Canon Inc
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散染料で染色可能な繊維を主体とする布帛
をインクジェット方式で捺染する際、染色性、インクの
吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット捺染用
水系分散インクを提供する。 【構成】 分散染料、アニオン系分散剤、水溶性有機物
及び水を含有するインクジェット捺染用水系分散インク
であって、前記分散染料を0.1〜15重量%含有し、
その分散染料の平均粒子径が150〜400nmの範囲
であり、かつ粒径200nm以下の範囲にある染料の分
布が重量比で85%以下であり、粒径1000nm以上
の粒子を実質上含まず、分散染料濃度が0.003重量
%となるよう純水希釈した際のゼータ電位が−40〜−
60mVであるインク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット捺染
用水系分散インクに関し、特に分散染料で染色可能な繊
維から構成される織布または不織布あるいはこれらの繊
維と他の合成繊維及び天然繊維からなる混紡織布あるい
は混紡不織布の捺染方法に適したインクジェット捺染用
水系分散インクと、これを用いたインクジェット捺染方
法及び転写捺染方法、該方法により得られる捺染物及
び、記録ユニット、インクカートリッジ、及び記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、捺染の主流はスクリーン捺染、ロ
ーラー捺染である。しかしながら、これらの方式は、多
品種少量生産に不向きであり、流行への迅速な対応も困
難であることから最近では、無製版の電子捺染システム
の確立が要望されている。この要望に対してインクジェ
ット記録による捺染方法が数多く提案されており各方面
からの期待も大きくなっている。
【0003】分散染料を用いたインクジェット捺染用イ
ンクとしては、(1)高温時及び長期保存における分散
安定性が良好なこと、(2)発色に十分な濃度を与える
こと、(3)ヘッドのノイズを目詰まりさせないこと、
(4)布帛上で不規則なにじみがなく、かつ均染性に優
れていること、
【0004】(5)長期にわたる耐久においても吐出特
性に変化のないこと、特に特開昭54−59936号公
報に記載されている熱エネルギーによる体積変化を利用
してインクを吐出させる方式の場合には、熱エネルギー
を与えるヒーター上に異物の沈着がなく、また消泡時の
キャビテーションによるヒーター破壊を起こさず安定し
た生産が可能であること、(6)転写捺染として使用す
る際に染色性が良好でしかも生産において安定した再現
性が得られること。等の性能が挙げられる。
【0005】これらの要求性能を満足させるために、従
来からは以下のような手段がとられてきた。まず(1)
については、分散染料の様に水不溶性または水難溶性の
色素を用いるような場合は特に重要で、インクジェット
インクのような低粘度が必須の液体では、従来の分散染
料の液状品よりも分散安定性が低下し、高温時や長期保
存時に染料が沈降するという問題点は避けられない。こ
の問題に対して、特開平2−189373号公報には、
インク中の水不溶性色素の粒子径を制御し、かつ溶液密
度を1.01〜1.3に調整する提案がなされているが
提示範囲は極めて広範囲であり、この提案だけでは、す
べての効果は期待できない。また特開平2−19033
7号公報には水に不溶の色素について、粒径0.2μm
以下の色素粒度分布が90%以上で、粒径0.3μm以
上の粒度のものを含有せず粘度が1.1〜10cPのイ
ンクが提案されているが、係る範囲の調整は、微小粒子
の含有比率が高すぎるため、保存時の凝集による物性変
化及び粘度の制約による高濃度化の達成が困難である問
題が生ずる。
【0006】(2)については、染料の濃度を高くする
ことで十分な濃度を与えるというのが一般的な手段であ
り、特に200pl以下の小液滴を用いたり、吸収力の
強い布帛に対して染色する場合は必須技術である。しか
しこうしたインクは、ノズル先端からのインクの蒸発の
ため増粘したり、染料が沈降して(3)の問題を引き起
こすに至る。
【0007】そこで(3)に対しては、グリセリン等の
多価アルコールを添加する等の手段がとられてきたが、
分散染料の様に水不溶性または水難溶性の色素を用いる
ような場合は、特に完全といえるような解決策はなく、
染料と溶剤の極めて特異的な組み合わせ以外は、満足な
結果は得られない。
【0008】(4)については、すでに数多くの提案が
されており、例えば特開昭62−283174号公報に
おいてはカルボン酸基含有ポリマーのインクへの添加が
挙げられるがいずれも(3)や(5)の問題は、避けら
れない。
【0009】(5)については、含有する染料の構造に
起因する場合があるが、溶剤が存在することによる分散
破壊の影響も考えられ、詳しい検討がなされておらず十
分な問題解決に至っていない。
【0010】(6)については、特開昭53−6548
3号公報、60−76343号公報、特開平6−576
56号公報等の提案がなされているが、その記載内容か
ら、本発明が求めている分散染料を用いたインクによる
高発色性、高生産性の達成は難しい。
【0011】以上のごとく従来の技術では個々の性能を
単独で満足させる手段は見出せても、これらの性能を同
時に満足させ、係る一連の問題を解決する捺染用インク
及びインクジェット捺染方法は今迄のところ知られてい
ないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、分散染料で染色可能な繊維を主体として構成される
布帛に対する、上述のごとき従来の一般的な捺染用イン
ク及びインクジェット捺染方法の課題、すなわち布帛上
で不規則な滲みが起こらず、高濃度で鮮明かつ均染性に
優れた捺染物を得るといった染色上の問題、吐出性能、
特にマルチノズルヘッドや熱エネルギー方式によるイン
クジェット方式において吐出安定性、目詰まり性が良好
であるといった吐出特性上の問題、高温時及び長期にわ
たって分散が安定したインクを得るという保存安定性上
の問題、更に転写捺染する際の優れた染色性と生産安定
性の問題を同時に満足するインク及び捺染方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明の第一の発明は、
分散染料、アニオン系分散剤、水溶性有機物及び水を含
有するインクジェット捺染用水系分散インクであって、
前記分散染料を0.1〜15重量%含有し、その分散染
料の平均粒子径が150〜400nmの範囲であり、か
つ粒径200nm以下の範囲にある染料の分布が重量比
で85%以下であり、粒径1000nm以上の粒子を実
質上含まず、分散染料濃度が0.003重量%となるよ
う純水希釈した際のゼータ電位が−40〜−60mVで
あることを特徴とするインクジェット捺染用水系分散イ
ンクを提案するものである。
【0014】第一の発明において、アニオン系分散剤
が、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物及びその
誘導体の中から選ばれる少なくとも1種であること、水
溶性有機物がグリセリン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種で
あること、水溶性有機物が尿素及びその誘導体、三価ま
でのカルボン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくと
も1種を含有すること、インクジェット捺染用インクの
吐出方式が熱エネルギーを利用してインクを吐出させる
方式であること、粘度が2〜10cP、表面張力が30
