JP2009018478A - インクジェット記録媒体、及び印画物 - Google Patents

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好幸 長瀬
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晃章 奥田
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Abstract

【課題】水性顔料インクを用いたインクジェット記録において、高画質・高品位の印画物を得る。これと同時に、得られた印画物の印画面において、例えば爪等による強度の擦過にも耐えうるほどの高い耐擦過性を持つインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】インク受容層は複数の層からなり、インク受容層を直上から見た場合にインク受容層の表面に露出する球状粒子に占有される面積の割合が、表面全体の0.5%以上10%以下であり、かつ、インク受容層の表面に露出する球状粒子の60個数%以上がインク受容層の表面から厚み方向に0.2μm以上10μm以下の範囲で突出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターに使用されるインクジェット記録媒体に関するものである。特に、屋内または屋外に掲示されるポスターなどの光沢・半光沢な風合いを有した印画物を得るためのインクジェット記録媒体に関するものである。また、このインクジェット記録媒体上に水系顔料インクによって画像が形成された印画物に関するものである。
最近、インクジェット記録方式による大判インクジェットプリンターが普及しつつある。これは、高速で多色の高画質な写真画像、アート画像、オフィス文章、CAD画像などの多種多様の印画物が1台のインクジェットプリンターから簡単に得られるためである。
特に、このインクジェットプリンターによって、例えば、表示画像を頻繁に取り替える屋内または屋外用の掲示ポスターを作製することができる。このインクジェット記録方式は、一度に大量部数のポスターを必要としない利用者にとっては、原版を必要とする印刷と比べて経済的・作製時間的に、更には装置の設置スペース的にも大きなメリットがある。
一般に、掲示ポスターには、その用途上、耐光性、耐ガス性、耐オゾン性、耐水性等の各種の堅牢性が要求されるため、特に屋外用の掲示ポスターにおいては、インクとして顔料を用いたものが使用されている。
しかしながら、一般に、顔料インクを用いて光沢・半光沢紙上に形成した画像は、例えば人の爪などにより擦過されることによって顔料インクが容易にインク受容層の表面から剥離されるという問題があった。この結果、インク受容層の白地部分が露出してしまっていた。
これは、以下の理由によるものである。すなわち、通常、顔料インクの粒子径は約100nm程度である一方、光沢・半光沢紙のインク受容層の表面を構成する無機微粒子の平均2次粒子径は、顔料インクと同程度の50〜200nmである。したがって、通常のインクジェット記録媒体では、インク受容層中の細孔よりも顔料粒子の粒子径の方が大きく、インク受容層上に印画された顔料インクの顔料成分(溶剤成分を除く)は、インク受容層の内部にまで浸透しなかった。このため、顔料粒子は、単にインク受容層の表面に付着しているだけの状態となっていた。従って、顔料インクのインク受容層への密着性が悪く、外部からの擦過に対して顔料インクの耐擦過性(剥がれにくさ)が低くなることが、この顔料インク剥離の主な理由となっていた。
このような問題を解決するため、得られた印画物にラミネート加工などの後処理を行うことが行われている。しかし、ラミネート加工を用いると加工のための工程が増えてコストアップに繋がり、更にはインクジェット記録媒体本来の表面風合いを損なってしまうといった問題が未だ残されていた。
一方、特許文献1〜7には、インク受容層中に粒子をマット剤として含有させた発明が開示されている。これらの発明は、印画物を重ねたときに発生するいわゆるインクの裏写り防止や、プリンターでの搬送性の改良、重ね合わせたインクジェット記録媒体同士のブロッキング防止、未印画表面の耐傷性等を目的としたものである。
特開平07−025133号公報 特開2002−292997号公報 特開2003−226072号公報 特開平11−321080号公報 特開2002−137536号公報 特開2004−174981号公報 特開2004−181761号公報
しかしながら、特許文献1〜7に記載のインクジェット記録媒体では、印字後の顔料インクの耐擦過性が未だ不十分であった。この理由の一つとして、特許文献1〜7のインクジェット記録媒体上に顔料インクによって印画した場合、マット剤粒子の構成材料によってはマット剤粒子上に顔料インクが堆積された状態で印画物が形成されることが挙げられる。この結果、インクジェット記録媒体が外部から擦過されると、粒子上に堆積した顔料インクに直接、触れることとなり顔料インクが剥離する恐れが高いものとなっていた。
また、耐擦過性を向上させるために、インク受容層中の細孔径をより大きくし、インク受容層の内部にまで顔料粒子を浸透させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では印画物の耐擦過性を向上させることができるものの顔料粒子がインク受容層の内部にまで浸透してしまうため、画像特性に劣るものとなっていた。
そこで、本発明者は上記課題について鋭意検討した結果、耐擦過性にはインクジェット記録媒体の表面と、これに接触する擦過物(爪などのインク受容層の表面を擦るもの)との接触状態が大きく影響することを見いだした。すなわち、印画物中の顔料インクが擦過物によって削り取られるのは、顔料インクが直接、擦過物に接触するためである。このため、インクジェット記録媒体の表面性状を制御することにより、印字後の顔料粒子と擦過物とが直接、接しないようにすれば、顔料インクの剥がれを防止できることを見いだした。また、同時にインク受容層の表面に顔料インクを留めることができるため、高画質・高品位の画像が得られることを見いだした。
すなわち、本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は水系顔料インクを用いたインクジェット記録方法において、高画質・高品位の印画物が得られるインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。また、得られた印画物の印画面において、爪等による強度の擦過にも耐えうるほどの高い耐擦過性を持つインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。更に、このインクジェット記録媒体上に水系顔料インクによって画像が形成されてなる印画物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有することを特徴とする。
