JP2000154465A - 座席用、内装材用、建築養生シート用、テント用また は帆布用のポリエステル系繊維製品、その後加工難燃 化処理剤および処理方法 - Google Patents

座席用、内装材用、建築養生シート用、テント用また は帆布用のポリエステル系繊維製品、その後加工難燃 化処理剤および処理方法

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JP2000154465A
JP2000154465A JP34796398A JP34796398A JP2000154465A JP 2000154465 A JP2000154465 A JP 2000154465A JP 34796398 A JP34796398 A JP 34796398A JP 34796398 A JP34796398 A JP 34796398A JP 2000154465 A JP2000154465 A JP 2000154465A
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polyester
carbon atoms
group
flame
retardant
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JP34796398A
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English (en)
Inventor
Seiji Horie
誠司 堀江
Shinya Horiuchi
信哉 堀内
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル系繊維製品に、環境を汚染する
ことなく良好な難燃性と耐久性を付与する難燃化処理剤
および処理方法を得る。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸またはその低級アル
キルエステル、ジオール成分および特定のホスフィン酸
誘導体から誘導されてなるポリエステルを界面活性剤の
存在下に水中に乳化分散させたものを処理剤として使用
して処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系繊
維製品の難燃化処理剤および難燃化処理方法に関する。
更に詳しくは、座席用、内装材用、建築養生シート用、
テント用または帆布用のポリエステル系繊維製品の後加
工難燃化処理剤および難燃化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系合成繊維、ポリエ
ステル系合成繊維からなる綿、糸、編織物もしくは不織
布、またはそのポリエステル系合成繊維と他の天然繊
維、無機繊維、半合成繊維もしくは合成繊維との交織織
物、もしくは混紡繊維からなる綿、糸、編織物もしくは
不織布からなる座席用、内装材用、建築養生シート用、
テント用または帆布用のポリエステル系繊維製品の難燃
化処理剤としては、ヘキサブロモシクロドデカンの水性
分散液(特開昭57−137377号公報)が使用され
てきた。しかし、環境保護の観点からハロゲン化合物の
使用は問題となってきており、非ハロゲン系の難燃処理
剤で処理したポリエステル系繊維製品が求められてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、座席
用、内装材用、建築養生シート用、テント用または帆布
用のポリエステル系繊維製品にハロゲン原子を含まない
化合物を用いて後加工で耐久性のある難燃性を付与する
処理剤および処理方法を得ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、ポリエステル系合成
繊維、ポリエステル系合成繊維からなる綿、糸、編織物
もしくは不織布、またはそのポリエステル系合成繊維と
他の天然繊維、無機繊維、半合成繊維もしくは合成繊維
との交織織物、もしくは混紡繊維からなる綿、糸、編織
物もしくは不織布からなる座席用、内装材用、建築養生
シート用、テント用または帆布用のポリエステル系繊維
製品に良好な難燃性と耐久性(耐洗濯性、耐ドライクリ
ーニング性など)を付与する処理剤および処理方法を見
いだし、本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、芳香族ジカルボン酸または
その低級アルキルエステル(A)、ジオール成分(B)
および下記一般式(1)で示されるホスフィン酸誘導体
(C)から誘導されるポリエステル(D)からなる難燃
化処理剤で後加工処理してなることを特徴とする、座席
用、内装材用、建築養生シート用、テント用または帆布
用のポリエステル系繊維製品の難燃化処理剤; [式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜22のアルキ
ル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5または
6のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、
炭素数1〜4のアルキレン基置換のアリールアルキル基
であり、同一でもよいし、異なっていてもよく、さらに
1とR2が互いに結合してリン原子Pと共に環を形成し
ていてもよい;Yは下記一般式(2)または(3)で示
される1価の有機基であり、R3は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基を表す。] または、
【0006】
【化4】
【0007】並びに前記難燃化処理剤を用いて処理をし
た、座席用、内装材用、建築養生シート用、テント用ま
たは帆布用のポリエステル系繊維製品;並びに座席用、
内装材用、建築養生シート用、テント用または帆布用の
ポリエステル系繊維製品に、前記難燃化処理剤を付与
し、熱処理する難燃化処理方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において処理され得る物品
はポリエステル系合成繊維、ポリエステル系合成繊維か
らなる綿、糸、編織物もしくは不織布、またはそのポリ
エステル系合成繊維と綿、麻、羊毛または絹のなどの天
然繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維もしくはアスベ
