JP4048748B2 - インクジェット記録体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字濃度、画像の鮮明性、インク吸収性、表面平滑性、光沢性に優れ、かつ銀塩写真に匹敵する鮮明な画像が出力可能なインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク液滴を記録媒体に飛翔させ、直接付着させて記録を行う記録方法である。
インクジェットプリンターは、容易に多色記録を行うことができるため、コンピューターからの文字や各種図形の出力機として、近年、一般用およびオフィス用として急速に普及している。インクジェットプリンターによる多色記録は、複雑な画像を正確かつ迅速に形成することができ、形成される多色記録画像も、製版方式による多色印刷や銀塩写真方式による印画に匹敵する記録を得ることが可能である。印字部数が少ない用途に用いる場合は、印刷方式や写真方式よりもより低コストで利用できるというメリットも持ち合わせている。
さらに、最近では、デジタルカメラの普及、フォトインクを搭載した高精細な画像が出力可能で安価なインクジェットプリンターが入手可能なことなどにより、銀塩写真に匹敵する画像を出力するインクジェット記録体の需要が高まっている。プリンターの高精細化、高速化、フルカラー化に伴い、インクジェット記録体に対しても、より高度な特性が要求されるようになり、特に銀塩写真の代替とするためには、高インク吸収速度及び高インク吸収容量、ドットの真円性、画像の高濃度化、さらに銀塩写真に匹敵する表面の高光沢化および高平滑化が強く求められている。
【0003】
銀塩写真に匹敵する画質、高印字濃度を付与するため、本発明者らは、特開平9−286165号公報などで、少なくとも1層の記録層に平均一次粒子径3〜40nm、平均二次粒子径10〜300nmのシリカ微粒子と水溶性樹脂を含有するインクジェット記録体を開示した。シリカはインクの発色性が良好で、鮮やかな印字画質が得られる。また、シリカ微粒子を用いることで高印字濃度、高画質が実現できるが、シリカはアニオン性であり、インクジェット記録用染料もアニオン性である為、画像の耐水性が劣る。シリカは、スーパーカレンダー処理等の光沢化処理なしでは平滑性、光沢性が不十分であり、カチオン化処理も困難である。
【0004】
光沢性や、顔料本来がカチオン性であるなどの観点から、アルミナ水和物を含有するインクジェット記録体が数多く提案されている。例えば、特開平8−324098号公報には、高速流分散により得られるアルミナ水和物微粒子を含む塗工液を調製し、インクジェット記録体を製造する方法が提案されている。高速流分散したアルミナ水和物を用いることで、記録層の透明性は得られるが、高速流分散によりインク吸収性が著しく低下するという問題がある。
【0005】
また、ベーマイト構造を有するアルミナ水和物を含有する被記録媒体(例えば、特開平8−132731号公報など)に関する方法も数多く開示されているが、ベーマイト構造のアルミナ水和物は、積層性に優れ、光沢性、平滑性、透明性を得ることが可能である。しかし、インク吸収性が小さく、インク吐出量の多いインクジェットプリンターでの使用時に問題を生じるおそれがある。アルミナ水和物は、インク染料との発色性が劣り鮮明な画像が得られにくく、光沢性も不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印字濃度、画像の鮮明性、インク吸収性、表面平滑性、光沢性に優れ、かつ、銀塩写真に匹敵する鮮明な画像が出力可能なインクジェット記録体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、単一または複数の結晶からなるアルミナ(酸化アルミニウム)のゾルを含有する塗工液を塗工してインクジェット記録層を設けることによって印字濃度、印字品位、印字耐水性、特に表面平滑性、光沢性に優れ、かつ、銀塩写真に匹敵する鮮明な画像が出力可能なインクジェット記録体が得られることが分かった。
【0008】
本発明は、特に特開平7−89717号公報に記載のアルミナゾル、つまりアルミナを水相中で酸の存在下に陽イオン交換樹脂と接触させることによって得られるアルミナゾルが最も好ましい。前記アルミナゾルを含有する塗工液を塗工して得たインクジェット記録層は、アルミナ本来の光沢性を損なうことなく、インク吸収性や透明性に優れ、粒度分布がシャープで、安定性も良く、遠心分離機にて1000rpmで30分ほど処理しても殆ど沈降することがない。特に、本発明のアルミナゾルをδ、γ結晶から選択すると、より高印字濃度、高光沢を有するインクジェト記録体が得られる。更に、成形面に、少なくともアルミナゾルを含有する塗工液で塗工されてなる記録層を設け、該記録層を支持体側に転写し、成形面を剥離すると、銀塩写真以上の目視光沢を得ることが可能である。
