JPH11105411A - インクジェット記録体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録体及びその製造方法

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JPH11105411A
JPH11105411A JP9271572A JP27157297A JPH11105411A JP H11105411 A JPH11105411 A JP H11105411A JP 9271572 A JP9271572 A JP 9271572A JP 27157297 A JP27157297 A JP 27157297A JP H11105411 A JPH11105411 A JP H11105411A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光沢性、インク吸収速度、インク吸収容量、印
字濃度、耐水性、耐光性に優れるインクジェット用記録
体を提供する。 【解決手段】支持体に少なくとも1層のカチオン樹脂と
コロイド粒子顔料を含有する塗液を塗布してなる記録層
を設けたインクジェット記録体であり、該カチオン樹脂
がジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ
共重合物、アミン−カルボン酸共重合物から選ばれる少
なくとも1種であり、該コロイド粒子顔料が平均粒径3
〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径300n
m以下の2次粒子であることを特徴とするインクジェッ
ト記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
体に関し、特に印字光沢、印字濃度、耐水性、耐光性が
良好なインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ノズルから
高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記
録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒
音が低い等の特徴を有する。この方式では、インクジェ
ットノズルに目詰まりを生じないこと、鮮やかな色調を
有すること等の条件が要求されるので、使用するインク
の染料は酸性染料、直接染料が多く、必ずしも耐水性、
耐光性に優れた染料を選択することができないのが現状
である。インクジェット記録用紙としてはインク吸収性
に富むように工夫された上質紙や表面に多孔性顔料を塗
工した塗工紙等が市販されている。これらの用紙に印字
した後、染料の耐水性を得るために、紙や塗工層にカチ
オン樹脂を含有させることが知られている。例えば、特
開昭56−08492号公報、特開昭59−02069
6号公報、特開昭59−033176号公報〜特開昭0
33179号公報、特開昭63−274583号公報等
の報告が挙げられる。しかし、カチオン樹脂を配合する
ことによって印字物の耐光性が劣り、長時間保存すると
記録画像の変退色が激しくなってしまい、耐水性と耐光
性のバランスをとることが極めて難しい。
【0003】印字画像の耐水性と耐光性を改良する目的
で耐光性が比較的よい特定のカチオン樹脂を用いる報告
があった。例えば、特開昭59−198188号公報に
開示されたように、ポリエチレンイミンの第4級化合物
を内添または塗布し、耐水性、耐光性を改良する試みが
あった。また、特開昭60−049990号公報にイン
クジェット用紙表面にポリアルキレンポリアミンジシア
ンジアミドアンモニウム塩縮合物を塗布する報告もみら
れる。さらに、記録用紙にカチオン性コロイダルシリカ
を含有する報告(特開昭60−260377号公報)、
ヒンダードアミン系化合物を含有させた記録体の報告
(特開昭61−146591)やポリオキシアルキレン
化アミンモノカルボン酸エステルの4級アンモニウム塩
を含有する記録体(特開昭61−284478号公報)
等が挙げられる。しかし、これらのカチオン樹脂等では
耐水性と耐光性のバランスがとれず、全てのインクジェ
ット用インクの耐水性、耐光性を向上させることは難し
い。また、これらの記録体はすべて表面光沢の低い、い
わゆるマット調のインクジェット記録用紙が主体であ
る。しかし現在ではインクジェットプリンターの急速な
普及や高画質化にともなって、表面光沢の高い、優れた
外観をもつだけでなく、耐水性、耐光性にも優れるイン
クジェット記録用紙が強く要望されている。
【0004】耐光性を改良するために、例えば、特開昭
57−87988号公報、特開昭57−87989号公
報に開示されたようにインクジェット記録用紙に紫外線
吸収剤や酸化防止剤を添加する報告がみられるが、これ
らの記録体の記録層に使用されている顔料は白色顔料や
数ミクロンオーダーの顔料であるため、記録層の透明性
がなく、高光沢性、高印字濃度、高耐水性を得ることは
できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高光沢、高印字濃度、
高インク吸収性、印字耐水性を得るため、発明者らは特
願平8−347736号公報、特願平8−347737
号公報に微細粒子とカチオン樹脂を含有する記録体を提
案した。この被記録体に印字すると、光沢性、印字濃
度、インク吸収性、耐水性とも優れ、銀塩写真に匹敵す
る記録画像が得られるが、印字物を長時間保存すると、
特に光の強いところに保管すると画像が変退色するとい
う不都合が生じる問題があった。本発明は上記の問題を
解決し、印字濃度、光沢性、耐水性、耐光性とも優れる
インクジェット記録体を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によりインクの耐
水性だけでなく、耐光性、印字後の光沢も優れるインク
ジェット記録体が得られる。特にカチオン樹脂の分子量
が5万以上であることが望ましく、理由は定かではない
が、分子量が大きくすることによってカチオン樹脂がバ
インダーの効果を発揮するだけでなく、カチオン樹脂が
