JPH0827680A - インクジェット捺染用布帛、その製造方法およびその布帛を用いる捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染用布帛、その製造方法およびその布帛を用いる捺染方法

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JPH0827680A
JPH0827680A JP6160876A JP16087694A JPH0827680A JP H0827680 A JPH0827680 A JP H0827680A JP 6160876 A JP6160876 A JP 6160876A JP 16087694 A JP16087694 A JP 16087694A JP H0827680 A JPH0827680 A JP H0827680A
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Masahiro Haruta
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Hiromitsu Hirabayashi
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Nobuyuki Kuwabara
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Miyuki Matsubara
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基布を、平均重合度80〜120のアルギン
酸ソーダまたはエーテル化度が0.65〜0.9のカル
ボキシメチルセルロースを含有させた剛直化剤を用いて
処理して、クラーク剛度10以上400以下のインクジ
ェット捺染用布帛とし、それをインクジェット方式によ
って捺染し、加熱処理した後、剛直化剤を洗浄除去して
プリント物を得る。 【効果】 発色性、洗浄性、染着性、滲み性等の諸特性
が非常に優れたインクジェット捺染用布帛を得ることが
でき、捺染工程においてインクの定着および装置内にお
ける布帛の搬送性が良好で、効率よく優れた染色物を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット捺染用
布帛、その製造方法およびそれを用いたインクジェット
捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年インクジェット技術を用いた捺染装
置が実用化され、高精細なプリント生地が簡略な工程で
生産されるようになってきており、多くの改良が試みら
れている。
【0003】一般的なインクジェット用布帛の加工につ
いては、主として滲み防止や発色性向上に関して数多く
の提案がなされており、例えば、吉田らは特開昭61−
55277号において、布帛素材に染着させる染料に対
して実質的に非染着性である化合物を、その布帛素材に
対して0.1〜50重量%含有させたインクジェット染
色用布帛およびそれを用いたインクジェット染色法を開
示することで、インクジェット捺染における滲み防止を
可能としている。
【0004】また、特開昭62−53492号には、イ
ンクジェット方式によって水溶性染料を含む記録液を布
帛類に付与し、次いで必要に応じて染着処理する捺染方
法において、上記布帛類に、25℃における粘度が10
00cP以上の記録液受容層を形成した捺染方法を開示
することで、流動性を有する記録液受容層にインクを受
容させることで滲みを防止して高品位なインクジェット
捺染布を得ることが謳われている。
【0005】その実施例中では綿100%のブロード生
地を2200cPの記録液受容層液に浸漬した後、軽く
絞って過剰の受容層液を除き、それを市販のレポート用
紙と重ね合わせてプリンタに装着しやすい状態とした
後、直ちにインクジェットプリンタに取り付け、布帛綿
上にプリントし、次にプリンタから取り外してアイロン
をかけて定着を行い、その後、中性洗剤にて受容層液を
除去してインクジェットプリンタによる布帛のプリント
物を得ている。
【0006】また、別の実施例では、15000cPの
記録液受容層剤を50%水溶液にして綿65%麻35%
のワイシャツ生地にバーコーターにて塗布し、80℃1
時間の熱風乾燥を行ってプリント生地を得て、それにイ
ンクジェットプリンタを用いてプリントし、アイロンに
よる染着処理と中性洗剤による洗浄を行い、インクジェ
ット捺染布を得ている。上記の実施例によって作製した
インクジェット捺染布は、1.5mm間隔の直線の解像
度を十分に満たす上、ボヤケや滲みもなく、さらに十分
な濃度が得られ、工業的な捺染方法のみならず、一般家
庭での趣味的なプリント捺染にも応用可能とされてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
吉田らによる特開昭61−55277号では、その中の
いずれの実施例においても汎用のインクジェットプリン
タでの搬送性に対する考慮がなされておらず、その応用
は特別な布搬送部を必須とする工業的な捺染分野に限定
されている。
【0008】また、特開昭62−53492号に開示の
方法でも、滲み防止の効果は十分ではなく、高精細な捺
染を達成するためにはさらなる改良が要望されている。
【0009】さらに、布帛の場合、紙などと異なって搬
送技術がむずかしく、装置の布搬送部が複雑かつ大型化
することは避けられないため、装置コストと省スペース
化の点での問題が残り、ユーザが手軽に思いのままのプ
リントを高精細に行うことは実質的に困難な状況にあ
る。最も好ましい形態としては、従来の紙用の搬送系を
