JP2627447B2 - 耐水性インクジェット記録用シート - Google Patents

耐水性インクジェット記録用シート

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JP2627447B2 JP1217484A JP21748489A JP2627447B2 JP 2627447 B2 JP2627447 B2 JP 2627447B2 JP 1217484 A JP1217484 A JP 1217484A JP 21748489 A JP21748489 A JP 21748489A JP 2627447 B2 JP2627447 B2 JP 2627447B2
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    • B41M5/5254Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水性インクを用いた画像プリンターや印字プ
リンター等に用いられるインクジェット記録用シートで
あって、基材および塗工層が強固で、耐水性であり、一
般の上質紙、塗工紙と同様に加工、筆記が可能でありな
がら、シート表面に付着したインクの吸収速度と吸収容
量が大きく、インクの発色が鮮かなシャープな画像や印
字を与えるなどのインクジェット記録特性が優れてお
り、画像の耐水性が優秀な新規な記録シートに関するも
のである。
〔従来の技術〕
インクジェット記録方式を用いた高速でカラーハード
コピーを作成するインクジェットカラープリンターの技
術が進んでいる。高品位の記録画像を得るために、記録
シート上に付着した水性インクが表面上に広がることな
く、厚さ方向に速やかに吸収されるよう、顔料と接着剤
とを主体とする塗工層を設けたシートは、従来から幾多
の提案がなされている。
例えば、特開昭55−51583号公報には、非こう質シリ
カ(粒径0.1〜10μm)と高分子バインダーからなる被
覆層が、特開昭56−1458456号公報には、微粒子珪酸と
非水溶剤可溶性樹脂とから成るか、あるいは微粒子珪酸
と他の無機顔料粒子と非水溶剤可溶性樹脂から成る受容
層を基体上に設けることがそれぞれ開示されている。
更にこれらの提案のシートの塗工層の表面強度を改善
することも提案されており、本発明者らも特開昭62−26
8682でシラノール基を含むポリビニルアルコール共重合
体などを用いる方法を提案した。
また、インクジェット法で水性インクを用いてプリン
トした画像の鮮明度と耐水性を改善するために、さらに
カチオン性ポリマーを添加することが最近行われてい
る。しかしカチオン性ポリマーによってインクおよび塗
工層の顔料、接着剤、添加高分子から構成された画像自
体の耐水性が得られたとしても、基材が天然紙であれ
ば、水漏れによって紙が破れたり、耐水化した紙を用い
ても伸び、しわ、カールなどの問題が発生し、実用上
は、カラーハードコピーとしての耐水性があるとはいえ
なくなる。
このような天然パルプを主原料とする基紙上に塗工層
を設けた記録シートをもってしては、インクジェットプ
リンターのフルカラー性能を生かしながら、高湿度や水
滴にさらされる様な環境で使用できる記録シートを提供
することは不可能であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、良好なインクジェット記録適正を有し、即
ち記録シート表面に付着した水性インクの吸収速度と吸
収容量が大きく、インクの発色が鮮かで、インクドット
形状が円形でシャープな画像を与え、インクドットのに
じみが小さく、従って高解像度の印字や画像を高速度で
カラープリントすることを可能とするインクジェットプ
リンター用記録シートであって、さらに、塗工層の表面
強度が大きく、粉落ちがなく加工適性の良好な、しかも
画像および基材の耐水性、耐湿性の優れた、前記の欠点
を解消し得る耐水性インクジェット記録用シートを提供
することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、無機顔料を含むポリオレフィンを主成分と
して1〜2軸延伸した多層構造のフィルムからなるシー
ト上に、親水性高分子を主成分とする下層と、上層とし
てシラノール基を含むポリビニルアルコール共重合体を
含有するインク受容性被覆層を設けたことを特徴とする
耐水性インクジェット記録用シートである。
本発明者らは、前述の従来技術の欠点を解決するため
に種々検討を重ねた結果、無機顔料を含むポリオレフィ
ンを主成分とする多層構造の1〜2軸延伸フィルムから
なるシート上に、下層として親水性高分子を0.1〜10g/m
2、上層としてインク受容性被覆層を7〜40g/m2の割合
で設けたことを特徴とする耐水性インクジェット記録用
シートが、水性インクの吸収速度と吸収容量が大きく、
インクの発色が鮮かで、インクドット形状が円形でシャ
ープな画像を与え、インクドットのにじみが小さく、従
って高解像度の印字や画像を高速度でカラープリントす
ることを可能とする、と同時に画像の耐水性と基材の耐
水性を兼ね備えた、しかも表面強度の優れたインクジェ
ット記録用シートが得られること見出した。
すなわち本発明は複層構造を有する合成紙よりなる支
持体の表面に塗工層を設けたものである。
前記支持体は無機質微細粉末を8〜65重量%含有する
熱可塑性樹脂フィルムであって、層として強度を持った
基材層、空隙を持たせて印刷適性や遮蔽性を持たせた紙
状層のほか、用途によって、表面層を含むことができ
る。
支持体各層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオ
レフィン樹脂たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共
重合体を主成分とするが、他に、ポリスチレン、アクリ
ル酸エステル共重合体などの熱可塑性樹脂を混合して用
いることができる。
熱可塑性樹脂に配合すべき無機質微細粉末としては、
基材層、紙状層には平均粒径が20μm以下の炭酸カルシ
ウム、焼成クレー、ケイ藻土、タルク、シリカなどが、
又表面層上には、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バ
リウムなどが例示される。
本発明に用いられるシート状支持体の厚みは10〜200
μm、坪量は10〜200g/m2のものが好ましく、表面平滑
性の良好なものが好ましい。
シート状支持体上に設ける下層は、親水性高分子を0.
