JP3705286B2 - インクジェット記録体 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録体に関し、特に、高光沢性、インク吸収性、耐湿・耐水性に優れるインクジェット記録体に関する。
インクジェット記録方式は、ノズルから高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒音が低い等の特徴を有する。この方式では、使用されるインクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を得るためには、大量のインクを用いる必要がある。また、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴が融合してインクのドットが接合するという不都合が生じやすい。従って、このインクジェット記録方式で使用される記録体としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて印字ドットが重なった場合においてもインクの滲みがないこと等が要求される。
これらの問題を解決するため、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されたように紙を抄造する際、填料などの添加によってシートの細孔分布をコントロールして印字適性を高めるなどの方法が提案されているが、これらの方法は製造コストがやすい利点があるものの、塗被層を設ける塗工紙タイプより画質などが遥かに劣る問題があった。一方、塗工紙タイプのものは、多孔性顔料を含有するインク受容層(1層あるいは多層)を設け、画質を決定する色彩性や鮮鋭性のコントロールを行い、色再現性や画像再現性の向上を図ってきた。たとえば、特許文献4、特許文献5、特許文献6に開示されたように、細孔を有する一次粒子あるいは二次粒子を顔料として用い、バインダーを添加してインク受容層を設けたインクジェット記録体が提案された。
さらに、印字品質を高める目的で、特許文献7に開示されたように、インク吸収速度を上げるために、インク受容層の最上層に0.2〜10μにピークがある細孔を設け、また、吸収されたインクを孔径0.05μm以下からなる空隙に取り込み、より高画質が得られるインクジェット記録体を提供するものが挙げられる。しかし、インクジェットプリンターの急速な普及に対応して、印刷分野では、各種出版物や包装等の用途で、高光沢のある写真並の印刷物が求められている。特に、カラー記録の場合は、ドットの形状(真円状)、ドットのシャープさ、インクの吸収、定着速度、インク吸収容量等のインク受理性の点からフィルムや塗工紙タイプのニーズが高い。上記に示されたインク受容層は多孔性を持たす為に、顔料自身を大きくするか、あるいは2次粒子を大きくする必要がある。顔料が大きくなるとインク受容層の表面の平滑性が得られないだけでなく、光の透過が防げられ、インク受容層が不透明になり、光沢を有し、写真並の美しいカラー記録を得ることはできなかった。
光沢を付与する目的で、溶解・膨潤によりインクを吸収する樹脂を塗被したインクジェット用記録体が多く市販されているが、このような樹脂の溶解・膨潤によりインクを吸収させようとするものは、ある程度の光沢は得られるが、インクの乾燥速度が遅く、耐湿・耐水性も良くない。
顔料含有層を設けたインクジェット記録体としてはシリカ、アルミナ、擬ベーマイト、炭酸カルシウム、カオリン等の顔料にでんぷん、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等の水溶性高分子を接着剤として形成されるインク受容層を有するインクジェット記録用紙が多く報告されている。これらのインク受容層の耐水性は優れるが、一般に平滑性、
光沢性がない。例えば、特許文献8、特許文献9に開示されたように合成シリカ、コロイダルシリカ、水溶性高分子接着剤によりインク受容層を構成している。しかし、インク吸収性を維持する為、比較的粒径の大きい合成シリカの含有が不可欠である。合成シリカは一般に粒径が大きく、平滑性と光沢性を得ることが困難であった。
平滑性、光沢性を得るため、インク受容層を2層以上にし、上層を光沢発現層にすることが提案されている(例えば、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14)。これらの光沢発現層の主成分としてコロイダルシリカあるいはコロイダルシリカの複合体を利用されているものがある。しかし、一般に使用される光沢発現層はインク吸収性よりも光沢のために設けられているので、キャスト処理(光沢発現層が湿潤状態で、加熱された鏡面ロールに圧着して鏡面光沢仕上げされてなる)によって得られる。キャスト面及びインク通過速度を得るために、塗被量が少なく、しかも表面の細孔が比較的大きく設けられている。光沢発現層の塗被量が少ないと、白紙時(記録前)の光沢はあるものの、印字後にインクが光沢発現層の上を覆い、印字光沢が得られにくい。特に写真並の照りのある光沢は得られない。また、表面細孔が大きくなると、得られたインクのドットの周辺はギザギザであり、真円状からほど遠いものになる。それによって、画像は鮮明さがかなり欠けるものになる。その上、インクが広がりやすく、ドットが大きくなり、360dpi×360dpiの印字レベルでは特に問題にならないが、720dpi×720dpi以上の高線度になるとドットが大きいため、ドットとドットが接合し、繊細な画像が得られない欠点があった。
特開昭58−110288号公報 特開昭58−151291号公報 特開昭62−55996号公報 特開昭62−111782号公報 特開昭63−13776号公報 特開昭63−104878号公報 特公昭63−22977号公報 特公昭61−60793号公報 特開平2−274587号公報 特開平3−215080号公報 特開平3−256785号公報 特開平7−89220号公報 特開平7−101142号公報 特開平7−117335号公報
