JP2008174865A - インクジェット捺染用布帛及びインクジェット捺染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持体を使用せず、かつ寸法安定性のより向上したインクジェット捺染用布帛及び特定位置に精度良く画像を描写できるインクジェット捺染方法を提供する。
【解決手段】経方向の定荷重時伸び率がJIS L1018において40%を超える布帛の少なくとも一方の面にインク受容体を付着してなるインクジェット捺染用布帛であって、インク受容体が布帛を構成する繊維の表面を被覆することにより、布帛を構成する繊維束の繊維同士が相互に固定され、この繊維束の空隙率が10%以上45%以下であるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット方式により捺染するのに適したインクジェット捺染用布帛及びこれを用いたインクジェット捺染方法に関する。
従来のインクジェット捺染用布帛としては、形状の不安定な布のプリンターでの搬送性を改善するために、布帛に紙やフィルムなどの支持体を貼り付け、染色後に支持体を剥離するようになされたものが多かった(特許文献1、特許文献2、特許文献3等)。
例えば、特許文献1には、粘着剤を塗布して伸縮性のない平面支持体上に一時的に布を接着し、プリンターで印捺するものが開示されている。
特許文献2には、粘着剤とマイグレーション防止剤とを混合した粘着層を有するシートに布を貼りつけてインクジェット印捺する方法が開示されている。
特許文献3には、水溶性樹脂と必要によりpH調整剤を少なくとも含有する処理剤、及び/またはカチオン化処理剤であらかじめ前処理された布が二枚貼り合せられたことを特徴とする被プリント媒体及びその捺染方法が開示されている。
しかし、これらの従来技術では、プリント時に布だけ伸びて支持体は伸びないためにプリント媒体の変形が起こり、印捺不良が生じたり、柄の寸法安定性が得られなかったりという問題があった。更に、支持体を布から剥離するのが困難であったり、支持体の再利用ができなかったりという問題があり、非経済的であった。また、支持体を使用すると生地の厚みや組織に対する対応が難しく、布帛が限定され、用途が限られてしまうという問題があった。さらに、布帛の種類(編み組織や素材等)が多い場合、布帛ごとに条件設定が必要であり、量産が難しいという問題もあった。
一方、編み物やウレタンを混紡した布帛のようにJIS L1018における定荷重時伸び率が40%を超える布帛を剛直化剤を用いて加工する方法が開示されている(特許文献4)。これは剛直化剤を用いて基布を処理して、クラーク剛度10以上400以下のインクジェット捺染用布帛とし、それをインクジェット方式によって捺染し、加熱処理した後、剛直化剤を洗浄除去してプリント物を得る方法である。
しかし、この方法は搬送をし易くする効果はあるものの、寸法を保持したり、歪みを防止したりする寸法安定性付与効果は不十分であった。特にプリントを布帛の特定位置に行う場合に必要な精度を得ることができなかった。
特開昭63−6183号公報 特開平2−68372号公報 特開平7−150482号公報 特開平8−27680号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、上記のように種々の問題を有する支持体を使用せず、かつ伸びや歪みの発生しにくいインクジェット捺染用布帛、すなわち寸法安定性がより向上し、その特定位置に精度良く画像を描写することができるインクジェット捺染用布帛を提供することを目的とする。また、そのように布帛の特定位置に精度良く画像を描写することを可能にするインクジェット捺染方法を提供することを目的とする。
本発明のインクジェット捺染用布帛は、経方向の定荷重時伸び率がJIS L1018において40%を超える布帛の少なくとも一方の面にインク受容体を付着してなる布帛であって、上記の課題を解決するために、インク受容体が布帛を構成する繊維の表面を被覆することにより、布帛を構成する繊維束の繊維同士が相互に固定され、この繊維束の空隙率が10%以上45%以下であるものとする。
上記インクジェット捺染用布帛は、インク受容体非付着時における経方向の定伸長時伸長力15%時の応力を100とした時に、該経方向の定伸長時伸長力15%時の応力が150以上250以下であることが好ましい。
また、インク受容体が主として20℃以上80℃以下のTgを有する熱可塑性樹脂からなり、かつ塗布量が布帛に対し3重量%以上15重量%以下の割合であることが好ましい。
本発明のインクジェット捺染方法は、上記インクジェット捺染用布帛の所定の領域に画像を描写することを特徴とする。
なお、本明細書でいう定伸長時伸長力及び定荷重時伸び率は、JIS L1018の8.14「伸長力及び伸び率のカットスリップ法」に準じて測定したものである。
