JP2007092243A - ポリエステル系合成繊維用難燃剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性が良好で、かつ安定的に耐久性のある難燃性を付与すると同時に、染色剤の染色性に影響を与えない、ポリフォスフェート化合物を含むポリエステル系合成繊維用難燃剤を提供すること。
【解決手段】下記(A)〜(C)からなり、(A)〜(C)の含有比率が、(A)〜(C)の合計重量に基き、(A)60〜80%、(B)10〜30%、(C)5〜15%であるポリエステル系合成繊維用難燃剤である。
(A)ホスホリルトリクロリドとフェノール及びレゾルシノールとの縮合物
(B)多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物(B1)及び多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物の硫酸エステル塩(B2)からなる界面活性剤
(C)HLBが9〜15である、特定の脂肪族アルコールアルキレンオキシド付加物
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系合成繊維の難燃剤に関する。さらに詳しくは、非ハロゲン系の後加工用難燃剤に関する。
従来、ポリエステル系合成繊維からなる綿及び糸、並びにそれらからなる編織物又は不織布に使用される後加工用難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカンの水性分散液等のハロゲン系化合物が使用されてきたが(例えば、特許文献1)、ハロゲン系化合物は、環境保護の観点から問題となってきており、最近では非ハロゲン系の難燃剤が求められている。ハロゲン系化合物に変わる難燃剤成分として、各種リン系化合物が検討され、例えば、ポリフォスフェート化合物が提案され(例えば、特許文献2及び3)、乳化分散物として市販されている。これらの乳化分散物は、染浴中又はパディング浴中に添加し、ポリエステル系合成繊維に付与されるが、これらの乳化分散物が染浴同浴で付与される際に染料の分散性を阻害し、染色性を低下させるという問題があった。また、これらの乳化分散物は保存安定性も悪く、経時で乳化破壊を起こし、難燃性不良や染色ムラ等の染色不良を引き起こす問題もあった。
特開昭57−137377号公報 特公平2−18336号公報 特開平8−41781号公報
本発明の目的は、保存安定性が良好で、耐久性のある難燃性を付与すると同時に、染色剤の染色性に影響を与えない、ポリフォスフェート化合物を含むポリエステル系合成繊維用難燃剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、水に対して乳化分散性に優れ、保存安定性が良好で、ポリエステル系合成繊維に安定で良好な難燃性を付与出来ると同時に染色剤の染色性に影響を与えない難燃剤を見いだし、本発明に到達した。
即ち本発明は、下記(A)〜(C)からなり、(A)〜(C)の含有比率が、(A)〜(C)の合計重量に基き、(A)60〜80%、(B)10〜30%、(C)5〜15%であるポリエステル系合成繊維用難燃剤;該難燃剤を処理してなる難燃化ポリエステル系合成繊維;並びに該難燃化ポリエステル系合成繊維を用いてなるポリエステル系合成繊維製品である。
(A)ホスホリルトリクロリドとフェノール及びレゾルシノールとの縮合物
(B)多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物(B1)及び多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物の硫酸エステル塩(B2)からなる界面活性剤
(C)下記一般式(1)で表され、HLBが9〜15である脂肪族アルコールアルキレンオキシド付加物
R−[O(QO)n]k (1)
(式中、Rはk個の水酸基を持つ炭素数1〜6の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基;Qは炭素数2〜8のアルキレン基;kは1又は2、nは平均が1〜20の1以上の整数である。)
本発明の難燃剤は以下の効果を奏する。
(1)水に容易に乳化分散させることが出来、かつエマルション粒子が微細であるため、染料の分散性を阻害せず、染色性に影響を与えない。
(2)長期保存安定性に優れ、長期間保存した難燃剤を使用してもポリエステル系合成繊維に対して良好な難燃性の付与が出来、かつ染色性にも影響を及ぼさない。
(3)本発明の難燃剤で後加工難燃処理されたポリエステル系合成繊維は、難燃効果の耐久性、例えば耐洗濯性及び耐ドライクリーニング性等にも優れている。
本発明の難燃剤を構成する第一の成分(A)は、ホスホリルトリクロリドと、フェノール及びレゾルシノールとの縮合物であり、ホスホリルトリクロリド、フェノール及びレゾルシノールにルイス酸触媒(塩化マグネシウム等)を加え、100〜200℃(好ましくは120〜180℃)で、系外にハロゲン化水素を除去しながら2〜10時間反応する方法で得られる。ホスホリルトリクロリドとフェノール及びレゾリシノールの仕込みモル比は、通常1〜1.2/1/0.45〜0.55、好ましくは1〜1.1/1/0.47〜0.53である。
