JP2003193368A - ポリエステル系繊維品の難燃加工剤と難燃加工方法 - Google Patents

ポリエステル系繊維品の難燃加工剤と難燃加工方法

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JP2003193368A JP2002297162A JP2002297162A JP2003193368A JP 2003193368 A JP2003193368 A JP 2003193368A JP 2002297162 A JP2002297162 A JP 2002297162A JP 2002297162 A JP2002297162 A JP 2002297162A JP 2003193368 A JP2003193368 A JP 2003193368A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン系難燃剤を用いることなく、ポリエス
テル系繊維品に耐久性にすぐれる難燃性を付与すること
ができる難燃加工剤を提供する。 【解決手段】1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリー
ルホスフェート)とジアリールアミノホスフェートとア
リールジアミノホスフェートとから選ばれる少なくとも
1種のリン酸アミドを難燃剤としてノニオン系界面活性
剤又はアニオン系界面活性剤の存在下に溶剤に分散させ
てなるポリエステル系繊維品の難燃加工剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系繊
維品の難燃加工に関し、詳しくは、ポリエステル系繊維
品にハロゲン系難燃剤を用いることなく、耐久性にすぐ
れる難燃性を付与することができる難燃加工剤とそれを
用いる難燃加工方法とそれを用いて得られる難燃加工ポ
リエステル系繊維品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系繊維品に後加工に
よって難燃性を付与する方法が種々、知られている。例
えば、難燃剤として、ハロゲン系化合物、代表的には、
例えば、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシク
ロドデカンのような臭素化シクロアルカンを難燃剤とし
て分散剤にて水に分散させてなる難燃加工剤をポリエス
テル系繊維品に付着させる方法が知られている(例え
ば、特許文献1参照)。
【0003】しかしながら、このように、ポリエステル
系繊維品にハロゲン系化合物を付着させて難燃性を付与
する方法によれば、このようなポリエステル系繊維品が
燃焼したとき、有害なハロゲン化ガスが発生し、これが
環境に有害な影響を及ぼす等の問題がある。従って、近
年においては、難燃剤として、このようなハロゲン系化
合物を用いることが規制されるに至っている。
【0004】そこで、これまでも、このようなハロゲン
系化合物に代えて、ハロゲンを含まないリン酸エステル
を難燃剤として用いて、ポリエステル系繊維品に難燃性
を付与することが行われている。このようなリン酸エス
テルとして、例えば、トリクレジルホスフェートのよう
な芳香族モノホスフェートやレゾルシノールビス(ジフ
ェニルホスフェート)のような芳香族ジホスフェート等
が知られている。しかし、従来、難燃剤として知られて
いるこのようなリン酸エステルは、ポリエステル系繊維
品に耐洗濯性にすぐれる難燃性を付与することができる
が、耐ドライクリーニング性が十分でない。
【0005】更に、このようなリン酸エステルをポリエ
ステル系繊維品に付与して難燃加工しても、時間の経過
と共にこのリン酸エステルがポリエステル系繊維品の表
面に次第に移行し、その際に、ポリエステル系繊維品の
染色に用いた分散染料等も、このリン酸エステルに溶解
した状態で一緒に表面に移行して、所謂表面ブリードを
生じるので、染色堅牢度が低下するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特公昭53−8840号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
ポリエステル系繊維品の難燃加工における上述した問題
を解決するために鋭意研究した結果、ハロゲン系難燃剤
によることなく、ある種のリン酸アミドを難燃剤として
用いることによって、耐久性にすぐれる難燃性をポリエ
ステル系繊維品に付与し得ることを見出して、本発明に
至ったものである。 従って、本発明は、ポリエステル
系繊維品に耐久性にすぐれる難燃性を付与することがで
きる難燃加工剤とそれを用いる難燃加工方法と、更に
は、それを用いて得られる難燃加工ポリエステル系繊維
品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Ar1、Ar2、Ar3 及びAr4
はそれぞれ独立にアリール基を示す。)で表される1,
4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェー
ト)、(B)一般式(II)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれ独立
にアリール基を示し、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR1 及びR