本発明によれば、支持体を使用しないので上記のような支持体使用に伴う問題が発生せず、かつ寸法安定性の高いインクジェット捺染用布帛が得られる。
本発明のインクジェット捺染用布帛を用いて、布帛の所定の領域に画像を描写するインクジェット捺染を行った場合、決められた位置に精度よく柄を載せることが可能となる。
本発明のインクジェット捺染用布帛は、JIS L1018における経方向の定荷重時伸び率が40%を超える布帛の少なくとも一方の面にインク受容体を付着してなるものである。
インクジェットを用いて加工する際には、機械上で布帛を搬送する際に特に経方向の力が加わるため生地の伸びやひずみが発生してしまうが、本発明では、前処理により、布帛を伸びにくくすることにより、布帛を搬送する際の伸びやひずみを抑制することができる。
JIS L1018における経方向の定荷重時伸び率が40%を超える布帛は、搬送時の縦方向の力により伸びが発生しやすいため、通常は寸法安定性が得られにくい。その為、本発明の効果が顕著に得られる。一般的な織物などの定加重時伸び率が40%未満の布帛は、布帛を搬送する際に発生する経方向の応力による伸びが少ないため、そのままでも寸法安定性が得られやすい。
本発明の適用対象となる定荷重時伸び率が40%を超える布帛としては、天然繊維、再生繊維、合成繊維、半合成繊維など、染色可能な繊維を用いて編まれた組織のある布帛が挙げられ、特に限定されない。また、これら繊維を2種類以上併用してもよい。本発明の効果が特に発揮される布帛としては、ウレタン繊維が用いられている布帛が挙げられる。
本発明のインクジェット捺染用布帛に付着されているインク受容体は、インクジェット方式にて布帛に着色剤を付与した際に、ノズルから吐出されたインクを瞬時に受け止め、適度に保持するため、インクの滲みを防止する。また、布帛を構成する繊維束表面を覆い、かつ繊維間にも浸透するため、染色時における繊維組織の伸びを抑制することができる。すなわち繊維束を構成する繊維同士がインク受容体によって相互に固定されるため、繊維束があたかも1本の繊維のような擬似モノフィラメントとなり寸法安定性が向上する。なお、ここで繊維束とは、布帛を構成する糸であり、繊維(フィラメント)を束ねた最小単位をいうものとする。
本発明のインクジェット捺染用布帛の糸を構成する繊維束には空隙が存在する。この空隙は布帛を構成する繊維束の「あそび」部分として、伸縮に影響を与えるのはもちろんのこと、インクジェット装置上での搬送性にも影響を及ぼす。なお、空隙とは1本の繊維束中に存在する空間を言い、繊維束とその隣の繊維束との間の隙間をいうものではない。本発明では繊維束を構成する繊維同士をインク受容体によって相互に固定する際に繊維束中の空隙の度合いを調節する。本発明では、この空隙の度合いを空隙率として数値化する。空隙率を調整することにより、繊維束の伸縮を適度に抑えるように繊維束中の繊維同士を固定しつつ布帛の屈曲を可能にすることができる。その為、布帛搬送時の伸びやひずみが発生しにくい布帛を得ることができ、さらには布帛搬送時または前後処理中に発生する布帛表面の皺やインク受容層のヒビわれも防止することができる。
上記空隙率とは、繊維束断面における、繊維及びインク受容体の断面積と空隙の断面積を合わせたもの(総断面積)と、空隙の断面積との比をいうものとする。総断面積は隣り合った最外殻繊維の互いの外側の円周上を接線で結び、これらの接線と最外殻繊維の円周でできる一番短い閉領域内の面積をいうものとする(図5参照)。また空隙の断面積はこのような閉領域内の繊維及びインク受容体の存在しない部分の面積をいうものとする。また、算出時にはインクジェット捺染用布帛上の10点を任意に選び、この10点の平均を求め空隙率とする。
実際の空隙率の測定は、インクジェット捺染用布帛を経方向または緯方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡を用いて写真撮影して行う。つまり、写真から繊維束の面積比を求めてこれに基づき空隙率を算出する。
本発明では布帛を構成する糸の繊維束の空隙率を10%以上45%以下とする。10%未満である場合、布帛が過剰に剛直化してしまい、インクジェット装置での搬送時にシワが入りやすくなったり、ソーピング時に受容体の脱落が困難になるという問題が生じる。また、45%を越える場合、布帛の伸縮を抑制することができず、寸法安定性が得られないなどの問題が発生するため好ましくない。
