JP2006103159A - インクジェット記録用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(A)粒度分布d10/d90が0.13以上であるシリカを含む填料、(B)4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を含むカチオン性樹脂、(C)水和アルミニウム酸化物及び(D)結着剤を含有し、該水和アルミニウム酸化物の含有量がインク受理層の全固形分に対して、1〜5質量%であるインクジェット記録用シート。
【選択図】 なし
Description
一方、インクジェット記録用シートに対しては、基本的な要求品質として、画像濃度、色調が適切であること、バンディング、ビーディング、にじみ、マイグレーション等の問題が発生しないことなど画像に関する品質要求のほかに、インク吸収性に優れ、乾燥が早いことなどの様々なものが求められる。
画像品質を向上させるために、プラスチックフィルムや紙等の基材の上に、インク受理層を設ける方法が用いられている。インク受理層は、通常、シリカ等の填料、樹脂等の結着剤、色材を定着させる添加剤等からなる。
また、このインクジェット記録方式で用いられるインクの中には、色材として染料を用いる染料インクと、色材として顔料を用いる顔料インクがあり、これらのインクは、それぞれの利点を生かし、用途により使い分けられている。これらのインクは性質が異なるため、片方のインクに対して上記の様々な基本的な要求品質を満足させる様にインクジェット記録用シートを設計すると、他方のインクに対しては満足させられない要求品質が生じやすい。
いずれのインクに対しても要求品質を満足させるインクジェット記録用シートへの需要があり、インク受理層に対して高度な技術が要求される。特に近年は、写真調の精細な画像の印画や屋外でのポスターとしての使用等、用途の広がりに応じ、より高度な水準が要求されている。
したがって、従来は、それぞれのインクに適する記録用シートを選択して用いることが行われてきた。
上記問題を解決するために、基材の上に接着層を設けその上に染料インク定着層、さらに最外層に顔料インク定着層を設けそれぞれの機能を分離した多層構造の記録シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これは、インク受理層の強度や、製造コストの点で問題があり、画像品質に関しても、染料インクと顔料インクの両方へ対応する性能を有するとは言え、多岐に亘る要求品質のいずれかにおいて問題が生じ、十分な水準ではなかった。
また、染料インクと顔料インクの両方により高度な水準で対応する方法として、4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これは、染料インクで印画した際に発生しやすいインクの色調の不良(本来黒であるべき部分が茶色くなる等、元の画像と印画された画像の色味が異なるという問題)を防止する効果を有し、また、同時に、顔料インクで印画した際に発生しやすい、画像のにじみを防止する効果を有する。しかしながら、染料インクで印画した際のにじみ防止と顔料インクで印画した際のバンディング防止の両立という課題は解決できていない。
すなわち、染料インクで印画するとにじみが生じやすい。これを解決するには、インク受理層のインク吸収性を向上させるという方法が有るが、インク受理層のインク吸収性を向上させると、顔料インクに対して吸収が過剰となるためか、顔料インクで印画した際にバンディングが発生する。染料インクによるにじみと顔料インクによるバンディングは、二律背反の関係にあり、その防止の両立ができなかった。
尚、ここでいうバンディングは、スジ状の画像の抜けである。
上記のように、従来、インクジェット記録用シートに要求される多数の画像上の基本的な要求品質を、染料インク、顔料インクのいずれに対しても充分満足させることは困難であった。特に、染料インクにおけるにじみ防止、顔料インクにおけるバンディング防止という、両立が困難な要求を同時に高度に満足させるものは、存在しなかった。更に、インク吸収性、インク受理層の強度、濡れた状態での耐擦過性をも満足させることは、一層困難であった。
(1)基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(A)粒度分布d10/d90が0.13以上であるシリカを含む填料、(B)4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を含むカチオン性樹脂、(C)水和アルミニウム酸化物及び(D)結着剤を含有し、該水和アルミニウム酸化物の含有量がインク受理層の全固形分に対して、1〜5質量%であることを特徴とするインクジェット記録用シート、
(2)(A)成分に用いるシリカのコールターカウンター法による平均粒子径が8μm以上、細孔容積が1.6〜2.2ml/gである上記(1)のインクジェット記録用シート、
(3)インク受理層が、(D)成分の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する上記(1)〜(2)のインクジェット記録用シート、
(4)インク受理層中の固形分として、(D)成分の結着剤に対する(A)成分の填料の割合が、質量比で1.8〜2.6の範囲である上記(1)〜(3)のインクジェット記録用シート、
(5)インク受理層の厚みが、35〜50μmの範囲である上記(1)〜(4)のインクジェット記録用シート、及び
(6)基材とインク受理層との間にアンカーコート層を有し、該アンカーコート層が炭酸カルシウムを含有する上記(1)〜(5)のインクジェット記録用シート、
を提供するものである。
(a)染料インクにおけるにじみ防止と、顔料インクにおけるバンディング防止の、両立を図ることができる。特に、染料インクでの印画においては、高噴射タイプのプリンターを使用するとにじみが生じやすいが、高噴射タイプのプリンターを使用した場合でもにじみが防止できる。
