JP2015086394A - 間接的な印刷のための不飽和ポリエステルを含有する硬化性ラテックスインク - Google Patents

間接的な印刷のための不飽和ポリエステルを含有する硬化性ラテックスインク Download PDF

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Abstract

【課題】光開始剤および少なくとも1つの不飽和ポリエステルを含むラテックスを含有する間接的な印刷方法用硬化性インクの提供。【解決手段】ジカルボン酸化合物とジオール化合物のいずれか又は両方にに不飽和基を有するモノマーで構成される、酸価が約8から25で、ガラス転移点が約45から70℃であるアモルファスポリエステルと、光重合開始剤を含有する間接的印刷プロセス用のラテックスインク。【選択図】なし

Description

ここに開示する実施形態は、一般的に、光開始剤を含むラテックスと少なくとも1つの不飽和ポリエステルとを含む、間接的な印刷方法のためのインク組成物に関する。
間接的な印刷プロセスは、まず、インクジェット印刷ヘッドを用い、中間受け入れ部材(ドラム、ベルトなど)に対し、インクを画像の状態に塗布する2工程印刷プロセスである。このインクは、中間受け入れ部材を濡らし、広がり、一時的な画像を生成する。次いで、一時的な画像は、特性の変化を受け(例えば、部分的または完全な乾燥、熱または光による硬化、ゲル化など)、次いで、得られた一時的な画像が基材に転写される。
このような間接的な印刷プロセスに適したインクを、高速で高品質の印刷を可能にする異なるサブシステム(例えば、吐出、転写など)と適合するように設計し、最適化しなければならない。典型的には、良好な濡れ性を示すインクは、基材に転写されず、または逆に、基材に効果的に転写するインクは、中間受け入れ部材を濡らさない。今日まで、濡れ機能および転写機能の両方を可能にする既知の市販インクは存在しない。
したがって、間接的な印刷プロセスに適したインクを現像する必要性が存在し、特に、中間受け入れ部材の良好な濡れ性を示し、最終的な基材に効率的に転写することができるインクを現像する必要性が存在する。
本明細書に示す実施形態によれば、光開始剤を含むラテックスと;少なくとも1つの不飽和ポリエステルとを含み、不飽和ポリエステルは、二酸またはジエステルモノマーの第1の残基と、ジオールモノマーの第2の残基とを少なくとも含み、不飽和ポリエステルは、第1のモノマーおよび第2のモノマーを反応させることによって調製される、間接的な印刷プロセスで使用するためのインクを提供する。
特に、本発明の実施形態は、ヒドロキシケトン、アシルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン、フェニルグリオキシレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される光開始剤を含むラテックスと、二酸またはジエステルモノマーの第1の残基と、ジオールモノマーの第2の残基とを少なくとも含み、不飽和ポリエステルは、第1のモノマーおよび第2のモノマーを反応させることによって調製される少なくとも1つの不飽和ポリエステルとを含み、第1のモノマーおよび第2のモノマーの片方または両方が不飽和部分を含む、間接的な印刷プロセスで使用するためのインクを提供する。
本開示は、さらに、光開始剤を含むラテックスおよび少なくとも1つの不飽和ポリエステルを含み、不飽和ポリエステルが、二酸またはジエステルモノマーの第1の残基と、ジオールモノマーの第2の残基とを少なくとも含み、不飽和ポリエステルは、第1のモノマーおよび第2のモノマーを反応させることによって調製されるようなインクを組み込むことと;インク液滴を、中間転写体に対し、画像状のパターンになるように放出することと;この画像を加熱し、溶媒を部分的または完全に除去することと;場合により、インクを部分的に硬化させることと;画像状のパターンになったインクを中間転写体から最終的な記録基材に転写することと、堅牢性の高い最終画像に硬化させることとを含む、プロセスも提供する。
図1は、間接的な印刷システムで2工程の転写硬化プロセスを適用するための本発明の実施形態の画像化部材の模式図である。
「硬化性」という用語は、例えば、遊離ラジカル経路を含む重合によって硬化させ得るか、および/または放射線感受性の光開始剤を用いることによって、重合が光によって開始する材料を記載する。「放射線硬化性」という用語は、例えば、光源および熱源を含む放射線源に露光したときに、開始剤の存在下または非存在下で硬化するすべての形態を指す。例示的な放射線硬化技術としては、限定されないが、場合により、光開始剤および/または感作剤の存在下での紫外(UV)光(例えば、200〜400nmの波長を有する紫外光)またはもっとまれな可視光を用いた硬化、場合により、光開始剤非存在下での電子線照射を用いた硬化、高温熱開始剤存在下または非存在下で熱硬化を用いた硬化(吐出温度で主に不活性であってもよい)、および適切なこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「粘度」という用語は、サンプルに一定の剪断歪みを加えるか、または小さな振幅の正弦波変形を加えることが可能な機械的なレオメーターによって与えられる典型的な測定値である複素粘度を指す。この種の装置では、剪断歪みは、操作者によってモーターに加えられ、サンプルの変形(トルク)をトランスデューサによって測定する。このような装置の例は、Rheometrics Fluid Rheometer RFS3またはARESメカニカルレオメーターであり、両方ともTA Instrumentsの一部門であるRheometrics製である。本発明は、間接的な印刷プロセス、または間接的な印刷インクジェット用途のための不飽和ポリエステルおよび光開始剤を含むインクを開示する。本発明の実施形態の水系硬化性ラテックスインクは、インクジェット(例えば、圧電)印刷ヘッドで使用するのに必要な表面張力(15〜50mN/mの範囲)、粘度(3〜20cPの範囲)および粒径(<600nm)を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、このインクは、吐出温度での表面張力が約15mN/m〜約50mN/m、例えば、約18mN/m〜約40mN/m、または約20mN/m〜約30mN/mである。
