JP2005161607A - インクジェット記録用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(A)無機填料と、結着剤として(B)水酸基を有しかつ保護コロイドを持つ樹脂のエマルジョンとを含有する受理層形成用塗工液を塗工、乾燥することにより形成した層であることを特徴とするインクジェット記録用シートとする。
【選択図】 なし
Description
それに伴い、インクジェット記録用シートに対して、適度な画像濃度、画像のにじみ防止等の印画品質が要求されている。それに加え、屋外での用途の拡大に伴い、インク受理層の濡れた状態での耐擦過性、インク受理層や画像の耐水性等が求められている。
従来、印画品質や画像の耐水性が良好なインクジェット記録用シートとして、インク受理層に填料としてシリカ、結着剤としてポリビニルアルコールを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法によると、ある程度の印画品質とインク受理層の耐擦過性を得ることはできるがこれだけでは不充分であり、インク受理層や画像の耐水性についても充分であるとはいえない。
また、本発明者は、結着剤として保護コロイド中にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する樹脂のエマルジョンを用いることを提案した(特願2002−132736号)。この方法によると、印画品質、インク受理層の耐擦過性及びインク受理層や画像の耐水性が優れたものを得ることができる。
しかしながら、製品の実際的な製造において、塗工液は調合後ただちに塗工されるわけではなく、成分の沈降や硬化などを防止するよう攪拌しつつ保管される場合が多い。使用時の温湿度に合わせて塗工液を微調整できるよう予め作り置きしたり、調合した塗工液の組成、物性を分析したりするためである。上記特願2002−132736号の方法で調合して通常通りに塗工液を保管すると攪拌していてもインク受理層形成用の塗工液は凝集しやすく無機填料の分散性が不充分となるため、塗工液の調合後直ちに塗工を要する等塗工液の管理上の制約が生じる。
このように、従来のインク受理層成形用塗工液では、画像濃度、画像のにじみ防止等の印画品質を維持し、優れたインク受理層の濡れた状態での耐擦過性、インク受理層や画像の耐水性に優れると共に、管理上の制約のない良好な無機填料分散性を同時に充分に満足させることは困難であった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
(1) 基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(A)無機填料と、結着剤としての(B)水酸基を有しかつ保護コロイドを持つ樹脂のエマルジョンとを含有する受理層形成用塗工液を塗工、乾燥することにより形成した層であることを特徴とするインクジェット記録用シート、
(2) 保護コロイドの主成分がポリビニルアルコールである(1)に記載のインクジェット記録用シート、
(3) ポリビニルアルコールが、完全ケン化型ポリビニルアルコールと部分ケン化型ポリビニルアルコールとを含有するものである(2)のインクジェット記録用シート
(4) 樹脂がアクリル樹脂である(1)〜(3)のいずれかのインクジェット記録用シート、
(5) (B)成分の核となる樹脂中の水酸基の含有量が5〜15質量%である(1)〜(4)のいずれかのインクジェット記録用シート。
(6) (B)成分が含有する樹脂の固形分中のポリビニルアルコールの含有量が5〜30質量%である(2)〜(5)のいずれかのインクジェット記録用シート。
(7) インク受理層中の(A)成分と結着剤との固形分質量比が1.5:1〜2.5:1の範囲にあり、且つ(A)成分の細孔容積が1.0〜1.5ml/gの範囲である(1)から(6)のいずれかに記載のインクジェット記録用シート、
(8) インク受理層が水溶性アルミニウム塩及び/又は水和アルミニウム酸化物を含有する(1)から(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用シート、及び
(9) インク受理層中に(B)成分に由来しないポリビニルアルコールを含有し、該ポリビニルアルコールと(B)成分中の固形分との質量比が6:4〜1:10の範囲である(1)から(8)のいずれかに記載のインクジェット記録用シート、
を提供するものである。
本発明においては、基材は、シート状のものであればよく、特に限定されるものではない。プラスチックフィルム、紙、不織布等の、従来この種の目的に使用されていたもののいずれもが使用可能であるが、特に耐水性の点からプラスチックフィルムが好適である。
プラスチックフィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂、あるいは、これら樹脂に炭酸カルシウム等の無機粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたもの等から選択することが可能である。
さらに、素材として生分解性プラスチックのフィルムを使用することもできる。本発明における生分解性プラスチックとは、燃焼エネルギーが低く、有毒ガスが発生せず、自然環境中の微生物に代謝され最終的に水と二酸化炭素に分解されて、かつ大気雰囲気中で実用上問題のない耐久性を持つプラスチックであり、特に限定されないが、好適に用いられるものとしては、ポリ乳酸、デンプン/変性PVA混合体、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体等が挙げられる。特に、分解の速さと強度の点から、ポリ乳酸が好適である。また、必要に応じ、生分解性を損なわない範囲で強度向上等の目的で他のプラスチックを添加することもできる。
なお、ここでいうプラスチックフィルムには、合成紙と称されるものも含まれる。
また、基材として紙を用いる場合においても特に制限はなく、上質紙、中質紙、パルプ紙、クラフト紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙などを用いることができる。
この場合、使用できる無機填料は、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、けいそう土、水酸化アルミニウム、酸化チタン、焼成カオリン、含水マグネシウムシリケートなどが挙げられる。これらは単独、又は混合して使用できる。
上記無機填料のなかで、シリカが特に好ましい。シリカの種類としては特に制限は無く、ゲルタイプ、沈降性タイプ及びフュームドタイプのいずれでも良い。
シリカの平均粒子径は、水性顔料インクのインク吸収性の点から、レーザー法による測定で5.0μm以上が好ましい。前記平均粒子径は、レーザー法によって得られた累積粒度曲線の体積分率が50%の点に相当する粒子径より求めた平均二次粒子径である。
また、シリカの粒度分布(d10/d90)は、ラミネート加工後のシルバリング抑制、インク受理層の強度等の点から0.15以上が好ましい。
ここで、上記シリカ粒度分布のd10は、粒子径が小さい方から足していき、その積算体積が全体の10%となった時の最大粒子径を意味し、d90は、粒子径が小さい方から足していき、その積算体積が全体の90%となった時の最大粒子径を意味し、ここでいう粒度分布d10/d90はd10の値をd90の値で割ったものである。なお、粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定することができる。
インク受理層中の(A)成分と結着剤〔(B)成分以外の結着剤を含む場合には該結着剤を含む全結着剤となる〕との固形分質量比が1.5:1〜2.5:1の範囲にあり、且つ(A)成分の細孔容積が1.0〜1.5ml/gの範囲であることが好ましい。填料の含有量と細孔容積をこの範囲内にすることで優れたインク吸収性、インク受理層の強度を維持することができる。
保護コロイドの主成分としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられるが、ポリビニルアルコールが好ましい。
本発明におけるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコール以外に、たとえばシラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、メルカプト基含有ポリビニルアルコールなどを用いてもよい。中でもシラノール変性ポリビニルアルコールを用いるとインク受理層の強度を向上させることができるので好適である。
保護コロイド中のポリビニルアルコールとしては、完全ケン化型のものと部分ケン化型のものを両方含有することが好ましい。なお、本発明において、完全ケン化型のポリビニルアルコールとは、ケン化度が95モル%を超えるものを指し、部分ケン化型のポリビニルアルコールとは、ケン化度が95モル%以下のものを指す。
(B)成分が含有する樹脂の固形分中の完全ケン化型のポリビニルアルコールの含有量は、1.0〜3.0質量%、特に1.5〜2.5質量%が好ましい。また、(B)成分が含有する樹脂の固形分中の部分ケン化型のポリビニルアルコールの含有量は、10〜20質量%、特に12〜16質量%が好ましい。上記範囲内にあれば、インク受理層自体の塗工層としての強度、印画した際の発色性、調整した塗工液中で無機填料を経時的に良好な分散状態に保つ性能がより向上する。