(A)は、リン酸トリフェニル(A1)、リン酸(3−ヒドロキシフェニル)ジフェニル(A2)、リン酸ジ(3−ヒドロキシフェニル)フェニル(A3)、1,3−フェニレンビス(リン酸ジフェニル)(A4)及び1,3−フェニレン(リン酸ジフェニル)〔リン酸(3−ヒドロキシフェニル)フェニル〕(A5)の混合物であり、(A1)は、(A)の全組成中通常3重量%以下、好ましくは乳化分散性の観点から2重量%以下、(A2)+(A3)は、(A)の全組成中通常7重量%以下、好ましくは難燃性の観点から5重量%以下、(A4)+(A5)は、(A)の全組成中90重量%以上、好ましくは難燃性の観点から93重量%以上である。(A)の具体例としては、例えば、大八化学工業株式会社製「CR733S」等が挙げられる。
第二の成分である界面活性剤(B)は、多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物(B1)及び多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物の硫酸エステル塩(B2)からなる界面活性剤である。
(B1)を形成する多環フェノール類(環数4〜20)としてはフェニルフェノール、クミルフェノール、ナフトール等のフェノール類にスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン等)を2〜18モル付加させたもの、例えば、スチレン化フェニルフェノール、スチレン化クミルフェノール、スチレン化ナフトール、α−メチルスチレン化フェニルフェノール等の多環フェノール類が挙げられる。好ましいものは、スチレン化(3〜10モル)クミルフェノール、αーメチルスチレン化(3〜10モル)クミルフェノールである。
多環フェノール類は常法に従って、キシレン中でフェノール類とスチレン類に酸触媒(活性白土)を加え、100〜150℃(好ましくは110〜140℃)で、2〜10時間反応後、酸触媒をろ過で取り除き、キシレンを溜去する方法で得られる。
(B1)に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,4−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等及びこれらの混合物であり、これらの単独の付加でも併用の付加でも良く、好ましくはEO単独の付加である。アルキレンオキシドの付加モル数としては、通常3〜100、好ましくは5〜50である。
(B1)は上記の多環フェノール類(環数4〜20)にアルキレンオキシドを常法に従って、アルカリ触媒(例えば、水酸化ナトリウム等)下、150〜200℃(好ましくは160〜190℃)で付加反応する方法で得られる。
(B2)は多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物を常法に従って、硫酸エステル化しアルカリ性化合物で中和する方法又はスルファミン酸と反応させることにより得られる。多環フェノール類、アルキレンオキシド、アルキレンオキシドの付加モル数は、(B1)に用いられるものと同様であり、好ましいものも同様である。アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア、炭素数1〜5のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、好ましいものは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミンである。
(B1):(B2)の配合比は、重量比で1:(0.01〜7)、好ましくは1:(0.03〜5)である。(B2)が0.01未満の場合、乳化分散性が不良となり、染色性が悪くなる。(B2)が7を超えると本発明の難燃剤により処理した繊維又は繊維製品の洗濯後及びドライクリーニング後の難燃性が悪くなる。
第三の成分である(C)は、下記一般式(1)で表され、HLBが9〜15である脂肪族アルコールアルキレンオキシド付加物である。
R−[O(QO)n]k (1)
式中、Rはk個の水酸基を持つ炭素数1〜6の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基;Qは炭素数2〜8のアルキレン基;kは1又は2、nは平均が1〜20の1以上の整数である。
kは1又は2であり、炭素数1〜6の脂肪族アルコール[R(OH)k](c1)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、3−メチルブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは乳化分散性の観点から、1価アルコールであり、より好ましいものはn−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールである。
Qは炭素数2〜8のアルキレン基であり、例えばエチレン基、プロピレン基、1,2−、2,3−、又は1,4−ブチレン基、フェニルエチレン基等が挙げられる。好ましいのはエチレン基および1,2−プロピレン基、特に好ましいのはエチレン基である。
