JP3903546B2 - インクジェット記録体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録体に関し、特に印字光沢、印字濃度、耐水性、耐光性が良好なインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、ノズルから高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒音が低い等の特徴を有する。この方式では、インクジェットノズルに目詰まりを生じないこと、鮮やかな色調を有すること等の条件が要求されるので、使用するインクの染料は酸性染料、直接染料が多く、必ずしも耐水性、耐光性に優れた染料を選択することができないのが現状である。インクジェット記録用紙としてはインク吸収性に富むように工夫された上質紙や表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が市販されている。これらの用紙に印字した後、染料の耐水性を得るために、紙や塗工層にカチオン樹脂を含有させることが知られている。例えば、特開昭56-08492号公報、特開昭59-020696号公報、特開昭59-033176号公報〜特開昭59−033179号公報、特開昭63-274583号公報等の報告が挙げられる。しかし、カチオン樹脂を配合することによって印字物の耐光性が劣り、長時間保存すると記録画像の変退色が激しくなってしまい、耐水性と耐光性のバランスをとることが極めて難しい。
【0003】
印字画像の耐水性と耐光性を改良する目的で耐光性が比較的よい特定のカチオン樹脂を用いる報告があった。例えば、特開昭59-198188号公報に開示されたように、ボリエチレンイミンの第4級化合物を内添または塗布し、耐水性、耐光性を改良する試みがあった。また、特開昭60-049990号公報にインクジェット用紙表面にポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物を塗布する報告もみられる。さらに、記録用紙にカチオン性コロイダルシリカを含有する報告(特開昭60-260377号公報)、ヒンダードアミン系化合物を含有させた記録体の報告(特開昭61-14659)やポリオキシアルキレン化アミンモノカルボン酸エステルの4級アンモニウム塩を含有する記録体(特開昭61-284478号公報)等が挙げられる。しかし、これらのカチオン樹脂等では耐水性と耐光性のバランスがとれず、全てのインクジェット用インクの耐水性、耐光性を向上させることは難しい。また、これらの記録体はすべて表面光沢の低い、いわゆるマット調のインクジェット記録用紙が主体である。しかし現在ではインクジェットプリンターの急速な普及や高画質化にともなって、表面光沢の高い、優れた外観をもつだけでなく、耐水性、耐光性にも優れるインクジェット記録用紙が強く要望されている。
【0004】
耐光性を改良するために、例えば、特開昭57-87988号公報、特開昭57-87989号公報に開示されたようにインクジェット記録用紙に紫外線吸収剤や酸化防止剤を添加する報告がみられるが、これらの記録体の記録層に使用されている顔料は白色顔料や数ミクロンオーダーの顔料であるため、記録層の透明性がなく、高光沢性、高印字濃度、高耐水性を得ることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高光沢、高印字濃度、高インク吸収性、印字耐水性を得るため、発開者らは特願平8−347736号公報、特願平8-347737号公報に微細粒子とカチオン樹脂を含有する記録体を提案した。この被記録体に印字すると、光沢性、印字濃度、インク吸収性、耐水性とも優れ、銀塩写真に匹敵する記録画像が得られるが、印字物を長時間保存すると、特に光の強いところに保管すると画像が変退色するという不都合が生じる問題があった。本発明は上記の問題を解決し、印字濃度、光沢性、耐水性、耐光性とも優れるインクジェット記録体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によりインクの耐水性だけでなく、耐光性、印字後の光沢も優れるインクジェット記録体が得られる。特にカチオン樹脂の分子量が5万以上であることが望ましく、理由は定かではないが、分子量が大きくすることによってカチオン樹脂がバインダーの効果を発揮するだけでなく、カチオン樹脂が2次粒子を構成する1次粒子間に入りにくく、よリインク吸収速度、インク吸収容量が良好なインクジェット記録体が得られる。更に、紫外線吸収剤を記録層、特に表層に配合すると、印字画像の耐光性が著しく向上する。本発明では、特に少なくとも1層の記録層を成形面に塗布成膜した後、支持体に接着させ成形面を剥離すると、より高光沢、高印字濃度の銀塩写真に匹敵するインクジェット記録体が得られる。
【0007】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1〜5に記載されたインクジェット記録体の製造方法に関する発明である。また、該製造方法の発明に関連して、下記の発明をも提案する。
〔1〕支持体に、分子量が5万以上のカチオン樹脂とコロイド粒子顔料を含有する塗液を塗布してなる少なくとも1層の記録層を設けたインクジェット記録体であり、該分子量が5万以上のカチオン樹脂がジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物及びジアリルアミン−マレイン酸共重合物から選ばれる少なくとも1種であり、該コロイド粒子顔料が平均粒径3〜40nmの1次粒子を凝集してなる平均粒径300nm以下の2次粒子であることを特徴とするインクジェット記録体。
〔2〕平均粒径3〜40nmの1次粒子を凝集してなる平均粒径300nm以下の2次粒子が非晶質シリカ及びアルミナシリケートから選ばれることを特徴とする〔1〕記載のインクジェット記録体。
