JP4382554B2 - 記録シート - Google Patents

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Description

本発明は、記録シートに関するものである。
従来、紙などの記録シートに文字や画像などの記録情報を記録する方法としては、インクジェット記録方式が知られている。このインクジェット記録方式では、記録情報に応じて微小液滴のインクを記録シートへ飛翔そして付着させて、記録が行われる。
インクジェット記録方式に用いられる記録シートとしては、一般的に上質紙やコーテッド紙が使用されるが、ポスターや掛け軸などに用いるために和紙のような風合いをもつものも提案されている。
このように和紙のような風合いをもつ記録シートとして、従来では、主として化学合成繊維からなる単層の不織布を基材とし、この基材の少なくとも一方の面に、インクを受理するためのインク受理層が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような記録シートに対してインクジェット記録方式で記録情報の記録を行う際には、前記インク受理層に記録情報の記録が行われる。
前述のような不織布を基材とした記録シートは、基材の厚さが小さいと、記録情報の密度が大きい画像などが記録された場合などに、インクを吸収して膨潤したインク受理層と基材との間に生じる寸法差等に起因して、記録シートが波打ってボコツキを生じてしまう。また、基材の厚さが小さいと、シワが生じやすく取り扱いに不便であるだけでなく、インクジェットプリンターでの給紙時や通紙時などにシワが生じ、これに起因して画像品位も低下してしまう。したがって、インクジェットプリンターでの記録前および記録時には、前記基材の厚さはある程度大きい必要がある。
一方、上記のような問題を解決するために、基材の厚さを大きくすると、記録後、記録シートの搬送時などに記録シートを筒状に丸めた際に、筒状の記録シートの内周面が外周面との周長差を許容できずに、シワが生じてしまう。
特開2000−296670号公報(実施例1〜25)
本発明の目的は、インクジェット記録による記録前や記録時にシワやボコツキが生じ難く取り扱い易いだけでなく、和紙のような風合いをもちつつ、記録後に丸めてもシワが生じ難い記録シートを提供することにある。
上記目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) 主として合成繊維からなる不織布で構成される基材と、該基材の少なくとも一方の面に接合されたインク受理層とを有する記録シートであって、
前記基材は、第一の層と、該第一の層に隣接する第二の層とを含む複数の層で構成され、
前記第一の層および前記第二の層は、前記インク受理層に対して記録が行われた後に剥離可能に接着剤を用いずに互いに接合され
前記第一の層および前記第二の層は、それぞれ、主として合成繊維からなる不織布で構成され、かつ、パルプ繊維を含み、
前記合成繊維は、熱溶融性樹脂繊維を含有することを特徴とする記録シート。
(2) 前記熱溶融性樹脂繊維の融点(芯鞘状繊維にあっては鞘部の融点)は、80〜180℃であり、
前記合成繊維中における前記熱溶融性樹脂繊維の含有量は、10〜60重量%である上記(1)に記載の記録シート。
(3) 前記合成繊維の繊維径は、0.1〜10デニールである上記(1)または(2)に記載の記録シート。
(4) 前記合成繊維の繊維長は、1〜20mmである上記(3)に記載の記録シート。
) 前記第一の層の面のうち、前記第二の層との接合面とは反対側の面に、前記インク受理層が設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の記録シート。
) 前記第一の層の坪量が10〜60g/mである上記()に記載の記録シート。
) 記録シート全体の坪量は、80g/m以上である上記(1)ないし()のいずれかに記載の記録シート。
) 前記第一の層と前記第二の層との層間剥離強度が700〜2000mN/25mmである上記(1)ないし()のいずれかに記載の記録シート。
) 前記第一の層と前記第二の層との接合は、湿式抄紙法で抄き合わせによりなされたものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の記録シート。
前述の本発明によれば、インクジェット記録による記録前や記録時にシワやボコツキが生じ難く取り扱い易いだけでなく、和紙のような風合いをもちつつ、記録後に丸めてもシワが生じ難い記録シートを得ることができる。
以下、本発明の記録シートについて、好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態にかかる記録シート1の断面図である。
かかる記録シート1は、図1に示すように、不織布で構成された基材2と、基材2の少なくとも一方の面に設けられたインク受理層3とを有している。この記録シート1は、インクジェットプリンター等での記録に際して、インク受理層3側の面を記録面として、記録が行われる。