QOの部分はアルキレンオキシドの付加により形成される。このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)、1,2−又は2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド等が挙げられる。付加するアルキレンオキシドのうち、エチレンオキシドの含有量は、乳化分散性の観点から40〜100重量%であることが好ましく、特に好ましいのは、EO単独又はEOとPOの併用である。アルキレンオキシドを併用する場合はブロック付加でもランダム付加でも、またはそれらの併用でもよい。
nは平均が1〜20、好ましくは2〜15の1以上の整数である。kの平均が1未満の場合は相溶性が悪く、長期保存安定性が不十分となり、平均が20を超える場合は本発明の難燃剤の粘度が高くなり、取り扱い作業性が悪くなる。またkの平均が2〜15であれば、本発明の難燃剤の粘度が低く、取り扱い作業性の観点で好ましい。
(C)のHLB値は通常9〜15、好ましくは9.2〜14.5、さらに好ましくは9.3〜14である。HLBが9未満であると乳化分散性が悪くなり、HLB値が15を超えると製品安定性が不良となる。なお、(C)のHLB値はグリフィンの計算式より算出されるものである。
本発明の難燃剤において、(A)は、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基き、60〜80重量%であることが好ましく、65〜75重量%であることがより好ましい。(A)を60重量%以上配合すれば、本発明の難燃剤により処理した繊維又は繊維製品の洗濯後及びドライクリーニング後の難燃性がとくに良好となり、80重量%以下であれば乳化分散性が向上し易い。
(B)は(A)、(B)及び(C)の合計重量に基き、10〜30重量%であることが好ましく、12〜28重量%であることがより好ましい。(B)が10%以上であれば乳化分散性が良好になり、30重量%以下であれば保存安定性が向上し易い。
(C)は乳化分散性の観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基き、5〜15重量%であることが好ましく、7〜13重量%であることがより好ましい。
本発明の難燃剤の製造法に特に制限はなく、例えば(A)と(B)との混合物に撹拌しながら、徐々に(C)を加えていくことにより製造することが出来る。
本発明の難燃剤を水中に乳化分散したものの体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定法で測定した値である(堀場製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700を使用)。ポリエステル繊維への吸着性と洗濯後及びドライクリーニング後の難燃性の観点から、体積平均粒径は、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲であり、より好ましくは0.05〜0.4μmの範囲である。0.01μm以上であれば(B)がポリエステル系合成繊維に吸着し易く、0.5μm以下であれば(B)がポリエステル系合成繊維の内部に浸透し、洗濯後及びドライクリーニング後の難燃性がとくに良好となる。
本発明の難燃剤の40〜90重量%の水系エマルションの25℃における粘度は、好ましくは10、000mPa・s以下、さらに好ましくは300〜8,000mPa・sである。40〜90重量%の水系エマルションの粘度が10、000mPa・s以下であれば、水に容易に乳化分散させることが出来、かつエマルション粒子が微細であるため、染料の分散性を阻害せず、染色性に優れる。粘度はBL型粘度計によって測定した値である。
本発明の難燃剤のポリエステル系合成繊維に対する処理は、公知の技術で処理することができる。例えば、ポリエステル系合成繊維又はポリエステル系合成繊維布を液流染色機を用いて染色する際、該処理剤を染浴に添加し、染色と難燃処理を同時に行う方法(洗浴同浴処理法)が挙げられる。この場合、繊維又は繊維布を浸漬して、80℃から130℃の温度で数分から60分程度の範疇で処理を行う。その後必要により遠心脱水機等を用いて脱水した後、テンター等により、120℃から180℃の温度で1〜10分熱処理を行う。
別の処理法としては、ポリエステル系合成繊維又はポリエステル系合成繊維布を処理剤に浸漬した後、100℃から140℃の温度で数分乾燥し、さらにテンター等により、120℃から180℃の温度で数分程度熱処理を行うパッド−ドライ法;該処理剤を繊維又は繊維布に吹きつけるスプレー法で処理した後、100℃から140℃の温度で数分乾燥し、さらにテンター等により、120℃から180℃の温度で数分程度熱処理を行う方法等が挙げられる。
これらのうち、洗濯後及びドライクリーニング後の難燃性の観点から、染浴同浴処理法が好ましい。
本発明の難燃剤は難燃性及び摩擦堅牢度の観点から、ポリエステル系合成繊維に対して0.1〜30重量%付着させるのが好ましく、1〜25%付着させるのがさらに好ましい。
また、本発明の難燃剤には、必要に応じて他の添加剤を含有させることができる。他の添加剤としては、柔軟剤(シリコーン系エマルション、たとえば三洋化成工業製サファノールN−750)、吸水加工剤(ポリエステル系樹脂エマルション、たとえば三洋化成工業製パーマリンMR−100)、帯電防止剤(リン酸エステル塩系界面活性剤、たとえば三洋化成工業製サンスタットKT−600)、撥水撥油剤(パラフィン系ワックス、たとえば三洋化成工業製アイソトールH)、スリップ防止剤(コロイダルシリカ、たとえば三洋化成工業製パーマリンSCC−A)、硬仕上剤、風合い調整剤、防腐剤、酸化防止剤、PH調整剤等が挙げられ、本発明を阻害しない範囲で同浴でも別浴でも使用可能である。
