JP2004237728A - インクジェット記録用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 マイグレーションやにじみの防止性能等に優れており、インク受理層の耐水性にも優れ、画像の耐水性も良好であるインクジェット記録用シートを提供する。
【解決手段】 基材とインク受理層を有するインクジェット記録用シートであって、該インク受理層の少なくとも1層が、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成した層であるインクジェット記録用シート。
【選択図】 無
【解決手段】 基材とインク受理層を有するインクジェット記録用シートであって、該インク受理層の少なくとも1層が、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成した層であるインクジェット記録用シート。
【選択図】 無
Description
本発明は、インクジェット記録用シートに関する。さらに詳しくは、印画後の経時変化によって発生する画像の乱れ(マイグレーション)やにじみの防止等に優れるインクジェット記録用シートに関するものである。
近年、コンピュータ利用技術の普及により、コンピュータにより作製した資料をプリンターなどを用いてプリントアウトすることが頻繁に行われるようになってきた。その際使用されるプリンターとしては、ドットインパクトプリンター、レーザープリンター、サーマルプリンターおよびインクジェットプリンターなどが挙げられるが、プリントアウト時の機械的騒音がほとんどなく、かつプリントアウトに伴うランニングコストの低さから、インクジェットプリンターが広く利用されている。
このインクジェットプリンターにおいては、ノズルから記録用シートに向けてインクの微小液滴を高速に飛翔させ、記録面に付着させて画像や文字などの記録が行われる。
このようなインクジェットプリンターに用いられるインクジェット記録用シートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドットが重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくならないこと、インク受理層の耐水性に優れ、画像の耐水性も良好であることなどが要求される。
このようなインクジェットプリンターに用いられるインクジェット記録用シートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドットが重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくならないこと、インク受理層の耐水性に優れ、画像の耐水性も良好であることなどが要求される。
このような特性を満足させるためには、インクの吸収性とインク受理層の強度をバランスさせることが重要であり、インクの吸収性が高い粒径の大きいシリカと、強度が向上する粒径の小さいシリカを配合させたインクジェット記録用シートが知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記のインクジェット記録用シートでは、印画後の経時変化によって発生する画像の乱れ(マイグレーション)が発生し易いという問題がある。近年、インク噴射量の多いプリンターが増加しており、マイグレーションの克服は重要である。
しかしながら、上記のインクジェット記録用シートでは、印画後の経時変化によって発生する画像の乱れ(マイグレーション)が発生し易いという問題がある。近年、インク噴射量の多いプリンターが増加しており、マイグレーションの克服は重要である。
なお、本説明において「マイグレーション」とは、印画後にインクが横方向(基材に平行、噴射方向に垂直)に広がって画像が乱れる現象であって、経時変化によって発生するもののことを言う。印画後にインクが横方向に広がって画像が乱れる現象であって、経時変化によってではなく印画直後に発生するものは、「にじみ」と称して区別する。
上記の「経時変化による」と「印画直後」の区別は、表面が乾燥した後に生じるものを「経時変化による」とする。「にじみ」は、インク吸収容量や吸収速度の不足が主たる原因であると推測される。「マイグレーション」は、インク受理層に吸収された後のインク中の水や溶剤の移動に伴って色材(染料や顔料)が移動することが主原因であると推測される。
特に、インク中の水やアルコール等が蒸発しにくい状態(塗工層内部が半乾きの状態でファイルに収納した場合、暗室での保存等)で発生しやすい。マイグレーションが発生するインクジェット記録用シートに印画した場合、特に、細かい白抜き文字を印画した際に、文字が純白ではなく周囲の色に染まってしまうという現象が現れる。
上記の「経時変化による」と「印画直後」の区別は、表面が乾燥した後に生じるものを「経時変化による」とする。「にじみ」は、インク吸収容量や吸収速度の不足が主たる原因であると推測される。「マイグレーション」は、インク受理層に吸収された後のインク中の水や溶剤の移動に伴って色材(染料や顔料)が移動することが主原因であると推測される。
特に、インク中の水やアルコール等が蒸発しにくい状態(塗工層内部が半乾きの状態でファイルに収納した場合、暗室での保存等)で発生しやすい。マイグレーションが発生するインクジェット記録用シートに印画した場合、特に、細かい白抜き文字を印画した際に、文字が純白ではなく周囲の色に染まってしまうという現象が現れる。
本発明は、このような状況下で、マイグレーションやにじみの防止性能等に優れており、インク受理層の耐水性にも優れ、画像の耐水性も良好であるインクジェット記録用シートを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の好ましい性質を有するインクジェット記録用シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、粒径の大きいシリカと小さいシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を基材上に塗工・乾燥することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材とインク受理層を有するインクジェット記録用シートであって、該インク受理層の少なくとも1層が、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成した層であることを特徴とするインクジェット記録用シート、