(b)インク受理層の濡れた状態での耐擦過性に非常に優れる。
(c)画像上の基本的な要求品質(画像濃度や色調が適切である、バンディング、ビーディング、にじみ、マイグレーション等)の問題が生じないことを染料インクと顔料インクの両方に対して、満足させることができる。これらの効果は、高速かつ高噴射タイプでも、従来のタイプのプリンターで印画しても得ることができる。
(d)インク吸収性、インク受理層の強度に優れる。
本発明のインクジェット記録用シートは、基材の少なくとも一方の面にインク受理層を有するものである。
本発明においては、基材は、シート状のものであればよく、特に限定されるものではない。
例えば、プラスチックフィルム、紙、不織布等の、従来この種の目的に使用されていたもののいずれもが使用可能であるが、耐水性の面からプラスチックフィルムが特に好適である。
プラスチックフィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂フィルム、あるいは、炭酸カルシウム等の無機粉末を内添させたもの、有機ピグメントを内添させたもの等から選択することが可能である。
また、生分解性プラスチックのフィルムを使用することもできる。
ここで、生分解性プラスチックとは、燃焼エネルギーが低く、有毒ガスが発生せず、自然環境中の微生物に代謝され最終的に水と二酸化炭素に分解されて、かつ大気雰囲気中で実用上問題のない耐久性を持つ生分解性プラスチックであり、特に限定されないが、好適に用いられるものとしては、ポリ乳酸、デンプン+変性PVA混合体、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体等が挙げられる。特に、分解の早さと強度の点から、ポリ乳酸が好適である。また、必要に応じ、生分解性を損なわない範囲で強度向上等の目的で他のプラスチックを添加することもできる。
ここで、発泡プラスチックフィルムとは、フィルムの内部に細かな気泡や空洞などを有するプラスチックフィルムをいうが、これらの気泡や空洞などは、炭酸カルシウム等の無機粉末を含有したフィルムを延伸して無機粉末の周囲に発生させたり(ミクロボイドフィルム)、発泡剤を含有させて発泡させたりして形成したものなど、その名称や形成方法或いは気泡や空洞の生成形態は問わない。発泡プラスチックフィルムの例としては、東洋紡績株式会社製の「トヨパールフィルム P4258」や株式会社ユポ・コーポレーション製の「ユポ FPG 80」などが挙げられる。
なお、ここでいうプラスチックフィルムには、合成紙と称されるものも含まれる。
また、紙を使用することができる。紙については特に限定されず、上質紙、中質紙、パルプ紙、クラフト紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙などを用いることができる。
(A)成分の填料に用いるシリカの粒度分布d10/d90は0.13以上であることが必要である。
ここでd10とは、各粒子を2次粒子の粒子径が小さい方から足していき、その積算体積が全体の10%となった時の最大粒子径を意味し、d90とは粒子径が小さい方から足していき、その積算体積が全体の90%となった時の最大粒子径を意味する。従って、d10の値をd90の値で割った粒度分布d10/d90が1に近いほど粒子径のばらつきがないことを意味し、本発明においては粒度分布d10/d90が0.13以上であることによって、染料インクのにじみを防止する性能とインク受理層の耐水性が向上する。粒度分布d10/d90の好ましい範囲は、0.20〜1.00であり、より好ましくは、0.30〜1.00である。
なお、上記の粒度分布の範囲のシリカは、市販のシリカの中から、選択することができる。その中でも、湿式法によるゲルタイプのものが好ましい。
粒度分布の測定は、例えば、島津製作所社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(機種名:SALD−2000J)等によって行なうことができる。
なお、本明細書でいう平均粒子径とは、特に断らない限りコールターカウンター法による2次粒子の平均粒子径である。
前記シリカ以外の填料として使用できる物質は、有機、無機の制限はなく、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、けいそう土、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリン、含水マグネシウムシリケートなどが挙げられる。
なお、結着剤に対する填料の固形分質量比とは、填料の固形分質量を結着剤の固形分質量で除した値である。
この4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂は、インク中の成分をインク受理層に定着させる作用を有し、特に限定されないが、ポリマー主鎖または側鎖に第4級アンモニウム塩基を有する水溶性ポリマーなどがあり、その具体的な例としては、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩化物、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ポリジメチルアミンアンモニウムエピクロルヒドリン、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、(メタ)アクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩の重合体、2級アミン・エピクロルヒドリン付加重合物、ポリエポキシアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、などの化合物が挙げられる。