1.基材の少なくとも一方の面上に複数のインク受容層が設けられてなるインクジェット記録媒体であって、
前記インク受容層の最表層は、無機微粒子と、バインダー樹脂と、球状粒子とを含み、
前記インク受容層を直上から見た場合に前記インク受容層の表面に露出する球状粒子に占有される面積の割合が、前記表面全体の0.5%以上10%以下であり、かつ、前記インク受容層の表面に露出する球状粒子の60個数%以上がインク受容層の表面から厚み方向に0.2μm以上10μm以下の範囲で突出していることを特徴とするインクジェット記録媒体。
2.前記球状粒子が、シリコーン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、又はフッ素系樹脂からなるものであることを特徴とする上記1に記載のインクジェット記録媒体。
3.前記球状粒子の直径が、前記インク受容層の最表層の厚みの1.5倍以下、かつ、25μm以下であることを特徴とする上記1又は2に記載のインクジェット記録媒体。
4.前記インク受容層の最表層中の、前記球状粒子の含有量が、5g/m2以下であることを特徴とする上記1から3の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
5.前記インク受容層の表面と、4mmφのアクリル球との動摩擦係数μが0.4以下であることを特徴とする上記1から4の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
6.前記インク受容層の表面には、前記インク受容層の最表層中に含有される球状粒子のうち70個数%以上の球状粒子が露出していることを特徴とする上記1から5の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
7.上記1から6の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体上に、水系顔料インクにより画像が形成されたことを特徴とする印画物。
本発明のインクジェット記録媒体は、水系顔料インクの印画後に例えば、爪等による強度の擦過が施されても、これに耐えうるほどの高い耐擦過性が発揮される。また、高品質・高画質で画像特性に優れた印画物を所望の期間にわたって維持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のインクジェット記録媒体の一例を示す概略断面図である。図1に示すインクジェット記録媒体は、基材(A)の一方の面上に、複数の層からなるインク受容層(B)が形成されている。そして、このインク受容層(B)の最表層(最も表面側の層)は、無機微粒子と、バインダー樹脂と、球状粒子(D)を含有している。このインク受容層(B)の基材が設けられた面と反対側の面3は、以下の特性を有している。
(a)インク受容層(B)の表面3に露出する球状粒子(D)に占有される部分の面積の割合が、インク受容層(B)の表面3全体の面積の0.5%以上10%以下である。
(b)インク受容層の表面3に露出する球状粒子(D)のうち60個数%以上の球状粒子が、インク受容層の表面3から厚み方向に0.2μm以上10μm以下の範囲で突出している。
なお、図1では基材(A)の一方の面上にしかインク受容層(B)が設けられていないが、基材(A)の両方の面上にインク受容層(B)が設けられていても良い。また、図1では2つの層からなるインク受容層が示されているが、インク受容層は3層以上からなっていても良い。
図2は、本発明のインクジェット記録媒体のインク受容層(B)の一例を表す図である。図2(a)は、インク受容層(B)の厚み方向(インク受容層(B)の面方向2と垂直な方向)1の断面図を表す。図2(b)は、インク受容層(B)の表面(基材が設けられた面と反対側の面)を、厚み方向1(直上)から見た図である。
本発明のインクジェット記録媒体は上記(a)の特性を有している。これは図2(b)に示したインク受容層(C)においてインク受容層(C)の表面全体(長方形の面積)中の球状粒子の面積の割合が0.5%以上10%以下であることを表す。
また、本発明のインクジェット記録媒体は上記(b)の特性を有している。これは、図2(a)に示したインク受容層(C)において、露出している球状粒子のうち、厚み方向1に突出した部分の長さ(点線矢印間の長さ)が0.2μm以上10μm以下の球状粒子の個数の割合が60%以上であることを表す。
次に、本発明のインクジェット記録媒体の各層の構成材料について説明する。
<基材(A)>
上記インク受容層を塗工すべき基材としては特に限定されるものではなく、主に紙またはプラスチックシートが使用され、透明であっても不透明であっても良い。紙としては例えば、上質紙、印画紙原紙、画用紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、バライタ紙、クラフト紙、含浸紙、合成紙、レジンコート紙等が挙げられ、適宜、用途に応じて使用することができる。また、プラスチックシートとしては例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等が挙げられ、適宜、用途に応じて使用することができる。
<インク受容層(B)>
1.インク受容層の最表層(C)
インク受容層の最表層(C)は無機微粒子、球状粒子(D)、バインダー樹脂を含む。以下、これらの材料について個別に説明する。
・球状粒子(D)
インク受容層(C)中に添加される球状粒子(D)としては、低摩擦係数の材料を用いることが好ましく、有機樹脂材料又は無機材料の何れの材料も使用することができる。球状粒子(D)の材料としては特に、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂が高い滑り性を持つため好ましく用いられる。これらの材料のうち、単独の材料からなる球状粒子のみを用いても、異なる材料からなる球状粒子を複数種、組み合わせて用いても良い。また、シリコーン系樹脂としては、シリコーンレジン、シリコーンゴム、シリコーンゴムとシリコーンレジンの複合物からなるものが一例として挙げられる。
球状粒子(D)として低摩擦係数の材料を使用することにより、インク受容層の最表層(C)が擦過物に接触した時に球状粒子が擦過物との摩擦に耐えきれずに最表層(C)の表面から欠落するといったことが起こらない。また、これら欠落した粒子の固まりが引き金となって、インク受容層の最表層(C)の表面からの顔料インクの剥離が起こらない。