1〜10g/m2塗工したものである。下層の役割りは、基材
とインク受容性被覆層と基材を強固に接着させる中間層
の他、吸水性の無い合成紙基材を用いているため、イン
クの定着性を向上する役割りも持っている。下層の親水
性高分子の塗工量が0.1g/m2より少ない場合は、上層の
インク受容性被覆層と基材との接着が悪く、10g/m2より
多い場合は上層のインク受容性被覆層と基材との接着の
効果が飽和されて不経済である。
ここで用いられる親水性高分子としては、デンプン、
変性デンプン、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアル
コール、及びその誘導体、アクリル酸エステルエマルジ
ョン、等を少なくとも1種類または2種類以上混合した
ものを用いることが出来る。又親水性高分子に食塩等の
無機塩や一般に使用されている各種無機、有機顔料や導
電性高分子等を、画像、耐水性、筆記性等に影響を及ぼ
さない範囲で混ぜ合わせても差しつかえない。
インク受容性被覆層のバインダーとしては各種の水溶
性又は水分散性接着剤が作用可能であるが、シラノール
基を含むポリビニルアルコール共重合体が特に好まし
い。シリカに特異的に接着性の優れたポリビニルアルコ
ール共重合体を用いたことにより、顔料主成分の微粒子
シリカおよびカチオン性重合との特異な相乗効果が得ら
れ、インクジェット用紙の塗工層内に、特異な相互作用
が形成されるためと考えられる。
本発明の好ましくは接着剤として使用する、シラノー
ル基を含むポリビチルアルコール共重合体はケイ素を含
むビニル化合物を酢酸ビニルと共重合体させた後ケン化
することにより、酢酸ビニル単位がビニルアルコール
に、ケイ素含有単量体単位がシラノール基にそれぞれ転
換されて得られるものである。(特開昭58−59203号公
報参照)。ケイ素含有単量体は0.1〜1.0モル%のごく少
量共重合させればよい。シラノール基を含むポリビニル
アルコール共重合体はシリカと特異的に強固に結合する
ので、発色や解像力を妨げない程の少量で充分な塗膜強
度を実現することができる。
シラノール基を含むポリビニルアルコール共重合体と
共に他の水溶性、水分散性高分子を接着剤として使用で
きる。澱粉および澱粉誘導体、セルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコール、ならびにアクリル酸エステル共重合
体などの内から、微粉末シリカやカチオン重合体と相溶
性が良いものを選定・併用することができ、これによ
り、接着強度を一層向上させることができる。
40重量%以上では画像の高解像度の実現が困難となる
ので、シラノール基を有するポリビニルアルコール共重
合体を含めて接着剤総量は塗料固形分の40重量%以下、
好ましくは30重量%以下とする。
本発明において画像の耐水化の為、カチオン性重合体
を加える。カチオン性重合体としては、ポリエチレンイ
ミンの4級アンモニウム塩誘導体、4級アンモニウム基
を共重合モノマーとして含むアクリル、またはメタクリ
ル酸エステルの共重合体など適当であり、2〜10重量%
の範囲で存在させる。2重量%以下では十分な効果が得
られず、10重量%以上では効果が飽和しそれ以上の改善
が得られないのみか、画像の耐光性の低下などの副次的
問題が生じる恐れがある。
本発明においてインク受容性被覆総層溶塗料用として
使用される顔料はインクジェット用紙に用いて、鮮明な
画像を与えることが知られている、高吸油量かつ高比表
面積を有する顕色性白色顔料である2次粒子径が1〜5
μの粒子を主成分とする微粒子シリカが最も優れてい
る。微粉末シリカを全塗料固形分の30〜88重量%使用す
るのが適当である。画質のみから評価すれば微粉末シリ
カは多いほどよい。この外、記録シートの使用目的やプ
リンターの要求に応じて他の白色顔料を使用または併用
することもでき、顔料総量は50〜88重量%とする。他の
白色顔料としては、例えばゼオライト、炭酸カルシウ
ム、ケイソウ土、カオリンクレー、タルク、水酸化アル
ミニウム、有機顔料(プラスチックピグメント)その他
一般の紙塗工に使用される顔料が使用できる。
一般的にいって、インク吸収性の無い基材上に設ける
インク受容性被覆層の塗工量は、7〜40g/m2、好ましく
は7〜30g/m2である。
塗工量が7g/m2より少ないとインク吸収性が不足し、4
0g/m2より多いと不経済であるばかりでなく、表面強度
低下がおこる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、実施例において部は固形部としての重量部を
示す。
実施例1 塗料−1 顔料 2次粒子径2〜5μのものが 70%以上の微粒子珪酸 (ファインシール 徳山曹達) 100部 シラノール基を含むビニルアルコール 共重合体(R−1130 クラレ) 30部 ポリビニルアルコール (PVA−105 クラレ) 10部 ポリエチレンイミン第4級アンモニウム塩 (SP−102 日本触媒) 5部 無機顔料を含み紙状層を基材層の表裏に持つ多層構造
の合成紙ユポFPG80(厚さ80μm王子油化合成紙(株)