〔3〕記録層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のインクジェット記録体。
〔4〕分子量が5万以上のカチオン樹脂とコロイド粒子顔料を含有する塗液を成形面に塗布成膜して得た記録層を、支持体に(支持体上に既に他の記録層を設けてなる場合は該他の記録層に)転写し、成形面を剥離することからなるインクジェット記録体の製造方法であり、該カチオン樹脂が、分子量が5万以上のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物及びジアリルアミン−マレイン酸共重合物から選ばれる少なくとも1種であり、該コロイド粒子顔料が平均粒径3〜40nmの1次粒子を凝集してなる平均粒径300nm以下の顔料粒子であることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法
【0008】
[5]カチオン樹脂の分子量は10万〜40万である[1]記載のインクジェット記録体。
[6]紫外線吸収剤は酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化セリウムの無機系金属酸化物から選ばれることを特徴とする[3]記載のインクジェット記録体。
[7]紫外線吸収剤の平均粒径は500nm以下であることを特徴とする[3]記載のインクジェット記録体。
[8]記録層が水溶性バインダーを含有することを特徴とする前記いずれかに記載のインクジェット記録体。
[9]成形面に塗布した記録層はウエットラミ法で支持体(支持体に他の記録層を有する場合は他の記録層)に接着し、乾燥(或いは半乾燥)後成形面を剥離してなる[4]記載のインクジェット記録体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
支持体としては特に限定されず、透明であっても不透明であってもよい。例えば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗工紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙などが適宜使用される。
【0010】
次に、本発明の記録層について詳細説明する。本発明の少なくとも1層の記録層はカチオン樹脂を含有するコロイド粒子顔料を主成分とし、カチオン樹脂はジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物質、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ジアリルアミン−マレイン酸共重合物から選ばれ、コロイド粒子顔料は平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径が300nm以下の2次粒子より選ばれる。カチオン樹脂を含有し、平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径が300nm以下の2次粒子により構成されるコロイド粒子は次のような方法で得ることが可能である。
【0011】
つまり、カチオン樹脂と微粒子顔料が混合された状態で、顔料がコロイド状態になっているものである。例えば、一般市販の平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる数ミクロン凝集体顔料をカチオン樹脂含有液中で粉砕分散し凝集体の平均粒径を300nm以下にするか、或いは、数ミクロンの凝集体顔料を平均粒径300nm以下のコロイド超微粒子に粉砕分散した後、カチオン樹脂を添加して、一旦凝集・増粘させた後平均凝集粒径が300nm以下になるように再度粉砕分散して得ることが可能である。勿論、本発明のコロイド粒子中に、平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径300nm以下の2次粒子以外に、部分的に1次粒子を含有してもよい。
【0012】
粉砕分散の方法としては機械的手段で強い力を与えること、つまりbreaking down法(塊状原料を細分化する方法)が最も有効である。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、ナノマイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、擂解機、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。得られる超微細粒子はコロイド粒子であっても、スラリーであってもよい。本発明でいう平均粒径はすべて電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒径(マーチン径)である(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、P52参照)。得られる超微細コロイド粒子は3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径10〜300nmの2次粒子を選択するのが好ましいが、さらに好ましくは5〜30nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径20〜200nmの2次粒子を選択する。1次粒子が小さすぎるとインク吸収性が劣り、一方、大きすぎると記録層の透明性が低下し、高印字濃度を得にくい問題が生じる。2次粒子が小さすぎると塗膜の成膜性が悪く、塗膜に多くのひび割れが生じる恐れがある。一方、2次粒子が大きすぎると塗膜表面がざらつきやすく、高光沢を有する記録体を得ることが困難である。発色性、インク吸収速度、インク吸収容量及び価格等の観点から、微細コロイド粒子としては非晶質シリカ、アルミナシリケートが好ましい。
【0013】