基材2は、第一の層21と、第一の層21に隣接する第二の層22とを有し、これらの層が互いに剥離可能に接合されている。これにより、所望時、例えばインクジェットプリンターによる記録後に第一の層21と第二の層22とを互いに剥離して、接合面23を境に記録シート1を分離することができる。その結果、インクジェットプリンターでの記録前や記録時には、第一の層21と第二の層22とを互いに剥離せずに、記録シートの厚さを大きいままにすることにより、シワやボコツキが防止される。インクジェットプリンター等による記録後には、第一の層21と第二の層22とを互いに剥離して、記録シートの厚さを薄くすることができる。これにより、剥離後の記録シートは、和紙のような風合いが高められるとともに、筒状に丸められてもシワが生じるにくくなる。
前述のように第一の層21と第二の層22が所望時にだけ剥離できるようにするためには、各層の強度や層間剥離強度などが所定の関係を有している必要がある。また、第一の層21および第二の層22の構成は、記録シートの風合いや取り扱い易さについても考慮する必要がある。以下に、第一の層21および第二の層22を詳細に説明する。なお、本明細書において、層間剥離強度とは、JIS K6854−3に準拠して測定されたものをいう。
第一の層21は、主として合成繊維からなる不織布として形成されている。
この合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらポリマーの変性ポリマー等のホモポリマー及びコポリマー等のポリエステル系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれらポリマーの変性ポリマー等のホモポリマー及びコポリマー等のポリオレフィン系繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維等のようなポリアクリロニトリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維等の合成繊維、また、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン、アルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡糸した繊維等のような再生繊維、さらにアセテート繊維等のような半合成繊維等が挙げられ、これらを単独または組み合わせて使用することができる。
前述の中でも、前記合成繊維としては、PET繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維のうち少なくとも1種を含んでなるものであることが、風合いと強度の両立の観点から好ましい。
また、上記合成繊維に熱溶融性樹脂繊維を併用すると、記録シート1の強度を向上させることができる。前記熱溶融性樹脂繊維としては、例えば、低融点タイプのポリエチレンテレフタレート系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維等の熱溶融性樹脂繊維のうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、低融点繊維を鞘成分とし、高融点繊維を芯成分とした芯鞘状繊維や、サイドバイサイドで片方の成分を熱溶融性樹脂繊維としたものを用いることができる。
前記熱溶融性樹脂繊維の中でも、80〜180℃の融点(芯鞘状繊維にあっては鞘部の融点)をもつものが好ましく、90〜130℃の融点をもつものがより好ましい。また、前記合成繊維中における熱溶融性樹脂繊維の含有量は、10〜60重量%であるのが好ましい。
前記合成繊維の繊維径は、0.1〜10デニールであるのが好ましく、0.1〜3デニールであるのがより好ましく、0.1〜2デニールであるのがさらに好ましい。これにより、記録シート1は、和紙のような良好な風合いをもつとともに、良好な記録品位を保つことができる。
これに対し、前記繊維径が前記下限値未満であると、インクジェット記録等の際に、インクの種類等によっては、インク吸収性が低下してしまいにじみが発生する可能性がある。一方、繊維径が前記上限値を超えると、合成繊維の種類等によっては、インクジェット記録等の際にインクが不織布の内部にまで浸透して記録濃度が低下してしまい、さらには、記録シートの記録部での繊維筋が目立ち、記録品位が低下してしまう。
前記合成繊維の繊維長は、1〜20mmであるのが好ましく、2〜10mmであるのがより好ましい。これにより、抄紙性を優れたものとしつつ、記録シート1を使用時に必要な強度を有するものとすることができる。
これに対し、前記繊維長が前記下限値未満であると、記録シート1が使用時に必要な強度を十分に得ることができないおそれがある。一方、繊維長が前記上限値を超えると、抄紙性が劣るおそれがある。
また、第一の層21は、前述の合成繊維のほかに、NBKPやLBKPなどのパルプ繊維などを含んで構成することができる。