また、(B)成分の粒子径は、0.4〜0.6μmが好ましい。
保護コロイドを持つ樹脂のエマルジョンを製造する方法は限定されないが、非水溶性高分子の重合反応時の乳化剤として、界面活性剤ではなく、水溶性高分子を用いることによって製造することができる。
本発明における保護コロイドを形成する成分としては、ポリビニルアルコール等の主成分の他に、非水溶性高分子のオリゴマー、澱粉、水溶性セルロース誘導体等が挙げられる。
本発明においては、この核となる樹脂が水酸基を有することが特徴である。核となる樹脂中の水酸基の含有量が5〜15質量%であることが好ましく、8〜12質量%であることがさらに好ましい。これにより、調整した塗工液中で無機填料を経時的に良好な分散状態に保つ性能に優れる。
(B)成分が含有する樹脂の固形分中のポリビニルアルコールの含有量は、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。保護コロイドの含有量がこの範囲にあれば、安定したエマルジョンが得られると共にインク受理層の耐水性も良好となる。
このエマルジョンを構成する樹脂材料組成物のTgは塗工層の造膜性、カール防止性を考慮して0℃以下が好ましい。また、エマルジョンのイオン性はノニオン又はカチオン性が好ましい。特に水溶性のカチオン性物質との混和性を考え、弱カチオン性が良い。
中でもポリビニルアルコールが好ましく、完全ケン化型ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが、塗工層の耐水性の低下が少ないことからより好ましい。また、インク受理層中に(B)成分に由来しないポリビニルアルコールを含有し、該ポリビニルアルコールと(B)成分中の固形分との質量比が6:4〜1:10の範囲であるようにすると、インク受理層の強度がより向上するので好ましい
さらに、(B)成分に由来しないポリビニルアルコールは、重合度が1000以上の完全ケン化型ポリビニルアルコールが、塗工層の耐水性、強度、発色性の点から特に好ましい。これらの結着剤は一種又は2種以上を混合して用いてもよい。
但し、全結着剤のうち(B)成分中の固形分の占める割合は40質量%以上とするのが適当である。
かかるカチオン性樹脂としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアミン、モノアリルアミン塩酸塩の重合体、ジアリルアミン塩酸塩の重合体、モノアリルアミン塩酸塩−ジアリルアミン塩酸塩の共重合体、(メタ)アクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩の重合体、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物、2級アミンとエピハロヒドリンの付加重合物、ポリエポキシアミン、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩酸塩、アリルアミン−ジアリルアミン共重合体、(メタ)アクリルアミド−ジアリルアミン共重体、エピクロルヒドリンポリアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ジシアンジアミドポリエチレンアミンおよびポリジメチルアミンアンモニウムエピクロルヒドリンなどの化合物を挙げることができる。これらのカチオン性樹脂は、発色性、画像濃度、及びインクのにじみ防止性能向上のために好ましい。
インク受理層中のカチオン性樹脂の含有量は、特に制限はないが、インク受理層全固形分中で、通常1〜10質量%の範囲が好ましい。カチオン性樹脂の含有量が上記範囲内にあれば、発色性、にじみ防止性、耐水性、耐光性、インク吸収性などの特性を維持することができる。
インク受理層中の水溶性アルミニウム塩の含有量は、特に制限はないが、通常インク受理層全固形分中で1〜5質量%の範囲が好ましい。水溶性アルミニウム塩の含有量が上記範囲内にあれば、前記効果が発現すると共に、インク吸収性も良好である。
インク受理層中の水和アルミニウム酸化物の含有量は、特に制限はないが、通常インク受理層全固形分中で、1〜8質量%の範囲が好ましい。水和アルミニウム酸化物の含有量が上記範囲にあれば、前記効果が発現すると共に、カールの発生を抑制することができる。
インク受理層の厚さは、15〜60μmが好ましく、特に20〜50μmの範囲が好ましい。この厚さが上記範囲内にあれば、インクの吸収性がよく、インク受理層の強度も十分である。