(2)シリカが、細孔容積分布において、1.0〜1.4ml/gに第1ピーク又は肩ピークを、1.6〜2.1ml/gに第2ピーク又は肩ピークを有するものである(1)のインクジェット記録用シート、
(3)シリカが、粒径3.0〜5.5μmで細孔容積が1.0〜1.4ml/gであるシリカと、粒径6.5〜15.0μmで細孔容積が1.6〜2.1ml/gであるシリカとの混合物である(1)又は(2)のインクジェット記録用シート、
(4)粒径3.0〜5.5μmで細孔容積が1.0〜1.4ml/gであるシリカ(A)と粒径6.5〜15.0μmで細孔容積が1.6〜2.1ml/gであるシリカ(B)の比率(A/B)が1.5〜9.0の範囲である(3)のインクジェット記録用シート、
(5)シラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを形成する樹脂が、アクリル酸エステル樹脂である(1)〜(4)のいずれかのインクジェット記録用シート、
(6)受理層形成用塗工液が、更にジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ジシアンジアミド縮合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物から選ばれた1以上のカチオン性有機物質を含有するものである(1)〜(5)のいずれかのインクジェット記録用シート、及び
(7)カチオン性有機物質が、ポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物である(6)に記載のインクジェット記録用シート
を提供するものである。
(1)基材とインク受理層を有するインクジェット記録用シートであって、該インク受理層の少なくとも1層が、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成した層であることを特徴とするインクジェット記録用シート、
(2)シリカが、細孔容積分布において、1.0〜1.4ml/gに第1ピーク又は肩ピークを、1.6〜2.1ml/gに第2ピーク又は肩ピークを有するものである(1)のインクジェット記録用シート、
(3)シリカが、粒径3.0〜5.5μmで細孔容積が1.0〜1.4ml/gであるシリカと、粒径6.5〜15.0μmで細孔容積が1.6〜2.1ml/gであるシリカとの混合物である(1)又は(2)のインクジェット記録用シート、
(4)粒径3.0〜5.5μmで細孔容積が1.0〜1.4ml/gであるシリカ(A)と粒径6.5〜15.0μmで細孔容積が1.6〜2.1ml/gであるシリカ(B)の比率(A/B)が1.5〜9.0の範囲である(3)のインクジェット記録用シート、
(5)シラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを形成する樹脂が、アクリル酸エステル樹脂である(1)〜(4)のいずれかのインクジェット記録用シート、
(6)受理層形成用塗工液が、更にジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ジシアンジアミド縮合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物から選ばれた1以上のカチオン性有機物質を含有するものである(1)〜(5)のいずれかのインクジェット記録用シート、及び
(7)カチオン性有機物質が、ポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物である(6)に記載のインクジェット記録用シート
を提供するものである。
本発明のインクジェット記録用シートは、インク受理層の少なくとも1層が、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成した層であるが、このような構成とすることにより、マイグレーションやにじみの防止性能等に優れており、インク受理層の耐水性にも優れ、画像の耐水性も良好である。
本発明のインクジェット記録用シートは、基材とインク受理層を有するインクジェット記録用シートである。
前記基材としては、シート状のものであればよく、特に制限されるものではない。プラスチックフィルム、紙、不織布等の種々のものが使用可能である。特に、耐水性の点からプラスチックフィルムが好適である。
プラスチックフィルムとしては、例えば塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの一般的な熱可塑性樹脂フィルムの中から適宜選択して用いることができる。また、必要に応じて炭酸カルシウムなどの無機粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたもの、生分解プラスチック、合成紙なども用いることができる。
前記基材としては、シート状のものであればよく、特に制限されるものではない。プラスチックフィルム、紙、不織布等の種々のものが使用可能である。特に、耐水性の点からプラスチックフィルムが好適である。
プラスチックフィルムとしては、例えば塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの一般的な熱可塑性樹脂フィルムの中から適宜選択して用いることができる。また、必要に応じて炭酸カルシウムなどの無機粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたもの、生分解プラスチック、合成紙なども用いることができる。