2 は相互に結合して環を形成していてもよい。)で表さ
れるジアリールアミノホスフェート、及び(C)一般式
(III)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、Ar1 はアリール基を示し、
1、R2、R3 及びR4 はそれぞれ独立に水素原子、低
級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル
基又はアラルキル基を示し、又はR1 とR2 は相互に結
合して環を形成してもよく、また、R3 とR4 は相互に
結合して環を形成していてもよい。)で表されるアリー
ルジアミノホスフェートから選ばれる少なくとも1種の
リン酸アミドをノニオン系界面活性剤及びアニオン系界
面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の存
在下に溶剤に分散させてなることを特徴とするポリエス
テル系繊維品の難燃加工剤が提供される。
【0015】また、本発明によれば、上記難燃加工剤に
よってポリエステル系繊維品を難燃加工することを特徴
とするポリエステル系繊維品の難燃加工方法が提供され
る。
【0016】更に、本発明によれば、上記難燃加工剤に
よって難燃加工してなることを特徴とする難燃加工ポリ
エステル系繊維品が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリエステル系
繊維品とは、少なくともポリエステル繊維を含む繊維
と、そのような繊維を含む糸、綿、編織布や不織布等の
布帛をいい、好ましくは、ポリエステル繊維、これより
なる糸、綿、編織布や不織布等の布帛をいう。
【0018】上記ポリエステル系繊維は、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート/5−ソジオスルホイソフタレート、ポリエチレン
テレフタレート/ポリオキシベンゾイル、ポリブチレン
テレフタレート/イソフタレート等を挙げることができ
るが、しかし、これら例示したものに限定されるもので
はない。
【0019】本発明に従って難燃加工されたポリエステ
ル系繊維品は、例えば、座席シート、シートカバー、カ
ーテン、壁紙、天井クロス、カーペット、緞帳、建築養
生シート、テント、帆布等に好適に用いられる。
【0020】本発明によるポリエステル系繊維品の難燃
加工剤は、(A)一般式(I)
【0021】
【化7】
【0022】(式中、Ar1、Ar2、Ar3 及びAr4
はそれぞれ独立にアリール基を示す。)で表される1,
4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェー
ト)、(B)一般式(II)
【0023】
【化8】
【0024】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれ独立
にアリール基を示し、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR1 及びR
2 は相互に結合して環を形成していてもよい。)で表さ
れるジアリールアミノホスフェート、及び(C)一般式
(III)
【0025】
【化9】
【0026】(式中、Ar1 はアリール基を示し、
1、R2、R3 及びR4 はそれぞれ独立に水素原子、低
級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル
基又はアラルキル基を示し、又はR1 とR2 は相互に結
合して環を形成していてもよく、また、R3 とR4 は相
互に結合して環を形成していてもよい。)で表されるア
リールジアミノホスフェートから選ばれる少なくとも1
種のリン酸アミドを難燃剤としてノニオン系界面活性剤
及びアニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種
の界面活性剤の存在下に溶剤に分散させてなるものであ
る。
【0027】上記一般式(I)で表される第一のリン酸
アミド、1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホ
スフェート)において、Ar1、Ar2、Ar3 及びAr
4 はそれぞれ独立にアリール基であり、好ましくは、炭
素原子数6〜18のアリール基である。このようなアリ
ール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニ
ル等を挙げることができ、なかでも、フェニルが好まし
い。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級
アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で
有していてもよい。このような低級アルキル基を有する
アリール基として、例えば、トリル基、キシリル基、メ
チルナフチル基等を挙げることができる。
【0028】本発明によれば、上述したような第一のリ
ン酸アミドの好ましい具体例として、1,4−ピペラジ
ンジイルビス(ジフェニルホスフェート)を挙げること
ができる。
【0029】例えば、この1,4−ピペラジンジイルビ
ス(ジフェニルホスフェート)は、特開平10−175
985号公報に記載されているように、溶剤中、アミン
触媒の存在下にピペラジンにジフェニルホスホロクロリ
デートを反応させることによって得ることができる。
