JP2004243757A - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Hiromine Yamamoto
寛峰 山本
Takami Haruta
貴美 治田
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Abstract

【課題】 インクジェット記録方式による印画適性及びオフセット印刷適性に優れると共に、特に、オフセット印刷部へインクジェット記録方式により印画した場合のにじみ防止性、乾燥性及びギラつき防止性を同時に満足させたインクジェット記録用シートを提供すること。
【解決手段】 基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(a)シリカ、(b)結着剤、(c)水和アルミニウム酸化物、(d)ポリアリルアミンを含有し、固形分重量において結着剤の含有量を1としたときのシリカの含有量が1.6から2.5の範囲にあり、シリカのうち70重量%以上がコールターカウンター法による平均粒子径が6〜16μmであることを特徴とするインクジェット記録用シートとする。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用シートに関し、さらに詳しくは、特に、オフセット印刷にも使用できるインクジェット記録用シートに関するものである。
印画方式の一つとして、インクジェット記録方式は、高画質のフルカラー画像が容易に得られること、高速化が容易なこと、ランニングコストが低いこと等の利点により、コンピュータ、ビデオなどのハードコピー、カラー複写機等、多岐にわたる分野で急速に普及しつつある。
一方、オフセット印刷方式は、多色印刷、大量印刷、印刷スピードの優位性等の理由で、現在も汎用されている印刷システムである。
近年、OA化、デジタル化に伴って、固定情報をオフセット印刷方式で予め印刷し、その後に可変情報のみをインクジェット方式で印刷できる、すなわち両方式に対応できる記録用シートが要望されてきている。
例えば、広告物において、基本的なフォームをオフセット印刷によって多量に印刷しておき、そこへ、季節や地域ごとに異なる商品の広告を印画する様な場合である。商品の広告の方は、多様であり、個々は少部数であるので、インクジェット記録方式が適する。そのため、すでにオフセット印刷が可能なインクジェット記録用シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、これらは、オフセット印刷とインクジェット記録方式による印画を、シートの別の部分に施す際には問題がなくとも、オフセット印刷によって印刷された部分にインクジェット記録方式による印画を行った場合、次のような問題が生じる。
すなわち、画像ににじみが生じる、画像にギラつきが生じる、インクの吸収が遅いために乾燥が遅く、画像が流れたり裏移りしたりする等である。ここで言うギラつきとは、画像にギラギラと光る光沢が生じる現象で、インクが充分に吸収されず、表面に過剰に残ってしまうことによると推測される。
そこで、オフセット印刷が可能であり、インクジェット記録方式による印画も可能であると共に、更に、オフセット印刷を施した後、その印刷部にインクジェット記録方式によって印画することも可能なインクジェット記録用シートの開発が望まれている。
特開2001−301316号公報(第1頁)
本発明は、このような状況で、インクジェット記録方式による印画適性及びオフセット印刷適性に優れると共に、特に、オフセット印刷部へインクジェット記録方式により印画した場合のにじみ防止性、乾燥性及びギラつき防止性を同時に満足させたインクジェット記録用シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の優れた機能を有するインクジェット記録用シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、インク受理層に、シリカ、結着剤、水和アルミニウム化合物及びポリアリルアミンを含有させることで、前記目的に適合し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の、オフセット印刷にも使用でき、更に、オフセット印刷部へインクジェット記録方式により印画可能なインクジェット記録用シートを提供するものである。
[1] 基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(a)シリカ、(b)結着剤、(c)水和アルミニウム酸化物及び(d)ポリアリルアミンを含有し、固形分重量において結着剤の含有量を1としたときのシリカの含有量が1.6から2.5の範囲にあり、シリカのうち70重量%以上がコールターカウンター法による平均粒子径が6〜16μmであることを特徴とするインクジェット記録用シート。
[2] (b)結着剤として、シラノール変性ポリビニルアルコールを含有する[1]記載のインクジェット記録用シート。
[3] インク受理層にさらに(e)ポリジアリルアミンを含有する[1]又は[2]記載のインクジェット記録用シート。
[4] (d)ポリアリルアミンと(e)ポリジアリルアミンを、(d)+(e)の合計として、インク受理層全固形分中の含有量に対して3〜8重量%含有する[3]記載のインクジェット記録用シート。
