JPH11208099A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JPH11208099A
JPH11208099A JP10010499A JP1049998A JPH11208099A JP H11208099 A JPH11208099 A JP H11208099A JP 10010499 A JP10010499 A JP 10010499A JP 1049998 A JP1049998 A JP 1049998A JP H11208099 A JPH11208099 A JP H11208099A
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Naonobu Sugiyama
直信 杉山
Kazuo Totani
和夫 戸谷
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入射光および反射光のいずれにも画像の鮮やか
を有し、白紙での外観、塗膜強度にもすぐれたインクジ
ェット記録用シートを得ること。 【解決手段】支持体上に非晶質微粉シリカと結着剤を含
有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用
シートにおいて、該支持体が無機顔料を含むポリオレフ
ィン樹脂を主成分とし、不透明度が60%以下の2軸延
伸した樹脂フィルムからなり、記録用シート全体の不透
明度が66%以上85%以下であることを特徴とするイ
ンクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被記録材に関し、詳
しくは、インクジェット方式のプリンターを用いて高速
でプリントすることができ、裏面からの透過光によるい
わゆるバックライト方式での展示において優れた透過性
を有し、しかも反射光においても画像を鮮やかに表示で
き、かつ塗膜強度に優れた特性を有するインクジェット
記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンターの性
能、特にプリント速度、解像度、彩度などの向上によっ
て、被記録材に対しても高速吸収性、高吸収容量、規則
的なインクにじみ等、より高度な特性が要求されるよう
になり、インク受容性塗工層を表面に設けたいわゆる塗
工タイプのインクジェット用紙が多数開発されている。
【0003】また近年、インクジェットプリンターの用
途拡大に伴ない、従来の書類等のオフィス文書からカラ
ーを主に用いた広告物、特に購買時点広告(以下POP
広告と略す)としての用途が広まっている。インクジェ
ット記録は印刷と違い、製版する必要がないため、少量
でも印刷が可能であり、コストも安くなるというメリッ
トがある。更に、POP広告としての用途が拡張するに
つれ、従来の紙面に形成された画像に対して光を照射
し、反射してくる光で画像を見る方式だけでなく、画像
の裏側から光を照射し、透過してくる光で画像を見る方
式、いわゆるバックライト方式に使用できるインクジェ
ット記録用シートが必要となった。
【0004】このようなインクジェット記録用シートに
記録した画像を見る場合、昼間は自然光を利用して反射
光で画像を見ることができ、夜間はバックライトによる
透過光で見ることができるため、省エネルギーや環境保
護の観点からも優れている。すなわち、今日では反射
光、透過光の両方で見ることができる記録媒体が求めら
れている。この問題を解決するために基材に2軸延伸し
た合成紙を用いることが特開平7−089218に開示
されている。しかしながら、特開平7−089218で
開示されている記録用紙は不透明度が低く、そのため反
射光による画像の鮮明性が低く、また入射光によるバッ
クライト方式では、光源が表面から透けてしまい、この
目的には適さないものであった。
【0005】さらに、これらの記録物を見る方法には、
以下の二つが存在する。すなわち、 (1)支持体側を裏面とし、インク受容層側から画像を
見る方式 (2)インク受容層側を裏面とし、支持体側から画像を
見る方式 上記(1)の場合、インク受容層側から直接画像を見る
ため、鮮明な像が得やすい反面、記録面が外側に露出す
るため日光や活性ガスによってインクの色素が変色した
り、表面が汚れたり傷ついたりしやすい。また上記
(2)の場合、その長所と短所は(1)とは逆になる。
上記(1)の欠点、すなわち、インク色素の変色や表面
の汚れ、傷等を防止するためには、記録後に、表面に透
明樹脂フィルムをラミネートすることが効果的である
が、工程が増えるために利便性に劣るものとなる。上記
(2)の欠点、すなわち、支持体を通して画像を見るた
め、鮮明な像が得にくいという欠点を克服するために
は、支持体の不透明度を低くすることが効果的である。
しかし、不透明度が低すぎると、特にバックライトの透
過光源で見る場合、光源が記録物を通して見えてしまう
ため、不適当なものになる。
【0006】本発明者等は、特に支持体とインク受容層
の不透明度の関係について鋭意検討の結果、特定範囲の
不透明度を持つ支持体にインク受容層を塗工し、特定範
囲の不透明度を持つインクジェット記録媒体としたとき