【0030】上記一般式(II)で表わされる第二のリン
酸アミド、ジアリールアミノホスフェートにおいて、A
1 及びAr2 はそれぞれ独立にアリール基であり、好
ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基である。こ
のようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチ
ル、ビフェニル等を挙げることができ、なかでも、フェ
ニルが好ましい。これらのアリール基は、炭素原子数1
から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜
3個の範囲で有していてもよい。そのような低級アルキ
ル基を有するアリール基として、例えば、トリル基、キ
シリル基、メチルナフチル基等を挙げることができる。
【0031】上記一般式(II)で表わされるジアリール
アミノホスフェートにおいて、R1及びR2 はそれぞれ
独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR
1 及びR2 は相互に結合して、リン原子に結合している
窒素原子と共に環を形成していてもよい。
【0032】上記一般式(II)において、上記低級アル
キル基は、好ましくは、炭素原子数1から4のアルキル
基であり、メチル、エチル、プロピル又はブチルであ
る。炭素原子数3以上のアルキル基は直鎖状でも分岐鎖
状でもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル等を例示するこ
とができるが、好ましくは、シクロヘキシルである。ア
リール基は、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリー
ル基であり、このようなアリール基として、例えば、フ
ェニル、ナフチル、ビフェニル等を挙げることができ、
なかでも、フェニルが好ましい。これらのアリール基
は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、
好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。その
ような低級アルキル基を有するアリール基として、例え
ば、トリル基、キシリル基、メチルナフチル基等を挙げ
ることができる。また、アラルキル基は、好ましくは、
ベンジル又はフェネチルであり、これらはフェニル基上
に炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好
ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。
【0033】更に、上記一般式(II)において、R1
びR2 は相互に結合して、リン原子に結合している窒素
原子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、
通常、6員環であることが好ましく、従って、そのよう
な6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、
モルホリノ等を挙げることができる。
【0034】従って、第二のリン酸アミドの好ましい具
体例として、例えば、アミノジフェニルホスフェート、
メチルアミノジフェニルホスフェート、ジメチルアミノ
ジフェニルホスフェート、エチルアミノジフェニルホス
フェート、ジエチルアミノジフェニルホスフェート、プ
ロピルアミノジフェニルホスフェート、ジプロピルアミ
ノジフェニルホスフェート、オクチルアミノジフェニル
ホスフェート、ジフェニルウンデシルアミンのホスフェ
ート、シクロヘキシルアミノジフェニルホスフェート、
ジシクロヘキシルアミノジフェニルホスフェート、アリ
ルアミノジフェニルホスフェート、アニリノジフェニル
ホスフェート、ジ−o−クレジルフェニルアミノホスフ
ェート、ジフェニル(メチルフェニルアミノ)ホスフェ
ート、ジフェニル(エチルフェニルアミノ)ホスフェー
ト、ベンジルアミノジフェニルホスフェート、モルホリ
ノジフェニルホスフェート等を挙げることができる。
【0035】このようなジアリ−ルアミノホスフェ−ト
は、特開2000−154277号公報に記載されてい
るように、有機溶剤中、アミン触媒の存在下にジアリー
ルホスホロクロリデートに有機アミン化合物を反応させ
ることによって得ることができる。
【0036】特に、本発明によれば、一般式(II)で表
されるリン酸アミドにおいて、Ar 1 及びAr2 は好ま
しくはフェニル又はトリルであり、R1 及びR2 は一方
が水素原子であり、他方がフェニル又はシクロヘキシル
であるものである。このようなリン酸アミドとして、例
えば、アニリノジフェニルホスフェート、ジ−o−クレ
ジルフェニルアミノホスフェート又はシクロヘキシルア
ミノジフェニルホスフェートを挙げることができる。
【0037】上記一般式(III) で表わされる第三のリ
ン酸アミド、アリールジアミノホスフェートにおいて、
Ar1 はアリール基であり、好ましくは、炭素原子数6
〜18のアリール基である。このようなアリール基とし
て、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル等を挙げ
ることができ、なかでも、フェニルが好ましい。これら
のアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基
を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していて
もよい。そのような低級アルキル基を有するアリール基
として、例えば、トリル基、キシリル基、メチルナフチ
ル基等を挙げることができる。
【0038】上記一般式(III) で表されるアリールジ
アミノホスフェートにおいて、R1、R2、R3 及びR4
はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示
し、又はR1 とR2 は相互に結合して、リン原子に結合
している窒素原子と共に環を形成してもよく、また、R
3 とR4 も同様に、相互に結合して、リン原子に結合し
ている窒素原子と共に環を形成してもよい。
【0039】上記一般式(III) において、上記低級ア
ルキル基は、好ましくは、炭素原子数1から4のアルキ
ル基であり、メチル、エチル、プロピル又はブチルであ
る。炭素原子数3以上のアルキル基は直鎖状でも分岐鎖
状でもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル等を例示するこ
とができるが、好ましくは、シクロヘキシルである。ア
リール基は、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリー
ル基であり、このようなアリール基として、例えば、フ
ェニル、ナフチル、ビフェニル等を挙げることができ、
好ましくは、フェニルである。これらのアリール基は、
炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ま
しくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。そのよう
な低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、
トリル基、キシリル基、メチルナフチル基等を挙げるこ
とができる。また、アラルキル基は、好ましくは、ベン
ジル又はフェネチルであり、これらはフェニル基上に炭
素原子数1から4の低級アルキル基を有していてもよ
い。
【0040】更に、上記一般式(III) において、R1
とR2 は相互に結合して、リン原子に結合している窒素
原子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、
通常、6員環であることが好ましく、従って、そのよう
な6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、
モルホリノ等を挙げることができる。同様に、R3 とR
4 も、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原
子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、通
常、6員環であることが好ましく、従って、そのような
6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、モ
ルホリノ等を挙げることができる。R1 とR2 の組合わ
せとR3 とR4 の組合わせのうち、一方のみが環を形成
していてもよく、両方共が環を形成していてもよい。
【0041】従って、第三のリン酸アミドの好ましい具
体例として、例えば、ジアミノフェニルホスフェート、
アミノメチルアミノフェニルホスフェート、ビス(メチ
ルアミノ)フェニルホスフェート、アミノエチルアミノ
フェニルホスフェート、ビス(エチルアミノ)フエニル
ホスフェート、アミノプロピルアミノフェニルホスフェ
ート、ビス(プロピルアミノ)フェニルホスフェート、
アミノオクチルアミノフェニルホスフェート、アミノウ
ンデシルアミノフェニルホスフェート、アミノシクロヘ
キシルアミノフェニルホスフェート、ビスシクロヘキシ
ルアミノフェニルホスフェート、ビスアリルアミノフェ
ニルホスフェート、アミノアニリノフェニルホスフェー
ト、ジアニリノフェニルホスフェート、アニリノメチル
アミノフェニルホスフェート、エチルアミノフェニルア
ミノフェニルホスフェート、ビスベンジルアミノフェニ
ルホスフェート、ジモルホリノフェニルホスフェート等
を挙げることができる。
【0042】このようなアリールジアミノホスフェ−ト
は、特開2000−154277号公報に記載されてい
るように、有機溶剤中、アミン触媒の存在下にアリール
ホスホロジクロリデートに有機アミン化合物を反応させ
ることによって得ることができる。
【0043】特に、本発明によれば、一般式(III) で
表されるリン酸アミドのうち、Ar1 がフェニルであ
り、R1 とR2 のうち、一方が水素原子であり、他方が
フェニル又はシクロヘキシルであるものが好ましく用い
られる。そのようなリン酸アミドの具体例として、ビス
シクロヘキシルアミノフェニルホスフェートやジアニリ
ノフェニルホスフェートを挙げることができる。
【0044】本発明によるポリエステル系繊維品の難燃
加工剤は、上述したようなリン酸アミドを難燃剤として
界面活性剤の存在下に溶剤に分散させてなるものであ
り、溶剤としては、通常、水が用いられるが、しかし、
必要に応じて、有機溶剤も用いられる。
【0045】上記界面活性剤としては、ノニオン系界面
活性剤やアニオン系界面活性剤が用いられ、また、ノニ