本発明はこれらの問題を解決するために、より高光沢、高濃度のインクジェット記録用シートを提供することを目的としている。
現在、塗工紙タイプのインクジェット用記録シートは大別すると次の2種類に分けることが出来る。
(1)光沢のない一般インクジェット塗工紙。これらの塗工紙のインク受容層はシリカやアルミナ等の2次粒子を主成分とし、特公昭63−22997号に示すように細孔分布曲線のピークは半径0.05μmと半径0.2〜10μmにあるものである。しかし、2次粒子を塗工するものはインク受容層表面をポーラスにすることになり、光を散乱させるため、優れた光沢性、照り、透明感を有する写真調の画像を得ることはできない。
(2)光沢性のあるインクジェット塗工紙。このような塗工紙のインク受容層は一般にポリビニルアルコール等の樹脂によって構成される。樹脂の膨潤によりインクを吸収するが、光沢性の不足や耐水性がない等の大きいな欠点をもっている。このようなインク受容層には細孔分布曲線のピークが2nm以下にある。
1次粒子を主成分とするインク受容層はあまり見られないが、本発明者らが試みたところ塗布が出来てもインク吸収性と光沢のバランスがなかなか取れなかった。本発明では鋭意検討を重ねた結果、コロイダルシリカに接着剤を添加して成膜する際、接着剤量を減らす等して、得られたコロイダルシリカ間の空隙が接着剤により塞がれるのを防止した。そしてこの空隙の大きさ、つまり細孔分布曲線のピークの少なくとも一つが2〜100nmに設計することによって、高光沢、インク吸収性、耐水性等とも良好な満足するインクジェット記録体を得たものである。
紙、フィルム等のシート状の支持体にインク受容層を設けたインクジェット記録体において、インク受容層が1層以上の層構成を有する中で少なくとも最上層はコロイダルシリカを含有する層が設けられ、かつインク受容層の最上層の細孔分布曲線の少なくとも一つのピークが2〜100nmにある。さらに別の態様では、ドットをコントロールし、優れた画像が得られる。即ち、前記インク受容層が2層以上の層構成を有する中で少なくとも最上層と第2層はコロイダルシリカを含有する層を積層し、かつインク受容層の最上層と第2層はともに細孔分布曲線の少なくとも一つのピークが2nm〜100nmに存在する。このようにしてインク吸収速度が速く、印字濃度が高く、耐水性、インク定着性、印字適性が良好な高光沢インクジェット記録体が得られる。
インク受容層の最上層の細孔の少なくとも一つのピークが2〜100nm、好ましくは5〜80nmに存在すると、インク吸収速度が速くなる。この範囲の細孔を得るためには、平均粒子径が10nm〜300nmのコロイダルシリカと接着剤含有層によって形成できる。この範囲の細孔を有する塗被層は、塗被層の平滑性に優れ、透明性も良好である。細孔分布のピーク位置が小さい位置であると、インク吸収速度が遅くなる。一方、細孔分布のピーク位置が100nmを越えるとインクが広がりやすく、繊細なドットが得られない。また、表面にザラツキ感が生じ、平滑性を損なう恐れがある。さらに、インク受容層が2層以上の層構成を有し、少なくとも2層はコロイダルシリカを含有する層であり、かつ該インク受容層の最上層と第2層とも細孔分布曲線の少なくとも一つのピークが2nm〜100nmにすると、最上層に吸収しきれないインク(特に重色部分)が第2層に吸収され、第2層の細孔も2nm〜100nmにあるため、ドットの広がりが防げられ、より高濃度で、照り感のある高繊細な印字ドットが得られる。またインク吸収層全体的な平滑性と透明性が向上するだけでなく美しい写真調のカラー記録が得られる。
さらに、本発明のインクジェット記録体のインク受容層がコロイダルシリカと水溶性高分子接着剤により構成されると、透明性とインク吸収性に優れたインク受容層が得られる。コロイダルシリカを含有する層の塗被量が全インク受容層の50%〜100%とすると印字部の透明感が得られ、写真並の光沢を得ることが可能である。
また、コロイダルシリカとしてカチオン変性コロイダルシリカを使用すると、インク定着性、耐湿保存性とも良好なインクジェット記録体が得られる。さらに、本発明のインク受容層を成型面に塗被成膜した後、粘着性若しくは接着性の中間層を介して支持体上に転写すると、光沢が著しく向上し、より高平滑、高光沢のインクジェット記録体が得られる。
また、最上層の細孔分布曲線のピークは細孔直径2nm〜100nmのみに存在する場合、印字後のドットの広がりが小さくなるだけでなく、ほぼ真円状にコントロールされることがわかった。より高光沢、高繊細、照り感に優れるインクジェット記録体が得られる。同様にインク受容層が2層以上の場合も各層の細孔分布曲線のピークは細孔直径2nm〜100nmのみに存在する場合、ドットがほぼ真円状にコントロールされるだけでなく、高濃度側のインクもすばやく吸収され、より理想に近い、写真並の画像が可能な、高光沢のインクジェット記録体が得られる。
本発明は、以下の実施様態を含むがこれらに限るものではない。


[1] 支持体にインク受容層を設けたインクジェット記録体において、該インク受容層が2層以上の層構成を有し、少なくとも最上層はコロイダルシリカと接着剤としての珪素含有変性ポリビニルアルコールを固形分質量比率4/1〜50/1で含有する層であり、第2層はコロイダルシリカを含有する層であり、かつ該インク受容層の最上層及び第2層とも細孔分布曲線の少なくとも一つのピークが細孔直径2nm〜100nmにあることを特徴とするインクジェット記録体。
] インク受容層がインク受容層表面を成形するための成型面に塗被成膜された後、
粘着性または接着性を有する中間層を介して、支持体に転写されてなる上記各項記載のインクジェット記録体。
]最上層の細孔分布曲線のピークが細孔直径2nm〜100nmのみにあることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載のインクジェット記録体。
] コロイダルシリカを含有する層はコロイダルシリカと水溶性高分子接着剤により