また、基材として発泡プラスチックフィルムを用いることもできる。ここで発泡プラスチックフィルムとは、フィルムの表面や内部に形成させる亀裂や欠所、あるいは、細かな気泡や空洞などを有するプラスチックフィルムをいう。これらの気泡や空洞などは、種々の方法にて形成させることができる。例えば炭酸カルシウム等の無機粉末を含有したフィルムを延伸して無機粉末の周囲に発生させたり、発泡剤を含有させたフィルムにおいて発泡剤を発泡させるなど様々なものがある。本発明においては、亀裂や気泡の形成方法など生成形態は問わない。また、ここでいう発泡プラスチックフィルムには、ミクロボイドフィルムと称されるものも含まれる。
基材は、単層構造でも多層構造でもよい。多層構造を形成する方法としては、例えば、接着剤を介して層同士を貼り合せる方法、複数の押し出し機から複数の原料を押し出し合流させて製膜するいわゆる共押出方法、フィルムの上に押出機から直接フィルムを押し出しながら貼り合わせて積層するいわゆる押し出しラミネート方法など、公知の方法のいずれで形成したものも用いることができる。
これらの基材の厚さとしては、通常10〜400μm、好ましくは50〜150μmの範囲で選定される。
これらの基材の厚さとしては、通常10〜400μm、好ましくは50〜150μmの範囲で選定される。
なお、基材として、プラスチックからなるものを用いる場合には、その上に設けられる層との密着性や濡れ性などを向上させるなどの目的で、所望により、基材の片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、熱風処理などが挙げられる。また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。それらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。また、易接着処理を施すこともできる。
本発明の記録用シートにおいては、填料(フィラー)として、その粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1のピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2のピーク又は肩ピークを有するシリカを含有するインク受理層を少なくとも1層有する。ここで言う粒径分布は、コールターカウンター法による平均一次粒子径の粒径分布である。
また、細孔容積分布において、1.0〜1.4ml/gに第1ピーク又は肩ピークを、1.6〜2.1ml/gに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカが好ましい。ここで言う細孔容積分布は、窒素吸着法による細孔容積分布である。
粒径分布および細孔容積分布において二つのピーク又は肩ピークを有するシリカは、通常、第1のピークの粒径および細孔容積を有するシリカ(A)と、第2のピークの粒径および細孔容積を有する(B)の2種類のシリカの混合物が用いられるが、その比率(A/B)は好ましくは1.5〜9.0の範囲であり、より好ましくは1.8〜3.0の範囲である。A/Bが1.5未満では塗工層の強度が低下し、9.0を超えるとインク吸収性容量やインク吸収速度が低下する。
また、細孔容積分布において、1.0〜1.4ml/gに第1ピーク又は肩ピークを、1.6〜2.1ml/gに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカが好ましい。ここで言う細孔容積分布は、窒素吸着法による細孔容積分布である。
粒径分布および細孔容積分布において二つのピーク又は肩ピークを有するシリカは、通常、第1のピークの粒径および細孔容積を有するシリカ(A)と、第2のピークの粒径および細孔容積を有する(B)の2種類のシリカの混合物が用いられるが、その比率(A/B)は好ましくは1.5〜9.0の範囲であり、より好ましくは1.8〜3.0の範囲である。A/Bが1.5未満では塗工層の強度が低下し、9.0を超えるとインク吸収性容量やインク吸収速度が低下する。
シリカとしては、公知の方法に従って製造されたものや、市販されているものが利用でき、これらから、本発明で規定する粒径分布が得られるように選択して用いることができる。例えば、第1のピークの粒径および細孔容積を有する「富士シリシア化学(株)製、商品名:サイリシア440」や、第2のピークの粒径および細孔容積を有する「W.R.Grace & Co.製、商品名:SYLOJET P412」等を挙げることができる。シリカは湿式法のゲルタイプが好ましい。
填料は、シリカのみを用いればよいが、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、他の填料を混合して用いても良い。その場合、填料として使用できる物質としては、有機、無機の制限はなく、炭酸カルシウム、タルク、クレー、けいそう土、水酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリンなどが挙げられる。但し、シリカ以外の填料の使用割合は、填料全体の10質量%以下とするのが適当である。
填料は、シリカのみを用いればよいが、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、他の填料を混合して用いても良い。その場合、填料として使用できる物質としては、有機、無機の制限はなく、炭酸カルシウム、タルク、クレー、けいそう土、水酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリンなどが挙げられる。但し、シリカ以外の填料の使用割合は、填料全体の10質量%以下とするのが適当である。
本発明のインクジェット記録用シートのインク受理層における結着剤(バインダー)として保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンが用いられる。
保護コロイドを持つ樹脂のエマルジョンを製造する方法は限定されないが、非水溶性高分子の重合反応時の乳化剤として、界面活性剤ではなく、水溶性高分子を用いることによって製造することができる。