2次粒子を構成する1次粒子間に入りにくく、よりイン
ク吸収速度、インク吸収容量が良好なインクジェット記
録体が得られる。更に、紫外線吸収剤を記録層、特に表
層に配合すると、印字画像の耐光性が著しく向上する。
本発明では、特に少なくとも1層の記録層を成形面に塗
布成膜した後、支持体に接着させ成形面を剥離すると、
より高光沢、高印字濃度の銀塩写真に匹敵するインクジ
ェット記録体が得られる。
【0007】本発明は下記の態様を含む。 〔1〕支持体に少なくとも1層のカチオン樹脂とコロイ
ド粒子顔料を含有する塗液を塗布してなる記録層を設け
たインクジェット記録体であり、該カチオン樹脂がジア
リルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合
物、アミン−カルボン酸共重合物から選ばれる少なくと
も1種であり、該コロイド粒子顔料が平均粒径3〜40
nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径300nm以下
の2次粒子であることを特徴とするインクジェット記録
体。 〔2〕平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる
平均粒径300nm以下の2次粒子が非晶質シリカ、ア
ルミナシリケートから選ばれることを特徴とする〔1〕
記載のインクジェット記録体。 〔3〕カチオン樹脂の分子量が5万以上である〔1〕ま
たは〔2〕記載のインクジェット記録体。 〔4〕記録層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とす
る〔1〕、〔2〕または〔3〕記載のインクジェット記
録体。 〔5〕カチオン樹脂がジアリルジメチルアンモニウムク
ロライド−二酸化イオウ共重合物、アミン−カルボン酸
共重合物から選ばれる少なくとも1種であ〔1〕、
〔2〕、〔3〕または〔4〕記載のインクジェット記録
体。 〔6〕カチオン樹脂とコロイド粒子顔料を含有する塗液
を成形面に塗布成膜して得た記録層を、支持体に(支持
体上に既に他の記録層を設けてなる場合は該他の記録層
に)転写し、成形面を剥離してなるインクジェット記録
体の製造方法であり、該カチオン樹脂がジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルア
ンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、アミン
−カルボン酸共重合物から選ばれる少なくとも1種であ
り、該コロイド粒子顔料が平均粒径3〜40nmの1次
粒子が凝集してなる平均粒径300nm以下の2次粒子
であるインクジェット記録体の製造方法。
【0008】[7]カチオン樹脂の分子量は10万〜4
0万である[3]記載のインクジェット記録体 [8]紫外線吸収剤は酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イッ
トリウム、酸化セリウムの無機系金属酸化物から選ばれ
ることを特徴とする[4]記載のインクジェット記録体 [9]紫外線吸収剤の平均粒径は500nm以下である
ことを特徴とする[4]記載のインクジェット記録体 [10]記録層が水溶性バインダーを含有することを特徴
とする前記いずれかに記載の記載のインクジェット記録
体。 [11]成形面に塗布した記録層はウエットラミ法で支持
体(支持体に他の記録層を有する場合は他の記録層)に
接着し、乾燥(或いは半乾燥)後成形面を剥離してなる
[6]記載のインクジェット記録体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】支持体としては特に限定されず、
透明であっても不透明であってもよい。例えば、セロハ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニ
ル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチッ
クフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト
塗工紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート
紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイ
ル、合成紙などが適宜使用される。
【0010】次に、本発明の記録層について詳細説明す
る。本発明の少なくとも1層の記録層はカチオン樹脂を
含有するコロイド粒子顔料を主成分とし、カチオン樹脂
はジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物質、
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオ
ウ共重合物、アミン−カルボン酸共重合物から選ばれ、
コロイド粒子顔料は平均粒径3〜40nmの1次粒子が
凝集してなる平均粒径が300nm以下の2次粒子より
選ばれる。カチオン樹脂を含有し、平均粒径3〜40n
mの1次粒子が凝集してなる平均粒径が300nm以下
の2次粒子により構成されるコロイド粒子は次のような
方法で得ることが可能である。
【0011】つまり、カチオン樹脂と微粒子顔料が混合
された状態で、顔料がコロイド状態になっているもので
ある。例えば、一般市販の平均粒径3〜40nmの1次
粒子が凝集してなる数ミクロン凝集体顔料をカチオン樹
脂含有液中で粉砕分散し凝集体の平均粒径を300nm
以下にするか、或いは、数ミクロンの凝集体顔料を平均
粒径300nm以下のコロイド超微粒子に粉砕分散した
後、カチオン樹脂を添加して、一旦凝集・増粘させた後
平均凝集粒径が300nm以下になるように再度粉砕分
散して得ることが可能である。勿論、本発明のコロイド
粒子中に、平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集して
なる平均粒径300nm以下の2次粒子以外に、部分的
に1次粒子を含有してもよい。
【0012】粉砕分散の方法としては機械的手段で強い