さらに、インク受理層以外の層も設けてもよい。例えば、インク受理層と基材の中間に、密着力を向上させる目的でアンカーコート層を設けてもよい。また、隠蔽性を向上させる目的で、適当な不透明度を有する層を設けてもよく、紫外線吸収層を設けてもよい。また、カール防止のための層を設けてもよい。
インク受理層、アンカーコート層などは、必要な成分を分散させたり、溶解させた塗工液を塗工して乾燥させることなどによって形成することができ、塗工は、リバースロールコート、エアナイフコート、グラビアコート、ブレードコート等の従来公知の種々の方法を用いることが可能である。
なお、インクジェット記録用シートの性能は、以下に示す方法に従って評価した。また、印画には、セイコーエプソン社製の顔料タイプのインクジェットプリンター(機種名MC9000)を使用し、インクは純正の顔料タイプのインクを使用した。
また、画像については、次の二つのタイプの画像を印画した。
タイプA
使用した色:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、及び混色(シアンとマゼンタとイエロー)の黒
画像:単色ベタ印画、 JIS高精細カラーディジタル標準画像N3A、
タイプB
使用した色:ブラック
画像:単色ベタ印画
上記のタイプAの画像を印画し、目視により、反射濃度、にじみ、バンディング及び 色目を総合的に観察し、下記の判定基準で評価した。
◎・・・問題が無く、良好
○・・・バンディングが若干発生したが実用上支障無し
×・・・くすんで見え、実用上支障有り
(2)画像の耐水性(滴下)
上記のタイプAの画像を印画し、印画終了5分後に印画部にスポイトで蒸留水を1滴たらし蒸留水が完全に吸収されたときのインク流出の度合いを目視で評価した。
◎・・・流出なし
○・・・流出が若干発生したが実用上支障無し
×・・・流出が発生し、実用上支障有り
(3)インク受理層の濡れた状態での耐擦過性
十分に濡れた綿棒で荷重が0.98Nになるように、インクジェット記録用シートの表面を擦った。インク受理層が脱離するまで擦り、それに要した回数を調べた。ただし、1往復(片道約50mm)を1回とカウントした。
(4)密着強度
インク受理層上にセロハンテープ(ニチバン社製「CT405A−18」、長さ10cm)を19.6Nの圧着ロール3往復で貼り付け、45°の角度で逆行する向きに剥離した時の剥がれ具合を下記の基準で評価した。
○……セロハンテープに付着した塗工層の面積が30%以下
Δ……セロハンテープに付着した塗工層の面積が30%超60%以下
×……セロハンテープに付着した塗工層の面積が60%超
(5)インク受理層形成用の塗工液中の無機填料の分散性
各実施例、比較例のインク受理層形成用の塗工液を200g採取してビーカーに入れ、通常の生産時と同様に攪拌機によって300rpmで攪拌しつつ、5日間保管した。その後、それぞれの塗工液を基材に塗工して乾燥させ、インク受理層を形成した。これらに上記のタイプBの画像を印画し、印画ムラの有無を目視で評価した。
○・・・ムラ無し
×・・・ムラ有り
無機填料の分散安定性が悪いと攪拌しつつ保管しても塗工液中で経時的に無機填料の凝集が起こり、このような塗工液を塗工すると白ブツと称される印画ムラが発生しやすくなる。この印画ムラの有無から、無機填料の塗工液中での分散性の程度をより明確に比較することができる。
基材として、厚さ80μmの発泡プラスチックフィルム〔東洋紡績社製、商品名:トヨパールフィルムP4258〕を用いた。
アンカーコート層用塗工液として、次の成分の混合物を用いた。
(a)アクリル樹脂〔BASFディスパージョン社製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度49質量%、アニオン性〕60質量部
(b)炭酸カルシウム〔白石中央研究所社製、商品名:カルライトSA、固形分濃度100質量%、アラゴナイト質〕10質量部
(c)水30質量部
インク受理層用塗工液として、次の成分の混合物を用いた。
(a) 填料
*シリカ〔水澤化学工業社製、商品名:ミズカシルP−50、固形分濃度100質量%、細孔容積1.1ml/g、レーザー法による平均粒子径10μm〕24.2質量部
(b)結着剤
*水酸基を有しかつ保護コロイドを持つアクリル樹脂のエマルジョン〔固形分濃度45.7質量%、〕13.9質量部
なお、該エマルジョンの樹脂成分の固形分の組成を第1表に示す。
(c) 添加剤
*水和アルミニウム酸化物[日産化学工業社製、商品名:アルミナゾル200、固形分濃度10質量%、]3.70質量部
*ジシアンジアミド縮合物〔日華化学社製、商品名:ネオフィックス E−117、固形分濃度50%〕5.60質量部
