JP3554052B2 - インクジェット染色用布帛、捺染方法及び捺染物 - Google Patents

インクジェット染色用布帛、捺染方法及び捺染物 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェット方式を用いてプリントするのに好適な布帛、これを用いた捺染方法及びこれにより得られた捺染物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、布にインクジェット記録する方法として、粘着剤を塗布した伸縮性のない平面支持体上に一時的に布を接着しプリンタ−で印捺するもの(特開昭63−6183号公報)や、用いる染料に対して非染着性の水溶性高分子物質と、水溶性塩類と、水不溶性無機微粒子のいずれかを含む水溶液で前処理された布にインクジェット染色する方法(特公昭63−31594号公報)、セルロ−ス繊維にアルカリ性物質と尿素またはチオ尿素と水溶性高分子物質を含む水溶液で前処理し、反応性染料を含むインクでインクジェット染色し、乾熱固着処理する方法(特公平4−35351号公報)などがある。
【0003】
これら従来技術の目的とするところは、画像のにじみ防止と、シャ−プな絵柄、及び高濃度で鮮明な捺染物を得ることである。しかしながら、従来の捺染法(スクリ−ン捺染)で得られた捺染物と同程度の色濃度と鮮明性を得るには至っていない。更にまた、布の厚さ方向に対する浸透が悪いために、色の深みや、インクの付与量が多い場合の滲みが問題である。それゆえ、捺染物の応用範囲がせばめられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、画像濃度が十分高く、色の深みがあり、インクの付与量が多い場合でも滲みの発生を極力抑えることができるインクジェット染色用布帛、これを用いた捺染方法及びこれにより得られた捺染物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記したような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、本発明に至ったものである。
【0006】
すなわち本発明は、布帛素材に対して撥水剤を0.05〜40重量%、ポリエチレンオキサイド樹脂を0.1〜40重量%、トルエンスルホンアミド誘導体を0.2〜20重量%付着せしめたことを特徴とするインクジェット染色用布帛であり、前記ポリエチレンオキサイド樹脂の分子量が、10万〜250万の範囲にあることを含む。
【0007】
また本発明は、上記の布帛に、インクジェット方式によりインクを付与し、次いで発色処理後、洗浄し乾燥する工程を含むことを特徴とする捺染方法であり、これにより得られた捺染物である。
【0008】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明においては、布帛上の画像の滲みを抑え、色の深みのある高濃度の画像を得るために、布帛素材に対して撥水剤を0.05〜40重量%、ポリエチレンオキサイド樹脂を0.1〜40重量%、トルエンスルホンアミド誘導体を0.2〜20重量%付着させた布帛を用いる。
【0010】
本発明で用いる上記撥水剤の具体例としては、疎水性物質であって、水をはじく性質を有するものであればいかなる物質でも良い。例えば、フッ素系化合物、シリコン系化合物、ワックス類、ロウ類、トリアジン系化合物、ロジン系紙用サイズ剤、あるいはこれらの混合物が挙げられる。なかでも、フッ素系化合物、ワックス類、ロジン系紙用サイズ剤等の撥水剤が滲み防止、濃度向上の点において特に好ましい。またワックス類、ロウ類の中では、カルナウバワックス、ライスワックス、酸変性ポリエチレンワックスなどのエチレンオキサイド付加物が取り扱いやすさの点で特に好ましい。
【0011】
本発明で用いる上記ポリエチレンオキサイド樹脂は、上記撥水剤と混合した時に増粘やゲル化が生じない様な樹脂であるばかりでなく、インクの保持性と滲み防止効果がある。この樹脂には分子量約10万〜500万のものがあるが、本発明において好ましく用いられるものは分子量約10万〜250万のものである。分子量が250万以上のものは水溶液粘度が高くなり過ぎるため、その使いこなしが難しく、分子量が10万以下のものはインクの保持性や滲み防止効果が不十分である。
【0012】