球状粒子としては、可能な限り顔料インクの吸着が少ない材料を用いる必要がある。ポーラスな細孔を有すると顔料インクが吸着されやすくなるため、球状粒子は一次粒子として存在することが好ましい。
球状粒子としては融点又はガラス転移点が高いものを用いることが好ましい。この理由は、高い滑り性を持つ材料であっても融点又はガラス転移点が低いと、インク受容層の塗工乾燥時や長期保存時においてその形状が変化する場合があるためである。そして、このような現象が発生すると従来のプリンターの目的である搬送性改良や未印画表面の耐傷性等は達成可能であるが、本発明の目的である印画された顔料インクの剥離防止を達成することができない恐れがあるためである。
球状粒子の融点又はガラス転移点としては80℃以上が好ましく、さらに100℃以上が好ましく、特に120℃以上が好ましい。このような融点又はガラス転移点の球状粒子を用いる理由は、印画された顔料インクの剥離防止のためには、特定の露出状態(球状粒子が特定の高さおよび割合でインクジェット記録媒体の表面に露出する状態)が必要なためである。すなわち、このように球状粒子が低融点等の粒子材料であると、その形状が変化して特定の露出状態が実現されなくなる場合があるためである。
さらに、球状粒子の材料が、上記のような特定の性質からなることにより、印画される顔料インクとの親和性が低くなり、印画した際に顔料インクの球状粒子上への堆積防止にも寄与することができる。この結果、顔料インクの球状粒子上へ堆積した顔料インクと擦過物とが直接、接触することによる顔料インクの剥がれを効果的に防止することができる。
また、本発明のインク受容層(C)中に含まれる粒子の形状は球状となっていることが必要である。粒子の形状が球状であることによって、以下のような効果を有することができる。
(I)外部からの擦過物による擦過に対して、擦過物との接点を極力最小の面積にすることができる。この結果、擦過物との接触による球状粒子の欠落、及びこれによって引き起こされる顔料インクの剥離を効果的に防止することができる。
(II)球状粒子とインク液滴との接触面積を小さくできるため、球状粒子上への顔料粒子の堆積をより少なくすることができる。この結果、球状粒子上へ堆積した顔料インクと擦過物とが直接、接触することによる顔料インクの剥離を効果的に防止することができる。
(III)インク受容層の最表層を形成する際に用いる塗工液中での球状粒子同士の分散性が高まるため、この塗工液を用いて得られたインク受容層の最表層の表面にも均一に球状粒子を配置させることができる。この結果、インク受容層の最表層表面の各部分において、均一に擦過物と顔料インクとの直接の接触を防止することができる。
以上のように、本発明のインク受容層の最表層(C)は球状粒子を含むことにより、上記(I)〜(III)の効果を有する。この結果、顔料インクによって画像が形成されてなる印画物において、外部からの擦過に対して顔料インクの剥離を効果的に防止することができる。
一方、含有される粒子の形状が、例えば、単に粉々に砕いて得られたものであったり、針状、燐片状あるいは板状の粒子であったりすると、インクジェット記録媒体の表面に露出する粒子の形状及び分散性が、不均一となる。このため、たとえ粒子が顔料インクとの親和性が低い粒子材料からなっていても、その形状や分布によっては粒子と顔料粒子との接触面積が大きくなり、顔料インクが粒子上に堆積されてしまう場合がある。また、インクジェット記録媒体の表面において局所的な粒子の固まりが生じたり、逆に粒子の不足する領域が生じる。この結果、外部からの擦過に対して印画物の顔料インクが剥離してしまう。
また、例えば、オイル状あるいは一種のエマルジョン状の形態を有した塗工液を塗工・乾燥してインク受容層を形成した際には、粒子形状に形成することができない材料がある。このような材料では、インク受容層の最表層表面に粒子の特定の露出状態が実現されず、結果的に外部からの擦過に対して印画物の顔料インクが剥離してしまう。
なお、この球状粒子は厳密な球状のものだけでなく、本発明の効果を損なわない範囲で若干、球状からずれたものであっても良い。このような球状粒子としては例えば、球状粒子の投影写真において最も長い部分の径と最も短い部分の径との比が1以上1.15以下のもの、1以上1.1以下のもの、1以上1.05以下のものなどを挙げることができる。
ここで、本発明のインク受容層中に含有される球状粒子の効果(球状粒子が特定の状態・割合でインク受容層の表面に露出していることによる効果)について更に詳細に説明する。
具体的には、本発明のインクジェット記録媒体は以下の特徴を有する。
(a)インク受容層の最表層を直上から見た場合に、インク受容層の最表層の表面全体の面積に対して、インク受容層の最表層の表面に露出する球状粒子に占有される部分の面積の割合が0.5%以上10%以下である。
(b)インク受容層の最表層の表面に露出する球状粒子のうち、インク受容層の最表層の表面から厚み方向に0.2μm以上10μm以下の範囲で突出している球状粒子の割合が60個数%以上である。
(c)インク受容層が複数の層からなり、インク受容層の最表層は、無機微粒子と、バインダー樹脂と、球状粒子とを含む。
(a)の作用効果
球状粒子は、インク受容層の最表層表面が擦過物によって擦られる際に擦過物に優先的に接触することによって、インク受容層の最表層表面に定着された顔料粒子が擦過物により削り取られることを防止するものである。
ここで、表面から露出する球状粒子の面積割合が0.5%未満であると、擦過物とインク受容層の最表層表面に定着した顔料粒子とが直接、接触しやすくなる。また、面積割合が10%を超えると、インク受容層の最表層表面の球状粒子以外の部分だけでなく、球状粒子上に付与された顔料粒子の割合が大きくなる。この結果、球状粒子の表面に付着した顔料粒子が擦過物と直接、接触して擦り取られやすくなる。また、面積割合が10%を超えると、白点の発生や印画濃度低下などを引き起こし、高画質な画像が得られないことがある。
なお、表面から露出する球状粒子の面積割合は0.5%以上、7%以下が好ましく、0.5%以上、5%以下が更に好ましい。表面から露出する球状粒子の面積割合がこれらの範囲内にあることによって、インク受容層の最表層に露出した球状粒子と擦過物との接触性がより良好となる。
(b)の作用効果
また、この球状粒子については、(a)表面から露出した球状粒子の面積割合で表される、上記球状粒子の露出部分の全体的な割合だけでなく、個々の球状粒子のインク受容層の最表層表面から突出している部分の大きさが重要となる。すなわち、表面から露出した球状粒子のうち、突出部分の長さが0.2μm以上10μm以下の球状粒子の割合が60個数%未満であると、突出部分の長さが0.2μm未満、又は10μmを超える球状粒子の割合が多くなる。このように、突出部分の長さが0.2μm未満の球状粒子の割合が多くなると、インク受容層の最表層表面が擦過物によって擦られる際に球状粒子が擦過物に優先的に接触しにくくなる。また、突出部分の長さが10μmを超える球状粒子の割合が多くなると、球状粒子上に顔料粒子が付与されやすくなる。この結果、球状粒子上に付着した顔料粒子が、擦過物と直接、接触して削り取られやすくなる。また、白点の発生や印画濃度低下などを引き起こし、高画質な画像が得られないこともある。そして、上記のような傾向は、0.2μm以上10μm以下の球状粒子の割合が60個数%未満となると非常に顕著となる。