*塩基性乳酸アルミニウム〔多木化学社製、商品名:タキセラムM−160L、固形分濃度25質量%、〕3.80質量部
*蛍光増白剤〔バイエル社製、商品名:BLANKOPOR UW liquid、固形分濃度100質量%、〕0.30質量部
(d) 水 111.8質量部
基材の一方の面に、アンカーコート層用塗工液を乾燥後の厚みが5μmになるように塗工し、乾燥処理後、このアンカーコート層上にインク受理層用塗工液を乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、乾燥処理することにより、インク受理層を設けインクジェット記録用シートを作製した。各評価結果を第3表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液として、填料のシリカ(ミズカシルP−50)の量を33.5質量部、結着剤の「水酸基を有しかつ保護コロイドを持つアクリル樹脂のエマルジョン」の量を21.2質量部、ポリビニルアルコール(デンカポバールK−17E)の量を6.7質量部とし、さらに結着剤としてポリビニルアルコール〔クラレ社製、商品名:クラレポバールPVA105、固形分濃度100質量%、完全ケン化型、平均重合度550〕1.2質量部を加え、添加剤「アルミナゾル200」、「ネオフィックス E−117」、および「タキセラムM−160L」の量をそれぞれ5.20質量部、7.80質量部、5.30質量部とし、水を151.3質量部とした。
それ以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。各評価結果を第3表に示す。
実施例1におけるインク受理層用塗工液として、「水酸基を有しかつ保護コロイドを持つアクリル樹脂のエマルジョン」13.9質量部を、核となるアクリル樹脂(水酸基を持たない)と保護コロイドからなるエマルジョン〔固形分濃度44.3質量%、〕14.3質量部に代えた。
なお、該エマルジョンの樹脂成分の固形分の組成を第2表に示す。
Claims (9)
- 基材上にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(A)無機填料と、結着剤としての(B)水酸基を有しかつ保護コロイドを持つ樹脂のエマルジョンとを含有する受理層形成用塗工液を塗工、乾燥することにより形成した層であることを特徴とするインクジェット記録用シート。
- 保護コロイドの主成分がポリビニルアルコールである請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
- ポリビニルアルコールが、完全ケン化型ポリビニルアルコールと部分ケン化型ポリビニルアルコールとを含有するものである請求項2に記載のインクジェット記録用シート。
- 水酸基を有する樹脂がアクリル樹脂である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- (B)成分の核となる樹脂中の水酸基の含有量が5〜15質量%である請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- (B)成分が含有する樹脂の固形分中のポリビニルアルコールの含有量が5〜30質量%である請求項2から5のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- インク受理層中の(A)成分と結着剤との固形分質量比が1.5:1〜2.5:1の範囲にあり、且つ(A)成分の細孔容積が1.0〜1.5ml/gの範囲である請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- インク受理層が水溶性アルミニウム塩及び/又は水和アルミニウム酸化物を含有する請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
- インク受理層中に(B)成分に由来しないポリビニルアルコールを含有し、該ポリビニルアルコールと(B)成分中の固形分との質量比が6:4〜1:10の範囲であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
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JP2015223837A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-14 | 理想科学工業株式会社 | 非水系インク用インクジェット記録媒体及びインクジェット印刷方法 |
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