アルミナシリケートはアルミニウムアルコキシドと珪酸アルコキシドを主成分として加水分解法によって合成された複合体微粒子であり、粒子中にアルミナ(A12O3)成分とシリカ成分(SiO2)とを個別に取り出すことができない状態に含有してなるものである。アルミナ成分とシリカ成分のモル比率は略6:2であるが、非晶質な構造であるため1:4〜4:1の範囲でも合成することが可能であり、これらも本発明で使用し得る。またはアルミナとシリカ以外の各種金属アルコキシドを適宜加えて3成分からなる各種金属アルコキシドを製造してアルミナシリケート微粒子として使用することができる。アルミナシリケート微粒子はアルコール雰囲気で合戌されるが、合成反応が完了した後、ミクロンオーダーの凝集体(2次粒子)として得られる。
【0014】
本発明では印字後の耐水性、耐光性の観点からジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ジアリルアミン−マレイン酸共重合物から選択される。上記のカチオン樹脂を用いるとインクの発色性、耐水性を殆ど損なうことなしに、インクの耐光性を格段に向上することができる。これらの化合物が有効な理由は定かではないが、塩基性部分の反応性、安定性が起因しているのではないかと思われる。上記カチオン樹脂の分子量(MW)は5万以上が好ましく、さらに好ましくは10〜40万である。分子量が小さすぎるとカチオン樹脂が1次粒子間に入り込み、インク吸収性が低下する恐れがある。一方、分子量が大きすぎると塗料の粘度が上昇し、塗布しにくい問題が生じる。なお、このようなカチオン樹脂の添加量としては顔料100重量部に対し、1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で調節される。少なすぎると印字の耐水性が劣り、多すぎるとインクの吸収速度、インク吸収容量が低下する。勿論、耐水性をさらに向上させる目的で他の一般市販のカチオン樹脂をブレンドしてもよい。併用できるカチオン樹脂は例えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等一般市販の各種公知公用のカチオン樹脂がある。
【0015】
上記の微細粒子顔料以外に記録層の平滑性、透明性を損なわない程度にインク吸収性を上げるために他の一般市販の顔料を添加してもよい。例えば前記範囲外の非晶質シリカ、アルミナシリケート、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグネシウム,酸化アルミニウム,水酸化アルミニウム.擬べーマイト、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニゥム、スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を適宜使用される。添加量としては微細粒子100重量部に対して20重量部以下に調節必要がある。添加される顔料の大きさは2μm以下が望ましい。
【0016】
印字後の耐光性をより高めるためには、記録層、特に表層(記録する側の層であり、上層ともいう)に紫外線吸収剤を配合することが有効である。紫外線吸収剤は有機系と無機系が挙げられる.有機系としてサリチル酸系(フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等)、ベンゾフェノン系(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等)、ベンゾトリアゾール系〔2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−,5’−ジ・tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’―(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕等〕、シアノアクリレート系〔2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート,エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等)等の公知の有機紫外壕吸収剤が挙げられる。
【0017】
無機系としては酢酸セリウムや酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化チタン,酸化イットリウム等の遷移金属酸化物が挙げられる。塗膜の耐水性の観点から無機系の紫外線吸収剤が好ましく選択される。本発明では、有機系と無機系の単独使用は勿論、併用しても可能である。
【00l8】
本発明では記録層の透明性や平滑性を損なわないために、無機系の紫外線吸収剤を平均粒径500nm以下に調整した方がより効果的である。500nm以下に調整するのは上記に示した機械的手段〔breaking down法)が挙げられる。また、紫外線吸収剤の添加量は特に限定するものではないが、好ましくは顔料100重量部に対して0.5〜25重量部に調節される。紫外線吸収剤の添加量が少なすぎると耐光性の効果が不十分で、多すぎると効果が飽和し無意味である。
【0019】
微細コロイド粒子顔料とカチオン樹脂のみでは十分に記録層が成膜しない場合がある。この揚合好ましくは、記録層には接着剤(バインダー)を含有させる。接着剤としては、水溶性樹脂〔たとえばポリビニルアルコール以下PVAとも称す〕、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキンメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテック、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックスなどの一般に塗工紙に用いられている公知の接着剤(バインダー)が単独或いは併用して用いられる。記録層と支持体、或いは記録層間の接着性を上げるためには、水溶性樹脂が好ましく選択使用される。特に重合度2000以上のポリビニルアルコールを使用すると、記録層と支持体、或いは記録層間の密着性がよく、高インク吸収速度、高インク吸収容量、高印字濃度、耐水性、耐光性に優れるインクジェット記録体が得られる。