ほぼそのまま使用できるように布帛を加工することが考
えられるが、その点を十分に考慮した例はない。
【0010】従って、本発明の目的は、上記のごとき従
来の一般的なインクジェット捺染用布帛における問題、
すなわちインクの滲みがなく鮮明で、かつ高濃度の染色
物を得るという染色技術上の問題に加えて、インク定着
性および装置内での搬送性といった操作上の問題、ソー
ピング時の洗浄性の問題などを同時に満足するインクジ
ェット捺染用布帛、それの製造方法およびインクジェッ
ト捺染方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、基布を、平均
重合度80〜120のアルギン酸ソーダまたはエーテル
度が0.65〜0.9のカルボキシメチルセルロースを
含有させた剛直化剤を用いて処理して、クラーク剛度1
0以上400以下の布帛とするインクジェット捺染用布
帛の製造方法、その方法で得られる布帛、ならびに、そ
の布帛にインクジェット方式によって捺染し、加熱処理
した後、剛直化剤を洗浄除去するインクジェット捺染方
法を提供する。
【0012】
【作用】本発明者らは、簡易な搬送系に対して対応可能
なインクジェット捺染用布帛において、前述のような種
々の要求を同時に満足させるべく布帛の改良を行った結
果、布帛を特定の材料によって処理することによってク
ラーク剛度を一定範囲内に制御することで、発色性、洗
浄性、染着率、定着性、滲み性および搬送性などの諸特
性が格段に改善できることを知見した。
【0013】この現象は、布帛のクラーク剛度を限定す
ることで、布搬送精度が最適となり、従来報告されてい
るような各種インクジェットプリンタを用いてプリント
しても、そのプリント精度を最大限に発揮させることが
できるためと思われる。
【0014】そしてさらに、布帛のクラーク剛度を制御
するとともに、剛直化剤を限定することによって、発色
性、洗浄性、染着率、定着性、滲み性、搬送性などの諸
特性をなお一層改善できることを知見して、本発明に至
った。
【0015】特に、剛直化剤の選定は、非常に微妙な問
題であり、単に搬送の点にだけ着目すれば、様々な材料
によって対応可能であるが、発色性の問題、後の洗浄の
問題などを考慮すると、特定の材料でしかも分子量やエ
ーテル化度といった点まで制御した材料を採用する必要
がある。
【0016】次に、好ましい実施態様を挙げて、本発明
を詳細に説明する。
【0017】まず第一に、本発明の布帛の基布としては
特に制限はなく、その素材としては、綿、絹、麻、レー
ヨン、アセテート、羊毛、ナイロン、ポリエステル、ア
クリル等の天然繊維、再生繊維、半合成繊維等およびそ
れらの誘導体が挙げられるが、中でもカチオン化した綿
はアニオン系染料も用いた簡易捺染システムに適合して
おり、特に好ましいものである。ここで言うカチオン化
とは、例えば反応性第四級化合物、キトサン、アニオン
可染高分子コート等により処理されたものである。
【0018】上記繊維は、単独あるいは混紡で用いら
れ、織物、編物、不織布等のいずれの形態でも使用でき
る。
【0019】布帛の形態としては、カットシート状また
はロール状である。
【0020】カチオン化とは、以下に代表される3つの
方法で、カチオン性物質を上記布帛に導入することであ
る。 (1)反応性第四級アミン化合物を繊維に反応付加させ
る (2)カチオン性無機微粒子とバインダーを塗布する
(架橋剤の併用) (3)アニオン可染高分子を塗布する(架橋剤の併用) 反応性第四級アミン化合物の具体例としては、以下の化
合物(1)〜(13)が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】 (Xはいずれの場合も、Cl、Br等のハロゲンを示
す。) カチオン性無機微粒子としては、アルミナゾル(粒径:
5mμ〜200mμ)などがあり、具体例としては、日
産化学社製のアルミナゾル−100、アルミナゾル−2
00、アルミナゾル−520などが挙げられる。
【0034】またこれらカチオン性無機微粒子と併用さ
れる樹脂バインダーの例としては、アラビアゴム、カゼ
イン、ニカワ、ダイズ蛋白、尿素樹脂、メラミン樹脂、
ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリエチレンイミ
ン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、デンプン、ポリビニルピロリドン、ケラ
チン、メチルセルロース、スチレン・ブタジエンラテッ
クス、スチレン・無水マレイン酸共重合体等が挙げられ
る。
【0035】アニオン可染高分子物質としては、アラビ
アゴム、カゼイン、ニカワ、ダイズ蛋白、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリエチレンイミン、四級アミノ基含有ポリマ
ーなどが挙げられる。
【0036】架橋剤としては、二官能エポキシ化合物、
ビスアクリルアミド、ジメチロールエチレン尿素、ジメ
チロールプロピレン尿素、ジメチロールジヒドロキシエ
チレン尿素、メチル化ジメチロールジメトキシエチレン
尿素などが挙げられる。
【0037】これらの化合物が含まれている溶液を布帛
に塗布する。または、溶液に布帛を含浸し、ついで加熱
キュア後、水洗、乾燥することによってカチオン性物質
が布帛に含有される。これらの物質の布帛への付与量
は、処理方法、付与した化合物の種類によって異なる
が、一般的には布帛重量に対して、0.01〜30重量
%程度が好ましい。
【0038】上述の繊維は、単独あるいは混紡で用いら
れ、織物、編物、不織布等いずれの形態での使用でき
る。
【0039】布帛の形状としては、カットシート状また