〜50dyn/cmであることを含むのが好ましい。
【0015】また、本発明の第二の発明は、インクをイ
ンクジェット方式によって布帛上に付与し、次いで熱処
理を行うインクジェット捺染方法であって、前記布帛が
分散染料で染色可能な繊維を含有する布帛であり、前記
インクが分散染料、アニオン系分散剤、水溶性有機物及
び水を含有するインクジェット捺染用水系分散インクで
あって、前記分散染料を0.1〜15重量%含有し、そ
の分散染料の平均粒子径が150〜400nmの範囲で
あり、かつ粒径200nm以下の範囲にある染料の分布
が重量比で85%以下であり、粒径1000nm以上の
粒子を実質上含まず、分散染料濃度が0.003重量%
となるよう純水希釈した際のゼータ電位が−40〜−6
0mVであることを特徴とするインクジェット捺染方法
である。
【0016】第二の発明において、少なくとも2種のイ
ンクを布帛上で混色させること、布帛がポリエステル繊
維を含むものであること、熱処理が、高温蒸熱(HTス
チーミング)法またはサーモゾル法であること、インク
ジェット方式が熱エネルギーを利用してインクを吐出さ
せるインクジェット方式であること、インクを付与する
前に、前記布帛に前処理を施すことを含むことが好まし
い。
【0017】また、本発明の第三の発明は、インクをイ
ンクジェット方式によって担体上に付与し、次いで熱処
理により、インクの染料を担体から被記録材料上に転写
する転写捺染方法であって、前記被記録材料が分散染料
で染色可能な繊維を含有する布帛であり、前記インクが
分散染料、アニオン系分散剤、水溶性有機物及び水を含
有するインクジェット捺染用水系分散インクであって、
前記分散染料を0.1〜15重量%含有し、その分散染
料の平均粒子径が150〜400nmの範囲であり、か
つ粒径200nm以下の範囲にある染料の分布が重量比
で85%以下であり、粒径1000nm以上の粒子を実
質上含まず、分散染料濃度が0.003重量%となるよ
う純水希釈した際のゼータ電位が−40〜−60mVで
あることを特徴とする転写捺染方法である。
【0018】第三の発明において、少なくとも2種のイ
ンクを担体に付与するものであること、布帛がポリエス
テル繊維を含むものであること、インクジェット方式が
熱エネルギーを利用してインクを吐出させるインクジェ
ット方式であること、担体が紙であること、紙の厚みが
0.02〜0.4mmの範囲にあることを含むことが好
ましい。
【0019】また、本発明の第四の発明は、前記インク
ジェット捺染方法で捺染された捺染物、及び前記転写捺
染方法で捺染された捺染物である。
【0020】また、本発明の第五の発明は、インクを収
容したインク収容部、及び該インクをインク滴として吐
出させる為のヘッド部を備えた記録ユニットにおいて、
インクが前記のインクであることを特徴とする記録ユニ
ットである。第五の発明において、ヘッド部がインクに
熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッド
を含むものであることを含むのが好ましい。
【0021】また、本発明の第六の発明は、インクを収
容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおい
て、インクが前記のインクであることを特徴とするイン
クカートリッジである。
【0022】また、本発明の第七の発明は、インクを収
容したインク収容部と、該インクをインク滴として吐出
させる為のヘッド部とを有する記録ユニットを備えたイ
ンクジェット記録装置において、インクが前記インクで
あることを特徴とするインクジェット記録装置である。
第七の発明において、ヘッド部が、インクに熱エネルギ
ーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドであること
を含むのが好ましい。
【0023】また、本発明の第八の発明は、インクを吐
出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容
部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッ
ジから記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給
部を備えたインクジェット記録装置において、インクが
前記インクであることを特徴とするインクジェット記録
装置である。第八の発明において、記録ヘッドがインク
に熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッ
ドであることを含むのが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明者はインクジェット捺染用
水系分散インクにおいて、前述の如き種々の要求性能を
同時に満足させるべくインクの改良を行った結果、分散
染料、アニオン系分散剤、水溶性有機物及び水を含有す
るインクジェット捺染用水系分散インクにおいて、前記
分散染料を0.1〜15重量%含有し、その分散染料の
平均粒子径dが150〜400nmの範囲であり、かつ
粒径200nm以下の範囲にある染料の分布が重量比で
85%以下であり、粒径1000nm以上の粒子を実質
上含まず、分散染料濃度が0.003重量%となるよう
純水希釈した際のゼータ電位が−40〜−60mVとな
るように制御することによって、吐出安定性や長期の保
存性、滲み性が格段に改善されることを知見した。また
印字後の布帛を観察すると、ムラ、混色部の色ずれが見
られず、更にその布帛を発色させたところ再現性が良好
であり、輪郭がシャープで鮮明な捺染物が得られた。
【0025】これらの現象は用いるインクの分散染料の
粒子径及びその分布状態と表面電位に大きく関係する。
保存安定性のうち沈降については、粒子径が小さい程、
分散染料の沈降は理論上起こりにくくなるが、この観点
のみからインクを調整すると凝集抑制のための分散剤量
が多くなり、結果として粘度が高くなってしまい、イン
クジェット捺染用インクとしては好ましいとはいえな
い。他性能とのバランスを考慮すると問題となる場合が
多い。
【0026】従って沈降及び粘度の制約からくるインク
物性の点で本発明に示した粒子径分布は、両立が可能な
極めて限定された範囲である。また、保存安定性のうち
凝集については、表面電位の絶対値が大きいほど凝集し
にくい方向となるが、その制御は、やはり分散剤の添加
量やpHの制約、更に上述した粒径分布との絶妙なマッ
チングが要求され、緻密な検討が必要である。
【0027】本発明のインクジェット捺染用水系分散イ
ンクの表面電位は、分散染料濃度が0.003重量%と
なるまでインクを純水で希釈した際のゼータ電位値から
求めた値である。測定濃度の設定は測定値の再現性が良
好となる点を考慮し決定した。本発明のゼータ電位値は
粒径分布を考慮すると従来のアニオン分散剤による分散
染料分散体の表面電位より絶対値的に高めの設定になっ
ている。
【0028】次に、吐出性能という面では、特に熱を利
用してインクを吐出させるインクジェット方式、あるい
はマルチノズルタイプのヘッドを用いる場合に目詰まり
抑止効果が高いことを知見した。熱を利用する方式にお
ける良好な効果は、発泡時の泡の安定性に起因している
ものと思われる。また分散性が極めて良好であることか
ら、分散破壊に起因する隣接ノズル間の吐出速度や液滴
容量のバラツキが押さえられる。
【0029】染色性の面では、粒子径分布及び表面電位
が効率よく制御されているため高発色が可能であり、混
色に際し打ち込み順序の違い等による染料の発色の変動
が少なく染色安定性、均染性の点でも良好な結果が得ら
れる。
【0030】更に転写捺染を行う際は、高発色、染色安
定性に対するインク中の分散染料の粒子径分布及び表面