【0020】
顔料と接着剤(バインダー)の固形分重量比は100/2〜100/200、好ましくは100/5〜100/100の範囲に調節される。接着剤(バインダー)の添加量が多いと、粒子間の細孔が小さくなり、インク吸収速度が得られにくい。一方、接着剤(バインダー)が少なすぎると記録層に大きなひび割れが起こり、光沢性、印宇濃度が低下する恐れがある。その他、一般塗工紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
【0021】
記録層は上記述べた層のみにより構成されてもよいが、インク吸収性等を上げるために他の記録層を設けてもよい。他の記録層を有する場合、少なくとも1層、好ましくは表層(上層)が上記述べた構成である。他の記録層は上記述べた一般市販の顔料、バインダー、カチオン樹脂などにより構成される。
【0022】
記録層の塗工量は特に限定するものではないが、1層のみにより構成される場合の記録層の塗工量が3〜60g/m2、好ましくは10〜50g/m2に調節する。他の記録層を有する場合はジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ジアリルアミン−マレイン酸共重合物から選ばれるカチオン樹脂を含有する平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径が300nm以下の2次粒子により構成されるココイド粒子を含有する記録層の塗工量を3〜30g/m2、好ましくは5〜20g/m2に調節する。塗工量が少ないとインク耐水性、耐光性の効果が得られにくく、塗工量多いと効果が飽和する。
【0023】
本発明では、少なくとも1層の記録層〔表層、つまり最終的に記録インクが付与される側の層を含む〕を成形面に塗被成膜した後、成形面をうつしとった表層を含む記録層を支持体〔支持体上に他の記録層を有する場合は他の記録層〕に接着し、成形面(から)を剥離すると、より高光沢を得ることが可能である。成形面に使用される材料としては、高表面平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン,軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル、合成紙等可とう性を有するシート類及び無機ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有するドラムや板類が適宜使用される。特に、製造工程及び成形面と記録層の剥離適性等の観点から、高分子フィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)、高平滑表面を有する金属ドラムが好ましい。
【0024】
成形面は光沢を付与する目的で平滑である方が好ましく、成形面の表面粗さ(JIS B−0601)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好ましくはRaが0.05μm以下である。尚、表面粗さをコントロールして、セミグロス調、マット調などの風合いをもたせることが可能である。
【0025】
成形面は無処理のままでよいが、記録層と支持体(或いは他の記録層)の接着力よりも、成形面と記録層の接着力を小さく制御するため、成形面の塗工面にシリコーンやフッ素樹脂等の剥離性を有する化合物を塗工しで使用することが可能である。成形面に塗工した記録層と支持体(或いは他の記録層)が接着さえできれば特に接着方法は限定するものではない。接着は圧力(5〜150Kg/cm)と熱(30〜100℃)のみで可能だが、より好ましくは上層及び/または下層に記録層絶乾重量100重量%に対して水分が好ましくは50〜350重量%になるように蒸気を当てたり、或いは水塗りしてカレンダー等により圧着することによって実現可能である。勿論、支持体に中間層(接着剤、感圧接着剤など)を予め設け接着することが可能であるが、より有効的な方法としては、中間層をインク吸収性を有する記録層にすることである。つまり、支持体に記録層を塗工し、ウエットの状態で貼り合わせてから乾燥し接着する。
【0026】
記録層や中間層の塗工用コーターとしてはダイコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、コールコーター、バーコーター、グラビアコーター,ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる、本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクとしては、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤,粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を添加して調整される。
【0027】
インクに使用される記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来公知のものは特に制限なく使用することができる。このような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求される特性などに依存して決定されるが、本発明におけるインクの場合も、従来のインク中におけるような配合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような使用で特に問題はない。
【0028】
