JP2002321452A - 難燃性印刷用膜材 - Google Patents

難燃性印刷用膜材

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JP2002321452A JP2002032909A JP2002032909A JP2002321452A JP 2002321452 A JP2002321452 A JP 2002321452A JP 2002032909 A JP2002032909 A JP 2002032909A JP 2002032909 A JP2002032909 A JP 2002032909A JP 2002321452 A JP2002321452 A JP 2002321452A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い印刷適性、難燃性、防炎性、耐久耐候性
を有する難燃性印刷用膜材の提供。 【解決手段】 繊維布帛含有基材の表面に形成されたイ
ンク受理層が、樹脂バインダー100質量部と、(1)
10〜200質量部の、平均粒子径が1〜10μmの無
機又は有機顔料と、(2)5〜150質量部の、ポリ燐
酸アンモニウム系化合物(例えばオルソ燐酸アンモニウ
ム−尿素縮合物)、トリアジン誘導体化合物(例えばメ
ラミンとシアヌール酸又はイソシアヌール酸との反応生
成物)及び/又はタンパク質粉末(例えばコラーゲン粉
末)とを含み、必要によりさらに、リン酸エステル系化
合物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び/又
は水酸化マグネシウムを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷性、特にイン
クジェット印刷性に優れ、難燃性及び防炎性に優れ、高
い耐久性を有していて、また、高い防炎性が要求される
用途にも利用可能であって、屋内外看板、垂れ幕、カー
テン、壁装材、室内装飾材などの用途に適した難燃性印
刷用膜材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年パーソナルコンピュータが広く普及
し、オフィスをはじめ、一般家庭においても、文書や画
像データをカラープリントする機会が一般化している。
このようなカラープリントの手段としては、昇華型熱転
写プリンター、溶融型熱転写プリンター、レーザープリ
ンター、又はインクジェットプリンターを用いられてい
る。なかでもインクジェットプリンターは、動作時の騒
音のレベル、ランニングコストが低いことに加え、目覚
ましい技術の進歩によって銀塩写真に迫る出力品質が得
られるようになり、急速に普及が進んでいる。その動作
原理は、染料、或いは顔料を含む、油性インク又は水性
インクを、圧電素子又は発熱素子等により、ノズルを介
してインクの小滴を発生、飛散させ、紙やプラスチック
シートなどのシート状記録材料表面に付着させることを
特徴とするものである。また、インクジェットプリンタ
ーでプリントするにあたっては、シート状記録材料の表
面に、インクジェットプリンターから射出されたインク
小滴を速やかに吸収し、付着したインクの滲みや拡がり
を適度に抑える機能を有するインク受理層を有する専用
の印刷用シートを使用することが一般的である。
【0003】インク受理層を形成する方法としては、例
えば、特開昭57−102391号公報には、ポリビニ
ルピロリドンとポリビニルブチラールを用いる方法が開
示されており、特開平1−186372号公報にはポリ
アクリルアミド、合成非晶質シリカ、及びポリビニルア
ルコールを用いる方法が開示されており、特開平2−1
88287号公報には超微粒子状無水シリカとカチオン
性ポリマーを用いる方法が開示されており、特開平4−
270679号公報には水凝固されたウレタン樹脂から
なる表面被膜を付与する方法が開示されており、特開平
7−9757号公報にはポリアルキレンオキサイド共重
合体を用いる方法が開示されており、特開平7−316
991号公報にはインク受理層中のミクロポーラス密度
を25〜550個/500μm平方に調整する方法が開
示されているなど、様々な技術が提案されている。
【0004】産業分野においても、印字幅が1mを超え
るワイドフォーマットインクジェットプリンターが数多
く市販されるようになり、オフセット印刷のように製版
工程を必要とせず、作製部数が少ない場合でも低コスト
でプリントが得られるというメリットを活かして、屋内
外看板、垂れ幕、壁装材、室内装飾材などを製作する手
段の一つとして急速に普及している。また一般家庭向け
に使用されるインクジェット記録用シートのほとんど
は、紙又はポリエステルなどのプラスチックフィルムを
ベースとしたものである。印刷物が垂れ幕や室内装飾材
などの産業用途向けに使用される場合には、印刷物に高
い耐久性が求められるため、折れ皺が発生し易く、破れ
易いなどの問題を抱える紙やプラスチックフィルム基材
を含む印刷用シートはこれらの用途には適当でなく、多
くの場合、風合いと強度に優れた、繊維布帛、あるいは
繊維布帛の表面に合成樹脂被覆層が形成されているター
ポリンを基材とする印刷用膜材が用いられている。
【0005】このような繊維布帛を用いる産業用途向け
の膜材は、高層ビル、地下街、劇場、展示場、ホテル等
の場所で使用される場合、用途に応じてテント類、幕
類、カーテン類等に分類され、それぞれ消防法で定めら
れた防炎性試験に合格することが義務付けられており、
施工にあたっては所要防炎性能に適合した膜材を選択し
なければならない。しかしながら、一般のポリエステル
繊維布帛を含む印刷用膜材では、難燃性が低く、防炎性
試験に適合できない。膜材に防炎性能を付与するにあた
っては、基材(繊維基布、ターポリンなど)の組成だけ
でなく、インク受理層の組成にも配慮する必要がある。
特にインク受理層に関しては、単にこれに難燃性化合物
を配合しただけでは、印刷性の低下が大きく、実用に耐
えうる印刷用膜材は得られない。
【0006】一方、本発明者らは、特開2000−13
5859号公報において、インク受理層中にリン酸エス
テル系難燃剤を添加することによって優れた防炎性と印
刷性を両立できることを開示したが、この技術では屋外
で長期間使用した時の防炎耐久性が十分でないという問
題があった。また、難燃性化合物として広く用いられて
いる含臭素有機化合物は、難燃性を付与する目的におい
ては優れた効果を有しているが、しかし耐光性が劣るた
め、難燃性を発現するに必要量の難燃剤を添加すると、
得られた印刷用膜材は、屋外で使用されたときに黄変が
目立つという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷性、特
にインクジェット印刷に対する適性に優れ、高い難燃性
及び防炎性を有し、しかも優れた耐候・耐久性を有する
難燃性印刷用膜材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃性印刷用膜
材は、繊維布帛を含むシート状基材、及び前記シート状
基材の少なくとも一面上に形成された樹脂バインダーを
含むインク受理層を含み、前記インク受理層が、樹脂バ
インダー100質量部に対して、(1)平均粒子径が1
μm〜10μmの無機顔料及び有機顔料から選ばれた少
なくとも1種10〜200質量部と、(2)ポリ燐酸ア
ンモニウム系化合物、トリアジン誘導体化合物、及びタ
ンパク質粉末から選ばれた少なくとも1種5〜150質
量部とを含むことを特徴とするものである。本発明の難
燃性印刷用膜材において、前記インク受理層に含まれる
樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレ
タン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれた1種以
上を含む、ことが好ましい。本発明の難燃性印刷用膜材
において、前記インク受理層が、リン酸エステル系化合
物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び水酸化
マグネシウムから選ばれた少なくとも1種をさらに含ん
でいてもよい。本発明の難燃性印刷用膜材において、前
記インク受理層が、カチオン性ポリマーをさらに含んで
いてもよい。本発明の難燃性印刷用膜材において、前記
インク受理層が、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化
合物、イソシアネート系化合物カルボジイミド系化合
物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種か
らなる架橋剤をさらに含んでいてもよい。本発明の難燃
性印刷用膜材において、前記リン酸エステル系化合物
が、オリゴマー状芳香族リン酸エステル系化合物から選
ばれることが好ましい。本発明の難燃性印刷用膜材にお
いて、前記樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール系
樹脂とウレタン系樹脂との、固形分質量比率が90:1
0〜10:90であるブレンドを含むことが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材
が、前記繊維布帛の少なくとも1面を被覆し、かつ難燃
性合成樹脂及び難燃剤含有合成樹脂から選ばれた少なく
とも1員をさらに含む樹脂被覆層を含んでいてもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材
用繊維布帛が、天然有機繊維、無機繊維、再生繊維、半
合成繊維及び合成繊維から選ばれた少なくとも1種の繊
維を含むことが好ましい。本発明の難燃性印刷用膜材に
おいて、前記シート状基材用繊維布帛が、難燃化処理さ
れたものであってもよい。本発明の難燃性印刷用膜材に
おいて、前記シート状基材用繊維布帛が、綿、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維及びビ
ニロン繊維から選ばれた1種以上を含むことが好まし
い。本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状
基材用繊維布帛に含まれる綿またはポリエステル繊維
が、難燃化処理されたものであってもよい。本発明の難
燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛
に含まれる再生繊維、半合成繊維及び合成繊維が、それ
に混入された難燃剤を含有していてもよい。本発明の難
燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛
に含まれる天然有機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合
成繊維が、難燃化処理されたものであってもよい。本発
明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊
維布帛が、難燃性レーヨン繊維、難燃性アクリル繊維、
難燃性ビニロン繊維、ポリクラール繊維、難燃性ポリエ
ステル繊維、及び難燃性ポリウレタン繊維から選ばれる
ことが好ましい。本発明の難燃性印刷用膜材において、
前記シート状基材及び前記インク受理層の少なくとも一
層が、紫外線吸収剤及び防カビ剤から選ばれた少なくと
も1種を含んでいてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来技術の上記問題
点について鋭意検討した結果、樹脂バインダー及び無機
または有機微粒子を主成分として含むインク受理層に、
ポリリン酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導体化
合物、及びタンパク質粉末から選ばれた少なくとも1種
を添加することによって、難燃性と印刷性との両方に優
れ、しかも耐候・耐久性を著しく向上し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。これらの化合物は、他
の難燃性化合物と比較して難燃性付与効果に優れ、少量
の添加量で、インク受理層の上記性能を著しく高めるこ
とができる。また、理由は未だ十分には明らかでない
が、上記添加剤は、他の難燃性化合物と比較して、印刷
発色性の低下が少なく、良好な印刷性を維持することが
できるという特性を有している。
【0010】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層に用いることができる樹脂バインダー用樹脂と
しては、酸化デンプン、エーテル化デンプンなどのデン
プン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロースなどのセルロース類、カゼイン、ゼラチ
ン、大豆タンパク等の天然または半合成水溶性高分子化
合物類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリエ
チレンオキサイド系、アクリル酸系、無水マレイン酸
系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルピロリドン系、
ポリアミン系等の合成水溶性高分子化合物類、アクリル
酸エステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエ
ステル系、ポリビニルブチラール系、エポキシ系、ポリ
オレフィン系等の合成高分子化合物類、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体等の共役ジエン系重合体数のラテックス、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共
重合体等のアクリル系重合体のラテックス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体のラテックス、
さらに、これらの各種重合体に、カチオン性基、シラノ
ール基、シリル基などの官能基を付与して得られる官能
基変性重合体類、などを用いることができる。これらの
バインダー用樹脂は、単独に、あるいは2種以上を混合
して用いても良い。とくにポリビニルアルコール系樹
脂、ウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれ1種以上
を用いることが好ましい。
【0011】本発明の難燃性印刷用膜材のインク受理層
に用いられるバインダー用樹脂において、ポリビニルア
ルコール系樹脂としては、酢酸ビニル樹脂をケン化する
ことによって得られ、ケン化度80%以上、重合度50
0〜4000のポリビニルアルコール樹脂を用いること
ができ、また、共重合体変性ポリビニルアルコールを用
いてもよい。変性ポリビニルアルコールとしては、アク
リル酸、MMA、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸
等の不飽和カルボン酸またはそのエステルを酢酸ビニル
と共重合しケン化することによってCOONa基を導入
したカルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノー
ル基が導入されているシラノール変性ポリビニルアルコ
ール、及びカチオン基が導入されているカチオン変性ポ
リビニルアルコールなどを挙げることができる。
【0012】ポリウレタン系樹脂としては、高分子ポリ
オールとポリイソシアネート、及び必要により鎖延長剤
を反応させて得られた樹脂を用いることができる。この
ようなウレタン系樹脂に用いられる高分子ポリオールと
しては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリエステル
系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボ
ネート系ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、
あるいはアクリレート系ポリオールなどを用いることが
できる。親水性を付与する目的で、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
等を前記ポリオール成分と混用してもよい。ポリイソシ
アネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポ
リイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
ポリイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイ
ソシアネートを用いることができる。鎖延長剤として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコールなどの低分子ポリオール、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、ピペラジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、1,3−シクロヘキ
シレンジアミンなどの脂環式ポリアミン、ジフェニルメ
タンジアミン、トリレンジアミン、フェニレンジアミン
などの芳香族ポリアミン、エタノールアミン、プロパノ
ールアミンなどのアルカノールアミンなどを用いること
ができる。とくにポリイソシアネート成分として脂肪族
ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートを用い
たウレタン系樹脂は、紫外線曝露によって黄変すること
がなく耐候性が良好なので好適である。また、前記ウレ
タン系樹脂として、カチオン基が導入されているウレタ
ン系樹脂を用いてもよい。カチオン基を導入する方法と
しては、高分子ポリオールとポリイソシアネートから得
られるウレタンプレポリマーを、N−メチルジエタノー
ルアミン等の3級アミノ基を有する鎖延長剤で高分子化
し、ポリマーの主鎖に導入された3級アミノ基を有機ま
たは無機酸で中和する方法、ジエチレントリアミンなど
のポリアルキレンポリアミンで鎖延長し、エピクロルヒ
ドリンを反応させた後に、残存するアミノ基を酸で中和
する方法などを例示できる。3級アミノ基をもつウレタ
ン系樹脂は、ヨウ化メチルやジメチル硫酸などの4級化
剤で4級化されていてもよい。
【0013】前記アクリル系樹脂としては、(メタ)ア
クリル酸エステルから選ばれた1種以上からなる重合
体、及びこれらと共重合可能な重合性二重結合を有する
単量体の1種以上との共重合体が用いられる。(メタ)
アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メ
チルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリ
レート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、
イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレートな
どのアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸のエステ
ルを用いることができる。重合性二重結合を有する単量
体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などのカルボキシル基含有単量体、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシ
プロピルビニルエーテルなどの水酸基含有単量体、グリ
シジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ルなどのエポキシ基含有単量体、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ビニルピリジンなどのアミノ基含有単量
体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミドなどのアミド基含有単量体、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの脂肪族カルボン酸ビ
ニルエステル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビ
ニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン、ブ
タジエン、アクリロニトリルなどを用いることができ
る。アクリル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液
重合法、塊状重合法など、いずれの重合法で得られたも
のでもよい。
【0014】前記エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂
としては、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、酢
酸ビニル成分含有率が比較的低い共重合体樹脂、及び低
圧溶液重合法で製造され、酢酸ビニル成分含有率の比較
的高い共重合体樹脂のいずれを用いても良い。エチレン
−酢酸ビニル系共重合樹脂中に占める酢酸ビニル成分含
有率は、50〜95質量%であることが好ましい。ま
た、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、酢酸
ビニル成分含有率が前記範囲内にあるものを、単独で用
いてもよいし、また、酢酸ビニル成分含有率の異なる共
重合体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】前記ポリエステル系樹脂としては、ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールま
たはそのエステル形成性誘導体とをエステル化し、重縮
合させることによって得られる樹脂を用いることができ
る。また、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの環
状エステルやラクチドの開環重合によって得られる脂肪
族ポリエステル系樹脂を用いてもよい。前記ジカルボン
酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、アジピン酸、
コハク酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びこ
れらのエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のヒド
ロキシカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体な
どから選ばれた1種以上を用いることができる。また、
親水性を付与する目的で、例えば、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5−アンモニウムスルホイソフタル
酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−メチルア
ンモニウムスルホイソフタル酸などを、前記ジカルボン
酸成分と併用してもよい。また前記、ポリオール成分と
しては、脂肪族、芳香族並びに脂環式ポリオールのいず
れであってもよく、例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、キ
シリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコールなどから選ばれた1種以上を用
いることができる。また、親水性を付与する目的で、例
えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等をジオール成分と併用し
てもよい。
【0016】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層には、ウレタン系樹脂が樹脂バインダーの固形
分合計質量に対して10%以上含まれることが好まし
い。ウレタン系樹脂は、ポリ燐酸アンモニウム系化合
物、トリアジン誘導体化合物、及び/又はタンパク質粉
末と組み合わせたときの難燃性発現効果がとくに高く、
本発明において好適に用いられる。とくに、ウレタン系
樹脂とポリビニルアルコール系樹脂とのブレンドは、印
刷性と難燃性のバランスがよく、本発明の難燃性印刷用
膜材において好適に組み合わされる。このときのウレタ
ン系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂の固形分質量比
率は、90:10〜10:90であることが好ましく、
70:30〜30:70であることがさらに好ましい。
【0017】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層に用いられる無機顔料としては、軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫
酸亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトボン等から選ぶこ
とができる。とくに合成非晶質シリカ、及び/又は炭酸
カルシウムを用いることが好ましい。非晶質合成シリカ
としては、湿式沈降法、あるいはゲル法によって製造さ
れた合成非晶質シリカが好適に用いられる。これら無機
顔料は、単独に、あるいは2種以上を混合して用いても
よい。インク受理層用有機顔料としては、スチレン系ビ
ーズ、アクリル系ビーズ、ナイロン系ビーズ、キトサン
系ビーズ、セルロース系ビーズ、尿素樹脂系ビーズなど
の多孔質樹脂を用いることができる。これらの有機顔料
は、単独に、あるいは2種以上を混合して用いてもよ
い。もちろん無機顔料と有機顔料を混合して用いてもよ
い。これらの顔料はインク受理層のインク吸収性を向上
させる目的で配合され、平均粒子径が1〜10μmのも
のが好ましく使用される。尚、非晶質合成シリカの場合
の平均粒子径とは、2次粒子径を指すものとする。これ
らの顔料の平均粒子径が1μm未満では十分なインク吸
収性が得られず、それが10μmを超えるとインク受理
層のインク吸収性と被膜強度の両方が低下してしまう。
これらの顔料のインク受理層中への配合量は、バインダ
ー樹脂100質量部に対して、10〜200質量部であ
り、より好ましくは、50〜150質量部である。顔料
の含有量が10部未満では十分なインク吸収性が得られ
ず、またそれが200質量部を超えると、インク受理層
の被膜強度が低下し、脆くなるため、印刷用膜材として
使用した時にシート状基材の変形に追随できずインク受
理層に亀裂や剥がれが生じやすくなる。
【0018】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層には、それに難燃性を付与することを目的とし
て、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導体
化合物、及びタンパク質粉末から選ばれた少なくとも1
種が含有されている。
【0019】前記ポリ燐酸アンモニウム系化合物として
は、好ましくはオルソ燐酸アンモニウム尿素との縮合生
成物が用いられる。ポリ燐酸アンモニウム系化合物はこ
のまま用いてもよいが、メラミンなどで表面を被覆され
たもの、あるいはマイクロカプセル化されたものを用い
ることが、得られる印刷用膜材の耐久性を向上させるた
めに好ましい。本発明に用いられるポリ燐酸アンモニウ
ム系化合物は、粒径20μm以下の粉末状を呈した性状
のものであることが好ましく、この粒径は15μm以下
であることがより好ましい。粒径が小さいほうがインク
受理層中のポリ燐酸アンモニウム系化合物の分散状態が
均質になるので、より安定した難燃性付与効果が得られ
る。粒径が20μmを超えるとインク受理層の平滑性が
低下してしまうことがある。
【0020】前記トリアジン誘導体化合物としては、2
−メチル−4,6−ジアミノートリアジン、メラミン、
硫酸メラミン、燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、メチ
ロールメラミン、シアヌール酸トリメチルエステル、シ
アヌール酸トリエチルエステル、アンメリン、アンメリ
ド、グアナミン、ベンゾグアナミンなどを用いることが
できる。とくに、メラミンとシアヌール酸またはイソシ
アヌール酸(シアヌール酸は2つの互変異性体があり、
化学的には、エノール型をシアヌール酸と称し、ケト型
をイソシアヌール酸と呼んでいる。)との反応により得
られるメラミンシアヌレートまたはメラミンイソシアヌ
レートが本発明の難燃性印刷用膜材に好適に用いられ
る。本発明に用いられるトリアジン誘導体化合物は、粒
径20μm以下の粉末状を呈した形状のものであること
が好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
粒径が小さいほうがインク受理層中のトリアジン誘導体
化合物の分散状態が均質になるので、より安定した難燃
性付与効果が得られる。粒径が20μmを超えるとイン
ク受理層の平滑性が低下してしまうことがある。
【0021】前記タンパク質粉末としては、皮革粉末
(コラーゲン粉末)及び絹粉末から選ばれた1種以上を
用いることができる。意外にもこれらのタンパク質粉末
がインク受理層に添加されていると、火炎に接触したと
きインク受理層が速やかに炭化され、難燃性が向上す
る。また、これらのタンパク質粉末は吸湿性に富んでお
り、インク受理層に添加されたときにインク吸収性が向
上するという利点も有している。タンパク質粉末は、特
開平8−113714号公報に開示されているように、
皮革屑や絹フィプロイン原料を粉砕することによって得
ることができる。本発明に用いられるタンパク質粉末の
好ましい粒径は、20μm以下であり、より好ましくは