インク吸収容量を増す為には、記録層は2層以上を有することが好ましい。高印字濃度、高光沢、インク吸収容量などのバランスから、少なくとも表層がアルミナゾルを含有する塗工液を塗工し、高印字濃度を得るためには、好ましくは平均粒子径800nm以下のアルミナゾルを含有する塗工液を塗工し、下層には、インク吸収性に優れるシリカを用いるのは好ましく、平滑性を損なわないように、平均粒子径1.5μm以下のシリカが好ましい。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、下記の構成を採用する。
即ち、本発明は、[1]支持体と、前記支持体上に、単一または複数の結晶からなるアルミナを含有する記録層を有するインクジェット記録体において、前記記録層はアルミナゾルを含有する塗工液を塗工した層であり、且つ、前記アルミナゾルは、δ結晶および/またはγ結晶のアルミナ分散体であり、アルミナ粉末を水相中で酸の存在下に陽イオン交換樹脂と接触させることによって得られた平均粒径が500nm以下のアルミナゾルであることを特徴とするインクジェット記録体。
【0010】
本発明は、以下の態様を含む。
[2]前記記録層は表層であり、支持体との間に、他の記録層を有する[1]記載のインクジェット記録体。
[3]他の記録層が平均粒子径1.5μm以下のシリカを含有する[2]記載のインクジェト記録体。
[4]成形面に、前記アルミナを含有する塗工液で塗工されてなる記録層を設け、該記録層を支持体側に転写し、成形面を剥離してなる[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録体。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、単一または複数の結晶からなるアルミナを含有する記録層を有するインクジェット記録体を提供するものである。前記アルミナは、アルミナを水相中で酸の存在下に陽イオン交換樹脂と接触させることによって得られるアルミナゾルを使用する。
【0013】
以下に本発明を具体的に説明する。
周知のように、アルミナ(酸化アルミニウム)には、約8種の変態が知られている。アルミナは、一般にギブサイト、バイヤライトまたはベーマイトなどの水酸化アルミニウムの加熱によりχ→κ→α、γ→δ→θ→α、η→θ→α、ρ→η→θ→αまたは擬γ→θ→αの様に各種の中間アルミナを経てα−アルミナに遷移し、粒成長することが知られている(例えば電気化学、28巻,p302,船木・清水;アルミナ水和物およびアルミナについて、アルミナ水和物の熱変化例参照)。また、塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩の熱分解によっても無定形アルミナからγ−、δ−またはθ−などの中間アルミナを経てα−アルミナに遷移することがわかっている(例えば、鉱物学雑誌19巻1号p21、p41参照)。
本発明において、分散質となるアルミナは、実質的にγ、η、δ、ρ、χ、θ、κ、およびα−アルミナから選ばれた単一または複数の結晶からなる酸化アルミニウムである。本発明において、透明性、光沢性、インク吸収性のバランスから、少なくともδ、γ結晶を含むことが好ましい。該アルミナの結晶形は、X線回折により同定することで、前記の従来のアルミナ水和物(擬ベーマイト、ベーマイト、バイヤライト、ジプサイトなど)と区別することができる。
【0014】
アルミナゾルは、平均粒子径1μm以下のアルミナ分散体をいい、好ましくは、500nm以下のアルミナ分散体である。アルミナゾルを得る方法は、例えば、アルミナ粉末を分散粉砕により得る方法、アルミナを水相中で酸の存在下に陽イオン交換樹脂と接触させることにより得る方法が挙げられる。本発明では、後者の方法を使用する。
【0015】
分散粉砕により得る方法としては、例えばホモミキサー、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、ナノマイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミルおよびサンドグラインダー等の分散粉砕方法が挙げられる。より、安定で均一のアルミナゾルを得る為には、圧力式分散方法を用いることが好ましい。
圧力式分散方法では、アルミナ粉末の粒子径は、10μm以下であれば問題なく使用可能であるが、好ましくは1μm以下の小さい粒子径のものが良い。このようなアルミナ粉末としては、市販されている超微粒子状酸化アルミニウムをそのまま、あるいは、更に焼成して使用することができる。粒子径の大きいアルミナ粉末を用いる場合には、これを粉砕して粒子径を小さくして使用するとよい。また、前記アルミナ粉末を構成するアルミナの1次粒子径は100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。本法は、アルミナ粉末を予めスラリー状にし、オリフィス中で高圧で連続的に通過させ、高圧粉砕する方法であり、処理圧力は(2〜35)×107N/m2、より好ましくは(5〜30)×107N/m2、さらに好ましくは(10〜25)×107N/m2である。高圧粉砕機としては、圧力式ホモジナイザー、マイクロフルタイザー、ナノマイザーが用いられ、特に対向衝突ジェット粉砕機としてマイクロフルタイザー、ナノマイザーが好ましい。但し、このような方法で得られるアルミナゾルは細孔がつぶれやすく、細孔をつぶれないようにするために処理圧力の微調整が重要である。