本発明のインクジェット染色用布帛は、基本的には前記撥水剤とポリエチレンオキサイド樹脂からなる水性スラリ−を塗布、含浸、スプレ−などの方法で布に付与したものであり、撥水剤がインクの滲みを防止し、ポリエチレンオキサイド樹脂がたくさんのインクを吸収保持する役割を果たすことで本発明の目的を達成するものである。また、ポリエチレンオキサイド樹脂と撥水剤が各々の構造の疎水部分や親水部分との相互作用により相乗効果を発揮して、インク保持性と滲み防止性能を向上させていると思われる。
【0013】
布帛に対する各成分の付与量は、撥水剤としては0.05〜40重量%、ポリエチレンオキサイド樹脂としては0.1〜40重量%が最適である。下限未満の付与量では本発明の効果が出にくく、上限を越えた付与量では効果の大きな向上が無いばかりでなく効果の低下が起こり得る。
【0014】
前記水性スラリ−の溶液安定性と塗工適正を改善するために、前記水性スラリ−中にpH調整剤や活性剤、水性溶剤、水性樹脂等を添加することができる。
【0015】
また更に、インクジェット染色を行った場合の発色性と滲み防止の効果を向上させるために、水溶性無機塩やヒドロトロピ−剤、キレ−ト剤等を添加することもできる。これら添加剤の添加量はものによって異なるが、水性スラリ−全量に対して0.05重量%〜10%重量が好ましい。
【0016】
水溶性無機塩の例としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリュウム、硫酸マグネシュウム、塩化ナトリウム、臭化カリウムなどであり、水性溶剤としてはアルコ−ル類やグリコ−ル類、活性剤としてはアニオン、カチオン、ノニオン系のものを適宜選択して用いる。
【0017】
pH調整剤の具体例としては、リン酸、ホウ酸、ケイ酸、酢酸、炭酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、およびこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、および苛性ソ−ダ、トリエタノ−ルアミンなどが挙げられる。
【0018】
更に、ヒドロトロピ−剤としては、尿素、チオ尿素が、キレ−ト剤としては、タンニン酸、リグニンスルホン酸、EDTAのナトリウム塩が、水性樹脂としては、デンプン、メチルセルロ−ス、CMC、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアリ−ルアミンなどが具体例として挙げられる。
【0019】
中でもトルエンスルホンアミド誘導体は、発色時の滲み防止と発色濃度向上に効果的であり、その具体例としては、パラトルエンスルホンアミド、N、N−ジヒドロキシエチルパラトルエンスルホンアミド、N−エチルパラトルエンスルホンアミド、N−フェニルパラトルエンスルホンアミドなどが挙げられが、更に詳細に説明するならば、以下の一般式(A)で表される化合物である。
【0020】
【外1】
Figure 0003554052
(式中、R は水素又はC2n+1(nは1〜2の整数)で表されるアルキル基、水酸基、カルボキシル基を示し、R 、R は水素またはヒドロキシアルキル基(炭素数2〜4)、ジヒドロキシアルキル基(炭素数3〜4)、−(CH −CH O−)mHで(mは2〜5の整数)、C2n+1(nは1〜2の整数)で表されるアルキル基を示す)
一般式(A)の具体例としては、以下に示したものが挙げられる。
【0021】
【外2】
Figure 0003554052
【0022】
本発明で用いられる布帛の種類としては、綿、絹、麻、ナイロン、レ−ヨン、アセテ−ト、ポリエステル及びこれらの混紡布帛である。これら布帛の種類によって処理剤のpHを変える必要があり、たとえば、綿、絹、麻、レ−ヨンは重炭酸ソ−ダや炭酸ソ−ダでアルカリ性のpHにコントロ−ルして反応性染料でプリントするが、ナイロンの場合はpHは酸性にコントロ−ルして酸性染料でプリントする。アセテ−トとポリエステルの場合はpHは中性近傍が好ましい。
【0023】
次に本発明の布帛を用いてインクジェットプリントを行う方法について説明する。
【0024】
使用可能なインクとしては、反応性染料、酸性染料、直接染料、分散染料のいずれの染料を含むインクでも良く、布の種類に応じて最適な染料を含むインクを用いることができる。
【0025】
プリントは、インクジェットプリントヘッドを用いて本発明の布帛上を走査してインクを画像状に付与すれば良い。プリント後は必要に応じて加熱発色処理し、次いで洗浄して乾燥することにより目的が達成される。
【0026】