[5] 基材が吸水性を有し、インク受理層が固形分重量で5〜15g/mであ
る[1]〜[4]いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
[6] 基材がプラスチックフィルムであって、インク受理層が、さらに水溶性アルミニウム塩を含有する[1]〜[4]いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
[7] オフセット印刷を施した後、その印刷部にインクジェット記録方式によって印画可能な[1]〜[6]いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
本発明によれば、シリカ、結着剤、添加剤として水和アルミニウム酸化物及びポリアリルアミンをインク受理層に含有させるという構成により、インクジェット記録方式による印画適性及びオフセット印刷適性に優れ、特に、オフセット印刷部へインクジェット記録方式により印画した場合のにじみ防止性、乾燥性及びギラつき防止性を同時に満足させたインクジェット記録用シートを得ることができる。
先ず、本発明のインクジェット記録用シートは、基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(a)シリカ、(b)結着剤、(c)水和アルミニウム酸化物及び(d)ポリアリルアミンを含有し、固形分重量において結着剤の含有量を1としたときのシリカの含有量が1.6から2.5の範囲にあり、シリカのうち70重量%以上がコールターカウンター法による平均粒子径が6〜16μmであることを特徴とする。
本発明においては、基材は、シート状のものであればよく、特に限定されるものではない。紙、プラスチックフィルム、不織布等の、従来この種の目的に使用されていたもののいずれもが使用可能であるが、吸水性のある基材が特に好適である。吸水性のある基材としては、紙、布、不織布等が挙げられる。
一方、基材としてプラスチックフィルムを用いた場合は、コックリング(波打ちやシワ)の防止性能、基材の強度と耐水性を向上することができる。
また、プラスチックフィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂、あるいは、炭酸カルシウム等の無機粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたもの等から選択することが可能である。
さらに、生分解性プラスチックのフィルムを使用することもできる。本発明における生分解性プラスチックとは、燃焼エネルギーが低く、有毒ガスが発生せず、自然環境中の微生物に代謝され最終的に水と二酸化炭素に分解されて、かつ大気雰囲気中で実用上問題のない耐久性を持つ生分解性プラスチックであり、特に限定されないが、好適に用いられるものとしては、ポリ乳酸、デンプン/変性PVA混合体、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体等が挙げられる。特に、分解の早さと強度の点から、ポリ乳酸が好適である。また、必要に応じ、生分解性を損なわない範囲で強度向上等の目的で他のプラスチックを添加することもできる。
さらにまた、発泡プラスチックフィルムを使用してもよい。ここで、発泡プラスチックとは、フィルムの表面や内部に亀裂や欠所、或いは、細かな気泡や空洞などを有するプラスチックフィルムをいうが、これらの気泡や空洞などは、炭酸カルシウム等の無機粉末を含有したフィルムを延伸して無機粉末の周囲に発生させたり(ミクロボイドフィルム)、発泡剤を含有させて発泡させたりして形成したものなど、その名称や形成方法或いは気泡や空洞の生成形態は問わない。
なお、ここでいうプラスチックフィルムには、合成紙と称されるものも含まれる。
基材は、単層構造でも多層構造でもよく、多層構造を形成する方法としては、例えば、接着剤を介して層同士を貼り合せる方法、複数の押し出し機から複数の原料を押し出し合流させて製膜する、いわゆる共押出方法、フィルムの上に押出機から直接フィルムを押し出しながら貼り合わせて積層するいわゆる押し出しラミネート方法など、公知の方法の何れで形成したものも用いることができる。
基材には、インク受理層等との密着性や濡れ性を向上させるなどの目的で、所望により、基材の片面または両面に、酸化法や凹凸法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、熱風処理、などが挙げられ、また、凹凸法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から好ましく用いられる。また、易接着処理を施すこともできる。
本発明においてインク受理層の填料としては、(a)成分としてシリカを使用することは必須であるが、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、他の填料を混合して用いてもよい。
この場合、使用できる填料は、有機、無機の制限はなく、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、けいそう土、水酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリン、含水マグネシウムシリケートなどが挙げられる。これらは単独、又は混合して使用できる。なお、填料中の(a)成分の量は90重量%以上であることが好ましい。