本発明において、保護コロイドは親水性の物質を含有することが必要であり、親水性の物質としては、部分けん化型のポリビニルアルコールが好ましい。
保護コロイドの成分としては、シラノール変性ポリビニルアルコールの他に、他のタイプのポリビニルアルコール、非水溶性高分子のオリゴマー、澱粉、水溶性セルロース誘導体等が挙げられる。
保護コロイド中のシラノール変性ポリビニルアルコールの含有量は、20〜90質量%、特に40〜80質量%が好ましい。シラノール変性ポリビニルアルコールの含有量がこの範囲未満であると、層の強度や画像の色彩性の満足し得る向上は得られ難くなり、逆に、この範囲を超えると、エマルジョンが形成され難くなる。
保護コロイドを持つ樹脂のエマルジョンを製造する方法は限定されないが、非水溶性高分子の重合反応時の乳化剤として、界面活性剤ではなく、水溶性高分子を用いることによって製造することができる。
本発明において、保護コロイドは親水性の物質を含有することが必要であり、親水性の物質としては、部分けん化型のポリビニルアルコールが好ましい。
保護コロイドの成分としては、シラノール変性ポリビニルアルコールの他に、他のタイプのポリビニルアルコール、非水溶性高分子のオリゴマー、澱粉、水溶性セルロース誘導体等が挙げられる。
保護コロイド中のシラノール変性ポリビニルアルコールの含有量は、20〜90質量%、特に40〜80質量%が好ましい。シラノール変性ポリビニルアルコールの含有量がこの範囲未満であると、層の強度や画像の色彩性の満足し得る向上は得られ難くなり、逆に、この範囲を超えると、エマルジョンが形成され難くなる。
一方、エマルジョンにおける保護コロイドを持つ樹脂、すなわち保護コロイドの核となる樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。さらにはこれら樹脂が水酸基を有しているものも挙げられる。これら樹脂が水酸基を有していると塗工液の分散性が向上するので、塗工液調合後の保管に適し、同じ塗工層を安定して設けることができるので好ましく、中でも樹脂中の水酸基が5〜15質量%の範囲であることが好ましい。また、アクリル酸エステル樹脂は、塗工層の耐光性を向上させる効果を有するので好適である。アクリル酸エステル樹脂が水酸基を有する場合、アクリル酸エステル樹脂の水酸基以外の部分が、エマルジョン中の固形分中で70〜80質量%であることが好ましい。
エマルジョン中の保護コロイドの含有量は、5〜30質量%が好ましい。保護コロイドの含有量がこの範囲未満であると、エマルジョンの安定系がくずれやすくなり、逆に、この範囲を超えると、層の耐水性が低下しやすくなる。
エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、塗工層の造膜性、カール防止性を考慮して0℃以下が好ましい。また、エマルジョンのイオン性はノニオン又はカチオン性が好ましい。特に水溶性のカチオン性物質との混和性を考え、弱カチオン性が良い。
エマルジョン中の保護コロイドの含有量は、5〜30質量%が好ましい。保護コロイドの含有量がこの範囲未満であると、エマルジョンの安定系がくずれやすくなり、逆に、この範囲を超えると、層の耐水性が低下しやすくなる。
エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、塗工層の造膜性、カール防止性を考慮して0℃以下が好ましい。また、エマルジョンのイオン性はノニオン又はカチオン性が好ましい。特に水溶性のカチオン性物質との混和性を考え、弱カチオン性が良い。
インク受理層において、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを持った樹脂のエマルジョンの含有量は、20〜30質量%が好ましく、特に23〜28質量%が好ましい。エマルジョンの含有量がこの範囲未満であると、インク受理層強度とマイグレーション防止性能が低下することがあり、逆に、この範囲を超えると、インク吸収容量やインク吸収速度が低下しやすくなる。なお、エマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥してインク受理層を形成した段階では、エマルジョンではなくなっており、従って、ここで云うインク受理層中のエマルジョンの含有量は、受理層形成用塗工液の固形分中に占めるエマルジョン由来の固形分の含有量を意味する。
結着剤としては、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを持つ樹脂のエマルジョンのみを用いればよいが、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、他の結着剤の一種又は二種以上を混合して用いてもよい。
その場合、使用できる結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ゼラチン、ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、アクリル及びウレタン並びにこれらの共重合物などが挙げられる。但し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを持つ樹脂のエマルジョン以外の結着剤の使用割合は、固形分比で結着剤全体の30質量%以下とするのが適当である。
結着剤としては、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを持つ樹脂のエマルジョンのみを用いればよいが、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、他の結着剤の一種又は二種以上を混合して用いてもよい。
その場合、使用できる結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ゼラチン、ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、アクリル及びウレタン並びにこれらの共重合物などが挙げられる。但し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを持つ樹脂のエマルジョン以外の結着剤の使用割合は、固形分比で結着剤全体の30質量%以下とするのが適当である。