はロール状である。
【0040】次に、上述した基布を用いた本発明のイン
クジェット捺染用布帛を特徴付けるクラーク剛度として
は、10〜400、好ましくは15〜350、より好ま
しくは20〜300の範囲である。クラーク剛度が10
未満または400を超えると、搬送性の点で問題があっ
て好ましくない。
【0041】なお、布帛中のクラーク剛度の測定は、J
IS P 8193−1967に準じて行った。
【0042】上記剛度を達成するために剛直化剤として
は、1つには、平均重合度が80〜120、より好まし
くは85〜115のアルギン酸ソーダが挙げられる。重
合度の特定は、1%水溶液の粘度測定や、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによって容易に求めること
ができる。ここで言う平均重合度とは、重量平均による
ものである。平均重合度が80未満の場合は、発色性、
染着率の点で問題があり、120を超えると、洗浄性の
点で障害がある。
【0043】さらに、上記の剛直化剤の別のものとして
は、エーテル化度が0.65〜0.9、より好ましくは
0.7〜0.85のカルボキシメチルセルロースが挙げ
られる。エーテル化度の特定は、IRやNMRによって
行うのが一般的である。エーテル化度が0.65未満の
場合は、発色性、染着性の点で問題があり、0.9を超
えると、洗浄性および滲みの点で問題がある。
【0044】また、本発明のインクジェット捺染用布帛
には以上の他に、必要に応じて従来の前処理を併用する
ことができる。特に反応染料によって染色する布帛に対
しては、乾燥布帛重量に対して0.01〜5重量%のア
ルカリ性物質を含有させて布帛中の水分率を制御したも
の、また、一般の布帛に共通する処理剤として、水溶性
金属塩、水溶性高分子、尿素、チオ尿素および界面活性
剤の群から選ばれる物質の1つ以上を、0.01〜20
重量%含有させたものが好ましい場合がある。
【0045】本発明でいうアルカリ性物質とは、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物;モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアミ
ン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウ
ム等のアルカリ金属炭酸塩または重炭酸塩などが挙げら
れる。さらに、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機
酸金属塩やアンモニアおよびアンモニア化合物なども用
いることができる。また、スチーミングおよび乾熱下で
アルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナトリウム等も用い
得る。特に好ましいアルカリ性物質としては、反応染料
の染色に用いられる炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリ
ウムである。
【0046】水溶性高分子の例としては、トウモロコ
シ、小麦等のデンプン物質;メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース系物質;アラビヤ
ゴム、ローカスイトビーンガム、トラガントガム、グア
ーガム、タマリンド種子等の多糖類;ゼラチン、カゼイ
ン等の蛋白質物質;タンニン系物質;リグニン系物質等
の天然水溶性高分子が挙げられる。さらに、合成高分子
では、例えば、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエ
チレンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分
子、無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げられる。こ
れらの中でも多糖類系高分子やセルロース系高分子が好
ましい。
【0047】水溶性金属塩類としては、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典
型的なイオン結晶を作るものであって、水溶液がpH4
〜10である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表
的な例としては、例えば、アルカリ金属塩では、NaC
l、Na2SO4、KCl、CH3COONa等が挙げら
れ、アルカリ土類金属塩では、CaCl2、MgCl2
が挙げられる。中でもNa、K、Caの塩類が好まし
い。
【0048】界面活性剤としては、アニオン系、カチオ
ン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的に
は、アニオン系では高級アルコール硫酸エステル塩、ナ
フタレン誘導体のスルホン酸塩、カチオン系では第4級
アンモニウム塩、両性ではイミダゾリン誘導体、ノニオ
ン系ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド
付加物等が挙げられる。
【0049】本発明のインクジェット捺染用布帛に対し
て用いる捺染インクとしては、基布の繊維を染色可能な
ものであれば特に制限されるものではないが、各種染料
を含んだ水性液媒体から構成されるインクジェット捺染
用インクが好ましく用いられる。
【0050】染料としては、布帛を構成する繊維に対し
て染色可能な染料を溶解または分散して用いる。中で
も、酸性染料、直接染料、反応染料、塩基性染料、分散
染料を用いたインクは、本発明の布帛を用いた場合に好
ましいものである。