他の添加剤を使用するとき、他の添加剤の添加量(重量%)は、(A)、(B)及び
(C)の合計の重量に基いて、柔軟剤、吸水加工剤、帯電防止剤の場合、、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。撥水撥油剤、スリップ防止剤、硬仕上げ剤、風合い調整剤の場合、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。防腐剤、酸化防止剤、PH調整剤の場合、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
本発明の難燃剤を適用することができるポリエステル系合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレ−ト/イソフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリエチレン/ポリオキシベンゾイルテレフタレ−ト、及びポリブチレンテレフタレー
ト/イソフタレート等が挙げられる。ポリエステル繊維の形態としては綿、糸、トウ、トップ、カセ、編織物及び不織布等があげられる。さらに2種以上の異なる組成のポリエステル系合成繊維を用いた混紡及び交織織物、又は上記ポリエステル繊維と他の天然(綿、麻、羊毛等)、半合成(レーヨン、アセテート等)、合成(ナイロン、アクリル等)、無機(炭素、ガラス、セラミックス、アスベスト、金属等)繊維との混紡及び交織織物等があげられる。
本発明での難燃剤で処理して得られるポリエステル系合成繊維の用途としてはシート(自動車、鉄道、船舶及び航空機等の交通機関用シート、劇場、病院及びホテル等の公共施設用シート、並びに家庭用のシート等)、シートカバー、カーテン、ロールカーテン、壁・天井クロス、障子紙、カーペット、どん帳、建築用養生シート、防護用ネット並びにテント等の繊維製品があげられる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中、部は重量部、%は重量%、比は重量比を示す。
製造例1
キシレン500部にクミルフェノール106部とスチレン408部、活性白土[品名ガレオンアースV1(水澤化学工業株式会社製)]15部を加え、130℃で、4時間反応後、活性白土をろ過で取り除き、その後キシレンを溜去した。これに水酸化ナトリウム2部を加え、170℃でエチレンオキサイド440部を滴下しながら反応させ、スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物(b1−1)を得た。
製造例2
エチレンオキサイドの仕込量を変えたこと以外は製造例1と同様にしてスチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド30モル付加物(b1−2)を製造した。
製造例3
スチレンの代わりにα−メチルスチレンを用い、製造例1と同様にして、α−メチルスチレン化(5モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物(b1−3)を製造した
製造例4
(b1−1)450部にスルファミン酸24.3部を加え、90℃で5時間反応し、スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物硫酸エステルアンモニウム塩(b2−1)を得た。
製造例5
(b1−2)22.5部を50部の四塩化炭素中で−10℃で攪拌しておき、これに、クロル硫酸11.5部を30分間かけて徐々に加え、1.5時間反応後、ジエタノールアミン10.5部を攪拌しながら徐々に加え、中和した。減圧下で四塩化炭素を留去し、スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド30モル付加物硫酸エステルジエタノールアミン塩(b2−2)を製造した。
比較製造例1
(b1−1)の代わりに、ノニルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物(d1−1)を用い、製造例4と同様の方法により、ノニルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物硫酸エステルアンモニウム塩(d2−1)を製造した。
比較製造例2
ブタノールにプロピレンオキサイド30モルを反応させ、ポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル(d−2)を製造した。
実施例1
下記配合処方に従い、50℃にて撹拌機付き反応槽で均一になるまで配合し、難燃剤(S1)を100部得た。「S1」は淡黄色液状でpH6.5(1%水溶液)、濃度80%の水系エマルションの粘度は7300mPa・s(25℃)、(S1)1gを99gのイオン交換水に乳化分散させた乳化液の体積平均粒径0.2μmであった。 配合処方:
・ホスホリルトリクロリド、フェノール及びレゾルシノールとの縮合物
