JP3700770B2 - プリント用複合メッシュシー卜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インク及び油性インクにより画像を表裏両面に描画プリントするのに好適なプリント用複合メッシュシートに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、広告媒体、掲示媒体、日除けテント、ブラインド、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例えばテニスコート遮光用シートなど)などに有用であって、インクジェットプリンターを用いて、画像を容易に、かつ高生産効率をもってプリントすることができるプリント用複合メッシュシートに係るものである。本発明のプリント用複合メッシュシートは、描画される画像が鮮明であり、かつ、このメッシュシートに描画された画像が、当該メッシュシートの裏面側に透けて見えることがなく、更に当該メッシュシートの裏面側にも表面側の画像と異なる画像を描画することができるという利点を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式によりメッシュシート上にプリントして所望の画像(文字、模様など)を描画し、この描画メッシュシートは、広告媒体、掲示媒体、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例えばプール用、又はテニスコート用遮光用シートなど)などとして広く用いられている。
【0003】
従来、インクジェットプリントに用いられるメッシュシートは、白色系が多く、かつ軟質ポリ塩化ビニル系樹脂により被覆されているメッシュシート構成糸条の遮光性が低いため、メッシュシートの1面(描画面)に水性及び油性インクによる画像を描画したとき、この画像が、メッシュシートの他の面(非描画面)に、不鮮明な画像として透けて現れるという不都合があり、特にメッシュシートの描画面における照度が、非描画面の照度より高い場合、描画面に描画された画像が、非描画面に透けて見え、非描画面側に位置している人々に不快感を与えることがある。
【0004】
メッシュシートは、本来、構成糸条の間隙に多数の空孔部が形成されているものであり、この空孔部は光を透過する。従って、従来から、メッシュシートは、その糸条間隙空孔を透過する光を利用し、このメッシュシートにより囲われた内側空間の照度を高くするという目的により利用されている。従って、メッシュシート構成糸条の遮光率を意図的に高くして、メッシュシートを透過する光量を削減することを目的とする処理は、ほとんど施されることがなかった。このために、メッシュシート構成糸条の遮光率が低いことにより、メッシュシートの描画面に描画された画像が、メッシュシートの反対側非描画面においても、上記描画面の画像が不必要に、かつ不鮮明に現れるという不都合を生じていた。
【0005】
実開平5−93831号には、繊維糸条の全周を不透明な樹脂で被覆し、両面にプリントを可能にしたメッシュシートが開示されているが、被覆層の隠蔽性が不十分で、表面側の描画が裏面側に透けて見えたり、また、その隠蔽性を高くするために被覆層に添加する隠蔽材料の添加が増量すると被覆層の強度が低下してしまうという問題が生じている。
また、特開平8−190355号及び特開平8−263005号には、メッシュシートの裏面を暗色に着色して、描画表面の画像を鮮明にする処方がとられているが、このメッシュシートは、その両面に鮮明な画像を描画するには不適当である。そこで、上記不都合を回避することが可能な、すなわち、両面に印刷可能なプリント用メッシュシートの出現が強く要望されていたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水性インク及び油性インクのいずれを用いた場合でも、画像を表裏両面に描画プリントするのに好適なプリント用複合メッシュシートを提供しようとするものである。特に本発明は、メッシュシートの隠蔽性が高く、両面に鮮明な画像を描画でき、それが裏目に透けて見えることがなく、屋外の過酷な使用条件下においても、被覆樹脂層の剥離、脱落などによる損傷が少ないプリント用複合メッシュシートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリント用複合メッシュシートは、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、この基布の構成糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを含む複合メッシュシートであって、
(1)前記基布がマンセル明度7.5以下の明度を有しており、
(2)前記樹脂被覆層が、可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種を含む樹脂により形成されており、
(3)前記樹脂被覆層がマンセル明度8.0以上の明度を有し、
(4)前記複合メッシュシートの透孔面積率が0.5以下である、
ことを特徴とするものである。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記基布が着色されていることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記基布が、マンセル明度7.5〜4.0の範囲に着色されていることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記基布の着色が繊維の原液着色又は染料及び/又は顔料による後染め着色、若しくは着色樹脂液を被覆することによる樹脂被覆着色であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高く、芯層のマンセル明度が7.5以下であり、かつ鞘層のマンセル明度が8.0以上であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高く、芯層、鞘層のマンセル明度が何れも7.5以下であることも好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記基布が難燃性を有することが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層を形成する可撓性高分子材料含有樹脂が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分を含む樹脂組成物であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂組成物が、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