オン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とが併用され
てもよい。
【0046】本発明による難燃加工剤は、好ましくは、
上記リン酸アミドを上記界面活性剤と共に水に混合し、
湿式粉砕機を用いて粉砕して、微粒子化させることによ
って得ることができる。
【0047】上記ノニオン系活性剤としては、例えば、
高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、アルキル
フェノールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキ
レンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪族エステル
アルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアル
キレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキ
サイド付加物等のポリオキシアルキレン型非イオン系界
面活性剤や、アルキルグリコキシド、ショ糖脂肪酸エス
テル等の多価アルコール型非イオン系界面活性剤を挙げ
ることができる。
【0048】他方、上記アニオン系界面活性剤として
は、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アル
キルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸エステル塩
等の硫酸エステル塩や、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸等のスルホン酸塩、
高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールのア
ルキレンオキサイド付加物リン酸エステル塩等を挙げる
ことができる。
【0049】また、上記有機溶剤としては、例えば、ト
ルエン、キシレン、アルキルナフタレン等の芳香族炭化
水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
ジオキサン、エチルセロソルブ等のエーテル類、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等
のスルホキシド類、メチレンクロライド、クロロホルム
等のハロゲン化炭化水素類を挙げることができる。
【0050】上記界面活性剤や有機溶剤は、それぞれ単
独で用いてもよく、また、必要に応じて、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0051】一般に、繊維品を後加工によって難燃加工
する場合、用いる難燃剤の粒子径は、その加工によって
繊維品に付与される難燃性能に重要な影響を及ぼすの
で、難燃剤は、その粒子径が小さいほど、繊維品に高い
難燃性能を付与することができる。
【0052】そこで、本発明によれば、後加工によっ
て、難燃剤がポリエステル系繊維品の内部に十分に拡散
して、難燃剤による難燃性能が耐久性を有するように、
難燃剤の粒子径は、通常、0.3〜20μmの範囲であ
り、好ましくは0.3〜3μmの範囲である。
【0053】本発明による難燃加工剤は、ポリエステル
系繊維品を難燃加工するに際して、通常、水に希釈して
用いられる。このように希釈したとき、難燃加工剤中の
固形分(難燃剤リン酸アミド)は、1〜50重量%の範
囲が好ましい。また、難燃加工剤のポリエステル系繊維
品に対する付着量は、繊維品の種類によって異なるが、
難燃剤(リン酸アミド)の量にて、通常、0.05〜3
0重量%、好ましくは、0.5〜20重量%の範囲であ
る。難燃加工剤中のリン酸アミドのポリエステル系繊維
品への付着量が0.05重量%よりも少ないときは、ポ
リエステル系繊維品に十分な難燃性を付与することがで
きず、他方、30重量%を越えるときは、難燃加工後の
繊維品の風合いが粗硬になる等の不具合を生じる。
【0054】本発明による難燃加工剤をポリエステル系
繊維品に付与して、難燃加工する方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、難燃加工剤をポリエ
ステル系繊維品に付着させ、170〜220℃の温度で
熱処理して、難燃剤リン酸アミドを繊維内部へ吸尽させ
る方法を挙げることができる。この場合、ポリエステル
系繊維品に難燃加工剤を付着させるには、例えば、パデ
ィング法、スプレー法、コーティング法等によることが
できる。また、本発明による難燃加工剤をポリエステル
系繊維品に付与して、難燃加工する別の方法として、難
燃加工剤中にポリステル系繊維品を浸漬し、110〜1
40℃の温度で浴中処理して、難燃剤を繊維内部へ吸尽
させる方法等を挙げることができる。
【0055】本発明による難燃加工剤は、その性能が阻
害されない範囲内において、必要に応じて、前述した以
外の界面活性剤を分散剤として含んでいてもよい。更
に、本発明によれば、難燃加工剤は、必要に応じて、そ
の貯蔵安定性を高めるために、ポリビニルアルコール、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デン
プン糊等の保護コロイド剤、難燃加工剤の難燃性を高め
るための難燃助剤、耐光堅牢度を高めるための紫外線吸