15μm以下である。粒径が小さいほうがインク受理層
中のタンパク質粉末の分散状態が均質になるので、より
安定した難燃性付与効果が得られる。粒径20μmを超
えるとインク受理層の平滑性が低下してしまうことがあ
る。
【0022】ポリ燐酸アンモニウム系化合物、トリアジ
ン誘導体化合物、及び/又はタンパク質粉末からなる難
燃化剤の添加量は、インク受理層中の樹脂バインダー1
00質量部に対して、5〜150質量部であり、より好
ましくは、10〜120質量部である。その添加量が5
質量部未満では、十分な難燃性を得ることができず、ま
たその添加量が150質量部を超えると、印刷性が低下
することに加え、コスト高となる。
【0023】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層には、難燃助剤として、リン酸エステル系化合
物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び水酸化
マグネシウムから選ばれた1種以上を含む難燃助剤を含
んでいてもよい。これらを添加すると、インク受理層中
に添加されたポリ燐酸アンモニウム系化合物、トリアジ
ン誘導体化合物、及び/又はタンパク質粉末との相乗効
果により、より効果的に難燃性を付与することができ
る。難燃助剤用リン酸エステル系化合物としては、トリ
メチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプ
ロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペ
ンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ジメ
チルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート
などの鎖状アルキルリン酸エステル、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルオク
チルホスフェート、p−ベンジルフェニルホスフェー
ト、ヒドキシフェニルジフェニルホスフェートなどの芳
香族リン酸エステル化合物、トリスクロロエチルホスフ
ェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロ
モネオペンチルホスフェート)などの含ハロゲンリン酸
エステル、及びこれら化合物のオリゴマー状縮合体など
を用いることができる。
【0024】とくに、下記一般式(1)で例示されるオ
リゴマー状芳香族リン酸エステル縮合体が本発明に好適
に利用される。
【化1】 前記式(1)中、nは1〜10の整数を表し、R1 〜R
4 は、各々互に独立にフェニル基、トリル基、又はキシ
リル基を表し、R5 は単核又は多核芳香族基、例えばヒ
ドロキノン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、
ジハイドロキシジフェニルなどのフェニレン誘導体基、
ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのビスフェノ
ール誘導体基を表す。式(1)の化合物は、具体的に
は、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェー
ト)、ビスフェノールAテトラフェニルジホスフェー
ト、ビスフェノールAテトラクレジルジホスフェート、
1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、
レゾルシノールジホスフェート、及びトリオキシベンゼ
ントリホスフェートなどを包含する。
【0025】前記難燃助剤用含臭素有機化合物のうち、
臭素置換有機系化合物としては、デカブロモジフェニ
ル、ペンタブロモエチルベンゼン、デカブロモジフェニ
ルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサン、ビストリ
ブロモフェノキシエタン、トリブロモフェノール、エチ
レンビスペンタブロモジフェニル、ヘキサブロモベンゼ
ン、ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモナフタ
リン、テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体、
テトラブロモビスフェノールS及びその誘導体、テトラ
ブロモ無水フタル酸などの無水フタル酸誘導体、並びに
トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフ
ェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフェニル
エーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、
1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、及びト
リス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)イソシアヌ
レートなどが挙げられる。水酸化アルミニウムとして
は、その製造方法に格別の制限はないが、例えば、ボー
キサイトを原料としたバイヤー法でつくられたものを用
いることができる。水酸化アルミニウムは、表面処理の
ないもの、または高級脂肪酸やカップリング剤等で表面
処理されたもののいずれを用いてもよい。水酸化マグネ
シウムとしては、その製造方法に格別の制限はないが、
例えば、海水中のマグネシウムに水酸化カルシウムを添
加し、水酸化マグネシウムを製造する方法でつくられた
ものを用いることができる。水酸化マグネシウムは、表
面処理のないもの、または高級脂肪酸やカップリング剤
等で表面処理されたもののいずれを用いてもよい。
【0026】これらの難燃助剤の添加量は、リン酸エス
テル系化合物及び/又は含臭素有機化合物を用いる場合
には、樹脂バインダー100質量部に対して1〜30質
量部であることが好ましい。それが1質量部未満では、
ポリ燐酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導体化合
物、及び/又はたんぱく質粉末との相乗効果が十分に得
られず、またそれが30質量部を超えて添加すると、屋
外使用時の防炎耐久性、耐候性が低下することがあり、
さらに印刷性が低下することがある。また、水酸化アル
ミニウム及び/又は水酸化マグネシウムを用いる場合に
は、樹脂バインダーに対して1〜50質量部であること
が好ましい。それが1質量部未満では、ポリ燐酸アンモ
ニウム系化合物、トリアジン誘導体化合物、及び/又は
たんぱく質粉末との相乗効果が十分に得られず、またそ
れが50質量部を超えて添加すると、インク受理層の被
膜強度が低下することがあり、さらに印刷性が低下する
ことがある。難燃助剤が固体を呈している場合には、粒
径が20μm以下の粉末状のものを選択することが好ま
しい。
【0027】また、インク受理層の印刷性が損なわれな
い範囲内において、上記化合物以外の難燃性付与剤を添
加してもよい。このような難燃性付与剤としては、例え
ば、ジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニ
ジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及
びジグアニドなどのシアナミド誘導体、あるいは尿素、
ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、
N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素
誘導体、このほか、無機系化合物として、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、四硼酸ナトリウム、燐酸
マグネシウム、二燐酸ナトリウム、燐酸亜鉛などの結晶
水を持つ無機水和物、メタ錫酸、錫酸亜鉛、ヒドロキシ
錫酸亜鉛などの錫系化合物、硼酸、硼酸亜鉛、硼酸アル
ミニウムなどの硼酸化合物、三酸化アンチモンなどを用
いられることができる。
【0028】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層に用いられるカチオン性ポリマーとしては、カ
チオン性基として、1級、2級および3級アミノ基、な
らびに4級アンモニウム塩基を含む重合体、あるいは共
重合体を用いることができる。このようなカチオン性ポ
リマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン塩、ジメ
チルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリビニルアミン
塩、ポリアリルアミン塩、ポリジアリルアルアミン塩、
ポリアルキレンポリアミン類の塩、ポリジアリルジメチ
ルアンモニウム塩、及びポリジアリルアミン−アクリル
アミド共重合体の塩等が挙げられる。とくに、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの3級アミノ基
を有するカチオン性モノマーを単独で重合し、または他
の共重合性モノマーと共重合させて得られた重合体、あ
るいは3級アミノ基を有するジオール、トリオール、ジ
アミンまたはトリアミン化合物をポリオール化合物とジ
イソシアネート化合物に反応させて得られるウレタン重
合体を酸で中和するか、又は4級化剤によって4級化で
得られたカチオン性ポリマーが好適である。
【0029】このとき中和に用いられる酸としては、例
えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、クエン
酸等の有機酸類、あるいは、塩酸、リン酸、亜リン酸、
硝酸等の無機酸類が挙げられる。また前記4級化剤とし
ては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピ
クロロヒドリン、エピプロモヒドリン等のエポキシ化合
物、またはジメチル硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエン
スルホン酸メチル等の硫酸化物、またはメチルクロライ
ド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブ
ロマイド、エチルブロマイド等のハロゲン化アルキル類
を用いることができる。また前記カチオン性ポリマー
は、染料を含むインクを用いて印刷したときに、染料分
子に含まれるスルホン酸基、及び/又はカルボン酸基と
イオン結合することにより染料のインク受理層への定着
を促進し、インク画像の耐水性を向上させる目的で用い
られる。とくに4級アンモニウム塩基を含む重合体が好
適である。インク受理層へのカチオン性ポリマーの配合
量は、バインダー樹脂100質量部に対して、40質量
部以下である。それが40質量部を超えても定着効果に
大きな向上はなく、コスト的に不利なばかりか、難燃性
が低下することがある。
【0030】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層の耐久性を高めることを目的として、インク受
理層にオキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、イソ
シアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、及びカ
ップリング剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤を添
加することができる。これによりインク受理層の塗膜強
度、耐候性、難燃剤の耐水性及び耐移行性、さらにはシ
ート状基材との密着性を向上させることができる。
【0031】本発明のインク受理層に用いられるオキサ
ゾリン系化合物としては、オキサゾール−4−カルボン
酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールを原料とし
て用い、これから誘導、生成される化合物が挙げられ
る。例えば、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンを
スチレン、又はアクリル系化合物などのビニル重合性モ
ノマーと共重合することによってオキサゾリン基がペン
ダントされた反応性ポリマーを得ることができる。ま
た、種々のポリマーにオキサゾリン基をグラフトして得
られる多官能オキサゾリンポリマーであってもよい。こ
のようなオキサゾリン系化合物の具体例としては、エポ
クロスWS−500(商品名、日本触媒(株)製造、主
鎖組成:アクリル)、エポクロスK−1020E(商品
名、日本触媒(株)製造、主鎖組成:アクリル/スチレ
ン)、エポクロスRPS−1001(商品名、日本触媒
(株)製造、主鎖組成:スチレン)、NKアシストOX
(商品名、日華化学(株)製造)等が挙げられる。
【0032】前記架橋剤用エポキシ系化合物としては、
フェノール類、またはアルコール類とエピクロルヒドリ
ンとの重縮合によって得られるグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとエピクロルヒド
リンとの重縮合によって得られるビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂などを用いることができる。特にフェノール
誘導体としてフェノールノボラックを使用した多官能グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂などが3次元編目構造
を生成するための架橋剤として好ましく使用できる。そ
の他、カルボン酸類とエピクロルヒドリンとの重縮合に
よって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ア
ミン類または、シアヌール酸類、または、ヒダントイン
類などとエピクロルヒドリンとの重縮合によって得られ
るグリシジルアミン型エポキシ樹脂、及び脂還式エポキ
シ樹脂などを用いてもよい。これらのエポキシ系化合物
は、ポリアミン、変性ポリアミン、酸無水物、イソシア
ネート、ポリメルカプタン及び有機酸などの重付加型硬
化剤、3級アミン、イミダゾール、ルイス酸、ブレンス
テッド酸塩などの触媒型硬化剤、レゾール型フェノール
樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メ
ラミン樹脂などの縮合型硬化剤などと併用してもよい。
【0033】架橋剤用カルボジイミド系化合物として
は、有機ジイソシアネートを、ホスホレン化合物、金属
カルボニル錯体化合物、及び燐酸エステルなどのよう
に、カルボジイミド化を促進する触媒の存在下に、反応
させることにより得られたものが好適に用いられる。例
えば、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジ
イミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ−P−ト
ルオイルカルボジイミド、及びトリイソプロピルベンゼ
ンポリカルボジイミドなどを用いることができる。とく
に、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなど
のように多官能カルボジイミドが好ましい。
【0034】架橋剤用イソシアネート系化合物として
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びリ
ジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート
類、イソホロンジイソシアネート、及び水添トリレンジ
イソシアネートなど脂還式ジイソシアネート類、トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、及びキシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソ
シアネート類、トリス(ヘキサメチレンイソシアネー
ト)イソシアヌレート、及びトリス(3−イソシアネー
トメチルベンジル)イソシアヌレートなどのイソシアヌ
レート類、並びに前記イソシアネート系化合物のイソシ
アネート基末端をフェノール類、オキシム類、アルコー
ル類、又はラクタム類等のブロック化剤でブロックして
得られるブロックイソシアネート系化合物類、あるい
は、前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基の
一部にエチレングリコールなどの親水性単量体を付加し
た変性イソシアヌレート系化合物類、などを用いること
ができる。
【0035】架橋剤用カップリング剤としては、シラン
系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニ
ウム系化合物、アルミニウム系カップリング剤、及びジ
ルコアルミニウム系カップリング剤から選ばれた少なく
とも1種からなるものが用いられる。シラン系カップリ
ング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルト
リエトキシシランなどのアミノシラン類、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラ
ン類、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニルシラン
類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの
メルカプトシラン類などを用いることができる。
【0036】チタン系カップリング剤としては、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
及びテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなどの
アルコキシ類、トリ−n−ブトキシチタンステアレー
ト、及びイソプロポキシチタントリステアレートなどの
アシレート類などを用いることができる。ジルコニウム
系カップリング剤としては、例えば、テトラブチルジル
コネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネー
ト、及びテトライソプロピルジルコネートなどを用いる
ことができる。アルミニウム系カップリング剤として
は、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロ
ピレートなどを用いることができる。また、ジルコアル
ミニウム系カップリング剤としては、テトラプロピルジ
ルコアルミネートなどを用いることができる。
【0037】これら架橋剤の添加量は、インク受理層中
の樹脂バインダー100質量部に対して、0.5〜30
質量部であることが好ましい。0.5質量部未満では十
分な架橋効果が発現せず、目的とする塗膜強度、耐候
性、難燃剤の耐水性及び耐移行性を向上させることがで
きないことがある。また、それが30質量部を超えて添
加しても添加量に見合う効果が得られないばかりでな
く、インク受理層のインク吸収性低下を招くことがあ
る。
【0038】本発明の難燃性印刷用膜材において、イン
ク受理層には、防カビ剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、着色剤、分散剤、増粘
剤、撥水剤、界面活性剤などの各種添加剤を必要に応じ
て配合することができる。
【0039】本発明の難燃性印刷用膜材において、シー
ト状基材にインク受理層を形成する手段としては、ブレ
ードコーター、エアーナイフコーター、ナイフコータ
ー、ロールコーター、カーテンコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター、コンマコーター等が利用でき
る。あるいは、塗工液を含浸させたのちマングルロール
により絞りを加える方法、すなわちディップ−ニップ法
を利用してもよい。本発明の印刷用膜材におけるインク
受理層の付着量は、5〜50g/m2 であることが好ま
しい。それが5g/m2 未満では、インクの吸収性が十
分でなく、印刷用膜材としての利用価値が失われてしま
うことがある。またそれが、50g/m2 を超えた場合
には、インクがインク受理層に深く浸透しすぎて発色が
低下し、またコスト的にも不利になることがある。
【0040】本発明の難燃性印刷用膜材において、シー
ト状基材用いられる繊維布帛は、天然繊維、例えば木
綿、麻など、無機繊維、例えばガラス繊維、炭素繊維、
金属繊維など、再生繊維、例えばビスコースレーヨン、
キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−及びトリアセ
テート繊維など、及び合成繊維、例えば、ナイロン6、
ナイロン66などのポリアミド繊維、ケブラーなどのア
ラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレートなどのポリエステル繊維(飽和ポリエス
テル繊維)及びポリ乳酸繊維などの脂肪族ポリエステル
繊維、ポリアリレート繊維、芳香族ポリエーテル繊維、
ポリイミド繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維などのポリオレフィン
繊維及びポリ塩化ビニル繊維、などから選ばれた少なく
とも1種からなる布帛から選ぶことができる。
【0041】繊維布帛を形成する合成繊維は、必要に応
じて難燃性合成繊維から選ばれてもよく、例えば、ポリ
塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、フッ素繊
維、アラミド繊維、ノボロイド繊維、ポリアリレート繊
維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリフェニレントリ
アゾール繊維、ポリオキサジアゾール繊維、ポリイミド
繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊
維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリフェニレン
オキサイド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポ
リバラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリバ
ラフェニレンベンゾビスチアゾール繊維などから選ばれ
た1種以上を用いることができる。難燃性合成繊維の具
体例としては、塩化ビニル繊維、例えばテビロン(帝
人)、ビクロン(呉羽化学)など、塩化ビニリデン繊
維、例えばサラン(旭ダウ)、クレハロンなど、フッ素
繊維、例えばテフロン(デュポン)、トヨフロン(東
レ)など、アラミド繊維、例えばコーネックス(帝
人)、ケブラー(デュポン)など、ノボロイド繊維、例
えばカイノール(日本カイノール)、ポリアリレート繊
維、例えばベクトラン(クラレ)など、ポリベンズイミ
ダゾール繊維、例えばPBI(セラニーズ)など、ポリ
イミド繊維、例えばカプトン(デュポン)など、ポリア
ミドイミド繊維、例えばKermel(ローヌプーラ
ン)など、ポリエーテルイミド繊維、PEI(帝人)な
ど、ポリエーテルエーテルケトン繊維、PEEK(帝
人)など、ポリフェニレンオキサイド繊維、例えばTe
nax(アクゾ)など、ポリフェニレンサルファイド繊
維、例えばKPS(呉羽化学)など、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維、例えばザイロン(東洋
紡)など、が挙げられる。
【0042】本発明の難燃性印刷用膜材において、シー
ト状基材に用いられる繊維布帛用再生繊維、半合成繊維
及び合成繊維は、それに混入された難燃剤を含有してい
るものであってもよい。このような難燃性改質繊維とし
ては、例えば、難燃性レーヨン繊維、難燃性アクリル繊
維、難燃性ビニロン繊維、ポリクラール繊維、難燃性ポ
リエステル繊維、難燃性ポリウレタン繊維など、からな
る難燃性改質繊維群を例示することができる。難燃性改
質繊維の具体例としては、難燃性レーヨン繊維、例えば
りん系難燃剤をブレンドし紡糸して得られるベルフレー
ム(鐘紡)、トビレン(東邦レーヨン)など、難燃性ア
クリル繊維、例えばアクリルニトリルと塩化ビニルある
いは塩化ビニリデンを共重合して作られるカネカロン
(鐘淵化学)、ルフネン(鐘紡)、エクスランNX(東
洋紡)など、難燃性ビニロン繊維、例えばバイナール
(クラレ)など、ポリクラール繊維、例えばポリビニル
アルコールを乳化剤として塩化ビニルを乳化重合し、こ
れにポリビニルアルコールを混合紡糸した後にアセター
ル化して作られるコーデラン(興人)など、難燃性ポリ
エステル繊維、例えば重合段階でりん系難燃剤などを添
加して作られるテトロンアンフラ(東レ)、エクスター
(帝人)、ナンネックス(クラレ)、ハイム(東洋紡)
など、が挙げられる。
【0043】本発明の難燃性印刷用膜材において、シー
ト状基材に用いられる繊維布帛用天然有機繊維、再生繊
維、半合成繊維及び合成繊維は、難燃化処理されたもの
であってもよい。例えば、難燃性を示さない繊維布帛
を、難燃剤で後加工してこれを難燃化することができ
る。このような難燃剤としては、ハロゲン系化合物、リ
ン酸エステル系化合物、リン系化合物、窒素化合物、ホ
ウ素系化合物、硫黄系化合物などが使用できる。これら
の難燃剤を単独、あるいは樹脂バインダーを含むエマル
ジョンまたは溶液中に分散させて加工液を調整し、噴
霧、コーティングなどの方法により処理を施すことがで
きる。
【0044】前記難燃剤用ハロゲン系化合物としては、
ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノ
ールAなどを用いることができる。前記難燃剤用リン酸
エステル系化合物としては、トリブトキシエチルホスフ
ェート、トリヘキシルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフ
ェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェ
ート、トリス(1,3−ジクロソプロピル)ホスフェー
ト、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス
(2,4,6−トリブロモフェニルホスフェート、ビス
(β−クロロエチル)ビニルホスホン酸エステル、トリ
アリルホスフェート、レゾルシノール−ビス(ジフェニ
ルホスフェート)などを用いることができる。
【0045】前記難燃剤用リン系化合物としては、オル
ソリン酸、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウ
ム、リン酸尿素、リン酸グアニル尿素、ポリホスホリル
アミド、リン酸メラミン、ポリホスホリルアミドアンモ
ニウム、ホスホリルトリアニライド、ホスホニトリル、
トリス(2−カルバモイルエチル)ホスフィン、トリス
(2−カルバモイルエチル)ホスフィンオキシド、ホス
ホリルアミド、ホスフィンアミド、ビニルホスホン酸な
どを用いることができる。前記難燃剤用窒素系化合物と
しては、トリメチロールメラミン、及びN−メチロール
アクリルアミド、シアヌール酸誘導体などを含むトリア
ジン誘導体やグアニジン誘導体ホルムアルデヒド反応物
などを用いることができる。さらに前記難燃剤用ホウ素
系化合物としては、ホウ酸、リン酸ホウ素、ホウ酸アン
モニウムなどが用いられる。また、前記難燃剤用硫黄系
化合物としては、チオ尿素、硫酸アンモニウム、スルフ
ァミン酸アンモニウムなどが用いられる。その他の難燃
化用化合物としては、三塩化アンチモン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、ホウ酸亜
鉛、塩化亜鉛、塩化スズなどの無機化合物が用いられ
る。
【0046】綿布帛の難燃化用後加工には、テトラキス
(ヒドロキシメチル)ホスホニウム・クロライドとアン
モニアガスで処理するプロバン法、N−メチロールジメ
チルホスホノプロピオンアミドとトリメチロールメラミ
ンを併用するPyrovatexCP法、ビス(β−ク
ロロエチル)ビニルホスホネートとメチルホスホネート
の縮合物で処理する方法、アミノホスファゼンで処理す
る方法、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム及びグアニジン誘導体ホルムアルデヒド反応物等を
混合した水溶液で処理する方法、などが好適に用いられ
る。ポリエステル布帛の難燃化用後加工には、ヘキサブ
ロモシクロドデカン、あるいはレゾルシノールビス(ジ
フェニルホスフェート)をパッド処理したのち高温でキ
ュアして繊維内部に難燃剤成分を吸着させる方法、など
が好適である。繊維及び繊維布帛の難燃化については、
上記例示に限定されるものではない。
【0047】繊維布帛中の繊維は、短繊維紡績糸、長繊
維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなど、いずれ
の形状でもよい。また基布組織は織物、編物、不織布ま
たはこれらの複合体のいずれであってもよい。基布の編
織組織にも格別の制限はないが、例えば少なくともそれ
ぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸
を含む糸条により構成された粗目状の編織物、及び非粗
目状編織物(糸条間に実質上間隙が形成されていない編
織物)を包含する。粗目織物の目付は30〜700g/
2 であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積
率は、粗目編織物の全表面面積に対して10〜95%程
度であることが好ましい。また繊維基布が非粗目編織物
である場合、その組織、目付、厚さなどに制限はない