を更に含むことが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中に、二酸化チタンをさらに含み、前記樹脂成分と二酸化チタンの固形分重量比率は100:50〜200であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中の樹脂成分と前記架橋剤との固形分重量比率は100:0.5〜15であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層が、基布を形成する粗目編織物を、前記可撓性高分子材料含有処理液をもってディピング及び/又はコーティングすることにより形成されたものであることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層が難燃性を有することが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えてさらに(2)難燃性付与剤と(3)架橋剤とを含む難燃性樹脂組成物(I)により形成された難燃性樹脂被覆層(Ia)であって、
前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、
前記難燃性付与剤(2)が、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種を含み、
前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(Ia)中に、二酸化チタン(4)をさらに含み、前記可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との重量比率が100:50〜100:200であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(Ia)中の前記可撓性高分子材料(1)と、前記難燃性付与剤(2)と、前記架橋剤(3)との重量比率が100:50〜300:0.5〜15であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(Ia)が、基布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(I)を含む処理液をもってディピング及び/又はコーティングすることにより形成されたものであることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えて、さらに(2a)難燃性付与剤と、(2b)無機系難燃助剤と、並びに(3)架橋剤とを含む、難燃性樹脂組成物(II)により形成された難燃性樹脂被覆層(IIa)であり、前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、
前記難燃性付与剤(2a)が、臭素を含む少なくとも1種の難燃性付与有機化合物を含み、
前記無機系難燃助剤(2b)が、二酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を含み、
前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(IIa)が二酸化チタン(4)をさらに含み、前記可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との重量比が100:50〜100:200であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(IIa)中の前記可撓性高分子材料(1)と、前記難燃性付与剤(2a)と、前記無機系難燃助剤(2b)と、前記架橋剤(3)との重量比率が100:50〜200:20〜100:0.5〜15であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(IIa)が、基布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(II)を含有する処理液をもってディピング及び/又はコーティングすることにより形成されたものであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のプリント用複合メッシュシートに用いられる基布は、繊維糸条から構成された粗目編織物から形成され、この粗目編織物は、天然繊維、例えば木綿、麻など、無機繊維、例えばガラス繊維など、再生繊維、例えばビスコールレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−及びトリアセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、ナイロン6、及びナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、及びポリオレフィン繊維などから選ばれた少なくとも1種から形成される。
【0009】
前記基布中の繊維は、短繊維紡績糸条、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの形状のものでもよく、異なる組成からなる融点の高い芯層と融点の低い鞘層より構成された複合マルチ又はモノフィラメントであってもよい。複合糸条の場合、芯層のマンセル明度を7.5以下、鞘層のマンセル明度を8.0以上にして編織と同時にプリント用複合メッシュシートを作ってもよく、芯層、鞘層共にマンセル明度を7.5以下とし編織後被覆層を形成してもよい。複合糸条は芯層、鞘層共押し出しで、又は芯層糸の周りに鞘層樹脂を(押し出し)コーティングすることにより作ることができる。また基布組織は織物、編物、いずれであってもよい。更に基布の編織組織にも格別の制限はないが、例えば、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目布状の編織物が好適に用いられる。また複合マルチ又はモノフィラメントを編織し加熱、加圧して低融点鞘層を溶融して経・緯糸の交叉点を接合するとズレのない粗目編織物を得ることもできる。複合糸条の芯層、鞘層の構成は前述の如く閉鎖形であるのが一般的であるが、鞘層/芯層/鞘層の層構造として端部が開放されたものであってもよい。
【0010】
前記粗目編織物の目付は30〜700g/m2であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積率は、粗目編織物の面積に対して50%以下であることが好ましく5〜30%であることがさらに好ましい。透孔面積率とは、粗目編織物の全表面積に対する、透孔の合計面積の比(%)である。
【0011】