構成される上記各項記載のインクジェット記録体。
] 水溶性高分子接着剤がポリビニールアルコールである[]記載のインクジェッ
ト記録体。
] コロイダルシリカがカチオン変性コロイダルシリカである上記各項記載のインク
ジェット記録体。
] コロイダルシリカが酸性コロイダルシリカである上記各項記載のインクジェット
記録体。
] コロイダルシリカを含有する層の塗被量は全インク受容層の50%〜100%で
ある上記各項記載のインクジェット記録体。
] 細孔直径100nm以下の平均細孔容積が0.1〜2.5ml/gである上記
各項記載のインクジェット記録体。
10] インク受容層の最上層の細孔分布曲線の少なくとも一つのピークが5〜80n
mにある上記各項記載のインクジェット記録体。
11] コロイダルシリカを含有する層においてコロイダルシリカの平均粒子径が10
nm〜300nmである上記各項記載のインクジェット記録体。
12] 粘着性または接着性を有する中間層が熱可塑性樹脂、接着剤、感圧接着剤より
選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする[]記載のインクジェット記録体。
13] インク受容層がカチオン性樹脂を含有する上記各項記載のインクジェット記録
体。
14] 成型面は高平滑面を有するフィルム、ラミネート紙、グラシン紙、無機ガラス
、金属表面である[]または[12]記載のインクジェット記録体。
15] 最上層の細孔分布曲線のピークが細孔直径2nm〜100nmのみにある[1
],[2]または上記各項記載のインクジェット記録体。
16] インク受容層が2層以上の層構成を有し、各層の細孔分布曲線のピークが細孔
直径2nm〜100nmのみにあることを特徴とする上記各項記載のインクジェット記録体。
本発明の構成により得られたインクジェット記録用シートは、耐水性、インク吸収性が良好で、かつインク受理後も高光沢性、高印字濃度を有するものである。本発明のインクジェット記録体は高光沢を有し、且つ優れたインクジェット記録(印字)適性、高印字濃度、耐湿・耐水性を兼ね備えたものである。
細孔分布の測定について説明する。本発明では支持体の影響を出来るだけ避けるために、インク受容層をポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラーT、75μ)に設け、測定に用いた。細孔分布はマイクロメトリックス ポアサイザー9320(島津製作
所製)を用い、水銀圧入法により求めた空隙量分布曲線から細孔分布(微分曲線)を計算して求めることができる。水銀圧入法による細孔径の測定は細孔の断面を円形として仮定して導かれた下記の式を使って計算した。
D=−4γCOSθ/P
ただし、D:細孔直径、γ:水銀の表面張力、θ:接触角、P:圧力とする。
水銀の表面張力は482.536dyn/cmとし、使用接触角は130°とし、水銀圧力を低圧部(0〜30psia、測定細孔直径:360μm〜6μm)と高圧部(0〜30000psia、測定細孔径:6μm〜6nm)にて測定した。インク受容層の平均細孔容積は予め測定したインク受容層の質量と空隙量分布曲線から計算される。本発明において、コロイダルシリカを含有する各層に6nm〜100nm間に細孔分布のピークが得られば測定は終了する。このとき、100nm以下の平均細孔容積は6〜100nmまでの平均細孔容積をいう。6nm〜100nm間に細孔分布のピークが認められない場合、1nm〜100nmの細孔を測定可能なアサップ 2010(島津製作所製、高速比表
面積/細孔分布測定装置、定容法によるガス吸着法)を用いて継続測定した。このときの平均細孔容積は1nm〜100nmまでの平均細孔容積をいう。
本発明において、支持体としては、例えば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙などのシート類が適宜使用される。
次に、本発明のインク受容層について詳細説明する。まず、本発明のインク受容層を構成するコロイダルシリカを含有する層について説明する。
最上層や第2層に使用されるコロイダルシリカは一般市販のアニオン性、カチオン性コロイダルシリカ等より選び適宜使用される。またカチオン性コロイダルシリカを含有させると高湿保存性等の実用面に優れるため好ましい。アニオン性コロイダルシリカを使用する場合は酸性アニオンコロイダルシリカを好ましく使用される。酸性アニオンコロイダルシリカを使用するとより透明性の高いインク受容層が得られる。理由は定かではないが、一般にアルカリ性コロイダルシリカ(市販品の殆どがこのアルカリ性コロイダルシリカである)中に酸化ナトリウムが含有され、その酸化ナトリウムが屈折率に影響するためか、透明性に悪影響を与えるのではないかと思われる。
使用されるコロイダルシリカの平均粒子径(BET法により表面積を測定し、平均粒子径を算出する。以下の平均粒子径は特に断らない限り全てこの方法により測定したものである)は10〜300nm、好ましくは20〜200nmに調整される。勿論必要に応じ、2種以上のコロイダルシリカのブレンドも可能である。10nm未満のコロイダルシリカを使用すると、得られた細孔分布のピークが2nm未満になる場合があり、インク吸収速度が得られないこともある。一方、300nmを越えるコロイダルシリカを使用すると、得られた細孔分布のピークが100nmを越える場合があり、透明感が失われ、印字後も高光沢を有するインクジェット記録体が得られない恐れもある。20〜200nmの粒子を使用すると、細孔分布のピークの少なくとも一つが5〜80nmの範囲にあるインク受容層が得られる場合が多い。この範囲の細孔ピークを有すると、高速で印字されてもインク吸収速度に全く問題がなく、また、平滑性、透明性、照り感も写真に近いものが得られる。
一般にコロイダルシリカ自身は成膜性がないため、インク受容層として設ける場合は接着剤を含有させる。接着剤(バインダー)としては、たとえばポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等の一般に塗被紙として用いられている従来公知の接着剤(バインダー)が適宜添加して使用される。