本発明に用いられる(a)成分の含有量は、固形分重量において結着材の含有量を1としたときの1.6〜2.5の範囲にあることが必要である。1.6未満だとインクジェット記録方式によって印画した場合のにじみ防止性及びインク吸収性が低下しやすく、またオフセット印刷の際のインクのセット性が低下しやすい。また、2.5を超えるとオフセット印刷によるインク受理層の剥がれが発生したり、インクの乗りが悪くなると共に、オフセット印刷部へインクジェット記録方式によって印画した場合、印画部の輪郭のにじみが発生する可能性がある。1.8〜2.2の範囲が特に好ましい。
また、(a)成分全体のコールターカウンター法により測定された平均粒子径を、好ましくは6〜16μm、より好ましくは9〜15μmの範囲にするとよい。平均粒子径が6μm未満では、オフセット印刷部へインクジェット記録方式によって印画した場合、印画部の輪郭のにじみが発生したり、印画後の乾燥性及びギラつき防止性が、顔料タイプ及び染料タイプのインク共に低下する可能性がある。逆に平均粒子径が16μmを超えた場合はインクジェットインクの裏抜けの問題が発生しやすくなり、また、オフセット印刷部へインクジェット記録方式によって印画した場合、インク吸収性が不均一となり、濃度ムラが生じやすくなる。
上記(a)成分の平均粒径数値範囲の中でも、特に、(a)成分の70重量%以上の粒子のコールターカウンター法により測定された平均粒子径を6〜16μmの範囲にする、さらには80%重量以上の粒子のコールターカウンター法により測定された平均粒子径9〜15μmの範囲にすると、オフセット印刷部へインクジェット記録方式によって印画した場合のにじみ防止性や印画後の乾燥性などをより向上させることができる。
ここで、前記平均粒子径は、コールターカウンター法によって得られた累積粒度曲線の体積分立が50%の点に相当する粒子径より求めた平均二次粒子径である。
また、(a)成分は、ゲル法で製造されたものが好ましい。
(a)成分のインク受理層全固形分中の含有量は、50〜70重量%が好ましい。50重量%未満だと、白紙又はオフセット印刷した紙に対するインクジェットインクの吸収性が低下することがあり、70重量%を超えると、インク受理層の表面強度が低下し、オフセット印刷の際、紙剥けが発生することがある。なお、より好ましい(a)成分の範囲は55〜65重量%である。
本発明で用いられるインク受理層には、(b)成分として、結着剤が必須成分として用いられる。
使用できる(b)成分としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ゼラチン、ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、アクリル重合体、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、バーサチック酸ビニルの単独又は共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、などが挙げられる。
これらの(b)成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる特に好ましい(b)成分として、シラノール変性ポリビニルアルコールが挙げられる。すなわち、シラノール変性ポリビニルアルコールを用いると、インク受理層の強度がより向上し、オフセット印刷の際、紙剥け等のトラブルが発生しにくくなるため好適である。これは、シラノール変性ポリビニルアルコールが、填料、特にシリカと強固に結合するからであると推定される。
また、(b)成分のインク受理層全固形分に対する含有量は、23〜40重量
%が好ましい。(b)成分の含有量が23重量%未満だと、インク受理層の表面強度が低下し、オフセット印刷の際、紙剥けが発生することがあり、40重量%を超えると、白紙又はオフセット印刷した紙に対するインクジェットインクの吸収性が低下することがある。なお、より好ましい(b)成分の範囲は26〜33重量%である。
次に、本発明において、インク受理層に含有させる添加剤として(c)成分である、水和アルミニウム酸化物が必須成分として加えられる。(c)成分は、画像濃度、画像の耐水性、インク受理層の強度を向上させる効果を有するものである。
水和アルミニウム酸化物の形状には繊維状、板状、棒状、羽毛状があり、結晶形としては擬ベーマイトであるものが好ましい。このような水和アルミニウム酸化物は、公知の任意の方法、例えば、特公昭35−6977号公報、特公昭37−7750号公報などに記載されている方法で製造することができる。
(c)成分のインク受理層全固形分中の含有量は、1〜10重量%が好ましい。(c)成分の含有量が1重量%未満だと、インク受理層の表面強度が低下し、オフセット印刷の際、紙剥けが発生することがあり、10重量%を超えると、カールが発生することがある。なお、より好ましい(c)成分の範囲は2〜5重量%である。
さらに、任意成分として水溶性アルミニウム塩を添加することができる。これにより、基材としてプラスチックフィルムを用いた場合のインクジェット記録方式による印画適性が向上する。特に、水性顔料インクによる印画の発色性が向上する。