【0051】これらの染料は、インク中に1種以上含有
され、色相の異なったものと併用することも可能であ
り、その使用量としては、一般的にはインク全量に対し
て合計で1〜30重量%、好ましくは1.5〜25重量
%、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。1重
量%未満では発色濃度が不十分であり、一方、30重量
%を超えるとインクの吐出適性が十分ではなくなる。
【0052】本発明のインクジェット捺染方法に使用さ
れるインクを構成する液媒体の好適な成分である水は、
インク全量に対して30〜90重量%、好ましくは40
〜90重量%、より好ましくは、50〜85重量%の範
囲で用いられる。
【0053】以上が本発明の方法に使用されるインクジ
ェット用捺染インクの必須成分であるが、インクの液媒
体として一般的な有機溶剤も併用することができる。
【0054】例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等の一価アルコール類;アセトン、ジ
アセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシ
プロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリ
コール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜
6個の炭素原子を含むアルキレングリコ−ル類;1,
2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;チオジ
グリコール;グリセリン;エチレングリコールモノメチ
ル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリ
コールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価ア
ルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリ
コールジメチル(またはエチル)エーテル、テトラエチ
レングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の
多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0055】上記のような水溶性有機溶剤の含有量は、
一般にはインクの全重量に対して重量%で3〜60%、
好ましくは5〜50%の範囲である。
【0056】上記のごとき媒体を併用する場合は単独で
も混合物としても使用できるが、最も好ましい液媒体組
成は、該溶剤が少なくとも1種の多価アルコールおよび
その誘導体を含有するものである。中でもチオジグリコ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、グリセリンの混合系が特に良好なものである。
【0057】本発明の方法に使用されるインクの主要成
分は上記の通りであるが、その他各種の分散剤、界面活
性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤等を必
要に応じて添加することが出来る。
【0058】例えば、ポリビニルアルコール、セルロー
ス類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオンあるいはノ
ニオン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液によるp
H調整剤、防カビ剤等を挙げることができる。
【0059】本発明のインクジェット捺染方法は、上記
の本発明のインクジェット捺染用布帛に対して、上記の
ような捺染インクを使用してそれに印捺するものであ
る。使用するインクジェット記録方式は、従来公知のい
ずれのインクジェット記録方式でもよいが、例えば、特
開昭54−59936号公報に記載されている方法で、
熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を
生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノ
ズルから吐出させる方式が最も有効である。そのような
方式において、本発明のインクジェット捺染用布帛に記
録を行なうことにより、安定した印捺が可能である。
【0060】さらに、特に効果の高い捺染方法が得られ
る条件としては、吐出液滴が20〜200pl、インク
打込量が4〜40nl/mm2であることが望ましい。
【0061】本発明のインクジェット捺染用布帛を用い
て捺染を行うのに好適な装置の一例としては、記録ヘッ
ドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを
与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させる装置が挙
げられるが、以下これについて説明する。
【0062】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2および図3に示す。
【0063】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックまたはプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示され
ているが、これに限定されるものではない)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなってい
る。
