JP4347245B2 - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録用シートに関し、さらに詳しくは、優れた画像品質を維持しながら、画像の反射濃度および印画部の強度に優れるバックプリントタイプのインクジェット記録用シートに関するものである。
印画方式の一つとして、インクジェット記録方式は、高画質のフルカラー画像が容易に得られること、高速化が容易なこと、ランニングコストが低いこと等の利点により、コンピュータ用プリンター、カラー複写機等、多岐にわたる分野で急速に普及しつつある。また、その記録用シートとして、光透過性を有する基材に、インクを受理したり吸収したりする層を設けた、バックプリントタイプのインクジェット記録用シートが用いられている。
バックプリントとは、記録が行われたインク受理層とは反対の面(基材側)から画像を観察するものである。このバックプリントタイプのインクジェット記録用シートにおいても、通常のインクジェット記録用シートと同様、インク受理層と基材との密着の強さが重要である。インク受理層と基材との密着が弱いと、使用中に剥離が生じる等の問題が発生する。
そこで、インク受理層との密着性が高い基材を用いることが考えられるが、バックプリントタイプのインクジェット記録用シートにおいては、基材に透明性が要求されるという制約があり、選択できる基材の範囲が狭い。従って、インク受理層における基材との密着性を高めるべく調整する必要があるが、インク受理層において、基材との密着性と画像品質を両立させるのは困難である。
このためインク受理層を2層にし、基材に接する層は基材との密着性を重視した組成とし、基材と接しない層は画像品質の調整を重視した組成とする方法が用いられている。
このようにインク受理層を2層にしたバックプリントタイプのインクジェット記録用シートに印画した場合、インクは2層の中の様々な位置で定着し、基材にまで達する液滴は少ない。従って、少なくとも、基材側から観察した場合、2層のインク受理層のうち、基材に近い方の層を通して見ることになる。そのため、基材に近い層の透明性が高くないと、画像の反射濃度が小さくなってしまうという問題がある。また、製造工程において、基材に近い層を、塗工等の方法によって設けた後、いったん巻き取る場合があるが、その際に該層と基材とのブロッキングが生じるという問題がある。
上記の問題を解決する方法として、透明性を有する基材上に、ポリプロピレンなどの、高分子粒子を含有するインク受理層(A)とその他のインク受理層(B)とが設けられ、且つインク受理層(B)はインク受理層(A)の基材とは反対の側に位置させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の方法によれば、これら高分子粒子は粒子状であるために、粒子の周囲に空隙を生じさせ、この空隙がインクを適度に浸透させる機能とインクの吸収容量を増大させる機能を持つ、また、当該高分子粒子はインクに対する濡れ性が良いため、インクを該粒子の表面にとどめることなく、空隙に浸透させる機能を持つ。
しかしながら、この方法では、画像の反射濃度が不十分であり、また、印画部の強度も不足する。すなわち、インクジェット記録用シートに対して、適度な画像濃度、画像がにじまないこと、表面強度などの印画品質が要求されるが、バックプリントタイプの場合は、このような画像品質に関する点に関し、基材側から見た場合に良好であることが要求され、それに対して十分なものが得ることができないのが現状である。
特開2003−25713号公報
本発明は、以上のような状況下で、従来のインクジェット記録用シートに基本的に要求される画像品質を維持しながら、画像の反射濃度および印画部の強度に優れるバックプリントタイプのインクジェット記録用シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、バックプリントタイプのインクジェット記録用シートにおいて、インク受理層を2層の積層とし、基材に近いインク受理層が真球状無機填料を含み、かつ他方の層に比べ結着剤をより多く含むようにすることにより、インクジェット記録用シートに基本的に要求される画像品質を維持しながら、画像の反射濃度および印画部の強度に優れるインクジェット記録用シートが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下のインクジェット記録用シートを提供するものである。
(1) 光透過性の基材Aの片面にインク受理層Bを設け、インク受理層面側からインクを吸収、定着させ、基材面側から鑑賞するインクジェット記録用シートにおいて、
(i)インク受理層Bが層B1および層B2からなり、A/B1/B2の順に構成され、
(ii)層B1中の固形分含有量として2次粒子が真球状であるシリカを2〜10質量%含み、
(iii)層B2が結着剤としてポリビニルアルコールを含有する層であり、かつ
(iv)層B1中の固形分含有量に対する結着剤の固形分含有量が80〜98質量%で、層B2中の固形分含有量に対する結着剤の固形分含有量が10〜60質量%であり、層B1の結着剤の固形分含有割合が層B2の結着剤の固形分含有割合より高いことを特徴とするインクジェット記録用シート。
