JP2002219853A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JP2002219853A
JP2002219853A JP2001016449A JP2001016449A JP2002219853A JP 2002219853 A JP2002219853 A JP 2002219853A JP 2001016449 A JP2001016449 A JP 2001016449A JP 2001016449 A JP2001016449 A JP 2001016449A JP 2002219853 A JP2002219853 A JP 2002219853A
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Japan
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adhesive layer
ink
jet recording
ink jet
recording sheet
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Application number
JP2001016449A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Arai
克明 新井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/502Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording characterised by structural details, e.g. multilayer materials
    • B41M5/508Supports

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】布風な独特の風合いを有しながら、各種汎用プ
リンターでの搬送性に優れ、各種被着体に容易に貼付可
能なインクジェット記録シートを提供する。さらに両面
印字可能であり、ガラス等の透明な被着体あるいは布等
の不透明な被着体に貼付することで、該シートの両面で
異なる情報を提供可能なインクジェット記録シートを提
供する。 【解決手段】支持体に布帛を使用し、支持体のインク受
理層とは反対面に吸収性加熱接着層を設ける。吸収性加
熱接着層が粒径1μm以上20μm以下の有機顔料を主
成分とすると好ましい。吸収性加熱接着層がカチオン樹
脂を含有するとさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
シートに関するものであり、詳しくは独特な風合いを持
ちながら、各種汎用プリンターでの給紙性・搬送性に優
れ、ガラス等の被着体に容易に貼付可能なインクジェッ
ト記録シートに関するものである。さらに詳しくは、両
面印字可能で、一方の面に加熱接着性があるため、ガラ
ス等の透明な被着体あるいは布等の不透明な被着体に貼
付でき、該シートの両面で異なる情報を提供可能なイン
クジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があ
り、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装
置として種々の用途において急速に普及している。さら
に、多色インクジェット記録方式により形成される画像
は、製版方式による多色印刷に比較して遜色のない記録
を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済
む用途においては、安価であることからフルカラー画像
記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】近年、手軽にフルカラー画像を作成できる
インクジェットプリンタを利用して、様々なメディアへ
カラープリントを行う要求が高まっている。例えば、不
織布、織物、編物等の布帛にインク受理層を設ける等し
てインクジェット記録適性を付与したインクジェット記
録シートが提案されており、紙やフィルムにはない独特
の風合いを活かして、デザイン、イベント、広告などの
分野でポスターや看板等の用途に使用されたり、家庭や
レストラン等でテーブルクロスやインテリア等の用途に
使用されたりしている。
【0004】さらには、支持体に布帛を使用したインク
ジェット記録シートのインク受理層の反対面に、粘着剤
層、剥離紙を順次積層したり、加熱接着性材料を設けた
りしたインクジェット記録シートも提案されている。加
熱接着性材料とは、通常状態では粘着性、接着性とも示
さず加熱時に粘着性、接着性を示す材料を指し、例え
ば、ホットメルト接着剤、ヒートシール剤、ディレード
タック型粘着剤等が知られている。加熱接着性材料を使
用したラベルは剥離紙を必要としないため不要物を出さ
ないばかりか、被着体の貼り付け位置に位置合わせをし
た後アイロン等の加熱手段で容易に接着できるため注目
されている。例えば、特開2000−190627号公
報では、インク受理成分が塗設あるいは含浸された不織