なお、厚み方向に0.2μm以上10μm以下の範囲で突出した球状粒子の割合は80個数%以上が好ましい。球状粒子の割合が80個数%以上であることによって、インク受容層の最表層に定着した顔料などが、より擦過物と接触しにくくなる。
(c)の作用効果
更に、このインク受容層は複数の層からなっている。また、インク受容層の最表層は、無機微粒子と、バインダー樹脂と、球状粒子とを含み、その表面は上記(a)及び(b)の特徴を有している。このようにインク受容層を最表層とこれ以外の層から構成することによって、最表層を上記(a)及び(b)の特徴を有する耐擦過性に優れた薄い層とすることができる。また、最表層以外の層を機械的強度や画像特性など所望の特性を有する層とすることができる。すなわち、インク受容層を複数の層から構成することにより、単層のインク受容層よりも、最表層及び最表層以外の層をそれぞれ所望の特性を有するよう制御することが容易となる。
更に、上記(a)〜(c)の特性を有することにより、インクジェット記録媒体上に印字された顔料インクは大部分、インク受容層表面の球状粒子以外の部分に定着される。このため、印画物を画像特性に優れると共に耐擦過性に優れたものとすることができる。
また、本発明のインクジェット記録媒体は、インク受容層の最表層表面と4mmφのアクリル球との動摩擦係数μが0.4以下となっていることが好ましい。なお、ここでアクリル球とは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を構成材料とする球をいう。本発明のインクジェット記録媒体は、球状粒子が特定の状態でインク受容層の最表層表面に露出している。このため、印画前のインク受容層の最表層の動摩擦係数μが0.4以下の状態になっているとき、この状態は水系顔料インクが印画された後も維持される。このようにインク受容層の最表層の動摩擦係数μが0.4以下であることにより、インク受容層(C)が擦過物に接触した時に球状粒子自身が擦過物との摩擦に耐えきれず、インク受容層(C)の表面から欠落するといったことが起こらない。また、これら欠落した粒子の固まりが引き金となって、インク受容層(C)表面からの水系顔料インクの剥離が起こらない。更に、水系顔料インクの球状粒子上への堆積量も軽減される。
この結果、擦過物とインク受容層表面に定着した水系顔料インクとが直接、接触する可能性が減少し、外部からの擦過に対して印画された水系顔料インクの剥離を防止できることとなる。
さらに、球状粒子の直径がインク受容層の最表層の厚みの1.5倍以下であることが好ましく、1.2倍以下であることがより好ましく、1.0倍以下であることが更に好ましい。球状粒子の直径が最表層を構成するインク受容層の厚みの1.5倍を超える場合には、球状粒子がインク受容層の表面から過度に突出した状態となるおそれがある。これは結果として、水系顔料インクが印画されたインク受容層から球状粒子が過度に突出した状態となって、形成される画像に濃度低下や白点、色ムラなどが発生して高い画像品質が得られない場合がある。
また、球状粒子の直径がインク受容層の最表層の厚みの0.5倍以上であることが好ましく、0.7倍以上であることがより好ましい。球状粒子の直径がインク受容層の最表層の厚みの0.5倍以上であることにより、インク受容層表面に高い割合で球状粒子を露出させることができる。
また、球状粒子の直径は25μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。球状粒子の直径が25μmを超える場合には、形成される画像において個々の球状粒子が大きくなるため、これらの球状粒子が視認されるおそれがある。この結果、画像濃度の低下や白点などが発生して高い画像品質が得られないおそれがある。
また、インク受容層の最表層の厚さは、0.1μm以上、17μm以下が好ましく、0.5μm以上、12μm以下がより好ましく、1μm以上、7μm以下が更に好ましい。インク受容層の最表層の厚さがこれらの範囲内にあることにより、上記(a)、(b)の球状粒子の露出状態を制御しやすくなる。
インク受容層の最表層中の球状粒子の含有量(乾燥固形分質量)としては、5g/m2以下が好ましい。含有量が5g/m2を超える場合は、印画面においてインク受容層の表面に現れる球状粒子の数が過多となり、上記と同様、画像濃度の低下や白点、色ムラなどが発生して高い画像品質が得られないおそれがある。また、同時にインク受容層の最表層表面に現れず、インク受容層の内部に存在して耐擦過性に寄与しない球状粒子の数が多くなり、顔料インクの溶剤成分の吸収性低下が起こる場合がある。この結果、所望の画質が得られないことがある。
インク受容層の表面には、インク受容層の最表層中に含有される球状粒子のうち70個数%以上の球状粒子が露出していることが好ましい。このように高い割合でインク受容層表面に球状粒子が露出していることにより、表面に露出して耐擦過性の向上に寄与する球状粒子の数を多くできる。また、インク受容層の最表層内部に存在してインク吸収性を阻害する球状粒子の個数を減少させることができるため、インク受容層の最表層内を、水系顔料インク成分を均一に素早く浸透させることができる。更に、インク受容層全体として水系顔料インク成分を良好に定着させることができ、高い品質の画像を得ることができる。
また、インク受容層の最表層中の球状粒子の含量は全固形分質量に対して、0.01質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。
また球状粒子は、1種類、または複数種の材料からなるものを混合して使用できる。
・無機微粒子
インク受容層(C)中に使用される無機微粒子としては、下記のものを使用できる。
湿式法シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ、気相法非晶質シリカ等のシリカ類。
アルミナゾル、アルミナシリカ複合ゾル、アルミナ水和物、気相法アルミナ等のアルミナ類。
これらの無機微粒子の中でも特に、アルミナ類が顔料との密着性が良好であり、好ましく用いられる。