(2) 層B1の厚さが1〜10μmであり、層B2の厚さが10〜45μmである(1)のインクジェット記録用シート。
本発明では、バックプリントタイプのインクジェット記録用シートにおいて、インク受理層を2層の積層とし、基材に近いインク受理層が真球状無機填料を含み、かつ他方の層に比べ結着剤をより多く含むようにすることにより、インクジェット記録用シートに基本的に要求される画像濃度、画像がにじまないこと、インク受理層の強度、インク吸収性、色の鮮明さなどを維持しながら、画像の反射濃度および印画部の強度に優れるインクジェット記録用シートが得られる。
本発明のインクジェット記録用シートにおいて、基材は、光透過性を有するシート状のものであればよく、特に限定されるものではない。プラスチックフィルム等を用いることができる。本発明において光透過性とは、基材側から画像を鑑賞できる程度の光透過性であり、基材が完全に透明である必要はない。光透過性を有すれば、紙、不織布等の種々のものも使用可能である。該基材の光透過性は、一般的に透明プラスチックフィルムとして販売されているものと同程度のものが好ましい。しかし、目的により、それよりも光透過性が小さいものも使用可能である。
プラスチックフィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂のフィルム等を用いることができる。また、光透過性を有すれば、炭酸カルシウム等の無機粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたものを用いることができる。
プラスチックフィルムの素材として生分解性プラスチックを用いることもできる。本発明において、生分解性プラスチックとは、自然環境中の微生物に分解されて、かつ大気雰囲気中で実用上問題のない耐久性を持つ生分解性プラスチックであり、特に限定されないが、好適に用いられるものとしては、ポリ乳酸、デンプン+変性ポリビニルアルコール混合体、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体等が挙げられる。特に、分解の早さと強度の点から、ポリ乳酸が好適である。また、必要に応じ、生分解性を損なわない範囲で強度向上等の目的で他のプラスチックを添加することもできる。
なお、光透過性を有すれば、発泡プラスチックフィルムを用いることもできる。ここで、発泡プラスチックフィルムとは、フィルムの内部に細かな気泡や空洞などを有するプラスチックフィルムをいうが、これらの気泡や空洞などは、炭酸カルシウム等の無機粉末を含有したフィルムを延伸して無機粉末の周囲に発生させたり(ミクロボイドフィルム)、発泡剤を含有させて発泡させたりして形成したものなど、その名称や形成方法或いは気泡や空洞の生成形態は問わない。また、このプラスチックフィルムには、合成紙と称されるものも含まれる。
基材としては、光透過性を得やすい点から、プラスチックフィルムが好ましく、強度、耐熱性、経済性の面から、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
基材は、単層構造でも多層構造でもよい。多層構造を形成する方法としては、例えば、接着剤を介して層同士を貼り合せる方法、複数の押し出し機から複数の原料を押し出し合流させて製膜する、いわゆる共押出方法、フィルムの上に押出機から直接フィルムを押し出しながら貼り合わせて積層するいわゆる押し出しラミネート方法など、何れの公知方法を用いることができる。
基材のインク受理層を設ける面には、インク受理層等との密着性や濡れ性を向上させるなどの目的で、所望により、酸化法や凹凸法などにより表面処理を施すことができる。上記の酸化法としては、例えばコロナ放電処理、熱風処理などが挙げられ、また、凹凸法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から好ましく用いられる。また、基材とインク受理層とに接するアンカーコート層を設ける、いわゆる易接着処理を施すこともできる。
本発明のインクジェット記録用シートにおけるインク受理層は、層B1と層B2から構成される。これらのインク受理層は、填料、結着剤及びその他の添加剤によりなり、層B1が基材の近くに位置する層である。
本発明においては、層B1に真球状無機填料を用いる。この真球状無機填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン等を用いることができる。特に、シリカを用いると印画部の強度が向上するので好適に用いられる。本発明において、真球状シリカとは、2次粒子が真球状であるシリカのことをいう。真球状無機填料は、層B1中の固形分含有量として2〜10質量%の範囲であることが好ましい。2質量%以上とすることにより、画像の反射濃度がより向上する。また、層B1を形成した後、層B2を形成する前にいったん巻き取る際に、ブロッキングを防止する効果が向上する。層B1中の真球状無機填料を10質量%以下とすることにより、層B1の強度が向上する。