布の非記録面に加熱接着層を設け、該不織布を構成する
繊維の軟化点と加熱接着層の接着開始温度との差をある
一定温度以上とする加熱接着性のある記録シートが開示
されている。
【0005】しかしながら、こうした加熱接着性材料は
加熱により粘着性、接着性を生じる材料であるため、基
本的に手で触れた場合にべたついた感触があり、滑りに
くいという性質を有している。この結果、インク受理層
の反対面に加熱接着性材料を設けたインクジェット記録
シートは、インク受理層と加熱接着性材料との間の摩擦
が大きくなり、汎用のインクジェットプリンターで印字
する際、給紙性や搬送性が悪くなる問題が生じていた。
インクジェット記録用紙の給紙性や搬送性が悪いと、プ
リンターに給紙されなかったり、複数枚が重なって給紙
される重送を起こしたり、重送したインクジェット記録
シートがプリンターに詰まってプリンターが停止すると
いうトラブルを起こす。特に、支持体が布帛である場合
は、紙やフィルムに比べシートが柔らかいため、インク
ジェット記録シートとした場合のシートの腰が弱く、イ
ンクジェットプリンターの給紙性・搬送性はよりいっそ
う悪化しやすい。
【0006】給紙性、搬送性を改良した加熱接着性のあ
る記録用紙の提案もされている。例えば、特開平11−
268450号公報では、ヒートシール剤あるいはディ
レードタック型粘着剤を使用した加熱接着層中に、融点
あるいは軟化点が170℃以下の有機顔料を配合し、か
つインク受理層と該加熱接着層との間の動摩擦係数を
0.8以下とする記録用紙が開示されている。該構成と
することでプリンターの搬送性は向上し一定の効果は認
められるものの、加熱接着層に配合する有機顔料自体に
は加熱接着性がないため、該加熱接着層の接着力が低下
するという問題が生じていた。
【0007】また、両面印字可能なインクジェット記録
シートの両面に情報を記録した後、各種被着体に貼付し
て、異なる効果を持たせ、多くの情報を提供したいとい
う要望もある。例えば、両面に画像を有するシートをガ
ラスや透明フィルム等の透明な被着体に貼付し、両側で
異なる広告・デザイン等の情報を提供したり、Tシャツ
等の衣類や屋内および屋外の装飾品等不透明な被着体に
貼付し、被着体と接着しない側の主情報と、被着体と接
着する側の透かしあるいはぼかし効果を狙った背景情報
とを組み合わせて意匠性を高めたり等の要望もある。こ
のような目的のために、通常のインク受理層を支持体の
両面に設けた両面インクジェット記録可能なインクジェ
ット記録シートを使用し、シート両面をインクジェット
記録した後、一方のインク受理層に粘着剤あるいは接着
剤を付与し、被着体に該シートを貼付することも可能で
あるが、位置合わせがしにくい、作業が煩雑であるとい
った問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、布風
な独特の風合いを有し、各種汎用プリンターでの搬送性
に優れ、布等の被着体に容易に貼付でき接着力も良好な
インクジェット記録シートを提供するものである。さら
には、両面印字可能で、一方の面に加熱接着性があるた
め、ガラス等の透明な被着体あるいは布等の不透明な被
着体に貼付でき、該シートの両面で異なる情報を提供可
能なインクジェット記録シートに関するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、以
下の発明に至った。
【0010】支持体上の一方の面にインク受理層を設け
てなるインクジェット記録シートにおいて、該支持体が
布帛であり、かつ支持体のインク受理層とは反対面に吸
収性加熱接着層を設けたことを特徴とするインクジェッ
ト記録シートの発明である。
【0011】該吸収性加熱接着層が粒径1μm以上20
μm以下の有機顔料を主成分とすると好ましい。
【0012】該吸収性加熱接着層がカチオン樹脂を含有
するとさらに好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に関わるインクジェット記
録シートについて詳細に説明する。本発明のインクジェ
ット記録シートは、支持体上の一方の面にインク受理層
を設けてなり、該支持体が布帛であり、かつ支持体のイ
ンク受理層とは反対面に吸収性加熱接着層を設けたこと
を特徴とする。本発明において吸収性加熱接着層とは、
塗層自体が適度な空隙を有しているためインク等の吸収
能があり、さらには通常状態では粘着性、接着性ともに
示さず、加熱時に接着性を示すいわゆる加熱接着性のあ
る層を指す。こうした構成とすることで、布風な独特の
風合いを有し、各種汎用プリンターでの搬送性に優れ、
布等の被着体に加熱等の手段で容易に貼付でき、被着体
との接着力にも優れるインクジェット記録シートとする
ことが可能となるのである。さらに、支持体のインク受
理層とは反対面に設けた吸収性加熱接着層は、加熱によ
る被着体への接着が可能な層であるばかりでなく、適度
な空隙を有しておりインク吸収能があるため、インクジ
ェットプリンターにより印字が可能な層である。このた
め、該インクジェット記録シートは両面印字が可能であ
り、かつ一方の面に加熱接着性があるため、ガラス等の
透明な被着体あるいは布等の不透明な被着体に加熱によ