スト繊維などの無機繊維、レーヨンもしくはアセテート
などの半合成繊維またはポリアミド、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリロニトリルもしくはポリプロピレンな
どの合成繊維との交織織物、もしくは混紡繊維からなる
綿、糸、編織物もしくは不織布からなるポリエステル系
繊維製品があげられる。
【0009】本発明において適用するポリエステル系合
成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、
ポリエチレンテレフタレート/5−ソジオスルホイソフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリオキシベ
ンゾイルおよびポリブチレンテレフタレート/イソフタ
レートなどのポリエステル繊維があげられる。
【0010】本発明で処理されたポリエステル系繊維製
品の用途としては、座席用、内装材用、建築養生シート
用、テント用または帆布用などがあげられる。座席用と
しては、自動車、鉄道、船舶、航空機などの交通機関
用、劇場、病院、ホテルなどの公共施設用、または家庭
用のシート、シートカバーなどがあげられ、内装材用と
しては、カーテン、壁・天井クロス、カーペット、どん
帳などがあげられる。
【0011】本発明において、芳香族ジカルボン酸また
はその低級アルキルエステル(A)のうち、芳香族ジカ
ルボン酸、としてはテレフタル酸,イソフタル酸,ナフ
タリンジカルボン酸などがあげられ、その低級アルキル
エステルとしては、C1〜4のアルキルエステルがあげ
られる。好ましいものは、テレフタル酸およびそのジメ
チルエステルである。
【0012】本発明に用いられるジオール成分(B)の
具体例としては、アルキレングリコール、ポリオキシア
ルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキレ
ンオキシド付加物、ビスフェノールAに代表される2価
の芳香族ヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物
などがあげられる。これらのうち好ましいのはアルキレ
ングリコールで、より好ましくは炭素数が2〜10の直
鎖または分岐のアルキレングリコールでエチレングリコ
−ルが特に好ましい。また、該ジオール成分は2種以上
を併用することも可能である。また、分子量は特に限定
されないが、1000以下が好ましく、1000を越え
るとリン含量が低くなり、難燃性が低下する。
【0013】前記一般式(1)で示されるホスフィン酸
誘導体(C)の置換基R1、R2のアルキル基としては炭
素数1〜22で直鎖または分岐のアルキル基であり、た
とえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、3−メチル
ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、n−
ヘプチル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、
イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデ
シル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n
−イコシル基、n−ドコシル基があげられ、リン含量の
観点からそれらのうち炭素数1〜6のアルキル基が好ま
しい。
【0014】置換基R1、R2のアルケニル基としては炭
素数2〜22で直鎖または分岐のアルケニル基であり、
たとえばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル
基、イソプペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル
基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキ
サデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、ドコ
セニル基があげられ、リン含量の観点からそれらのうち
炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい置換基R1、R2
のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基である。置換基R1、R2のアリール基とし
ては炭素数6〜14のアリール基であり、たとえばフェ
ニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、オクチルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル
基、アントリル基、フェナントリル基、があげられ、フ
ェニル基、ビフェニリル基が好ましい。置換基R1、R2
のアリールアルキル基としては炭素数1〜4のアルキレ
ン基置換のアリールアルキル基であり、ベンジル基、フ
ェネチル基が好ましい。
【0015】一般式(1)中のYは、前記一般式(2)
または(3)で示される1価の有機基であり、置換基R
3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
メチル基が好ましい。
【0016】本発明において、前記一般式(1)で示さ
れる化合物の具体的な例としては、次に示す化合物(C
1)〜(C8)があげられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】本発明に用いるホスフィン酸誘導体(C)
としては式中の置換基R1、R2がビフェニル基で互いに
環を形成している前記の化合物(C6)、(C7)が特
に好ましい。
【0026】該ポリエステル(D)は、従来公知のポリ
エステルの製造法、例えばエステル交換または、エステ
ル化後重縮合する方法により製造することができる。
【0027】該ポリエステル(D)は、前記(A)、
(B)および(C)とを公知の方法により脱水または脱
アルコール反応することによって製造できる。該ポリエ
ステル化反応において、(A):(B):(C)のモル
比は特に限定されないが、通常1:(1〜7):(0.