力を与えること、つまりbreaking down法
(塊状原料を細分化する方法)が最も有効である。機械
的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジ
ナイザー、ナノマイザー、高速回転ミル、ローラミル、
容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、擂解
機、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。
得られる超微細粒子はコロイド粒子であっても、スラリ
ーであってもよい。本発明でいう平均粒径はすべて電子
顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒径(マーチン
径)である(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p5
2参照)。得られる超微細コロイド粒子は3〜40nm
の1次粒子が凝集してなる平均粒径10〜300nmの
2次粒子を選択するのが好ましいが、さらに好ましくは
5〜30nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径20〜
200nmの2次粒子を選択する。1次粒子が小さすぎ
るとインク吸収性が劣り、一方、大きすぎると記録層の
透明性が低下し、高印字濃度を得にくい問題が生じる。
2次粒子が小さすぎると塗膜の成膜性が悪く、塗膜に多
くのひび割れが生じる恐れがある。一方、2次粒子が大
きすぎると塗膜表面がざらつきやすく、高光沢を有する
記録体を得ることが困難である。発色性、インク吸収速
度、インク吸収容量及び価格等の観点から、微細コロイ
ド粒子としてはは非晶質シリカ、アルミナシリケートが
好ましい。
【0013】アルミナシリケートはアルミニウムアルコ
キシドと珪酸アルコキシドを主成分として加水分解法に
よって合成された複合体微粒子であり、粒子中にアルミ
ナ(Al2 3 )成分とシリカ成分(SiO2 )とを個
別に取り出すことができない状態に含有してなるもので
ある。アルミナ成分とシリカ成分のモル比率は略6:2
であるが、非晶質な構造であるため1:4〜4:1の範
囲でも合成することが可能であり、これらも本発明で使
用し得る。またはアルミナとシリカ以外の各種金属アル
コキシドを適宜加えて3成分からなる各種金属アルコキ
シドを製造してアルミナシリケート微粒子として使用す
ることができる。アルミナシリケート微粒子はアルコー
ル雰囲気で合成されるが、合成反応が完了した後、ミク
ロンオーダーの凝集体(2次粒子)として得られる。
【0014】本発明では印字後の耐水性、耐光性の観点
からジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオ
ウ共重合物、アミン−カルボン酸共重合物(例えばジア
リルアミン−マレイン酸共重合物等)から選択される。
上記のカチオン樹脂を用いるとインクの発色性、耐水性
を殆ど損なうことなしに、インクの耐光性を格段に向上
することができる。これらの化合物が有効な理由は定か
ではないが、塩基性部分の反応性、安定性が起因してい
るのではないかと思われる。上記カチオン樹脂の分子量
(MW)は5万以上が好ましく、さらに好ましくは10
〜40万である。分子量が小さすぎるとカチオン樹脂が
1次粒子間に入り込み、インク吸収性が低下する恐れが
ある。一方、分子量が大きすぎると塗料の粘度が上昇
し、塗布しにくい問題が生じる。なお、このようなカチ
オン樹脂の添加量としては顔料100重量部に対し、1
〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で
調節される。少なすぎると印字の耐水性が劣り、多すぎ
るとインクの吸収速度、インク吸収容量が低下する。勿
論、耐水性をさらに向上させる目的で他の一般市販のカ
チオン樹脂をブレンドしてもよい。併用できるカチオン
樹脂は例えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリ
アミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその
誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有す
るアクリル樹脂、ジアクリルアミン等一般市販の各種公
知公用のカチオン樹脂がある。
【0015】上記の微細粒子顔料以外に記録層の平滑
性、透明性を損なわない程度にインク吸収性を上げるた
めに他の一般市販の顔料を添加してもよい。例えば前記
範囲外の非晶質シリカ、アルミナシリケート、カオリ
ン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、擬
ベーマイト、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸ア
ルミニウム、スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プ
ラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメ
ント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、
一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を適宜使用され
る。添加量としては微細粒子100重量部に対して20
重量部以下に調節必要がある。添加される顔料の大きさ
は2μm以下が望ましい。
【0016】印字後の耐光性をより高めるためには、記
録層、特に表層(記録する側の層であり、上層ともい
う)に紫外線吸収剤を配合することが有効である。紫外
線吸収剤は有機系と無機系が挙げられる。有機系として
サリチル酸系(フェニルサリシレート、p−tert−
ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサ
リシレート等)、ベンゾフェノン系(2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾ
フェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメ
トキシベンゾフェノン、2−ジヒドロキシ−4−メトキ
シ−5−スルホベンゾフェノン等)、ベンゾトリアゾー
ル系{2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル
−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・te
rt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロ
キシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロ
フタルイミドメチル)−5‘−メチルフェニル〕ベンゾ
トリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)フェノール〕等}、シアノアク
リレート系(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,
3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート等)等の公知の有機
紫外線吸収剤が挙げられる。
【0017】無機系としては酢酸セリウムや酸化セリウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イットリウム等の遷移
金属酸化物が挙げられる。塗膜の耐水性の観点から無機
系の紫外線吸収剤が好ましく選択される。本発明では、
有機系と無機系の単独使用は勿論、併用しても可能であ
る。
【0018】本発明では記録層の透明性や平滑性を損な
わないために、無機系の紫外線吸収剤を平均粒径500
nm以下に調整した方がより効果的である。500nm
以下に調整するのは上記に示した機械的手段(brea
king down法)が挙げられる。また、紫外線吸
収剤の添加量は特に限定するものではないが、好ましく
は顔料100重量部に対して0.5〜25重量部に調節
される。紫外線吸収剤の添加量が少なすぎると耐光性の
効果が不十分で、多すぎると効果が飽和し無意味であ
る。
【0019】微細コロイド粒子顔料とカチオン樹脂のみ
では十分に記録層が成膜しない場合がある。この場合好
ましくは、記録層には接着剤(バインダー)を含有させ
る。接着剤としては、水溶性樹脂(たとえばポリビニル
アルコール(以下PVAとも称す)、カゼイン、大豆蛋
白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセ
ルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、
スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート
−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテック
ス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系共重合体ラテックスなどの一般
に塗工紙に用いられている公知の接着剤(バインダー)
が単独或いは併用して用いられる。記録層と支持体、或
いは記録層間の接着性を上げるためには、水溶性樹脂が
好ましく選択使用される。特に重合度2000以上のポ
リビニルアルコールを使用すると、記録層と支持体、或
いは記録層間の密着性がよく、高インク吸収速度、高イ
ンク吸収容量、高印字濃度、耐水性、耐光性に優れるイ
ンクジェット記録体が得られる。
【0020】顔料と接着剤(バインダー)の固形分重量
比は100/2〜100/200、好ましくは100/
5〜100/100の範囲に調節される。接着剤(バイ
ンダー)の添加量が多いと、粒子間の細孔が小さくな
り、インク吸収速度が得られにくい。一方、接着剤(バ
インダー)が少なすぎると記録層に大きなひび割れが起
こり、光沢性、印字濃度が低下する恐れがある。その
他、一般塗工紙製造において使用される分散剤、増粘
剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤
が適宜添加される。
【0021】記録層は上記述べた層のみにより構成され
てもよいが、インク吸収性等を上げるために他の記録層
を設けてもよい。他の記録層を有する場合、少なくとも
1層、好ましくは表層(上層)が上記述べた構成であ
る。他の記録層は上記述べた一般市販の顔料、バインダ
ー、カチオン樹脂などにより構成される。
【0022】記録層の塗工量は特に限定するものではな
いが、1層のみにより構成される場合の記録層の塗工量
が3〜60g/m2 、好ましくは10〜50g/m2
調節する。他の記録層を有する場合はジアリルジメチル
アンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアン
モニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、アミン−
カルボン酸共重合物から選ばれるカチオン樹脂を含有す
る平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均
粒径が300nm以下の2次粒子により構成されるコロ
イド粒子を含有する記録層の塗工量を3〜30g/
2 、好ましくは5〜20g/m2 に調節する。塗工量
が少ないとインク耐水性、耐光性の効果が得られにく
く、塗工量多いと効果が飽和する。
【0023】本発明では、少なくとも1層の記録層(表
層,つまり最終的に記録インクが付与される側の層を含
む)を成形面に塗被成膜した後、成形面をうつしとった
表層を含む記録層を支持体(支持体上に他の記録層を有
する場合は他の記録層)に接着し、成形面(から)を剥
離すると、より高光沢を得ることが可能である。成形面
に使用される材料としては、高表面平滑性を有するセロ
ハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビ
ニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチ
ックフィルム類、ポリエチレンラミネート紙、グラシン
紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル、合成紙等
可とう性を有するシート類及び無機ガラス、金属、プラ
スチック等の高平滑表面を有するドラムや板類が適宜使
用される。特に、製造工程及び成形面と記録層の剥離適
性等の観点から、高分子フィルム(ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル等)、高平滑表面を有する金
属ドラムが好ましい。
【0024】成形面は光沢を付与する目的で平滑である
方が好ましく、成形面の表面粗さ(JIS B−060
1)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好まし
くはRaが0.05μm以下である。尚、表面粗さをコ
ントロールして、セミグロス調、マット調などの風合い
をもたせることが可能である。
【0025】成形面は無処理のままでよいが、記録層と
支持体(或いは他の記録層)の接着力よりも、成形面と
記録層の接着力を小さく制御するため、成形面の塗工面
にシリコーンやフッ素樹脂等の剥離性を有する化合物を
塗工して使用することが可能である。成形面に塗工した
記録層と支持体(或いは他の記録層)が接着さえできれ
ば特に接着方法は限定するものではない。接着は圧力
(5〜150Kg/cm)と熱(30〜100℃)のみ
で可能だが、より好ましくは上層及び/または下層に記
録層絶乾重量100重量%に対して水分が好ましくは5
0〜350重量%になるように蒸気を当てたり、或いは
水塗りしてカレンダー等により圧着することによって実
現可能である。勿論、支持体に中間層(接着剤、感圧接
着剤など)を予め設け接着することが可能であるが、よ
り有効的な方法としては、中間層をインク吸収性を有す
る記録層にすることである。つまり、支持体に記録層を
塗工し、ウエットの状態で貼り合わせてから乾燥し接着
する。
【0026】記録層や中間層の塗工用コーターとしては
ダイコーター、ブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、ロールコーター、バーコーター、グラビアコータ
ー、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテ
ンコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる。本発
明のインクジェット記録方法で使用されるインクとして
は、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散
するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分
散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調
整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を
添加して調整される。
【0027】インクに使用される記録剤としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分
散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来
公知のものは特に制限なく使用することができる。この
ような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要
求される特性などに依存して決定されるが、本発明にお
けるインクの場合も、従来のインク中におけるような配
合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような
使用で特に問題はない。
【0028】本発明で用いられるインクの溶媒として
は、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類、エチレングリコール、、ポロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグ
リコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール
類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコー
ルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類など
が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた
固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。尚、
粉砕分散を行っても顔料の一次粒径は変わらない。
【0030】[シリカゾルA]平均粒径3μの合成非晶
質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsi
l、HD−2、1次粒子径:11nm)を用い、サンド
グラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイ
ザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が60nmになる
までサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕
分散操作を繰り返し、7%の分散液を作成した。得られ
たコロイド粒子100部に、ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡
績社製、商品名:PAS−A−5、分子量:約400
0)を添加し、サンドグラインダーにより粉砕分散した
後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒
子径が70nmになるまでサンドグラインダーと圧力式
ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、8%の分散
液を試作した。 [シリカゾルB]カチオン樹脂をジアリルジメチルアン
モニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物(日東紡績
社製、商品名:PAS−A−120L、分子量:約20
万)に変更した以外はシリカゾルAと同様に作成した。
【0031】[シリカゾルC]カチオン樹脂をアミン−
カルボン酸共重合物であるジアリルアミン−マレイン酸
共重合体(日東紡績社製、商品名:PAS−410、分
子量:約20万、両性、ジアリルアミンとマレイン酸の
モル比は1:1)に変更した以外はシリカゾルAと同様
に作成した。
【0032】
【化1】
【0033】[シリカゾルD]カチオン樹脂をジアリル
アミンから誘導された環状の第四級アンモニウム塩型の
水溶性カチオンポリマーであるジアリルジメチルアンモ
ニウムクロライド重合物(センカ社製、商品名:ユニセ
ンスCP−103、分子量:約10万)に変更した以外
はシリカゾルAと同様に作成した。
【0034】
【化2】
【0035】[シリカゾルE]平均粒径3μの合成比較
例シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsi
l、LP、1次粒子径:16nm)を用い、サンドグラ
インダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザー
でさらに粉砕分散し、平均粒子径が100nmになるま
でサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分
散操作を繰り返し、9%の分散液を作成した。得られた
コロイド粒子100部に、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績
社製、商品名:PAS−A−120L、分子量:約20
万)を添加し、サンドグラインダーにより粉砕分散した
後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒
子径が120nmになるまでサンドグラインダーと圧力
式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、10%の
分散液を試作した。
【0036】[シリカゾルF]平均粒径1.5μの合成
非晶質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nips
il、E−1011、1次粒子径:24nm)を用い、
サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモ
ジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が200n
mになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザ
ーの粉砕分散操作を繰り返し、12%の分散液を作成し
た。得られたコロイド粒子100部に、ジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10
部(日東紡績社製、商品名:PAS−A−120L、分
子量:約20万)を添加し、サンドグラインダーにより
粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分
散し、平均粒子径が250nmになるまでサンドグライ
ンダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返
し、12%の分散液を試作した。
【0037】[シリカゾルG]平均粒径1.5μの合成
非晶質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nips
il、E−1011、1次粒子径:24nm)を用い、
サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモ
ジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が350n
mになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザ
ーの粉砕分散操作を繰り返し、12%の分散液を作成し
た。得られたコロイド粒子100部に、ジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10
部(日東紡績社製、商品名:PAS−A−120L、分
子量:約20万)を添加し、サンドグラインダーにより
粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分
散し、平均粒子径が400nmになるまでサンドグライ
ンダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返
し、12%の分散液を試作した。
【0038】[シリカゾルI]カチオン樹脂をポリアミ
ンジシアンジアミド縮合物(日華化学社製、商品名:ネ
オフィックス E−117)に変更した以外はシリカゾ
ルFと同様に作成した。
【0039】[アルミナシリケートゾル]容量2Lのガ
ラス製反応容器に、イソプロピルアルコール100gを
仕込み、オイルバスヒーターにより液温を60℃に加熱
した。攪拌羽根(直径3cm、3枚羽根)を100rp
mで回転させて攪拌しながら。アルミニウムイソプロポ
キシド(和光純薬工業社製)5gを添加した後、酸触媒
として酢酸(和光純薬工業社製)1.0gを添加して、
温度を保ちながら24時間環流した。これとは別に、ガ
ラス製反応容器にイオン交換水100g仕込み、60℃
に加温した後、オルト珪酸エチル(和光純薬工業社製)
1.8gを添加した後、酸触媒として硝酸(和光純薬工
業社製)1gを添加して、温度を保ちながら24時間環
流した。ついで上述のオルト珪酸エチル−硝酸−イオン