が、使用目的に応じて、平織、綾織、丸編、緯編、及び
経編などの編織物を選ぶことができ、またその目付は5
0〜1000g/m2 程度とすることが好ましい。基布
の強度については格別の制限はないが、張力下に固定さ
れるような展張膜材として使用される用途については、
40 kgf/3cm以上の引張強さを有することが好まし
い。また、これらの繊維基布は、予め、フッ素系化合物
やシリコーン系化合物などの撥水剤を用いて撥水処理し
たり、アミノ変性シリコーン化合物などの柔軟剤加工剤
を用いて柔軟加工していてもよい。
【0048】本発明において、シート状基材に用いられ
る繊維基布としては、繊維基布からなるシート状基材上
に直接インク受理層を設ける場合においては、軽量性及
びドレープ性に優れた布帛を選択して用いることが好ま
しく、例えば、難燃化処理された綿布帛及びポリエステ
ル布帛、あるいは難燃性ポリエステル布帛が好適であ
る。また、繊維布帛上に合成樹脂を被覆し、その上にイ
ンク受理層を形成する場合においては、強度及び寸法安
定性を向上させるためにポリエステル布を繊維布帛とし
て用いることが好ましい。高い防炎性が要求される場合
には、プロバン加工法などによる防炎加工を施した綿布
帛、難燃性ポリエステル布帛、及び難燃後処理を施した
ポリエステル布帛などが好適に使用される。
【0049】本発明の難燃性印刷用膜材において、必要
によりシート状基材は、その繊維基布の少なくとも1面
に、難燃性合成樹脂及び難燃剤含有合成樹脂から選ばれ
た少なくとも1員を含む難燃性樹脂被覆層をさらに有し
ていてもよい。難燃性樹脂被覆を形成することにより繊
維布帛を含むシート状基材の耐久性を向上させることが
でき、これはとくにテント用途向けの膜材として好適な
ものとなる。難燃性樹脂被覆層は、透明または不透明の
いずれでもよく、不透明の場合には任意の色相に着色さ
れていてもよい。とくに、難燃性樹脂被覆層を白色に着
色するとインク受理層上に形成された印刷画像の鮮明度
が向上する。難燃性樹脂被覆層を白色に着色するには、
酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ、カオリン、タルク、クレーなど公知の無機顔
料のほか、アクリル系ビーズ、スチレン系ビーズなど公
知の有機顔料を任意に使用することができる。また上記
顔料とブルーインク剤又は蛍光増白剤を併用してもよ
い。また、樹脂被覆層は、繊維布帛の片面に2層以上積
層されたものであってもよい。この場合、内側(すなわ
ち繊維布帛側)の層をカーボンブラック等の暗色系顔料
で着色し、外側(すなわちインク受理層側)の層を白色
に着色することが好ましい。これにより遮光性が求めら
れる用途に適した難燃性印刷用膜材を得ることができ
る。
【0050】難燃性樹脂被覆層に用いられる難燃性合成
樹脂及び難燃剤含有樹脂の種類に格別の制限はないが、
シート状基材として難燃性を示すものでなければならな
い。樹脂自体が難燃性を有する樹脂被覆層用難燃性合成
樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂
などが挙げられる。また、樹脂自体は難燃性を示さない
が難燃剤を添加することにより難燃性を示す難燃剤含有
合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチ
レン−(メタ)アクリレート系共重合体樹脂、ポリエチ
レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。とくに、ポリ
塩化ビニル系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル系共
重合体樹脂に難燃剤を添加した樹脂被覆層が好ましい。
これらの樹脂はコストが安く、高周波ウェルダー加工が
できるという特徴を有しているため、本発明の難燃性印
刷用膜材におけるシート状基材用樹脂被覆層として好適
である。
【0051】前記合成樹脂に難燃性を付与する方法とし
ては、通常の難燃性付与剤を添加する方法を用いること
ができる。難燃剤としては、例えば塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレンなどの含塩素有機化合物、デ
カブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、
エチレンビスペンタブロモジフェニルなどの含臭素有機
化合物、赤燐(特に酸化チタンによって表面被覆された
白色処理赤リンが好ましい)、トリメチルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェートなどのリン酸エステル系化合物、オリ
ゴマー状芳香族リン酸エステル縮合体、ポリ燐酸アンモ
ニウム系化合物、メラミンなどのトリアジン誘導体化合
物、グアニジンなどのシアナミド系化合物、尿素系化合
物、及び三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛などの無機化
合物などから選ばれた少なくとも1種を用いることがで
きる。また、ヒンダードフェノール系化合物及びヒンダ
ードアミン系化合物などのラジカル捕捉剤を用いてもよ
い。但し、合成樹脂に難燃性を付与する方法について
は、上記例示に限定されるものではない。
【0052】繊維布帛に難燃性樹脂被覆層を形成する手
段としては、コーティング法、トッピング法、ディッピ
ング法など任意の方法を用いることができる。繊維布帛
に積層される難燃性樹脂被覆層の厚さは、繊維布帛の目
付けに応じて適宜に設定することができるが、取り扱い
性を考慮して、シート状基材の質量が1000g/m 2
を越えないような厚さに調整することが好ましい。シー
ト状基材の質量を200g/m2 〜800g/m2 に調
整することがより好ましい。
【0053】また、難燃性樹脂被覆層の上には、インク
受理層とシート状基材との密着性を向上させることを目
的として、必要に応じて接着層を設けることができる。
この接着層を形成するために用いられる接着剤として
は、メラミン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、
ポリイソシアネート系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂
等を挙げることができ、これらの中から、難燃性樹脂被
覆層の種類に応じて適宜選択することできる。また、樹
脂被覆層の表面にコロナ放電処理やプラズマ処理を施し
てからインク受理層を形成してもよい。
【0054】本発明の印刷用膜材において、前記シート
状基材及びインク受理層の少なくとも1層が、耐候安定
剤及び防カビ剤の少なくとも1種を含むことが好まし
く、インク受理層がこれらを含むことがより好ましい。
耐候安定剤を添加すると、難燃性印刷用膜材が、屋外に
おける使用時の耐候性及び耐変色性が改善される。また
防カビ剤を添加すると、印刷用膜材が高温多湿下で使用
されたときのカビの発生を防ぐことができる。これらを
併用することによって、本発明の難燃性印刷用膜材は長
期間にわたって印刷画像の鮮明性を維持することができ
る。
【0055】本発明の難燃性印刷用膜材に用いることが
できる前記耐候安定剤としては、ベンゾトリアゾール系
化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート
系化合物、セリウム系化合物などの紫外線吸収剤、及び
ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤などを挙げる
ことができる。前記紫外線吸収剤としては、2−(5−
メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、及び2−
(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、並
びに2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベン
ゾフェノン、2,2’,及び4,4’−テトラヒドロキ
シ−ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物が好
適に用いられる。また、これらの分子内にヒドロキシエ
チル基やメタクリロイル基を導入した反応性紫外線吸収
剤も好適である。これらの化合物は、インクジェット用
イエローインクの褪色防止にも効果的である。さらに前
記安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、及びビス(1−
オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバゲートなどのようにピペリジル基のN位
水素がメチル基などのアルキル基で置換されたもの、あ
るいはアルコキシ基で置換されたヒンダードアミン系化
合物が好ましく用いられる。置換基としてラジカル重合
性ビニルモノマーを導入した反応型のヒンダードアミン
系化合物も好適である。
【0056】これらの耐候安定剤の添加量は、とくにイ
ンク受理層に添加する場合には、インク受理層の樹脂バ
インダー100質量部に対して0.1〜5質量部である
ことが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好
ましい。それが0.1質量部未満では効果が十分でない
ことがあり、またそれを、2質量部を超えて添加しても
添加量に見合う効果が得られずコスト高となることがあ
る。
【0057】本発明の難燃性印刷用膜材に用いることが
できる防カビ剤としては、例えば、6−ヒドロキシ−2
−(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−4−フェニ
ルピリミジンなどのアミド系化合物、2−(4−チアゾ
リル)ベンズイミダゾール、2−(メトキシカルボニル
アミノ)ベンゾイミダゾール、メチル−1−(ブチルカ
ルボモイル)−2−(ベンズイミダゾール)カーバメイ
ト、メチルベンズイミダゾールカーバメイト、ビスフェ
ニル−(2−クロルフェニル)−1−イミダゾリルメタ
ン、2−ヘプタデシル−2−イミダゾールなどのイミダ
ゾール化合物、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチ
アゾール、2−メチルカプトベンゾチアゾールナトリウ
ム、及び1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなど
のチアゾール系化合物、5−クロロベンゾトリアゾー
ル、及びトリルトリアゾールなどのトリアゾール系化合
物、塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチル塩化アン
モニウムなどの第4級アンモニウム塩、テトラクロロイ
ソフタロニトリル、4−メチルスルホニルテトラクロロ
ピリジンなどの有機ハロゲン化合物、トリフェニル錫ヒ
ドロキシドなどの有機金属化合物、N,N‘−ジメチル
−N‘−フェニル−N‘−フルオロジクロロメチルチオ
スルファミドなどのチオ系化合物、銀をシリカ、又はゼ
オライトなどに担持させた銀系複合体などを挙げること
ができる。
【0058】とくに、イミダゾール系化合物、チアゾー
ル系化合物及びトリアゾール系化合物から選ばれた少な
くとも1種からなるものであることが好ましい。また、
これらの有機化合物の1種以上をリン酸塩化合物やゼオ
ライトなどの層状無機化合物にインターカレーションし
た複合体、あるいはシリカなどの無機酸化物に担持させ
た複合体であってもよい。さらに、これらの有機化合物
と銀や亜鉛などの無機金属の1種以上を層状無機化合物
にインターカレーションした複合体、あるいはシリカな
どの無機酸化物に担持させた複合体であってもよい。
【0059】これらの防カビ剤の添加量は、とくにイン
ク受理層に添加する場合には、インク受理層の樹脂バイ
ンダー100質量部に対して0.1〜5質量部であるこ
とが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ま
しい。0.1質量部未満では効果が不十分になることが
あり、またそれを5質量部を超えて添加しても添加量に
見合う効果が得られずコスト高となることがある。
【0060】本発明の印刷用膜材に使用できるインクジ
ェットインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤
系インクの何れを用いてもよい。ここでいう水性インク
とは、染料、あるいは顔料の分散溶媒として、水と水溶
性有機溶剤を主成分として含むものである。水溶性有機
溶剤としては、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリンなどの多価アルコール類、ポリア
ルキレンオキシド類、N−メチル−2−ピロリドン、N
−エチル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリドンなど
のピロリドン類が、水性インクの湿潤剤として使用さ
れ、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエー
テル類が水性インクの浸透剤として使用される。これら
水溶性有機溶剤の水に対する配合量としては、水性イン
クの全質量に対し5〜60%の範囲が好適である。その
他必要に応じて水性インク組成中にpH調整剤、界面活
性剤、脱酸素剤、導電性付与剤、水性高分子分散剤、キ
レート剤、消泡剤、防腐防黴剤などの各種添加剤を加え
ても良い。また、油性インクは、顔料の分散溶媒とし
て、ガス油、ナフサ、あるいは150℃以上の沸点を有
する有機溶剤を主体とするインクである。
【0061】溶剤系インクは、顔料の分散溶媒として、
シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、カル
ボン酸エステルなどの150℃以下の沸点を有する有機
溶剤を主成分として含むインクである。油性インク、及
び溶剤系インクの組成としては、染料(油溶性染料)、
カーボンブラック、有機系顔料などの着色剤のほか、バ
インダー樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、
マレイン酸樹脂、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラー
ル樹脂などの熱可塑性樹脂が使用され、その他必要に応
じて、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電性
付与剤、防腐防黴剤などの添加剤を加えても良い。
【0062】インクジェットインクの着色剤として用い
られる染料としては、天然染料、合成染料などの公知の
染料、例えばニトロソ系、ニトロ系、アゾ系、スチルベ
ン系、ジフェニルメタン系、トアリールメタン系、キノ
リン系、メチン系、ポリメチン系、チアゾール系、イン
ダミン系、インドフェノール系、アジン系、オキサジン