【0016】
本発明で用いるアルミナゾルは、原料アルミナ粉末を水に懸濁させ、得られた懸濁液に所定量の酸を添加した後、陽イオン交換樹脂を加えて撹拌混合し、次いで陽イオン交換樹脂を分離してアルミナゾルを調製する方法である。アルミナ粉末の懸濁液の濃度は、2〜35質量%の範囲が望ましく、該懸濁液のpHは酸性側にすることが望ましい。陽イオン交換樹脂との撹拌混合は、アルミナ粉末の懸濁液が、コロイド状になるまで行われる。使用する酸としては鉱酸または有機酸があり、例えば、塩酸、硝酸、酢酸、安息香酸などの一塩基酸、硫酸などの二塩基酸、リン酸などの三塩基酸が挙げられる。これらの酸を単独でまたは混合して用いる。アルミナゾルの製造に際して、酸の添加量は、アルミニウム(Al)1当量に対して0.001〜0.05当量、好ましくは、0.002〜0.02当量の範囲とするのが望ましい。
陽イオン交換樹脂としては、陽イオン交換能を有する樹脂であれば限定するものではないが、強酸性や弱酸性陽イオン交換樹脂の他、キレート樹脂などが例示される。陽イオン交換樹脂は、通常、1kgのアルミナ(Al2O3)に対して1〜10リットルの割合で使用される。
【0017】
この製造方法では、アルミナと酸が反応してアルミニウム塩を生成し、前記アルミニウム塩のアルミニウムイオンが、陽イオン交換樹脂により除去され、酸が再生され、アルミナとの反応が繰り返され、アルミナ粉末は解膠されてゾルになる。この方法では、酸が再生されて繰り返しアルミナに作用するため、アルミナに対する酸の量が少なくても、アルミナ粉末の解膠を十分に行うことができる。また、得られるアルミナゾル分散体は、塗工液の粘度が低く、安定性が高い。アルミナの濃度は、1〜40質量%の範囲に調整される。本発明の製造方法で得られるアルミナゾルは、公知の方法により分散媒の水を有機溶媒と置換してオルガノコロイドにすることも可能である。この方法で得られたアルミナゾルは、粒子径分布が非常に狭く、平均粒子径が1μm以下、好ましくは5〜500nmの範囲にある。この方法で得られた微粒子を使用すると、透明性が高く、インク吸収性の優れる記録層を設けることが可能である。
【0018】
本発明で用いるアルミナは酸化アルミニウムであるため、焼成による質量減少が少ない。即ち、本発明のアルミナは、100℃から1000℃までの温度間におけるアルミナの質量減少が10質量%以下であることが好ましい。
【0019】
本発明のインクジェット記録体は、少なくとも1層の記録層が顔料主成分としては前記アルミナゾルを含有する塗工液を塗工した層である。インク吸収性や発色バランスなどを調整するために、他の顔料を添加してもよい。
他の顔料として、例えば、シリカ(アルミナなどによるカチオン変性シリカを含む)、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物(χ、κ、γ、δ、θ、η、θ、ρ、擬γおよびα−アルミナ、ベーマイト構造、擬ベーマイト構造などの各種結晶形を含む)、炭酸カルシウム、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメントなどが挙げられる。
【0020】
本発明の記録層は、アルミナなどの顔料に、接着剤(バインダー)の添加が不可欠である。
接着剤としては、水溶性樹脂(例えばポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質類、デンプン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂など、一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が、単独あるいは併用して使用される。
本発明においては、インク吸収性、塗膜に耐水性を付与するため、ポリビニルアルコール類などの水溶性樹脂が好ましく使用される。特に、成膜性の観点から重合度3000以上のポリビニルアルコールが好ましく、さらに耐水性が要求される場合、けん化度95%以上がより好ましい。
接着剤の固形分質量比は、特に限定しないが、顔料100質量部に対し、好ましくは1〜50質量部の範囲、より好ましくは2〜20質量部の範囲で調整される。接着剤量が多いと、アルミナ顔料間の細孔が小さくなり、インク吸収速度が遅くなり、接着剤量が少ないと記録層にひび割れが生じやすい。
【0021】
記録層の塗工量は、特に限定するものではないが、1〜60g/m2であることが好ましく、2〜30g/m2、に調整されることがより好ましい。1g/m2未満では均一で高平滑な塗膜が得られにくく、60g/m2を超えると塗膜にひび割れが生じやすくなる。
【0022】