交換水溶液を、アルミニウムイソプロポキシド−酢酸−
イソプロピルアルコール溶液に加えて、60℃で6時間
攪拌を続けてアルミナシリケート微粒子を製造した。つ
いで60℃に加温してエバポレーターで濃縮し、アルミ
ナシリケートの凝集体を得た。得られた粒子のアルミ
ナ:シリカの組成比(モル比率)は3:2であった。次
に、凝集体100部に水とジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績
社製、商品名:PAS−A−120L、分子量:約20
万)を添加し、サンドグラインダーにより分散した後、
圧力式ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が10
0nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナ
イザーの分散操作を繰り返し、10%の水溶液を試作し
た。一次粒径は10nm。
【0040】実施例1 シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H、重合度:350
0、ケン化度:99%以上)35部を混合した8%水溶
液を用い、塗工量が20g/m2 となるように市販塗工
紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9g
/m2 )に塗工乾燥し、本発明のインクジェット記録体
を製造した。
【0041】実施例2 シリカゾルAをシリカゾルBに変更した以外は実施例1
と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。 実施例3 シリカゾルAをシリカゾルCに変更した以外は実施例1
と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0042】実施例4 シリカゾルAをシリカゾルDに変更した以外は実施例1
と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。 実施例5 シリカゾルAをシリカゾルEに変更した以外は実施例1
と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。 実施例6 シリカゾルAをシリカゾルFに変更した以外は実施例1
と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0043】実施例7 アルミナシリケートゾル100部に、ポリビニルアルコ
ール(クラレ社製、商品名:PVA−140H、重合
度:4000、ケン化度:99%以上)35部を混合し
た9%水溶液を用い、塗工量が20g/m2 となるよう
に市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、1
27.9g/m2 )に塗工乾燥し、本発明のインクジェ
ット記録体を製造した。
【0044】実施例8 シリカゾルB100部に、紫外線吸収剤として酸化セリ
ウム(多木化学社製、商品名:ニードラール U−1
5)8部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品
名:PVA−140H、重合度:4000、ケン化度:
99%以上)30部を混合した8%の水溶液を用い、塗
工量が20g/m2 となるように市販塗工紙(王子製紙
社製、商品名:OKコート、127.9g/m2 )に塗
工乾燥し、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0045】実施例9 実施例2の塗料を用い、塗工量が15g/m2 となるよ
うに、成形面として利用するPETフィルム(東レ社
製、商品名:ルミラーT、50μm 、表面粗さRa=
0.02μm)に塗工乾燥した。シリカゾルE100部
に、ポリビニルアルコール(実施例1同様)30部を混
合した10%水溶液を用い、塗工量が5g/m2 となる
ように一般上質紙(米坪:127.9g/m2 )に塗工
し、上記塗工層と貼り合わせ乾燥し、PETフィルムを
剥がし、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0046】比較例1 シリカゾルG100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H、重合度:350
0、ケン化度:99%)35部を混合した8%水溶液を
用い、塗工量が20g/m2 となるように市販塗工紙
(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9g/
2 )に塗工乾燥し、インクジェット記録体を製造し
た。
【0047】比較例2 シリカゾルGをシリカゾルIに変更した以外は比較例1
と同様にインクジェット記録体を製造した。 比較例3 非晶質シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール
45、平均粒径:4.5μm )100部に、ジアリルジ
メチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物
10部(日東紡績社製、商品名:PAS−A−120
L、分子量:約20万)、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:R−1130)30部を混合した10
%分散水溶液を用い、塗工量が15g/m2 となるよう
に市販塗工紙(比較例1同様)に塗工乾燥し、本発明の
インクジェット記録体を製造した。
【0048】比較例4 市販のマット紙(EPSON社製、商品名:MJA4S
P1)を用いた。 比較例5 市販の光沢紙(CANON社製、商品名:GP−10
1)を用いた。 比較例6 市販のフォトジェットペーパー光沢紙(コニカ社製、商
品名:KJPA4−GH20)を用いた。
【0049】[評価方法]実施例、比較例で得られたイ
ンクジェット記録体の塗膜耐水性、印字耐水性、インク
吸収性、光沢性、印字濃度、耐光性等は以下に示す方法
で評価した。評価用プリンター:EPSON社製、商
