JP3869928B2 - 記録媒体、及びこの記録媒体を用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

記録媒体、及びこの記録媒体を用いたインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体及びこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴をノズルから飛翔させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであるが、高速低騒音、多色化が容易、現像が不要などの特徴があり、プリンターへの展開を初めとして、複写機、ワープロ、FAX、プロッター等の情報機器へ展開され急速に普及している。
【0003】
また、近年高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナーが安価で提供されつつあり、パーソナルコンピューターの普及と相まって、これらから得られた画像情報をインクジェット記録方式で出力する機会が増えている。このため銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較して遜色無い画像をインクジェット方式で出力することが求められている。
【0004】
そのために、記録の高速化、高精細化、フルカラー化など記録装置、記録方式の改良が行われてきたが、記録媒体に対しても高度な特性が要求されるようになってきた。
【0005】
この様な状況下において一般的に記録媒体に要求される特性としては、
(1) インク吸収速度が速く、必要以上の滲みが無いこと
(2) 印字濃度及び発色性が高いこと
(3) 耐候性に優れていること
(4) 光沢のある画像が提供できること
などが挙げられる。
【0006】
かかる要求に対して、種々の提案がなされている。たとえば、特開昭59―22683号公報には、インク吸収が良好で光沢のある印刷シートを得るために、最低造膜温度を異にする2種以上の熱可塑性樹脂を基材面に塗布し、乾燥・造膜させて表面にクラックを生じさせることが記載されている。
【0007】
また特開昭59―222381号公報、特開平6−55870号公報、同7−237348号公報及び同8−2090号公報には、画像の耐水性、耐候性を向上させるために、表層に熱可塑性樹脂粒子を含む層を設け、印字後、表層を皮膜化することが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、熱可塑性樹脂粒子の粒子径分布はブロードであって、大小さまざまな粒子を含み、このようなブロードな粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を用いて多孔質層を形成すると、大きな粒子の間で形成される空孔を小さな粒子が埋める形で充填され、さらに粒径が小さいほうが有効に熱がかかりやすいので、熱可塑性樹脂粒子のTg近傍であればTg以下でも軟化してより空孔が埋まってしまう。このため、得られる記録媒体のインク吸収スピードは遅くなり、結果として色境界で滲み(ブリーデイング)を発生したり、色ムラ(ビーデイング)を起こした。
【0009】
またインクのにじみ率が小さくなり、印字ドットの径が小さくなったり、ドットの形状が歪んだりして、白抜けを生じ、画像品位が良好でない場合があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、インク吸収速度が速く、適度なドット径が得られ、画像濃度が高い印字物を得るための新規な記録媒体、及びこれを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の記録媒体は、インクジェット方式により画像を形成後、多孔質最表層を加熱処理により非孔質化される記録媒体であって、
基材の上層として顔料を含む多孔質インク受容層を、前記多孔質インク受容層の上層として前記多孔質最表層を備え、前記多孔質最表層は、粒子径の分布幅が3σ以内であり、且つ平均粒子径の1/5以下の粒子の割合が10%以下である熱可塑性樹脂粒子から形成されていることを特徴とする記録媒体である。
【0012】
また、本発明のインクジェット記録方法は、基材の上層として顔料を含む多孔質インク受容層を、前記多孔質インク受容層の上層として前記多孔質最表層を備え、前記多孔質最表層は、粒子径の分布幅が3σ以内であり、且つ平均粒子径の1/5以下の粒子の割合が10%以下である熱可塑性樹脂粒子から形成されている記録媒体に対して、インク液滴を飛翔させて付着させ、その後前記記録媒体を加熱して、前記多孔質最表層を加熱処理により非孔質化することを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0013】
本発明では、最表層として熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層を設けることにより、付与されたインクが、この多孔質層を介して下層、例えばインク受容層、もしくはインク吸収性のある基材に到達し、そこに画像を形成し、次いでこの最表層を非孔質化することで、画像濃度が高く、耐候性に優れた印字物が得られるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の記録媒体は、最表層として、粒子径の分布幅が3σ以内であり、且つ平均粒子径の1/5以下の粒子が10%以下である熱可塑性樹脂粒子から形成される多孔質層を設けることを特徴とし、これによりインク吸収性が良好であり、適度なドットの滲み率を得て、白抜けのない高品位な画像が得られるものである。尚、σは粒子の粒子径分布の標準偏差を示す。