収剤、酸化防止剤等を含んでいてもよい。更に、必要に
応じて、従来より知られている難燃剤を含んでいてもよ
い。
【0056】本発明による難燃加工剤は、他の繊維加工
剤と併用することもできる。このような繊維加工剤とし
ては、例えば、柔軟剤、帯電防止剤、撥水撥油剤、硬仕
上げ剤、風合調整剤等を挙げることができる。
【0057】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、難燃剤の平均粒子径について
は、難燃加工剤中のリン酸アミドの粒度分布を(株)島
津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−
2000Jで測定して、そのメディアン径を平均粒子径
として採用した。
【0058】実施例1 (難燃加工剤Aの製造)2L容量のセパラブルフラスコ
にジクロルエタン600mL、トリエチルアミン21
2.3g及びアニリン139.7gを仕込み、水冷下、
攪拌しつつ、これにジフェニルホスホロクロリド40
3.0gを20分かけて滴下した。滴下終了後、液温6
0℃で6時間攪拌を続けて、得られた析出物を濾過及び
水洗後、乾燥して、アニリノジフェニルホスフェート3
83gを得た。
【0059】このアニリノジフェニルホスフェート40
重量部、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム3.5重量
部及びシリコーン系消泡剤0.1重量部を水25重量部
に混合した。この混合物を直径0.8mmのガラスビー
ズを充鎮したミルに仕込み、上記リン酸アミドの平均粒
子径が0.526μmとなるまで、粉砕処理した後、1
05℃の温度で30分間乾燥したときの不揮発分濃度が
40重量%になるように調整して、本発明による難燃加
工剤Aを得た。
【0060】実施例2 (難燃加工剤Bの製造)実施例1で製造したアニリノジ
フェニルホスフェート40重量部、ノニルフェノールエ
チレンオキサイド9モル付加物3.5重量部、ドデシル
フェニルエーテルスルホン酸ナトリウム0.5重量部及
びシリコーン系消泡剤0.1重量部を水25重量部に混
合した。この混合物を直径0.8mmのガラスビーズを
充填したミルに仕込み、上記リン酸アミドの平均粒子径
が0.603μmとなるまで粉砕処理した後、105℃
の温度で30分間乾燥したときの不揮発分濃度が40重
量%になるように調整して、本発明による難燃加工剤B
を得た。
【0061】実施例3 (難燃加工剤Cの製造)2L容量のセパラブルフラスコ
にジクロロエタン200mLとシクロヘキシルアミン7
9.3gを仕込み、水冷下、攪拌しつつ、フェニルホス
ホロジクロリド42.2gを徐々に滴下した。滴下終了
後、液温60℃で2時間攪拌を続けた。得られた析出物
を濾過及び水洗後、乾燥して、ビスシクロヘキシルアミ
ノフェニルホスフェート55.8gを得た。
【0062】このビスシクロヘキシルアミノフェニルホ
スフェート40重量部、ドデシルジフェニルエーテルス
ルホン酸ナトリウム3.5重量部及びシリコーン系消泡
剤0.1重量部を水25重量部に混合した。この混合物
を直径0.8mmのガラスビーズを充填したミルに仕込
み、上記リン酸アミドの平均粒子径が0.556μmと
なるまで粉砕処理した後、105℃の温度で30分間乾
燥したときの不揮発分濃度が40重量%になるように調
整して、本発明による難燃加工剤をCを得た。
【0063】実施例4 (難燃加工剤Dの製造)2L容量のセパラブルフラスコ
に1,4−ジオキサン1000mL、トリエチルアミン
80.8g及びピペラジン34.4gを仕込み、水冷
下、攪拌しつつ、ジフェニルホスホロクロリド214.
8gを徐々に滴下した。滴下終了後、液温60℃で4時
間攪拌を続けた。得られた反応混合物を冷却した後、5
Lビーカーに移し、これに3Lの水を加えた。得られた
析出物を濾過及び水洗後、乾燥して、1,4−ピペラジ
ンジイルビス(ジフェニルホスフェート)212gを得
た。
【0064】この1,4−ピペラジンジイルビス(ジフ
ェニルホスフェート)40重量部、ジオクチルスルホ琥
珀酸ナトリウム3.5重量部及びシリコーン系消泡剤
0.1重量部を水25重量部に混合した。この混合物を
直径0.8mmのガラスビーズを充填したミルに仕込
み、上記リン酸アミドの平均粒子径が0.522μmと
なるまで粉砕処理した後、105℃の温度で30分間乾
燥したときの不揮発分濃度が40重量%になるように調
整して、本発明による難燃加工剤Dを得た。
【0065】実施例5 (難燃加工剤Eの製造)攪拌機、温度計、還流冷却器及
び滴下漏斗を備えたフラスコにトリエチルアミン354
g、ジエチルアミン182.5g及びジクロロエタン2
Lを仕込み、内温を50℃以下に保つように冷却しなが
ら、攪拌しつつ、ジフェニルホスホロクロリド671.
5gを30分かけて滴下した後、室温にて3時間攪拌を
続けた。この後、更に、内温を85℃として、1時間、
攪拌した。得られた反応混合物を冷却した後、析出物を
濾過及び水洗後、乾燥して、ジフェニルジエチアミノホ
スフェート610g(収率80%)を融点51〜53℃
の白色粉末状結晶として得た。
【0066】このジフェニルジエチアミノホスフェート
40重量部、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナ
トリウム3.5重量部及びシリコーン系消泡剤0.1重
量部を水25重量部に混合した。この混合物を直径0.