電位の影響は、直接捺染よりさらに顕著であり、本発明
のインクの粒子径分布及び表面電位の範囲は格段の効果
が得られる条件である。
【0031】次に好ましい実施態様を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明する。本発明にて使用するインクの物性
面での第一の特徴は、分散染料の平均粒子径とその分布
を制御することであり、平均粒子径は150〜400n
m、好ましくは160〜350nmの範囲である。平均
粒子径が150nm未満であると凝集が進みやすく保存
時の物性変化が激しくなる。また重さあたりの染料の表
面積が大きくなるため分散に必要な分散剤量が多くな
り、その結果粘度の上昇をまねき吐出性能に悪影響を及
ぼす場合が多い。また、平均粒子径が400nmを越え
た場合は、保存時の沈降が顕著であり、さらには長期に
わたる吐出特性に問題が生じる。この傾向は熱エネルギ
ーを利用したインクジェット方式を用いた場合、特に問
題となる。
【0032】粒子径分布については粒径200nm以下
の範囲にある染料の割合が重量比で85%以下であり、
85%を越えると保存時の凝集による物性変化が大きく
なる。また使用する分散剤量が多くなりインクジェット
記録に必須であるインクの低粘度化が達成しにくい。こ
の場合、粘度を押さえるためには、分散染料の含有量を
低減せねばならず結果として高濃度化が達成できなくな
る。
【0033】また、粒径1000nm以上の粒子を実質
上含まないことが好ましく、粒径1000nm以上の粒
子を含むと沈降、目詰まり等のトラブルが顕著となるた
め実質上含まない系とする必要がある。手段としては1
μmフィルターでの濾過が有効である。
【0034】なお、平均粒子径及び粒子径分布の測定条
件は、レーザー光散乱法による機器ELS−800(大
塚電子社製)を用い、3mm×3mmセルを使用して、
積算回数200回にて測定したものである。
【0035】物性面での第2の特徴は、インク中の分散
染料粒子のゼータ電位を制御することであり、分散染料
濃度が0.003重量%となるまでインクを純水で希釈
した際のゼータ電位値は−40〜−60mV、好ましく
は−43〜−59mV、より好ましくは−46〜−58
mVの範囲である。ゼータ電位が−60mVよりも更に
負となると、本発明の粒径分布のインクでは吐出が不良
となる。また−40mVよりも正の方向に進むと保存時
の凝集において、悪影響を及ぼす場合が多い。また染色
時の均染性においても不都合が生ずる場合がある。
【0036】ゼータ電位の調整は、分散染料と分散剤の
含有比、インク中の水溶性有機物の種類及び量、分散条
件、pH等の制御によって行う。
【0037】なお本発明のゼータ電位の測定は、磁場中
を移動する粒子の速さをレーザドップラ法にて測定する
方式であるゼータブラス(日機装社製)を用いて、分散
染料濃度が0.003重量%となるまでインクを純水に
よって希釈し、3分間の超音波処理を施した後、行った
ものである。
【0038】本発明の捺染用インクは、分散染料、アニ
オン系分散剤、水溶性有機物および水を含有するインク
ジェット捺染用水系分散インクである。
【0039】分散染料としては以下に記載したものに限
定されるものではないが、C.I.ディスパーズイエロ
ー5、42、54、64、79、82、83、93、9
9、100、119、122、124、126、16
0、184:1、186、198、199、204、2
11、224および237;C.I.ディスパーズオレ
ンジ13、29、31:1、33、49、54、55、
66、73、118、119および163;C.I.デ
ィスパーズレッド54、72、73、86、88、9
1、92、93、111、126、127、134、1
35、143、145、152、153、154、15
9、164、167:1、177、179、181、2
04、206、207、221、239、240、25
8、277、278、283、288、311、32
3、343、348、356および362;C.I.デ
ィスパーズバイオレット26、33、77;C.I.デ
ィスパーズブルー56、60、73、79、79:1、
87、87:1、113、128、143、148、1
54、158、165、165:1、165;2、17
6、183、185、197、198、201、21
4、224、225、257、266、267、28
7、354、358、365および368;C.I.デ
ィスパーズグリーン6:1および9が好ましい。
【0040】更に、これら染料の含有量(2種以上を併
用して使用する場合は総含有量)は、0.1〜15重量
%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1
〜8重量%の範囲である。分散染料の含有量が0.1重
量%未満の場合は、発色の濃度が不十分である。また1
5重量%を超えて含有するとインクの保存安定性劣化や
ノズル先端付近におけるインク蒸発に伴う増粘や析出に
よる不吐出を引き起こすが、本発明の領域に粒子径分布
を制御すること自体がかなり難しいという問題もある。
【0041】アニオン系分散剤としては、例えば、アニ
オン系のものとしては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキ
ルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、
及びこれらの置換誘導体等が挙げられる。
【0042】中でもナフタレンスルホン酸のホルマリン
縮合物及びその誘導体(特にアルキル化物)は、得に好
ましいものである。アニオン系分散剤の含有量は、染料
に対して重量比で2〜15倍、好ましくは、2.5〜1
0倍の範囲である。
【0043】また本発明に使用するインクは、水を主成
分とし、インク全重量に対して10〜93重量%、好ま
しくは25〜87重量%、より好ましくは30〜82重
量%の範囲で含有することが望ましい。
【0044】更に、水溶性有機物として、例えば、水溶
性有機溶剤を使用する。このような溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等の1価アルコール類、アセトン、ジアセトンアルコー
ルなどのケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合
体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレン
グリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含
むアルキレングリコール類;1,2,6−ヘキサントリ
オール等のトリオール類;チオジグリコール;ビスヒド
ロキシエチルスルホン;グリセリン;エチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレン
グリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエ
チレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の
多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ
る。上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインク
の全重量に対して重量%で0〜50%、好ましくは2〜
45%の範囲である。
【0045】上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でも