系、チアジン系、アミノケトン系、オキシケトン系、ア
ントラキノン系、インジゴイド系、フタロシアニン系の
染料が挙げられる。一方、顔料としては、有機系顔料、
無機系顔料などの公知の顔料、例えばアゾ系、フタロシ
アニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキ
サジン系、インジコ系、ベンチジン系、チオインジコ
系、ペリノン系、イソインドリノン系、酸化チタン、カ
ドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系の顔料が挙
げられる。
【0063】また、本発明の印刷用膜材は、インクジェ
ット印刷に限らず、水性インキ、油性インキ等の印刷イ
ンキを用いてグラビア印刷、スクリーン印刷、及オフセ
ット印刷などに用いることも可能である。これらの印刷
インキとしては、顔料、バインダー、及び助剤から構成
された公知の印刷インキを使用することができる。前記
水性インキとしては、有機系顔料、無機系顔料の着色剤
成分と、水溶性樹脂、コロイダルディスパージョン、エ
マルジョン、ラテックスなどのバインダー樹脂成分と、
可塑剤、軟化剤などの被膜柔軟化剤、アンモニア、水溶
性アミンなどの水溶化剤、その他、耐摩耗性向上剤、顔
料分散剤、色分け防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止
剤、レベリング剤、ツヤ消し剤などの添加助剤及び、
水、アルコール類、グリコール類などの乾燥性調整剤か
ら得られるものが使用できる。
【0064】水性インキに用いられる有機系顔料及び無
機系顔料としては従来公知のもの、例えば、アゾ系、フ
タロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、
ジオキサジン系、インジコ系、ベンチジン系、チオイン
ジコ系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリノン
系、酸化チタン、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブ
ラック系などの顔料が挙げられる。これらの水性インキ
の製造に使用される顔料としては、上記有機系顔料及
び、無機系顔料の粉末又はブレスケーキからなる生顔料
を使用しても良いが、上記有機系顔料及び、無機系顔料
を、非イオン系またはアニオン系の界面活性剤を分散剤
として水に分散させた顔料水性分散体又は、親水性樹脂
で顔料の表面処理コートを施した水易分散顔料又は、顔
料と樹脂を2本ロールなどを用いて練肉、チップ化した
着色チップからなる加工顔料を使用することが作業性、
発色安定性、色相安定性の面で特に好ましい。
【0065】水性インキに用いられる水溶性樹脂として
は、例えば、デンプン、デキストリン、アルギン酸塩な
どの天然物、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースなどの天然物誘導体、ポリビニルアル
コール、ポリビニルアミン、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポ
リアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸ジメチルアミ
ノエチルなどの合成樹脂などが挙げられる。これらの水
溶性樹脂は主にインキの粘度及び流動性の調整、顔料分
散及び固着を目的に助剤として併用することができる。
水性インキに用いられるコロイダルディスパージョンと
しては、例えば、セラック樹脂、スチレン化セラック樹
脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ロジン−マレイ
ン酸樹脂、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エス
テルと不飽和カルボン酸との共重合によって得られるカ
ルボキシル基含有アルカリ可溶性のアクリル系共重合樹
脂などが挙げられ、これらのうち、セラック樹脂は水−
アルコール混合系及び、アンモニア水に溶解して使用で
き、スチレン−マレイン酸共重合樹脂は、酸価が約17
0〜350、軟化温度が130〜170℃のものをアン
モニア及び、水溶性アミン(モノエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、モルホリンなど)の存在下で
水溶化して、または、アルコール、グリコールエーテル
などに可溶化して使用でき、インキ皮膜の可塑剤として
オレイン酸などの不飽和脂肪酸、ポリエチレングリコー
ル及びその誘導体を添加することが好ましい。また、カ
ルボキシル基含有アルカリ可溶性のアクリル系共重合樹
脂は、酸価が150〜200、軟化温度が100〜15
0℃のものをアンモニア及び、水溶性アミンの存在下で
水溶化して、または、アルコール、グリコールエーテル
などに可溶化して使用でき、インキ皮膜柔軟化の可塑剤
としてDBP,DOP,DOA,DBS,DOSなど軟
質塩ビ分野で汎用に使用されている可塑剤を添加するこ
とが好ましい。
【0066】水性インキに用いられるエマルジョンとし
ては、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ス
チレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの乳化重合樹脂な
ど、また、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
アルキッド樹脂、エポキシエステル樹脂、ロジンエステ
ル樹脂などの乳化性樹脂などが挙げられる。また、水性
インキに用いられるラテックスとしてはスチレン−ブタ
ジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、
メチルメタアクリレート−ブタジエン系樹脂、ポリクロ
ロプレン、ポリイソプレン、塩化ビニリデン系樹脂など
が挙げられる。このうち水性インキの樹脂バインダーと
しては、アクリル系樹脂エマルジョンが好ましく使用で
き、特にアクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステルなどの1種以上から選ば
れたモノマーの乳化重合によって得られるアクリル系樹
脂エマルジョン及び、これらのモノマーと共重合しうる
他のモノマー、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、N−メチロールアクリルアミド、メタアク
リル酸グリシジルなどと乳化共重合して得られるアクリ
ル系樹脂共重合エマルジョンなどが好ましく使用でき
る。これらのアクリル系共重合樹脂エマルジョンには、
インキの流動性、レベリング性、インキ光沢の改良のた
め、前記のコロイダルディスパージョンを適量ブレンド
して併用することもできる。また、インキ皮膜柔軟化の
可塑剤としては、DBP,DOP,DOA,DBS,D
OSなどの軟質塩ビ分野で汎用に使用されている可塑剤
の他、ブチルカルビトール、クエン酸トリエチル、P−
トルエンスルホンアミド、トール油脂肪酸などを使用す
ることができる。
【0067】前記油性インキとしては、有機系顔料、無
機系顔料の着色剤成分と、バインダー樹脂成分と、可塑
剤、軟化剤などの被膜柔軟化剤、その他、耐摩擦性向上
剤、顔料分散剤、色分け防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降
防止剤、レベリング剤、ツヤ消し剤などの添加剤成分と
溶剤成分、もしくは水成分から構成されるものが使用で
きる。油性インキに用いられる有機系顔料及び無機系顔
料としては従来公知の顔料、例えば、不溶性アゾ系、溶
性アゾ系、銅フタロシアニン系、キナクリドン系、アン
トラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、ベンチジ
ン系、チオインジコ系、ペリノン系、ペリレン系、イソ
インドリノン系、ポリアゾ系などの有機系顔料、無機系
顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系な
どが挙げられる。
【0068】油性インキに用いられるバインダー樹脂成
分としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂(ダイマー酸とジアミンの縮合
物)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン
樹脂(塩素化度25〜65質量%)、ニトロセルロー
ス、セルロースエステル類、セルロースエーテル類、硬
化ロジン(アビチエン酸との金属塩)、二量化ロジン、
ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変
性フマル酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ケトン樹
脂、テルペン樹脂、環化ゴム、塩化ゴムなどが挙げら
れ、これらの樹脂を併用したものが使用できる。
【0069】油性インキに用いられる溶剤としては、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系
溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどの多価
アルコール誘導体系溶剤などが挙げられ、これらの溶剤
を併用して用いることができる。
【0070】
【実施例】本発明を下記実施例により更に説明する。 [評価方法]下記に示す試験方法に基づいて本発明の難
燃性印刷用膜剤の性能評価を行った。1.インクジェット印刷性 インク受容層が形成された印刷用膜材に、ピエゾ型ヘッ
ドが搭載されたインクオンデマンド型インクジェットプ
リンタ(ぺんてる(株)社製PRP−22:水性イン
ク、ぺんてる(株)社製DynajetII:油性イン
ク、溶剤系インク)に、表1〜3に示す組成のインクジ
ェットプリンタ用インクを装填し、水性インクによる印
刷性、油性インクによる印刷性、及び溶剤インクによる
印刷性をそれぞれ単独に評価した。出力解像度は360
dpiで行い、風景写真画像を描画した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】<インク吸収性>上記インクジェットプリ
ンターにより、前記インクの各々を用いて印刷し、指触
によりインクの乾燥状態を評価した。20秒以内に乾燥
したものを「◎」、40秒以内に乾燥したものを
「○」、60秒以内に乾燥したものを「△」、60秒を
超えたものを「×」と表示した。 <発色性>上記インクジェットプリンターにより、各印
刷インクを用いて印刷し、印字濃度を評価した。印字濃
度が、非常に濃いものを「◎」、濃いものを「○」、や
や薄いものを「△」、薄いものを「×」と表示した。
【0075】2.スクリーン印刷性 インク受理層が形成された印刷用膜材に、水性インキ
(商標:テントアート(黒)、ターナー色彩製)、及び
油性インキ(商標:セリコールPPE(911墨)、帝
国インキ製造製)のそれぞれについて225メッシュの
スクリーンを用いてストライプ柄(5mm幅直線印刷部と
5mm幅非印刷部の交互連続パターン)を印刷し、インキ
の転写状態を観察した。インキの転写状態が均一なもの
を「○」、インキの転写状態が均一でないものを「×」
と表示した。
【0076】3.耐候性 印刷画像について、スガ試験機社製サンシャインウェザ
ーメーターにて、ブラックパネル温度63℃、降雨設定
18分/2時間の条件で耐候促進試験を480時間行
い、促進前後のインク受理層表面外観の変化を観察し
た。外観変化と変色がほとんどないものを「◎」、外観
変化はほとんどないが変色が僅かにあるものを、
「○」、外観変化あるいは変色が認められるものを
「△」、外観変化あるいは変色が顕著なものを「×」と
表示した。
【0077】4.防炎性 供試膜材について、消防法施工規則第4条の3第3項、
第4項、第7項に規定されたテント、膜類の防炎性能試
験に従って、着炎後3秒加熱試験を行った。また、耐久
性試験として、耐候促進試験後の防災性能の変化を評価
した。評価は、下記の基準を全て満たしたものを合格と
した。 (合格基準) 残炎時間:1.5秒以下「◎」、3秒以下「○」、3秒
以上「×」 残じん時間:3秒以下「◎」、5秒以下「○」、5秒以
上「×」 炭化面積:20cm2 以下「◎」、30cm2 以下「○」、
30cm2 以上「×」
【0078】5.耐屈曲性 供試膜材についてデマッチャ・フレキシング・テスター
((株)安田精機製作所製)を使用し、JISK630
1の屈曲試験を1000回行った。屈曲試験後の試料の
表面状態をルーペにて10倍に拡大して観察し、下記の
基準にインク受理層の耐屈曲性を評価した。なお、試験
機に装着する試験の形態は、インク受理層の折曲げと折
畳みに対する耐久性が評価できるように、50mm幅×1
50mm長のサイズとし、幅の中心25mmから左右2つ折
りに重ね合わせた25mm幅×150mm長のサイズとし
た。外観が全く変化がないものを「◎」、外観がほとん
ど変化していないものを「○」、亀裂または剥がれが生
じているものを「×」と表示した。
【0079】6.防カビ性 供試膜材について、JIS Z−2911 カビ抵抗性
試験方法に従って防カビ性試験を行った。菌体として黒
カビを使用し、ハロー効果の有無を目視で評価した。ま
た、耐久性試験として、耐候促進試験後の防カビ性能の
変化を評価した。試料面にカビの生育がまったく認めら
れないものを「◎」、試料面にカビの生育がごくわずか
認められるものを「○」試料面の1/3以下にカビの生
育が認められるものを「△」、試験面の2/3以上にカ
ビの生育が認められるものを「×」と表示した。
【0080】[シート状基材の作製]下記に示す方法に
よりシート状基材1〜8を作製した。シート状基材1〜
8の作製に用いられた材料の「質量部」はすべて、
固形分質量部である。シート状基材1 繊維基布として、下記の織り組織を有する難燃化処理綿
布帛(オルブライトアンド ウィルソン社製プロバン加
工布)をシート状基材として使用した。このシート状基
材1の防炎性は、残炎時間0.9秒、残じん時間0.9
秒、炭化面積12cm2 であり、防炎性能試験に合格する
ものであった。
【0081】シート状基材2 シート状基材として、下記の織り組織を有するポリエス
テル布帛(質量:185g/m2 )に、ヘキサブロモシ
クロドデカンの乳化分散液(商標:ニッカファイノンT
S−3、日華化学製)をディップ−ニップ加工し、さら
に190℃で1分間熱処理することにより難燃性有効成
分を25g/m2 収尽させたものを使用した。このシー
ト状基材2の防炎性は、残炎時間1.1秒、残じん時間
1.1秒、炭化面積9cm2 であり、防炎性能試験に合格
するものであった。
【0082】シート状基材3 シート状基材として、下記の織り組織を有する難燃性ポ
リエステル布帛(原糸、東洋紡績(株)製ハイム)を使
用した。このシート状基材3の防炎性は、残炎時間1.