本発明の細孔分布と光沢のあるインク受容層を得るためには、接着剤とコロイダルシリカとの分散性が良好でなければならない。つまり、接着剤が添加されてもコロイダルシリカは分散液中に殆ど凝集せず、1次粒子の状態で分散する必要がある。コロイダルシリカが凝集すると、塗膜にザラツキ感があり、塗膜の細孔分布のピークも100nmを越え、透明性は勿論のこと、平滑性も大きくて低下する恐れがある。コロイダルシリカとの分散適性から、水溶性高分子接着剤が好ましく、特にポリビニルアルコール(以下PVAと称す)が最も有効である。
コロイダルシリカと接着剤の固形分質量比は4/1〜50/1が好ましく、より好ましくは20/3〜20/1に調節される。接着剤の添加量が多いと、塗膜の細孔分布のピークが小さくなるだけでなく、得られたインク受容層の平均細孔容積が0.1ml/g未満になり易く、インク吸収速度が遅く、高濃度側のインクを吸収しきれない恐れがある。一方、接着剤の添加量が少なすぎると、インク受容層の全面に大きなひび割れが生じる場合もあり、インク受容層の透明感を損なう恐れもある。
勿論、必要に応じてコロイダルシリカ等の微細顔料と接着剤(バインダー)以外に他の顔料を配合してもよい。たとえば、無定形シリカ、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗被紙分野で公知公用の各種顔料を適宜使用される。ただし、塗工層の平滑性と透明性を保つために、他の顔料の使用量はコロイダルシリカに対して20%以下に調節する。また、併用する顔料の平均粒径は2μm以下であることが望ましい。
本発明のインク受容層にカチオン性樹脂を添加して使用してもよい。これによりインク定着性を向上させることができる。カチオン性樹脂としては、例えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。なお、カチオン性樹脂の添加量は顔料100質量部に対し、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部の範囲で調節される。その他、一般塗被紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
塗被量は特に限定するものではないが、1〜80g/m2 、好ましくは4〜40g/m2に調節するのが好ましい。塗被量が少ないと塗膜にひび割れが生じやすく、逆に多くて
も効果が飽和し、無意味である。15g/m2 以上の高塗被量を得るためには、塗被液の増粘、高濃度化して行うことができるが、それ以外に、2回以上の塗被により実現することも可能である。
コロイダルシリカを含有する層について説明したが、最上層と第2層ともコロイダルシリカを含有する層により構成する場合は、第2層のコロイダルシリカの粒径が最上層のより大きい方がインク吸収速度、印字濃度の点で好ましい。インク受容層はコロイダルシリカ層のみ(勿論、3層以上のコロイダルシリカを含有する層により構成してもよい)により構成してもよいが、一般に、コロイダルシリカ自身は細孔がないため、得られたインク受容層の粒子間空隙がきわめて小さいものである。高記録濃度部分のインクもコロイダルシリカ層に完全吸収させるためには、塗被量を多くする必要がある。コロイダルシリカ層の塗被量を多くしない場合、他のインク受容層を設けても本発明の目的とする高インク吸収速度、高印字濃度、高光沢、印字適性、耐水性とも良好なインクジェット記録用シートが得られる。
印字後の光沢、照り感を保つためには、インク受容層全体に対して、コロイダルシリカを含有する層の塗被量が50〜100%の範囲に調節されるのが好ましい。この割合が少ないと、一定の光沢は得られるが、写真並の光沢、照り感が得られにくい。
次に、コロイダルシリカ含有層の下に設ける他のインク受容層について具体的に説明する。他のインク受容層に使用される顔料としては前記に示した無定型シリカ、クレー、アルミナ、スメクタイトなどの一般塗被紙分野で公知公用の各種顔料が適宜使用される。印字濃度などの観点から、無定形シリカ等のシリカとアルミナが好ましい。接着剤(バインダー)としては、前記した接着剤を使用出来る。例えばPVA、カゼイン、でんぷんなどの従来公知のものがあげられる。接着剤の添加量は顔料100質量部に対し、5〜150質量部、好ましくは10〜50質量部の範囲で調節される。また、インク定着性を向上する目的として使用されるカチオン性樹脂は前記示したカチオン性樹脂が使用でき、アミン系などが挙げられる。なお、カチオン性樹脂の添加量としては顔料100質量部に対し、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部の範囲で調節される。その他、一般塗被紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤も適宜添加される。
他のインク受容層の塗被量も特に限定するものではないが、3〜30g/m2に調整さ
れるのが望ましい。少ないとインク吸収が不足し好ましくない。一方、多すぎると効果が飽和し、無意味である。
何れのインク受容層を得るための塗被コーターとしてはブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター等の各種公知の塗被装置が挙げられる。
インク受容層は支持体上に塗被装置により形成することが出来る。また、成型面にインク受容層を形成し、支持体(またはインク受容層)に接着剤若しくは粘着性を有する中間層を設け、中間層とインク受容層(または支持体)を接着させ、成型面のみを剥離することによりインク受容層の表面が成形面を転写してインク受容層を設けることが出来る。このように成型面を利用してインク受容層を形成すると、より優れた光沢性が得られる。次に、インク受容層を成型面に塗被成膜し、支持体に中間層を設け、インク受容層と中間層が対面するように貼り合わせ、成型面を剥離する場合についてのみ詳しく説明するが、先