記録層の塗工装置としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーターなど、公知の各種塗工装置が挙げられる。
【0023】
一般にインクジェット用インクは、アニオン性染料で、アルミナ顔料は、カチオン性ではあるが、印字後のインク耐湿性、耐水性は必ずしも十分ではない。耐湿性、耐水性を向上させるため、記録層中にさらにカチオン性樹脂を添加することが好ましい。
カチオン性樹脂としては、例えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第三級アミン基や第四級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアリルアミン重合体等のカチオン樹脂などが挙げられる。
カチオン性樹脂を添加する場合、添加量としては、顔料100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の範囲で調整される。
【0024】
本発明では、より高い光沢、印字濃度を得るためには、少なくともアルミナゾルを含有する塗工液を塗工した記録層を予め成形面に塗布成膜した後、支持体上に、または支持体に記録層を有する場合はその記録層上に、転写した後、成形面を剥離するが好ましい。
成形面に使用する材料としては、高表面平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル、合成紙等可とう性を有するシート類及び無機ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有するドラムや板類が適宜使用される。特に、製造工程及び成形面と記録層の剥離適性等の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子フィルム、高平滑表面を有する金属ドラムが好ましい。
成形面は、光沢を付与する目的で、平滑である方が好ましい。成形面の表面粗さ(JIS B−0601)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好ましくはRaが0.05μm以下である。尚、表面粗さをコントロールして、セミグロス調、マット調などの風合いをもたせることが可能である。
【0025】
成形面に塗工した記録層と、支持体または支持体に記録層を有する場合はその記録層とが接着できれば、特に接着方法は限定するものではない。接着は、圧力(5〜150kg/cm)と熱(30〜100℃)のみで可能だが、より好ましくは成形面に塗工した記録層及び/または支持体に設けた記録層に、記録層の絶乾質量に対して、水分が50〜350%になるように蒸気を当てたり、或いは水塗りして、カレンダー等により圧着することにより実施可能である。勿論、支持体に接着剤、感圧接着剤などの中間層を予め設け、接着することが可能であるが、より有効的な方法としては、前記中間層をインク吸収性のある記録層にすることである。つまり、支持体上に記録層を塗工し、ウエットの状態で貼り合わせてから乾燥し接着する。
【0026】
本発明においては、記録層が1層のみでもよいが、記録層が2層以上の構成が好ましい。記録層が2層以上の場合は、少なくとも1層の記録層は、上記アルミナゾルを含有する塗工液で形成することが好ましく、最表層がアルミナゾルを含有する塗工液で形成することが好ましい。平滑性、透明性を得る為には、アルミナゾルの平均粒子径は、800nm以下が好ましく、より好ましくは500nm以下である。
記録層が2層以上の場合は、各層ともアルミナゾルを含有する塗工液で形成しても良いが、インク吸収性の点から、好ましくは表層以外の記録層が、他の顔料(例えば:シリカ、炭酸カルシウム、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、ケイ酸マグネシウムなど)を主成分とする記録層である。他の記録層は、シリカを含有する方が発色性、インク吸収性、印字濃度が最も良好である。特に、シリカの平均粒子径を1.5μm以下にすると表面平滑性が得られ、光沢を有する記録体を得ることが可能である。インク吸収性、印字濃度などのバランスからシリカは、平均1次粒子径3〜40nmより構成される2次粒子分散体であることが好ましい。表層以外の記録層も表層と同様に接着剤の添加が不可欠である。インク耐水性の向上のために、カチオン樹脂を添加するのが好ましい。
【0027】
本発明において用いる支持体は、吸収性支持体、非吸収性支持体のいずれでもよい。
吸収性支持体としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗工紙、クラフト紙、含浸紙などが例示できる。高平滑性、銀塩写真ライクな風合い(特に白色度、手触り)などの観点から、印画紙原紙がより好ましい。印字後のコックリング(波打ち)、紙の風合いから、密度の高い紙、0.9〜1.2g/cm3の範囲のものが好ましく使用される。
【0028】