水溶性アルミニウム塩としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウム及びその類似物のようなアルミニウム塩があり、特に発色性の面から塩基性乳酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウムが好適である。
水溶性アルミニウム塩の添加量としては、インク受理層に対する固形分重量比で、0.5〜8重量%であることが好ましい。
さらに、本発明において、インク受理層に含有させる添加剤として、(d)成分としてポリアリルアミンが必須成分として加えられる。
(d)成分であるポリアリルアミンには、さらに(e)成分としてポリジアリルアミンを併用することができる。(d)成分(ポリアリルアミン)と(e)成分(ポリジアリルアミン)を混合物として用いると耐光性が向上するのでより好ましい。(d)成分と(e)成分の量比は1/9〜9/1の範囲が好ましく、(d)成分と(e)成分の合計のインク受理層全固形分中の含有量は、3〜8重量%が好ましい。(d)(e)成分合計の含有量が3重量%未満だと、インクジェットインクに対するにじみ防止性が低下することがあり、8重量%を超えると、オフセット印刷の際に版汚れが発生することがある。なお、より好ましい(d)(e)成分の合計量の範囲は4〜7重量%である。
なお、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミンとしては、それぞれ水溶性の、ポリアリルアミン塩、ポリジアリルアミン塩の形態が、取扱い易い。
さらに、インク受理層には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防腐剤、顔料分散剤、増粘剤などを添加してもよい。
インク受理層の好ましい固形分の重量(乾燥後)は、基材として吸水性を有するものを用いる場合は(例えば、紙、布、不織布等)、5〜15g/m2、特に6〜14g/m2であることが好ましい。固形分の重量が5g/m2未満であるとインクジェットインクに対するにじみ防止性が低下することがあり、逆に15g/m2を超えると、インク受理層の強度が低下し、オフセット印刷の際に紙剥けが発生することがある。
また、基材として吸水性を有さないもの(例えば、プラスチックフィルム等)
を用いる場合は、インク受理層の好ましい固形分重量(乾燥後)は、13〜20g/m2の範囲である。
本発明のインクジェット記録用シートは、インク受理層を少なくとも1層有するものであり、基材の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。また、ひび割れ防止の目的等により、基材の1つの面に2層以上設けてもよい。
また、本発明のインク受理層を有する面の反対側に、他のインク受理層を設ける等、本発明のインク受理層以外のインク受理層を設けてもよい。
さらに、インク受理層以外の層も設けてもよい。
例えば、インク受理層と基材の中間に、密着力を向上させる目的でアンカーコート層を設けてもよく、インクの溶剤の吸収を補助する層を設けてもよい。また、隠蔽性を向上させる目的で、不透明度が高い層を設けてもよく、紫外線吸収層を設けてもよい。またさらに、カール防止のための層を設けてもよい。
かかる本発明のインクジェット記録用シートのインク受理層は、次のようにして形成することができる。
インク受理層、アンカーコート層などは、必要な成分を分散させたり、溶解させた塗工液を塗工して乾燥させることなどによって形成することができ、塗工は、リバースロールコート、エアナイフコート、グラビアコート、ブレードコート等の従来公知の種々の方法を用いることが可能である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、インクジェット記録用シートの性能は、以下に示す方法に従って評価した。
1.オフセット印刷適性試験
1−a:オフセット印刷適性(IGT)
熊谷理機工業社製のIGTテスターを用い、インクとして、東洋インキ製造社製の No.20「ブラック」を用い、張力:B、印圧:50kg/cmで紙剥けの様子を観察し、下記の評価基準で評価した。
○・・・インク受理層が全く剥がれない
×・・・インク受理層が剥がれ、実用上支障有り
1−b:オフセット印刷適性(RI)
石川島産業社製のRIテスターを用い、インクとして、大日本インキ化学工業社製、商品名「Values−G N 23V0711:藍」を用い、インクもり量:0.2gでベタ印刷を行ない、インクののり具合を観察し、下記の評価基準で評価した。
◎・・・インクののりが、均一
○・・・インクののりが若干不均一であるが、実用上支障無し
×・・・インクののりが不均一で、実用上支障有り
2.インクジェット記録方式による印画適性試験
2−1:滴下時の画像の耐水性
2−1−a:顔料タイプ
プリンター:セイコーエプソン社製の顔料タイプのインクジェットプリンター(機種名MC9000)
インク:純正の顔料タイプのインク
設定:「MC厚手マット紙モード 推奨設定 きれい」
使用した色:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
印画した画像:単色ベタ印画
印画終了5分後に印画部にスポイトで蒸留水を1滴たらし、蒸留水が完全に吸収されたときのインク流出の度合いを目視し、下記の評価基準で評価した。
◎・・・流出なし
○・・・流出が若干発生したが、実用上支障無し
△・・・流出が発生し、実用上支障有り