混合物としても使用できるが、中でもグリセリン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、チオジグリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール及びその誘導体(中でも
そのアルキルエーテル類)は、特に好ましい化合物であ
る。
【0046】本発明のインクの主成分は上記の通りであ
るが、その他にアニオン系以外の分散剤、各種の消泡
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤等を必要
に応じて添加することができる。中でも併用する水溶性
有機物の例として、尿素及びその誘導体、三価までのカ
ルボン酸及びその塩類は、本発明の効果をより顕著にす
る効果がある。
【0047】本発明におけるインクは、上記分散染料、
アニオン系分散剤、水溶性有機物、水、その他の添加物
と共に、従来公知の分散方法、混合方法等を用いて製造
することができる。
【0048】インクの物性としては粘度が2〜10c
P、好ましくは2〜8cP、より好ましくは2〜6c
P、表面張力は30〜50dyn/cmの範囲が本発明
の効果をより明確にする点で好ましい。
【0049】本発明において使用する布帛を構成する素
材としては、インクジェットによる直接捺染に使用する
ものと転写捺染に使用するものは共通して使用でき、分
散染料で染色可能な繊維を含有するものである。中で
も、ポリエステル、アセテート、トリアセテートを含有
するものが好ましい。その中でもポリエステルを含有す
るものが特に好ましいものである。上記繊維は織物、編
物、不織布等いずれの形態でも使用できる。
【0050】係る布帛は、分散染料で染色可能な繊維1
00%のものが好適であるが、混紡率30%以上、好ま
しくは50%以上であれば、分散染料で染色可能な繊維
と他の素材、例えばレーヨン、綿、ポリウレタン、アク
リル、ナイロン、羊毛、絹等との混紡織布または混紡不
織布等も本発明の捺染用布帛として使用することができ
る。
【0051】また、係る布帛を構成する糸の太さとして
は、10d〜100dの範囲が好ましく、更にその糸を
構成している繊維の太さとしては特に制限はないが、1
d以下であると本発明の効果がより発揮される。
【0052】上記のインクジェット捺染用布帛は、布帛
の乾燥重量に対して0.01〜20重量%の水溶性金属
塩、水溶性高分子、尿素、チオ尿素および界面活性剤か
らなる群から選ばれる少なくとも1つの物質を含有する
とさらに好適である。この処理は特にインクジェット直
接捺染の際に必要である場合が多い。それらの物質を合
わせた含有量は、好ましくは0.5〜18重量%、より
好ましくは1〜15重量%である。0.01重量%未満
ではこれらの物質を添加する効果がなく、20重量%を
越えると布帛の搬送性及び染色性の点から好ましくない
場合がある。
【0053】水溶性高分子の例としては、トウモロコ
シ、小麦等のデンプン物質;カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース系物質;アルギン酸ナトリウム、アラビヤ
ゴム、ローカスイトビーンガム、トラガントガム、グア
ーガム、タマリンド種子等の多糖類;ゼラチン、カゼイ
ン等の蛋白質物質;タンニン系物質、リグニン系物質等
の天然水溶性高分子が挙げられる。更に、合成高分子で
は、例えば、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチ
レンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分子、
無水マイレン酸系水溶性高分子等が挙げられる。これら
の中でも多糖類系高分子やセルロース系高分子が好まし
い。
【0054】水溶性金属塩類としては、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物の様に、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属塩では、NaCl、Na2
SO4 、KCl、CH3 COONa等が挙げられ、又、
アルカリ土類金属塩としては、CaCl2 、MgCl2
等が挙げられる。中でもNa、K、Caの塩類が好まし
い。
【0055】界面活性剤としては、アニオン系、カチオ
ン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的に
は、アニオン系では高級アルコール硫酸エステル塩、ナ
フタレン誘導体のスルホン酸塩、カチオン系では第4級
アンモニウム塩、両性ではイミダゾリン誘導体、ノニオ
ン系ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド
付加物等が挙げられる。
【0056】次に、本発明の布帛においてはその水分率
を好ましくは、1.0〜101.0重量%、より好まし
くは、3.0〜81.0重量%の範囲とする。水分率が
1.0重量%未満の場合では、発色性及びにじみ防止性
の点で不都合が生じ、水分率が101.0重量%を超え
ると、搬送性及び特に滲みの点で好ましくない場合があ
る。
【0057】尚、布帛中の水分率の測定方法としては、
JIS L 1019を参照した。即ち、試料100g
を正確に秤り取り、105±2℃の乾燥器中に入れ恒量
になるまで乾燥した後、水洗処理を行い、再び恒量にな
るまで乾燥し、繊維部のみの乾燥後重量を測定し、次式
によって布帛中の水分率を求める。
【0058】
【数1】 水分率(%)={(W−W′)/W″}×100 (W:乾燥前重量、W′:乾燥後重量、W″:水洗乾燥
後繊維部重量)
【0059】転写捺染に使用する担体については、シー
トベースとして紙、布、ガラス、フィルム、金属等が用
いられ、特別の処理を施さなくても使用できる。中でも
クラフトパルプまたはグラインドパルプを原料として抄
紙されたものが好ましい。重量は40〜120g/m2
の範囲が好ましく、厚みは0.02〜0.4mmの範囲
が好適である。
【0060】インク付与量が多い場合には、上記シート
ベース上に前記布帛に施した処理、すなわち水溶性金属
塩、水溶性高分子、尿素、チオ尿素、界面活性剤を同様
な条件にて処理しても良い。
【0061】さらにシートベース上に転写ニス、剥離ニ
スを使用することも好適である。使用しうる転写ニスと
しては、ロジン変性フェ−ノール樹脂、ロジン変性マイ
レン酸樹脂、ポリアミド、ポリスチレン、キシレン樹
脂、ポリアクリル酸エステル等である。剥離ニスとして
は、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニル
アルコール、セルロース、アセテート・プロピオネート
等である。
【0062】本発明の方法におけるインクジェット記録
方式は、従来公知のいずれのインクジェット記録方式で
も良いが、例えば、特開昭54−59936号公報に記
載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたイン
クが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力
によって、インクをノズルから吐出させる方式に対して
最も有効である。その理由としては、上記方式はマルチ
ノズルを有する記録ヘッドの場合が多く、その場合、各
ノズル間のインクの吐出速度のばらつきが小さく、イン
クの吐出速度が5〜20m/secの範囲に集約されて
おり、本発明のインクの効果をより有効に発揮できるこ
とがあげられる。この速度で分散染料を含むインクが布
帛に衝突した場合の着滴時の液滴の繊維に対する浸透の
具合が最適である。またこの様な方式において本発明に
使用するインクを用いると、長時間連続的に記録を行っ
てもそのヒーター上の異物の沈着や断線が発生せず、目