本発明において、層B1の填料は、真球状無機填料のみを用いればよいが、目的により、本発明の効果を損なわない範囲で、他の填料を混合してもよい。その際に用いる填料としては、有機、無機の制限はなく、けいそう土、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリン、含水マグネシウムシリケート等を用いることができる。
但し、真球状無機填料以外の填料は全填料中10質量%以下とすることが好ましい。また、填料は層B1中の固形分含有量として2〜10質量%の範囲であることが好ましい。2質量%以上とすることにより、インク吸収性が優れたものとなる。また、10質量%以下とすることにより、インク受理層の強度が優れたものとなる。
層B1の結着剤(バインダー)としては、アクリル、ウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ゼラチン、ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、バーサチック酸ビニル、これらの共重合物、SBR、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびこれらの共重合物などが用いられる。これらの中で、アクリル、ウレタンおよびSBRが好適に用いられる。
結着剤の層B1中の固形分含有割合は層B2よりも高くすることの必要があるが、固形分含有量として80〜98質量%の範囲であることが好ましい。98質量%以下であることにより、インク吸収性が優れたものとなる。また、80質量%以上であることにより、インク受理層の強度が優れたものとなる。
本発明において、層B1における添加剤として、層B1にカチオン性樹脂を含有させると、画像濃度が向上するので好適である。特に、染料タイプのインクで印画した場合に、画像濃度が大きく向上する。
使用可能なカチオン性樹脂としては、インクジェット用の染料あるいは着色顔料のスルフォン基、カルボキシル基などと反応して水不溶性塩を形成する各種樹脂類、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩などを含有するカチオン性樹脂類が挙げられる。その具体例として、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアミン、モノアリルアミン塩酸塩の重合体、ジアリルアミン塩酸塩の重合体、モノアリルアミン塩酸塩−ジアリルアミン塩酸塩の共重合体、(メタ)アクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩の重合体、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物、2級アミン・エピクロルヒドリン付加重合物、ポリエポキシアミン、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩酸塩、アリルアミン−ジアリルアミン共重合体、(メタ)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、エピクロルヒドリンポリアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ジシアンジアミドポリエチレンアミンおよびポリジメチルアミンアンモニウムエピクロルヒドリンなどの化合物を挙げることができる。また、耐水性等を向上させる目的で、これらのカチオン性樹脂に、水溶性アルミニウム塩や水和アルミニウム酸化物を添加してもよい。
なお、層B1におけるその他の添加剤として、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防腐剤、顔料分散剤、増粘剤などの各種添加剤を含有させることができる。これらは、インク受理層形成用の塗工液に含有させて塗工することができる。
本発明において、層B1(乾燥後)の厚さは、1〜10μmとすることが好ましく、より好ましくは2〜6μm、更に好ましくは3〜5μmである。1μm以上とすることによりインク受理層の強度が優れたものとなり、10μm以下とすることにより、透明性が優れたものとなる。
本発明のインクジェット記録用シートにおけるインク受理層として、層B1よりも基材から遠くに位置する層B2の填料(フィラー)には、有機、無機の制限はなく、けいそう土、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリン、含水マグネシウムシリケートなどが用いられる。これらの中で、けいそう土および尿素ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
層B2における填料の含有量は、固形分含有量として40〜80質量%の範囲であることが好ましい。填料を80質量%以下とすることにより、インク受理層の強度が優れたものとなり、40質量%以上とすることにより、インク吸収性が優れたものとなる。
層B2の結着剤(バインダー)としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ゼラチン、ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、アクリル、ウレタン、塩素化ポリプロピレン、バーサチック酸ビニル、これらの共重合物、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴムおよびこれらの共重合物が挙げられる。これらの中で特にポリビニルアルコールを含有させると、インク吸収性と共に、印画部の強度が向上するので好ましく、アクリル系樹脂を併用するとより好ましい。