×・・・流出の発生が多く、実用上支障有り
2−1−b:染料タイプ
プリンター:セイコーエプソン社製の染料タイプのインクジェットプリンター(機種名PM9000C)
インク:純正の染料タイプのインク
設定:「スーパーファイン専用紙モード 推奨設定」
使用した色:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
印画した画像:単色ベタ印画
上記の2−1−a項と同様に試験及び評価をした。
3.オフセット印刷部へのインクジェット記録方式による印画適性試験
3−1:にじみの防止性
3−1−a:顔料タイプ
上記1−b項のオフセット印刷適性(RI)の試験において行なったベタ印刷の印刷部分に、上記のインクジェット記録方式による印画適性試験(滴下時の画像の耐水性)2−1−a項の顔料タイプの印画と同様の印画を行い、印画部の輪郭のにじみの状態を目視し、下記の判定基準で評価した。
◎・・・にじみなし
○・・・にじみが若干発生したが、実用上支障無し
△・・・にじみが発生し、実用上支障有り
×・・・にじみが多く発生し、実用上支障有り
3−1−b:染料タイプ
上記の顔料タイプの試験、評価において、印画を上記のインクジェット記録方式による印画適性試験(滴下時の画像の耐水性)2−1−b項の染料タイプの印画と同様のものにした以外は、同様にして、試験、評価した。
3−2:乾燥性
3−2−a:顔料タイプ
上記の印刷部への印画(にじみの防止性)3−1−a項の顔料タイプの試験と同様に、印刷、印画を行なった。印画後、1分間放置した後、印画部にPPC用紙を当て、その上で幅4cm、重量2kgのローラを2往復させて圧力を加え、画像の転写の度合いを目視で観察した。
◎・・・転写なし
○・・・転写が若干発生したが、実用上支障無し
△・・・転写が発生し、実用上支障有り
×・・・転写の発生が多く、実用上支障有り
3−2−b:染料タイプ
上記の顔料タイプの試験、評価において、印画を上記2項のインクジェット記録方式による適性試験(滴下時の画像の耐水性)2−1−b項の染料タイプの印画と同様のものにした以外は、同様にして、試験、評価した。
3−3:ギラつき防止性
3−3−a:顔料タイプ
上記の印刷部への印画(にじみの防止性)3−1−a項の顔料タイプの試験と同様に、印刷、印画を行なった。印画後、1時間放置した後、ギラつきの状態を、目視で観察した。
○・・・ギラつきが、全く発生していないか、または殆ど発生していない。
×・・・ギラつきが目立つ。
3−3−b:染料タイプ
上記の顔料タイプの試験、評価において、印画を上記2項のインクジェット記録方式による適性試験(滴下時の画像の耐水性)2−1−b項の染料タイプの印画と同様のものにした以外は、同様にして、試験、評価した。
実施例1
基材として、上質紙[日清紡績社製、商品名「ピーチケント」4/6T〈110〉]を用いた。
また、インク受理層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
1)填料としてのシリカ[ウイルバー・エリス社販売、商品名「ガシル HP395(GASIL HP395)」、固形分濃度100重量%、平均粒子径12.5μm、]17.8重量部
2)結着剤としてのシラノール変性ポリビニルアルコール[クラレ社製、商品名「クラレRポリマー R−1130」、固形分濃度100重量%、]8.9重量部
3)添加剤としての水和アルミニウム酸化物[日産化学工業社製、商品名「アルミナゾル200」、固形分濃度10重量%、]12.0重量部
4)添加剤としての、ポリジアリルアミンとポリアリルアミンの混合物[日華化学社製、商品名「ネオフィックスRX−100」、固形分濃度19重量%、ポリジアリルアミン塩とポリアリルアミン塩との混合水溶液]9.9重量部
5)消泡剤[サンノプコ社製、商品名「SNデフォーマー480」、固形分濃度100重量%、]0.3重量部
6)水150.0重量部
基材の一方の面に、インク受理層用塗工液を乾燥後の重量で10.0g/m
なるように塗工し、乾燥処理することにより、インク受理層を設けインクジェット記録用シートを作製した。
実施例2
実施例1におけるインク受理層用塗工液の、シリカ[ウイルバー・エリス社販売、商品名「ガシル HP395(GASIL HP395)」、固形分濃度100重量%、平均粒子径12.5μm]17.8重量部を、16.0重量部に変更した。また、シリカ[富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア440」、固形分濃度100重量%、平均粒子径3.5μm]1.8重量部を加えた。それ以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
実施例3
基材として、厚さ80μmの白色の発泡ポリプロピレンフィルム[チッソ社製、商品名「カルレTNR80」]を用いた。
アンカーコート層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(a)アクリル樹脂[BASFディスパージョン社製、商品名「アクロナールYJ−6221D」、固形分濃度49重量%、アニオン性]60重量部
(b)炭酸カルシウム[白石中央研究所社製、商品名「カルライトSA」、固形分濃度100重量%、アラゴナイト質]10重量部
(c)水30重量部
また、インク受理層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