8mmのガラスビーズを充填したミルに仕込み、上記リ
ン酸アミドの平均粒子径が0.747μmとなるまで粉
砕処理した後、105℃の温度で30分間乾燥したとき
の不揮発分濃度が40重量%になるように調整して、本
発明による難燃加工剤Eを得た。
【0067】実施例6 (難燃加工剤Fの製造)オキシ塩化リンとo−クレゾー
ルとを常法に従って反応させて得られるジ−o−クレジ
ルホスホリルクロリド296.7gをアニリン93.1
gとトリエチルアミン120gとのジクロロエタン(2
L)溶液に水冷下、攪拌しつつ、3時間かけて滴下し
た。滴下終了後、得られた析出物を濾過及び水洗後、乾
燥して、ジ−o−クレジルフェニルアミノホスフェート
282g(収率80%)を融点127〜129℃の白色
粉末状結晶として得た。
【0068】このジ−o−クレジルフェニルアミノホス
フェート40重量部、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウ
ム3.5重量部及びシリコーン系消泡剤0.1重量部を
水25重量部に混合した。この混合物を直径0.5mm
のガラスビーズを充填したミルに仕込み、上記リン酸ア
ミドの平均粒子径が0.339μmとなるまで粉砕処理
した後、105℃の温度で30分間乾燥したときの不揮
発分濃度が40重量%になるように調整して、本発明に
よる難燃加工剤Fを得た。
【0069】実施例7 (難燃加工剤Gの製造)オキシ塩化リンとフェノールと
を常法に従って等モル比にて反応させて得られるフェニ
ルホスホロジクロリド210gをアニリン232.5g
とトリエチルアミン252.5gとのジクロロエタン
(2L)溶液に水冷下、攪拌しつつ、3時間かけて滴下
した。滴下終了後、得られた析出物を濾過及び水洗後、
乾燥して、ジアニリノフェニルホスフェート237g
(収率73%)を融点176〜178℃の白色粉末状結
晶として得た。
【0070】このジアニリノフェニルホスフェート40
重量部、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム3.5重量部及びシリコーン系消泡剤0.1重量部
を水25重量部に混合した。この混合物を直径0.8m
mのガラスビーズを充填したミルに仕込み、上記リン酸
アミドの平均粒子径が0.551μmとなるまで粉砕処
理した後、105℃の温度で30分間乾燥したときの不
揮発分濃度が40重量%になるように調整して、本発明
による難燃加工剤Gを得た。
【0071】比較例1 (難燃加工剤Hの製造)難燃剤1,2,5,6,9,1
0−ヘキサブロモシクロドデカン40重量部、ジオクチ
ルスルホ琥珀酸ナトリウム3.5重量部及びシリコーン
系消泡剤0.1重量部を水25重量部に混合した。この
混合物を直径0.8mmのガラスビーズを充填したミル
に仕込み、上記難燃剤の平均粒子径が0.415μmと
なるまで粉砕処理し、105℃の温度で30分間乾燥し
たときの不揮発分濃度が40重量%になるように調整し
て、比較例による難燃加工剤Hを得た。
【0072】比較例2 (難燃加工剤Iの製造)ソルビタンモノステアレートの
エチレンオキサイド20モル付加物3.5重量部を乳化
剤として、難燃剤テトラフェニル−m−フェニレンホス
フェート40重量部をシリコーン系消泡剤と共に水50
重量部に乳化、分散させて、105℃の温度で30分間
乾燥したときの不揮発分濃度が40重量%になるように
調整して、比較例による難燃加工剤Iを得た。この難燃
加工剤における上記難燃剤の平均粒子径は6.476μ
mであった。
【0073】実施例8及び比較例3 本発明による難燃加工剤A〜Gと比較例としての難燃加
工剤H、Iを用いて、被処理布帛(ポリエステルトロピ
カル(目付け重量140g/m2))を処理して、本発
明による難燃加工ポリエステル系繊維品と比較例として
のポリエステル系繊維品を得た。これらについて、難燃
性能試験の結果を表1及び表2に示す。
【0074】(試験方法)染浴は分散染料3%owf、
染料分散剤(アニオン系分散剤)0.5g/L、本発明
による難燃加工剤又は比較例としての難燃加工剤をそれ
ぞれ15%owf配合して、酢酸でpH4.6〜4.8
に調整し、浴比1:15とした。
【0075】被処理布帛を染浴に投入し、50℃から毎
分2℃の昇温速度で130℃まで昇温し、その温度で6
0分間保持して、浴中吸尽処理し、水洗、乾燥した後、
180℃で1分間、熱処理して、JIS L 1091
D法(コイル法、接炎回数が3回以上のときを合格)
に従って、難燃性能を評価した。
【0076】(水洗濯)JIS K 3371に従っ
て、弱アルカリ性第1種洗剤を1g/Lの割合で用い、
浴比1:40として、60±2℃で15分間水洗濯した
後、40±2℃で5分間の濯ぎを3回行い、遠心脱水を
2分間行い、その後、60±5℃で熱風乾燥する処理を
1サイクルとして.これを5サイクル行った。
【0077】(ドライクリーニング)試料1gにつき、
テトラクロロエチレン12.6mL、チャージソープ
0.265g(チャージソープの重量組成はノニオン系
界面活性剤/アニオン系界面活性剤/水=10/10/
1)を用いて、30±2℃で15分間クリーニングする
処理を1サイクルとして、これを6サイクル行った。
【0078】(染色堅牢度)JIS L 0846の水
に対する染色堅牢度試験方法B法によって試験を行い、
汚染用グレースケールで判定した。
【0079】(摩擦堅牢度)JIS L 0849の摩