0秒、残じん時間1.0秒、炭化面積11cm2 であり、
防炎性能試験に合格するものであった。
【0083】シート状基材4 シート状基材として、下記の織り組織を有するアラミド
繊維布帛(原糸、デュポン社製ノーメックス)を使用し
た。このシート状基材4の防炎性は、残炎時間0.6
秒、残じん時間0.7秒、炭化面積12cm2 であり、防
炎性能試験に合格するものであった。
【0084】シート状基材5 下記の織り組織を有するポリエステル繊維布帛の両面
に、厚さ0.2mmの下記組成を有する難燃剤含有白色ポ
リ塩化ビニル樹脂フィルム(1)をラミネートして、シ
ート状基材を作製した。このシート状基材の表面にポリ
エステル系プライマー(商標:ペスレジンWAC−17
X、高松油脂製)を塗布し、乾燥して3g/m2 のプラ
イマー層を形成した。このシート状基材5の防炎性は、
残炎時間1.0秒、残じん時間1.0秒、炭化面積11
cm2 であり、防炎性能試験に合格するものであった。
【0085】 <難燃剤含有白色ポリ塩化ビニル樹脂フィルム(1)> ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部 可塑剤(アジピン酸ジイソノニル) 40質量部 エポキシ化大豆油 3質量部 液状難燃剤(トリクレジルホスフェート) 20質量部 無機難燃剤(三酸化アンチモン) 8質量部 ラウリン酸亜鉛系安定剤 2質量部 ルチン型酸化チタン 4質量部
【0086】シート状基材6 シート状基材5と同様にしてシート状基材を作製した。
但し、難燃剤含有白色ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの代
わりに、下記の組成を有する難燃剤含有白色エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(2)をラミネートし
た。このシート状基材の表面にイソシアネート系硬化剤
を配合したウレタン系プライマー(商標:PR−Uマッ
トAC剤、大日精化製)を塗布、乾燥して3g/m2
プライマー層を形成した。このシート状基材6の防炎性
は、残炎時間1.8秒、残じん時間1.8秒、炭化面積
17cm2 であり、防炎性能試験に合格するものであっ
た。
【0087】 <難燃剤含有白色エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(2)> メタロセンポリエチレン樹脂 30質量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(VA=25%) 70質量部 エチレンビスペンタブロモジフェニル 30質量部 三酸化アンチモン 15質量部 ルチル型酸化チタン 4質量部 リン酸エステル系滑剤 0.1質量部 2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル) −5−クロロベンゾトリアゾール 0.1質量部 (紫外線吸収剤)
【0088】シート状基材7 下記の織り組織を有するポリプロピレン繊維布帛の両面
に厚さ0.2mmの下記の難燃剤含有白色エチレン−酢酸
ビニル系共重合体樹脂フィルム(3)をラミネートし
て、シート状基材を作製した。このシート状基材の表面
にイソシアネート系硬化剤を配合したウレタン系プライ
マー(商標:PR−UマットAC剤、大日精化製)を塗
布、乾燥して3g/m2 のプライマー層を形成した。こ
のシート状基材7の防炎性は、残炎時間2.0秒、残じ
ん時間2.0秒、炭化面積20cm2であり、防炎性能試
験に合格するものであった。
【0089】 <難燃剤含有白色エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂フィルム(3)> エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(VA=25%) 100質量部 白色処理赤リン 20質量部 (商標:ノーバレッド280C、燐化学工業(株)製) 水酸化アルミニウム 20質量部 ルチル型酸化チタン 10質量部 リン酸エステル系滑剤 0.1質量部 2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール 0.1質量部 (防カビ剤)
【0090】シート状基材8 シート状基材3で用いた難燃性ポリエステル布帛(質
量:100g/m2 )の両面に下記組成を有する難燃剤
含有水性樹脂塗工液をコーティング加工し、乾燥質量で
150g/m2 の樹脂被覆層を形成し、さらにその表面
にイソシアネート系硬化剤を配合したウレタン系プライ
マー(商標:PR−UマットAC剤、大日精化製)を塗
布、乾燥して3g/m2 のプライマー層を形成した。こ
のシート状基材8の防炎性は、残炎時間1.2秒、残じ
ん時間1.2秒、炭化面積13cm2であり、防炎性能試
験に合格するものであった。
【0091】 <難燃剤含有水性樹脂塗工液> 水性ウレタン樹脂 60質量部 水性アクリル樹脂 40質量部 グアナミンシアヌレート 30質量部 リン酸亜鉛 20質量部 オキサゾリン系架橋剤 5質量部 (商標:NKアシストOX、固形分濃度:50質量%、日華化学製) ルチル型酸化チタン 5質量部 2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル) ベンゾトリアゾール 0.1質量部 (紫外線吸収剤) 5−クロロベンゾトリアゾール 0.1質量部 (防カビ剤)
【0092】[実施例1]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。この塗布液をシート状基材1の片
面に、乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコー
トし、インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃
で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4
に示す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 100質量部 (商標:PVA117、クラレ製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム 60質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0093】[実施例2]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 100質量部 (商標:PVA117、クラレ製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) メラミンイソシアヌレート 60質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0094】[実施例3]下記に示すインク受理層組成
を、固形分濃度が25質量%になるように調製し、イン
ク受理層塗工液とした。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 100質量部 (商標:PVA117、クラレ製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) コラーゲン粉末 60質量部 (平均粒子径:10μm) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0095】[実施例4]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 ウレタン樹脂 100質量部 (商標:アデカボンタイターHUX−670−15、 固形分濃度:31質量%、旭電化製) 非晶質合成シリカ 200質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム 60質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0096】[実施例5]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が8g/m2 になるようにナイフコートし、イン
ク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間行
った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 ウレタン樹脂 100質量部 (商標:アデカボンタイターHUX−670−15、 固形分濃度:31質量%、旭電化製) 非晶質合成シリカ 10質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) メラミンイソシアヌレート 5質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0097】[実施例6]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 ウレタン樹脂 100質量部 (商標:アデカボンタイターHUX−670−15、 固形分濃度:31質量%、旭電化製) 尿素樹脂粒子 50質量部 (平均粒子径:3μm) コラーゲン粉末 150質量部 (平均粒子径:10μm) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0098】[実施例7]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材2の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 100質量部 (商標:スミカフレックス401、住友化学工業製、 固形分濃度:55質量%) (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) 尿素樹脂微粒子 50質量部 (平均粒子径:3μm) メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム 30質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) メラミンイソシアヌレート 30質量部 ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0099】[実施例8]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材2の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 アクリル樹脂 100質量部 (商標:アクリットRTW−300、 固形分濃度:23質量%、大成化工製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) 尿素樹脂微粒子 50質量部 (平均粒子径:3μm) メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム 30質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) メラミンイソシアヌレート 30質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0100】[実施例9]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材2の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。インク受理層組成 ポリエステル樹脂 100質量部 (商標:プラスコートZ−446、 固形分濃度:40質量%、互応化学工業製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、 平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製) メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム 30質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) 絹フィブロイン粉末 30質量部 (平均粒子径:5μm) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0101】[比較例1]実施例4と同様にして印刷用
膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液にポリ燐酸
アンモニウム系化合物を添加しなかった。得られた印刷
用膜材の試験結果を表4に示す。
【0102】[比較例2]実施例4と同様にして印刷用
膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液にポリ燐酸
アンモニウム系化合物の添加量を180質量部とした。
得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。
【0103】[比較例3]実施例4と同様にして印刷用
膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液に非晶質合
成シリカを添加しなかった。得られた印刷用膜材の試験
結果を表4に示す。
【0104】[比較例4]実施例4と同様にして印刷用
膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液に非晶質合
成シリカを添加量を250質量部とした。得られた印刷
用膜材の試験結果を表4に示す。
【0105】
【表4】
【0106】実施例1〜9の印刷用膜材は、印刷性、難
燃性、屈曲性に優れていた。一方、比較例1の印刷用膜
材は、難燃性化合物を添加しなかったので難燃性が不合
格であった。比較例2の印刷用膜材は、難燃性化合物の
添加量が過剰であったため、印刷性が低下した。比較例
3の印刷用膜材では、無機顔料と有機顔料の何れもが添
加されていなかったので、印刷性が低下した。比較例4
の印刷用膜材では、無機顔料の添加量が過剰であったた
め、インク受理層の耐屈曲性が低下した。
【0107】[実施例10]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) メラミンイソシアヌレート 60質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0108】[実施例11]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 30質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 70質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) メラミンイソシアヌレート 60質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0109】[実施例12]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) メラミンイソシアヌレート 40質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)縮合物 10質量部 (商標:ファイロールフレックスRDP、アクゾ・カシマ製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0110】[実施例13]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム 40質量部 (商標:テラージュC−60、 平均粒子径:7.5μm、チッソ製) ヘキサブロモシクロドデカン 10質量部 (商標:ニッカファイノンTS−3、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0111】[実施例14]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) メラミンイソシアヌレート 20質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) コラーゲン粉末 20質量部 (平均粒子径:10μm) ヘキサブロモシクロドデカン 10質量部 (商標:ニッカファイノンTS−3、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) 三酸化チタン 5質量部 ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0112】[比較例5]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)縮合物 30質量部 (商標:ファイロールフレックスRDP、アクゾ・カシマ製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0113】[比較例6]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) ヘキサブロモシクロドデカン 30質量部 (商標:ニッカファイノンTS−3、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0114】[比較例7]下記に示す組成を有するイン
ク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%に
なるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾
燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、イ
ンク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間
行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) コラーゲン粉末 60質量部 (平均粒子径:10μm) ヘキサブロモシクロドデカン 40質量部 (商標:ニッカファイノンTS−3、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0115】
【表5】
【0116】実施例10及び実施例11の難燃性印刷用
膜材は、インク受理層に用いられるバインダー樹脂のポ
リビニルアルコール樹脂の一部をウレタン樹脂に置換す
ることによって、ポリビニルアルコールを単独で用いた
ときよりも難燃性が向上した。実施例12〜14の印刷
用膜材は、インク受理層にリン酸エステル系化合物また
は含臭素有機化合物に併用することによって難燃性が向
上し、難燃性化合物添加量を減量しても優れた難燃性を
維持できた。また、この効果により印刷発色性がさらに
向上した。一方、比較例5の印刷用膜材は、初期の難燃
性は良好であるが、リン酸エステル系化合物のみである
ため、耐候促進試験後の難燃性低下が顕著であった。比
較例6の印刷用膜材も、含臭素有機化合物の紫外線曝露
による変色許容範囲の添加量しか添加されていないため
耐候促進試験後の難燃性が防炎性能試験の基準をややオ
ーバーした。比較例7の印刷用膜材は、含臭素有機化合
物の添加量が過剰であるため、耐候促進試験後の黄変が
目立つ結果となった。
【0117】[実施例15]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表6に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 100質量部 (商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、 平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製) ポリ燐酸メラミン 60質量部 (商標:PMP−200、 平均粒子径:2.7μm、日産化学工業製) ポリエチレンポリアミン 10質量部 (商標:IJR−2、 固形分濃度:70質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0118】[実施例16]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表6に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 球状軽質炭酸カルシウム 150質量部 (商標:ED−III、 平均粒子径:3μm、米庄石灰工業製) ベンゾグアナミン 60質量部 (商標:エポスターGP−50、 平均粒子径:5μm、日本触媒製) ジメチルアミノエチルメタクリレート4級アンモニウム塩 20質量部 (商標:PCQ−1、固形分濃度:20質量%、センカ製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0119】[実施例17]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表6に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 150質量部 (商標:ファインシールX−60、沈降法シリカ、 平均粒子径:6μm、トクヤマ製) ポリ燐酸アンモニウム 30質量部 (商標:ホスタフラムAP−745、 平均粒子:12μm、ヘキストジャパン製) メラミンイソシアヌレート 30質量部 (商標:MC−640、 平均粒子:1〜5μm、日産化学工業製) オキサゾリン系化合物 5質量部 (商標:NKアシストOX、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0120】[実施例18]実施例17と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成のオキサ