に上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット方式のプリンターを用いて高速でプリントすること
ができ、裏面からの透過光によるいわゆるバックライト
方式での展示において優れた透過性を有し、しかも反射
光においても画像を鮮やかに表示でき、支持体側、イン
ク受容層側のどちらを表面としても使用することがで
き、かつ塗膜強度に優れた特性を有するインクジェット
記録用シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
支持体上に非晶質微粉シリカと結着剤を含有するインク
受容層を設けてなるインクジェット記録用シートにおい
て、支持体が無機顔料を含むポリオレフィン樹脂を主成
分とする2軸延伸した樹脂フィルムからなり、該支持体
の不透明度が60%以下、記録用シート全体の不透明度
が66%以上85%以下であることを特徴とするインク
ジェット記録用シートに関するものである。また本発明
の第2の発明は、上記第1の発明において、インク受容
層がさらに水溶性カチオン樹脂を含有するインクジェッ
ト記録用シートに関するものである。さらに本発明の第
3の発明は、上記第1又は第2の発明において、支持体
とインク受容層の間に吸油量が100ml/100g以下の顔料と
水容性高分子結着剤を含むアンダーコート層を有し、支
持体とアンダーコート層(以下UC層という)をあわせた
不透明度が60%以下であり、記録用シート全体の不透
明度が66%以上85%以下であるインクジェット記録
用シートに関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる支持体フィル
ムは、例えば、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹
脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体から
成るもの、またはこれらを主成分とするものが使用でき
る。他の熱可塑性樹脂としてポリスチレン、アクリル酸
エステル共重合体等を混合して使用してもよい。これら
の熱可塑性樹脂中に無機質微粉末を混合してフィルムに
形成し、これを2軸延伸処理すると紙に近似した風合い
のシート(紙状の層)が得られる。本発明においては、こ
の様なフィルムを複数積層して得られた多層フィルムを
支持体とするのが好ましい。例えば、基材層と両面また
は片面紙状層とから成る2〜3層フィルム、または更に
その少なくとも片面の紙状層上に表面層を形成した3〜
5層フィルム等の使用が効果的である。本発明の無機顔
料を含むポリオレフィン樹脂からなるフィルムには、合
成紙と呼ばれるものも含まれ、たとえば王子油化合成紙
製の合成紙「ユポ」等が含まれる。
【0010】本発明に用いられる熱可塑性樹脂に配合す
る無機質微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレ
ー、珪藻土、タルク、シリカ等が例示できる。これらの
無機質微粉末の配合量は8〜65重量%とするのが望ま
しい。8重量%未満では塗工層とのアンカリングが低下
し塗膜の強度が低下する恐れがあり、65重量%を超え
ると支持体の強度が不足する恐れがある。このようなフ
ィルムは、取り扱い上、厚さは15〜200μm程度の
ものが好ましい。
【0011】本発明に用いられる支持体の不透明度は6
0%以下でなければならない。不透明度が60%を超え
る支持体を用いて全体の不透明度が66%〜85%の記
録用シートをつくり、インク受容層側から光線を透過し
て支持体側から観察する場合、支持体の不透明度が高い
ため支持体内で光が乱反射され、鮮明な画像が得られな
い。さらに、本発明の支持体の不透明度は15%以上が
より好ましい。支持体の不透明度が15%未満の支持体
を用い、全体の不透明度を66%〜85%に調製する場
合、インク受容層の不透明度を高くする必要があり、入
射光および反射光にて印字画像を観察したとき、くすん
だ印象を受け鮮明な画像が得られない場合がある。
【0012】本発明のインク受容層に用いられる顔料は
多孔性でインクの吸収性が高く、且つ鮮明な発色を可能
とする、高吸油量でかつ高比表面積を有し、2次凝集し
た粒子が用いられる。この様な粒子としては、2次粒子
径が1〜20μmの非晶質微粉シリカが好ましい。非晶
質微粉シリカは、高純度珪砂を珪酸ソーダと硫酸を混同
し珪酸ゾルを生成させ、前記珪酸ゾルを三次現的凝集体
にする方法、温度、イオン、界面活性剤の影響で二次凝
集体の成長を止め沈降させる方法、または四塩化珪素の
分解による方法等により得ることができる。また、シー
トの使用目的、プリンターの要求性能に応じて他の白色
顔料を1種または2種以上併用することが可能である。
これらの白色顔料としては、炭酸カルシウム、焼成クレ
ー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、有機
顔料等、一般に紙塗工に用いられている顔料が挙げられ
る。
【0013】本発明のインク受容層に用いられる結着剤
としては、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、カ