2〜5)であり、好ましくは、1:1〜5:0.3〜3
である。
【0028】該ポリエステル(D)の重量平均分子量
は、通常1,000〜50,000、好ましくは2,0
00〜25,000である。平均分子量が、1,000
未満では、耐久性が不十分であり、50,000を越え
ると、ポリエステル(D)の分散性が不良となり、また
ポリエステル系繊維製品への吸着性も不良となる。
【0029】ポリエステル(D)のリン含量は、通常2
〜10重量%、好ましくは 3〜8重量%である。2重
量%未満では、繊維または繊維製品に処理した場合の難
燃性が不十分となり、10重量%を越えると摩擦堅牢度
が不十分となる。
【0030】該ポリエステル(D)は、通常水または有
機溶剤中に分散させて本発明の繊維処理剤として使用さ
れる。該ポリエステル(D)を水に分散させる方法は、
通常の方法、たとえば該ポリエステル(D)と非イオン
界面活性剤,アニオン界面活性剤などの界面活性剤と有
機溶剤とを配合して均一に溶解し、徐々に湯を加えて乳
化分散させる方法が用いられる。
【0031】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
アルキレン型非イオン界面活性剤(高級アルコ−ルアル
キレンオキサイド付加物,アルキルフェノ−ルアルキレ
ンオキサイド付加物,脂肪酸アルキレンオキサイド付加
物,多価アルコ−ル脂肪酸エステルアルキレンオキサイ
ド付加物,高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付
加物,脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物な
ど)、多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤(アルキル
グリコシド,ショ糖脂肪酸エステルなど)があげられ
る。
【0032】アニオン界面活性剤としては、硫酸エステ
ル塩(高級アルコ−ル硫酸エステル塩,高級アルキルエ
−テル硫酸エステル塩,硫酸化脂肪酸エステルなど)、
スルホン酸塩(アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩など)、リン酸エステル塩
(高級アルコ−ルリン酸エステル塩,高級アルコ−ルの
アルキレンオキサイド付加物リン酸エステル塩など)が
あげられる。
【0033】有機溶剤としては、トルエン,キシレン,
アルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素類;アセト
ン,メチルエチルケトンなどのケトン類;ジオキサン,
エチルセロソルブなどのエ−テル類;ジメチルホルムア
ミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類およびこれらの二種以上の混合物があげられ
る。
【0034】本発明の処理剤は、通常、水で希釈した処
理液の形で用いられる。該処理液中の固形分濃度は、1
0〜50重量%である。処理剤の繊維に対する付与量は
繊維または繊維製品の種類によって異なるが、固形分で
通常0.05〜30重量%、好ましくは、0.5〜20
重量%である。付与量が、0.05重量%未満では、難
燃性が不良となり、30重量%を超えると処理繊維また
は繊維製品の風合いが粗硬となる。
【0035】本発明の処理剤をポリエステル系繊維製品
に付与する方法としては、高温加圧下(110〜130
℃,1〜3Kg・f/cm2)で吸尽させる吸尽法,浸
漬法,パディング法,スプレイ法など通常の方法があげ
られる。吸尽法以外では、処理温度は常温でよい。処理
剤を施与した後、通常の方法で、乾燥および熱処理され
る。乾燥は、通常80〜130℃,1〜10分間で、熱
処理は、通常150〜200℃,10秒〜10分間であ
る。本発明の処理剤の繊維製品への付与は、繊維製品を
染色する前、染色と同時または染色した後のいずれの時
期に行ってもよいが、染色と同時に行うと作業効率が良
くなる。本発明の処理剤で処理された繊維製品に付与さ
れるリン含量は、繊維に対して通常0.001〜3%、
好ましくは0.02〜2.5%、さらに好ましくは0.