製)に親水性高分子としてポリビニルアルコール(PVA1
17(株)クラレ製)を0.1g/m2塗工し、その上に濃度12
重量%とした塗料−1を調製し、固形分20.0g/m2塗工、
乾燥し、インクジェット記録用シートを得た。
実施例2 塗料−2 顔料 微粒子珪酸 (ファインシール 徳山曹達) 80部 けいそう土 20部 シラノール基を含むビニルアルコール 共重合体(R−2105 クラレ) 20部 カチオン性酢酸ビニルエマルジョン VC903(カネボウエヌエスシー) 10部 無機顔料を含む多層構造の合成紙ユポFPG80(厚さ80
μm 王子油化合成紙(株)製)に親水性高分子として
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(モビニール
963 ヘキスト合成社製)を2.1g/m2塗工し、その上に濃
度18重量%とした塗料−2を、15g/m2塗工、乾燥し、イ
ンクジェット記録用シートを得た。
実施例3 塗料−3 顔料 微粒子珪酸 (ミズカシールP−50水沢化学) 100部 シラノール基を含むビニルアルコール 共重合体(R−2105 クラレ) 20部 ポリエチレンイミン第4級アンモニウム塩 (SP−102 日本触媒) 5部 無機顔料を含む多層構造の合成紙ユポFPG80(厚さ80
μm 王子油化合成紙(株)製)に親水性高分子として
デンプン(王子エースC王子コンスターチ)90重量%と
食塩10重量%を混ぜた下層を9.1g/m2塗工し、上層に濃
度14重量%とした塗料−3を、7.2g/m2塗工、乾燥し、
インクジェット記録用シートを得た。
比較例1 塗料−4 顔料 微粒子珪酸 (ファインシール 徳山曹達) 100 部 分散剤 ポリアクリル酸ソーダ (A6310 東亜合成) 1.5部 ポリビニルアルコール (PVA−117 クラレ) 50 部 カチオン性酢酸ビニル共重合体 エマルジョンVC903(カネボウエヌエスシー) 10 部 以上の成分よりなる濃度18重量%とした塗料−3を、
無機顔料を含む多層構造の合成紙(ユポFPG80 王子油
化合成紙(株)製)に固形分で20g/m2塗工、乾燥し、イ
ンクジェット記録用シートを得た。
比較例2 下塗量を設けることなく実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用シートを製造した。
比較例3 実施例−1の塗料−1を、65g/m2の上質紙に固形分で
20g/m2塗工、乾燥し、インクジェット記録用シートを得
た。
これらのインクジェット記録用シートの評価結果を表
に示す。インクジェット記録特性の評価は市販のインク
ジェットプリンターを用いてインク吸収性、発色の鮮明
度について、塗工層の強度はセロテープテストと鉛筆筆
記性で評価した。結果を表1に示す。
インク吸収性評価には、インクの乾燥するまでの時間
を測定した。
発色の鮮明度は、イエロー、マゼンダ、シアンのカラ
ーインクの発色と、グリーン、ブルー、レッドの重色の
発色を目視で評価した。
鉛筆筆記性はHの鉛筆での筆記の難易から官能的に判
定した。
表面強度はセロテープの剥離による、塗工層の取れ具
合を官能的に評価しておこなった。
画像耐水性は画像を流水中に5分間浸した後、乾燥し
て画像の残存をみた。
○は性能のすぐれているもの、△は一般的な品質を、
×は使用に問題となる欠陥のあるものを表す。
画像の定着性はプリントした画像を一ケ月暗所に保存
したものを観察した。
×はにじみが発生したものである。
〔発明の効果〕 本発明の耐水性インクジェット記録用シートは表面が
強固で、鉛筆で難なく筆記でき、耐水性、インク吸収
性、発色の鮮かさのいずれも優秀なものという、従来法
の欠点を解消した高解像度、高速、汎用のインクジェッ
ト・カラー・プリンターを可能ならしめるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名倉 敏和 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子 製紙株式会社商品研究所内 (72)発明者 保田 憲治 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子 製紙株式会社商品研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−22996(JP,A) 特開 昭63−28689(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機顔料を含むポリオレフィンを主成分と
    する多層構造の1〜2軸延伸フィルムからなるシート上
    に、下層として親水性高分子を含む層を0.1〜10g/m2
    上層としてシラノール基を含むポリピニルアルコール共
    重合体を含有するインク受容性被覆層を7〜40g/m2の割
    合で設けたことを特徴とする耐水性インクジェット記録
    用シート。
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