ゼイン等の蛋白質、澱粉、およびその澱粉誘導体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合
体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテッ
クス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、
カチオン性基等の官能基含有変性重合体ラテックス、メ
ラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の
水性接着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリ
ルアミド系 、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレ
タン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブ
チラール系、アルキッド樹脂系等の合成樹脂系接着剤な
どの高分子が、顔料との接着性が良く、かつインクとの
親和性が良いため、吸液性を向上させるので、好ましく
用いられる。これらの結着剤は必要に応じて2種以上を
併用してもよい。
【0014】インク受容層における結着剤の使用比率
は、顔料100重量部に対して10重量部以上100重
量部以下が好ましい。10重量部未満では接着力が不十
分となり、塗工層の強度が低下する場合があり、一方1
00重量部を超える場合、接着性は大きくなるものの顔
料の使用比率が低下し、インクの吸収性が低下しにじみ
が生じる恐れがある。
【0015】本発明のインク受容層に、水溶性カチオン
樹脂を含有することでインクの発色性を向上させること
ができ、鮮やかな画像を得ることができる。本発明のイ
ンク受容層に使用される水溶性のカチオン樹脂として、
ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリジアル
キルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミ
ノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメ
タクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリル
アミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシ
アンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポ
リアルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリジ
メチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリビニルア
ミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの変性
物等が例示できる。これらのカチオン樹脂は必要に応じ
て2種以上併用しても良い。本発明において特に限定は
しないが、インク受容層に含有される水溶性カチオン樹
脂の配合量は顔料100重量部に対し10重量部以上5
0重量部以下が好ましい。水溶性カチオン樹脂の配合量
が10重量部未満であると画像の鮮明性が低下する恐れ
があり、50%を越えると画像の鮮明性は向上するもの
の、インクの乾燥に時間がかかり印字後の記録紙の取り
扱いに支障をきたす場合がある。
【0016】この他、添加剤として、顔料分散剤、消泡
剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、
架橋剤等が製造条件、印字品質、要求性能に応じて適宜
使用される。
【0017】本発明のインク受容層を設けた記録用シー
トの不透明度は66%以上85%以下、なかでも70%
以上85%以下が好ましい。不透明度が66%未満の場
合、裏面から光線を当てて使用する際にその光源が透け
てしまい、展示用ポスター等に使用した場合光源が透け
てしまい見栄えの悪いものとなる。また、反射光にて画
像を照らした場合、シートの透明度が高いため光の反射
が少なくなり画像の鮮やかさが低下する。そのため得ら
れた画像はくすんだ印象を受け本発明の効果は期待でき
ない。一方不透明度が85%を超える場合、反射光にお
いては鮮明な画像が得られるものの、裏面から光線を当
てた場合光の通過量が少なく、そのため十分鮮明な画像
が得られないため不適である。
【0018】本発明のインク受容層の塗工にはバーコー
ター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラ
ビアコーター等の公知の塗工設備が応用される。支持体
上にインク受容層を設けたシートは、そのまま本発明の
記録用シートとして使用することが可能であるが、例え
ばスーパーカレンダー、グロスカレンダー等で処理し、
表面の平滑性を与えることもできる。本発明で得られる
インク受容層の塗工量は、最終用途によって決定され、
インク吸収性、発色性、塗膜強度を満足させるかぎり不
必要に多くする必要はなく、5〜40g/m2より好ま