標:PM−700C。光沢性、印字濃度、耐光性につい
ては上記プリンターで記録を行った場合のベタ部分の光
沢感、印字濃度を示す。 [塗膜耐水性]インクジェット記録体に水滴を落とし、
5分後に指で擦る。(○:記録層が全くとれなかった。
△:記録層の一部がとれた。×:記録層が完全にとれ
た。)
【0050】[印字耐水性]インクジェット記録体に印
字した後、24時間放置後、水滴を落とし、1分後に水
滴を拭き取り、水滴に浸せきされた部分の状況を観察す
る。(○:インクが殆どとれなかった。△:インクの一
部がとれた。×:インクが完全にとれた。) [インク吸収性]印字部がブラックベタになるようにイ
エロー、マゼンタ、シアンの各単色を重ね打ちし、印字
直後から5秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼合
せ、インクが上質紙に転写するかどうかを観察する。全
く転写しなくなるまでの時間を測定する。測定された秒
数を4段評価した(○:15秒以下、△:15〜60
秒、×:60秒以上)。
【0051】[印字部の光沢感(照り感)]印字部の光
沢感はブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各印字
部に対して横の角度から目視し、以下のように4段評価
した。 ◎:銀塩方式のカラー写真と同レベルの照り感がある。 ○:カラー写真よりは劣るが、高い照り感がある。 △:一般市販のコート紙やアート紙並。 ×:全く照り感がない。 [印字濃度]黒ベタ部の印字濃度をマクベス反射濃度計
(Macbeth、RD−920)を用いて測定した。
表中に示した数字は5回測定の平均値である。
【0052】[耐光性]JIS B 7754(199
1)の規格に準じ、キセノン灯式FADE−OMETE
R(ATLAS ELECTRIC DEVICES
Co.社製、MODEL:CI35F)を用い、63
℃、50%の条件で印字サンプルを72時間連続処理
し、下記の式から各色の残存率を求め、耐光性の指標と
した。 退色率(%)=[(未処理時の印字濃度- 処理後の印字濃度)
×100]/ 未処理時の印字濃度 退色率が高いほど耐光性が劣る。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の方法
により得られたインクジェット記録体は塗膜耐水性、イ
ンク耐水性、インク吸収性、光沢性、印字濃度が良好で
且つ耐光性も優れるインクジェット記録体である。
フロントページの続き (72)発明者 向吉 俊一郎 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に少なくとも1層のカチオン樹脂と
    コロイド粒子顔料を含有する塗液を塗布してなる記録層
    を設けたインクジェット記録体であり、該カチオン樹脂
    がジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジ
    アリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ
    共重合物、アミン−カルボン酸共重合物から選ばれる少
    なくとも1種であり、該コロイド粒子顔料が平均粒径3
    〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径300n
    m以下の2次粒子であることを特徴とするインクジェッ
    ト記録体。
  2. 【請求項2】平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集し
    てなる平均粒径300nm以下の2次粒子が非晶質シリ
    カ、アルミナシリケートから選ばれることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェット記録体。
  3. 【請求項3】カチオン樹脂の分子量が5万以上である請
    求項1または2記載のインクジェット記録体。
  4. 【請求項4】記録層が紫外線吸収剤を含有することを特
    徴とする請求項1、2または3記載のインクジェット記
    録体。
  5. 【請求項5】カチオン樹脂がジアリルジメチルアンモニ
    ウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、アミン−カル
    ボン酸共重合物であるジアリルアミン・マレイン酸共重
    合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1、2、
    3または4記載のインクジェット記録体。
  6. 【請求項6】カチオン樹脂とコロイド粒子顔料を含有す
    る塗液を成形面に塗布成膜して得た記録層を、支持体に
    (支持体上に既に他の記録層を設けてなる場合は該他の
    記録層に)転写し、成形面を剥離してなるインクジェッ
    ト記録体の製造方法であり、該カチオン樹脂がジアリル
    ジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメ
    チルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、
    アミン−カルボン酸共重合物から選ばれる少なくとも1
    種であり、該コロイド粒子顔料が平均粒径3〜40nm
    の1次粒子が凝集してなる平均粒径300nm以下の2
    次粒子であるインクジェット記録体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010248460A (ja) * 2009-03-26 2010-11-04 Nitto Boseki Co Ltd ジアリルジアルキルアンモニウム塩とマレイン酸との共重合体の製造方法
JP2017039302A (ja) * 2015-08-21 2017-02-23 セーレン株式会社 インクジェット記録用シート

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