1〜2%である。0.001%未満では難燃効果が得ら
れず、3%を超えても難燃効果は通常範囲と変わらず、
処理した繊維の風合いが粗硬となる。
【0036】本発明の処理剤は繊維加工剤と併用するこ
ともできる。このような繊維加工剤としては、柔軟剤,
吸水加工剤,帯電防止剤,撥水撥油剤,硬仕上剤,風合
い調整剤,スリップ防止剤などがあげられる。
【0037】本発明の処理剤は、特にポリエステル系繊
維製品に適用することにより、従来のものに比較して、
ハロゲンを含まずに耐久性のある難燃性を付与すること
ができる。
【0038】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明するが
本発明はこれに限定されるものではない。実施例におい
ては以下に示したような4種類の織物A〜Dを使用し
た。すべての織物には、先に糊抜き処理を行った。実施
例中の部は重量部、%は重量%を示す。
【0039】 織 物 素材 目付kg/m2 用途 A ホ゜リエステル100%未染色布 0.270 カーシート B 70/30ホ゜リエステル-CDホ゜リエステル 0.195 カーテン C ホ゜リエステル100% 0.220 建築養生シート D ホ゜リエステル100% 0.300 テント
【0040】製造例1 ジメチルテレフタレ−ト129部,エチレングチコ−ル
314部および前記化合物(C4)のホスフィン酸誘導
体127部、触媒としてジメチルテレフタレートおよび
ホスフィン酸誘導体に対し0.1重量%の酢酸マンガ
ン、0.5重量%の酢酸リチウムおよび0.03重量%
の三酸化アンチモンを混合し、常圧で160〜220℃
で3時間加熱してエステル交換反応を行い、ほぼ理論量
のメタノ−ルを留去し、次いで系の温度を240℃と
し、圧力を徐々に減じ1Torr以下にし、3時間反応
させて重量平均分子量5,500、リン含有量3.8%
のポリエステルを得た。本ポリエステル150部,ジメ
チルホルムアミド100部,ノニルフェノ−ルエチレン
オキサイド15モル付加物50部を、80℃で均一に溶
解し、湯(80℃)700部を徐々に加えて粒子化し、
常温まで冷却後、ビスコミル(アイメックス製横型湿式
微粉分散機)にて連続的に30分間粉砕し、本発明に適
用の処理剤「1」1,000部を得た。「1」は、乳白
色の分散液で、粘度300cps(25℃),平均粒径
0.4ミクロン、pHは6.8であった。
【0041】製造例2 ジメチルテレフタレ−ト129部,エチレングチコ−ル
434部および前記化合物(C6)のホスフィン酸誘導
体125部、触媒としてジメチルテレフタレートおよび
ホスフィン酸誘導体に対し0.1重量%の酢酸マンガ
ン、0.5重量%の酢酸リチウムおよび0.03重量%
の三酸化アンチモンを混合し、常圧で160〜220℃
で3時間加熱してエステル交換反応を行い、ほぼ理論量
のメタノ−ルを留去し、次いで系の温度を250℃と
し、圧力を徐々に減じ1Torr以下にし、6時間反応
させて重量平均分子量14,500、リン含有量3.8
%のポリエステル化合物を得た。本ポリエステル150
部,ジメチルホルムアミド100部,ノニルフェノ−ル
エチレンオキサイド15モル付加物30部,ラウリルア
ルコ−ルエチレンオキサイド20モル付加物20部を、
80℃で均一に溶解し、湯(80℃)700部を徐々に
加え粒子化し、常温まで冷却後、ビスコミル(アイメッ
クス製横型湿式微粉分散機)にて連続的に30分間粉砕
し、本発明の処理剤「2」1,000部を得た。「2」
は、乳白色の分散液で、粘度550cps(25℃),
平均粒径0.5ミクロン、pHは7であった。
【0042】比較製造例1 下記処方の各成分をビスコミル(アイメックス製横型湿
式微粉分散機)にて連続的に1時間混合粉砕し、比較の
処理剤「3」1,000部を得た。「3」は、淡黄乳白
色のエマルションで粘度1,000cps(25℃)で
pH6.5,平均粒子径0.8ミクロンであった。 処方: 1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン (400部) ノニルフェノ−ルエチレンオキサイド20モル付加物 ( 30部) ラウリルアルコ−ル硫酸エステルナトリウム塩 ( 10部) カルボキシメチルセルロ−スナトリウム塩 ( 5部) 水 (555部)
【0043】実施例1〜12および比較例1〜8 本発明の処理剤として[1]または[2]、また比較用
の処理剤として[3]を用いて、織物A〜Dを処理して
本発明の繊維製品および比較用の繊維製品を製造し、性
能試験をした結果を表1,2に示す。
【0044】
【表 1】
【0045】試験方法 各織物を染料Kayalon Polyester Navy Bule 2R-SF
(日本化薬製)2%o.w.f.,分散均染剤イオネットRAP
-250(三洋化成工業製)0.5g/l,本発明に適用の
処理剤15%o.w.f.,比較例に適用の処理剤7.