非吸水性支持体としては、例えば、透明、不透明いずれでも良く、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどのプラスチックフィルム類、あるいは吸水性、非吸水性のいずれかより選ばれる前記記載のプラスチックフィルム類、樹脂フィルム、合成紙、パルプを主成分とする基材(例えば、上質紙、中性紙、印画紙原紙、アート紙、コート紙、キャスト塗工紙、クラフト紙、含浸紙等)などを、非吸水性樹脂で被覆した樹脂被覆紙などが適宜使用される。
【0029】
樹脂被覆紙に使用する非吸水性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂など、またはそれらの混合物を主成分とするものを用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などがある。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分解性樹脂などがある。
【0030】
支持体、特にプラスチックフィルム類、樹脂被覆紙の被覆される基材あるいは樹脂被覆紙に使用する非吸水性樹脂に白色顔料、好ましくは酸化チタン顔料、炭酸カルシウム、シリカ、あるいはこれらを併用したものを含有させることも可能である。酸化チタン顔料がもっとも好ましい。白色顔料としては、シリカ、酸化亜鉛、タルク、カオリンなど公知公用の顔料が使用できる。
【0031】
インクジェット記録体の表面平滑性、光沢性を向上させるなどの観点から、非吸収性支持体、さらには高平滑性を有するプラスチックフィルム類が好ましい。プラスチックフィルム類は高価であり、また銀塩写真ライクな風合い、特に白色度、手触り等が得られにくいため、主成分がパルプからなり、高平滑性を有する上質紙、印画紙原紙、アート紙、コート紙、キャスト塗工紙を、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂など、またはこれらの混合物を主成分とするもので高平滑性を有するように樹脂被覆した樹脂被覆紙が好ましい。
特に、印画紙原紙にポリエチレン系樹脂あるいはポリオレフィン系樹脂で高平滑性を有するように被覆した樹脂被覆紙が特に好ましい。また、銀塩写真調の風合い、特に手触り感を得るため、インクジェット記録体のカールを制御するためなどの理由から記録面と反対側の面(裏面)もポリエチレン系樹脂あるいはポリオレフィン系樹脂で被覆することが好ましい。
【0032】
被覆樹脂層の厚さは特に限定されないが、4〜100μmの範囲とすることが好ましい。好ましくは5〜50μm、より好ましくは7〜35μmである。4μm未満であると樹脂被覆による前記効果が不足し、100μmより厚いと風合いが劣ることがある。インクジェット記録体のカールを考慮し、記録面と裏面の被覆樹脂層の厚さを調整したり、被覆樹脂の種類を選択することも可能である。被覆樹脂に白色顔料、好ましくは酸化チタン顔料、炭酸カルシウム、シリカ、あるいはこれらを併用したものを含有させることも可能であり、酸化チタン顔料がもっとも好ましい。
【0033】
支持体に非吸収性支持体を用いた場合、支持体の記録面側に記録層との密着性を付与、あるいは向上させるなどの目的で、予め密着処理、接着処理を施しておくことも可能である。特に樹脂被覆紙を用いた場合、コロナ放電処理を施すことや、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどによるアンダーコート層を設けることが好ましい。
支持体裏面に、搬送性、帯電防止、ブロッキング防止などの目的で処理を施すことも可能である。裏面処理は、化学的処理、あるいは塗工層を設けるなど適宜他の構成を追加できる。
【0034】
平滑度は特に限定されないが、高光沢、高平滑な面を得るためには300秒(王研式、J.TAPPI No.5)以上であることが好ましい。さらに、不透明度も特に限定されるものではないが、銀塩写真ライクな風合い、特に視感白色度を得るためには、不透明度(JIS P−8138)85%以上、より好ましくは93%以上である。
【0035】
本発明のインクジェット記録体への記録で使用されるインクとしては、像を形成させる記録剤と該記録剤を溶解あるいは分散する溶媒を必須成分とし、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解あるいは分散安定化剤などの各種助剤が適宜添加される。
インクに使用される記録剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種顔料などが挙げられるが、従来公知の記録剤は特に制限なく使用できる。上記記録剤の含有量は、溶媒成分の種類、インクに要求される特性などにより決定されるが、本発明におけるインクにおいても、従来のインク中の配合、つまり0.1〜20質量%程度の使用で特に問題はない。
【0036】