いくつかの実施形態では、このインクは、吐出温度での粘度が約2cP〜約20cP、例えば、約3cP〜約15cP、または約4cP〜約12cPである。具体的な実施形態では、インク組成物は、約70℃未満、例えば、約25℃〜約70℃、または約30℃〜約50℃、例えば、約30℃〜約40℃の温度で吐出される。
いくつかの実施形態では、このインクは、顔料の体積平均粒径が約600nm未満、例えば、約25nm〜約500nm、または約50nm〜約300nmである。
図1は、2工程の転写硬化プロセスを適用するための本発明の実施形態の画像化システムの模式図を開示し、それによって、本開示のインクが、その後に受け入れ基材に転写するために中間体転写表面に印刷される。間接的な印刷プロセス中、本発明の実施形態のインクが吐出され、インクジェット1を介して中間受け入れ部材5に広げられる。中間受け入れ部材5は、図1に示すように、ドラムの形態で与えられてもよいが、ウェブ、平板、ベルト、帯状物または任意の他の適切な設計として与えられてもよい。
図1を再び参照すると、中間受け入れ部材5を加熱デバイス3によって加熱し、インク2のインク媒剤中の内容物である水を(部分的または完全に)除去し、不飽和ポリエステルおよび少なくとも1つの光開始剤を含むラテックスを含む残留インクによる膜生成を誘発してもよい。残留インクを、場合により、UV照射源4によって部分的に硬化(前硬化)させ、インク画像8を転写する前に、膜の分離を減らす。次いで、インク画像8を、中間受け入れ部材5から最終的な受け入れ基材10に転写する。インク画像の転写は、加圧状態および/または不飽和ポリエステルの軟化点付近で接触させることによって行われてもよい。次いで、転写された画像9にさらにUV照射6を加え、完全な架橋を誘発し、堅牢性の高い画像11を得る。画像堅牢性は、特に、包装用途(例えば、折り畳みカートン)にとって重要である。
間接的な印刷プロセスに適したインクは、中間受け入れ部材5を濡らし、一時的な画像2を作成することができ、刺激によって誘発される特性変化を受け、転写工程で、中間受け入れ部材5から剥離することができることを注記することが重要である。
(ラテックス)
ラテックスは、一般的に、水性媒体中のポリマーマイクロ粒子の安定な分散物(エマルション)を含む。本発明の実施形態のラテックスインクは、少なくとも1つの不飽和ポリエステルを含む。不飽和ポリエステルは、二酸またはジエステルモノマーの第1の残基と、ジオールモノマーの第2の残基とを少なくとも含み、前記不飽和ポリエステルは、第1のモノマーおよび第2のモノマーを反応させることによって調製される。一実施形態では、不飽和ポリエステルラテックスは、二酸モノマー(第1のモノマー)とジオールモノマー(第2のモノマー)から誘導されてもよい。一実施形態では、不飽和ポリエステルは、ジエステルモノマー(第1のモノマー)とジオールモノマー(第2のモノマー)から誘導されてもよい。第1のモノマーおよび第2のモノマーの片方または両方が不飽和部分を含む。例えば、不飽和ポリエステルは、不飽和部分を含む二酸(またはジエステル)モノマーと、不飽和部分を含まないジオールモノマーとから誘導されてもよく、または、不飽和ポリエステルは、不飽和部分を含む二酸(またはジエステル)モノマーと、不飽和部分を含むジオールモノマーとから誘導されてもよく、または、不飽和ポリエステルは、不飽和部分を含まない二酸(またはジエステル)モノマーと、不飽和部分を含むジオールモノマーとから誘導されてもよい。
適切な二酸としては、限定されないが、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの混合物が挙げられる。適切なジエステルとしては、限定されないが、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチルおよびこれらの混合物が挙げられる。適切なジオールとしては、限定されないが、プロポキシル化ビスフェノールA、ブトキシル化ビスフェノールA、エトキシル化ビスフェノールA、1,2−プロパンジオールおよびこれらの混合物が挙げられる。対の中の少なくとも1つの試薬が不飽和部分を含有するのであれば、上述のジオールおよび二酸またはジオールおよびジエステルの任意の組み合わせを使用してもよい。
本発明の実施形態の不飽和ポリエステルは、酸価が、約8〜約25、約10〜約22、約14〜約17、約9〜約13、または約19〜約22の範囲であってもよい。
本発明の実施形態の不飽和ポリエステルは、Tg値が、約45℃〜約70℃、約50℃〜約70℃、約55℃〜約65℃、または約57℃〜約63℃の範囲であってもよい。
本発明の実施形態の不飽和ポリエステルは、重量平均分子量(Mw)が、約5,000g/mol〜約40,000g/mol、いくつかの実施形態では、約15,000g/mol〜約30,000g/mol、または約18,000g/mol〜約25,000g/molであってもよい。
いくつかの実施形態では、不飽和ポリエステルは、体積平均粒径が、約600nm未満、例えば、約50nm〜約600nm、または約50nm〜約500nm、または約50nm〜約300nmである。
インク組成物に含まれる不飽和ポリエステルの合計量は、例えば、インク組成物の約1重量%〜約20重量%、例えば、約1重量%〜約15重量%、または約1重量%〜約10重量%であってもよい。