しくは10〜30g/m2の範囲から適宜選択して用い
られる。インク受容層が5g/m2未満では多くの場合
インク吸収容量が不足し、画像が流れ出したり、色にじ
み込みが生じ、画像がぼけてしまったり、乾燥が遅く、
プリンターの排紙ロール等にインクが付着し、汚れてし
まう。しかしながら、30g/m2を越えるインク受容
層を設けると、インク受容層が厚いためUC層との接着
性が弱くなり、剥がれ落ちたインク受容層によりヘッド
ノズルの目づまりのような問題を生じることが多く、さ
らにコスト的にも高価なものとなる。
【0019】本発明の支持体とインク受容層の間に吸油
量が100ml/100g以下の顔料と結着剤から成るUC層を設
けることで、支持体とインク受容層の接着性が良好とな
り、より塗膜の強度に優れたインクジェット記録用シー
トを得ることができる。本発明のUC層に使用される顔
料としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、焼成クレ
ー、ケイソウ土、タルク、酸化アルミニウム、シリカ、
ホワイトカーボン、アルミノケイ酸マグネシウム、炭酸
マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、有機顔料
(プラスチックピグメント)等の物質が例示される。こ
れらの顔料は必要に応じて2種以上を併用することも可
能である。
【0020】顔料の吸油量は100ml/100g以下が好まし
い。吸油量が100ml/100gを超えると、UC層上に本発明
のインク受容層を設けた場合、UC層の空隙が多くな
り、UC層上に塗工したインク受容層の表面に微細な球
状物質(泡)が発生し、記録紙の外観を損なう恐れがあ
る。
【0021】本発明のUC層に用いられる結着剤として
は、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、カゼイン
等の蛋白質、澱粉、およびその澱粉誘導体、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリ
ル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体また
は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、
あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオ
ン性基等の官能基含有変性重合体ラテックス、メラミン
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の水性接
着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミ
ド系 、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹
脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラー
ル系、アルキッド樹脂系等の合成樹脂系接着剤などの高
分子が、顔料との接着性が良いため、好ましく用いられ
る。これらの結着剤は必要に応じて2種以上を併用して
もよい。
【0022】これらの結着剤は、顔料100重量部に対
して、10〜100重量%の範囲が好ましく、より好ま
しくは20〜80重量%の範囲で使用される。結着剤の
含有量が10重量%未満では支持体との接着効果が乏し
く所望とする塗膜強度が得られない。また80重量%を
超える場合には、顔料成分が低下してアンダーコート層
に粘着性が生じ、インク受容層塗工準備のためにアンダ
ーコート層塗工シートを巻き取る製造方法を採用する場
合は、シート同士が接着するブロッキングという問題が
生じる。アンダーコート層と連続してインク受容層を塗
工できる塗工機を用いる場合にはこのような問題は生じ
ないが、通常の塗工機を使用する場合には適さない場合
がある。この他、添加剤として界面活性剤、顔料分散
剤、消泡剤、粘度調整剤、架橋剤等が製造条件、要求性
能に応じて適宜使用される。
【0023】支持体上にUC層を設けたときは支持体と
UC層を合わせた不透明度を60%以下にすることが好
ましい。不透明度が60%を超えると、インク受容層側
から光線を入射し、支持体側から観察する場合、インク
受容層以外の部分の不透明度が高いため、支持体および
UC層内で光が乱反射され、鮮明な画像が得られない。
さらに、支持体上とUC層を合わせた不透明度は15%
以上がより好ましい。不透明度が15%未満の場合、イ
ンク受容層以外の部分の不透明度が低いので、インク受
容層の不透明度を高くする必要がある。そのため、イン
ク受容層の不透明度が高くなり、入射光および反射光に
て印字画像を観察した場合、くすんだ印象を受け鮮明な
画像が得られない。
【0024】支持体上にUC層を設ける方法としては、
特に限定されるものではなく、従来から公知の、バーコ
ーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、カ
ーテンコーター等の塗工機によって設けることができ
る。本発明で得られるUC層の塗工量は最終用途によっ