インク受理層には、添加剤として、画像のにじみを防止する効果を向上させる等の目的で、水溶性のカチオン性有機物質を含有させてもよい。
水溶性のカチオン性有機物質としては、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ジシアンジアミド縮合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物から選ばれた1以上のカチオン性有機物質を使用することができる。ジシアンジアミド縮合物としては、例えば、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物やジシアンジアミドポルマリン重縮合物、ポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドとの縮合物などが挙げられる。
これらの中でもジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物は、画像のにじみを防止する効果を有するとともに、画像の耐水性を向上させる効果が大きいので好適である。特にポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物を用いると画像の耐光性も向上するので好ましい。ポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物は、前者と後者の質量比が1:9から9:1の範囲であることが好ましく、それぞれ水溶塩の形態が取り扱い易い。
また、インク受理層に水和アルミニウム酸化物を含有させると、インク受理層の強度が向上する。更に、塩基性乳酸アルミニウムを含有させると、画像濃度(反射濃度)が向上する。その他、必要に応じて、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防腐剤、顔料分散剤、増粘剤を添加しても良い
水溶性のカチオン性有機物質としては、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ジシアンジアミド縮合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物から選ばれた1以上のカチオン性有機物質を使用することができる。ジシアンジアミド縮合物としては、例えば、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物やジシアンジアミドポルマリン重縮合物、ポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドとの縮合物などが挙げられる。
これらの中でもジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物は、画像のにじみを防止する効果を有するとともに、画像の耐水性を向上させる効果が大きいので好適である。特にポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物を用いると画像の耐光性も向上するので好ましい。ポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物は、前者と後者の質量比が1:9から9:1の範囲であることが好ましく、それぞれ水溶塩の形態が取り扱い易い。
また、インク受理層に水和アルミニウム酸化物を含有させると、インク受理層の強度が向上する。更に、塩基性乳酸アルミニウムを含有させると、画像濃度(反射濃度)が向上する。その他、必要に応じて、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防腐剤、顔料分散剤、増粘剤を添加しても良い
インク受理層に対する固形分質量比として、シリカ含有量(第1のピークの粒径および細孔容積を有するシリカと第2のピークの粒径および細孔容積を有するシリカの合計量)は、好ましくは50〜70質量%、より好ましくは55〜65質量%である。シリカ含有量が50質量%未満ではインク吸収容量とインク吸収速度が低下することがあり、70質量%を超えるとインク受理層強度が低下することがある。
また、前記カチオン性物質の合計量は、インク受理層に対する固形分質量比として、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3〜8質量%である。前記カチオン性物質の合計量が2質量%未満では、画像のにじみを防止する効果や画像の耐水性を向上させる効果が十分に得にくく、15質量%を超えると耐光性が低下することがある。
水和アルミニウム酸化物の添加量は、好ましくは2〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%である。該添加量が2質量%未満では強度向上の効果を十分に得にくく、15質量%を超えるとカールが発生することがある。
塩基性乳酸アルミニウムの添加量は、好ましくは1〜6質量%、より好ましくは2〜4質量%である。該添加量が1質量%未満では画像濃度(反射濃度)向上の効果を十分に得にくく、6質量%を超えるとインク吸収速度が低下することがある。
水和アルミニウム酸化物の添加量は、好ましくは2〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%である。該添加量が2質量%未満では強度向上の効果を十分に得にくく、15質量%を超えるとカールが発生することがある。
塩基性乳酸アルミニウムの添加量は、好ましくは1〜6質量%、より好ましくは2〜4質量%である。該添加量が1質量%未満では画像濃度(反射濃度)向上の効果を十分に得にくく、6質量%を超えるとインク吸収速度が低下することがある。