前記基布は、マンセル明度7.5以下の明度を有するものであり、更に好ましいマンセル明度は4.0〜7.5である。そのマンセル明度が7.5を超えると繊維糸条の遮光性が不十分になり、描画表面の画像が裏面に透けて見えることがあり、両面に鮮明な画像が描画できなくなる。このようなマンセル明度を有する基布は着色されていることが好ましい。基布を着色する方法には格別の制限はないが、例えば、予め原着された糸を用いて編織物を作る先染め方法、着色された高分子材料で被覆された糸を製織して基布用編織物とする方法、又は樹脂バインダーを含むエマルジョンによる顔料染めにより着色する方法、基布用布帛を染料をもって染色する後染め方法、及び着色された高分子材料で被覆する樹脂被覆着色方法などがあり、耐水性、及び吸水防止性を向上させる目的をもって、顔料染めエマルジョンに撥水処理剤等を添加してもよい。
【0012】
本発明のプリント用複合メッシュシートの被覆層に用いられる可撓性高分子材料は、オレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそれらの共重合体、例えばエチレンと不飽和単量体との共重合樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−バーサチック酸ビニル共重合体;アクリル系樹脂、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;並びにポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びポリ酢酸ビニル系樹脂などの汎用な樹脂を包含する熱可塑性樹脂、及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのゴム系樹脂、換言すれば熱可塑性エラストマー、及び天然又は合成ゴムなどを包含する。また可撓性を妨げない範囲で熱硬化性樹脂、その他の高分子材料を使用することもできる。
【0013】
前記樹脂被覆層は無彩色であってもよく、あるいは有彩色であってもよいが、マンセル明度が8.0以上であり、好ましくは8.5以上である。マンセル明度が8.0未満では、その色相によっては描画像が不鮮明になることがあり、プリント画像の色相調整が煩雑になるという欠点がある。
【0014】
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、樹脂被覆層は可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含有するエマルジョン、又は溶液により、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布をディッピング及び/又はコーティングする方法、又は可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種の樹脂を押出機で溶融混練しダイスより吐出させ、芯材となる繊維糸条に被覆する方法により、繊維糸条の少なくとも露出周面の全面に形成される。樹脂被覆層用配合組成物中には、難燃剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡剤などの1種以上が適宜添加されていてもよい。
【0015】
繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布に対する樹脂被覆層の付着重量は、30〜800g/m2であることが好ましく、更に好ましくは100〜500g/m2である。樹脂被覆層の付着重量が30g/m2未満では、隠蔽性が不十分となり描画が裏面に透けて見えることがあり、また樹脂被覆層の付着重量が800g/m2を超えると得られたプリント用複合メッシュシートの柔軟性が不十分となることがある。
【0016】
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、粗目編織物基布用繊維糸条が、難燃性を有し、従って基布が難燃性を有することが好ましい。
すなわち、基布用粗目編織物は、難燃性を付与する目的をもって、例えば、難燃性付与剤及び樹脂バインダーを含むエマルジョン及び溶液などを噴霧し、又は浸漬する方法により難燃前処理を予め施しておいてもよい。難燃性付与剤には格別な制限はなく、公知の薬剤例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ヘキサブロモベンゼン、及びデカブロモビフェニルエーテルなどを、基布重量に対して5〜20重量%の付与量で付与することによって適宜に使用できる。また、合成繊維の場合、糸を製造する段階にて糸原料に難燃性付与剤を予め添加して糸を製造してもよい。この場合でも難燃性付与剤には格別の制限はなく、公知の薬剤例えばトリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びトリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートなどを糸原料重量に対して5〜20%の付与量で適宜付与できる。
【0017】
本発明のプリント用複合メッシュシートの樹脂被覆層を形成する可撓性高分子材料に用いられる樹脂成分には、格別の制限はないが、好ましくは、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む樹脂組成物が用いられる。
オレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂を用いることが好ましく、このエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、酢酸ビニル成分含有率が比較的低い共重合体樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、酢酸ビニル成分含有率の比較的に高い共重合体樹脂のいずれを用いてもよい。エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有率は、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜90重量%である。酢酸ビニル成分含有率が50重量%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十分になることがあり、酢酸ビニル成分含有率が95重量%を超えると、得られる樹脂の耐熱強度が不十分になり、また製品が粘着性を示すという欠点を生ずることがある。エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、酢酸ビニル成分含有率が前記範囲内にある単一族を用いてもよいし、また、酢酸ビニル成分含有率の異る共重合体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】