本発明で用いられるインクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、ば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル〔エチル〕エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。尚、粉砕分散を行っても顔料の一次粒径は変わらない。
【0030】
[シリカゾルA]
平均粒径3μの合成非晶質シリカ〔日本シリカ工業社製、商品名;Nipsil、HD−2、1次粒予径:11nm〕を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が60nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、7%の分散液を作成した。得られたコロイド粒子100部に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部〔日東紡績社製、商品名;PAS-A-5、分子量:約4000〕を添加し、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力弍ホモジナイザーでさらに粉砕分散し,平均粒子径が70nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、8%の分散液を試作した。
[シリカゾルB]
カチオン樹脂をジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物(日東紡績社製、商品名:PAS-A-120L、分子量:約20万)に変更した以外はシリカゾルAと同様に作成した。
【0031】
[シリカゾルC]
カチオン樹脂をジアリルアミン−マレイン酸共重合体〔日東紡績社製、商品名:PAS-410、分子量:約20万、両性、ジアリルアミンとマレイン酸のモル比は1:1〕に変更した以外はシリカゾルAと同様に作成した.
【0032】
【化1】
【0033】
[シリカゾルD]
カチオン樹脂をジアリルアミンから誘導された環状の第四級アンモニウム塩型の水溶性カチオンポリマーであるジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物〔センカ社製、商品名;ユニセンスCP−103、分子量:約l0万)に変更した以外はシリカゾルAと同様に作成した。
【0034】
【化2】
【0035】
[シリカゾルE]
平均粒径3μの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、LP、1次粒子径:16nm)を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が100nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、9%の分散液を作成した。得られたコロイド粒子100部に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績社製、商品名:PAS-A-120L、分子量;約20万)を添加し、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が120nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、10%の分散液を試作した。
【0036】
[シリカゾルF]
平均粒径1.5μの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、E-1011、1次粒子径:24nm)を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が200nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、12%の分散液を作成した。得られたコロイド粒子100部に、ジアリルジメチノンアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績社製、商品名:PAS-A-120L、分子量:約20万)を添加し、サンドグラインダーにより50粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が250nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、12%の分散液を試作した。
【0037】
[シリカゾルG〕
平均粒径1.5μの合成非晶質シリカ〔日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil E-1011、1次粒子径:24nm〕を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が350nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、12%の分散液を作成した。得られたコロイド粒子100部に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績社製、商品名:PAS-A-120L、分子量:約20万)を添加し、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、平均粒子径が400nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、12%の分散液を試作した。
【0038】
[シリカゾルI]
カチオン樹脂をポリアミンジシアンジアミド縮合物(日華化学社製、商品名;ネオフィックス E-117)に変更した以外はシリカゾルFと同様に作成した。
【0039】
[アルミナシリケートゾル]