り容易に貼付でき、該シートの両面で異なる情報を提供
可能なインクジェット記録シートとすることが可能とな
るのである。
【0014】加熱接着層を構成する材料としては、例え
ばヒートシール剤が挙げられる。ヒートシール剤は、書
籍「コンバーティングのすべて」(加工技術研究会発
行、1993年、P.351〜)で述べられるようない
わゆる狭義のヒートシール剤であり、無溶剤のホットメ
ルト樹脂とは別なものである。その構成樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、酸
化ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、
ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリル酸誘導体、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリア
ミド、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体、NBR等のゴム系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロ
ース系樹脂その他これらの樹脂の単量体の共重合物が挙
げられ、有機溶剤溶液あるいは水分散液などの形で用い
られる。
【0015】ヒートシール剤を構成する樹脂は、通常状
態では粘着性、接着性ともに示さないとはいうものの、
加熱により接着性を発現する素材であり、一般的には常
温下といえども多少のべたつきを有している。通常、加
熱接着層は、上記のようなヒートシール剤を支持体の一
方の面に塗工し、該樹脂の最低製膜温度以上で乾燥させ
ることにより得られる。こうして得た加熱接着層は均一
皮膜となっており、ヒートシール剤を構成する樹脂が有
している常温下でのべたつきが、該加熱接着層では強調
されることになる。この結果、支持体の一方の面にイン
ク受理層、支持体のインク受理層とは反対面に上記方法
にて加熱接着層を設けたインクジェット記録シートは、
加熱接着層とインク受理層間の摩擦、あるいは加熱接着
層とインクジェットプリンターの搬送ロール等の各種部
材間との摩擦が大きくなり、インクジェットプリンター
で印字する際に、給紙性や搬送性の悪化が起こってい
た。インクジェット記録用紙の給紙性や搬送性が悪い
と、プリンターに給紙されなかったり、複数枚が重なっ
て給紙される重送を起こしたり、重送したインクジェッ
ト記録シートがプリンターに詰まってプリンターが停止
するというトラブルを起こす。本発明者らは種々検討し
た結果、加熱接着層を均一皮膜とせず、吸収性の層とす
ることにより、加熱接着層を構成する樹脂が本来持って
いるべたつきといった性質を軽減し、該吸収性加熱接着
層とインク受理層間の接触面積、およびインクジェット
プリンターの搬送系を構成する各種部材との接触面積を
低減させることで、これらの層間あるいは層と部材間の
摩擦係数が低減し、該インクジェット記録シートの給紙
性、搬送性が向上することを見出したのである。
【0016】また、本発明の吸収性加熱接着層は適度な
空隙を有しているため、吸収性加熱接着層に汎用のイン
クジェットプリンターで印字した際にも、良好にインク
を吸収し、画像が滲んだりすることなく良好な画像記録
が可能である。
【0017】本発明において吸収性加熱接着層で主成分
として用いられる有機顔料は、ヒートシール剤として例
示した化合物群から構成される有機顔料を指す。また、
該有機顔料を主成分とするというのは、吸収性加熱接着
層全体に占める該有機顔料の比率が、固形分重量比で5
0%以上であることを意味する。吸収性加熱接着層のイ
ンク吸収性およびプリンター搬送性の点から、上記比率
は70%以上であることがより好ましく、さらに好まし
くは80%以上である。本発明において、支持体の一方
の面に吸収性加熱接着層を設ける際には、該有機顔料を
融解・皮膜化せずにその形状をできるだけ維持すること
が好ましい。つまり、有機顔料が皮膜化せずに元の形状
を維持していると、塗層内に有機顔料粒子間の空隙を存
在させることが可能となる。この結果、本発明のインク
ジェット記録シートは、該吸収性加熱接着層とインク受
理層間の摩擦係数、およびインクジェットプリンターの
搬送系を構成する各種部材との摩擦係数が低減するため
インクジェットプリンターの給紙性、搬送性が向上し、
さらには良好なインク吸収性が得られるのである。そう
した点で、支持体の一方の面に吸収性加熱接着層塗液を
塗工・乾燥する際には、該有機顔料の最低製膜温度以下
で乾燥することが好ましく、最低製膜温度よりも20℃
以上低温で乾燥するとより好ましい。
【0018】加熱接着層に用いる有機顔料の粒径は1μ
m以上20μm以下であることが好ましく、より好まし
くは2μm以上15μm以下、さらに好ましくは4μm
以上10μm以下である。有機顔料の粒径が上記範囲で
あると、インクジェット記録シートの給紙性および搬送
性、吸収性加熱接着層のインク吸収性が良好となる。有
機顔料の粒径が1μmより小さいと、得られる吸収性加
熱接着層の皮膜の凹凸が少なく平滑となりやすく、イン
クジェットプリンターの搬送系を構成する各種部材との