本発明のインクジェット捺染用布帛は、インク受容体を布帛の少なくとも一方の面に付着させることにより、インク受容体非付着時のJIS L1018における定伸長時伸長力15%時の経方向の応力を100として、150以上250以下に調節されたものであることが好ましい。ここで「インク受容体非付着時」とは、インク受容体を形成する前の未処理時、及びインクジェット捺染後にソーピングによってインク受容体を除去した後の双方をいう。応力が150未満であると、布帛を地張りに張る際に伸びやひずみが発生しやすく、柄の寸法安定性が得られ難い。また、250を越えると、布帛を地張りに張る際にシワが発生しやすく連続加工が難しくなるばかりでなく、ソーピングにて不要なインク受容体が脱落しにくくなる。当該応力は、170以上230以下であることがより好ましい。なお、地張りとはインクジェット捺染を行う際に布を一時的に固定する適度の粘着物質のことを指し、一般的に搬送用ベルト上に塗布されているものである。
本発明で用いるインク受容体を付着するための処理液は、主に20℃以上80℃以下のTg(ガラス転移温度)を持つ熱可塑性樹脂からなることが好ましい。Tgが20℃より低いと、布帛にヌメリ感が発生し、安定した加工が困難となる。また、80℃を越えるとソーピングの際に樹脂が脱落しにくく、製品の風合いが硬くなる傾向がある。なお、本発明におけるTgは、動的粘弾性装置により測定したものである。
塗布量に関しては、この熱可塑性樹脂を布帛に対し3重量%以上15重量%以下の割合で塗布することが好ましい。布帛に対して3重量%より少ないと、布帛の伸びを十分抑制することは困難であり、本発明の目的とする効果があまり期待できない。また、15重量%を越えると、生地が硬化しすぎて後工程での加工が困難となるばかりでなく、脱落性にも影響を及ぼす。
また、上記熱可塑性樹脂はアクリル系であることが好ましい。アクリル系樹脂は、染色性に影響を及ぼしにくく、分子量を変化させることにより素材対応が容易であるからである。
また、上記熱可塑性樹脂と水溶性高分子を併用することが好ましい。なぜなら、併用によりソーピング時にインク受容体の脱落がより容易になるためである。その併用割合は、熱可塑性樹脂:水溶性高分子=5:1〜15:1(但し、固形分換算)にすることが好ましい。
水溶性高分子の例としては、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷん、グアガム、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸などを挙げることができ、アルギン酸ナトリウムが特に好ましい。水溶性高分子は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
インク受容体には、上記熱可塑性樹脂と水溶性高分子以外に、還元防止剤、界面活性剤、防腐剤、耐光向上剤、濃染化剤など公知の助剤を含有させることができる。
但し、インク受容体は、ソーピング時に容易に脱落することが好ましく、かつ染色に影響を与えないことが好ましい。従って、これらの条件に合致するように、熱可塑性樹脂、水溶性高分子及びその他の助剤を選択するとよい。
インク受容体の処理液の付与方法の例としては、ディップニップ法、ロータリースクリーン法、ナイフコーター法、キスロールコーター法およびグラビアロールコーター法などが挙げられる。中でも、布帛表面だけでなく、布帛全体にインク受容体を付与することができるだけでなく、付与工程時の布帛の伸びを最小限に抑えることができる点でディップニップ法が好ましい。
処理液の粘度は布帛の種類にもよるが、20〜300cps程度が好ましい。これにより、処理液が布帛を構成する繊維の一本一本までいきわたり、繊維表面のみならず繊維間にもインク受容体が付与されるため、繊維束を所望の空隙率を有した状態で保持することができる。
処理液を付与した後は、その布帛を乾燥する。乾燥は、水分が残存しない程度になされていればよく、条件は特に限定されない。布帛の素材や厚さ、処理液の付与量にもよるが、一般には、90〜180℃で60〜300秒の条件で行うことができる。かくして、本発明のインクジェット捺染用布帛を得ることができる。
インクジェット捺染用布帛には、インクジェット方式によりインクを付与し、次いで発色処理を行い、最後に洗浄、乾燥することによって、捺染物を得ることができる。
インクジェット方式としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式などの連続方式、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式などのオン・デマンド方式などいずれも採用可能である。