5%o.w.f.を浴比1:20の水溶液中で、カラ−
マスタ−(辻井染機製染色機)で130℃×30分間処
理し、水洗・乾燥(100℃×3分間)後熱処理(17
0℃×1分間)し、JISL−1091D法に従い難燃
性試験を行った。洗濯はJISL−1042,ドライク
リ−ニングはJISL−1018に従った。
【0046】
【表 2】
【0047】試験方法 各織物を下記の浴中でパディング(絞り率80%)処理
し、乾燥(100℃×5分間),熱処理(190℃×5
0秒)し、難燃性試験を行った。 (処理浴) 染料Kayalon Polyester Navy Bule 2R-SF(日本化薬
製)10g/l アルギン酸ソ−ダ2g/l 本発明に適用の処理剤200g/l,比較例に適用の処
理剤100g/l JISL−1091D法に従い難燃性試験を行った。洗
濯はJISL−10420,ドライクリ−ニングはJI
SL−1018に従った。
【0048】
【発明の効果】本発明の処理方法は、ポリエステル系合
成繊維、ポリエステル系合成繊維からなる綿、糸、編織
物もしくは不織布、またはそのポリエステル系合成繊維
と他の天然繊維、無機繊維、半合成繊維もしくは合成繊
維との交織織物、もしくは混紡繊維からなる綿、糸、編
織物もしくは不織布からなる座席用、内装材用、建築養
生シート用、テント用または帆布用のポリエステル系繊
維製品に対して、環境を汚染することなく、良好な難燃
性と耐久性を付与するのに極めて有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月7日(2000.2.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】
【化2】 [式中、R3は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を
表す。R5、R6は水素原子、または炭素数1〜8のアル
キル基を示し、同一でもよいし、異なっていてもよい。
k、mはそれぞれ0〜4の整数、nは0〜2の整数を表
す]
【化3】 [式中、R5、R6は水素原子、または炭素数1〜8のア
ルキル基を示し、同一でもよいし、異なっていてもよ
い。k、mはそれぞれ0〜4の整数、nは0〜2の整数
を表す]
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系合成繊維、ポリエ
ステル系合成繊維からなる綿、糸、編織物などの合成繊
維材料の難燃化処理剤としては、ヘキサブロモシクロド
デカンの水性分散液(特開昭57−137377号公
報)が使用されてきた。しかし、環境保護の観点からハ
ロゲン化合物の使用は問題となってきており、非ハロゲ
ン系の難燃処理剤で処理したポリエステル系繊維製品が
求められている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、座席
用、内装材用、建築養生シート用、テント用または帆布
用のポリエステル系繊維製品にハロゲン原子を含まない
化合物を用いて後加工で耐久性のある難燃性を付与する
処理方法;並びに、該処理方法で処理されてなるポリエ
ステル系繊維製品からなることを特徴とする、座席、内
装材、建築養生シート、テントまたは帆布を得ることで
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】即ち本発明は、芳香族ジカルボン酸または
その低級アルキルエステル(A)、ジオール成分(B)
および下記一般式(1)で示されるホスフィン酸誘導体
(C)から誘導される、重量平均分子量が1,000〜
50,000でリン含量が2〜10重量%であるポリエ
ステル(D)からなる難燃化処理剤で後加工処理し、繊
維に対して0.001〜3%のリン含量を付与してなる
ポリエステル系繊維製品からなることを特徴とする、座
席、内装材、建築養生シート、テントまたは帆布; [式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜22のアルキ
ル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5または
6のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、
炭素数1〜4のアルキレン基置換のアリールアルキル基
であり、同一でもよいし、異なっていてもよく、さらに