【0064】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0065】ここで電極17−1、17−2に電気信号
が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激
に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、本発
明に使用する布帛25に向かって飛翔する。図3には図
1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示
す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板2
7と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密
着して製作されている。なお、図1は、インク流路に沿
ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線
での切断面である。
【0066】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。
【0067】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、また、本例の場合、記録ヘッドの移
動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップ
であり、ブレード61に隣接するホームポジションに配
設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して
吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。
更に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体で
あり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に
突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャッ
プ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成さ
れ、ブレード61および吸収体63によってインク吐出
口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0068】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する布帛にインクを吐出し
て記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載
して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジであ
る。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド65による記録領域およびその隣接した
領域の移動が可能となる。
【0069】51は布帛を挿入する為の給布部、52は
不図示のモータにより駆動される布送りローラである。
これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する
位置へ布帛が給布され、記録が進行するにつれて排布ロ
ーラ53を配した排布部へ排布される。
【0070】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当
接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0071】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62およびブレー
ド61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0072】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0073】以上の如くして本発明方法により本発明の
インクジェット捺染用布帛に付与される捺染インクは、
この状態では単に布帛上に付着しているに過ぎないの
で、引続き繊維への染料の定着工程および未定着の染料
の除去工程を施すのが好ましい。このような反応定着工
程および未反応の染料の除去方法は、従来公知の方法で
よく、例えば、スチーミング法、HTスチーミング法、
サーモフィクッス法等による処理の後に、剛直化剤を洗
浄により除去してプリント物を得ることができる。
【0074】また、反応染料を用い、その染料で染着可
能な布帛を染色する際に、あらかじめ布帛にアルカリ剤
を付与しない場合は、アルカリパッドスチーム法、アル
カリブロッチスチーム法、アルカリショック法、アルカ
リコールドフィックス法などによる処理の後に、剛直化
剤を洗浄により除去してプリント物を得ることができ
る。
【0075】
【実施例】次に、実施例および比較例を用いて、本発明
を具体的に説明する。なお、文中で「部」および「%」
とあるのは、特に断りのない限り、重量基準である。
【0076】 インク(A)の製造 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 86) 7部 ・チオジグリコール 23部 ・ジエチレングリコール 12部 ・塩化カリウム 0.004部 ・硫酸ナトリウム 0.002部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・水 58部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(A)を得た。