本発明で用いられるインクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンあるいはケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類などがある。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
【0038】
[アルミナゾルA]
CABOT社製フュームドアルミナ(θ結晶:60%、γ結晶:20%、δ結晶:20%)をサンドグラインダーにより粉砕分散した後、さらにマイクロフルイディクス・コーポレーション社製の圧力式ホモジナイザー(商品名:マイクロフルイダイザー、型番:M−110EH)を用いて粉砕分散を繰り返し、平均の大きさが200nmからなる10%分散液を調製した。分散時により分散しやすい為、少量の酢酸を添加する。
【0039】
[アルミナゾルB]
市販アルミナ(住友化学社製、商品名:AKP−G025、γ結晶アルミナ、比表面積:230m2/g)をサンドグラインダーにより粉砕分散した後、さらにマイクロフルイディクス・コーポレーション社製の圧力式ホモジナイザー(商品名:マイクロフルイダイザー、型番:M−110EH)を用いて粉砕分散を繰り返し、平均の大きさが150nmからなる10%分散液を調製した。分散時により分散しやすい為、少量の酢酸を添加する。
【0040】
[アルミナゾルC]
市販のアルミナ粉末(比表面積:30m2/g、粉末の平均粒子径:約8μm、α結晶とθ結晶)100gと蒸留水350gとを混合し、室温で撹拌しながら、これに1質量%塩酸50gを徐々に加えて95℃に加温して2時間撹拌を続けた後、強酸性陽イオン交換樹脂(バイオラット社製、バイオレックスMS2−501)500mlを徐々に添加し、30時間撹拌を続けた。次いで、該溶液を室温まで冷却した後、イオン交換樹脂を取り除き、アルミナゾル水溶液を得た。このアルミナゾル水溶液中に分散したアルミナゾル粒子の平均粒子径は300nmであった。得られたアルミナゾル水溶液を濃縮し、酸化物として10質量%のアルミナゾル水溶液とした。
【0041】
[アルミナゾルD]
市販アルミナ粉末(比表面積:110m2/g、粉末の平均粒子径:0.6μm、δ結晶)100gと0.1%の酢酸水溶液350gとを混合し、室温で撹拌しながら、これに強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化成社製、商品名:DAIAION、SK−1B)500mlを徐々に添加し、20時間撹拌を続けた後、イオン交換樹脂を取り除き、アルミナゾル水溶液を得た。このアルミナゾル水溶液中に分散したアルミナゾル粒子の平均粒子径は150nmであった。得られたアルミナゾル水溶液を濃縮し、酸化物として10質量%のアルミナゾル水溶液とした。
【0042】
[アルミナゾルE]
市販の酸化アルミニウム粉末(比表面積:100m2/g、粉末の平均粒子径:1.5μm、γ結晶)100gと純水800gと0.2質量%塩酸100gとを混合し、80℃で撹拌しながら、これに強酸性陽イオン交換樹脂(バイオラット社製、商品名:バイオレックスMS2−501)500mlを徐々に添加し、10時間撹拌を行った。続いて室温まで冷却した後、イオン交換樹脂を取り除き、アルミナゾル水溶液を得た。このアルミナゾル水溶液中に分散したアルミナゾル粒子の平均粒子径は180nmであった。得られたアルミナゾル水溶液を濃縮し、酸化物として10質量%のアルミナゾル水溶液とした。
【0043】
[シリカスラリーA]
市販湿式シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD−2、平均一次粒子径11nm、平均二次粒子径3μm)をサンドグラインダーを用いて粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径が0.5μmからなる10%分散液を調製した。さらにシリカゾル100部にカチオン樹脂としてジアリルジメチル4級アンモニウム塩酸塩(センカ社製、商品名:ユニセンスCP−103、分子量:10万)10部を添加し、顔料の凝集と分散液の増粘を起こさせた。再度、サンドグラインダーを用いて粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径(凝集粒子径)が1.1μmからなる10%分散液を調製した。
【0044】
[支持体A]
標準ろ水度(JIS P−8121)で250mlまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、標準ろ水度で280mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中にパルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%,アルキルケテンダイマー0.4%,アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%,ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m2、密度1.0g/cm3の原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解し、濃度5%に調製したもので、これを紙の両面の合計で25ml/m2塗布して支持体Aを得た。