ずインク受容層に中間層を設ける場合も、同じようにして行えることは明らかであるため重複して説明しない。
接着方法としては、ラミネート法(ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネート法、エクストルージョンラミネート法などの公知公用のラミネート法が挙げられる)が有効である。ウェットラミネート、ドライラミネート、ホットメルトラミネート法では、支持体に接着性樹脂(熱溶融させて接着性をもたせた熱可塑性樹脂)や接着剤を塗被して中間層を設け、中間層とインク受容層が対面するように貼合せて圧着した後、成型面を剥し、所望のインクジェット記録用シートが得られる。エクストルージョンラミネート法では溶融押出機中に280〜320℃で加熱溶融されたポリエチレン等の熱可塑性樹脂(他の樹脂を利用する場合は同様の方法を用いる)が支持体の表面に流され、インク受容層を有する成型体と貼合せ、クーリングロールにより冷却圧着した後、成型体を剥し、所望のインクジェット記録体が得られる。
中間層として感圧接着剤を利用する場合は、バーコーター、ロールコーター、リップコーター等の公知公用の塗被方法を利用し、支持体に塗被乾燥した後、インク受容層と貼合せてから成型面を剥し、所望のインクジェット用記録体を得ることができる。
中間層の塗被量はインク受容層と支持体が接着できれば特に限定するものではないが、熱可塑性樹脂、接着剤、感圧接着剤の何れを使用する場合でも2〜50g/m2 となるように調節される。塗被量が少ないと、十分な接着力が得られにくく、一方、多くても効果が飽和し、無意味である。
中間層に使用される熱可塑性樹脂としては例えば、エチルセルロース、酢酸ビニル樹脂及びその誘導体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリスチレン及びその共重合体、ポリイソブチレン、炭化水素樹脂、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の各種公知公用の熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤としては尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリビニールアセタール/フェノール樹脂、ゴム/フェノール樹脂、エポキシ/ナイロン樹脂等の複合ポリマー型接着剤、ラテックス型ゴム基等のゴム基接着剤、でんぷん、膠、カゼイン等の親水性天然高分子接着剤等の各種公知公用の接着剤が挙げられる。感圧接着剤としては溶剤型感圧接着剤、エマルション型感圧接着剤、ホットメルト型感圧接着剤、ディレードタイプ感圧接着剤等の各種公知公用の感圧接着剤が例示できる。
成型面に使用される材料としては、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル、合成紙等のシート類及び無機ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有する板類が適宜使用される。特に、塗被適性及び成型面とインク受容層の剥離適性等の観点から、高分子フィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、無機ガラスが好ましい。高表面平滑性を有するものが好ましく、その表面あらさRa(JIS B 0601)は1μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
成型面は無処理のままでもよいが、成型面とインク受容層の剥離性をよくするために、成型面の塗被面にシリコーンやフッ素樹脂等の剥離性を有する樹脂を塗被してもよい。印字適性をよくするために、成型面にコロナ放電やプラズマ処理による表面親水化を行うことも有効である。
中間層を介して支持体に転写するときのインク受容層の塗被工程は前記一般塗被工程の順と逆である。つまり、成型面にインク受容層の最上層を先に塗被し、その上に第2層を塗被し、さらに他のインク受容層を塗被する。支持体に転写することによって得られたインクジェット記録体のインク受容層は最上層、第2層、他のインク受容層の順に前記塗被シートと同様の積層順序になる。
中間層を介して支持体に転写するときのインク受容層の水分含有量は20%以下が好ましく、より好ましくは10%以下に調節する。理由は定かではないが、水分が多いと、成型面とインク受容層の間の接着力が強く、その接着力はインク受容層間の層間強度よりも高くなり、成型面を剥がすとき、インク受容層の層間が剥離され、成型面にインク受容層が残り、所望のインクジェット記録体が得られない恐れがある。
インクとしては、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を添加して調製される。
インクに使用される記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来公知のものは特に制限なく使用することができる。このような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求される特性などに依存して決定されるが、本発明におけるインクの場合も、従来のインク中におけるような配合、即ち、0.1〜20質量%程度の割合になるような使用で特に問題はない。