また、光沢・半光沢な表面風合いを持ち、水系顔料インクに対して高い発色性が得られるインクジェット記録媒体とするため、無機微粒子としては平均2次粒子径が400nm以下のものを使用することが好ましい。また、無機微粒子の平均2次粒子径は、350nm以下であることがより好ましい。平均2次粒子径が400nmを超える無機微粒子を使用すると、所謂、マット紙のような光沢のない表面しか得られなくなる場合がある。また、インク受容層内の細孔径が大きくなり、水系顔料インクを印画した際に顔料粒子がインク受容層の表面に留まらずインク受容層の内部にまで入り込んで十分な発色性を有する画像が得られない場合がある。無機微粒子は1種類、または複数種の材料からなるものを混合して使用できる。
また、インク受容層の最表層中の無機微粒子の含量は全固形分質量に対して、50質量%以上、95質量%以下であることが好ましい。
・バインダー樹脂
インク受容層の最表層を構成する材料としては、他にバインダー樹脂として水溶性樹脂が必要である。水溶性のバインダー樹脂としては、たとえば、ポリビニルアルコールおよびその変性物、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリル、酢酸ビニル、酸化デンプン、エーテル化デンプンを使用できる。また、カゼイン、ゼラチン、カルボキシルメチルセルロース、SBラテックス、NBラテックス、アクリルラテックス、エチレン酢酸ビニル系ラテックス、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂等が使用できる。
インク吸収性と形成されるインク受容層の最表層の強度の点から、上記バインダー樹脂の中ではポリビニルアルコールが特に好ましい。インク受容層の最表層中のバインダー樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分質量に対して5質量%以上、50質量%以下が望ましい。バインダー樹脂含量が少ないとインク受容層の強度が不十分となり、多すぎるとインク吸収性に影響を及ぼす。
インク受容層(C)には、pH調整剤、耐水化剤、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、インク定着剤、浸透剤等を適宜、添加することができる。
2.インク受容層の最表層以外の層
本発明のインクジェット記録媒体は、最表層(C)の直下に1層以上のインク受容層を有する。このように、インク受容層中に最表層(C)以外の層を有することによって、機械的強度や画像特性などインク受容層に要求される耐擦過性以外の特性を効果的に発現させることができる。
なお、インク受容層の最表層以外の層の構成材料は、必要とされる特性を有するものであれば特に限定されないが、少なくとも無機微粒子とバインダー樹脂を含有するのが好ましい。この場合、無機微粒子やバインダー樹脂としては、インク受容層の最表層中に用いるものと同じものを用いることができる。また、場合によってはインク受容層の最表層以外の層中に球状粒子を含有していても良い。
<インク受容層の形成方法>
上記インク受容層の最表層及び最表層以外の層は、それぞれ塗工液を塗工し、乾燥させることによって得ることができる。この塗工方法としては、下記の公知の塗工方法を用いることができる。
エアーナイフコーティング法、グラビアコーティング法、ブレードコーティング法、バーコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スロットダイコーティング法、カーテンコーティング法。
本発明のインクジェット記録媒体は、球状粒子が特定の露出状態、すなわち特定の高さおよび割合でインクジェット記録媒体のインク受容層の最表層表面に露出しているものである。従って、上記特定の露出状態(上記(a)、(b)の状態)を実現するように製造する必要がある。このための製造方法の一例としては、インク受容層の最表層用の塗工液中の球状粒子が、塗工乾燥時にインク受容層の最表層表面に上昇し易くする方法を挙げることができる。
このためには、(球状粒子以外の最表層用塗工液の平均比重)−(球状粒子の比重)を0.05以上とすることが好ましく、0.1以上とすることがより好ましい。また、インク受容層の最表層用の塗工液の粘度が高すぎると、塗工乾燥時に球状粒子がインク受容層の表面に上昇することが妨げられる場合がある。このため、最表層用塗工液の粘度としては、200cps(25℃)以下であることが好ましく、100cps(25℃)以下であることがより好ましく、50cps(25℃)以下であることが更に好ましい。この最表層用塗工液の粘度は、塗工液の組成や塗工液を構成する材料の特性等を制御することによって調節できる。
<水系顔料インク>
次に、本発明のインクジェット記録媒体に対して用いられる水系顔料インクに関して説明する。水系顔料インクを使用する場合には、顔料に加えて更に水、水溶性有機溶剤、及びその他の成分、例えば、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
本発明で使用される水系顔料インク中の顔料の含有量は、インクの全質量に対して質量比で好ましくは1質量%以上、20質量%以下、より好ましくは2質量%以上、12質量%以下の範囲で用いるのが良い。 顔料としては、黒色インクに使用されるものとしてカーボンブラックが挙げられる。このカーボンブラックとしては、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたものであって、一次粒子径が15μm以上、40μm以下のものを用いることができる。このカーボンブラックの好ましい特性としてはその他に、BET法による比表面積が50m2/g以下、300m2/g以上、DBP吸油量が40ml/100g以上、150ml/100g以下が良い。更に、カーボンブラックは揮発分が0.5%以上、10%以下、pH値が2以上9以下のものが好ましい。
上記のような特性を有する市販品のカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上三菱化成製)、RAVEN1255(以上コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、ColorBlack FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上デグッサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
また、イエローのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。
マゼンタのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.PigmentRed 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。
シアンのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.PigmentBlue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、顔料を使用する場合にインク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂でインク特性を損なわないものならば、どのようなものでも使用することができる。好ましくは、重量平均分子量が1000以上、30000以下の範囲のもの、より好ましくは、3000以上、15000以下の範囲のものが使用される。
このような分散剤として、具体的には、以下のものを挙げることができる。
・スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等からなる群から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの塩等。
或いは、分散剤として、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、インク全質量に対して0.1質量%以上、5質量%以下の範囲で含有させるのが好ましい。
水系顔料インク中には、上記各種成分の他に、アニオン性界面活性剤或はアニオン性高分子などのアニオン性化合物を添加するのが好ましい。また、両性界面活性剤をその等電点以上のpHに調整して含有させることができる。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものを好ましく使用することができる。又、アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或は高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
更に、水系顔料インクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようにすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存安定性に一層、優れたインクとすることができるので好ましい。
好ましくは、水系顔料インクは7以上、10以下のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
また、上記インクジェット記録媒体上に、上記水系顔料インクにより画像を形成した印画物を得ることが好ましい。この印画物は、高品質・高画質で画像特性に優れると共に、高い耐擦過性を有することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
・インク受容層の最表層用の塗工液1の作製
無機微粒子としてアルミナ水和物(Sasol社製;商品名:DISPERAL HP14 比表面積 180m2/g)をイオン交換水に攪拌しながら混合し、固形分20wt%のアルミナ水和物粗分散液を得た。さらに、このアルミナ水和物粗分散液をホモジナイザーにより分散処理を行い、アルミナ水和物分散液を得た。次に、このアルミナ水和物分散液の平均2次粒子径をベックマン・コールター製レーザー光散乱・回折式粒度分布測定装置LS230により測定した。この結果、平均2次粒子径は、170nmであった。
次に、該アルミナ水和物分散液214質量部に対して、バインダー樹脂としてポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社 JM−26)の10質量%水溶液を48質量部、球状粒子としてシリコーン球状粒子(シリコーンゴム粉末分散液 X−52−1133 信越シリコーン製 平均粒子径5μm)の50質量%水溶液を5質量部、混合攪拌した。この後、この混合液をイオン交換水で希釈し、固形分15wt%の塗工液1を得た。
・インク受容層の最表層以外の層用の塗工液2の作製
無機微粒子としてシリカ粉末(株式会社トクヤマ;商品名:レオロシール QS−09 比表面積90m2/g)をイオン交換水に攪拌しながら混合し、固形分13wt%のシリカ粗分散液を得た。このシリカ粗分散液100質量部に対して、バインダー樹脂としてポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社 JM−26)の10質量%水溶液を100質量部、混合攪拌して、塗工液2を得た。
・塗工
基材としては坪量185g/m2の上質紙を用い、この上に乾燥層厚19μmとなるようにスロットダイコータを用いて上記塗工液2を塗工、乾燥させた。続いて、この上に、乾燥層厚6μmとなるようにスロットダイコータを用いて上記塗工液1を塗工、乾燥させ、インクジェット記録媒体を得た。
(実施例2)
塗工液1中の球状粒子として、シリコーン球状粒子の代わりに平均粒径5μmのフッ素樹脂球状粒子を2.5質量部添加した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(実施例3)
塗工液1中の球状粒子として、シリコーン球状粒子の代わりに高密度ポリエチレン球状粒子(A113 岐阜セラック株式会社 平均粒径5μm 固形分40wt%)を6.25質量部、添加した。これ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例1)
塗工液1中に球状粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例2)
基材として坪量185g/m2の上質紙を用い、この上に、乾燥層厚25μmとなるようにスロットダイコータを用いて上記塗工液1を塗工、乾燥させてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例3)
実施例1で使用したアルミナ水和物粗分散液101質量部に対して、バインダー樹脂としてポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社 JM−26)の10質量%水溶液を23質量部、球状粒子としてシリコーン球状粒子(シリコーンゴム粉末分散液 X−52−1133 平均粒径5μm)の50質量%水溶液を5質量部、混合攪拌した。この混合液をイオン交換水で希釈し、固形分15wt%の塗工液3を得た。次に、基材として坪量185g/m2の上質紙を用い、この上に、乾燥層厚25μmとなるようにスロットダイコータを用いて上記塗工液3を塗工、乾燥させてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例4)
塗工液1中のシリコーン球状粒子の代わりに低密度ポリエチレン球状粒子エマルジョン(A100 三井化学株式会社 平均粒径4μm 固形分40質量%)を6.25質量部、添加した。これ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例5)