加熱発色処理は従来の捺染プロセスにおいて行われている公知の方法がそのまま適用される。すなわち、高温スチ−ム法やサ−モゾル法が用いられる。実際の処理条件は布の種類に応じて異なるが、綿や絹を反応染料を含むインクで染色する場合は高温スチ−ム法で100〜105℃にて5分間〜30分間処理する。ポリエステルを分散染料を含むインクで染色する場合は高温スチ−ム法では160〜180℃で数分間〜数10分間処理し、サ−モゾル法では190〜230℃で数秒間〜数10秒間処理する。
【0027】
発色処理後、洗浄されるが、一般的には水洗と、アルカリ剤を含有した水溶液でのソ−ピングを行う。ポリエステル布の場合は水洗後、アルカリ剤とハイドロサルファイドを含有した水溶液で還元洗浄を行ってから更に水洗を行うのが標準的である。
【0028】
本発明で用いるインクジェットプリント用インクの構成成分としては、染料、水、水溶性有機溶剤、pH調整剤、防黴剤、界面活性剤、分散剤、水溶性樹脂などが適宜用いられる。染料としては酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応染料、分散染料及び顔料が用いられる。
【0029】
水溶性有機溶剤の例としては、グリコ−ル類、グリコ−ルエ−テル類、含窒素溶剤、アルコ−ルなどである。界面活性剤の例としては、ノニオン、アニオン、カチオン、両性、のいずれの活性剤も使用可能であり目的に応じて使い分ける。この他、尿素のごときヒドロトロピ−剤なども用いられる。
【0030】
分散染料を含むインクには分散剤が必須であり、その具体例としてはリグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物や、ポリオキシエチレンモノフェニルエ−テルなどが挙げられる。
【0031】
本発明で使用するインクジェット染色方式は、従来公知のいずれのインクジェット記録方式でも良いが、例えば、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させる方式が最も有効である。その理由としては、上記方式は複数のノズルを有する記録ヘッドを用いる場合、各ノズル間のインクの吐出速度のばらつきが小さく、インクの吐出速度が5〜20m/secの範囲に集約されいることがあげられる。この速度で分散染料を含むインクが布帛に衝突した場合の着滴時の液滴の繊維に対する浸透の具合が最適である。またこの様な方式において本発明に使用するインク中に列挙した染料を用いると、長時間連続的に記録を行ってもそのヒーター上の異物の沈着や断線が発生せず、安定した印捺が可能となる。
【0032】
更に本発明で特に効果の高い染色方法が得られる条件としては、吐出液滴が20〜200pl、インク打込量が4〜40nl/mm 、駆動周波数1.5KHz以上、及びヘッド温度35〜60℃の条件が好ましい。
【0033】
本発明のインクを用いて染色を行うのに好適な装置の一例として、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーよりに滴を発生させる装置が挙げられるが、以下にこれについて説明する。
【0034】
その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。
【0035】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックスまたはプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなっている。
【0036】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0037】
今、電極17−1、17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、分散染料で染色可能な繊維を含有する布帛25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1の2−2線での切断面である。
【0038】
図4にかかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
【0039】
図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0040】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する布帛にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0041】