容量2Lのガラス製反応容器に、イソプロピルアルコール100gを仕込み、オイルバスヒーターにより液温を60℃に加熱した。攪拌羽根(直径3cm、3枚羽根)を100rpmで回転させて攪拌しながら、アルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業杜製)5gを添加した後、酸触媒として酢駿(和光純薬工業社製)1.0gを添加して、温度を保ちながら24時間環流した。これとは別に、ガラス製反応容器にイオン交換水100g仕込み、60℃に加温した後、オルト珪酸エチル(和光純薬工業社製)1.8gを添加した後、酸触媒として硝酸(和光純薬工業社製)1gを添加して、温度を保ちながら24時間環流した。ついで上述のオルト珪酸エチル−硝酸−イオン交換水溶液を、アルミニウムイソプロポキシド−酢酸−イソプコピルアルコール溶液に加えて、60℃で6時間攪拌を続けてアルミナシリケート微粒子を製造した。ついで60℃に加温してエバポレーターで濃縮し、アルミナシリケートの凝集体を得た。得られた粒子のアルミナ:シリカの組成比(モル比率)は3:2であった。次に、凝集体100部に水とジアリルジメチルアンモニウムクコライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績社製、商品名:PAS-A-120L、分子量=約20万)を添加し、ザンドグラインダーにより分散した後、圧力式ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が100nmになるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの分散操作を繰り返し、10%の水溶液を試作した。一次粒径は10nm。
【0040】
実施例1
シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製,商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)35部を混合した8%水溶液を用い、塗工量が20g/m2となるように市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9g/m2)に塗工乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
【0041】
実施例2
シリカゾルAをシリカゾルBに変更した以外は実施例1と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
実施例3
シリカゾルAをシリカゾルCに変更した以外は実施例1と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0042】
実施例4
シリカゾルAをシリカゾルDに変更した以外は実施例1と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
実施例5
シリカゾルAをシリカゾルEに変更した以外は実施例1と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
実施例6
シリカゾルAをシリカゾルFに変更した以外は実施例1と同様に本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0043】
実施例7
アルミナシリケートゾル100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名=PVA−140H、重合度:4000、ケン化度:99%以上)35部を混合した9%水溶液を用い、塗工量が20g/m2となるように市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9g/m 2 )に塗工乾燥し、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0044】
実施例8
シリカゾルB100部に、紫外線吸収剤として酸化セリウム(多木化学社製、商品名:ニードラール U−15)8部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−140H、重合度:4000、ケン化度:99%以上)30部を混合した8%の水溶液を用い、塗工量が20g/m2となるように市販塗工紙(王子製紙社製、商品名OKコート、127.9g/m2)に塗工乾燥し.本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0045】
実施例9
実施例1の塗料を用い、塗工量が15g/m2となるように、成形面として利用するPETフィルム(東レ社製、商品名:ルミラーT、50μm、表面粗さRa=0.02μm)に塗工乾燥した。シリカゾルE100部に、ポリビニルアルコール(実施例1同様)30部を混合した10%水溶液を用い、塗工量が5g/m2となるように一般上質紙(米坪:127.9g/m2)に塗工し.上記塗工層と貼り合わせ乾燥し、PETフィルムを剥がし、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0046】
比較例1
シリカゾルG100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度;3500、ケン化度:99%)35部を混合した8%水溶液を用い、塗工量が20g/m2となるように市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9g/m2)に塗工乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
【0047】
比較例2
シリカゾルGをシリカゾルIに変更した以外は比較例1と同様にインクジェット記録体を製造した。
比較例3