擦に対する染色堅牢度試験方法によって試験を行い、汚
染用グレースケールで判定した。
【0080】(耐光堅牢度)JIS L 0842に従
って、63℃で40時間後と80時間後について、、変
褪色用グレースケールで判定した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】実施例9及び比較例4 被処理布帛を予め、浴比1:15、分散染料3%ow
f、染料分散剤(アニオン系分散剤)0.5g/L、酢
酸でpH4.6〜4.8に調整した染浴に投入し、50
℃から毎分2℃の昇温速度で130℃まで昇温し、その
温度で60分間保持して、染色処理し、水洗、乾燥後、
180℃で1分間熱処理して、被処理布帛とした。 本
発明による難燃加工剤又は比較例としての難燃加工剤の
固形分150g/Lの難燃加工剤を調製し、これを用い
て上記被処理布帛をパティング処理し、100℃で3分
間乾燥し、180℃で1分間熱処理し、80℃の温水で
洗浄、乾燥後、180℃で1分間熱処理して、JIS
L 1091 D法に従って、難燃性能を評価した。水
洗濯とドライクリーニングは前記と同様にして行い、染
色堅牢度、摩擦堅牢度及び耐光堅牢度も、前記と同様に
して判定した。結果を表3及び表4に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【発明の効果】以上のように、本発明の難燃加工剤を用
いることによって、種々のポリエステル系繊維品に環境
を汚染することなく、高性能で耐久性ある難燃性を付与
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 佐々 克夫 京都市中京区西ノ京内畑町1番地 大京化 学株式会社内 (72)発明者 増田 武 香川県綾歌郡宇多津町浜二番丁14番地1 四国化成工業株式会社内 Fターム(参考) 4H028 AA29 AA30 AA38 AA40 BA04 4L033 AA07 AB03 AB05 AB06 AB07 AC05 BA39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I) 【化1】 (式中、Ar1、Ar2、Ar3 及びAr4 はそれぞれ独
    立にアリール基を示す。)で表される1,4−ピペラジ
    ンジイルビス(ジアリールホスフェート)、(B)一般
    式(II) 【化2】 (式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれ独立にアリール基
    を示し、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、低級
    アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基
    又はアラルキル基を示し、又はR1 及びR2 は相互に結
    合して環を形成していてもよい。)で表されるジアリー
    ルアミノホスフェート、及び(C)一般式(III) 【化3】 (式中、Ar1 はアリール基を示し、R1、R2、R3
    びR4 はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シ
    クロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル
    基を示し、又はR1 とR2 は相互に結合して環を形成し
    ていてもよく、また、R3 とR4 は相互に結合して環を
    形成していてもよい。)で表されるアリールジアミノホ
    スフェートから選ばれる少なくとも1種のリン酸アミド
    をノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤から
    選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の存在下に溶剤に
    分散させてなることを特徴とするポリエステル系繊維品
    の難燃加工剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の難燃加工剤によってポリ
    エステル系繊維品を難燃加工することを特徴とするポリ
    エステル系繊維品の難燃加工方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の難燃加工剤をポリエステ
    ル系繊維品に付着させ、乾燥させた後、170〜220
    ℃の温度で熱処理することを特徴とするポリエステル系
    繊維品の難燃加工方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の難燃加工剤をポリエステ
    ル系繊維品に110〜140℃の温度で吸尽させること
    を特徴とするポリエステル系繊維品の難燃加工方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の難燃加工剤によって難燃
    加工してなることを特徴とする難燃加工ポリエステル系
    繊維品。
  6. 【請求項6】請求項2から4のいずれかに記載の方法に
    よって得られる難燃加工ポリエステル系繊維品。
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