JP2007176180A - インクジェット記録用シートおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用シートおよびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】その両面に良好な印字が可能で、かつ両面の印字がそれぞれ異なる条件下で行われてもカールや印字の裏抜け等が生じない記録媒体の提供。
【解決手段】その両面にインク受容層またはコート層が設けられてなるものであり、その表裏において、同一量のインク滴が付着して形成されるドット径が異なる記録媒体を用いる。
【選択図】なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、インクジェット記録に用いられる記録媒体およびそれを用いたインクジェット記録方法に関し、とりわけ画像を両面に印刷することを可能にするインクジェット記録媒体およびインクジェット記録方法に関する。
背景技術
一般に、インクジェット記録に用いるインクとして、臭気、安全性、および記録特性の面から水性インクが主流を占めており、各種の水溶性染料を、水または水と水溶性有機溶剤(例えば、多価アルコール)との混合溶剤に溶解させ、必要により各種添加剤が添加されたインクが使用されている。
また、インクジェット記録に用いられる被記録材としては、上質紙、ボンド紙、PPC用紙、はがき、グリーティングカード、封筒、ラベル、特殊なインク受容層を塗布した専用コート紙、OHP(オーバーへッドプロジェクター)用フィルムが使用されている。特にカラーインクジェットプリンタの普及に伴い、簡易に名刺、はがきに印刷するという需要が急増している。一方で、インクジェット記録の高解像度化により被記録材の要求特性が高くなりつつあり、特に高解像度、高品質なカラー画像を必要とする名刺、はがきについては次のような特性が求められる。すなわち、一方の面には高画質で写真に匹敵する品質のカラー画像が得られ、他方の面(例えば、宛名面)にはシャープな文字が得られることが求められる。さらに、両面に関して良好な耐水性が得られること、インクの吸収による用紙の変形がないこと、ある程度の用紙の腰、すなわちしっかり感が得られること、そして高い紙送り精度が得られることも必要である。
さらに、高解像度化により1ドット当りのインク液滴重量が少なくなってきている一方で、高画質化からの要請で記録媒体へのインクの打ち込み量は多くなる傾向にある。よって、異なる条件下、例えば異なる解像度での印字が記録媒体の表裏に形成されると、インク量の違いによりカールや、印字の裏抜けなどの現象が生ずるおそれがある。
発明の概要
本発明は、その両面に良好な印字が可能な記録媒体の提供を目的としている。
さらに本発明は、両面の印字がそれぞれ異なる解像度で行われてもカールや印字の裏抜け等が生じない記録媒体の提供をその目的としている。
そして、本発明によるインクジェット記録媒体は、基材と、その両面に設けられたインク受容層またはコート層とを含んでなるものである。
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインクジェット記録媒体は、その表裏において、同一量のインク滴が付着して形成されるドット径が異なるものである。
発明の具体的説明
記録媒体
本発明による記録媒体は、その両面に記録を行うことが可能なようにその両面にインク受容層またはコート層が設けられたものである。本発明においてインク受容層およびコート層とは、基材上に設けられ、インクを受容しそれを定着させる機能を有するものを意味するものとする。よって、本発明において両者は上記機能を有するものである限り同義に用いられる。
本発明の好ましい態様によれば、インク受容層またはコート層は顔料および結着剤を主成分として形成されてよい。顔料としては、例えばシリカ、クレー、マイカ、膨潤性雲母、タルク、カオリン、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、アルミナ、酸化亜鉛、リトポン、サチンホワイト等の顔料及び、有機または無機の着色顔料が挙げられる。また、結着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、水溶性ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、その他のビニル系樹脂、アミド系樹脂、酸化澱粉、カゼイン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、シリコーン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、クマロン−インデン樹脂等の水溶性樹脂および水性エマルジョン樹脂が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、インク受容層またはコート層は、シリカを含有してなるのが好ましい。