【0015】
粒子径分布が3σを越えたり、さらに平均粒子径の1/5以下の粒子の割合が10%を越えると、小さな粒子が大きな粒子の周囲に細密充填され、空孔が埋まってしまいインク吸収性、画質が低下する。
【0016】
最表層に使用される熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径としては、0.1〜5.0μmが好ましく、更には0.2〜3μm、さらに好ましくは0.2〜2μmの範囲である。
【0017】
この熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、熱可塑性樹脂層の絶対的な空孔容積が小さくなり、さらにTg近傍の温度でも軟化しはじめて空孔をふさぐことがあり、インク吸収性、画質が低下する傾向にある。また平均粒子径が5μmを越えると、印字後、非孔質化処理を行った場合、表面が平滑化しにくくなることがあり、光沢度が低下する傾向にある。
【0018】
本発明において、粒子の粒度分布、標準偏差σ及び平均粒子径は、コールター株式会社製の粒度計LS230を用いて測定した値である。また、本発明において粒子径の分布幅は、10nm幅で粒度分布をとったとき、粒子の存在割合が0.5%以上の粒子についての粒子径分布の幅である。
【0019】
本発明で使用される熱可塑性樹脂粒子としてはラテックスが好ましく、たとえば塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン系、SBR系、NBR系のラテックスが挙げられる。
【0020】
平均粒子径の1/5以下の粒子が多く混入している多分散性の熱可塑性樹脂粒子の場合には、遠心分離法もしくは濾過膜分離法により熱可塑性樹脂粒子を処理することによって熱可塑性樹脂粒子の粒子径を上記の範囲とすることができる。
【0021】
かかる熱可塑性樹脂粒子を含む最表層は、熱可塑性樹脂粒子の固形分を10〜50重量%の範囲に調製した塗工液を、基材もしくはその上に設けられたインク受容層に塗工することにより形成される。
【0022】
熱可塑性樹脂粒子の塗工量としては、印字後の処理により表面光沢性を付与し、干渉色の発現を抑え、且つ保護膜として充分機能する程度の厚さが必要であり、通常2〜10μmになるように塗工されるのが好ましい。
【0023】
本発明で使用される基材としては、透明、不透明のいずれの基材でも使用でき、たとえば、上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、レジンコート紙などの紙類、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレート、などのプラスチックからなるフィルムなどが使用できる。但し、インク受容層を熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層のみで構成する場合、基材としては、インク吸収性のある紙や多孔性樹脂等を使用することが好ましい。
【0024】
基材として紙を使用する場合、繊維状物質からなる基紙の表面を硫酸バリウムでコートし、表面のベック平滑度を400秒以上で、且つ白色度を87%以上に調整してなる基材を使用することが、銀塩写真に匹敵するような画像が得られるので、とりわけ好ましい。
【0025】
ここで用いる硫酸バリウムとしては、その平均粒子径が0.4〜1.0μmの範囲、より好ましくは0.4〜0.8μmの範囲のものが望ましい。このような範囲の粒子径を有する硫酸バリウムを使用することで、所望の白色度、光沢度、インクの溶媒吸収性を満足させることができる。
【0026】
硫酸バリウムを結着させるためのバインダーとしては、ゼラチンが好ましく、硫酸バリウム100重量部に対して6〜12重量部の割合で用いられる。
【0027】
硫酸バリウムの基紙への塗工量としては、インクの溶媒吸収性及び表面の平滑性を持たせるために、20〜40g/m2の範囲が好ましい。
【0028】
硫酸バリウム層の平滑度があまり高いとインク吸収性の低下を招きやすいので、その平滑度は好ましくは600秒以下、より好ましくは500秒以下にすることが望ましい。
【0029】
本発明の記録媒体のより好ましい態様は、最表層の下層として顔料を含むインク受容層を設けたものである。
【0030】
インク受容層は、熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層に付与されたインクを吸収・保持して画像が形成される層であり、顔料を主体としてなる多孔質層である。
【0031】
使用される顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ水和物等が挙げられるが、その中でも染料定着性、透明性の点からアルミナ水和物がとりわけ好ましい。
【0032】
アルミナ水和物としては、アルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウムの加水分解などの公知の方法で製造できる。その形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等があり、また、配向性の有無も問わない。
【0033】
本発明で使用するアルミナ水和物は、工業的に市販されているもの、もしくはそれらの原料から加工されたもの等を使用することができ、これらアルミナ水和物の特徴として透明性、光沢性、染料定着性の高いもので且つ、被膜形成時にクラック等の入らず、塗工性の良いものであればさらに良い。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成社製のAS−2、AS−3、日産化学社製の520等が挙げられる。