摩擦係数が増大して、インクジェットプリンターの給紙
性、搬送性が低下しやすくなり、また塗層の空隙率も少
なくなりインク吸収性が低下しやすい。粒径が20μm
より大きいと、塗層の空隙が多くなりインクの吸収性は
良好であるが、インクが浸透して画像の解像度が低下し
やすい。また、加熱接着層を加熱溶融しても塗層の空隙
が大きく断熱性があるため、有機顔料が不均一に融解す
ることがあり、被着体との接触面積が小さくなりやすい
ため、接着性が低下しやすい。
【0019】本発明のインクジェット記録シートは、家
庭等において手軽に画像形成・被着体への接着が行える
ことが好ましい。つまり、汎用のインクジェットプリン
ターでインク受理層あるいは吸収性加熱接着層に画像を
記録した後、家庭用アイロン等でガラス、Tシャツ等の
布帛等に簡便に該インクジェット記録シートを接着でき
ることが好ましい。この点から、吸収性加熱接着層に用
いる有機顔料の最低製膜温度は60℃以上200℃以下
のものが好ましく、より好ましくは70℃以上180℃
以下、さらに好ましくは80℃以上150℃以下であ
る。最低製膜温度が60℃よりも低いと、保管時に有機
顔料が連続皮膜化し、吸収性加熱接着層が本来有してい
たインク吸収性が失われる恐れがある。また、塗工の際
の乾燥は該有機顔料の最低製膜温度以下で行うことが好
ましく、乾燥温度が低下することで製造効率が低下す
る。融点が200℃よりも高いと、接着する際に高いエ
ネルギーを必要とし、被着体への接着が行いにくくな
る。
【0020】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、支持体の一方の面に吸収性加熱接着層を設ける際、
該吸収性加熱接着層中に含まれる有機顔料は、融解・皮
膜化せずにその形状をできるだけ維持することが好まし
い。しかしながら、こうした構成とした場合には、個々
の有機顔料が十分に融着していないため、得られる吸収
性加熱接着層の塗層強度が弱くなり、粉落ち等のトラブ
ルを起こしやすくなる。こうしたトラブルを回避するた
めに、本発明に関わる吸収性加熱接着層は、該有機顔料
以外の成分としてバインダーを含有することが好まし
い。
【0021】本発明において吸収性加熱接着層で使用さ
れるバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、
ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール
等;スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラ
テックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ルの重合体又は共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸
の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラ
テックス;或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基
等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテック
ス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の
水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂
等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用され
る。
【0022】バインダーのガラス転移温度は、有機顔料
等を支持体である布帛に固着するという点、被着体への
加熱接着時に布帛等の被着体へ浸透・接着させるという
点から、−50℃以上50℃以下であることが好まし
く、より好ましくは−30℃以上40℃以下、さらに好
ましくは−20℃以上30℃以下である。
【0023】バインダーの比率は、有機顔料100部に
対し1部以上40部以下であることが好ましく、より好
ましくは2部以上20部以下、さらに好ましくは4部以
上15部以下である。バインダーの比率が1部より少な
いと、有機顔料を十分に支持体上に接着することができ
ず、プリンター搬送時に吸収性加熱接着層の粉落ちを起
こすといったトラブルが生じやすい。40部より多いと
有機顔料粒子間の空隙をバインダーが埋めることにな
り、インク吸収性が悪化しやすい。
【0024】吸収性加熱接着層に柔軟性を付与し、被着
体への加熱接着時に被着体へ浸透・接着させるという目
的で、吸収性加熱接着層にさらに可塑剤をしてもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル等の
フタル酸エステル、燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル
等の燐酸エステル、アジピン酸オクチル、アジピン酸イ
ソノニル等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジブチ
ル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル、ア
セチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチ
ル等のクエン酸誘導体、マレイン酸ジブチル、マレイン
酸ジエチルヘキシル、フマル酸ジブチル、トリメリット
酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑
剤、ステアリン酸系可塑剤、塩化パラフィン、トルエン
スルホンアミドおよびその誘導体、p−オキシ安息香酸
−2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。また、
フタル酸ジシクロヘキシル等の常温で固体の可塑剤も使
用可能である。
【0025】本発明に関わる吸収性加熱接着層は、さら
にカチオン樹脂を含有することが好ましい。カチオン樹
脂は、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶
性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基などと不
溶な塩を形成するため、吸収性加熱接着層にて染料を捕
獲し、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や
吸湿によるインクの流れだしや滲みだしを抑制し耐水性
を向上させることができる。カチオン樹脂としては、1
級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のモノマー、
オリゴマー、またはポリマーであり、好ましくはオリゴ
マーまたはポリマーである。
【0026】本発明のインクジェット記録シートの用途
として、該シートの両面に画像形成後、Tシャツ等の衣
類に加熱接着して使用することも考えられるが、こうし
た場合には、洗濯や汗等によっても画像の色落ちを起こ
さないことが要求される。このように過酷な状況下での
耐水性を要求される場合には、カチオン樹脂としてポリ
アミド・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミン・エピク
ロロヒドリン樹脂を使用することが好ましく、こうした
構成とすることで、洗濯や汗等によっても画像の色落ち
を起こしにくく、発色の良好なインクジェット記録シー
トとすることが可能である。
【0027】カチオン樹脂の比率は、有機顔料100部
に対し1部以上40部以下配合することが好ましく、よ
り好ましくは2部以上30部以下、さらに好ましくは4
部以上20部以下である。カチオン樹脂が1部よりも少
ないと効果が少なく、40部よりも多いと効果が飽和す
るばかりか、却って発色が低下したり耐水性が悪化した
りしやすい。また、加熱接着力も低下しやすくなる。
【0028】本発明のインクジェット記録シートの給紙
性・搬送性をさらに向上させたり、吸収性加熱接着層の
インク吸収性をさらに向上させるために、本発明の吸収
性加熱接着層に、上記以外の成分としてさらに加熱接着
性のない有機・無機の顔料を添加することもできる。こ
れらの顔料は、吸収性加熱接着層の有する加熱接着力を
損なわない範囲で適宜使用される。
【0029】本発明に用いられるインク受理層中には、
公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミ
ニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイ
サイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの
白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、ア
クリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイ
クロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料
などが挙げられる。上記の中でも、インク受理層中に主
体成分として含有する白色顔料としては、多孔性無機顔
料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マ
グネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔
容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0030】本発明に用いられるインク受理層中は、さ
らにバインダー、カチオン樹脂を配合することも出来
る。バインダー、カチオン樹脂は、吸収性加熱接着層で
使用可能な材料を用いることが可能である。
【0031】本発明の吸収性加熱接着層あるいはインク
受理層中には、さらに、その他の添加剤として、顔料分
散剤、硬膜剤、増粘剤、流動性改良剤、pH調製剤、消
泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着
色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、防バイ剤等を適宜配合することもできる。また、吸