シリカを含んでなるインク受容層またはコート層の組成は、インク吸収性、インク乾燥性、記録画像の鮮明性などを考慮して適宜決定されてよい。本発明の好ましい態様によれば、結着剤としてポリビニルアルコール系樹脂、水溶性ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を用い、顔料としてシリカを用いた組合せが好ましい。この場合の配合割合は、樹脂:シリカ=1:1〜1:15が好ましく、特に1:2〜1:10が好適である。更に好ましい態様によれば、シリカの平均粒径は1〜30μm(コールターカウンター法による体積平均粒子径)程度が好ましく、特に5〜25μmがより好ましい。
また、インク受容層またはコート層は複数層から形成されてもよい。例えば、基材側の第一層に主にインクを受容する機能を担わせ、記録媒体表面側にその表面の光沢または白色度をより改善する機能を主に担わせるように形成することも可能である。
本発明による記録媒体のインク受容層またはコート層には、記録媒体の特性を改善する他の成分が添加されてよい。例えば、インク受容層の耐水性の向上、インクの滲み防止機能を付与するためにメラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アクリルアミド系樹脂、グリオキザール、炭酸ジルコニウムアンモニウム等の耐水化剤を添加してもよい。またインクジェット記録用紙の生産性、記録特性、あるいは保存安定性をより高めるための、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、湿潤剤、防腐剤などを加えてもよい。
さらに、本発明による記録媒体のインク受容層またはコート層の更なる具体例を示せば下記の通りである。
本発明による記録媒体の両面に設けられるインク受容層の好ましい具体例としては、例えば特開昭60−222281号公報記載のフッ素含有合成無定型シリカを空隙形成材料として用いたインク受容層が挙げられる。この公報記載のインク受容層は合成無定型シリカ中のフッ素量を特定の範囲におくことで、ドット径を制御でき、さらににじみを有効に防止することができる。
また、別の好ましいインク受容層の例としては特開昭61−89082号公報記載のものが挙げられる。この公報記載のインク受容層は、顔料と水溶性バインダー、更にはシリコーンエマルジョンまたは水溶性シリコーン化合物を基材に塗布して製造される。このインク受容層によれば、インクジェット記録方法におけるカラーインク組成物の重ね順序が異なっても良好な発色を得ることができる。さらに、シリコーンエマルジョンまたは水溶性シリコーン化合物の添加によって、ドット径を制御することが可能となる。
別のインク受理層の好ましい例としては特開昭62−95285号公報記載のものが挙げられる。この公報記載のインク受容層は顔料の一部に無定型シリカを用い、さらにキャスト塗被方法を用いて製造される。このインク受容層は平滑度が高く、ドット周辺がシャープな印字が得られる。
また、他の好ましい例としては特開平1−186372号公報に記載のインク受容層が挙げられる。このインク受容層は、分子量が1万〜50万のポリアクリルアミドと、合成非晶質シリカと、ポリビニルアルコールとを含んでなり、記録画像の保存性に優れる。
さらに、他のインク受容層の例としては特開平2−276670号、特開平2−139275号、および特開平6−297831号各公報に記載のものが挙げられる。これら公報に記載のインク受容層は特定のアルミナ水和物からなる多孔質層を設けて構成されてなり、インクドットの真円性が高く、色素の定着性に優れ、色濃度の高い印字が実現できるとされている。
また、特開昭63−151476号公報記載のインク受容層もまた利用することができる。このインク受容層は、顔料および結着剤とを主成分とする組成物を塗工し、半乾燥させた後、塗工層に所望の表面形態を有する転写シートを重ね合わせて乾燥させた後この転写シートを剥離することにより製造される。このインク受容層によればインク吸収性が高く高品質の画像を得ることができる。
さらに、本発明による記録媒体の両面に設けられるコート層の好ましい具体例としては、特開昭57−82085号公報および特開昭57−135190号公報記載のものが挙げられる。これら公報に記載のコート層はプラスチックピグメントを含有し、加熱カレンダー処理によって製造される。このコート層においては高い解像度が実現できる。