【0045】
[支持体B]
支持体Aの両面にコロナ放電処理を施した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を原紙のフェルト面側に塗工量が25g/m2になるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2(裏面用樹脂組成物)をワイヤー面側に塗工量が20g/m2になるようにして、T型ダイを有する溶融押し出し機(溶融温度320℃)で塗布し、フェルト側を鏡面、ワイヤー側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P−8138)が93%の樹脂被覆支持体Bを得た。
【0046】
(ポリオレフィン樹脂組成物1)
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(石原産業社製、商品名:A−220)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名:Irganox1010)0.03部、群青(第一化成社製、商品名:青口群青No.2000)0.09部、蛍光増白剤(チバガイギー社製、商品名:UVITEX OB)0.3部。
【0047】
(ポリオレフィン樹脂組成物2)
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm3、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、メルトインデックス4g/10分)35部。
【0048】
比較例1
支持体Aに、アルミナゾルA100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135、重合度:3500、ケン化度:98.5%)10部を混合した8%水性塗工液をメイヤーバーで塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して作製した。
【0049】
比較例2
比較例1のアルミナゾルAをアルミナゾルBに変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製した。
【0050】
参考例4
比較例1のアルミナゾルAをアルミナゾルCに変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製した。
【0051】
実施例1
比較例1のアルミナゾルAをアルミナゾルDに変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製した。
【0052】
実施例2
比較例1のアルミナゾルAをアルミナゾルEに変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製した。
【0053】
参考例1
比較例1のアルミナゾルA 100部をアルミナゾルB80部、シリカスラリーA 20部に変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製した。
【0054】
参考例2
PETフィルム(東レ社製、商品名:ルミラーT、38μm)の片面に、参考例1の塗料をメイヤーバーで塗工量が13g/m2となるように塗工、乾燥した。続いて、支持体Aに、同様の塗料を2g/m2 塗工し、ウエットの状態でPETフィルムに塗工した記録層と貼り合せ、乾燥後、PETフィルムを剥がし、本発明のインクジェット記録体を作製した。
【0055】
実施例3
支持体Bに、シリカスラリーA100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135)30部を混合した8%水性塗工液をメイヤーバーで塗工量が20g/m2となるように塗工乾燥して下層の記録層を設けた。続いて、アルミナゾルE100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−140H)10部を混合した8%水性塗工液をメイヤーバーで塗工量が5g/m2となるように塗工、乾燥して、本発明のインクジェット記録体を作製した。
【0056】
実施例4
PETフィルム(東レ社製、ルミラーT、38μm)にアルミナゾルE100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135)10部を混合した8%水性塗工液をメイヤーバーで塗工量が5g/m2となるように塗工乾燥した。続いて、上記塗工層上にシリカスラリーA100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135)30部を混合した8%水性塗工液をメイヤーバーで塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥した。