本発明で用いられるインクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、、ポロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。本発明で得られたインクジェット記録体はすべてスーパーカレンダー(線圧:20Kg/cm)によって処理した後、評価に用いた。塗工量は特に断らない限り乾燥質量である。また、支持体の影響を避けるために、本発明の実施例、参考実施例及び比較例のインク受容層の細孔分布のピークのデータは全てポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラーT、75μm)にインク受容層を塗布或いは転写してから測定に用いた。他の評価結果は全て実施例、参考実施例或いは比較例で得られたインクジェット記録体を用いて測定した。
参考実施例1
平均粒子径80nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:MP−1040)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−3109、重合度:900、ケン化度:98.5%)10部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2となるように市販塗工紙(新王子株式会社製、商品名:OKコート、127.9g/m2 )をラミネート(エクストルージョンラミネート法により塗工紙表面に15μmのポリエチレンをラミネートしたもの、以下特に断らない限り「ラミネート塗工紙」は、これと同じものを示す)したものの表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
参考実施例2
平均粒子径85nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス ZL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、
重合度:500、ケン化度:98.5%)13部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録用シートを製造した。得られた塗被層の平均細孔容積が0.75ml/gである。
参考実施例3
平均粒子径85nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックス
ZL)100部に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製、商品名:メトローズ 60SH)18部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g
/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
実施例1
平均粒子径65nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス YL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、
重合度:500、ケン化度:98.5%)8部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるように上記参考実施例3で形成されている塗被層に塗被乾燥した。得られた塗被層の平均細孔容積が0.6ml/gである。
実施例2
平均粒子径45nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス XL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、
重合度:500、ケン化度:98.5%)8部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるように上記参考実施例3で形成されている塗被層に塗被乾燥した。得られた塗被層の平均細孔容積が0.45ml/gである。
参考実施例4
平均粒子径15nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス C)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、重
合度:500、ケン化度:98.5%)20部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥した。得られた塗
被層の平均細孔容積が0.25ml/gである。
参考実施例5
平均粒子径85nmのカチオン変性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:AK−ZL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)13部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録
体を製造した。
参考実施例6
平均粒子径45nmの酸性アニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:OL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)8部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
参考実施例7
平均粒子径160nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:MP−2030)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−3109、重合度:900、ケン化度:98.5%)15部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
参考実施例8
平均粒子径250nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:MP−3030)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−3109、重合度:900、ケン化度:98.5%)18部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット
記録体を製造した。
実施例3
平均粒子径85nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス ZL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、
重合度:500、ケン化度:98.5%)13部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が15g/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥した。次ぎに、平均粒子径65nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス YL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、重
合度:500、ケン化度:98.5%)8部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が10g/m2 となるように上記塗被層上に塗被乾燥し、本発明のインクジェット記録体を製造した。
参考実施例9
平均粒子径85nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス ZL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)13部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるように成型面として利用するPETフィルム(東レ社製、75μm、商品名:ルミラーT、表面粗さRa=0.02μm)に塗被乾燥した。次に、ラミネート塗工紙の表面にアクリル酸エステル接着剤(日本カーバイド工業社製、商品名:A−02)を塗被量が20g/m2 となるように塗被乾燥した。続いて、上記インク受容層が接着剤と対面するように貼合せて、線圧10kg/cmのカレンダーにて圧着した。続いてPETフィルムを剥し、インクジェット記録体を製造した。
実施例
平均粒子径65nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス YL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:PVA−210
5、重合度:500、ケン化度:98.5%)8部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が10g/m2 となるように成型面として利用するPETフィルム(東レ社製、75μm、商品名:ルミラーT、表面粗さRa=0.02μm)に塗被乾燥した。次に、上記塗被層上に平均粒子径85nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス ZL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)13部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が15g/m2となるように塗被乾燥した。次に、上記塗被層表面にアクリル酸エステル接着剤(日本カーバイド工業社製、商品名:A−02)を塗被量が20g/m2になるように塗被乾燥した。続いて、接着剤がラミネート塗工紙表面と対面するように貼合せて、線圧10kg/cmのカレンダーにて圧着した。続いてPETフィルムを剥し、本発明のインクジェット記録用シートを製造した。
実施例
平均粒子径65nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス YL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)8部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が5g/m2となるように成型面として利用するPETフィルム(東レ社製、75μm、商品名:ルミラーT、表面粗さRa=0.02μm)に塗被乾燥した。次に、上記塗被層上に平均粒子径85nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス ZL)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)13部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が10g/m2 となるように塗被乾燥した。さらに、上記塗被層上に無定形シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−45、平均粒径:4.5μm)100部に、PVA(クラレ社製、商品名:PVA−117)30部、カチオン性樹脂(住友化学社製、商品名:SR−1001)15部を混合した15%水溶液を用い、メイヤーバーで塗被量が5g/m2 となるように塗被乾燥した。
次に、支持体として、市販の塗工紙(新王子株式会社製、商品名:OKコート、127.9g/m2 )を用い、片面にコロナ放電しながら、溶融押し出しコーティング法(エクストルージョンラミネート法)により、ポリエチレン(三菱化学社製、商品名:三菱ポリエチレンLD)溶融液(溶液温度:280〜320℃)をコロナ放電表面に塗被層が30μmとなるように塗被し、溶融状態のポリエチレン樹脂層と上記インク受理層が対面するように貼合せて、クーリングロールにより冷却圧着した。続いてPETフィルムを剥し、本発明のインクジェット記録体を製造した。コロイダルシリカ層の塗被量は全受容層の75%である。
比較例1