また特開昭63−264391号公報、特開平2−113986号、および特開平2−274587号公報記載のコート層も好ましく用いられる。これらのコート層は、顔料中に合成シリカを含み、更にその表面をカチオン性または非イオン性界面活性剤を塗布し、その後キャスト法により加熱乾燥させて製造される。このコート層は、インク吸収性、表面の光沢性および平滑性に優れる。
また特開平6−79967号公報記載のように、最表層のインク受理層を湿潤状態にて加熱鏡面に圧接乾燥させたコート層も好ましく用いることができる。
更に、特開昭62−158084号、特開平6−305237号、特開平7−89220号、特開平7−117335号各公報記載のキャスト法によって製造されるインク受容層も好ましく利用することができる。
そのほかに、特開昭61−189985号公報記載の強光沢を有するインク受容層、特開平7−101142号公報記載の光沢を有し、印字濃度が高く、折割れ強度に優れたインク受容層も好ましく利用することができる。
また、その表面に亀裂を有するインク受容層、例えば特開昭60−198250号、特開昭60−198251号、および特開昭60−198252号各公報記載の層も好ましく利用することができる。
またインク受容層およびコート層のいずれにあってもその表面が光沢処理されていてもよく、例えばシリカを添加するか、またはインクにより溶解・膨潤する樹脂を塗布し、光沢を付与してもよい。シリカはコロイダルシリカとして提供されるのが一般的であるが、本発明による効果が得られる限りはその最初の形態は限定されるものではない。コロイダルシリカは、通常、無水珪酸(シリカ)の超微粒子を安定に水に分散させた、アニオン性のコロイダル状分散液であり、例えば次のようにして製造される。まず、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂に通して、SiO2 /Na2 O比が60〜130のゾルとする。次いで、これを60℃以上に加熱焼成して独立分散粒子まで成長させ、これにさらにイオン交換樹脂層を通したゾルを添加することにより重合沈積させる。これによって、3nm〜200nmの平均粒子径にまで成長し安定したゾルとしてコロイダルシリカ
を得ることができる。本発明において市販のコロイダルシリカを利用することも可能であり、例えば、Du Pont社製Ludox、Monsanto社製Syton、Nalco社製Nalcoag、日産化学株式会社製スノーテックスなどを利用することができる。本発明の好ましい態様によれば、インク吸収能の高い面の光沢度がインク吸収能の低い面のそれよりも高い方が好ましい。このように構成することで、高解像度の実現する面の画像品質をさらに高め、また表裏の判別を容易に行うことができるとの利点が得られる。インク吸収能の高い面の光沢度はJIS Z8741、ISO 2813、ASTM D523、およびDIN 67530のいずれかに規定されている60度鏡面光沢度として30%以上とするのが好ましい。
またさらにインク受容層およびコート層のいずれにあってもその表面の白色度が高いものであるのが好ましい。高い白色度はインク受容層中に白色染料または顔料として例えば蛍光染料または蛍光顔料などを添加することで実現できる。本発明の好ましい態様によれば、インク吸収能の高い面の白色度がインク吸収能の低い面のそれよりも高い方が好ましい。このように構成することで、高解像度の実現する面の画像品質をさらに高め、また表裏の判別を容易に行うことができるとの利点が得られる。インク吸収能の高い面の白色度はハンター白色度JIS P8123、ISO白色度JIS P8148、ISO 2470−1977のいずれかに規定されている測定法により80以上とするのが好ましい。
本発明による記録媒体の基材としては、インク受容層またはコート層を支持でき、記録媒体としての強度を有するものでれば特に限定されず、紙、プラスチックフィルムなどを好ましく用いることができる。印字のいわゆる裏抜け等を有効に防止するためには、80〜200g/m2 程度のものを基材として利用するのが好ましい。また、好ましい基材としての紙の厚さは、90〜220μm程度である。さらにプラスチックフィルムの場合には、その好ましい厚さは75〜200μm程度である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による記録媒体は、その表裏において、同一量のインク滴が付着して形成されるドット径が異なるものとされるのが好ましい。ドット径の制御のための好ましい手段としては、表裏のインク受容層またはコート層のインク吸収能を制御することが挙げられる。ここで、インク吸収能とは、例えば記録媒体の厚み方向のインク吸収速度、にじみまたはブリードが発生しない最大インク吸収量を意味するものとする。