アクリル系樹脂とは、アクリル酸化合物系樹脂及びメタアクリル酸化合物系樹脂を包含し、アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエステル、及び、これらと、架橋性官能基を含有するα,β−エチレン性不飽和単量体とを共重合して得られる変性アクリル酸エステル共重合体などを好適に用いることができる。アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチルエステル、及び(メタ)アクリル酸ノルマル及びイソプロピルエステルなどから選ばれた少なくとも1種のアルキルエステル、またはこれらアルキルエステルの共重合体からなるものである。ここに表記される(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタアクリル酸の両者を含むものであり、以下同様に表記する。また、これらに共重合用の架橋性官能基を含有するα,β−エチレン性不飽和単量体は、例えば、カルボキシル基含有単量体、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など;エポキシド基含有単量体、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなど;アミノ基含有単量体、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジンなど;水酸基含有単量体、例えばアリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、多価アルコールのモノアリルエーテルなど;イソシアネート基含有単量体、例えばアリルイソシアネートなど、から選ぶことができる。アクリル系樹脂は、乳化重合法、縣濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などのいずれの重合法で製造されたものでもよいが、低温時に高い柔軟性を維持するためにはガラス転移温度が0℃以下であるものを用いることが好ましい。また、更に柔軟性を向上させる目的から、アクリロニトリル−ブタジエン、スチレン−ブタジエンなどの合成ゴムを樹脂成分に添加してもよい。
【0019】
ウレタン系樹脂としては、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られた樹脂を用いることができる。このウレタン系樹脂の合成に用いられるポリオールとしては、両末端に水酸基を有するポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、及びポリカーボネート系ジオールなどを使用することができる。また、ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、及び脂肪族ジイソシアネートを用いることができる。特に、ポリオール成分としてポリカーボネート系ジオールを用い、ジイソシアネート成分として脂肪族ジイソシアネートを用いて得られたポリカーボネート系ウレタン系樹脂は、耐候性及び耐久性が高く、本発明に好適に用いられる。
【0020】
更に前記樹脂被覆層には、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤が必須成分として含まれている。この架橋剤は、樹脂被覆層の耐水性、耐候性、樹脂強度の低下を防止抑制する効果を有している。
【0021】
本発明において、架橋剤として用いられるアジリジン系化合物は、その分子内にアジリジニル基を含有するものであればよく、分子内に2個のアジリジニル基を含有する化合物、例えば、ジフェニルメタン−ビス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレアなど、及び分子内に3個のアジリジニル基を含有する化合物、例えば、2,2−ビスハイドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕などが用いられる。
【0022】
本発明において架橋剤として用いられるカルボジイミド系化合物としては、有機ジイソシアネートを、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、及び燐酸エステルなどのように、カルボジイミド化を促進する触媒の存在下に、反応させることにより得られたものが好適に用いられる。具体的に述べるならば、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ−P−トルオイルカルボジイミド、及びトリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどを用いることができる。特に、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどのような多官能性カルボジイミドは、耐久性がすぐれた樹脂被覆層を形成するので、本発明において好適に用いられる。
【0023】
本発明において架橋剤として用いられるオキサゾリン系化合物としては、オキサゾール−4−カルボン酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールから誘導、生成される化合物が好適に用いられ、例えば、2−オキサゾリン、4−メチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、並びにスチレン、又はアクリル系化合物などのポリマーにオキサゾリル基をグラフトして得られる多官能オキサゾリンポリマーが用いられる。特に、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)などのような多官能オキサゾリンは、耐久性がすぐれている樹脂被覆層を形成することができるので、本発明に好ましく用いられる。
【0024】
本発明において架橋剤として用いられるイソシアネート系化合物としては、脂肪族ジイソシアネート類、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネートなど;脂環式ジイソシアネート類、例えば、イソホロンジイソシアネート、及び水添トリレンジイソシアネートなど;芳香族ジイソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、及びキシレンジイソシアネートなど;イソシアヌレート類、例えば、トリス(ヘキサメチレンイソシアネート)イソシアヌレート、及びトリス(3−イソシアネートメチルベンジル)イソシアヌレートなど;前記イソシアネート化合物のイソシアネート基末端をフェノール類、オキシム類、アルコール類、又はラクタム類等のブロック化剤でブロックして得られるブロックイソシアネート化合物類;並びに、前記化合物のイソシアネート基の一部に、例えばエチレングリコールなどの親水性単量体が付加された変性イソシアヌレート化合物類など、を例示することができる。分散性、耐水性の改良及び基布への接着性向上の観点から、特に、ブロックイソシアネート化合物、及びイソシアネート基の1個にエチレングリコールなど親水性単量体が付加された変性部分三量化イソシアヌレート化合物を用いることが好ましい。