さらに、支持体Aに、上記シリカスラリー塗料を2g/m2塗工し、ウエットの状態でPETフィルムにすでに塗工した記録層と貼り合せ、乾燥後、PETフィルムを剥がし、本発明のインクジェット記録体を作製した。
【0057】
参考例3
支持体Aを市販のPPC用紙(密度:0.75g/cm3)に変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製した。
【0058】
比較例3
支持体Aに、湿式シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD−2、平均一次粒子径11nm、平均二次粒子径3μm)100部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135)30部を混合した8%水性塗工液をメイヤーバーで塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して作製した。
【0059】
比較例4
湿式シリカをシリカゾル(CABOT社製、商品名:CEP10AK97002)に変更した以外は、比較例3と同様の方法で作製した。
【0060】
比較例5
湿式シリカを擬ベーマイトゾル(触媒化成社製、商品名:AS−3)に、ポリビニルアルコールを15部に変更した以外は、比較例3と同様の方法で作製した。
【0061】
比較例6
湿式シリカを市販アルミナ粉末(比表面積:110m2/g、粉末の平均粒子径:0.6μm、δ結晶)に、ポリビニルアルコールを15部に変更した以外は、比較例3と同様の方法で作製した。
【0062】
比較例7
支持体Aに、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−205、重合度:500、ケン化度:88%)を10g/m2塗工、乾燥して作製した。
【0063】
[評価方法]
実施例、比較例、参考例で得られたインクジェット記録体の表面平滑性および光沢性、画像の鮮明性、インク吸収性および印字濃度は、以下に示す方法で評価した。なお、印字評価にはヒューレット・パッカード社製プリンター(商品名:DJ−970Cxi)を用いた。評価結果を表1に示す。
【0064】
[表面平滑性および光沢性]
表面の平滑性、光沢性は、印字部に対して60度の角度から目視により評価した。
◎:カラー写真並の高平滑性および光沢性あり。
○:カラー写真よりは劣るが、高平滑性および光沢性あり。
△:平滑性および光沢性に劣る。
×:平滑性および光沢性全くなし。
【0065】
[画像の鮮明性]
実施例、比較例で得た各インクジェット記録体に画像(ISO/JIS−SCID N1)を印字し、24時間保管した後、成人男女10名づつにより印字画像を目視評価し、「5点:特に優れる」から「1点:劣る」までの5点評価した平均値を画像の鮮明性とした。
【0066】
[インク吸収性]
A4サイズの上質紙の真ん中に、10cm×10cmの本発明インクジェット記録体を貼り付け、コンポジットブラックをベタ印字し、インクが記録層からあふれる様子を観察する。実際には、印字部に上質紙を貼り合わせ、インクが全く転写しなくなるまでの時間を測定した。
◎:1秒未満
○:1秒以上〜5秒未満
△:5秒以上〜1分未満
×:1分以上
【0067】
[印字濃度]
上記のコンポジットブラックベタ印字部の印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth社製、RD−920)で測定した。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明により印字濃度、画像の鮮明性、インク吸収性、表面平滑性、光沢性に優れるインクジェット記録体を得ることができた。
Claims (4)
- 支持体と、前記支持体上に、単一または複数の結晶からなるアルミナを含有する記録層を有するインクジェット記録体において、前記記録層はアルミナゾルを含有する塗工液を塗工した層であり、且つ、前記アルミナゾルは、δ結晶および/またはγ結晶のアルミナ分散体であり、アルミナ粉末を水相中で酸の存在下に陽イオン交換樹脂と接触させることによって得られた平均粒径が500nm以下のアルミナゾルであることを特徴とするインクジェット記録体。
- 前記記録層は表層であり、支持体との間に、他の記録層を有する請求項1記載のインクジェット記録体。
- 他の記録層が平均粒子径1.5μm以下のシリカを含有する請求項2記載のインクジェト記録体。
- 成形面に、前記アルミナを含有する塗工液で塗工されてなる記録層を設け、該記録層を支持体側に転写し、成形面を剥離してなる請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録体。
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