具体的には、一方の面のインク吸収能、例えばインク組成物を吸収する速度を他の面のそれよりも大きくし、同一量のインク滴が付着しても、表裏において形成されるドット径を変える態様が挙げられる。すなわち、インク吸収能が大きな面にインク滴が付着すると、記録媒体の厚み方法に速やかにインクが吸収されるため、比較的小さなドットが形成される。一方他の面においては、インクが付着しても他の面よりもインク吸収に時間を要し、インク組成物は記録媒体の表面において横方向に比較的広がる。その結果、一方の面よりも比較的大きなドットが形成されることとなる。本発明の好ましい態様によれば、インク吸収能が大きな面におけるドット径は50〜90μmであるのが好ましく、またインク吸収能が小さな面におけるドット径は90〜120μmであるのが好ましい。更にこのようなドット径が0.01〜0.05μg程度のインク滴量で得られるのが好ましい。
また、本発明にあっては、そのプリンターにおける搬送性も有利に改善されるよう、その両面におけるインク受容層またはコート層の摩擦係数についても同時に制御されるのが好ましい。
また、本発明にあっては、その両面におけるインク受容層またはコート層によって記録媒体の強度をある程度分担することになる。よって、記録媒体の基材の選択に自由度が生ずることになるので有利である。
更に本発明の好ましい態様によれば、インク吸収能の大きな面および小さな面における、にじみまたはブリードが発生しない最大インク吸収量が、それぞれ3〜60μl/mm2 および1〜20μl/mm2 であるのが好ましい。
本発明による記録媒体は、形成しようとするインク受容層またはコート層の標準的な製造法によりそれぞれの面に形成されてよい。また、本発明の好ましい態様によれば、両面のインク受容層またはコート層は、それぞれ別に形成されてもよく(いわゆるオフマシン)、また同時に形成されてもよい(いわゆるオンマシン)。さらに、片面にぞれぞれインク受容層またはコート層が形成された2枚の記録媒体を張り合わせることで製造されてもよい。
インク受容層をその前駆体組成物を塗工等することで形成する場合、その塗工量はその種類および所望のインク吸収量等を勘案して適宜決定されてよいが、インク吸収量が小さい面のインク受容層の塗工量を1〜10g/m2 、インク吸収量の大きい面のそれを10〜30g/m2 、基材の厚みを100〜200μmとするのが好ましい。
本発明による記録媒体は、種々の形状で利用可能であり、一般的な定型サイズの記録媒体に加え、両面印刷が可能なハガキ、名刺シートなどとすることができる。
インクジェット記録方法
本発明によれば、前記の記録媒体を用いたインクジェット記録方法、すなわち記録媒体の両面に印字を行うインクジェット記録方法が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、記録媒体の表裏において解像度を変えた印字を行うことが可能である。具体的にはインク吸収量の大きな面に高解像度での印字を行い、一方インク吸収能の小さな面に低解像度での印字を行う。本発明による記録媒体にあっては、同一のインク量が付着しても、形成されるドット径がインク吸収能の大きな面で小さく、他の面で多くなる。すなわち、記録ヘッドを同一のままとし、インク量を変えずに解像度のみを変化させることで二つの解像度による画像が実現できるので有利である。なお、本発明による記録媒体において、インク量の制御を行えば、さらに有利にドット径の制御が可能であることはいうまでもない。
同一インク量にもかかわらずドット径を表裏で変化させることができる上記の様な本発明の態様は、例えば使用されるインク組成物と記録媒体とを次のような基準で選択し、組み合わせることで実現できる。すなわち、インク組成物として、記録媒体に対する滴下5秒後の静的接触角が、記録媒体の一方の面において10度以下であり、他方の面において10度より大きいものを用いる。このような組み合わせにあっては、インク組成物が一方の面には速やかに吸収され、他の面においては緩やかに吸収される。そして、インク組成物が速やかに吸収される面にあってはドット径は小さくなり、一方インク組成物が緩やかに吸収される面にあってはドット径は大きくなる。
本発明の好ましい態様によれば、インク吸収能の高い面への高解像度による印字が600〜1440dpi程度であり、インク吸収能の低い面への低解像度による印字が300〜600dpi程度とされる。
本発明によるインクジェット記録方法で用いられるインク組成物は、慣用されている着色剤、有機溶媒などを適宜組み合わせて構成されてよい。