前記パルプ繊維は、記録シートのインク吸収性を向上させることができる。前記パルプ繊維としては、例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプのほか、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のうちの1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、第一の層21の層厚は、坪量で、10〜60g/mであるのが好ましく、20〜60g/mであるのがより好ましく、20〜50g/mであるのがさらに好ましい。これにより、剥離後の記録シートは、記録後の記録シートの持ち運び時などに筒状に丸めても、その筒状の記録シートの内周面が外周面との周長差を十分に許容できるので、シワが生じ難い。
これに対し、第一の層21の坪量が前記下限値未満であると、第一の層21と第二の層22とを剥離する際に、これらの層間剥離強度等によっては、第一の層21が強度不足により破れる可能性がある。また、この場合、仮に第一の層21と第二の層22を剥離できても、剥離後の記録シートの強度不足を招く可能性が大きくなる。さらに、第一の層21の層厚に対してインク受理層3の層厚が大きくなりすぎて、インク受理層3の材料等によっては、不織布の風合いがうまく出ないことがある。
一方、第一の層21の坪量が前記上限値を超えると、第一の層21と第二の層22を剥離した後であっても、剥離後の記録シートを丸めたりした場合に、シワが生じやすくなる。
第二の層22は、第一の層21と同様に、主として合成繊維からなる不織布として形成されている。
第二の層22を構成する材料としては、例えば、前述の第一の層21と同様の合成繊維、パルプ繊維、バインダー、各種添加剤などを用いることができる。なお、第二の層22を構成する材料は、第一の層21と同じでも異なっていてもよく、目的に応じて選択することができる。
また、第二の層22を構成する合成繊維の繊維径は、前述の第一の層21と同様のものを用いることができる。なお、第二の層22を構成する合成繊維の繊維径は、前述の第一の層21と同じであっても異なっていてもよい。
また、第二の層22の坪量は、10〜100g/mであるのが好ましく、20〜80g/mであるのがより好ましく、40〜70g/mであるのがさらに好ましい。なお、第二の層22の坪量は、前述の第一の層21の坪量と同じであっても異なっていてもよい。
これにより、剥離前には、インクジェット記録等によるシワやボコツキが防止される。また、剥離後には、記録シートを筒状に丸めてもシワが生じるにくくなる。
これに対し、第二の層22の坪量が前記下限値未満であると、第一の層21の層厚に対して第二の層22の層厚が小さくなりすぎて、第一の層21と第二の層22を剥離しても記録シートの厚さに変化があまりないので、本発明の効果を得ることが難しい。すなわち、第一の層21の層厚が小さい場合には、基材2全体の厚さも薄くなってしまうので、記録シートの取り扱いが不便になるし、シワも生じやすく、また、第一の層21の層厚が大きい場合には、記録後に第一の層21と第二の層22を剥離しても、剥離後の記録シート、すなわち第一の層21とインク受理層3との積層体の厚さが大きいままとなるので、丸めた場合などにシワを生じやすい。
一方、第二の層22の坪量が前記上限値を超えると、記録シート1全体の厚さが大きくなりすぎて、インクジェットプリンターなどの通紙部などにうまく搬送されず紙詰まりなどの搬送トラブルを起こす可能性が大きくなる。
第一の層21と第二の層22との接合には、特に限定されないが、各種抄き合わせ方法を用いることが好ましい。これにより、第一の層21と第二の層22とを接着するための接着剤を使用しなくとも、容易かつ確実に必要な層間剥離強度を得ることができる。例えば、前記抄き合わせ方法としては、湿式抄紙法を用いることが好ましい。これにより、第一の層21と第二の層22とを接着するための接着剤を使用しなくとも、より容易かつ確実に必要な層間剥離強度を得ることができる。
前記抄き合わせに際しては、第一の層21および第二の層22の少なくとも一方に接着剤をスプレーなどで塗布してもよい。この場合、第一の層21および第二の層22の少なくとも一方に塗布される接着剤を比較的少量にすることができる。この接着剤としては、例えば、各種澱粉の水溶液や、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、メタクリル酸ブタジエン共重合体、ポリウレタン、アクリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体などの樹脂のエマルジョンなどを1種以上選択して用いることができる。
なお、第一の層21と第二の層22とは図1にて接合面23をもって明確に区分されているが、これらの層の接合面は必ずしも明確でなくともよい。例えば、第一の層21と第二の層22を抄き合わせにより接合した場合などには、これらの層が互いの繊維などが入り組んで接合されていてもよい。この場合でも、第一の層21と第二の層22とを剥離したとき、これらの層21,22の境界付近で分離される。