収性加熱接着層あるいはインク受理層を2層以上の異な
る層とする等のことは何ら問題なく行うことができる。
【0032】本発明の支持体で用いられる布帛とは、短
繊維あるいは連続長繊維からなる織物、編物、不織布等
を指す。これらのうち、シートの風合い、および支持体
にインク受理層を設けてインクジェット記録シートとし
た場合の画像の発色の観点から、湿式不織布又は乾式不
織布を用いたスパンレース不織布が好ましく用いられ
る。
【0033】布帛を形成する繊維として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はこ
れらポリマーの変性ポリマー等のホモポリマー及びコポ
リマーのようなポリエステル系繊維、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリスチレン、又はこれらポリマーの変
性ポリマー等のホモポリマー及びコポリマーのようなポ
リオレフィン系繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維等
のようなポリアクリロニトリル系繊維、ナイロン6、ナ
イロン66等のようなポリアミド系繊維、ポリビニルア
ルコール系繊維、ウレタン繊維、等の有機合成繊維;
又、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン、ア
ルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡糸した繊維
等のような再生繊維;アセテート繊維等のような半合成
繊維;麻、コットン等の植物系繊維や羊毛、絹等の蛋白
質系繊維等のような天然繊維;金属繊維、ガラス繊維、
炭素繊維のような無機系繊維、等の各種繊維が挙げら
れ、これらを単独又は組み合わせて使用することが出来
る。
【0034】支持体である布帛への前処理として、例え
ば、コロナ処理、バインダー成分等の含浸処理、インク
受理層あるいは吸収性加熱接着層に対するアンダーコー
ト層の塗設、カレンダー処理等の公知の技術を用いるこ
とは何ら問題なく行うことができる。
【0035】本発明のインクジェット記録シートを作製
するために、支持体の一方の面にインク受理層、支持体
のインク受理層とは反対面に吸収性加熱接着層を設ける
必要がある。その手段としては、各種ブレードコータ
ー、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコー
ター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコー
ター、コンマコーター、ダイコーター、リバースロール
コーター、キスコーター、カーテンコーター、エクスト
ルージョンコーター、ゲートロールコーター、グラビア
コーター、マイクログラビアコーター、などの塗工装置
を用いることが出来る。
【0036】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、吸収性加熱接着層の塗工量は特に制限されることは
ないが、好ましくは3g/m2以上50g/m2以下で、更
に好ましくは5g/m2以上35g/m2以下である。塗工
量が3g/m2より少なくなると加熱接着性が出にくく、
さらにはインク吸収能が低下しにじみが発生しやすくな
る。また、塗工量が50g/m2を超えると、加熱接着
性、印字品質は飽和に達し不経済であるばかりか、吸収
性加熱接着層の粉落ちが目立つようになる。
【0037】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、インク受理層の塗工量は特に制限されることはない
が、好ましくは3g/m2以上50g/m2以下で、更に好
ましくは5g/m2以上35g/m2以下である。塗工量が
3g/m2より少なくなるとインク吸収能が低下しにじみ
が発生しやすくなる。また、塗工量が50g/m2を超え
ると、印字品質は飽和に達し不経済であるばかりか、イ
ンク受理層の粉落ちが目立つようになる。
【0038】本発明のインクジェット記録シートは、支
持体である布帛の一方の面にインク受理層を設けた後、
支持体のインク受理層とは反対面に吸収性加熱接着層を
設けることが好ましい。これは、吸収性加熱接着層を設
ける際あるいは設けた後には、吸収性加熱接着層を構成
する有機顔料の最低製膜温度以上の環境に晒さないこと
が好ましいためであり、こうした観点から吸収性加熱接
着層はできるだけ後工程で設けることが好ましい。
【0039】支持体の一方の面にインク受理層を設けた
後、および支持体のインク受理層とは反対面に吸収性加
熱接着層を設けた後には、マシンカレンダー、TGカレ
ンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどの
カレンダーを用いて平坦化仕上げを行っても良い。
【0040】本発明のインクジェット記録シートのJI
S P8143で規定されるクラークこわさは特に規定
されないが、該インクジェット記録シートの風合いおよ
びインクジェットプリンターの給紙性、搬送性の観点か
ら、シートの縦方向・横方向のいずれとも5(cm3