いくつかの実施形態では、不飽和アモルファスポリエステル樹脂をラテックス樹脂として利用してもよい。例示的な不飽和アモルファスポリエステル樹脂としては、限定されないが、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、コアに利用されるアモルファス樹脂は、直鎖であってもよい。いくつかの実施形態では、適切なアモルファスポリエステル樹脂は、以下の式(I)を有するポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)樹脂であってもよく、
Figure 2015086394
式中、mは、約5〜約1000であってもよい。
(光開始剤)
本発明の実施形態の硬化性ラテックスインクは、少なくとも1つの光開始剤を含む。いくつかの実施形態では、光開始剤としては、ベンゾフェノン、ヒドロキシケトン(例えば、アルファ−ヒドロキシケトン)、フェニルグリオキシレート、アシルホスフィンオキシドおよびこれらの混合物が挙げられる。光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、例えば、以下の構造を有するIrgacure(登録商標)184(BASF Corp.)
Figure 2015086394
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
アルファ−ヒドロキシケトン、例えば、Irgacure(登録商標)184とベンゾフェノンの1:1混合物であるIrgacure(登録商標)500(BASF Corp.);アシルホスホンオキシド、例えば、以下の構造を有するエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート
Figure 2015086394
例えば、Lucirin(登録商標)TPO−L(BASF Corp.)、以下の構造を有するフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド
Figure 2015086394
例えば、Irgacure(登録商標)2100(BASF Corp.)、Irgacure(登録商標)819−DW(BASF Corp.)、(45%の活性アシルホスフィンオキシドが水に分散したもの);フェニルグリオキシレート、例えば、Dacrocur(登録商標)MBF(BASF Corp.);2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、アルファ−ヒドロキシケトン、ベンゾフェノンの混合物、例えば、Esacure(登録商標)DP250(Lamberti)(32%の活性な光開始剤に基づく安定な水エマルション);およびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、光開始剤は、硬化を開始させるために、約200nm〜約420nmの波長の放射線を吸収してもよいが、もっと長い波長を吸収する開始剤の使用も、制限なく使用することができる。
インク組成物に含まれる開始剤の合計量は、例えば、インク組成物の約0.1重量%〜約10重量%、例えば、約0.1重量%〜約5重量%、または約0.1重量%〜約2重量%であってもよい。
(溶媒および共溶媒)
インク組成物は、水を含んでいてもよく、または、水と水溶性(または水混和性)の有機成分(共溶媒、保水剤などとも呼ばれる(以下、共溶媒))との混合物を含んでいてもよく、共溶媒は、例えば、アルコールおよびアルコール誘導体(脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリグリコールエーテル、長鎖アルコール、一級脂肪族アルコール、二級脂肪族アルコール、1,2−アルコール、1,3−アルコール、1,5−アルコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、メトキシル化グリセロール、エトキシル化グリセロール、ポリエチレングリコールアルキルエーテルのもっと高級な同族体などを含む)、具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、3−メトキシブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,4−ヘプタンジオールなどが挙げられ、さらに、アミド、エーテル、尿素、置換尿素、例えば、チオ尿素、エチレン尿素、アルキル尿素、アルキルチオ尿素、ジアルキル尿素およびジアルキルチオ尿素、カルボン酸およびこれらの塩、例えば、2−メチルペンタン酸、2−エチル−3−プロピルアクリル酸、2−エチル−ヘキサン酸、3−エトキシプロパン酸など、エステル、有機スルフィド、有機スルホキシド、スルホン(例えば、スルホラン)、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、ヒドロキシエーテル、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、アミド、スルホキシド、ラクトン、ポリ電解質、メチルスルホニルエタノール、イミダゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ベタイン、糖類、例えば、1−デオキシ−D−ガラクチトール、マンニトール、イノシトールなど、置換および非置換のホルムアミド、置換および非置換のアセトアミドおよび他の水溶性または水混和性の物質、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、共溶媒は、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、メトキシル化グリセロール、エトキシル化グリセロールおよびこれらの混合物からなる群から選択される。水と水溶性または水混和性の有機液体の混合物が液体媒体剤として選択される場合、水と有機物の比率の範囲は、任意の適切な範囲または望ましい範囲であってもよく、いくつかの実施形態では、約100:0〜約30:70、または約97:3〜約40:60、または約95:5〜約60:40であってもよい。液体媒剤の非水成分は、一般的に、沸点が水(100℃)より高い保水剤または共溶媒として役立つ。インク媒剤の有機成分は、インク表面張力を変え、インクの粘度を変え、着色剤を溶解または分散し、および/またはインクの乾燥特徴に影響を与えるのにも役立つだろう。