詰まりのない安定した印捺が可能となる。
【0063】更に本発明のインクを使用し、特に効果の
高い捺染方法が得られる条件としては、吐出液滴が20
〜200pl、インク打込量が4〜40nl/mm2
駆動周波数1.5KHz以上、及びヘッド温度35〜6
0℃の条件が好ましい。
【0064】本発明のインクを用いて捺染を行なうのに
好適な装置の一例として、記録ヘッドの室内のインクに
記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギ
ーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げられる
が、以下にこれについて説明する。
【0065】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝
14を有するガラス、セラミックスまたはプラスチック
板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では
ヘッドが示されているが、これに限定されるものではな
い)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリ
コン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17
−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体
層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板2
0より成っている。
【0066】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2迄来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を形
成している。今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、オリフィス22よ
りインク21が吐出して記録小滴24となり、被記録材
である布帛25に向かって飛翔する。
【0067】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同
様な発熱ヘッド28を密着して製作される。尚、図1
は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図
2は図1のA−B線での切断面である。
【0068】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の1例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設される。
【0069】又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を具備する。更に6
3はブレード61に隣接して配設されるインク吸収体で
あり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に
突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャッ
プ62、インク吸収体63によって吐出回復部64が構
成され、ブレード61及びインク吸収体63によってイ
ンク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0070】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66はこの記録ヘ
ッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキ
ャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動
可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。
【0071】51は布帛を挿入する為の給布部、52は
不図示のモータにより駆動される布送りローラである。
これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する
位置へ布帛が給紙され記録が進行するにつれて排布ロー
ラ53を配した排布部へ排布される。
【0072】上記の構成において、記録ヘッド65が記
録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64
のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避し
ているが、ブレード61は移動経路中に突出している。
この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0073】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上記したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の
吐出口面はワイピングされる。
【0074】上記の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0075】図5は、インクを収容したインクカートリ
ッジ45の一例を示す図である。インクはインク供給部
材、例えばチューブを介してヘッドに供給される。ここ
で40は供給用インクを収容したインク収納部、例え
ば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設
けられている。この栓42に針(不図示)を挿入するこ
とにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能
ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体で
ある。インク収納部としては、インクとの接液面がポリ
オレフフィン、特にポリエチレンで形成されているのが
本発明にとって好ましい。
【0076】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが
一体となったものにも好適に用いられる。
【0077】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。
【0078】72は、記録ユニット内部を大気に連通さ
せる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、
図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであっ
て、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0079】以上の如くして本発明に使用される捺染用
インクは、布帛上に付与されるがこの状態では単に付着
しているに過ぎないので、引続き繊維への染料の反応定
着工程及び未定着の染料の除去工程を施すことが必須で
ある。この様な反応定着工程及び未定着の染料の除去方
法は、定着法に関しては、HTスチーミング法またはサ
ーモゾル法を用いた場合、本発明の効果が顕著である。
【0080】さらにHTスチーミング法の場合、140
℃〜180℃で2分〜30分間の処理条件の場合が好ま
しく、160℃〜180℃で6分〜8分間の処理条件の
場合がより好ましい。サーモゾル法の場合は、160℃
〜210℃で10秒〜5分の処理条件の場合が好まし
く、180℃〜210℃で20秒〜2分の処理条件の場
合がより好ましい。また、洗浄方法に関しては、従来公