第一の層21と第二の層22との層間剥離強度は、700〜2000mN/25mmであることが好ましく、900〜1500mN/25mmであることがより好ましく、900〜1200mN/25mmであることがさらに好ましい。これにより、所望時のみに第一の層21と第二の層22とを、これらの層を破ることなく、きれいに剥離させることができる。
これに対し、前記層間剥離強度が前記下限値未満であると、記録シート1全体の厚さ等によっては、所望時以外、例えば記録前や記録中に第一の層21と第二の層22とがインクジェットプリンターなどでの給紙や通紙などにより不本意に剥離してしまう可能性がある。一方、前記層間剥離強度が前記上限値を超えると、第一の層21と第二の層22が剥離しずらくなかったり、第一の層21および第二の層22の強度等によっては、層間剥離強度が層の強度に勝ってしまって、剥離途中で一方の層が破れてしまったりする。
本発明の第一の層21および第二の層22には、前述したような繊維の他に、添加剤として、例えば着色顔料、着色染料、填料、増粘剤、消泡剤、紙力増強剤等を添加することもできる。
また、本発明の第一の層21および第二の層22は、例えば、抄紙ヘッドを複数備えた円網多筒式抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、長円コンビネーション抄紙機等で製造することができる。
インク受理層3は、第一の層21の面のうち、第二の層22との隣接面とは反対側の面に、設けられている。例えば、インク受理層3は、第一の層21に塗設されて設けられている。なお、このようなインク受理層3は第一の層21の層内に埋設されていてもよいが、記録品位の観点では、インク受理層3は、第一の層21の面のうち、第二の層22との隣接面とは反対側の面を覆っていることが好ましい。
インク受理層3は、白色顔料および接着剤を含有するものであるのが好ましい。これにより、記録シート1は、インクジェット記録による記録品位をより優れたものとすることができる。
白色顔料としては、特に限定されず、公知の白色顔料を用いることができ、例えば、合成非晶性シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン、アクリル、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、特に、合成非晶性シリカが好ましい。
接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等、また、アクリルニトリルブタジエン共重合体、メタクリル酸ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、さらに、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体、スチレンアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、また、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、さらに、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤、また、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、インク受理層3は、カチオン性染料定着剤を含有するものであるのが好ましい。カチオン性染料定着剤としては、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、その他の添加剤として、例えば、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等をインク受理層3中に適宜配合することもできる。
また、インク受理層3を基材2の第一の層21に形成した後には、各種表面処理を施すことができる。例えば、前記表面処理として、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダーを用いて平坦化仕上げを行っても良い。
インク受理層3の層厚は、坪量で、10〜20g/mであることが好ましく、10〜15g/mであることがより好ましい。これにより、記録シート1は、和紙のような風合いをもちつつ、良好な画像品位を保つことができる。
これに対し、インク受理層3の坪量が前記下限値未満であると、第一の層21の材料等によっては、インク受理層3のインク吸収能の低下に起因して、にじみが発生し若干の記録品位が低下してしまう。一方、インク受理層3の坪量が前記上限値を超えると、インク受理層3が第一の層21の表面を厚く覆ってしまうため、第一の層21の材料等によっては、不織布による和紙のような風合いが損なわれたり、巻いた時に割れを生じるおそれがある。
前述した記録シート1の全体の坪量、すなわち第一の層21の坪量と第二の層22の坪量とインク受理層3の坪量の合計は、80g/m以上であるのが好ましく、80〜150g/mであるのがより好ましい。これにより、記録シートがインクジェットプリンター等で円滑に給紙および通紙されるので、給紙時および通紙時でのシワに起因する記録品位の低下が防止される。また、記録情報の密度が大きい画像などが記録された場合などでも、インクを吸収して膨潤したインク受理層と基材との間に生じる寸法差等を抑えることができるので、記録シートが波打ってボコツキを生じてしまうこともない。