1とR2が互いに結合してリン原子Pとともに環を形成
していてもよい;Yは下記一般式(2)または(3)で
示される1価の有機基であり、R3は水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基を表す。 または、
【化1】]
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】並びに、座席用、内装材用、建築養生シー
ト用、テント用または帆布用のポリエステル系繊維製品
に、前記難燃化処理剤を付与し、熱処理する難燃化処理
方法である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】該ポリエステル(D)の重量平均分子量
は、1,000〜50,000、好ましくは2,000
〜25,000である。平均分子量が、1,000未満
では、耐久性が不十分であり、50,000を越える
と、ポリエステル(D)の分散性が不良となり、またポ
リエステル系繊維製品への吸着性も不良となる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】ポリエステル(D)のリン含量は、2〜1
0重量%、好ましくは3〜8重量%である。2重量%未
満では、繊維または繊維製品に処理した場合の難燃性が
不十分となり、10重量%を越えると摩擦堅牢度が不十
分となる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】本発明の処理剤をポリエステル系繊維製品
に付与する方法としては、高温加圧下(110〜130
℃,1〜3Kg・f/cm2)で吸尽させる吸尽法,浸
漬法,パディング法,スプレイ法など通常の方法があげ
られる。吸尽法以外では、処理温度は常温でよい。処理
剤を施与した後、通常の方法で、乾燥および熱処理され
る。乾燥は、通常80〜130℃,1〜10分間で、熱
処理は、通常150〜200℃,10秒〜10分間であ
る。本発明の処理剤の繊維製品への付与は、繊維製品を
染色する前、染色と同時または染色した後のいずれの時
期に行ってもよいが、染色と同時に行うと作業効率が良
くなる。本発明の処理剤で処理された繊維製品に付与さ
れるリン含量は、繊維に対して0.001〜3%、好ま
しくは0.02〜2.5%、さらに好ましくは0.1〜
2%である。0.001%未満では難燃効果が得られ
ず、3%を超えても難燃効果は通常範囲と変わらず、処
理した繊維の風合いが粗硬となる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】製造例1 ジメチルテレフタレ−ト129部,エチレングリコ−ル
314部および前記化合物(C4)のホスフィン酸誘導
体127部、触媒としてジメチルテレフタレートおよび
ホスフィン酸誘導体に対し0.1重量%の酢酸マンガ
ン、0.5重量%の酢酸リチウムおよび0.03重量%
の三酸化アンチモンを混合し、常圧で160〜220℃
で3時間加熱してエステル交換反応を行い、ほぼ理論量
のメタノ−ルを留去し、次いで系の温度を240℃と
し、圧力を徐々に減じ1Torr以下にし、3時間反応
させて重量平均分子量5,500、リン含有量3.8%
のポリエステルを得た。本ポリエステル150部,ジメ
チルホルムアミド100部,ノニルフェノ−ルエチレン
オキサイド15モル付加物50部を、80℃で均一に溶
解し、湯(80℃)700部を徐々に加えて粒子化し、
常温まで冷却後、ビスコミル(アイメックス製横型湿式
微粉分散機)にて連続的に30分間粉砕し、本発明に適
用の処理剤「1」1,000部を得た。「1」は、乳白
色の分散液で、粘度300cps(25℃),平均粒径
0.4ミクロン、pHは6.8であった。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】製造例2 ジメチルテレフタレ−ト129部,エチレングリコ−ル
434部および前記化合物(C6)のホスフィン酸誘導
体125部、触媒としてジメチルテレフタレートおよび
ホスフィン酸誘導体に対し0.1重量%の酢酸マンガ
ン、0.5重量%の酢酸リチウムおよび0.03重量%
の三酸化アンチモンを混合し、常圧で160〜220℃
で3時間加熱してエステル交換反応を行い、ほぼ理論量
のメタノ−ルを留去し、次いで系の温度を250℃と
し、圧力を徐々に減じ1Torr以下にし、6時間反応