51は布帛を挿入する為の給布部、52は不図示のモータにより駆動される布送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ布帛が給布され記録が進行するにつれて排布ローラ53を配した排布部へ排布される。
【0042】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0043】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0044】
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0045】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体になったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0046】
図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0047】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、特に断りのない限り、部及び%は重量基準を表す。
【0048】
実施例1
木綿(厚さ:250μm)にポリエチレンオキサイド(明成化学社製、商品名:アルコックスE−60、分子量:100〜120万)の1.0%、炭酸ソ−ダの2.0%、N、N−ジヒドロキシエチルパラトルエンスルホンアミドの2.0%、ゼブランF−1(商品名、フッソ系撥水剤、一方社油脂工業製)の1.0%からなる水溶液を含浸させ(絞り率:80%)、乾燥して本発明の布帛を得た。得られた本発明の布帛をA4版の大きさに切り出し、市販のインクジェットカラ−プリンタ(キヤノン製、商品名:BJC−820J)を用いて、以下に示すインクを用いてマルチカラ−プリントを行った。
【0049】
プリント終了後ただちに102℃、8分間の蒸気加熱処理後、水で十分洗浄し、乾燥した。木綿上には深みのある十分な濃度のカラ−画像が鮮やかにプリントされていた。また、インクが付着しない白色部分の汚れもなくシャ−プな画像が得られた。
【0050】
インク組成
シアンインク
C.I.リアクティブブル−15 12部
チオジグリコ−ル 22部
エチレングリコ−ル 13部
イオン交換水 53部
マゼンタインク
C.I.リアクティブレッド226 11部
チオジグリコ−ル 22部
ジエチレングリコ−ル 13部
イオン交換水 54部
イエロ−インク
C.I.リアクティブイエロ−95 10部
チオジグリコ−ル 22部
ジエチレングリコ−ル 13部
イオン交換水 55部
ブラックインク
C.I.リアクティブブラック39 9部
チオジグリコ−ル 22部
エチレングリコ−ル 13部
イオン交換水 56部
上記4種のインクは、混合攪拌後、水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整してからフロロポアフィルタ−で濾過して用いた。
【0051】
実施例2
ポリエチレンオキサイド(商品名:アルコックスE−75、粘度平均分子量:200〜250万)の0.5%と、硫酸ナトリウムの2.0%、パラジウムSS(パラフィン系撥水剤、大原パラジウム製)の2.0%、パラトルエンスルホンアミドの2%を含有した水溶液でパッド処理(絞り率:90%)した厚さ200μmのポリエステル布帛を用意した。
【0052】
次いで42cm幅のロ−ル状に切り出し、市販のインクジェットカラ−プリンタ(キヤノン製、商品名:BJC−440)を用いて、下記に示す分散染料を含有するインクでフルカラ−プリントを行った。
【0053】
プリント終了後ただちにプリント部分を切り取り、180℃の加熱蒸気にて5分間発色処理した。次いでハイドロサルファイドを含有するアルカリ液で還元洗浄し、水洗の工程を経てから乾燥した。
【0054】
得られたポリエステル布帛上には深みのある十分な濃度のカラ−画像が鮮やかにプリントされていた。またインクが付着しない白色部分の汚れもなくシャ−プな画像が得られた。更に裏面の画像濃度も十分であった。
【0055】
インク組成
シアンインク
C.I.ディスパ−ズブル−87 7部
リグニンスルホン酸ソ−ダ 2部
チオジグリコ−ル 10部
トリエチレングリコ−ル 15部
イオン交換水 66部
マゼンタインク
C.I.ディスパ−ズレッド92 6部
リグニンスルホン酸ソ−ダ 2部
チオジグリコ−ル 10部
トリエチレングリコ−ル 15部
イオン交換水 67部
イエロ−インク