用いるインクは特に限定されないが、例としては染料又は顔料の水系インク等が挙げられる。組成も特に限定されるものではないが、染料、顔料といった着色料の他に、水、水溶性有機溶剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、水溶性樹脂などを含有するものとすることができる。染料の具体例としては、分散染料、反応染料、酸性染料、直接染料、カチオン染料等が挙げられる。水溶性有機溶剤の具体例としては、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素溶剤などが挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン、アニオン、カチオン、両性のいずれの活性剤も使用可能である。これらの剤は繊維の種類や目的に応じて使い分けられる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」は、特にことわらない限り重量基準を示す。
[実施例1]
下記処方の処理液1を調製した。
〈処理液1〉
ニューテックスF−M(富士化学(株)製アルギン酸Na) 1%
ユニゾールP−171(林化学(株)製アクリル樹脂、樹脂成分:50%、Tg30℃)
10%
硫安(pH調整剤) 10%
水 残り
(粘度100cps)
すなわち、ニューテックスF−Mに水を加え30分間混練して完全に溶解させた。その後、他の薬剤を添加し、さらに10分間攪拌することにより、処理液1を得た。
一方、6ナイロン繊維(東レ(株)製)およびウレタン繊維(東レ(株)製)を用いて、6ナイロン繊維80.0重量%、ウレタン繊維20.0重量%からなる交編編物の布帛A(厚さ1mm)を得た。
得られた布帛の定荷重時伸び率を、JIS L1018の8.14「伸長力及び伸び率のカットスリップ法」により測定した。1点の試料について5回測定を行い、その平均値を求めた。
具体的には、試験片を適切な性能を持つ引張試験機又は装置を用いて、試験片の一端を上部クランプで固定し、他端に初期荷重(29mN)を加え、静かに一定荷重(幅1cmあたり2.94N)を加えたまま1分間放置後の長さを測定した。その時の伸び率を求めたところ、複合布帛の定荷重時伸び率は120%であった。
布帛Aに対し、処理液1をピックアップ率80重量%になるようにディップニップ法で付与し、130℃で2分間乾燥してインクジェット捺染用布帛を得た。布帛に対するアクリル樹脂の塗布量は4.0重量%であった。
得られたインクジェット捺染用布帛に対し、インクジェット方式にて図柄を印写した。使用したインク、インクジェット印写条件は以下の通りである。
〈インク〉
インク:酸性染料(C.I.Acid Blue 90) 5%水溶液
〈インクジェット印写条件〉
吐出装置:オンデマンド方式シリアル走査型印写装置
駆動電圧:150V
パルス幅:10μs
ノズル径:50μm
周波数:5KHz
次いで、常圧スチーマーを用いて、105℃の水蒸気雰囲気中、30分間湿熱処理して発色を行った。さらに、ソーピング剤(日華化学(株)製エスクードNS、3g/L)を用いて60℃で10分間洗浄後、乾燥して、捺染物を得た。
[実施例2]
処理液1のかわりに、下記処方の処理液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット捺染用布帛および捺染物を得た。
〈処理液2〉
ニューテックスF−M(富士化学(株)製アルギン酸Na) 1%
ユニゾールP−171(林化学(株)製アクリル樹脂、樹脂成分:50%、Tg30℃)
7.5%
硫安(pH調整剤) 10%
水 残り
(粘度90cps)
なお、布帛に対するアクリル樹脂の塗布量は3.0重量%であった。
[実施例3]
処理液1のかわりに、下記処方の処理液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット捺染用布帛および捺染物を得た。
〈処理液3〉
ニューテックスF−M(富士化学(株)製アルギン酸Na) 1%
ユニゾールP−171(林化学(株)製アクリル樹脂、樹脂成分:50%、Tg30℃)
25%
硫安(pH調整剤) 10%
水 残り
(粘度120cps)
なお、布帛に対するアクリル樹脂の塗布量は10.0重量%であった。
[実施例4]
処理液1のかわりに、下記処方の処理液4を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット捺染用布帛および捺染物を得た。
〈処理液4〉
ニューテックスF−M(富士化学(株)製アルギン酸Na) 1%
オリコックスKC−700(共栄社化学(株)製アクリル樹脂、樹脂成分56%、Tg56℃) 22%
硫安(pH調整剤) 10%
水 残り
(粘度120cps)
なお、布帛に対するアクリル樹脂の塗布量は9.8重量%であった。
[比較例1]
処理液1のかわりに、下記処方の処理液5を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット捺染用布帛および捺染物を得た。
〈処理液5〉
ニューテックスF−M(富士化学(株)製アルギン酸Na) 2.5%
硫安(pH調整剤) 10%