100)以上200(cm3/100)以下であること
が好ましく、より好ましくは10(cm3/100)以
上150(cm3/100)以下である。クラークこわ
さは、支持体である布帛の種類および坪量、インク受理
層、吸収性加熱接着層の塗工量および塗工方式、カレン
ダー処理の有無等によって調整することが可能である。
【0041】本発明のインクジェット記録シートは、市
販の汎用プリンターを使用して画像を形成し、被着体上
に該シートの吸収性加熱接着層側を重ね合わせ、加熱等
の手段によって該シートを被着体に貼付して使用され
る。用いる色材も特に限定されるものではなく、従来公
知の染料インク及び顔料インクを用いることができる。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、
特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0043】インク受理層塗液 合成非晶質シリカ(Nipsil E150J:日本シ
リカ工業製)100部、ポリビニルアルコール(PVA
117:クラレ製)30部、カチオン樹脂(スミレーズ
レジン1001:住友化学工業製)20部を用い、これ
を調液し、固形分濃度15%とした。
【0044】加熱接着層塗液1 有機顔料としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(ケミパ
ールV−200:三井化学製、平均粒径7.0μm、最
低製膜温度90℃)100部、バインダーとしてスチレ
ン−アクリル系エマルジョン(GD41;日本エヌエス
シー製)15部を用い、これを調液し、固形分濃度35
%とした。
【0045】加熱接着層塗液2 加熱接着層塗液1において、さらにカチオン樹脂(スミ
レーズレジン1001:住友化学工業製)15部を添加
し、これを調液し、固形分濃度35%とした。
【0046】加熱接着層塗液3 溶剤系のエチレン−酢酸ビニル共重合体溶液をそのまま
使用した。
【0047】実施例1 支持体としてポリプロピレン/ポリエステルの分割繊維
からなる坪量50g/m2の乾式スパンレース不織布(7
650−8、シンワ製)を用い、この不織布の一方の面
に、インク受理層塗液をエアーナイフコーターを用いて
乾燥後の塗工量が20g/m2となるように塗布、乾燥し
た。さらに、この不織布のインク受理層とは反対側に、
加熱接着層塗液1をコンマコーターを用いて乾燥後の塗
工量が30g/m2となるように塗布、50℃の熱風で乾
燥して、本発明のインクジェット記録シートを作製し
た。
【0048】実施例2 加熱接着層塗液1の代わりに加熱接着層塗液2を用いた
以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記
録シートを作製した。
【0049】実施例3 支持体を坪量80g/m2の綿布に変更した以外は実施例
2と同様にして本発明のインクジェット記録シートを作
製した。
【0050】実施例4 加熱接着層塗液2において使用した有機顔料をエチレン
−酢酸ビニル共重合体(平均粒径0.7μm、最低製膜
温度90℃)に変更した以外は実施例2と同様にして本
発明のインクジェット記録シートを作製した。
【0051】実施例5 加熱接着層塗液2において使用した有機顔料をエチレン
−アクリル酸エステル共重合体(平均粒径1.2μm、
最低製膜温度110℃)に変更した以外は実施例2と同
様にして本発明のインクジェット記録シートを作製し
た。
【0052】実施例6 加熱接着層塗液2において使用した有機顔料をエチレン
−酢酸ビニル共重合体(平均粒径18μm、最低製膜温
度80℃)に変更した以外は実施例2と同様にして本発
明のインクジェット記録シートを作製した。
【0053】実施例7 加熱接着層塗液2において使用した有機顔料をエチレン
−酢酸ビニル共重合体(平均粒径23μm、最低製膜温
度85℃)に変更した以外は実施例2と同様にして本発
明のインクジェット記録シートを作製した。
【0054】比較例1 加熱接着層塗液1の代わりに加熱接着層塗液3を用いた
以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シート
を作製した。
【0055】比較例2 加熱接着層塗液1の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重
合体系ホットメルト接着剤をダイコーターを用いて溶融
・塗布した以外は実施例1と同様にしてインクジェット
記録シートを作製した。
【0056】比較例3 加熱接着層塗液2において使用した有機顔料を、熱硬化
性有機顔料であるメラミン樹脂微粒子(平均粒径7μ
m)に変更した以外は実施例2と同様にしてインクジェ
ット記録シートを作製した。
【0057】比較例4 支持体に坪量80g/m2の上質紙を用いた以外は実施例
2と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。
【0058】比較例5 支持体に坪量80g/m2の上質紙を用いた以外は比較例
1と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。
【0059】〈試験方法〉