本発明に使用できるインクに用いる好適な溶媒としては、Caイオン、Mgイオンが5ppm以下のイオン交換水とグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブロパンジオール、1,5−ペンタンジオール等の高沸点・低揮発性の多価アルコール類が挙げられる。また、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、およびN−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機溶剤を用いることも可能である。さらに、記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止するために、尿素、糖類などの吸湿性の高い添加剤を利用することも好ましい。これら多価アルコール、多価アルコールの低級アルキルエーテルの添加量は適宜決定されてよいが、4〜30重量%程度が好ましく、より好ましくは7〜20重量%程度である。
更に本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は界面活性剤を含んで、記録媒体へのインクの浸透性を制御されてよい。好ましい界面活性剤の例としては、アセチレングリコール類が挙げられ、サーフィノール465、TG、104、82として日信化学工業株式会社より市販されているものを利用することもできる。
本発明においてインク組成物とは、モノクロ印刷を行う場合にはブラックインク組成物を意味し、さらにカラー印刷を行う場合にはカラーインク組成物、具体的にはイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物、更に場合によってブラックインク組成物を意味するものとする。さらに、本発明による記録媒体は、イエローインク組成物、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物、および色濃度の異なる二種のシアンインク組成物、およびブラックインク組成物の計六色のインク組成物を用いた記録方法に用いられてもよい。このような六色インク組成物と本発明による記録媒体とによれば、階調性に優れた、粒子状の点のない、写真に匹敵する印刷画像を実現することができる。画像濃度が低い領域においては場合によって粒子状の点が観察されることがあるが、マゼンタインク組成物およびシアンインク組成物として、それぞれ高色濃度および低色濃度のインク組成物を用いることで、粒子状の点の発生を有効に防止でき、さらに階調性に優れた印刷を実現できる。本発明の好ましい態様によれば、この低色濃度インク組成物の色材濃度が、高色濃度インク組成物の色材濃度の5〜50重量%であるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%程度である。このような高色濃度インク組成物および低色濃度インク組成物を用いることで、より階調性に優れた画像が実現できる。
以下の実施例により本発明を貝体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:記録媒体の調製
基材として180g/m2 の記録紙を用意し、その表裏に次のようにインク受容層を形成した。
A面
次のような組成を有する塗工液を調製した。
合成非晶質シリカ 100部
ポリビニルアルコール 30部
コロイダルシリカ 30部
カチオン性染料定着剤 20部

この塗工液を水で希釈し固形分濃度を15重量%とし、これをエアーナイフコーターにより塗工層の乾燥重量が12g/m2 となるように塗工した。
その後、次の組成の塗工液を調製した。
ポリスチレン系有機粒子 100部
スチレン−ブタジエン系
ラテックス 30部
離型剤 2部

これを更に水で固形分濃度25重量%まで希釈し、上で形成した乾燥塗工層の上に塗工層の乾燥重量が3g/m2 となるようにキャストコーティングした。
B面
次のような組成を有する塗工液を調製した。
カオリン 100部
ポリビニルアルコール 5部
スチレンブタジエン系
ラテックス 20部
耐水化剤 2部

この塗工液を上記基材に塗布し、乾燥させて乾燥塗布量5g/m2 のインク受容層を形成した。
以上のようにして得られた記録媒体を、A4サイズおよびハガキサイズに切断した。この記録媒体を以下では実施例1と呼ぶ。
また、上記と同様の基材に対して、その片面に上記A面またはB面の処理のみを行った記録媒体を調製し、A4サイズおよびハガキサイズに切断した。A面処理のみの記録媒体およびB面処理のみの記録媒体を、それぞれ以下では比較例1および比較例2と呼ぶ。
実施例2
基材として90g/m2 の上質紙を用意し、その表裏に次のようにインク受容層を形成した。
A面
以下の組成を有する第一インク受容層塗工液を塗布し、乾燥させて乾燥塗布量15g/m2 のインク受容層を形成した。
シリカ(平均粒径5.3μm) 150部
ポリビニルアルコール(10%溶解品) 500部
メラミン系架橋剤(固形分80%) 4部
蛍光染料 5部