これに対し、記録シート1の全体の坪量が前記下限値未満であると、記録情報の密度が大きい画像などが記録された場合などに、記録シートが波打ってボコツキを生じてしまう可能性がある。一方、記録シート1の全体の坪量が前記上限値を超えると、インクジェットプリンターの種類等によっては、給紙や通紙が困難になる。
以上、本発明の記録シートの好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、前述した実施形態では、基材2が第一の層21と第二の層22の2層からなっているが、基材が3層以上からなっていてもよい。この場合、第二の層22に第一の層21と反対側で隣接させて、さらに第三の層、第四の層・・・を順次抄き合わせることができる。前記第三の層、第四の層・・・は、それぞれ隣接する層と剥離可能であってもそうでなくともよい。第三の層、第四の層・・・がそれぞれ隣接する層と剥離可能である場合には、剥離する層を必要に応じて選択的に剥離して、記録シートを所望の厚さにすることができる。
また、前記第三の層、第四の層・・・は、第一の層21や第二の層22と同様の材料で構成されていなくともよい。例えば、前記第三の層、第四の層・・・は、様々な目的に応じて、接着層、離型層、コート層などの各種層とすることができる。
さらに、インク受理層3は、第二の層22の面のうち、第一の層21との隣接面とは反対側の面に設けられていてもよい。この場合には、例えば、両面記録することが可能となり、両面記録後に第一の層と第二の層とを剥離することができる。これにより、第一の層および第二の層の両方を記録に用いることができ、無駄が省ける。
また、本発明のインク受理層3は、第一の層21上に前述の材料を、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、スクリーン印刷機等で塗布することで形成される。
次に、本発明の記録シートについて具体的実施例を説明する。
<実施例1>
合成繊維としての2.0デニール、長さ5mmのPET繊維(融点263℃):40重量部、バインダーとしての2.0デニール、長さ5mmの熱溶融性の芯鞘構造のPET繊維(鞘部分の融点110℃):30重量部、パルプとしての250mlCSFに叩解したNBKP:30重量部を配合し、この配合の材料を水に分散させて、0.1質量%のスラリーを作製し、これを紙料とした。
この紙料を、角形シートマシン(熊谷理機製)を用いてシート化することによって、第一の層として坪量30g/mの不織布、第二の層として坪量70g/mの不織布をそれぞれ作製した。
これらの不織布を、湿式抄紙法で抄き合わせた後に、100℃に加熱されたシリンダドライヤーで乾燥して、シート状の基材を作製した。
次に、合成非晶質シリカ:100重量部、ポリビニルアルコール:20重量部、スチレンブタジエン共重合体ラテックス:30重量部を調整したインクジェット受理液を、前記基材の面のうち前記第一の層の面に塗布量が10g/mとなるように塗布そして乾燥することにより、インク受理層を形成して、記録シートを得た。
<実施例2>
合成繊維としての2.0デニール、長さ5mmのポリプロピレン繊維(融点160℃):40重量部、バインダーとしての2.0デニール、長さ5mmの熱溶融性の芯鞘構造のオレフィン繊維(鞘部分の融点98℃):20重量部、パルプとしての250mlCSFに叩解したLBKP:30重量部を配合し、この配合の材料を水に分散させて、0.1質量%のスラリーを作製し、これを紙料とした。
この紙料を、角形シートマシン(熊谷理機製)を用いてシート化することによって、第一の層として坪量90g/mの不織布、第二の層として坪量60g/mの不織布をそれぞれ作製した。
これらの不織布を、湿式抄紙法により抄き合わせた後に、100℃に加熱されたシリンダドライヤーで乾燥して、シート状の基材を作製した。
次に、実施例1と同様のインクジェット受理液を前記基材に塗布量が20g/mとなるように塗布そして乾燥することにより、インク受理層を形成して、記録シートを得た。
<実施例3>
合成繊維としての1.5デニール、長さ5mmのアクリル繊維(融点240℃以上):50重量部、バインダーとしての2.0デニール、長さ5mmの熱溶融性の芯鞘構造のPET繊維(鞘部分の融点110℃):20重量部、パルプとしての250mlCSFに叩解したNBKP:30重量部を配合し、この配合の材料を水に分散させて、0.1質量%のスラリーを作製し、これを紙料とした。
この紙料を、角形シートマシン(熊谷理機製)を用いてシート化することによって、第一の層として坪量50g/mの不織布、第二の層として坪量50g/mの不織布をそれぞれ作製した。
これらの不織布を、湿式抄紙法により抄き合わせた後に、100℃に加熱されたシリンダドライヤーで乾燥して、シート状の基材を作製した。
次に、実施例1と同様のインクジェット受理液を前記基材に塗布量が15g/mとなるように塗布そして乾燥することにより、インク受理層を形成して、記録シートを得た。