て決定され、塗膜耐水性、記録特性、保存性等を満足さ
せるかぎり不必要に多くする必要はなく、0.2〜1
5.0g/m2が好ましく、0.5〜8.0g/m2がより好
ましい。UC層の塗工量が少ないと、支持体との接着性
が若干低く、塗膜強度が低下する恐れがある。また、U
C層の塗工量が多いと、UC層上に塗工したインク受容
層の表面に微細な球状物質が発生し、記録紙の外観を損
なう恐れがある。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において部および%とあるのは、す
べて固形重量部および固形重量%を示す。
【0026】実施例1 無機顔料を含むポリプロピレン樹脂からなる多層構造の
合成紙ユポTPGA−90(不透明度38%、厚さ92
μm、王子油化合成紙製)の片面に実験室においてテス
トバーコーターを用いてインク受容層塗料−1を35g
/m2塗工し、乾燥して塗工層を形成し、インクジェッ
ト記録用シートを製造した。シート全体の不透明度は6
7%であった。 インク受容層塗料−1 非晶質合成シリカ(ファインシールX−45、粒子径=4μm、吸油量290m l/g、トクヤマ製) 100部 結着剤(PVA420、クラレ製) 25部 水溶性カチオン樹脂(PAS−H−5L、日東紡製) 5部
【0027】実施例2 実施例1に使用した支持体の片面に実験室においてテス
トバーコーターを用いてインク受容層塗料−2を28g
/m2塗工し、乾燥して塗工層を形成し、インクジェッ
ト記録用シートを製造した。シート全体の不透明度は7
0%であった。 インク受容層塗料−2 非晶質合成シリカ(サイリシア#310、粒子系=1.5μm、吸油量310m l/100g、富士シリシア製) 100部 結着剤;シラノール変性PVA(R−1130、クラレ製) 20部 結着剤;ノニオン性酢ビ−エチレン共重合ラテックス(スミカフレックス430、 住友化学製) 10部 水溶性カチオン樹脂(PAS−H−5L、日東紡製) 20部
【0028】実施例3 無機顔料を含むポリプロピレン樹脂からなる多層構造の
ユポTPGA−75(不透明度32%、厚さ75μ)の
片面にUC層塗料−1を絶乾量で8g/m2塗工、乾燥
後、実施例1に使用したインク受容層塗料−1を絶乾量
で25g/m2塗工乾燥し、インクジェット記録用シー
トを製造した。UC層+支持体の不透明度は47%、シ
ート全体の不透明度は75%であった。 UC層塗料−1 炭酸カルシウム(PC、粒子径=3.2μm、吸油量40ml/100g、白石 カルシウム製) 100部 結着剤;変性スチレン・ブタジエンラテックス(Nipol LX407C、日本 ゼオン製) 30部
【0029】実施例4 無機顔料を含むポリプロピレン樹脂からなる多層構造の
ユポTPGA−60(不透明度30%、厚さ59μm)
の片面に実験室においてテストバーコーターを用いてU
C層塗料−2を絶乾量で3g/m2塗工、乾燥後、イン
ク受容層塗料−2を18g/m2塗工し、乾燥して塗工
層を形成し、インクジェット記録用シートを製造した。
UC層+支持体の不透明度は58%、シート全体の不透
明度は83%であった。 UC層塗料−2 炭酸カルシウム(PC、粒子径=3.2μm、吸油量40ml/100g、白石 カルシウム製) 80部 酸化チタン(KA−10,アナターゼ型、粒子径=0.4μm、吸油量=20m l/100g、チタン工業) 20部 結着剤;変性スチレン・ブタジエンラテックス(Nipol LX407C、日本 ゼオン製) 30部
【0030】実施例5 実施例1に使用した支持体の片面にUC層塗料−3を絶
乾量で10g/m2塗工、乾燥後、インク受容層塗料−
2を絶乾量で25g/m2塗工、乾燥し、インクジェッ
ト記録用シートを製造した。UC層+支持体の不透明度
は50%、シート全体の不透明度は80%であった。 UC層塗料−3 非晶質合成シリカ(サイリシア#310、粒子径=4μm、吸油量310ml/ 100g、富士シリシア製) 100部 結着剤;変性スチレン・ブタジエンラテックス(Nipol LX407C、日本 ゼオン製) 10部 結着剤;シラノール変性PVA(R−1130、クラレ製) 20部
【0031】比較例1 無機顔料を含むポリプロピレン樹脂からなる多層構造の
ユポFPG−60(不透明度87%、厚さ60μm)の
片面に実験室においてテストバーコーターを用いてイン
ク受容層塗料−1を15g/m2塗工し、乾燥して塗工
層を形成し、インクジェット記録用シートを製造した。
シート全体の不透明度は98%であった。
【0032】比較例2 実施例3に使用した支持体の片面に実験室においてテス
トバーコーターを用いてUC層塗料−4を絶乾量で12
g/m2塗工、乾燥後、インク受容層塗料−1を22g
/m2塗工し、乾燥して塗工層を形成し、インクジェッ
ト記録用シートを製造した。UC層+支持体の不透明度
は75%、シート全体の不透明度は88%であった。 UC層塗料−4 炭酸カルシウム(PC、粒子径=3.2μm、吸油量40ml/100g、白石 カルシウム製) 50部 酸化チタン(KA−10,アナターゼ型、粒子径=0.4μm、吸油量=20m l/100g、チタン工業)) 50部 結着剤;変性スチレン・ブタジエンラテックス(Nipol LX407C、日本 ゼオン製) 40部