インク受理層の厚さは、好ましくは20〜45μm、より好ましくは25〜35μmである。インク受理層の厚さが20μm未満では、インク吸収容量やインク吸収速度が低下し、にじみの防止性能が低下することがある。45μmを超えると、インク受理層の強度が低下することがある。
本発明のインクジェット記録用シートは、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成したインク受理層を少なくとも一層有するものであるが、該本発明のインク受理層は、基材の片面に有してもよく、両面に有してもよい。また、該本発明のインク受理層を、ひび割れ防止の目的等により、片面に2層設けてもよい。
また、本発明のインクジェット記録用シートは、該本発明のインク受理層以外のインク受理層をも設けてもよい。例えば本発明のインク受理層を有する面と反対の面に、他のインク受理層を設ける場合がある。
更に、本発明のインクジェット記録用シートは、他の層を設けてもよい。例えば、インク受理層と基材の密着力を向上させる目的でアンカーコート層を設けてもよい。また、隠蔽性を向上させる目的で、不透明度が高い層を設けてもよい。紫外線吸収層、表面保護層などを設けてもよい。
更に、本発明のインクジェット記録用シートは、他の層を設けてもよい。例えば、インク受理層と基材の密着力を向上させる目的でアンカーコート層を設けてもよい。また、隠蔽性を向上させる目的で、不透明度が高い層を設けてもよい。紫外線吸収層、表面保護層などを設けてもよい。
本発明のインクジェット記録用シートにおいて、インク受理層、アンカーコート層などは、必要な成分を分散させたり溶解させた塗工液を塗工して乾燥させることなどによって形成することができる。塗工は、リバースロールコート、エアナイフコート、グラビアコート、ブレードコート等の従来公知の種々の方法を用いることが可能である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、インクジェット記録用シートの性能は、以下に示す要領に従って評価した。また、印画は、キャノン社製のインクジェットプリンター(機種名:BJ−F9000)で、色材として染料を用いた純正の水性インクを使用した。
なお、インクジェット記録用シートの性能は、以下に示す要領に従って評価した。また、印画は、キャノン社製のインクジェットプリンター(機種名:BJ−F9000)で、色材として染料を用いた純正の水性インクを使用した。
(1)にじみ(印画直後)の防止性能
高品位専用紙出力モードでベタ画像(グリーン、インク噴射量280%)の白抜き文字パターンを印画した。
白抜き部へのインクの侵入度合いを目視で観察した。
○・・・にじみなし
△・・・にじみが若干発生したが実用上支障無し
×・・・にじみが発生し、実用上支障有り
高品位専用紙出力モードでベタ画像(グリーン、インク噴射量280%)の白抜き文字パターンを印画した。
白抜き部へのインクの侵入度合いを目視で観察した。
○・・・にじみなし
△・・・にじみが若干発生したが実用上支障無し
×・・・にじみが発生し、実用上支障有り
(2)マイグレ−ション
上記(1)と同じ画像を印画した。印画の30分後にクリアーファイルに印画物を密閉し、3日間放置した後、マイグレ−ションを目視で観察した。
○・・・マイグレーションなし
△・・・マイグレーションが若干発生したが実用上支障無し
×・・・マイグレーションが発生し、実用上支障有り
上記(1)と同じ画像を印画した。印画の30分後にクリアーファイルに印画物を密閉し、3日間放置した後、マイグレ−ションを目視で観察した。
○・・・マイグレーションなし
△・・・マイグレーションが若干発生したが実用上支障無し
×・・・マイグレーションが発生し、実用上支障有り
(3)画像の耐水性(滴下)
印画5分後に印画部にスポイトで蒸留水を一滴垂らし、蒸留水が完全に吸収されたときのインク流出の度合いを目視で観察し、下記の判定基準で評価した。
○:流出が殆ど無い
△:流出が若干発生したが、実用上支障なし
×:流出が多く発生し、実用上支障あり
(4)インク受理層の耐水性
十分に濡れた綿棒で荷重が100gになるように、インクジェット記録用シートのインク受理層表面を、インク受理層が脱離するまで擦り、それに要した回数を数えて下記判定基準で評価した。ただし、綿棒の1往復(片道約50mm)を1回としてカウントした。
○:100回以上
△:50〜99回
×:49回以下
印画5分後に印画部にスポイトで蒸留水を一滴垂らし、蒸留水が完全に吸収されたときのインク流出の度合いを目視で観察し、下記の判定基準で評価した。
○:流出が殆ど無い
△:流出が若干発生したが、実用上支障なし
×:流出が多く発生し、実用上支障あり
(4)インク受理層の耐水性
十分に濡れた綿棒で荷重が100gになるように、インクジェット記録用シートのインク受理層表面を、インク受理層が脱離するまで擦り、それに要した回数を数えて下記判定基準で評価した。ただし、綿棒の1往復(片道約50mm)を1回としてカウントした。
○:100回以上
△:50〜99回
×:49回以下
実施例1
以下に示す基材上に、アンカーコート用塗工液を塗工して、厚さ3μm(乾燥後)のアンカーコート層を形成し、その上にインク受理層形成用塗工液を塗工して、厚さ30μm(乾燥後)の層を形成することにより、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
以下に示す基材上に、アンカーコート用塗工液を塗工して、厚さ3μm(乾燥後)のアンカーコート層を形成し、その上にインク受理層形成用塗工液を塗工して、厚さ30μm(乾燥後)の層を形成することにより、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
基材として、厚さ80μmの発泡ポリプロピレンフィルム〔ユポ・コーポレーション社製、ミクロボイドフィルム、商品名:ユポFPG80〕を用いた。
アンカーコート用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(a) アクリル樹脂〔BASFディスパージョン社製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度49質量%、アニオン性〕60質量部