特定の実施形態では、共溶媒は、スルホラン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、2−ピロリジノン、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
液体媒剤の合計量は、任意の適切な量または望ましい量で与えられてもよい。いくつかの実施形態では、液体媒剤は、硬化性水系ラテックスインク組成物中、インクの合計重量を基準として、重量で約75〜約97重量%、または約80〜約95重量%、または約85〜約95重量%の量で存在する。
(着色剤)
いくつかの実施形態では、着色剤は、水性硬化性ラテックスインクに望ましい色を付与するのに十分な量で、顔料、染料、これらの組み合わせ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラウン、これらの組み合わせを含んでいてもよい。
着色剤は、着色剤分散物の形態で与えられてもよい。いくつかの実施形態では、着色剤分散物は、平均粒径が約20〜約500ナノメートル(nm)、または約20〜約400nm、または約30〜約300nmである。いくつかの実施形態では、着色剤は、染料、顔料、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、場合により、着色剤は、着色剤と、任意要素の界面活性剤と、任意要素の分散剤とを含む分散物である。
示されるように、本発明のいくつかの実施形態では、任意の適切な着色剤または望ましい着色剤を選択することができる。着色剤は、染料、顔料、またはこれらの混合物であってもよい。適切な染料の例としては、アニオン系染料、カチオン系染料、非イオン系染料、双性イオン系染料などが挙げられる。適切な染料の具体例としては、Food染料、例えば、Food Black No.1、Food Black No.2、Food Red No. 40、Food Blue No.1、Food Yellow No.7など、FD & C染料、Acid Black染料(No.1、7、9、24、26、48、52、58、60、61、63、92、107、109、118、119、131、140、155、156、172、194など)、Acid Red染料(No.1、8、32、35、37、52、57、92、115、119、154、249、254、256など)、Acid Blue染料(No.1、7、9、25、40、45、62、78、80、92、102、104、113、117、127、158、175、183、193、209など)、Acid Yellow染料(No.3、7、17、19、23、25、29、38、42、49、59、61、72、73、114、128、151など)、Direct Black染料(No.4、14、17、22、27、38、51、112、117、154、168など)、Direct Blue染料(No.1、6,8、14、15、25、71、76、78、80、86、90、106、108、123、163、165、199、226など)、Direct Red染料(No.1、2、16、23、24、28、39、62、72、236など)、Direct Yellow染料(No.4、11、12、27、28、33、34、39、50、58、86、100、106、107、118、127、132、142、157など)、Reactive Dye、例えば、Reactive Red染料(No.4、31、56、180など)、Reactive Black染料(No.31など)、Reactive Yellow染料(No.37など);アントラキノン染料、モノアゾ染料、ジアゾ染料、フタロシアニン誘導体(種々のフタロシアニンスルホネート塩を含む)、アザ(18)アヌレン、ホルマザン銅錯体、トリフェノジオキサジンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
適切な顔料の例としては、黒色顔料、白色顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料などが挙げられる。さらに、顔料は、有機物または無機粒子であってもよい。適切な無機顔料としては、カーボンブラックが挙げられる。しかし、他の無機顔料は、酸化チタン、コバルトブルー(CoO−Al)、クロムイエロー(PbCrO)および酸化鉄のような適切なものであってもよい。適切な有機顔料としては、例えば、ジアゾ顔料およびモノアゾ顔料を含むアゾ顔料、多環状顔料(例えば、フタロシアニン顔料、例えば、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーン)、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、ピラントロン顔料およびキノフタロン顔料)、不溶性染料キレート(例えば、塩基性染料型キレートおよび酸性染料型キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アンサントロン顔料、例えば、PR168などが挙げられる。フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーンの代表例としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、およびこれらの誘導体(Pigment Blue 15、Pigment Green 7およびPigment Green 36)が挙げられる。キナクリドンの代表例としては、Pigment Orange 48、Pigment Orange 49、Pigment Red 122、Pigment Red 192、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209、Pigment Violet 19およびPigment Violet 42が挙げられる。アントラキノンの代表例としては、Pigment Red 43、Pigment Red 194、Pigment Red 177、Pigment Red 216およびPigment Red 226が挙げられる。ペリレンの代表例としては、Pigment Red 123、Pigment Red 149、Pigment Red 179、Pigment Red 190、Pigment Red 189およびPigment Red 224が挙げられる。チオインジゴイドの代表例としては、Pigment Red 86、Pigment Red 87、Pigment Red 88、Pigment Red 181、Pigment Red 198、Pigment Violet 36およびPigment Violet 38が挙げられる。ヘテロ環イエローの代表例としては、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 3、Pigment Yellow 12、Pigment Yellow 13、Pigment Yellow 14、Pigment Yellow 17、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 73、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 90、Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 117、Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 138、Pigment Yellow 150、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 155およびPigment Yellow 213が挙げられる。このような顔料は、粉末またはプレスケーキの形態で、BASF Corporation、Engelhard Corporation、Sun Chemical Corporationを含む多くの供給業者から市販される。使用可能な黒色顔料の例としては、炭素顔料が挙げられる。炭素顔料は、許容範囲の光学密度および印刷特徴を与えるほとんどの市販される炭素顔料であってもよい。本システムおよび方法で使用するのに適した炭素顔料としては、限定されないが、カーボンブラック、グラファイト、ガラス状炭素、石炭、およびこれらの組み合わせが挙げられる。このような炭素顔料は、例えば、チャネル法、コンタクト法、ファーネス法、アセチレン法または加熱法を含む種々の既知の方法によって製造することができ、Cabot Corporation、Columbian Chemicals Company,Evonik、E.I.DuPont de Nemours and Companyのような販売者から市販される。適切なカーボンブラック顔料としては、限定されないが、Cabot顔料、例えば、MONARCH 1400、MONARCH 1300、MONARCH 1100、MONARCH 1000、MONARCH 900、MONARCH 880、MONARCH 800、MONARCH 700、CAB−O−JET 200、CAB−O−JET 300、REGAL、BLACK PEARLS、ELFTEX、MOGULおよびVULCAN顔料;Columbian顔料、例えば、RAVEN 5000およびRAVEN 3500;Evonik顔料、例えば、Color Black FW 200、FW 2、FW 2V、FW 1、FW18、FW S160、FW S170、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4、PRINTEX U、PRINTEX 140U、PRINTEX VおよびPRINTEX 140Vが挙げられる。上のリストの顔料としては、改質されていない顔料粒状物、低分子が接続した顔料粒状物、ポリマーが分散した顔料粒状物が挙げられる。他の顔料およびその混合物を選択することもできる。顔料の粒径は、液体媒剤中で粒子の安定なコロイド懸濁物を可能にし、サーマルインクジェットプリンタまたは圧電インクジェットプリンタでインクを用いるときにインクの経路が詰まるのを防ぐために、できる限り小さいことが望ましい。
いくつかの実施形態では、着色剤は、インク中に、例えば、水性硬化性ラテックスインクの重量の約0.1〜約35重量%、または約1〜約15重量%、または約3〜約10重量%の量で含まれていてもよい。ある実施形態では、インクは、着色剤を実質的に含まない。