【0034】
アルミナ水和物は、通常粒子径が1μm以下と細かいものであり、優れた分散性を有するものであるため、記録媒体に非常に良好な平滑性、光沢性を持たせることができる。
【0035】
アルミナ水和物を結着するためのバインダーとしては、水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。
【0036】
アルミナ水和物とバインダーの混合比は、重量比で、好ましくは1:1〜30:1、より好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量が上記範囲よりも少ない場合はインク受容層の機械的強度が不足する場合があり、ひび割れや粉落ちが発生する傾向がある。また、上記範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなってインクの吸収性が低下する場合がある。
【0037】
インク受容層を形成するための塗工液には、アルミナ水和物及びバインダーに加え、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することも可能である。
【0038】
アルミナ水和物の基材への塗工量としては、染料定着性をもたせ且つ必要な平滑性を持たせる為にも10g/m2以上が好ましく、基材がインク吸収性を有しない場合、塗工量としては30〜50g/m2の範囲がより好ましく、基材がインク吸収性を有する場合、塗工量としては20〜40g/m2の範囲がより好ましい。
【0039】
塗工・乾燥方法は特に限定されないが、必要に応じてアルミナ水和物及びバインダーに焼成処理を施す等も可能である。かかる焼成処理を施すことにより、バインダーの架橋強度が上がり、インク受容層の機械的強度が向上し、また、アルミナ水和物層の表面光沢が向上する。
【0040】
本発明では、記録媒体にインクを付与して画像を形成し、次いで必要に応じ最表層である熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層を非孔質化(透明化)することにより印字物を得るものである。
【0041】
インクの付与方法としては、簡便さの点でインク液滴を飛翔させるインクジェット方式が好ましく、その中でも、高速印字、高精細印字を可能とする、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を形成してオリフィスから吐出させるバブルジェット方式が好ましい。
【0042】
熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層を非孔質化する方法としては、加熱処理が好ましく、かかる処理を施すことで、耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢を付与することができ、印字物の長期保存を可能とする。
【0043】
この時の加熱温度としては、基材、インク受容層及びインク等の材料への影響、非孔質化後の表面性を考慮すると、時間との関係もあるが、70℃〜180℃の範囲が好ましい。
【0044】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
実施例1
米国特許明細書第4242271号に記載された方法に従ってアルミニウムアルコキシドを合成し、これを加水分解、解膠法によりアルミナ水和物のコロイダルゾルを合成した。
【0046】
上記アルミナ水和物のコロイダルゾルを濃縮して15重量%の溶液を得た。一方、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)をイオン交換水に溶解して10重量%の溶液を得た。この2種の溶液を、アルミナ水和物の固形分とポリビニルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように、混合し、攪拌して分散液を得た。
【0047】
この分散液をポリエチレンテレフタレートフィルム上にダイコートして、擬ベーマイトを含む多孔質層を形成した。この多孔質層の厚みは約40μmであった。
【0048】
更に、この多孔質層上に、固形分15%の塩化ビニル系ラテックス(Tg:81℃)を遠心分離処理し、上澄み液40%を除去して、平均粒子径0.64μm、σ0.20μm、粒子径分布幅0.55μm、平均粒子径の1/5以下の粒子の割合を1%にしたものをバーコーターにて塗布し、75℃で乾燥して、厚さ約5μmの多孔質ラテックス層を形成して、本発明の記録媒体を得た。ラテックス層をSEMで観察したところ、空隙が多数形成されていた。
【0049】
この記録媒体に対して、インクジェットプリンタ(商品名:BJC610JW、キヤノン製)を用いて画像を形成した後、170℃で熱処理してラテックス層を非孔質化し、印字物を得た。
【0050】
この印字物に対して画像濃度、印字ドットの状態を評価し、また記録媒体に対してはインク吸収性の評価を行った。その結果を表1に示す。
a)画像濃度:マクベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。
b)印字ドット状態:参照媒体として、熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層を最表層として含まない記録媒体を用い、その印字物の印字ドットを光学顕微鏡にて観察し、参照媒体と比較して印字ドット径が大きく、且つドット形状が真円状にきれいに形成されているものを○、ドット径が小さく、さらにドットの形状が歪んだり色むらがあるものを×とした。
c)インク吸収性:印字物の色境界部の滲み(ブリーディング)およびビーディングの発生を観察し、ブリーディング及びビーディングの発生しないものを○とし、発生したものを×とした。