併用使用可能なカチオン性樹脂としては、インクジェット用の染料あるいは着色顔料のスルフォン基、カルボキシル基などと反応して水不溶性塩を形成する各種樹脂類、2級アミン、3級アミンなどを含有するカチオン性樹脂類などがあげられる。その具体例として、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアミン、モノアリルアミン塩酸塩の重合体、ジアリルアミン塩酸塩の重合体、モノアリルアミン塩酸塩−ジアリルアミン塩酸塩の共重合体、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物、アリルアミン−ジアリルアミン共重合体、(メタ)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、エピクロルヒドリンポリアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミドおよびジシアンジアミドポリエチレンアミンなどの化合物を挙げることができる。これらのカチオン性樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
但し、固形分質量比で、全カチオン性樹脂に対し、4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂が60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
水和アルミニウム酸化物の形状には、羽毛形状、板形状、棒形状の種々の形態があるが、インク受理層の強度、耐水性の向上等の観点から、羽毛形状及び板形状のものが好ましい。このような水和アルミニウム酸化物は、公知の任意の方法、例えば、特公昭35−6977号公報、特公昭37−7750号公報などに記載されている方法で製造することができる。
使用可能な水溶性アルミニウム塩としては、乳酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも、乳酸アルミニウム、特に塩基性乳酸アルミニウムが好ましい。
水溶性アルミニウム塩は、インク受理層の全固形分に対して、1〜3質量%含有させることが好ましい。
これらの結着剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク受理層は、基材の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよく、基材の片面に二層以上設けてもよい。たとえば、基材の片面に本発明のインク受理層を、一層で設けたときと同じ層厚みになるように二層重ねると、インク受理層のひび割れを防止しやすくできる。
また、本発明のインク受理層以外のインク受理層を併用してもよい。例えば本発明のインク受理層の効果を損なわないような、本発明のインク受理層以外のインク受理層を設けることもできる。一例として、本発明のインク受理層の基材側に、填料が酸化チタンであるインク受理層を設け、インクジェット記録用シートの隠蔽性を高める場合が挙げられる。更にまた、本発明のインクジェット記録用シートのインク受理層を有する面と反対の面に、他のインク受理層を設けることもできる。
本発明のインクジェット記録用シートにはインク受理以外の目的の層を設けてもよく、例えば、インク受理層と基材の密着力を向上させる目的でアンカーコート層を設けたり、隠蔽性を向上させる目的で不透明度が高い層を設けたり、紫外線吸収層やカール防止のための層を設ける場合が挙げられる。
さらに、アンカーコート層に炭酸カルシウムを含有させると、高速かつ高噴射のタイプのプリンターで顔料インクによって印画した際の、画像のにじみの防止性能を向上させるので、好ましい。アンカーコート層に対する炭酸カルシウムの量は、固形分質量比で、5〜50質量%の範囲であることが好ましい。炭酸カルシウムの量を上記範囲にすることでインク受理層と基材の密着力を維持しつつ、前記の効果を増大させることができる。
本発明のインクジェット記録用シートは、以上のように油性インクによって印画することも可能であるが、特に、水性の顔料タイプのインク及び水性の染料タイプのインクそれぞれに好適に使用することができるため、両者兼用の記録用シートとして用いると、その利点がより大きく発揮される。
[実施例1]
基材:厚さ80μmの白色のポリプロピレンフィルム〔東洋紡績社製、商品名:トヨパールフィルムP4258〕
アンカーコート層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
*アクリル樹脂:〔BASFディスパージョン社製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度49質量%、アニオン性〕60質量部
*水:30質量部
インク受理層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(a) 填料(フィラー)
*シリカ:[ウイルバー・エリス社販売、商品名:ガシル HP395(GASIL HP395)、固形分濃度100質量%、平均粒子径12.5〜13.0μm、粒度分布d10/d90が0.139、細孔容積1.80ml/g]24.72質量部
(b)結着剤(バインダー)
*シラノール変性ポリビニルアルコール:[クラレ社製、商品名:クラレRポリマー R−1130、固形分濃度100質量%、]10.30質量部
(c) 添加剤
*水溶性カチオン性樹脂:〔センカ社製、商品名:パピオゲンP−113、固形分濃度42質量%、4級アンモニウム塩型カチオン性樹脂〕5.57質量部
*水和アルミニウム酸化物:[日産化学工業社製、商品名:アルミナゾル200、固形分濃度10質量%、] 13.90質量部
*界面活性剤:〔日信化学工業社製、商品名:オルフィンSTG、固形分濃度85質量%〕0.50質量部
*消泡剤:〔サンノプコ社製、商品名:SNデフォーマー480、固形分濃度100質量%〕0.35質量部
*蛍光増白剤:〔バイエル社製、商品名:BLANKOPHOR UW liquid、固形分濃度100質量%〕0.38質量部
(d)水:192質量部