【0033】比較例3 実施例4に使用した支持体の片面に実験室においてテス
トバーコーターを用いてインク受容層塗料−3を10g
/m2塗工し、乾燥して塗工層を形成し、インクジェッ
ト記録用シートを製造した。シート全体の不透明度は5
2%であった。 インク受容層―3 非晶質合成シリカ(BS304N、粒子径=9μm、吸油量=190ml/10 0g、シオノギ製) 100部 結着剤;シラノール変性PVA(R−1130、クラレ製) 40部
【0034】得られた各塗工シートサンプルに関してシ
ート特性を表1に、以下の評価を行った評価結果を表2
に示す。
【0035】(不透明度)不透明度の測定方法はJIS
−P−8138に記載されている方法によった。 (入射光による発色の鮮やかさ1:光を支持体側より入
射)インクジェットプロッター(デザインジェット−6
50C:HP社製)で印字し、支持体面を100ワット
の蛍光灯側に向け5cm離して張り、裏面側より1.5
mの距離からの発色の鮮やかさを官能評価した。発色の
鮮やかさは、イエロー、マゼンタ、シアンのカラーイン
クの発色を目視で評価した。良いものを◎、良好ではあ
るが若干劣るものを○、やや劣るが実用上問題のないも
のを△、更に不良なものを×で示した。
【0036】(入射光による発色の鮮やかさ2:光をイ
ンク受容層側より入射)インクジェットプロッター(デ
ザインジェット−650C:HP社製)で印字し、イン
ク受容層面を100ワットの蛍光灯側に向け5cm離し
て張り、裏面側より1.5mの距離からの発色の鮮やか
さを官能評価した。発色の鮮やかさは、イエロー、マゼ
ンタ、シアンのカラーインクの発色を目視で評価した。
良いものを◎、良好ではあるが若干劣るものを○、やや
劣るが実用上問題のないものを△、更に不良なものを×
で示した。
【0037】(反射光による発色の鮮やかさ)インクジ
ェットプロッター(デザインジェット−650C:HP
社製)で印字し、印字面から1mの距離から100ワッ
トの蛍光灯を照らしたときの発色の鮮やかさを官能評価
した。発色の鮮やかさは、イエロー、マゼンタ、シアン
のカラーインクの発色を目視で評価した。発色の良いも
のを◎、良好ではあるが若干劣るものを○、やや劣るが
実用上問題のないものを△、更に不良なものを×で示し
た。
【0038】(入射光の光源)支持体面を100ワット
の蛍光灯側に向け5cm離して張り、裏面側より1.5
mの距離から入射光が透けて見えるかどうかを目視にて
評価した。良いものを◎、良好ではあるが若干劣るもの
を○、入射光が若干透けて見えるが実用上問題のないも
のを△、更に不良なものを×で示した。
【0039】(塗膜強度)塗工層面に、セロハンテープ
(ニチバン製)を貼った後、180°方向に剥がし、塗工
層が剥がれるかどうかを官能評価した。良いものを◎、
良好ではあるが若干劣るものを○、やや劣るが実用上問
題のないものを△、更に不良なものを×で示した。
【0040】(白紙外観)作成されたインクジェット記
録シートの塗工面に微細球状物などがなく、白紙外観が
良好かどうかを、目視で評価した。白紙外観の良いもの
を◎、良好ではあるが若干劣るものを○、やや劣るが実
用上問題のないものを△、更に不良なものを×で示し
た。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】表1からわかるように、本発明のインク
ジェット記録用シートは、入射光および反射光のいずれ
においても画像の鮮やかを有し、白紙での外観、塗膜強
度等の品質に優れたものであることが確認された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に非晶質微粉シリカと結着剤を含
    有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用
    シートにおいて、支持体が無機顔料を含むポリオレフィ
    ン樹脂を主成分とする2軸延伸した樹脂フィルムからな
    り、該支持体の不透明度が60%以下、記録用シート全
    体の不透明度が66%以上85%以下であることを特徴
    とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】インク受容層がさらに水溶性カチオン樹脂
    を含有する請求項1に記載されたインクジェット記録用
    シート。
  3. 【請求項3】支持体とインク受容層の間に吸油量が100m
    l/100g以下の顔料と水容性高分子結着剤を含むアンダー
    コート層を有し、支持体とアンダーコート層をあわせた
    不透明度が60%以下であり、記録用シート全体の不透
    明度が66%以上85%以下である請求項1又は2に記
    載されたインクジェット記録用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7563494B2 (en) * 2001-02-16 2009-07-21 Mitsubishi Paper Mills Limited Ink-jet recording material

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