(b) 炭酸カルシウム〔白石中央研究所社製、商品名:カルライトSA、固形分濃度100質量%、アラゴナイト質〕10質量部
(c) 水30質量部
アンカーコート用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(a) アクリル樹脂〔BASFディスパージョン社製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度49質量%、アニオン性〕60質量部
(b) 炭酸カルシウム〔白石中央研究所社製、商品名:カルライトSA、固形分濃度100質量%、アラゴナイト質〕10質量部
(c) 水30質量部
インク受理層形成用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(a)填料(フィラー)
・シリカ〔富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア440、固形分濃度100質量%、粒径3.5μm 、細孔容積1.25ml/g〕11.5質量部
・シリカ〔W.R.Grace & Co.製、商品名:SYLOJET P412、固形分濃度100質量%、粒径7.5μm、細孔容積2.05ml/g〕5.1質量部
(b)結着剤(バインダー)
・樹脂のエマルジョン[昭和高分子社製「OLZ−1202−49」、固形分濃度45.5%、保護コロイ ドが50質量%のシラノール変性ポリビニルアルコールと50質量%の部分ケン化型ポリビニルアルコー ルからなり、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主成分とする樹脂のエマルジョン、Tg:0℃、弱 カチオン性 ]16.0質量部
(c)添加剤
・カチオン性物質(ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物)〔日華化学社製、商品名:ネオフィ ックスRE、固形分濃度40質量%〕3.9質量部
・水和アルミニウム酸化物〔日産化学工業社製、商品名:アルミナゾル200、繊維状、固形分濃度10質 量%、カチオン性〕14.7質量部
・塩基性乳酸アルミニウム〔多木化学社製、商品名:タキセラムM160L、固形分濃度25質量%、カチ オン性〕3.3質量部
・蛍光増白剤〔バイエル社製、商品名:ブランクフォーUWリキッド(BLANKOPHOR UW li quid)、固形分濃度100質量%〕0.1質量部
・水46.0質量部
(a)填料(フィラー)
・シリカ〔富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア440、固形分濃度100質量%、粒径3.5μm 、細孔容積1.25ml/g〕11.5質量部
・シリカ〔W.R.Grace & Co.製、商品名:SYLOJET P412、固形分濃度100質量%、粒径7.5μm、細孔容積2.05ml/g〕5.1質量部
(b)結着剤(バインダー)
・樹脂のエマルジョン[昭和高分子社製「OLZ−1202−49」、固形分濃度45.5%、保護コロイ ドが50質量%のシラノール変性ポリビニルアルコールと50質量%の部分ケン化型ポリビニルアルコー ルからなり、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主成分とする樹脂のエマルジョン、Tg:0℃、弱 カチオン性 ]16.0質量部
(c)添加剤
・カチオン性物質(ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物)〔日華化学社製、商品名:ネオフィ ックスRE、固形分濃度40質量%〕3.9質量部
・水和アルミニウム酸化物〔日産化学工業社製、商品名:アルミナゾル200、繊維状、固形分濃度10質 量%、カチオン性〕14.7質量部
・塩基性乳酸アルミニウム〔多木化学社製、商品名:タキセラムM160L、固形分濃度25質量%、カチ オン性〕3.3質量部
・蛍光増白剤〔バイエル社製、商品名:ブランクフォーUWリキッド(BLANKOPHOR UW li quid)、固形分濃度100質量%〕0.1質量部
・水46.0質量部
実施例2
実施例1におけるインク受理層用塗工液中のカチオン性物質を、〔ネオフィックスRE〕3.9質量部から、ポリジアリルアミン塩とポリアリルアミン塩の混合水溶液〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスRX−100、固形分濃度19質量%〕8.2質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液中のカチオン性物質を、〔ネオフィックスRE〕3.9質量部から、ポリジアリルアミン塩とポリアリルアミン塩の混合水溶液〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスRX−100、固形分濃度19質量%〕8.2質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例3
実施例1におけるインク受理層用塗工液中のカチオン性物質を、〔ネオフィックスRE〕3.9質量部から、ジシアンジアミド縮合物〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスE−117、固形分濃度50質量%〕3.2質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液中のカチオン性物質を、〔ネオフィックスRE〕3.9質量部から、ジシアンジアミド縮合物〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスE−117、固形分濃度50質量%〕3.2質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例4