C.I.ディスパ−ズイエロ−93 6部
リグニンスルホン酸ソ−ダ 2部
チオジグリコ−ル 10部
トリエチレングリコ−ル 15部
イオン交換水 67部
ブラックインク
C.I.ディスパ−ズブラック1 8部
リグニンスルホン酸ソ−ダ 2部
チオジグリコ−ル 10部
トリエチレングリコ−ル 15部
イオン交換水 65部
上記成分を各々サンドグラインダ−を用いて混合分散し、フィルタ−で濾過後使用した。
【0056】
実施例3
ポリエチレンオキサイド(商品名:アルコックスR−1000)を2.0%、ロジンサイズ剤(商品名:コロパ−ルE−5H、星光化学製、50%水分散液)を2.0%、N−ヒドロキシエチルパラトルエンスルホンアミドを6.0%含有した水溶液でパッド処理(絞り率:90%)し、乾燥した新合繊のポリエステル布(繊維太さ:0.8デニ−ル)を用意した。この後の操作は実施例3と全く同様にして行い最終のプリント物を得た。
【0057】
得られたポリエステル布帛上には深みのある十分な濃度のカラ−画像が鮮やかにプリントされていた。更にインクが付着していない白場部分の汚れもなくシャ−プな画像が表と裏に得られた。
【0058】
実施例4
絹の羽二重に、ポリエチレンオキサイド(商品名:アルコックスR−400、分子量:18万〜25万)を4.0%、ライスワックスにエチレンオキサイドを2モル付加したものを3.0%、パラトルエンスルホンアミドを3.0%と、尿素を1%含有する水溶液を含浸させた(絞り率:70%)ものを用意した。
【0059】
これをA3版の大きさに切り出し、市販のインクジェットカラ−プリンタ(キヤノン製、商品名:BJC820J)を用いて実施例1と同じインクを用いてマルチカラ−プリントを行った。
【0060】
プリント終了後ただちに、102℃の加熱蒸気で8分間処理し、次いで水洗、乾燥を行った。得られた絹羽二重布帛上にはムラのない深みのある十分な濃度のカラ−画像が鮮やかにプリントされていた。またインクが付着しない白色部分の汚れもなくシャ−プな画像が得られた。
【0061】
実施例5〜7
実施例2のポリエチレンオキサイド(商品名:アルコックスE−75)の代わりに表−1に示したポリエチレンオキサイドを用いて実施例2と同様にポリエステル布帛に前処理を行い、インクジェットプリント後、実施例2と同様に発色、水洗工程を経て捺染物を得た。得られた結果を表1にまとめて示した。表1には比較例も合わせて示した。
【0062】
【表1】
Figure 0003554052
【0063】
参考例1
実施例2で用いたパラジウムSSとパラトルエンスルホンアミドを除いて、それ以外は実施例2と同様にしてプリント用布帛を得た。これに実施例2と同様のインクとプリンタを用いて布帛にマルチカラ−プリントを行った。プリント終了後、実施例2と同様に処理して捺染物を得た。
【0064】
得られた捺染物は、実施例2で得られた捺染物と比較して、色の深みとシャ−プネスの点でやや不十分であった。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、布帛に滲みがなく、深みのある高濃度画像をプリントすることができる。また、本発明によれば、布帛の裏面の発色濃度も十分なインクジェット染色に好適な布帛が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
61 ワイピング部材
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ

Claims (5)

  1. 布帛素材に対して撥水剤を0.05〜40重量%、ポリエチレンオキサイド樹脂を0.1〜40重量%、トルエンスルホンアミド誘導体を0.2〜20重量%付着せしめたことを特徴とするインクジェット染色用布帛。
  2. ポリエチレンオキサイド樹脂の分子量が、10万〜250万の範囲にある請求項1に記載のインクジェット染色用布帛。
  3. 布帛素材に対して撥水剤を0.05〜40重量%、ポリエチレンオキサイド樹脂を0.1〜40重量%、トルエンスルホンアミド誘導体を0.2〜20重量%付着せしめた布帛に、インクジェット方式によりインクを付与し、次いで発色処理後、洗浄し乾燥する工程を含むことを特徴とする捺染方法。
  4. ポリエチレンオキサイド樹脂の分子量が、10万〜250万の範囲にある請求項に記載の捺染方法。
  5. 請求項3または4に記載の方法により得られた捺染物。
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