基材の一方の面に、アンカーコート層用塗工液を乾燥後の厚みが5μmになるように塗工し、乾燥処理後、このアンカーコート層上にインク受理層用塗工液を乾燥後の厚みが42μmになるように塗工し、乾燥処理することにより、インク受理層を設けインクジェット記録用シートを作製した。
アンカーコート層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
*アクリル樹脂:〔BASFディスパージョン社製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度49質量%、アニオン性〕60質量部
*炭酸カルシウム:〔白石中央研究所社製、商品名:カルライトSA、固形分濃度100質量%、アラゴナイト質〕10質量部
*水:30質量部
インク受理層用塗工液中の、シリカ:[ガシル HP395(GASIL HP395)]24.72質量部を、シリカ:[ウイルバー・エリス社販売、商品名:ガシル HP39(GASIL HP39)、固形分濃度100質量%、平均粒子径8.3〜8.8μm、粒度分布d10/d90が0.220、細孔容積1.80ml/g] 18.54質量部に代え、インク受理層用塗工液の乾燥後の厚みを42μmから40μmに変更し、実施例2におけるアンカーコート層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
インク受理層塗工液中の、水溶性カチオン性樹脂:〔パピオゲンP−113〕5.57質量部を、水溶性カチオン性樹脂:〔里田化工社製、商品名:ジェットフィックス110、固形分濃度30質量%、4級アンモニウム塩型カチオン性樹脂〕7.79質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
インク受理層塗工液中の、水溶性カチオン性樹脂:〔パピオゲンP−113〕5.57質量部を、水溶性カチオン性樹脂:〔里田化工社製、商品名:ジェットフィックス110、固形分濃度30質量%、4級アンモニウム塩型カチオン性樹脂〕7.79質量部に代え、水溶性アルミニウム塩:〔多木化学社製、商品名:タキセラムM−160L、固形分濃度25質量%、塩基性乳酸アルミニウム〕2.26質量部を加えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
インク受理層用塗工液中の、水溶性カチオン性樹脂:〔パピオゲンP−113〕5.57質量部を、水溶性カチオン性樹脂:〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスE−117、固形分濃度50質量%、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物(4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂ではない)〕4.67質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
インク受理層用塗工液中の、シリカ:[ガシル HP395(GASIL HP395)]24.72質量部を、シリカ:[水澤化学工業社製、商品名:ミズカシルP−78F、固形分濃度100質量%、平均粒子径12.5μm、粒度分布d10/d90が0.117、細孔容積1.65ml/g]24.72質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
インク受理層用塗工液中の、水和アルミニウム酸化物[アルミナゾル200]13.90質量部を、24.58質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
インク受理層用塗工液中の、シリカ[ガシル:HP395(GASIL HP395)]24.72質量部を、シリカ:[グレースジャパン社販売、商品名:サイロジェットP616、固形分濃度100質量%、平均粒子径12.0μm、粒度分布d10/d90が0.102、細孔容積1.20ml/g]24.72質量部に代えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、インクジェット記録用シートを作製した。
なお、インクジェット記録用紙の性能は、以下に示す方法に従って評価した。それぞれの評価結果については第1表に示す。
1.印画試験:下記の3種類の試験を行なった。
1−a:試験の種類「顔料、通常」
*顔料インクにより、通常の印画速度とインクの噴射量で印画した。
*プリンター:ミマキエンジニアリング社製のインクジェットプリンター(機種名JV4‐130)
*インク:純正の水性顔料タイプのインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)
*印画設定:ユポ(VJFP)V2モード、720×720VD dpi、16パス、片方向
(通常の噴射量)
1−b:試験の種類「顔料、高速・高噴射」
*顔料インクにより、印画速度は高速、インクの噴射量は高噴射で印画した。
*プリンター:ミマキエンジニアリング社製のインクジェットプリンター(機種名JV4‐130)
*インク:純正の水性顔料タイプのインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)
*印画設定:マット合成紙V2モード、720×720 dpi、8パス、双方向
(高噴射、高速印画)
1−c:試験の種類「染料、高噴射」
*染料インクにより、インクの噴射量は高噴射で印画した。
*プリンター:ヒューレットパッカード社製の染料タイプのインクジェットプリンター(機種名DJ5000CP)
*インク:純正の水性染料タイプのインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)
*印画設定:コウタクフォトヨウシモード、最高品質
(高噴射印画)
印画した画像:試験項目に応じて、下記の画像の中から画像を選択して用いた。
1−d:「画像1」