知のソーピング方法で行えば良いが、特に還元洗浄を行
うことが好ましい。
【0081】転写捺染方法における転写条件について
は、インクが付与された担体と被染色布帛を圧着し、1
60〜230℃、好ましくは180〜220℃で2〜6
0秒、好ましくは3〜40秒で熱処理する。必要があれ
ばさらに上記直接捺染にて行ったスチーミング処理を併
用することもできる。ソーピング以降の処理は直接捺染
の場合と同様である。
【0082】なお以上述べた処理が施された布帛は、そ
の後所望の大きさに切り離され、その切り離された片
は、縫着、接着、溶着などの最終的な加工品を得るため
の工程を施され、ワンピース、ドレス、ネクタイ、水着
などの衣類や布団カバー、ソファーカバー、ハンカチ、
カーテンなどを得ることができる。
【0083】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。なお、文中部及び%とあるのは
特に断りのない限り重量基準である。
【0084】布帛(A)の作成 0.7dの繊維による20dの糸から構成されるポリエ
ステル100%の平織り布を、予め(尿素10%+カル
ボキシメチルセルロース1%)の水溶液に浸し、絞り率
60%で脱水後乾燥し、布帛の水分率を6%に調整し
た。
【0085】布帛(B)の作成 30dのポリエステル繊維85%及びエジプト綿15%
の混紡糸からなる織布を、予め(塩化ナトリウム2%+
アルギン酸ナトリウム2%)の水溶液に浸し、絞り率6
0%で脱水後乾燥し、布帛の水分率を9%に調整した。
【0086】分散染料液(I〜II)の作成 ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 20部 リグニンスルホン酸ナトリウム 5部 イオン交換水 57部 エチレングリコール 10部
【0087】上記成分を混合し、この溶液に新たに分散
染料8部をそれぞれ加え、30分間プレミキシングを行
った。次に、サンドグラインダー(五十嵐機械社製)を
用い、粉砕メディアは、ジルコニウムビーズ(0.5m
m径)、充填率50%の条件で分散処理を行った。他の
諸条件を以下として分散染料液(I〜II)を得た。
【0088】 分散染料(I) 分散染料 C.I.ディスパーズ ブルー 79:1 粉砕時間 3時間 最終濾過 1μmポアフィルター使用
【0089】 分散染料液(II) 分散染料 C.I.ディスパーズ バイオレット 26 粉砕時間 3時間 最終濾過 1μmポアフィルター使用
【0090】実施例1インク(a)の製造 ・上記分散染料液(I) 50部 ・グリセリン 2部 ・トリエチレングリコール 4部 ・ジエチレングリコール 5部 ・マイレン酸 0.1部 ・尿素 8部 ・イオン交換水 31部
【0091】上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナ
トリウムでpH7に調整し、2時間撹拌した後、さらに
50℃においてホモジナイザーで5分処理し、1μmの
ポアフィルターにてろ過し、本発明のインクジェット捺
染インク(a)を得た。得られたインクジェット捺染イ
ンク(a)の物性を表1に示した。
【0092】この様にして得られたインクジェット捺染
インク(a)をカラーバブルジェットプリンターBJC
600(商品名 キャノン社製)に搭載し、上記の織布
(A)及び(B)に、印字密度100%及び200%部
の10cm×5cmのベタサンプル3枚のプリントを行
い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。
その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み
性、発色安定性及び均染性について評価した。その結果
を、表2に示したがいずれも良好な結果であった。
【0093】さらに、上記プリンターで連続10時間の
ベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価
した。その結果、表2に示したように吐出性は連続印字
の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このイ
ンクは、高温時(50℃、1週間)及び長期(常温、3
ケ月)にわたって保存しても、沈降が少なく、再撹拌し
て、粘度、表面張力を測定しても物性変化は、ほとんど
認められなかった。
【0094】実施例2インク(b)の製造 ・上記分散染料液(II) 40部 ・ジプロピレングリコール 2部 ・ジエチレングリコール 5部 ・グリセリン 5部 ・クエン酸3ナトリウム 0.1部 ・尿素 4部 ・イオン交換水 44部
【0095】上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナ
トリウムでpH7に調整し、2時間撹拌した後、さらに
50℃においてホモジナイザーで5分間処理し1μmの
ポアフィルターにてろ過し、本発明のインクジェット捺
染インク(b)を得た。実施例1のインクと同様な測定
及び評価を行ったところ、表2に示したように、いずれ
も良好な結果となった。
【0096】分散染料液(III〜VII)の作成 ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 15部 メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 15部 イオン交換水 55部 プロピレングリコール 5部
【0097】上記成分を混合し、この溶液に新たに分散
染料10部をそれぞれ加え、30分間プレミキシングを
行った。次に、サンドグラインダー(五十嵐機械社製)
を用い、粉砕メディアは、ジルコニウムビーズ(0.5
mm径)、充填率50%の条件で分散処理を行った。他
の諸条件を以下として分散染料液(III〜VII)を
得た。
【0098】 分散染料液(III) 分散染料 C.I.ディスパーズ バイオレット 77 粉砕時間 3時間 最終濾過 1μmポアフィルター使用
【0099】 分散染料液(IV) 分散染料 C.I.ディスパーズ バイオレット 77 粉砕時間 10時間 最終濾過 1μmポアフィルター使用
【0100】 分散染料液(V) 分散染料 C.I.ディスパーズ バイオレット 77 粉砕時間 1時間 最終濾過 1μmポアフィルター使用
【0101】 分散染料液(VI) 分散染料 C.I.ディスパーズ バイオレット 77 粉砕時間 7時間 最終濾過 0.45μmポアフィルター使用
【0102】 分散染料液(VII) 分散染料 C.I.ディスパーズ バイオレット 77 粉砕時間 3時間 最終濾過 濾過なし
【0103】実施例3インク(c)の製造 ・上記分散染料液(III) 35部 ・テトラエチレングリコール 2部 ・ジエチレングリコール 4部 ・クエン酸 0.1部 ・尿素 8部 ・イオン交換水 51部
【0104】上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナ
トリウムでpH7に調整し、2時間撹拌した後、さらに
50℃においてホモジナイザーで5分間処理し1μmの
ポアフィルターにてろ過し、本発明のインクジェット捺
染インク(c)を得た。実施例1のインクと同様な測定
及び評価を行ったところ、表2に示したように、いずれ
も良好な結果となった。
【0105】比較例1 実施例3において、分散染料液(III)の代わりに、
分散染料液(IV)を用いた以外は、実施例3と同様な
処理を行い、比較のためのインク(d)を得た。測定及
び評価結果を表1、2に示した。初期の性能は、比較的
良好であるが、保存による物性変化が大きく、保存によ
る吐出特性の変化が、問題のあるレベルであることが確
認された。
【0106】比較例2 実施例3において、分散染料液(III)の代わりに、