(大八化学工業株式会社製「CR733S」[(A1):2%、(A2)+( A3):2%、(A4)+(A5):96%)](a)70部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モルブロック 付加物(b1−1)5部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物硫 酸エステルアンモニウム塩(b2−1)17部
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル(平 均分子量250、HLB=10、EO:PO=1:1(重量比、ランダム付加 物)三洋化成工業株式会社製「ニューポール50HB−55」)(c−1)8部
実施例2
下記配合処方に従い、実施例1と同様の方法で、難燃剤「S2」を100部得た。「S2」は淡黄色液状でpH7(1%水溶液)、濃度80%の水系エマルションの粘度は6500mPa・s(25℃)、(S2)1gを99gのイオン交換水中に乳化分散させた乳化液の体積平均粒径0.2μmであった。
配合処方:
・(a)70部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド30モルブロック 付加物(b1−2)5部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド30モル付加物硫 酸エステルジエタノールアミン塩(b2−2)17部
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル
(平均分子量250、HLB=10、EO:PO=1:1(重量比ランダム 付加物)(c−1) 5部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(日本乳化剤工業株式会社製「ブチ ルジグリコール」)(c−2)
(平均分子量162、HLB=10.5) 3部
実施例3
下記配合処方に従い、実施例1と同様の方法で、難燃剤「S3」を100部得た。「S3」は淡黄色液状でpH6.5(1%水溶液)、濃度80%の水系エマルションの粘度は8000mPa・s(25℃)、(S3)1gを99gのイオン交換水中に乳化分散させた乳化液の体積平均粒径0.1μmであった。
配合処方:
・(a)65部
・α−メチルスチレン化(5モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モ ルブロック付加物(b1−3)10部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド25モル付加物硫 酸エステルアンモニウム塩(b2−1)12部
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル(c −3)(平均分子量550、HLB=9.5、EO:PO=1:1(重量比ラ ンダム付加物)三洋化成工業株式会社製「ニューポール50HB−100」)8部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(c−2)
(平均分子量162、HLB=10.5) 5部
比較例1
下記配合処方に従い、実施例1と同様の方法で、比較の難燃剤「X1」を100部得た。「X1」は淡黄色液状でpH6.5(1%水溶液)、濃度80%の水系エマルションの粘度は21000mPa・s(25℃)、(X1)1gを99gのイオン交換水中に乳化分散させた乳化液の体積平均粒径1.1μmであった。
配合処方:
・(a)70部
・ノニルフェノールエチレンオキサイド20モルブロック付加物(d1−1) 三洋化成工業株式会社製「ノニポール200」)5部
・ノニルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物硫酸エステルアンモニウ ム塩(d2−1)17部
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル(c −1)(平均分子量250、HLB=10、EO:PO=1:1(重量比ラン ダム付加物)8部
比較例2
下記配合処方に従い、実施例1と同様の方法で、比較の難燃剤「X2」を100部得た。「X2」は淡黄色液状でpH6.5(1%水溶液)、濃度80%の水系エマルションの粘度は33000mPa・s(25℃)、(X2)1gを99gのイオン交換水中に乳化分散させた乳化液の体積平均粒径2.1μmであった。
配合処方:
・(a)70部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モルブロック 付加物(b1−1)5部
・スチレン化(7モル)クミルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物硫 酸エステルアンモニウム塩(b2−1)17部
・ポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル(d−2)
(平均分子量1770、HLB=8.8)8部
比較例3