1)填料としてのシリカ[ウイルバー・エリス社販売、商品名「ガシル HP395(GASIL HP395)」、固形分濃度100重量%、平均粒子径12.5μm]20.6重量部
2)結着剤としてのシラノール変性ポリビニルアルコール[クラレ社製、商品名「クラレRポリマーR−1130」、固形分濃度100重量%]10.3重量部
3)添加剤としての水和アルミニウム酸化物[日産化学工業社製、商品名「アルミナゾル200」、固形分濃度10重量%]13.9重量%
4)添加剤としてのポリジアリルアミンとポリアリルアミンの混合物[日華化学社製、商品名「ネオフィックスRX−100」、固形分濃度19重量%、ポリジアリルアミン塩とポリアリルアミン塩との混合水溶液]12.23重量部
5)消泡剤[サンノプコ社製、商品名「SNデフォーマー480」、固形分濃度100重量%]0.35重量部
6)水溶性アルミニウム塩[多木化学社製、商品名「タキセラムM−160L」、固形分濃度25重量%、塩基性乳酸アルミニウム]2.0重量部
7)界面活性剤[日信化学工業社製、商品名「オルフィン STG」固形分濃度85重量%]0.45重量部
8)水161.4重量部
基材の一方の面に、アンカーコート層用塗工液を乾燥後の重量で9g/m2になるように塗工し、乾燥処理後、このアンカーコート層上にインク受理層用塗工液を乾燥後の重量で16.2g/m2になるように塗工し、乾燥処理することにより、インク受理層を設けインクジェット記録用シートを作成した。
比較例1
実施例1におけるインク受理層用塗工液から、水和アルミニウム酸化物を除いた。それ以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
比較例2
実施例1におけるインク受理層用塗工液の、シリカ[ウイルバー・エリス社販売、商品名「ガシル HP395(GASIL HP395)」、固形分濃度100重量%、平均粒子径12.5μm]17.8重量部を、25.0重量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
比較例3
実施例1におけるインク受理層用塗工液の、シリカ[ウイルバー・エリス社販売、商品名「ガシルHP395(GASIL HP395)」、固形分濃度100重量%、平均粒子径12.5μm]17.8重量部を、シリカ[富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア440」、固形分濃度100重量%、平均粒子径3.5μm]17.8重量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
比較例4
実施例1におけるインク受理層用塗工液の、ポリジアリルアミンとポリアリルアミンの混合物[日華化学社製、商品名「ネオフィックスRX−100」固形分濃度19重量%]9.9重量部を、ジシアンジアミド縮合物[日華化学社製、商品名「ネオフィックスE−117」、固形分濃度50重量%]3.6重量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
上記実施例1〜2及び比較例1〜4で得られたインクジェット記録用シートそれぞれについて、オフセット印刷適性、インクジェット方式による印画適性及びオフセット印刷部へのインクジェット記録方式による印画適性を評価した結果を第1表に示す。
Figure 2004243757

Claims (7)

  1. 基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(a)シリカ、(b)結着剤、(c)水和アルミニウム酸化物及び(d)ポリアリルアミンを含有し、固形分重量において結着剤の含有量を1としたときのシリカの含有量が1.6から2.5の範囲にあり、シリカのうち70重量%以上がコールターカウンター法による平均粒子径が6〜16μmであることを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. (b)結着剤として、シラノール変性ポリビニルアルコールを含有する請求項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. インク受理層にさらに(e)ポリジアリルアミンを含有する請求項1又は2記載のインクジェット記録用シート。
  4. (d)ポリアリルアミンと(e)ポリジアリルアミンを、(d)+(e)の合計として、インク受理層全固形分中の含有量に対して3〜8重量%含有する請求項3記載のインクジェット記録用シート。
  5. 基材が吸水性を有し、インク受理層が固形分重量で5〜15g/mである請求項1〜4いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  6. 基材がプラスチックフィルムであって、インク受理層が、さらに水溶性アルミニウム塩を含有する請求項1〜4いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  7. オフセット印刷を施した後、その印刷部にインクジェット記録方式によって印画可能な請求項1〜6いずれかに記載のインクジェット記録用シート。

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