【0077】 インク(B)の製造 ・酸性染料(C.I.Acid Red 266) 7部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 5部 ・塩化カリウム 0.04部 ・硫酸ナトリウム 0.01部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・塩化ニッケル 0.0002部 ・水 63部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.9に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(B)を得た。
【0078】 インク(C)の製造 ・酸性染料(C.I.Acid Blue 185) 9部 ・チオジグリコール 23部 ・トリエチレングリコールモノメチルエーテル 6部 ・塩化カリウム 0.05部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・塩化亜鉛 0.0003部 ・水 62部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8.3に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(C)を得た。
【0079】 インク(D)の製造 ・酸性染料(C.I.Acid Brown 13) 2部 ・酸性染料(C.I.Acid Orange 156) 1.5部 ・酸性染料(C.I.Acid Black 205) 6.5部 ・チオジグリコール 23部 ・ジエチレングリコール 5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・硫酸カリウム 0.01部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・硫酸鉄 0.0005部 ・硫酸ニッケル 0.0003部 ・硫酸亜鉛 0.0003部 ・水 59部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8.2に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(D)を得た。
【0080】 インク(E)の製造 ・反応染料(C.I.Reactive Yellow 95) 10部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・塩化カリウム 0.004部 ・硫酸ナトリウム 0.002部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・水 55部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(E)を得た。
【0081】 インク(F)の製造 ・反応染料(C.I.Reactive Red 24) 10部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 5部 ・塩化カリウム 0.04部 ・硫酸ナトリウム 0.01部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・塩化ニッケル 0.0002部 ・水 60部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.9に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(F)を得た。
【0082】 インク(G)の製造 ・反応染料(C.I.Reactive Blue 72) 13部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 3部 ・トリエチレングリコールモノメチルエーテル 6部 ・塩化カリウム 0.05部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・塩化亜鉛 0.0003部 ・水 58部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8.3に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(G)を得た。
【0083】 インク(H)の製造 ・反応染料(C.I.Reactive Black 8) 15部 ・チオジグリコール 23部 ・ジエチレングリコール 12部 ・塩化カリウム 0.004部 ・硫酸ナトリウム 0.002部 ・メタケイ酸ナトリウム 0.001部 ・塩化鉄 0.0005部 ・水 50部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(H)を得た。
【0084】(実施例1)ナイロン100%の織布をあ
らかじめ平均重合度100のアルギン酸ソーダ3%およ
び濃度15%の尿素の水溶液に浸し、絞り率70%で脱
水後乾燥した。それをJIS P 8193−1967
に準じてクラーク剛度を測定したところ、100であっ
た。
【0085】上記のようにして得られたインクジェット
捺染インク(A〜D)を搭載したカラーバブルジェット
プリンターBJC−820(商品名、キヤノン製)に、
この織布をそのままで搭載し、インク打込量16nl/
mm2の条件でプリントを行い、搬送性および定着性を
評価した。その後、180℃、3分間の乾熱処理による