【0025】
本発明において架橋剤として用いられるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、及びジルコアルミニウム系カップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなるものが好ましく用いられる。
シラン系カップリング剤としては、アミノシラン類、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど;エポキシシラン類、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなど;ビニルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど;メルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど、が挙げられる。
【0026】
チタン系カップリング剤としては、アルコキシ類、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラーn−ブトキシチタン、及びテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなど;アシレート類、例えば、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、及びイソプロポキシチタントリステアレートなどが挙げられる。
ジルコニウム系カップリング剤としては、例えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、及びテトライソプロピルジルコネートなどが挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが挙げられる。また、ジルコアルミニウム系カップリング剤としては、テトラプロピルジルコアルミネートが挙げられる。
これらの中で、耐水性、耐候性の観点から、特にγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシランを用いることが好ましい。
【0027】
これら架橋剤化合物は単独で用いてもよいし、また、2種以上を併用してもよい。架橋剤の添加量は、樹脂被覆層の樹脂成分に対して0.5〜15固形分重量%であることが好ましい。その添加量が0.5重量%未満では、得られる樹脂被覆層の耐水性、耐候性が不十分になることがあり、またそれが15重量%を超ええると、製品の柔軟性が損なわれるという問題を生ずることがある。
【0028】
本発明のプリント用複合メッシュシートの好ましい一実施態様は、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、この基布構成糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを有する複合メッシュシートであって、
(1)前記繊維糸条から構成された粗目編織物が着色されており、かつマンセル明度7.5以下の明度を有しており、
(2)前記樹脂被覆層がオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分を含む樹脂組成物により形成されており、
(3)前記樹脂被覆層がマンセル明度8.0以上の明度を有し、
(4)前記樹脂組成物中には、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤とが含まれており、
(5)この複合メッシュシートの透孔面積率が0.5以下である、
ことを特徴とするものである。
【0029】
前記樹脂被覆層は無彩色であってもよく、あるいは有彩色であってもよいが、マンセル明度は8.0以上である。マンセル明度が8.0未満では、その色相によっては描画像が不鮮明になり、プリント画像の色相調整が煩雑になるという欠点がある。
【0030】
前記樹脂被覆層中には樹脂成分とともに白色顔料、例えば二酸化チタンが含まれていてもよく、樹脂成分と二酸化チタンとの固形分重量比率は、100:50〜200であることが好ましく、更に好ましくは100:80〜150である。二酸化チタンの重量比率が50重量%未満では、樹脂被覆層の隠蔽性が低く描画が裏面に透けて見えることがあり、二酸化チタンの重量比率が200重量%を超えると得られる樹脂被覆層の樹脂強度が不十分になり、屈曲耐久性が不十分になることがある。
【0031】
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、樹脂被覆層は、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなる樹脂成分と、及び架橋剤と、必要により白色顔料、特に二酸化チタンとを含有する可撓性高分子材料含有する処理液、例えばエマルジョン中に、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布をディッピング及び/又はコーティングすることにより、繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成される。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、上記ディッピング法及び/又はコーティング法により、可撓性高分子材料含有処理液、例えばエマルジョンは、粗目編織物の構成繊維糸条に浸透し、その少なくとも露出周面を被覆して、処理液の乾燥・固化により樹脂被覆層を形成する。この樹脂被覆層は、粗目編織物の糸条の少なくとも露出表面を被覆し、糸条の交差点においては、糸条の交差部を樹脂被覆層により一体に被覆固定する。また、樹脂組成物含有処理液が、互いに交差する糸条の交差面に浸透していてもよく、この場合には、樹脂被覆層は、交差する糸条の非露出周面部分にも形成され、かつ交差部の露出周面部分及び非露出周面部分を一体に被覆固定する。
勿論、粗目編織物用糸条の全周面を、樹脂被覆層により被覆し、この樹脂被覆糸条により粗目編織物を編織成して本発明のプリント用複合メッシュシートを製造してもよい。
樹脂被覆層形成用樹脂組成物中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡剤などの1種以上が適宜添加されていてもよい。