塗工液1中のシリコーン球状粒子の代わりに高密度ポリエチレン不定形粒子(フローセン UF1.5 住友精化株式会社 平均粒径9μm)を6.25質量部、添加した。これ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。なお、この高密度ポリエチレン粒子は球状ではなく不定形のものである。
(比較例6)
塗工液1中のシリコーン球状粒子の代わりにシリコーンエマルジョン(POLON MF44 信越化学株式会社 固形分40質量%)を6.25質量部、添加した。これ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。なお、このシリコーンエマルジョンは粒子状のものではない。
(比較例7)
塗工液1中の球状粒子として、シリコーン球状粒子(シリコーンゴム粉末分散液 X−52−1133 平均粒径5μm)の50質量%水溶液を50質量部添加した。これ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(比較例8)
塗工液1中の球状粒子として、シリコーン球状粒子(X−52−1133)の代わりにシリコーン球状粒子(シリコーンパウダー KMP−602 信越シリコーン製 平均粒径30μm)を2.5質量部、添加した。これ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<印字物の評価>
プリンターとしてキヤノン(株)製 imagePROGRAF W6400を用い、得られたインクジェット記録媒体に、顔料BKインク(BCI−1431 BK)100%打込み量のベタ画像を印画し、下記の評価を行った。
(1)動摩擦係数μ
・印画前
印画前のインクジェット記録媒体の表面と、4mmφのアクリル球(PMMA球)との動摩擦係数μを以下の条件で測定した。
動摩擦係数μが0.4以下のものを○、
動摩擦係数μが0.4より大きいものを×
とした。
・印画後
上記顔料BKインクを印画後、24時間室内で放置し、十分乾燥させたインクジェット記録媒体の印画面と、4mmφのアクリル球(PMMA球)との動摩擦係数μを以下の条件で測定した。
動摩擦係数μが0.4以下のものを○、
動摩擦係数μが0.4より大きいものを×
とした。
印字前と印字後の動摩擦係数の測定条件:
SURFACE PROPERTY TESTER(株式会社新東科学製HEIDON:TYPE14DR)を用い、固定した4mmφのアクリル球(PMMA球)をインクジェット記録媒体の表面に50gの加重を垂直にかけて押し付けた。そして、120mm/minのスピードで、インクジェット記録媒体の表面をアクリル球(PMMA球)で擦ることにより動摩擦係数μを測定した。
(2)耐擦過性の評価
上記で得られたインクジェット記録媒体に対して上記顔料BKインクを印画後、24時間室内で放置し十分、乾燥させた。この後、SURFACE PROPERTY TESTER(株式会社新東科学製HEIDON:TYPE14DR)を用い、固定した4mmφのアクリル球(PMMA球)をインクジェット記録媒体の印画面に加重1500gをかけて押し付けた。そして、40mm/secのスピードでインクジェット記録媒体の表面をアクリル球(PMMA球)で擦った。なお、この評価条件は、人の爪による強い擦過に相当する。そして、この際、
1500gの加重によって印字画像が削れて白い基材が見えてしまうものを×
1500gの過重をかけても白い基材が見えないものを○
とした。
(3)濃度評価
上記で得られたインクジェット記録媒体に対して上記顔料BKインクを印画後、24時間室内で放置し、十分乾燥させた後、画像濃度をX−Rite Spectrodensitometerを用いて測定した。この結果、
画像濃度2.0以上を○
画像濃度2.0未満を×
とした。
(4)インクジェット記録媒体の表面形状(条件A)
表面形状1:
インク受容層を直上(厚み方向)から見た場合に、このインク受容層の表面に露出する球状粒子に占有される面積の割合(%)を観察した。
表面形状2:
インク受容層の表面に露出する球状粒子のうち、インク受容層の表面から0.2〜10μm突出した状態にある球状粒子の個数%を観察した。
なお、(AA)インク受容層の表面に露出する球状粒子の占有する面積の割合、及び(BB)厚み方向長さは以下のようにして測定した。
(AA)インク受容層の表面に露出する球状粒子の占有する面積の割合
まず、上記のようにして作成した各インクジェット記録媒体のインク受容層表面(基材と接している面と反対側の面)を電子顕微鏡(SEM)(S−4000、日立ハイテク社製)を用いて倍率300倍で拡大し、その写真を得た。次に、この写真を画像解析ソフト(Image Pro Plus(商品名)、HIROX社製)を用いて画像解析を行い、インク受容層の表面全面の面積と、インク受容層の表面に露出している球状粒子の面積を計測した。そして、以下の式に従って、(AA)球状粒子の面積割合を算出した。
(インク受容層の表面に露出している球状粒子の面積)/(インク受容層の表面全面の面積)×100 (%)
(BB)インク受容層の表面から突出している球状粒子の突出している部分の厚み方向長さ
また、各インクジェット記録媒体のインク受容層表面(基材と接している面と反対側の面)を超深度形状測定顕微鏡(VK−8510、KEYENCE社製)を用いて50倍で拡大し、更に厚み方向にスキャンし、それらを合成した写真を得た。次に、この写真をVK形状解析アプリケーション(VKPC(商品名)、KEYENCE社製)を用いて画像解析を行い、(BB)インク受容層の表面から突出している球状粒子の突出している部分の厚み方向長さを計測した。
そして、単位面積あたり、その突出部分の厚み方向の長さが0.2μm以上10μm以下のものの個数(A1)と、0.2μm未満又は10μmを超えるものの個数(A2)をカウントした。次に、以下の式に従ってインク受容層の表面に露出する球状粒子のうち、インク受容層の表面から0.2〜10μm、突出している球状粒子の割合を算出した。
(A1)/(A1+A2)×100 (%)
そして、以下のようにして条件Aを「○」又は「×」として評価した。
条件Aが「○」:上記(AA)の(インク受容層の表面に露出している球状粒子の面積)/(インク受容層の表面全面の面積)×100が0.5%以上10%以下であり、かつ、上記(BB)の(A1)/(A1+A2)×100が60個数%以上の場合。
条件Aが「×」:上記条件Aが「○」となる場合以外の場合。
(5)インク受容層の最表層中の球状粒子のうちインク受容層の表面に露出した球状粒子の個数%(条件B)