開示されているインクは、さらに、界面活性剤を含んでいてもよい。適切な界面活性剤の例としては、イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、双性イオン系界面活性剤、およびこれらの混合物が挙げられる。適切な界面活性剤の例としては、アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、アセチレン系ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(ジ)エステル、ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化されたポリエチレンオキシドアミン、プロトン化されたポリエチレンオキシドアミド、ジメチコーンコポリオール、置換アミンオキシド(具体的な例として、一級、二級および三級のアミン塩化合物、例えば、ラウリルアミン、ココナツアミン、ステアリルアミン、ロジンアミンの塩酸塩、酢酸塩を含む);四級アンモニウム塩型化合物、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリドなど;ピリジニウム塩型化合物、例えば、セチルピリジニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミドなど;非イオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アセチレンアルコール、アセチレングリコール;および他の界面活性剤、例えば、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、ステアリルジメチルベタイン、およびラウリルジヒドロキシエチルベタイン;フルオロ界面活性剤など、およびこれらの混合物が挙げられる。非イオン系界面活性剤のさらなる例としては、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(Rhone−PoulencからIGEPAL CA−210(商標)、IGEPAL CA−520(商標)、IGEPAL CA−720(商標)、IGEPAL CO−890(商標)、IGEPAL CO−720(商標)、IGEPAL CO−290(商標)、IGEPAL CA−21O(商標)、ANTAROX 890(商標)およびANTAROX 897(商標)として入手可能)が挙げられる。適切な非イオン系界面活性剤の他の例としては、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられ、SYNPERONIC(商標)PE/F、例えば、SYNPERONIC(商標)PE/F 108として市販されているものが挙げられる。適切なアニオン系界面活性剤の他の例としては、サルフェートおよびスルホネート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレン硫酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンアルキルサルフェートおよびスルホネート、酸、例えば、Sigma−Aldrichから入手可能なアビエチン酸、第一工業株式会社から入手可能なNEOGEN R(商標)、NEOGEN SC(商標)、これらの組み合わせなどが挙げられる。適切なアニオン系界面活性剤の他の例としては、Dow Chemical Company製のアルキルジフェニルオキシドジスルホネートDOWFAX(商標)2A1、および/またはTayca Corporation(日本)製の分枝鎖ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートTAYCA POWER BN2060が挙げられる。通常は正に帯電している適切なカチオン系界面活性剤の他の例としては、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ベンザルコニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、C12,C15,C17トリメチルアンモニウムブロミド、四級化したポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、MIRAPOL(商標)およびALKAQUAT(商標)(Alkaril Chemical Companyから入手可能)、Kao Chemicalsから入手可能なSANIZOL(商標)(ベンザルコニウムクロリド)、およびこれらの混合物が挙げられる。任意の2種類以上の界面活性剤の混合物を使用してもよい。
任意要素の界面活性剤は、任意の望ましい量または効果的な量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、インク組成物の合計重量を基準として約0.01〜約5重量%の量で存在する。ある場合には、界面活性剤を分散剤と呼ぶことを注記しておくべきである。
(インク組成物の調製および使用)
インク組成物は、任意の適切なプロセスによって、例えば、成分を単純に混合することによって調製することができる。あるプロセスは、すべてのインク成分を一緒に混合し、混合物を濾過してインクを得ることを伴う。インクは、成分を混合し、所望な場合、加熱し、濾過し、その後に、この混合物に任意の望ましいさらなる添加剤を加え、室温で中程度に振り混ぜつつ、均質な混合物が得られるまで(いくつかの実施形態では、約5分〜約10分)混合することによって調製することができる。または、インク調製プロセス中に任意要素のインク添加剤を他のインク成分と混合してもよく、この混合は、任意の望ましい手順によって、例えば、すべての成分を混合し、所望な場合には加熱し、濾過することによって行う。インク調製法のさらなる例を以下の実施例に記載する。
具体的な実施形態では、インクは、以下のように調製される。(1)場合により界面活性剤で安定化された、光開始剤を含むラテックスの調製;(2)場合により界面活性剤で安定化された着色剤の分散物の調製;(3)光開始剤を含むラテックスと着色剤分散物との混合;(4)場合により、混合物の濾過;(5)他の要素、例えば、水、共溶媒および任意要素の添加剤の添加;および(6)場合により、組成物の濾過。