【0060】1)シートの柔軟性 インクジェット記録シートの柔軟性を以下の基準で判定
した。 ◎:柔軟性があり、布風な独特の風合いを有している。 ○:ややシートが硬めであるが、布風な独特の触感を依
然として有している。 ×:シートが硬くなっており、布風な独特の風合いが全
くない。 2)プリンター搬送性 実施例および比較例で作製したインクジェット記録シー
トをA4判に断裁し、インク受理層が印字面となるよう
に、インクジェットプリンター(セイコーエプソン製P
M−750C)に20枚ずつセットし、連続印字を行っ
た。この操作を30回繰り返し、重送、紙詰まり等の印
字障害が発生した回数を調べた。発生回数が0回のもの
は搬送性に全く問題なしと判断でき、1〜3回のものは
通常使用において大きく問題とならないレベルと判断で
きる。 3)インク吸収性 実施例および比較例で作製したインクジェット記録シー
トをA4判に断裁後、インク受理層の反対面にインクジ
ェットプリンター(セイコーエプソン製PM−750
C)でブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色1
00%のベタ印字を行った。インク吸収性を以下の基準
で判定した。 ◎:インクのにじみが全くなくインク吸収性は良好であ
る。 ○:インクの種類によってはややにじみが見られるもの
の許容できる範囲である。 △:各色ともにインクのにじみが見られ、インク吸収性
が劣る。 ×:各色とも大きくインクが滲んでおり、全くインク吸
収性がない。 4)印字濃度 上記インク吸収性試験において、評価が◎、○となった
インクジェット記録シートについてのみ、マクベスRD
919で印字部の濃度を測定した。値は大きい方が印字
濃度が高く印字性が良好であることを示す。 5)加熱接着性 実施例および比較例で作製したインクジェット記録シー
トをA4判に断裁後、インク受理層にポップ調のイラス
ト画像、インク受理層の反対面に文字を主体とする画像
をインクジェット記録した。印字後、ガラス板上に該シ
ートのインク受理層の反対面側を密着させ、約200℃
に加熱したアイロンを該シートのインク受理層側から接
触させて、ガラス板への接着を行った。1日後の接着状
態を以下の基準で判定した。 ◎:シートがガラス板に強固に接着しており、剥がそう
とするとシートが破れたり大きく伸びたりしてうまく剥
がれない。 ○:シートがガラス板に比較的強固に接着しているが、
シートが破れたり大きく伸びたりすることなく剥がすこ
とが可能である。 △:シートがガラス板に強く接着しておらず、簡単に剥
がすことが可能である。 ×:全く接着していない。
【0061】
【表1】
【0062】実施例1〜7に示すように、吸収性加熱接
着層を設けることにより、非吸収性の加熱接着層を設け
た比較例1、2、5に比べ、加熱接着層への印字も可能
にすることが出来る。特に、吸収性加熱接着層の主成分
として粒径1μm以上20μm以下の有機顔料を用いた
実施例1〜3、5、6は、プリンター搬送性、加熱接着
性がともに良好であり好ましい。また、吸収性加熱接着
層がカチオン樹脂を含有する実施例2〜7は、実施例1
に比較して吸収性加熱接着層に印字した際の画像の発色
が良好となり好ましい。一方、加熱接着層が均一皮膜を
形成している比較例1、2では、シートの柔軟性、加熱
接着性に優れるものの、プリンター搬送性に劣り、さら
には加熱接着層のインク吸収性が全くないため、シート
両面に印字して使用することはできない。吸収性加熱接
着層の代わりに吸収性はあるが加熱接着性のない有機顔
料を用いた比較例3では、プリンター搬送性、インク吸
収性に優れるが、加熱接着性がなくガラス等の被着体に
貼付するような使い方はできない。支持体に紙を用いた
比較例4、5ではシートに柔軟性がなく布風の独特の風
合いが得られない。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、布風な独特な風合いを
持ちながら、プリンターの給紙性・搬送性に優れ、加熱
により各種被着体に貼付可能なインクジェット記録シー
トとすることが可能となる。さらに本構成のシートは、
吸収性加熱接着層側もインク吸収性を有しているためシ
ートの両面ともにインクジェット記録可能であり、ガラ
ス等の透明な被着体あるいは布等の不透明な被着体に貼
付することで、該シートの両面で異なる情報を提供可能
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の面にインク受理層を設
    けてなるインクジェット記録シートにおいて、該支持体
    が布帛であり、かつ支持体のインク受理層とは反対面に
    吸収性加熱接着層を設けたことを特徴とするインクジェ
    ット記録シート。
  2. 【請求項2】 該吸収性加熱接着層が粒径1μm以上2
    0μm以下の有機顔料を主成分とする請求項1記載のイ
    ンクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 該吸収性加熱接着層がカチオン樹脂を含
    有する請求項1または2記載のインクジェット記録シー
    ト。
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