【0051】
実施例2
実施例1と同じラテックスを精密濾過膜を用いて、平均粒子径0.58μm、σ0.24μm、粒子径分布幅0.64μm、平均粒子径の1/5以下の粒子の割合を5%にしたものを最表層に用い、その他は実施例1と同様にして記録媒体を形成して、印字物を作成した。その評価結果を表1に示す。
【0052】
得られたラテックス層をSEMで観察したところ、空隙が多数形成しているのが確認された。
【0053】
実施例3
基材として、以下のコート紙を調製した。
【0054】
硫酸ナトリウムと塩化バリウムから反応させて形成した平均粒子径0.6μmの硫酸バリウム100重量部、ゼラチン10重量部、ポリエチレングリコール3重量部、クロム明礬0.4重量部を配合して塗工液とし、これを坪量150g/m2の、ベック平滑度340秒の基紙に、乾燥厚が20μmになるように塗工した後、スーパーカレンダー処理を行って表面平滑度405秒の基材を得た。
【0055】
この基材を使用し、実施例1で用いたアルミナ水和物に代えてAS−3(触媒化成社製)を使用し、アルミナ水和物を含む多孔質層の厚さを26μmとしたことを除いて、実施例1と同様にして本発明の記録媒体を作成した。
【0056】
この記録媒体を使用して実施例1と同様にして印字物を作成した。評価結果を表1に示す。
【0057】
実施例4
繊維質基材としてステキヒトサイズ度が35秒の一般上質紙(坪量65g/m2)を使用し、この基材上に下記組成の塗工用組成物を乾燥塗工量が5g/m2になるようにブレードコーター法により塗工し、常法により乾燥させた。
【0058】
炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm ) 100重量部
デンプン 30重量部
SBRラテックス 10重量部
水 300重量部
【0059】
さらに、この上に実施例1と同じラテックスを遠心分離処理し、平均粒子径1.20μm、σ0.45μm、分布幅1.33μm、平均粒子径の1/5以下の粒子の割合を2%にし、実施例1と同様にして塗布、乾燥して、多孔質ラテックス層を形成し、本発明の記録媒体を得た。評価結果を表1に示した。
【0060】
得られたラテックス層をSEMで観察したところ、ラテックスが空隙を多数形成していることが確認された。
【0061】
この記録媒体に対して実施例1と同様に印字を行ったところ、インク吸収性に優れたものであった。
【0062】
実施例5
実施例1と同じラテックスを遠心分離処理し、上澄み液30%を除去して、平均粒子径0.55μm、σ0.27μm、分布幅0.77μm、平均粒子径の1/5以下の粒子の割合を10%にしたものを最表層に使用し、これ以外は実施例1と同様にして本発明の記録媒体を得た。ラテックス層をSEMで観察したところ、ラテックスが空隙を多数形成していることが確認できた。この記録媒体に対して実施例1と同様に印字を行なった。評価結果を表1に示す。
【0063】
比較例1
固形分15%の塩化ビニル系ラテックス(Tg:81℃、平均粒子径0.5μm、ラテックス固形分中の平均粒子径の1/5以下の粒子の割合15%)を用いて厚さ約7μmの最表層を形成し、その他は実施例1と同様にして記録媒体を得た。
【0064】
ラテックス層をSEMで観察したところ、粒子が細密に充填され、空隙が極めて少ないことがわかった。
【0065】
この記録媒体に対して実施例1と同様に印字を行なった。評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0003869928
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、インク吸収性が良好で、印字ドットが所望の形状及び大きさを有し、画像濃度の高い印字物が得られる。

Claims (6)

  1. インクジェット方式により画像を形成後、多孔質最表層を加熱処理により非孔質化される記録媒体であって、
    基材の上層として顔料を含む多孔質インク受容層を、前記多孔質インク受容層の上層として前記多孔質最表層を備え、前記多孔質最表層は、粒子径の分布幅が3σ以内であり、且つ平均粒子径の1/5以下の粒子の割合が10%以下である熱可塑性樹脂粒子から形成されていることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記顔料がアルミナ水和物である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記熱可塑性樹脂粒子がラテックス粒子である請求項1または請求項2に記載の記録媒体。
  4. 前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.1〜5μmの範囲にある請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録媒体。
  5. 前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜3μmの範囲にある請求項に記載の記録媒体。
  6. 基材の上層として顔料を含む多孔質インク受容層を、前記多孔質インク受容層の上層として前記多孔質最表層を備え、前記多孔質最表層は、粒子径の分布幅が3σ以内であり、且つ平均粒子径の1/5以下の粒子の割合が10%以下である熱可塑性樹脂粒子から形成されている記録媒体に対して、インク液滴を飛翔させて付着させ、その後前記記録媒体を加熱して、前記多孔質最表層を加熱処理により非孔質化することを特徴とするインクジェット記録方法。
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