定着を行い、それを中性洗剤で洗浄して、染色品の発色
性、染着率、洗浄性および滲み性について評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0086】(実施例2)絹100%の織布をあらかじ
め平均重合度100のアルギン酸ソーダ3%および濃度
10%の尿素の水溶液に浸し、絞り率70%で脱水後乾
燥した。(クラーク剛度:90) この織布を用いて、実施例1と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0087】(実施例3)前記の式(3)で示した化合
物(X=Cl)によってカチオン化処理した綿100%
の織布をあらかじめ平均重合度100のアルギン酸ソー
ダ3%の水溶液に浸し、絞り率70%で脱水後、乾燥し
た。(クラーク剛度:110) この織布を用いて、実施例1と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0088】(実施例4)綿100%の織布をあらかじ
め平均重合度100のアルギン酸ソーダ3%および濃度
5%の炭酸水素ナトリウムの水溶液に浸し、絞り率70
%で脱水後乾燥した。(クラーク剛度:90) 上記のようにして得られたインクジェット捺染インク
(E〜H)を搭載したカラーバブルジェットプリンター
BJC−820(商品名、キヤノン製)に、この織布を
そのままで搭載し、インク打込量16nl/mm2の条
件でプリントを行い、搬送性および定着性を評価した。
その後、102℃、10分間のHTスチーマー処理によ
る定着を行い、それを中性洗剤で洗浄して、染色品の発
色性、染着率、洗浄性および滲み性について評価した。
その結果を表1に示す。
【0089】(実施例5)綿100%の織布をあらかじ
めエーテル化度0.8のカルボキシメチルセルロース3
%、濃度5%の炭酸水素ナトリウムおよび濃度10%の
チオ尿素の水溶液に浸し、絞り率150%で脱水後、乾
燥した。(クラーク剛度:380) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0090】(実施例6)綿100%の織布をあらかじ
めエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロース3
%および濃度5%の炭酸水素ナトリウムの水溶液に浸
し、絞り率70%で脱水後、乾燥した。(クラーク剛
度:105) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0091】(実施例7)前記の式(3)で示した化合
物(X=Cl)によってカチオン化処理した綿100%
の織布をあらかじめエーテル化度0.7のカルボキシメ
チルセルロース3%の水溶液に浸し、絞り率70%で脱
水後、乾燥した。(クラーク剛度:120) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0092】(実施例8)綿100%の織布をあらかじ
めエーテル化度0.7のカルボキシメチルセルロース1
%。平均重合度100のアルギン酸ソーダ2%および濃
度5%の炭酸水素ナトリウムの溶液に浸し、絞り率70
%で脱水後、乾燥した。(クラーク剛度:150) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0093】(比較例1)実施例2で使用したのと同様
の絹100%の織布をあらかじめ平均重合度70のアル
ギン酸ソーダ3%および濃度10%の尿素の水溶液に浸
し、絞り率70%で脱水後、乾燥した。(クラーク剛
度:30) この織布を用いて、実施例1と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0094】この場合、実施例2に比べてプリント物の
滲み性が劣る結果となった。
【0095】(比較例2)実施例2で使用したのと同様
の綿100%の織布をあらかじめ平均重合度130のア
ルギン酸ソーダ3%および濃度10%の尿素の水溶液に
浸し、絞り率70%で脱水後、乾燥した。(クラーク剛
度:430) この織布を用いて、実施例1と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0096】この場合、実施例2と比べて、搬送性およ
び定着性、得られたプリント物の発色性が劣る結果とな
った。
【0097】(比較例3)実施例4で使用したものと同
様の綿100%の織布をあらかじめ平均重合度50のア
ルギン酸ソーダ3%および濃度5%の炭酸水素ナトリウ
ムの水溶液に浸し、絞り率70%で脱水後、乾燥した。
(クラーク剛度:7) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0098】この場合、実施例4と比べて、搬送性およ
び定着性、得られたプリント物の発色性および滲み性が
劣る結果となった。
【0099】(比較例4)実施例6で使用したものと同
様の綿100%の織布をあらかじめエーテル化度0.6
のカルボキシメチルセルロース3%および濃度5%の炭
酸水素ナトリウムの水溶液に浸し、絞り率70%で脱水
後、乾燥した。(クラーク剛度:110) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0100】この場合、実施例6と比べて、得られたプ
リント物の染着率および滲み性が劣る結果となった。
【0101】(比較例5)実施例6で使用したものと同
様の綿100%の織布をあらかじめエーテル化度0.9
5のカルボキシメチルセルロース3%および濃度5%の
炭酸水素ナトリウムの水溶液に浸し、絞り率70%で脱