本明細書に記載するインク組成物を、約70℃未満、例えば、約25℃〜約70℃、または約30℃〜約50℃の温度で吐出してもよい。したがって、インク組成物は、圧電インクジェットデバイスに使用するのに理想的に適している。
このインク組成物を、間接的な(オフセット)印刷インクジェット用途でも使用することができ、水系硬化性ラテックスインクの液滴を画像状のパターンになるように記録基材に放出するとき、この記録基材は中間転写体であり、画像状のパターンのインクを、その後、中間転写体から最終的な記録基材に転写する。具体的な実施形態では、本発明のプロセスは、本明細書に開示するように調製したインクをインクジェット印刷装置に組み込むことと、インク液滴を画像状のパターンになるように中間転写体に放出することと、この画像を加熱し、溶媒を部分的または完全に除去することと、場合により、画像状のパターンになったインクを部分的に硬化させ、中間転写体から最終的な記録基材に転写することと、次いで、完全に硬化させ、堅牢性の高い画像を作成することを含む。具体的な実施形態では、中間転写体を、最終的な記録シートより高く、印刷装置内のインクの温度より低い温度まで加熱する。ある具体的な実施形態では、印刷装置は、インク液滴が、圧電振動要素の振動によって画像状のパターンになるように放出される圧電インクジェットプロセスを使用する。
中間転写体は、任意の適切な形態(例えば、ドラムまたはベルト)でなされてもよい。中間体表面は室温であってもよいが、いくつかの実施形態では、ある表面温度になるように中間転写体を加熱してもよい。中間転写体表面に存在すると、吐出したインク組成物が、中間転写体表面でインクが制限された状態で硬化するように、放射線に限定された程度まで露光してもよい(すなわち、部分的に硬化してもよい)。この中間体の硬化は、インク組成物を完全な程度まで硬化しないが、単に吐出されたインクを硬化するのに役立ち、割れが最小限の状態で画像受け入れ基材に転写してもよく、転写前に、インク液滴が特定の粘度を有する必要がある。中間体の硬化が行われる場合、硬化の程度を制御するには、同時係属中の出願番号第11/034,850号および第11/005,991号(それぞれ本明細書に参考として組み込まれる)に言及がなされる。この中間体硬化工程は、中間体状態が、インク液滴に所望な粘度を付与するのに十分な実施形態では必要ではない。
中間転写体および任意要素の中間体に吐出し、硬化させた後、インク組成物をその後に画像受け入れ基材に転写する。基材は、任意の適切な材料、例えば、紙、非多孔性の柔軟な食品包装用基材、食品包装紙のための接着剤、箔が積層した布地、プラスチック、ガラス、金属などであってもよい。基材に転写した後に、次いで、基材の上の画像を放射線に露光することによって、インク組成物を硬化させる。例えば、適切な波長(主に、インク開始剤が放射線を吸収する波長)を有する放射線を使用してもよい。これにより、インク組成物の硬化反応が始まる。放射線の露光は、例えば、約0.05〜約10秒、例えば、約0.2〜約2秒で起こってもよい。これらの露光時間は、UVランプの下を通過するインク組成物の基材速度として表現されることがかなり多い。例えば、マイクロ波でエネルギーを与えられ、ドープされたUV Fusionから入手される水銀球を、楕円形の鏡集合体に幅10cmになるように配置し、複数のユニットを直列に配置してもよい。したがって、0.1ms−1のベルト速度では、画像の上の1点が、1個のユニットの下を通過するのに1秒が必要であろう。一方、4.0ms−1のベルト速度では、4個の球集合体を通過するのに0.2秒が必要であろう。組成物の放射線硬化性成分の架橋を開始するのに用いられるエネルギー源は、化学線、例えば、スペクトルの紫外線領域または可視光領域の波長を有する放射線、例えば、電子線照射、加熱、例えば、熱および赤外線照射の促進された粒子などであってもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーは、化学線である。このようなエネルギーによって、架橋の開始および架橋速度の優れた制御を与えるからである。適切な化学線源としては、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、タングステンフィラメントランプ、レーザー、発光ダイオード、日光、電子線エミッターなどが挙げられる。所望な場合、または必要な場合、硬化する光をフィルタリングしてもよい。インク組成物の硬化性要素を反応させ、適切な硬度の硬化または架橋した網目構造を生成する。いくつかの実施形態では、硬化は、実質的に完成した状態から、完成した状態までである(すなわち、硬化性成分の少なくとも75%が硬化している(反応および/または架橋している))。これにより、インク組成物が実質的に硬化し、それによって、もっと高い耐引っ掻き性を可能にする。
中間転写体から最終的な記録基材への転写は、任意の望ましい方法または適切な方法によって、例えば、中間転写体と背面部材(任意の望ましい構造または効果的な構造、例えば、ドラムまたはローラー、ベルトまたはウェブ、平坦な表面または平板などであってもよい)によって作られる爪によって最終的な記録基材を通過させることによって行うことができる。任意の望ましい爪圧または効果的な爪圧(例えば、約5ポンド/平方インチ〜約2,000ポンド/平方インチ、例えば、約10〜約200ポンド/平方インチ)で転写が行われてもよい。転写表面は、硬質または軟質であってもよく、弾性であってもよい。転写に続き、基材の上の画像を硬化させる。インク組成物の光重合可能な成分の放射線硬化は、限定されないが、キセノンランプ、レーザー光、中圧水銀ランプ、H球として知られることが多い、マイクロ波で励起される水銀ランプ、D球またはV球と呼ばれることが多いドープされた水銀ランプ、LEDなどの種々の可能な技術によって与えられてもよい。