非晶質シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール45、平均粒径:4.5μm)100部に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物10部(日東紡績社製、商品名:PAS−A−120L、分子量;約20万)、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:R−1130)30部を混合した10%分散水溶液を用い、塗工量が15g/m2となるように市販塗工紙(比較例1同様)に塗工乾燥し、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0048】
比較例4
市販のマット紙(EPSON社製、商品名:MJA4SPl)を用いた。
比較例5
市販の光沢紙(CANON杜製、商品名:GP−101)を用いた。
比較例6
市販のフォトジェットペーパー光沢紙(コニカ社製、商品名:KJPA4−GH20)を用いた。
【0049】
[評価方法]
実施例、比較例で得られたインクジェット記録体の塗膜耐水性、印字耐水性、インク吸収性、光沢性、印字濃度、耐光性等は以下に示す方法で評価した。評価用プリンター:EPSON社製、商標:PM−700C。光沢性、印字濃度、耐光性については上記プリンターで記録を行った場合のべタ部分の光沢感、印字濃度を示す。
[塗膜耐水性]
インクジェット記録体に水滴を落とし、5分後に指で擦る。(○:記録層が全くとれなかった。△:記録層の一部がとれた。×:記録層が完全にとれた。)
【0050】
[印字耐水性]
インクジェット記録体に印字した後、24時間放置後、水滴を落とし、1分後に水滴を拭き取り、水滴に浸せきされた部分の状況を観察する。(○:インクが殆どとれなかった。△:インクの一部がとれた。×:インクが完全にとれた。)
[インク吸収性]
印字部がブラックベタになるようにイエロー、マゼンタ、シアンの各単色を重ね打ちし、印字直後から5秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼合せ、インクが上質紙に転写するかどうかを観察する。全く転写しなくなるまでの時間を測定する。測定された秒数を3段階評価した(○:15秒以下、△:15〜60秒、×:60秒以上)。
【0051】
[印字部の光沢感(照り感)]
印字部の光沢感はブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各印字部に対して横の角度から目視し、以下のように4段評価した。
◎:銀塩方式のカラー写真と同レベルの照り感がある。
○:カラー写真よりは劣るが、高い照り感がある。
△:一般市販のコート紙やアート紙並。
×:全く照り感がない。
[印字濃度]
黒ベタ部の印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth、RD−920)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。
【0052】
[耐光性]
JIS B 7754(1991)の規格に準じ、キセノン灯式FADE−OMETER〔ATLAS ELECTRIC DEVICES Co.社製、MODEL:CI35F〕を用い、63℃、50%の条件で印字サンプルを72時間連続処理し、下記の式から各色の残存率を求め、耐光性の指標とした。
退色率(%)=[(未処理時の印字濃度−処理後の印字濃度)×100]/未処理時の印字濃度
退色率が高いほど耐光性が劣る。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
表1から明らかなように,本発明の方法により得られたインクジェット記録体は塗膜耐水性、インク耐水性、インク吸収性、光沢性、印字濃度が良好で且つ耐光性も優れるインクジェット記録体である。
Claims (5)
- 支持体に、カチオン樹脂とコロイド粒子顔料を含有する記録層を設けたインクジェット記録体の製造方法であって、1次粒子の平均粒径が3〜40nmである非晶質粒子シリカ及びアルミノシリケートから選ばれた顔料粒子を、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド単独重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物及びジアリルアミン−マレイン酸共重合物から選ばれる少なくとも1種のカチオン樹脂を含有する液中で凝集・増粘させた後、粉砕分散させることによって平均粒径300nm以下の顔料粒子とカチオン樹脂を含有する分散液を調製し、次いで、該分散液にバインダーを加えて記録層形成用塗液を調製し、該塗液を支持体に塗布、乾燥せしめて記録層を形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
- 前記1次粒子の平均粒径が3〜40nmである顔料粒子は、前記平均粒径3〜40nmの顔料1次粒子が凝集した顔料粒子であるか又は前記平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径数μmの顔料粒子を機械的手段で粉砕分散して調製されている顔料粒子であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 前記カチオン樹脂の分子量が5万以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 前記記録層用塗液は、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 前記記録層は、前記記録層用塗液を成形面に塗布成膜して得た塗膜層を、支持体上(支持体上に既に他の記録層を設けてなる場合は該他の記録層上)に転写し、成形面を剥離することによって形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
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