ポリエステルフィルム(基材)とポリビニルアルコール(層B2の結着剤)は密着性が低いが、本発明においては層B1が介在するため、その点が解決できる。特に、層B1の結着剤として、アクリル、ウレタン又はSBRを用いると、基材と層B1および層B1と層B2の双方の密着性に優れたものとなるので好適である。
層B2における結着剤の含有量は、固形分含有量として10〜60質量%の範囲であることが好ましい。60質量%以下であることにより、インク吸収性が優れたものとなり、10質量%以上であることにより、インク受理層の強度が優れたものとなる。
層B2にも、画像濃度、滲みの防止性能、発色を向上させる目的で、カチオン性樹脂を含有させてもよい。層B2に含有させるカチオン性樹脂には、層B1において記載したものと同様のカチオン性樹脂が用いられ、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防腐剤、顔料分散剤、増粘剤などの各種添加剤を含有させることができる。これらは、インク受理層形成用の塗工液に含有させて塗工することができる。
本発明において、層B2(乾燥後)の厚さは、10〜45μmとすることが好ましく、より好ましくは15〜30μm、更に好ましくは18〜22μmである。10μm以上とすることにより隠蔽性が優れたものとなり、45μm以下とすることにより、インクの透過性が優れたものとなる。
前述のように、本発明のインクジェット記録用シートは、光透過性の基材Aの片面にインク受理層Bを設け、インク受理層Bが層B1および層B2からなり、A/B1/B2の順に構成されるものであり、通常は、この基本的な構成によって、充分に優れた性能が得られるが、目的に応じて、他の層を加えてもよい。例えば、基材の層B1や層B2とは反対の面に、光沢を調整するための層を設けてもよい。また、基材と層B1の中間に、基材と層B1の密着強度を向上させるためのアンカーコート層を設けてもよい。なお、層B1、層B2以外の層を付加する場合は、透明度やインクの浸透性等に配慮することが必要である。
インク受理層は、必要な成分を分散させたり溶解させた塗工液を塗工して乾燥させることなどによって形成することができる。塗工は、リバースロールコート、エアナイフコート、グラビアコート、ブレードコート、コンマコート、ワイヤーバーコート等の従来公知の種々の方法を用いることが可能である。
本発明のインクジェット記録用シートに印画するために用いるインクは、特に限定されないが、特に、水性の顔料タイプを用いると、本発明の効果が顕著に発揮される。
次に本発明のインクジェット記録用シートを、図を用いて説明する。図1は本発明のバックプリントタイプのインクジェット記録用シートの構成を示す説明図である。
図1において、印画はインク受理層に対して行なうので、インクの噴射方向は図に示す通りに行われる。
一方、見る人(鑑賞者)は、図に示すように基材の側から見る。従って、基材が不透明であると、インクが見えないので画像を見ることができない。従って、基材がある程度光透過性を有することが、バックプリントタイプの前提である。
見るに際しては、透過光で見る場合と、反射光で見る場合がある。この際に、透過光で見る場合は、印画物(印画したインクジェット記録用シート)の向こう側(鑑賞者と反対側)に光源を置いて透過光を発生させるという掲示方法が多い。しかし、透明なガラス窓に貼ったりして、自然光を利用する場合も有る。また、反射光で見る場合としては、前記の光源の光を消して、その場に存在する通常の光で見る場合等がある。電飾装置にバックプリントタイプの印画物を装着し、夜間はその装置内の光源の光を利用して透過光で鑑賞する様にし、昼間は光源の光を消して、通常のポスターと同様に、自然光や通常の照明を反射光として鑑賞するという利用方法が、しばしば用いられる。
透過光で見た際の画像の濃度を透過濃度、反射光で見た際の画像の濃度を反射濃度と云うが、バックプリントタイプではいずれも重要である。本発明のように、印画適性を持つインク受理層が2層ある場合、通常、印画後に、インクは基材から遠い層(B2)にも、基材から近い層(B1)にも定着する。
次に本発明のインクジェット記録用シートは、上記のようなバックプリントタイプなので、フロントプリントタイプと比較し、画像を保護しやすく、基材の光沢により高級感が出る等の利点が有る。基材から近いインク受理層(B1)に真球状無機填料の含有割合の高い填料を用いることにより、画像の反射濃度がより向上し、画像濃度等に優れ、より高級感が得られる。また、基材から遠いインク受理層(B2)にポリビニルアルコールやアクリル系樹脂を含有させると印画部の強度がより向上し、優れた画像と強度を有するインクジェット記録用シートとなる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における性能評価において、印画には、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンター(機種名:PX7000)を使用し、水性顔料タイプの純正インクを使用し、プリンターの設定は、「用紙種類」:MCフォトスタンダード紙、「印刷品質」:フォト、「シアン」:+25%、「マゼンタ」:+25%、「イエロー」:+25%に設定した。