水後、乾燥した。(クラーク剛度:95) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0102】この場合、実施例6に比べて得られたプリ
ント物の洗浄性および滲み性が劣る結果となった。
【0103】(比較例6)実施例6で使用したものと同
様の綿100%の織布をあらかじめエーテル化度0.7
のカルボキシメチルセルロース0.5%および濃度5%
の炭酸水素ナトリウムの水溶液に浸し、絞り率50%で
脱水後、乾燥した。(クラーク剛度:5) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0104】この場合、実施例6に比べて得られたプリ
ント物の発色性および滲み性が劣る結果となった。
【0105】(比較例7)実施例6で使用したものと同
様の綿100%の織布をあらかじめエーテル化度0.7
のカルボキシメチルセルロース7%および濃度5%の炭
酸水素ナトリウムの水溶液に浸し、絞り率120%で脱
水後、乾燥した。(クラーク剛度:450) この織布を用いて、実施例4と同様にしてプリントを行
い、搬送性および定着性、得られた染色品の発色性、染
着性、洗浄性および滲み性について評価した。その結果
を表1に示す。
【0106】この場合、実施例6に比べて,搬送性およ
び定着性、得られたプリント物の発色性および滲み性が
劣る結果となった。
【0107】
【表1】 *1カラーバブルジェットプリンターBJC−820(商品名、キヤノン製)での 搬送性を判定した。
【0108】 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る*2 印字1分後のベタ部を50g/cm2の力で1回こす
った時の汚れの程度を判定した。
【0109】◎:汚れが全くない ○:汚れがほと
んど目立たない △:汚れが少しある ×:汚れがひどい*3 ベタ部のムラおよび鮮明性を肉眼で観察し、判定し
た。
【0110】 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る*4 ベタ印字部の洗浄前のK/S値に対する洗浄後のK/
S値の割合を判定した(K/S値は、下記の数式によっ
て決定される)。
【0111】
【数1】K/S = (1−R)2/(2R) (式中、Rは最大吸収波長の反射率) ◎:1 ○:0.9〜0.99 △:0.89
〜0.7 ×:0.7未満*5 洗浄後の布の手ざわり感を判定した。
【0112】○:前処理前の布自体と同じ △:や
や劣る ×:劣る*6 ベタ部エッジの直線部分の不規則な乱れを肉眼で観察
し、判定した。
【0113】◎:乱れが全くない ○:乱れがほと
んど目立たない △:乱れが少しある ×:乱れがひどい
【0114】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、発
色性、洗浄性、染着性、滲み性等の諸特性が非常に優れ
たインクジェット捺染用布帛を得ることができる。
【0115】また、本発明の布帛を用いてのインクジェ
ット捺染では、インクの定着および装置内における布帛
の搬送性が良好で、効率よく優れた染色物を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部における液
滴吐出を示す模式的縦断面図である。
【図2】図1のヘッド部の正面図である。
【図3】図1のヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の1例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 インクを通す溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1、17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 オリフィス 23 メニスカス 24 小滴 25 布帛 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 51 給布部 52 布送りローラー 53 排布ローラー 61 ワイピング部材 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 弘光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 桑原 伸行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布を、平均重合度80〜120のアル
    ギン酸ソーダを含有させた剛直化剤を用いて処理して、
    クラーク剛度10以上400以下の布帛とするインクジ
    ェット捺染用布帛の製造方法。
  2. 【請求項2】 基布を、エーテル化度が0.65〜0.
    9のカルボキシメチルセルロースを含有させた剛直化剤
    を用いて処理して、クラーク剛度10以上400以下の
    布帛とするインクジェット捺染用布帛の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法によって製
    造されるインクジェット捺染用布帛。
  4. 【請求項4】 基布がカチオン化綿である請求項3記載
    のインクジェット捺染用布帛。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のインクジェッ
    ト捺染用布帛にインクジェット方式によって捺染し、加
    熱処理した後、剛直化剤を洗浄除去するインクジェット
    捺染方法。
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