<実施例4>
第一の層と第二の層との抄き合わせ部に澱粉水溶液を塗布量が0.5g/mとなるようにスプレーした以外は、実施例1と同様にして、記録シートを作製した。
<比較例1>
基材を実施例1の紙料を用い単層で坪量100g/mの不織布とした以外は、実施例1と同様に記録シートを作製した。
<比較例2>
基材を実施例1の紙料を用い単層で坪量50g/mの不織布とした以外は、実施例1と同様に記録シートを作製した。
前述の各実施例および各比較例の記録シートを、次の(a)〜(d)の評価方法および基準に基づき評価した。
(a) インクジェットプリンターでの搬送性
インクジェットプリンター(エプソン社製、MC−10000)で特定図柄を出力し、給紙時および通紙時での搬送トラブルによる図柄ズレ、シワの有無を評価した。
この搬送性の評価について、
○:搬送トラブルによる図柄のズレ、シワが無い
△:搬送トラブルによる図柄のズレ、シワが若干有る
×:搬送トラブルによる図柄のズレ、シワが顕著に有る
(b) インクジェット記録後のボコツキ
インクジェットプリンター(エプソン社製、MC−10000)で特定図柄を出力し、記録シートの記録部位のボコツキ度合いを評価した。
○:ボコツキが無い
△:ボコツキが若干有る
×:ボコツキが顕著に有る
(c) 層間剥離状態
インクジェットプリンター(エプソン社製、MC−10000)で特定図柄を出力した後、実施例1〜4については第一の層と第二の層との間で、比較例1,2については基材のほぼ中間部位で剥離させた際の記録シートの均一性を評価し、またそれぞれ剥離の際に層間剥離強度を測定した。なお、層間剥離強度の測定ついては、JIS K6854−3(剥離接着強さ試験方法−T型剥離)に準じて行った。
○:剥離した記録シートが均一である
△:剥離した記録シートが不均一である
×:剥離不能
(d) 剥離後の巻きシワ
インクジェットプリンター(エプソン社製、MC−10000)で特定図柄を出力した後、実施例1〜4については剥離後の第一の層を、比較例1については剥離後の記録側の記録シート、比較例2については剥離せずに記録シートをφ10mmの棒に巻きつけたまま24時間保持した後、広げた際の記録シートの状態を評価した。
○:巻きシワがなく良好
△:巻きシワが若干有る
×:巻きシワが顕著に有る
評価結果は表1に示す通りである。
Figure 0004382554
表1から明らかなように、各実施例の記録シートは、搬送トラブルによる図柄のズレ、シワが無く、ボコツキも生じず、また第一の層と第二の層ときれいに剥離することができ、剥離後に筒状に丸めてもシワを生じることが無かった。
これに対し、比較例1の記録シートは、搬送トラブルによる図柄のズレ、シワが無く、ボコツキも生じなかったが、記録後にきれいに剥離できず、また剥離後に筒状に丸めるとシワを生じてしまった。また、比較例2の記録シートは、搬送トラブルによる図柄のズレ、シワ、ボコツキが生じるばかりか、記録後に全く剥離できなかった。
本発明の実施形態にかかる記録シートの断面図である。
符号の説明
1 記録シート
2 基材
3 インク受理層
21 第一の層
22 第二の層
23 接合面

Claims (9)

  1. 主として合成繊維からなる不織布で構成される基材と、該基材の少なくとも一方の面に接合されたインク受理層とを有する記録シートであって、
    前記基材は、第一の層と、該第一の層に隣接する第二の層とを含む複数の層で構成され、
    前記第一の層および前記第二の層は、前記インク受理層に対して記録が行われた後に剥離可能に接着剤を用いずに互いに接合され
    前記第一の層および前記第二の層は、それぞれ、主として合成繊維からなる不織布で構成され、かつ、パルプ繊維を含み、
    前記合成繊維は、熱溶融性樹脂繊維を含有することを特徴とする記録シート。
  2. 前記熱溶融性樹脂繊維の融点(芯鞘状繊維にあっては鞘部の融点)は、80〜180℃であり、
    前記合成繊維中における前記熱溶融性樹脂繊維の含有量は、10〜60重量%である請求項1に記載の記録シート。
  3. 前記合成繊維の繊維径は、0.1〜10デニールである請求項1または2に記載の記録シート。
  4. 前記合成繊維の繊維長は、1〜20mmである請求項3に記載の記録シート。
  5. 前記第一の層の面のうち、前記第二の層との接合面とは反対側の面に、前記インク受理層が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の記録シート。
  6. 前記第一の層の坪量が10〜60g/mである請求項に記載の記録シート。
  7. 記録シート全体の坪量は、80g/m以上である請求項1ないしのいずれかに記載の記録シート。
  8. 前記第一の層と前記第二の層との層間剥離強度が700〜2000mN/25mmである請求項1ないしのいずれかに記載の記録シート。
  9. 前記第一の層と前記第二の層との接合は、湿式抄紙法で抄き合わせによりなされたものである請求項1ないしのいずれかに記載の記録シート。
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