平均粒子径5nm(シアーズ法で測定)のアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス XS)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品
名:R−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)35部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
比較例2
平均粒子径9nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックス S
)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)30部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
比較例3
平均粒子径400nmのアニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製)100部に、珪素含有変性PVA(クラレ社製、商品名:R−2105、重合度:500、ケン化度:98.5%)20部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗被量が20g/m2となる
ようにラミネート塗工紙の表面に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
比較例4
無定形シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−45、平均粒子径:4.5μm)100部に、PVA(クラレ社製、商品名:PVA−117)25部、カチオン性樹脂(住友化学社製、商品名:SR−1001)5部を混合した15%水溶液を用い、メイヤーバーで塗被量が10g/m2となるようにラミネート塗工紙上に塗被乾燥し、イン
クジェット記録体を製造した。
比較例5
PVA(クラレ社製、商品名:PVA−117)の10%水溶液を用い、メイヤーバーで塗被量が20g/m2 となるようにラミネート塗工紙上に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
[評価方法]
実施例1〜、参考実施例1〜9、比較例1〜5で得られたインクジェット記録用紙シートの細孔分布(表1に示す)は本文中に示した方法で測定した。耐水性、吸水性等は以下に示す方法で評価した。光沢度とインク吸収性については市販のインクジェットプリンター(CANON社製、商標:BJC−400J)で記録を行った場合のベタ部分の光沢度、インク吸収性、印字濃度を示す。
[耐水性]
インクジェット用記録シート上に水滴を落とし、30分後に水滴を拭き取り、水滴に浸漬された部分を手でこすり、耐水性を4段評価した。
◎:インク受理層に全く変化がみられなかった。
○:インク受理層がわずかにとれた。
△:インク受理層が部分的にとれた。
×:インク受理層が完全にとれた。
[インク吸収性]
インク吸収性の評価は、印字直後から5秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼合せ、インクが上質紙に転写するかどうかを観察する。全く転写しなくなるまでの時間を測定する。測定された秒数を4段評価した。
◎:5秒以下。
○:5〜10秒。
△:10〜30秒。
×:30秒以上。
インクが乾燥するまでの時間が10秒以下のものはインク吸収性に優れる。
[印字濃度]
黒ベタ部の印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth、RD−920)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。
[印字部の光沢感(照り感)]
印字部の光沢感は印字部に対して20°の横角度から目視し、以下のように4段評価した。
◎:カラー写真と同レベルの照り感がある。
○:カラー写真よりは劣るが、高い照り感がある。
△:塗工紙の印刷品並。
×:一般PPC紙並。
Figure 0003705286
表1から明らかなように、本発明の構成により得られたインクジェット記録用シートは耐水性、インク吸収性が良好で、かつインク受理後も高光沢性、高印字濃度を有するものである。本発明のインクジェット記録体は高光沢を有し、且つ優れたインクジェット記録(印字)適性、高印字濃度、耐湿・耐水性を兼ね備えたものである。
本発明のインクジェット記録体は、写真画質を狙ったインク吐出しの早い染料系や顔料系インクジェットプリンターに最適なインクジェット記録体を提供することができる。

Claims (4)

  1. 支持体にインク受容層を設けたインクジェット記録体において、該インク受容層が2層以上の層構成を有し、少なくとも最上層はコロイダルシリカと接着剤としての珪素含有変性ポリビニルアルコールを固形分質量比率4/1〜50/1で含有する層であり、第2層はコロイダルシリカを含有する層であり、かつ該インク受容層の最上層及び第2層とも細孔分布曲線の少なくとも一つのピークが細孔直径2nm〜100nmにあることを特徴とするインクジェット記録体。
  2. インク受容層が、インク受容層表面を成形するための成型面に塗被成膜された後、粘着性または接着性を有する中間層を介して、支持体に転写されてなる請求項1記載のインクジェット記録体。
  3. 最上層の細孔分布曲線のピークが細孔直径2nm〜100nmのみにあることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録体。
  4. インク受容層の各層の細孔分布曲線のピークが細孔直径2nm〜100nmのみにあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録体。
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