させて重量平均分子量14,500、リン含有量3.8
%のポリエステル化合物を得た。本ポリエステル150
部,ジメチルホルムアミド100部,ノニルフェノ−ル
エチレンオキサイド15モル付加物30部,ラウリルア
ルコ−ルエチレンオキサイド20モル付加物20部を、
80℃で均一に溶解し、湯(80℃)700部を徐々に
加え粒子化し、常温まで冷却後、ビスコミル(アイメッ
クス製横型湿式微粉分散機)にて連続的に30分間粉砕
し、本発明の処理剤「2」1,000部を得た。「2」
は、乳白色の分散液で、粘度550cps(25℃),
平均粒径0.5ミクロン、pHは7であった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】
【発明の効果】本発明の処理方法は、ポリエステル系合
成繊維、ポリエステル系合成繊維からなる綿、糸、編織
物もしくは不織布、またはそのポリエステル系合成繊維
と他の天然繊維、無機繊維、半合成繊維もしくは合成繊
維との交織織物、もしくは混紡繊維からなる綿、糸、編
織物もしくは不織布からなる座席用、内装材用、建築養
生シート用、テント用または帆布用のポリエステル系繊
維製品に対して、環境を汚染することがなく、良好な難
燃性と耐久性を付与し、該処理方法で処理されたポリエ
ステル系繊維からなる座席、内装材、建築養生シート、
テントまたは帆布は極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸またはその低級アル
    キルエステル(A)、ジオール成分(B)および下記一
    般式(1)で示されるホスフィン酸誘導体(C)から誘
    導されるポリエステル(D)からなる難燃化処理剤で後
    加工処理してなることを特徴とする、座席用、内装材
    用、建築養生シート用、テント用または帆布用のポリエ
    ステル系繊維製品の難燃化処理剤。 [式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜22のアルキ
    ル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数5または
    6のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、
    炭素数1〜4のアルキレン基置換のアリールアルキル基
    であり、同一でもよいし、異なっていてもよく、さらに
    1とR2が互いに結合してリン原子Pとともに環を形成
    していてもよい;Yは下記一般式(2)または(3)で
    示される1価の有機基であり、R3は水素原子、炭素数
    1〜4のアルキル基を表す。] または、 【化1】
  2. 【請求項2】 該ホスフィン酸誘導体(C)が下記一般
    式(4)または(5)で示される請求項1記載の難燃化
    処理剤を用いて処理することを特徴とする請求項1記載
    のポリエステル系繊維製品の難燃化処理剤。 【化2】 [式中、R3は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を
    表す。R5、R6は水素原子、または炭素数1〜8のアル
    キル基を示し、同一でもよいし、異なっていてもよい。
    k、mはそれぞれ0〜4の整数、nは0〜2の整数を表
    す] 【化3】 [式中、R5、R6は水素原子、または炭素数1〜8のア
    ルキル基を示し、同一でもよいし、異なっていてもよ
    い。k、mはそれぞれ0〜4の整数、nは0〜2の整数
    を表す]
  3. 【請求項3】 該ポリエステル(D)の重量平均分子量
    が500〜20,000である請求項1または2記載の
    難燃化処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の難燃化処理
    剤を用いて処理をした、座席用、内装材用、建築養生シ
    ート用、テント用または帆布用のポリエステル系繊維製
    品。
  5. 【請求項5】 座席用、内装材用、建築養生シート用、
    テント用または帆布用のポリエステル系繊維製品に、請
    求項1〜3いずれか記載の難燃化処理剤を付与し、熱処
    理する難燃化処理方法。
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