(実施例1)
(ポリエステル分散物の調製)
水浴に浸した1Lのガラスケトルに、24gのイソプロパノール、120gのメチルエチルケトン、192gのポリエステル樹脂(プロポキシル化ビスフェノールAおよびフマル酸のコポリマー134.4g(酸価14.8)と、プロポキシル化ビスフェノールAおよびフマル酸の別のコポリマー57.6g(酸価10.4))、8gのIrgacure 819(約4重量%の樹脂)を加えた。この混合物を45℃まで加熱し、300rpmで攪拌した。水酸化アンモニウム水溶液(10%w/w)(約8.6g)を加え、その後、混合物を10分間かけて平衡状態にした。合計で600gの脱イオン水を加え、その間に、攪拌速度を350rpmまで上げた。400gの水を約4.4g/分の速度で加え、さらに200gを約7.4g/分で加えた。加えた後、蒸留によって有機溶媒を除去し、ポリエステル−光開始剤の水中エマルションを単離した。Nicomp Particle Analyzerによって測定した粒径は、135nmであった(3回の試行の平均)。
(実施例2)
(予想実施例:インク配合物A)
100mLの褐色ガラスビンに、スルファロン、2−ピロリジノン、ポリエチレンオキシド(PEO、Mw 20,000g/mol)、BYK 347(界面活性剤)およびRegal(登録商標)300カーボンブラック分散物を加える。この混合物を磁気攪拌棒で200RPMで攪拌し、攪拌しつつ、水を混合物にゆっくりと加える。ラテックスのpHを別個に6.8に調整し、次いで、20%水を入れたバイアルにゆっくりと加え、ラテックスの残渣を洗浄する。次いで、インクを2000RPMで5分間均質化する。以下の表1は、インク配合物Aの成分を示す。
Figure 2015086394
「間接的な印刷アプリケーションのためのインクジェットインク」という名称でJ.Eliyahuらに対し、同じ日に一緒に電子出願された(代理人整理番号20121666−US−NP)の米国特許出願第14/066,716号および「間接的な印刷のための適切なポリスチレンコポリマーラテックスを含有するインクジェットインク」という名称でJ.Eliyahuらに対し、同じ日に一緒に電子出願された(代理人整理番号20121665−420476)の米国特許出願第14/067,469号に開示されている以前の日付および既知のモノマー特性に基づき、予想インク配合物Aは、吐出のために適切な粘度(5〜20cP)および表面張力(20〜22mN/m)を示すことが予想される。
配合物Aをインクジェット1(図1を参照)によって、液体インクの表面張力よりも高い表面エネルギーを有する中間受け入れ部材5(例えば、ドラム)に塗布する。吐出した画像を加熱デバイス3によって加熱し、水を除去し、不飽和ポリエステルによる膜の生成を誘発する。この膜を、場合により、膜の割れを減らすために必要な場合にはUV照射源4によって前硬化し、次いで、加圧状態およびラテックスインクフィルムの軟化点付近で接触させることによって基材5に転写する。転写した画像に、さらにUV照射6を行い、完全な架橋を誘発することによって、きわめて堅牢性の高い画像が得られる。画像堅牢性は、特に、包装用途(例えば、折り畳みカートン)にとって重要である。

Claims (10)

  1. 間接的な印刷プロセスで使用するためのインクであって、
    光開始剤を含むラテックスと;
    少なくとも1つの不飽和ポリエステルとを含み、
    不飽和ポリエステルは、二酸またはジエステルモノマーの第1の残基と、ジオールモノマーの第2の残基とを少なくとも含み、不飽和ポリエステルは、第1のモノマーおよび第2のモノマーを反応させることによって調製される、インク。
  2. 第1のモノマーおよび第2のモノマーの片方または両方が不飽和部分を含む、請求項1に記載のインク。
  3. 二酸モノマーは、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のインク。
  4. ジエステルモノマーは、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のインク。
  5. ジオールモノマーは、プロポキシル化ビスフェノールA、ブトキシル化ビスフェノールA、エトキシル化ビスフェノールA、1,2−プロパンジオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のインク。
  6. 不飽和ポリエステルは、アモルファスポリエステルを含む、請求項1に記載のインク。
  7. 不飽和ポリエステルは、酸価が約8〜約25の範囲である、請求項1に記載のインク。
  8. 不飽和ポリエステルは、重量平均分子量が約5,000g/mol〜約40,000g/molである、請求項1に記載のインク。
  9. 不飽和ポリエステルは、ガラス転移点が約45℃〜約70℃である、請求項1に記載のインク。
  10. 光開始剤を含むラテックスおよび少なくとも1つの不飽和ポリエステルを含み、不飽和ポリエステルが、二酸またはジエステルモノマーの第1の残基と、ジオールモノマーの第2の残基とを少なくとも含み、不飽和ポリエステルは、第1のモノマーおよび第2のモノマーを反応させることによって調製されるようなインクを組み込むことと;
    インク液滴を、中間転写体に対し、画像状のパターンになるように放出することと;
    この画像を加熱し、溶媒を部分的または完全に除去することと;場合により、インクを部分的に硬化させることと;画像状のパターンになったインクを中間転写体から最終的な記録基材に転写することと、堅牢性の高い最終画像に硬化させることとを含む、プロセス。
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