上記で得た第一インク受容層の上にさらに下記の組成を有する第二インク受容層塗工液を塗布し、乾燥させて乾燥塗布量7g/m2 のインク受容層を形成した。
シリカ(平均粒径19.3μm) 150部
ポリビニルアルコール(10%溶解品) 400部
ポリビニルピロリドン(10%溶解品) 600部
蛍光染料 10部
B面
次の組成を有する塗工液を調製した。
非晶質シリカ 100部
ポリビニルアルコール 80部
ポリアミドエポキシ系樹脂 10部
耐水化剤 10部
この塗工液を上記基材に塗布し、乾燥させて乾燥塗布量5g/m2 のインク受容層を形成した。
実施例3
コロイダルシリカ250部(スノーテックスC、日産化学株式会社製、固形分20%)およびポリビニルアルコール50部(ゴーセノールT330、日本合成化学株式会社製、10%溶解品)からなる光沢層塗工液をポリエチレンフィルムに塗布し、塗工液面を、実施例2で得られた記録媒体の第二インク受容層上に貼り合わせた。光沢層塗工液層が十分に乾燥した後、ポリエチレンフィルムを剥離した。さらに乾燥させて、乾燥塗布量5g/m2 の光沢層を有し、その表面が60度鏡面光沢度30である記録媒体を得た。
印字試験
以下のインク組成物を調製し、印字試験を行った。
着色剤 2重量%
グリセリン 10重量%
ジエチレングリコール
モノブチルエーテル 10重量%
イオン交換水 77.2重量%
サーフィノールTG 0.8重量%
着色剤:
イエローインク組成物−C.I.ダイレクトイエロー86
マゼンタインク組成物−C.I.アシッドレッド52
シアンインク組成物−C.I.ダイレクトブルー199
ブラックインク組成物−C.I.ダイレクトブラック19
印字は、インクジェット記録プリンタMJ700V2C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて行った。
記録媒体を次のような内容および基準により評価した。
試験1:印字の裏抜け
実施例1、2、および3、比較例1、並びに比較例2によるA4サイズの記録媒体に、A面には720dpiの解像度で、B面には360dpiの解像度でそれぞれ同一の画像を印字した。得られた画像がそれぞれの裏面からも観察されてしまういわゆる裏抜けの有無を観察した。その結果、実施例1、2、および3の記録媒体では裏抜けは観察されず、一方比較例1および2ではいずれの場合も裏抜けが観察された。
試験2:耐カール性
2−1.環境カール
上記1.で得られた印字物を、10℃、湿度20%、および32℃、湿度80%の環境下に放置した。なお、片面のみにインク受容層を設けた記録媒体については、インク受容層面を上にして放置した。24時間後に、記録媒体の四隅の平面からの浮き上がり量を測定した。その結果は次の通りであった。
第 1 表
浮き上がり量(mm)
10℃/湿度20% 32℃/湿度80%
実施例1 0 0
実施例2 0 0
実施例3 0 0
比較例1 10 8
比較例2 8 6
2−2.印字後カール
実施例1、比較例1、および比較例2によるA4サイズの記録媒体に、その印字可能領域全域に亘る同一画像を、A面には720dpiの解像度で、B面には360dpiの解像度でそれぞれ印字した。印字後の記録媒体の四隅の平面からの浮き上がり量を測定した。その結果は次の通りであった。
第 2 表
浮き上がり量(mm)
実施例1
両面に印字 0
A面のみに印字 1〜2
B面のみに印字 0〜1
実施例2
両面に印字 0
A面のみに印字 0
B面のみに印字 0
実施例3
両面に印字 0
A面のみに印字 0
B面のみに印字 0
比較例1
両面に印字 6
A面のみに印字 8
B面のみに印字 7
比較例2
両面に印字 5
A面のみに印字 7
B面のみに印字 5
試験3:搬送性
3−1.低温・低湿評価
10℃、湿度20%の環境下でプリンターに50枚連続通紙を行い、ダブルフィード、ノンフィード、頭出し不良が観察されなかった場合を○、1枚以上観察された場合を×とした。
3−2.高温・高湿評価
32℃、湿度80%の環境下でプリンターに50枚連続通紙を行い、ダブルフィード、ノンフィード、頭出し不良が観察されなかった場合を○、1枚以上観察された場合を×とした。その結果は、次の表に示されるとおりであった。
第 3 表
10℃/湿度20% 32℃/湿度80%
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
比較例1 × ×
比較例2 × ×
試験4:インク組成物との静的接触角
上記ブラックインク組成物を、実施例1〜3の記録媒体のA面およびB面に滴下し、静的接触角を測定した。25℃の環境下で液滴法による接触角計(CA−Z型接触角計、協和界面科学株式会社製)用い、滴下5秒後の接触角を測定した。その結果は次の第4表に示されるとおりであった。
第 4 表