水 残り
(粘度500cps)
[比較例2]
処理液1のかわりに、下記処方の処理液6を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット捺染用布帛および捺染物を得た。
〈処理液6〉
ユニゾールP−171(林化学(株)製アクリル樹脂、樹脂成分:50%、Tg30℃)
40%
硫安(pH調整剤) 10%
水 残り
(粘度30cps)
なお、布帛に対するアクリル樹脂の塗布量は16.0重量%であった。
上記実施例および比較例で得られたインクジェット捺染用布帛及び未処理布を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
1)定伸長時伸長力
定伸長時伸長力はJIS L1018の8.14「伸長力及び伸び率のカットスリップ法」を用いて測定を行った。1点の試料について5回測定を行い、その平均値を求めた。
すなわち、試料を2.5cm×20cmにカットし、自記装置付定速伸長形引張試験機を用いて、つかみ間10cm・引っ張り速度10cm/minにて荷重した。定伸長時伸長力(応力)は試料を一定伸長(本試験では15%)まで引き伸ばし、1分間放置したときの荷重−伸び曲線から求めた。
2)糸の空隙率
得られた布帛の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて写真撮影した。その後、画像解析を行い、以下の式により空隙率を求めた。なお、次式の分母は総断面積であり、総断面積及び空隙の断面積の詳細は上記[発明を実施するための最良の形態]で説明した通りである。
3)柄の寸法安定性
得られた布帛(布幅150cm)を各100m準備し、縦100cm・横100cmのパネル柄をインクジェット方式により連続的に印写した。その後、発色、洗浄工程を行った。得られた布帛に描かれた柄に関して、寸法を測定し、寸法変化が3%以上のパネルと3%未満のパネルとを分けた。その後、以下の式により欠点率を算出した。
4)脱糊性
得られた布帛を60℃で10分間湯洗いし、インク受容体の脱落性を触感にて確認し、次の基準で評価した。
○ … 脱糊性が良好であり、布帛に残存が確認されず風合いは損なわれていない。
△ … 脱糊性は十分であるが、布帛に若干の残存が確認される。
× … 脱糊性が不十分であり、布帛に残存が確認され風合いが損なわれている。
さらに、実施例1と比較例1で得られた布帛を構成する繊維束の断面及び表面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。実施例1のものは繊維の表面に満遍なく処理液が付着して、表面平滑な状態になっており、また繊維束を構成する繊維同士が相互に固定されていることが分かる。
実施例1のインクジェット捺染用布帛を構成する繊維束の断面を示す電子顕微鏡写真(×700倍)である。 実施例1のインクジェット捺染用布帛を構成する繊維束の表面を示す電子顕微鏡写真(×500倍)である。 比較例1のインクジェット捺染用布帛を構成する繊維束の断面を示す電子顕微鏡写真(×700倍)である。 比較例1のインクジェット捺染用布帛を構成する繊維束の表面を示す電子顕微鏡写真(×500倍)である。 空隙率の求め方を示すための繊維束の断面を示す模式図である。
符号の説明
A……繊維
B……接線と最外殻繊維の円周でできる一番短い曲線による閉領域

Claims (4)

  1. 経方向の定荷重時伸び率がJIS L1018において40%を超える布帛の少なくとも一方の面にインク受容体を付着してなる布帛であって、
    前記インク受容体が布帛を構成する繊維の表面を被覆することにより、布帛を構成する繊維束の繊維同士が相互に固定され、この繊維束の空隙率が10%以上45%以下である
    ことを特徴とするインクジェット捺染用布帛。
  2. インク受容体非付着時における経方向の定伸長時伸長力15%時の応力を100とした時に、該経方向の定伸長時伸長力15%時の応力が150以上250以下であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット捺染用布帛。
  3. 前記インク受容体が主として20℃以上80℃以下のTgを有する熱可塑性樹脂からなり、かつ塗布量が布帛に対し3重量%以上15重量%以下の割合であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェット捺染用布帛。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用布帛の所定の領域に画像を描写することを特徴とするインクジェット捺染方法。
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