インクジェット記録用シートの性能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)画像の反射濃度
画像は、色として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色の単色ベタ(噴射量100%)で印画し、反射濃度を、マクベス濃度計RD−918を用いて測定した。
(2)印画部の強度
印画した画像は、赤ベタ(マゼンタ噴射量100%、イエロー噴射量100%)とし、新東科学社製の連続加重式引掻強度試験機(機種名:トライボギアTYPE18)を用いて、印画部の強度を加重質量10〜110gで測定した。
実施例1
基材として、厚さ100μmのポリエステルフィルム〔東洋紡績社製、商品名:コスモシャインA8300〕を用い、基材の一方の面に、下記のB1用塗工液を乾燥後の厚みが3〜5μmになるように塗工し、乾燥処理後、このB1上に下記のB2用塗工液を乾燥後の厚みが18〜22μmになるように塗工し、乾燥処理することにより、インク受理層を設けインクジェット記録用シートを作製した。性能評価の結果を第1表に示す。
B1用塗工液:下記成分の均一混合液
(a) 填料
・シリカ〔洞海化学工業社製、商品名:サンスフェアH−52、固形分濃度100質量%、真球状〕1.60質量部
(b)結着剤
・変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス〔旭化成ケミカルズ社製、商品名:旭化成ラテックスSB系 F−1750C、固形分濃度50質量%〕100.00質量部
(c)水 20.00質量部
B2用塗工液:下記成分の均一混合液
(a) 填料
・けいそう土〔昭和化学工業社製、商品名:ラヂオライトF、固形分濃度100質量%〕15.69質量部
・尿素ホルムアルデヒド樹脂〔日本化成社製、商品名:有機フィラー、固形分濃度85質量%〕36.93質量部
(b)結着剤
・アクリル系樹脂〔BASFディスパージョン社製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度49質量%、〕27.98質量部
・シラノール変性ポリビニルアルコール[クラレ社製、商品名:クラレRポリマー R−1130、固形分濃度100質量%、]9.14質量部
(c)添加剤
・消泡剤〔サンノプコ社製、商品名:SNデフォーマー480、固形分濃度100質量%〕0.49質量部
・界面活性剤〔日信化学工業社製、商品名:オルフィンEXP4036、固形分濃度
80質量%、〕1.09質量部
(d)水 263.05質量部
比較例1
実施例1におけるB1用塗工液として、シリカ「サンスフェアH−52」を、シリカ〔水澤化学工業社製、商品名:ミズカシルP−526、固形分濃度100質量%、真球状ではない〕1.60質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。性能評価の結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1におけるB1用塗工液として、シリカ「サンスフェアH−52」を、中空アクリル/スチレン共重合体粒子〔ローム・アンド・ハース・ジャパン社販売、商品名:ローペイクOP−84J、固形分濃度42.5質量%、高分子粒子〕3.76質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
性能評価の結果を第1表に示す。
Figure 0004347245
本発明のバックプリントタイプのインクジェット記録用シートの構成を示す説明図である。

Claims (2)

  1. 光透過性の基材Aの片面にインク受理層Bを設け、インク受理層面側からインクを吸収、定着させ、基材面側から鑑賞するインクジェット記録用シートにおいて、
    (i)インク受理層Bが層B1および層B2からなり、A/B1/B2の順に構成され、
    (ii)層B1中の固形分含有量として2次粒子が真球状であるシリカを2〜10質量%含み、
    (iii)層B2が結着剤としてポリビニルアルコールを含有する層であり、かつ
    (iv)層B1中の固形分含有量に対する結着剤の固形分含有量が80〜98質量%で、層B2中の固形分含有量に対する結着剤の固形分含有量が10〜60質量%であり、層B1の結着剤の固形分含有割合が層B2の結着剤の固形分含有割合より高いことを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 層B1の厚さが1〜10μmであり、層B2の厚さが10〜45μmである請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
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