上記のようにして作製したインクジェット記録媒体をその断面方向に切断し、その断面を電子顕微鏡(SEM)(S−4000、日立ハイテク社製)を用いて拡大し、その写真を得た。この写真の単位面積あたりのインク受容層表面に露出している球状粒子の個数(B1)と、インク受容層内部に埋もれている球状粒子の個数(B2)を目視で計測した。そして、下記式によりインク受容層の表面に露出した球状粒子の個数%を算出した。尚、断面の切断は5個所以上で行い、各断面を観察して得た値の平均値を用いた。
(B1)/((B1)+(B2))×100 (%)。
そして、以下のようにして条件Bを「○」又は「×」として評価した。
条件Bが「○」:上記のようにして算出した球状粒子の個数%が70個数%以上条件Bが「×」:上記のようにして算出した球状粒子の個数%が70個数%未満。
上記各実施例、比較例で作成したインクジェット記録媒体の原料の条件を表1、上記(1)〜(5)の評価結果を表2に示す。
Figure 2009018478
Figure 2009018478
表2の実施例1〜3では、「動摩擦係数(印画前)」、「動摩擦係数(印画後)」、「擦過性」及び「画像濃度」が「○」であった。このため、本発明のインクジェット記録媒体は、水性顔料インクを用いたインクジェット記録において、高画質・高品位の印画物が得られることが分かる。また、得られた印画物の印画面において、例えば爪等による強度の擦過にも耐えうるほどの高い耐擦過性を持つことが分かる。この理由は、インク受容層の最表層が、無機微粒子と水溶性バインダーと球状粒子を含有し、特に、球状粒子が特定の状態でインク受容層の表面に露出しているためである。
一方、最表層を構成するインク受容層中に球状粒子を含まないインクジェット記録媒体(比較例1)は、「画像濃度」が「○」であるものの「動摩擦係数(印画前)」、「動摩擦係数(印画後)」及び「擦過性」が「×」であった。このため、インク受容層の最表層中に球状粒子を含有しないインクジェット記録媒体は、高画質・高品位の印画物は得られるものの、得られた印画物の印画面において強度の擦過に耐えることはできないことが分かる。
また、比較例2では、インク受容層中に実施例1と同量(g/m2)の球状粒子を含有するもののインク受容層が1層であるインクジェット記録媒体とした。このインクジェット記録媒体では、「画像濃度」が「○」であるものの「動摩擦係数(印画前)」、「動摩擦係数(印画後)」及び「擦過性」が「×」であった。この理由は、画像濃度が良好となるインク吸収量を確保する為には相当量のインク受容層厚を設ける必要がある。しかし、このように相当量のインク受容層厚を設けると、水系顔料インクの擦過防止に寄与する球状粒子が効率よくインク受容層の表面付近に配置されることが困難となり、インク受容層表面が条件Aを満たすことができなくなる。この結果、得られた印画物の印画面において強度の擦過に耐えることができなくなるためである。
さらに、比較例3では、比較例2と同様にインク受容層が1層であり、強度の擦過に耐えることができる程度の高含量の球状粒子を含有したインクジェット記録媒体を得た。このインクジェット記録媒体では、「動摩擦係数(印画前)」、「動摩擦係数(印画後)」及び「擦過性」が「○」であるものの「画像濃度」が「×」であった。このため、単に球状粒子の含量を多くするだけでは、画像濃度と擦過性等を両立できないことが分かる。
球状粒子が融点の低い材料からなり、且つ条件Aを満たさないインクジェット記録媒体(比較例4)は、高画質・高品位の印画物は得られるものの、得られた印画物の印画面において強度の擦過に耐えることはできなかった。
また、インク受容層の最表層中に、動摩擦係数は低いが球状ではない粒子を含み、且つ条件Aを満たさないインクジェット記録媒体(比較例5)では、得られた印画物の印画面において強度の擦過に耐えることはできなかった。同様にして、インク受容層の最表層の形成後に粒子形状を形成することができないシリコーンエマルジョンを用いたインクジェット記録媒体(比較例6)では、得られた印画物の印画面において強度の擦過に耐えることはできなかった。
更に、実施例1、2と同様の動摩擦係数の低い球状粒子を使用していても、その含有量が過剰で条件Aを満たさないインクジェット記録媒体(比較例7)では、擦過性には優れるが、高画質・高品位の印画物を得ることはできなかった。同様にして、直径がインク受容層の最表層の厚みよりも大きい球状粒子を用いており条件Aを満たさないインクジェット記録媒体(比較例8)では、擦過性には優れるが、高画質・高品位の印画物を得ることはできなかった。
本発明のインクジェット記録媒体の一例を表す図である。 本発明のインクジェット記録媒体のインク受容層の一例を表す図である。
符号の説明
(A):基材
(B):インク受容層
(C):インク受容層の最表層
(D):球状粒子

Claims (7)

  1. 基材の少なくとも一方の面上に複数のインク受容層が設けられてなるインクジェット記録媒体であって、
    前記インク受容層の最表層は、無機微粒子と、バインダー樹脂と、球状粒子とを含み、
    前記インク受容層を直上から見た場合に前記インク受容層の表面に露出する球状粒子に占有される面積の割合が、前記表面全体の0.5%以上10%以下であり、かつ、前記インク受容層の表面に露出する球状粒子の60個数%以上がインク受容層の表面から厚み方向に0.2μm以上10μm以下の範囲で突出していることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記球状粒子が、シリコーン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、又はフッ素系樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記球状粒子の直径が、前記インク受容層の最表層の厚みの1.5倍以下、かつ、25μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記インク受容層の最表層中の、前記球状粒子の含有量が、5g/m2以下であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記インク受容層の表面と、4mmφのアクリル球との動摩擦係数μが0.4以下であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 前記インク受容層の表面には、前記インク受容層の最表層中に含有される球状粒子のうち70個数%以上の球状粒子が露出していることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体上に、水系顔料インクにより画像が形成されたことを特徴とする印画物。
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