実施例1におけるインク受理層用塗工液中のカチオン性物質を、〔ネオフィックスRE〕3.9質量部から、特殊カチオン性ポリマー〔住友化学工業社製、商品名:スミレーズレジン1001、固形分濃度30質量%〕5.3質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液中のカチオン性物質を、〔ネオフィックスRE〕3.9質量部から、特殊カチオン性ポリマー〔住友化学工業社製、商品名:スミレーズレジン1001、固形分濃度30質量%〕5.3質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例5
実施例1におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有しかつ水酸基を有するアクリル酸エステル樹脂のエマルジョン〔固形分濃度45.7質量%〕15.9質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有しかつ水酸基を有するアクリル酸エステル樹脂のエマルジョン〔固形分濃度45.7質量%〕15.9質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。なお、クラレRポリマーR−1130は保護コロイドを持たない。その評価結果を第1表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。なお、クラレRポリマーR−1130は保護コロイドを持たない。その評価結果を第1表に示す。
比較例2
実施例2におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例2と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例2におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例2と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
比較例3
実施例3におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例3と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
実施例3におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例3と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。その評価結果を第1表に示す。
比較例4
実施例4におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例3と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
実施例4におけるインク受理層用塗工液中の樹脂のエマルジョン[OLZ−1202−49]16.0質量部を、ポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレRポリマーR−1130、固形分濃度100質量%、ノニオン性〕6.9質量部に代えた以外は、実施例3と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
本発明のインクジェット記録用シートは、マイグレーションやにじみの防止性能等に優れており、インク受理層の耐水性にも優れ、画像の耐水性も良好であり、水性のインク、特に染料インク用に好適に用いられる。
Claims (7)
- 基材とインク受理層を有するインクジェット記録用シートであって、該インク受理層の少なくとも1層が、粒径分布において粒径3.0〜5.5μmに第1ピーク又は肩ピークを有し、粒径6.5〜15.0μmに第2ピーク又は肩ピークを有するシリカを填料として含有し、保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを結着剤として含有する受理層形成用塗工液を塗工・乾燥することにより形成した層であることを特徴とするインクジェット記録用シート。
- シリカが、細孔容積分布において、1.0〜1.4ml/gに第1ピーク又は肩ピークを、1.6〜2.1ml/gに第2ピーク又は肩ピークを有するものである請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
- シリカが、粒径3.0〜5.5μmで細孔容積が1.0〜1.4ml/gであるシリカと、粒径6.5〜15.0μmで細孔容積が1.6〜2.1ml/gであるシリカとの混合物である請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用シート。
- 粒径3.0〜5.5μmで細孔容積が1.0〜1.4ml/gであるシリカ(A)と粒径6.5〜15.0μmで細孔容積が1.6〜2.1ml/gであるシリカ(B)の比率(A/B)が1.5〜9.0の範囲である請求項3に記載のインクジェット記録用シート
- シラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを形成する樹脂が、アクリル酸エステル樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- 受理層形成用塗工液が、更にジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの重合物、ジシアンジアミド縮合物、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、及びジアリルアミンとアリルアミンとの共重合物から選ばれた1以上のカチオン性有機物質を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- カチオン性有機物質が、ポリジアリルアミンとポリアリルアミンとの混合物である請求項6に記載のインクジェット記録用シート。
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