静的接触角(度)
A面 B面
実施例1 0 15
実施例2 5 20
実施例3 0 20
試験5:ドット径
試験1で得られた画像の1ドットあたりの等価円直径を透明基材側から、サンプル数100で測定した。その結果は、次の第5表に示されるとおりであった。
第 5 表
ドット径(μm)
A面 B面
実施例1 75 110
実施例2 80 120
実施例3 85 120
試験6:
実施例1〜3の記録媒体の表面の白色度をISO−2470に準拠した白色度測定器(熊谷理機工業株式会社製)を用いて測定した。その結果は次の第6表に示されるとおりであった。
第 6 表
白色度
A面 B面
実施例1 82 78
実施例2 85 82
実施例3 88 82

Claims (17)

  1. 基材と、その両面に設けられたインク受容層またはコート層とを含んでなる、インクジェット記録媒体。
  2. その表裏において、同一量のインク滴が付着して形成されるドット径が異なる、請求項1記載の記録媒体。
  3. その表裏のインク吸収能が異なる、請求項2記載の記録媒体。
  4. 小さなドット径が形成される面のインク吸収能が、大きなドット径が形成される面のインク吸収能より高い、請求項3記載の記録媒体。
  5. インク吸収能の高い面および低い面における、にじみまたはブリードが発生しない最大インク吸収量が、それぞれ3〜60μl/mm2 および1〜20μl/mm2 である、請求項3または4記載の記録媒体。
  6. インク吸収能の高い面のインク受容層またはコート層がフッ素またはシリコーン系化合物を含有してなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録媒体。
  7. インク吸収能の高い面のインク受容層またはコート層が、その表面に亀裂を有するものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録媒体。
  8. インク吸収能の高い面の光沢度が60度鏡面光沢度で30以上を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録媒体。
  9. インク吸収能の高い面の白色度がインク吸収能の低い面の白色度よりも高いものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録媒体。
  10. インク吸収能の高い面の白色度が80以上である、請求項9に記載の記録媒体。
  11. インク組成物の液滴を形成し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
    記録媒体が請求項1〜10のいずれか一項に記載のものであり、かつ
    インク吸収能の高い面に高解像度での印字を行い、インク吸収能の低い面に低解像度での印字を行う、インクジェット記録方法。
  12. インク組成物として、インク組成物の前記記録媒体に対する滴下5秒後の静的接触角が、記録媒体の一方の面において10度以下であり、他方の面において10度より大きいものを用いる、請求項11記載のインクジェット記録方法。
  13. インク組成物として、アセチレングリコールを含有してなるものを用いる、請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 高解像度が600〜1440dpiであり、低解像度が300〜600dpiである、請求項11〜13のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  15. インク組成物として、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物、さらに場合によってブラックインク組成物を用いる、請求項11〜14のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  16. インク組成物として、イエローインク組成物、高色濃度マゼンタインク組成物、低色濃度マゼンタインク組成物、高色濃度シアンインク組成物、低色濃度シアンインク組成物、およびブラックインク組成物の計六色のインク組成物を用いる、請求項11〜14のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  17. 低色濃度マゼンタインク組成物の色材濃度が、高色濃度マゼンタインク組成物の色材濃度の5〜50重量%であり、低色濃度シアンタインク組成物の色材濃度が、高色濃度シアンインク組成物の色材濃度の5〜50重量%である、請求項16に記載のインクジェット記録方法。
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