(a)45部とノニルフェノールEO15モル付加物5部の混合物に、水を50部を撹拌しながら少しづつ加えて乳化分散し、比較の難燃剤「X3」を得た。「X3」は乳白色のエマルションで、pH6.5(1%水溶液)、濃度50%の水系エマルションの粘度185mPa・s(25℃)、(X3)1gを99gイオン交換水中に乳化分散させた乳化液の体積平均粒径1.2μmであった。
実施例1〜3及び比較例1〜3の難燃剤について、難燃性、乳化分散性及び染色性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007092243
実施例および比較例の難燃剤の難燃性、乳化分散性及び染色性の試験法は以下の通りである。
(1)難燃性
200g/mのポリエステル織布に染料Daianix Red F3B−SF(三菱化成製)1%o.w.f.(on weight fiberの略で、繊維当りの付着量を意味する),分散均染剤イオネットRAP−250(三洋化成工業製)0.5g/l,本発明の難燃剤、比較の難燃剤1,2については9%o.w.f.、比較の難燃剤3については15%o.w.f.を浴比(布重量に対する液量を表す)1:20の水溶液中で、カラ−マスタ−(辻井染機製染色機)で130℃×30分間処理し、水洗・乾燥(100℃×3分間)後熱処理(170℃×1分間)し、JISL−1091D法に従い難燃性試験を行った。洗濯はJISL−1042,ドライクリ−ニングはJISL−1018に従った。また、50℃で90日間保管した難燃剤についても同様の評価を行った。
(2)乳化分散性
本発明の難燃剤又は比較の難燃剤1gをイオン交換水99gにかき混ぜながら乳化分散させ、堀場製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700により、得られたエマルションの体積平均粒径を測定した。また、50℃で90日間保管した難燃剤にについても同様の評価を行った。
(3)染色性
カラーペットホルダーに150g/mのポリエステル織布を巻取り、KayalonPolyester Navy Blue 2R−SF(日本化薬製)3%o.w.f.,分散均染剤イオネットRAP-250(三洋化成工業製)0.5g/l,本発明の難燃剤、比較の難燃剤1,2については9%o.w.f.、比較の難燃剤3については15%o.w.f.を浴比1:10、pH5(酢酸で調整)の水溶液中で染色し、以下の2つの条件[(i)、(ii)]で処理し、それぞれについてケーシングスポットの発生状況を肉眼で観察することにより染料の分散性を判定した。
(i)60℃より1℃/分で昇温し、90℃になればホルダーを取り出す。
(ii)60℃より1℃/分で昇温し、110℃になれば90℃まで降温し、ホルダーを取り出す。また、50℃で90日間保管した難燃剤についても同様の評価を行った。

評価基準 ○:ケーシングスポットなし 、△:ケーシングスポットの発生小、
×:ケーシングスポットの発生大
本発明の難燃剤で後加工難燃処理されたポリエステル系合成繊維は、耐久性に優れた難燃性を示すとともに、同浴処理する染色剤の染色性を阻害することがなく、またハロゲン原子を含まないためポリエステル系繊維の燃焼時においてハロゲン化ガスを発生することがないといった特徴を有することから、ポリエステル系合成繊維の後加工用難燃剤として好適である。

Claims (5)

  1. 下記(A)〜(C)からなり、(A)〜(C)の含有比率が、(A)〜(C)の合計重量に基き、(A)60〜80%、(B)10〜30%、(C)5〜15%であるポリエステル系合成繊維用難燃剤。
    (A)ホスホリルトリクロリドと、フェノール及びレゾルシノールとの縮合物
    (B)多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物(B1)及び多環フェノール類(環数4〜20)のアルキレンオキシド付加物の硫酸エステル塩(B2)からなる界面活性剤
    (C)下記一般式(1)で表され、HLBが9〜15である脂肪族アルコールアルキレンオキシド付加物
    R−[O(QO)n]k (1)
    (式中、Rはk個の水酸基を持つ炭素数1〜6の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基;Qは炭素数2〜8のアルキレン基;kは1又は2、nは平均が1〜20の1以上の整数である。)
  2. 前記難燃剤を水中に乳化分散して得られるエマルションの体積平均粒径が0.01〜0.5μmである請求項1記載の難燃剤。
  3. 前記難燃剤の、25℃における40〜90重量%の水系エマルションの粘度が10、000mPa・s以下である請求項1又は2記載の難燃剤。
  4. ポリエステル系合成繊維に対して請求項1〜3のいずれか記載の難燃剤を0.1〜30重量%付着させた後、熱処理して得られる難燃化ポリエステル系合成繊維。
  5. 請求項4記載の難燃化ポリエステル系合成繊維を用いてなる、座席用、内装材用、建築養生用、防護ネット用、テント用又は帆布用のポリエステル系合成繊維製品。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014000736A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd 難燃性インクジェット記録用不織布

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