分散染料液(V)を用いた以外は、実施例3と同様な処
理を行い、比較のためのインク(e)を得た。測定及び
評価結果を表1、2に示した。染色特性に問題が生じ、
長期にわたる吐出特性でも、問題のあるレベルであっ
た。また、保存時における沈降が大きく、取り扱いが難
しい。
【0107】比較例3 実施例3において、分散染料液(III)の代わりに、
分散染料液(VI)を用いた以外は、実施例3と同様な
処理を行い比較のためのインク(f)を得た。測定及び
評価結果を表1、2に示した。初期の性能は、比較的良
好であるが、保存による物性変化が大きく、保存による
吐出特性の変化が、問題のあるレベルであることが確認
された。
【0108】比較例4 実施例3において、分散染料液(III)の代わりに、
分散染料液(VII)を用い、インク化時にろ過をしな
かった以外は、実施例3と同様な処理を行い比較のため
のインク(g)を得た。測定及び評価結果を表1、2に
示した。染色特性、目詰まり性に問題が生じ、長期にわ
たる吐出特性でも、問題のあるレベルであった。また、
保存時における沈降が大きく、取り扱いが難しかった。
【0109】比較例5 インク(h)の製造 ・上記分散染料液(III) 35部 ・チオジグリコール 30部 ・クエン酸 0.1部 ・尿素 8部 ・イオン交換水 28部
【0110】上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナ
トリウムでpH7に調整し、2時間攪拌した後、更に5
0℃においてホモジナイザーで5分処理し、1μmのポ
アフィルターにてろ過し、比較のためのインク(h)を
得た。
【0111】測定及び評価結果を表1、2に示した。初
期の性能は、比較的良好であるが、保存による物性変化
が大きく、保存による吐出特性の変化が、問題のあるレ
ベルであることが確認された。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】(注) *1 滲み性 エッジの直線部分の不規則な乱れを肉眼で観察し、判定
した。 ○:乱れが全くない △:乱れが少しある ×:乱れが多い
【0115】*2 均染性 100%ベタ部のK/S値を10箇所それぞれ測定し、
その平均値に対するばらつきを見た。 ○:全ての個所でK/S値のばらつきが0.5未満(均
染性が良い) △:1個所以上でK/S値のばらつきが0.5以上(均
染性が劣る) ×:全ての個所でK/S値のばらつきが0.5以上(均
染性が非常に劣る)
【0116】
【数2】K/S=(1−R)2 /2R R:最大吸収波長の反射率
【0117】*3 発色安定性 3枚の布帛の印字密度100%部の発色後のK/S値を
測定して、最大値/最小値の比により判定した。 ○:0.98以上 △:0.95以上0.98未満 ×:0.95未満
【0118】*4 吐出安定性 連続10時間のベタ印字を行った後のインクの吐出ヨレ
とインク液滴量の印字前との変化を測定した。 ○:吐出ヨレの悪化及びインク液滴量の変化がほとんど
見られない(吐出安定性が良好) △:吐出ヨレの悪化またはインク液滴量の変化の一方が
ある(吐出安定性が若干劣る) ×:吐出ヨレの悪化及びインク液滴量の変化の両方があ
る(吐出安定性が非常に劣る)
【0119】*5 保存性(沈降) 50mlのメスシリンダーにインクを入れ2週間常温に
て放置し、上部10%部に存在する色素量を吸光度(ア
セトン希釈)にて測定し、当初の値との比により判定し
た。 ○:0.98以上 △:0.95以上0.98未満 ×:0.95未満
【0120】*6 保存性(物性変化) 常温3ケ月保存したインクを良く攪拌し、粘度と表面張
力を当初の値と比較した。 ○:粘度、表面張力とも変動が5%以下 △:粘度、表面張力のいずれかの変動が5%以上 ×:粘度、表面張力とも変動が5%以上
【0121】実施例4 インク(a、b、c)をカラーバブルジェットプリンタ
ーBJC600(商品名、キャノン社製)に搭載し、織
布(A)及び(B)に各インクの印字密度が50〜10
0%である3種のインクの様々な打ち込み順序の混色の
印字を行った。更に、180℃で6、8分間の蒸熱処理
を行い、水洗及び還元洗浄してプリント画像を評価し
た。その結果、打ち込み順序によらず色相が安定してお
り6分と8分の蒸熱時間の差も見られず染色の安定性が
良好であった。
【0122】比較例6〜10 実施例4においてインクcの代わりにd、e、f、g、
hを用いた以外は実施例4と同様に処理したところ、
d、e、f、g、hインクが関係する混色部のみが、打
ち込み順序、蒸熱時間の違いによる染色安定性が実施例
4に比較して明らかに劣る結果となった。
【0123】実施例5 インク(a、b、c)をカラーバブルジェットプリンタ
ーBJC600(商品名、キャノン社製)に搭載し、ク
ラフトパルプによる転写紙(60g/m2 、厚さ0.2
mm)に各インクの印字密度が50〜100%である3
種のインクの様々な打ち込み順序の混色の印字を行っ
た。次に、織布(A)及び(B)に圧着し、200℃
で、20秒、30秒間、感熱処理を行い、水洗及び還元
洗浄してプリント画像を評価した。その結果、打ち込み
順序によらず色相が安定しており20秒と30秒の感熱
時間の差も見られず染色の安定性が良好であった。
【0124】比較例11〜15 実施例5においてインクcの代わりにd、e、f、g、
hを用いた以外は実施例5と同様に処理したところ、
d、e、f、g、hインクが関係する混色部のみが、打
ち込み順序、蒸熱時間の違いによる染色安定性が実施例
5に比較して明らかに劣る結果となった。
【0125】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のインクジェ
ット捺染用水系分散インクによれば、布帛上で不規則な
滲みがなく、均染性が良好でかつ染色安定性に優れた捺
染物を得るといった染色上の問題、吐出性能、特に熱エ
ネルギー方式によるインクジェット方式において吐出安
定性が良好であるといった問題、さらに高温時及び長期
にわたって分散が安定したインクを得るという保存安定
性上の問題を同時に満足することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図3】図1及び図2に示したヘッドをマルチ化したヘ
ッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1,17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 記録小滴 25 布帛 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク収納部 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 3/54 D06P 5/20 A 5/00 111 B41J 3/04 101Y 5/20 102Z (72)発明者 春田 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山本 智也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 袴田 慎一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散染料、アニオン系分散剤、水溶性有
    機物及び水を含有するインクジェット捺染用水系分散イ
    ンクであって、前記分散染料を0.1〜15重量%含有
    し、その分散染料の平均粒子径が150〜400nmの
    範囲であり、かつ粒径200nm以下の範囲にある染料
    の分布が重量比で85%以下であり、粒径1000nm
    以上の粒子を実質上含まず、分散染料濃度が0.003