画像の内容:「シアン」(シアンインク100%)、「マゼンタ」(マゼンタインク100%)、「イエロー」(イエローインク100%)、「ブラック」(ブラックインク100%)、「レッド」(マゼンタインク100%、イエローインク100%)、「グリーン」(シアンインク100%、イエローインク100%)、「ブルー」(シアンインク100%、マゼンタインク100%)、「混色黒」(シアンインク100%、マゼンタインク100%、イエローインク100%、ブラックインク100%)のベタ
1−e:「画像2」
画像の内容:ISO高精細カラーディジタル標準画像N3A
1−f;「画像3」
画像の内容:ISO高精細カラーディジタル標準画像S7A(階調画像)
上記の3種類それぞれの試験において、下記の試験項目を設定し、実施した。但し、マイグレーションは染料インクで発生する現象なので、下記の試験項目のうち「マイグレーション」については、試験の種類「染料、高噴射」においてのみ行なった。
(A)画像濃度、色あい
*印画した画像「画像1」
画像濃度(反射濃度)、色あい(色味、鮮明さ等の色あいの正確さ)について、目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
(B)バンディング
*印画した画像「画像1」
バンディングについて、目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
(C)ビーディング
*印画した画像「画像1」
ビーディングについて、目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
(D)画像にじみ
*印画した画像「画像1」「画像2」
画像にじみについて、目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
(E)インク吸収性
*印画した画像「画像1」「画像3」
インク吸収性について、目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
(F)マイグレーション
*印画した画像「画像1」
マイグレーションについて、目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
インクジェット記録用シートのインク受理層表面にセロテープ(ニチバン社製「CT405A−18」、長さ10cm)を2kgの圧着ロール3往復で貼り付け、45°の角度で逆行する向きに剥離した時の剥がれ具合を下記の基準で評価した。
目視で観察し、下記の基準で評価した。
○…非常に良い
△…良い(実用上問題なし)
×…実用上支障あり
十分に濡れた綿棒で荷重が100gになるように、インクジェット記録用シートのインク受理層表面を擦った。
インク受理層が脱離するまで擦り、それに要した回数を調べた。ただし、1往復(片道約50mm)を1回とカウントした。
○……30回以上
△……11〜29回
×……10回以下
Claims (6)
- 基材の少なくとも一方の面にインク受理層を設けてなり、該インク受理層が、(A)粒度分布d10/d90が0.13以上であるシリカを含む填料、(B)4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を含むカチオン性樹脂、(C)水和アルミニウム酸化物及び(D)結着剤を含有し、該水和アルミニウム酸化物の含有量がインク受理層の全固形分に対して、1〜5質量%であることを特徴とするインクジェット記録用シート。
- (A)成分に用いるシリカのコールターカウンター法による平均粒子径が8μm以上、細孔容積が1.6〜2.2ml/gである請求項1記載のインクジェット記録用シート。
- インク受理層が、(D)成分の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコールを含有する請求項1〜2のいずれか1項に記載のインクジェット記録用シート。
- インク受理層中の固形分として、(D)成分の結着剤に対する(A)成分の填料の割合が、質量比で1.8〜2.6の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用シート。
- インク受理層の厚みが、35〜50μmの範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用シート。
- 基材とインク受理層との間にアンカーコート層を有し、該アンカーコート層が炭酸カルシウムを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用シート。
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---|---|---|---|
JP2004293010A Pending JP2006103159A (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | インクジェット記録用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006103159A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013151087A (ja) * | 2012-01-24 | 2013-08-08 | Oji Holdings Corp | インクジェット記録体の製造方法 |
-
2004
- 2004-10-05 JP JP2004293010A patent/JP2006103159A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013151087A (ja) * | 2012-01-24 | 2013-08-08 | Oji Holdings Corp | インクジェット記録体の製造方法 |
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