ゾリン系化合物の代わりにイソシアネート系化合物(商
標:エラストロンBN−08、固形分濃度:20質量
%、第一工業製薬製)を固形分換算で5質量部とイソシ
アネート硬化触媒(商標:エラストロンキャタリスト6
4、第一工業製薬製)を固形分換算で0.2質量部添加
した。得られた印刷用膜材の試験結果を表6に示す。
【0121】[実施例19]実施例17と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成のオキサ
ゾリン系化合物の代わりにエポキシ系化合物(商標:C
R−5L、固形分濃度:50質量%、大日本インキ化学
工業製)を固形分換算で5質量部添加した。得られた印
刷用膜材の試験結果を表6に示す。
【0122】[実施例20]実施例17と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成のオキサ
ゾリン系化合物の代わりにカルボジイミド系化合物(商
標:カルボジライトV−02、固形分濃度:40質量
%、日清紡製)を固形分換算で5質量部添加した。得ら
れた印刷用膜材の試験結果を表6に示す。
【0123】[実施例21]実施例17と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成のオキサ
ゾリン系化合物の代わりにγ−アミノプロピルトリエト
キシシランを固形分換算で5質量部添加した。得られた
印刷用膜材の試験結果を表6に示す。
【0124】
【表6】
【0125】実施例15及び16の印刷用膜材は、イン
ク受理層にカチオン性ポリマーを添加したことにより、
印刷性、とくに水性染料インクの発色性が向上した。実
施例17〜21の印刷用膜材は、インク受理層に架橋剤
を添加したことにより、耐候促進試験後の難燃性低下が
ほとんどなかった。
【0126】[実施例22]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表7に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 130質量部 (商標:ファインシールX−60、沈降法シリカ、 平均粒子径:6μm、トクヤマ製) メラミンイソシアヌレート 40質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) ヘキサブロモシクロドデカン 10質量部 (商標:ニッカファイノンTS−3、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) 塩化ジアリルジメチルアンモニウム重合体 20質量部 (商標:PAS−H−5L、日東紡製、 固形分:28質量%) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0127】[実施例23]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表7に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 130質量部 (商標:ファインシールX−60、沈降法シリカ、 平均粒子径:6μm、トクヤマ製) メラミンイソシアヌレート 40質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) ヘキサブロモシクロドデカン 10質量部 (商標:ニッカファイノンTS−3、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) オキサゾリン系化合物 10質量部 (商標:NKアシストOX、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0128】[実施例24]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表7に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 130質量部 (商標:ファインシールX−60、沈降法シリカ、 平均粒子径:6μm、トクヤマ製) メラミンイソシアヌレート 60質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) 塩化ジアリルジメチルアンモニウム重合体 20質量部 (商標:PAS−H−5L、日東紡製、 固形分:28質量%) オキサゾリン系化合物 10質量部 (商標:NKアシストOX、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0129】[実施例25]下記に示す組成を有するイ
ンク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%
になるように調製した。これをシート状基材1の片面に
乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、
インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分
間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表7に示
す。インク受理層組成 ポリビニルアルコール樹脂 70質量部 (商標:PVA117、クラレ製) ウレタン樹脂 30質量部 (商標:IJR−7、 固形分濃度:40質量%、日華化学製) 非晶質合成シリカ 130質量部 (商標:ファインシールX−60、沈降法シリカ、 平均粒子径:6μm、トクヤマ製) メラミンイソシアヌレート 40質量部 (商標:MC−640、 平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製) レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)縮合物 10質量部 (商標:ファイロールフレックスRDP、アクゾ・カシマ製) 塩化ジアリルジメチルアンモニウム重合体 20質量部 (商標:PAS−H−5L、日東紡製、 固形分:28質量%) オキサゾリン系化合物 10質量部 (商標:NKアシストOX、 固形分濃度:50質量%、日華化学製) ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0130】
【表7】
【0131】実施例22の印刷用膜材は、インク受理層
に含臭素有機化合物とカチオン性ポリマーをさらに添加
したことにより、難燃性化合物減量による発色性向上効
果とカチオン性ポリマーによる発色性向上効果の相乗効
果により、極めて高い印刷発色性を示した。実施例23
の印刷用膜材は、含臭素化合物と架橋剤をさらに添加し
たことにより、難燃性化合物配合量が少なくても優れた
難燃耐久性を示した。実施例24の印刷用膜材は、カチ
オン性ポリマーと架橋剤をさらに添加したことにより、
優れた発色性と優れた難燃耐久性を示した。実施例25
の印刷用膜材は、含臭素化合物とカチオン性ポリマーと
架橋剤をさらに添加したことにより、極めて高い印刷発
色性と優れた難燃耐久性を示すという、これまでの印刷
用膜材にはない特徴を有するものであった。
【0132】[実施例26]実施例1と同様にして印刷
用膜材を作製した。但し、インク受理層組成に、耐候安
定剤としてメチル−3−[3−tブチル−5−(2H−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェ
ニル]プロピネート−ポリエチレングリコールの縮合物
(商標:チヌビン213、チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ製)を固形分換算で1質量部添加した。得られた
印刷用膜材の試験結果を表8に示す。
【0133】[実施例27]実施例25と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成に、耐候
安定剤としてメチル−3−[3−tブチル−5−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフ
ェニル]プロピネート−ポリエチレングリコールの縮合
物(商標:チヌビン213、チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ製)を固形分換算で1質量部添加と、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート(商標:チヌビン765、チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ製)を固形分換算で0。5質量部
追加した。得られた印刷用膜材の試験結果を表8に示
す。
【0134】[実施例28実施例27と同様にして印刷
用膜材を作製した。但し、シート状基材1の代わりに、
シート状基材3を用いた。得られた印刷用膜材の試験結
果を表8に示す。
【0135】[実施例29]実施例27と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、シート状基材1の代わり
に、シート状基材4を用いた。得られた印刷用膜材の試
験結果を表8に示す。
【0136】[実施例30]実施例27と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、シート状基材1の代わり
に、シート状基材5を用い、シート状基材5のプライマ
ー処理面に乾燥質量が20g/m2 になるようにクリア
ランスコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥
は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験
結果を表8に示す。
【0137】[実施例31]実施例27と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、シート状基材1の代わり
に、シート状基材6を用い、シート状基材6のプライマ
ー処理面に乾燥質量が30g/m2 になるようにクリア
ランスコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥
は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験
結果を表8に示す。
【0138】
【表8】
【0139】実施例26〜31の印刷用膜材は、優れた
印刷性と難燃性に加え、耐候促進試験後のインク受理層
の変色と印刷インクの退色が少なく、屋外で使用しても
長期間に渡って印刷画像の鮮明性を保てるという特徴を
有していた。
【0140】[実施例32]実施例1と同様にして印刷
用膜材を作製した。但し、インク受理層組成に、防カビ
剤としてベンズイミダゾール系化合物と銀をシリカに担
持させた複合体(商標:CS−100、住友大阪セメン
ト製)を固形分換算で1質量部添加した。得られた印刷
用膜材の試験結果を表9に示す。
【0141】[実施例33]実施例32と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成に含まれ
るポリ燐酸アンモニウム系化合物の添加量を60質量部
から50質量部に変更し、さらに水酸化アルミニウム
(商標:ハイジライトH−42M、平均粒子径:1μ
m、昭和軽金属製)を10質量部添加した。
【0142】[実施例34]実施例32と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成に含まれ
るポリ燐酸アンモニウム系化合物の添加量を60質量部
から50質量部に変更し、さらに水酸化マグネシウム
(商標:マグシーズN−3、平均粒子径:1.2μm、
神島化学工業製)を10質量部添加した。
【0143】[実施例35]実施例27と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、インク受理層組成に、防カ
ビ剤としてベンズイミダゾール系化合物と銀をシリカに
担持させた複合体(商標:CS−100、住友大阪セメ
ント製)を固形分換算で1質量部追加した。得られた印
刷用膜材の試験結果を表9に示す。
【0144】[実施例36]実施例35と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、シート状基材1の代わり
に、シート状基材7を用い、シート状基材7のプライマ
ー処理面に乾燥質量が20g/m2 になるようにクリア
ランスコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥
は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験
結果を表9に示す。
【0145】[実施例37]実施例35と同様にして印
刷用膜材を作製した。但し、シート状基材1の代わり
に、シート状基材8を用い、シート状基材8のプライマ
ー処理面に乾燥質量が20g/m2 になるようにクリア
ランスコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥
は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験
結果を表9に示す。
【0146】
【表9】
【0147】実施例32〜37の印刷用膜材は、インク
受理層に防カビ剤を添加したことにより、優れた印刷性
と難燃性に加え、カビが発生しにくいという特徴を有し
ていた。とくに実施例35〜37の印刷用膜材は、架橋
剤や耐候安定剤なども添加されていたので、屋外用の印
刷用膜材として、印刷性、難燃性、耐候性、防カビ性の
全ての要求性能を極めて高いレベルで満足するものであ
った。
【0148】
【発明の効果】本発明の難燃性印刷用膜材は、樹脂バイ
ンダー及び無機または有機微粒子からなるインク受理層
に、ポリリン酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導
体化合物、及びタンパク質粉末から選ばれた少なくとも
1種を添加することによって優れた印刷性と難燃性を兼
ね備えている。さらに、リン酸エステル系化合物、含臭
素有機化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、カチオン性ポリマー、架橋剤、耐候安定剤、防カビ
剤を必要に応じて組み合わせることにより、本来の印刷
性と難燃性を損なうことなくより優れた発色性、難燃耐
久性、耐候性、防カビ性を獲得でき、長期間にわたって
鮮明な印刷画像を維持できる。本発明の難燃性印刷用膜
材は、これまでの印刷用膜材にはない特徴を有するもの
であり、防炎性が要求される屋内外看板、垂れ幕、カー
テン、壁装材、室内装飾材などの用途に特に適してい
る。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛を含むシート状基材、及び前記
    シート状基材の少なくとも一面上に形成された樹脂バイ
    ンダーを含むインク受理層を含み、前記インク受理層
    が、樹脂バインダー100質量部に対して(1)平均粒
    子径が1μm〜10μmの無機顔料及び有機顔料から選
    ばれた少なくとも1種10〜200質量部と、(2)ポ
    リ燐酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導体化合
    物、及びタンパク質粉末から選ばれた少なくとも1種5
    〜150質量部とを含むことを特徴とする難燃性印刷用
    膜材。
  2. 【請求項2】 前記インク受理層に含まれる樹脂バイン
    ダーが、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹
    脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、アクリル系
    樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれた1種以上を含
    む、請求項1に記載の難燃性印刷用膜材。
  3. 【請求項3】 前記インク受理層が、リン酸エステル系
    化合物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び水
    酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種からなる
    難燃助剤をさらに含む請求項1又は2に記載の難燃性印
    刷用膜材。
  4. 【請求項4】 前記インク受理層が、カチオン性ポリマ
    ーをさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の難
    燃性印刷用膜材。
  5. 【請求項5】 前記インク受理層が、オキサゾリン系化
    合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カ
    ルボジイミド系化合物、及びカップリング剤から選ばれ
    た少なくとも1種からなる架橋剤をさらに含む、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  6. 【請求項6】 前記リン酸エステル系化合物が、オリゴ
    マー状芳香族リン酸エステル系化合物から選ばれる請求
    項3に記載の難燃性印刷用膜材。
  7. 【請求項7】 前記インク受理層に含まれる樹脂バイン
    ダーが、ポリビニルアルコール系樹脂とウレタン系樹脂
    との、固形分質量比率が90:10〜10:90である
    ブレンドを含む請求項1,3,4及び5のいずれか1項
    に記載の難燃性印刷用膜材。
  8. 【請求項8】 前記シート状基材が、前記繊維布帛の少
    なくとも1面を被覆し、かつ難燃性合成樹脂及び難燃剤
    含有合成樹脂から選ばれた少なくとも1員をさらに含む
    樹脂被覆層を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の難燃性印刷用膜材。
  9. 【請求項9】 前記シート状基材用繊維布帛が、天然有
    機繊維、無機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維
    から選ばれた少なくとも1種の繊維を含む、請求項1〜
    8のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  10. 【請求項10】 前記シート状基材用繊維布帛が、難燃
    化処理されたものである、請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の難燃性印刷用膜材。
  11. 【請求項11】 前記シート状基材用繊維布帛が、綿、
    ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊
    維及びビニロン繊維から選ばれた1種以上を含む、請求
    項1及び8〜10のいずれか1項に記載の難燃性印刷用
    膜材。
  12. 【請求項12】 前記シート状基材用繊維布帛に含まれ
    る綿またはポリエステル繊維が、難燃化処理されたもの
    である、請求項1及び8〜11のいずれか1項に記載の
    難燃性印刷用膜材。
  13. 【請求項13】 前記シート状基材用繊維布帛に含まれ
    る再生繊維、半合成繊維及び合成繊維が、それに混入さ
    れた難燃剤を含有している、請求項1及び8〜12のい
    ずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  14. 【請求項14】 前記シート状基材用繊維布帛に含まれ
    る天然有機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維
    が、難燃化処理されたものである、請求項1及び8〜1
    3のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  15. 【請求項15】 前記シート状基材用繊維布帛が、難燃
    性レーヨン繊維、難燃性アクリル繊維、難燃性ビニロン
    繊維、ポリクラール繊維、難燃性ポリエステル繊維、及
    び難燃性ポリウレタン繊維から選ばれた1種以上を含む
    請求項1及び8〜14のいずれか1項に記載の難燃性印
    刷用膜材。
  16. 【請求項16】 前記シート状基材及び前記インク受理
    層の少なくとも一層が、紫外線吸収剤及び防カビ剤から
    選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜15のいず
    れか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
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