    重量%となるよう純水希釈した際のゼータ電位が−40
    〜−60mVであることを特徴とするインクジェット捺
    染用水系分散インク。
  2. 【請求項2】 アニオン系分散剤が、ナフタレンスルホ
    ン酸のホルマリン縮合物及びその誘導体の中から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット
    捺染用水系分散インク。
  3. 【請求項3】 水溶性有機物がグリセリン、エチレング
    リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
    ール、テトラエチレングリコール、チオジグリコール、
    プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
    プロピレングリコール及びその誘導体の中から選ばれる
    少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット捺
    染用水系分散インク。
  4. 【請求項4】 水溶性有機物が尿素及びその誘導体、三
    価までのカルボン酸及びその塩類の中から選ばれる少な
    くとも1種を含有する請求項1または3記載のインクジ
    ェット捺染用水系分散インク。
  5. 【請求項5】 インクジェット捺染用水系分散インクの
    吐出方式が熱エネルギーを利用してインクを吐出させる
    方式である請求項1記載のインクジェット捺染用水系分
    散インク。
  6. 【請求項6】 粘度が2〜10cP、表面張力が30〜
    50dyn/cmである請求項1記載のインクジェット
    捺染用水系分散インク。
  7. 【請求項7】 インクをインクジェット方式によって布
    帛上に付与し、次いで熱処理を行うインクジェット捺染
    方法であって、前記布帛が分散染料で染色可能な繊維を
    含有する布帛であり、前記インクが分散染料、アニオン
    系分散剤、水溶性有機物及び水を含有するインクジェッ
    ト捺染用水系分散インクであって、前記分散染料を0.
    1〜15重量%含有し、その分散染料の平均粒子径が1
    50〜400nmの範囲であり、かつ粒径200nm以
    下の範囲にある染料の分布が重量比で85%以下であ
    り、粒径1000nm以上の粒子を実質上含まず、分散
    染料濃度が0.003重量%となるよう純水希釈した際
    のゼータ電位が−40〜−60mVであることを特徴と
    するインクジェット捺染方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも2種のインクを布帛上で混色
    させる請求項7記載のインクジェット捺染方法。
  9. 【請求項9】 布帛がポリエステル繊維を含むものであ
    る請求項7記載のインクジェット捺染方法。
  10. 【請求項10】 熱処理が、高温蒸熱(HTスチーミン
    グ)法またはサーモゾル法である請求項7記載のインク
    ジェット捺染方法。
  11. 【請求項11】 インクジェット方式が熱エネルギーを
    利用してインクを吐出させるインクジェット方式である
    請求項7記載のインクジェット捺染方法。
  12. 【請求項12】 インクを付与する前に、前記布帛に前
    処理を施す請求項7記載のインクジェット捺染方法。
  13. 【請求項13】 インクをインクジェット方式によって
    担体上に付与し、次いで熱処理により、インクの染料を
    担体から被記録材料上に転写する転写捺染方法であっ
    て、前記被記録材料が分散染料で染色可能な繊維を含有
    する布帛であり、前記インクが分散染料、アニオン系分
    散剤、水溶性有機物及び水を含有するインクジェット捺
    染用水系分散インクであって、前記分散染料を0.1〜
    15重量%含有し、その分散染料の平均粒子径が150
    〜400nmの範囲であり、かつ粒径200nm以下の
    範囲にある染料の分布が重量比で85%以下であり、粒
    径1000nm以上の粒子を実質上含まず、分散染料濃
    度が0.003重量%となるよう純水希釈した際のゼー
    タ電位が−40〜−60mVであることを特徴とする転
    写捺染方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも2種のインクを担体に付与
    する請求項13記載の転写捺染方法。
  15. 【請求項15】 布帛がポリエステル繊維を含むもので
    ある請求項13記載の転写捺染方法。
  16. 【請求項16】 インクジェット方式が熱エネルギーを
    利用してインクを吐出させるインクジェット方式である
    請求項13記載の転写捺染方法。
  17. 【請求項17】 担体が紙である請求項13記載の転写
    捺染方法。
  18. 【請求項18】 紙の厚みが0.02〜0.4mmの範
    囲にある請求項17記載の転写捺染方法。
  19. 【請求項19】 請求項7記載のインクジェット捺染方
    法で捺染された捺染物。
  20. 【請求項20】 請求項13記載の転写捺染方法で捺染
    された捺染物。
  21. 【請求項21】 インクを収容したインク収容部、及び
    該インクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備
    えた記録ユニットにおいて、インクが請求項1記載のイ
    ンクであることを特徴とする記録ユニット。
  22. 【請求項22】 ヘッド部がインクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項21
    記載の記録ユニット。
  23. 【請求項23】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、インクが請求項1記載
    のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  24. 【請求項24】 インクを収容したインク収容部と、該
    インクをインク滴として吐出させる為のヘッド部とを有
    する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置にお
    いて、インクが請求項1記載のインクであることを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  25. 【請求項25】 ヘッド部がインクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項24
    記載のインクジェット記録装置。
  26. 【請求項26】 インクを吐出するための記録ヘッド、
    インクを収容したインク収容部を有するインクカートリ
    ッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインク
    を供給するためのインク供給部を備えたインクジェット
    記録装置において、インクが請求項1記載のインクであ
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  27. 【請求項27】 記録ヘッドがインクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項2
    6記載のインクジェット記録装置。
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