【0032】
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、その樹脂被覆層が、難燃性を有していることが好ましい。
【0033】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシートの一態様(1)において、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えてさらに(2)難燃性付与剤と(3)架橋剤とを含む難燃性樹脂組成物(I)により形成された難燃性樹脂被覆層(Ia)であって、
前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、
前記難燃性付与剤(2)が、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種を含み、
前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含むものである。
【0034】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシートの他の態様(2)において、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えて、さらに(2a)難燃性付与剤と、(2b)無機系難燃助剤と、並びに(3)架橋剤とを含む、難燃性樹脂組成物(II)により形成された難燃性樹脂被覆層(IIa)であり、
前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、
前記難燃性付与剤(2a)が、臭素を含む少なくとも1種の難燃性付与有機化合物を含み、
前記無機系難燃助剤(2b)が、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を含み、
前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含むものである。
【0035】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)及び(2)において、前記粗目編織物の目付は30〜700g/m2 であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積率は、粗目編織物の面積に対して50%以下である。
【0036】
前記基布は、マンセル明度7.5以下の明度に着色されていることが好ましく、更に好ましくはマンセル明度4.0〜7.5に着色されている。そのマンセル明度が7.5を超えると、得られる繊維糸条基布の遮光性が乏しく、描画が裏面に透けて見えることがあり、従ってシートの両面に鮮明な画像を描画することができなくなる。基布を着色する方法には格別の制限はないが、例えば、予め原着された繊維、又は糸条からなる編織物を用いる方法。又は樹脂バインダーを含むエマルジョンによる顔料染めにより着色する方法、及び基布用布帛を染料をもって染色する方法などがあり、耐水性、及び吸水防止性を向上させる目的をもって、顔料染めエマルジョンに撥水処理剤等を添加してもよい。
【0037】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)及び(2)の樹脂被覆層に用いられる可撓性高分子材料(1)としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種が用いられる。
【0038】
オレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂を用いることが好ましく、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、酢酸ビニル成分含有率が低い樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、酢酸ビニル成分含有率の高い樹脂のいずれを用いてもよい。エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有率は、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜90重量%である。酢酸ビニル成分含有率が50重量%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十分になることがあり、酢酸ビニル成分含有率が95重量%を超えると、得られる樹脂の耐熱強度が低下し、また製品に粘着性が生ずるという欠点を生ずることがある。エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては。酢酸ビニル成分含有率が前記範囲内にあるものを、単独で用いてもよいし、また、酢酸ビニル成分含有率の異る共重合体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0039】
可撓性高分子材料(1)用アクリル系樹脂としては、アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエステル類、及びこれらと架橋性官能基を含有するα,β−エチレン性不飽和単量体とを共重合して得られる変性アクリル酸エステル共重合体が好適に用いられる。アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチルエステル、及び(メタ)アクリル酸ノルマル及びイソプロピルエステルなどから選ばれた少なくても1種のアルキルエステル、またはこれらアルキルエステルの共重合体からなるものである。ここに表記される(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタアクリル酸の両者を含むものであり、以下同様に表記する。また、これらに共重合される、架橋性官能基含有α,β−エチレン性不飽和単量体としては、カルボキシル基含有単量体、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸など;エポキシド基含有単量体、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、及びアリルグリシジルエーテルなど;アミノ基含有単量体、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びビニルピリジンなど;水酸基含有単量体、例えばアリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び多価アルコールのモノアリルエーテルなど;イソシアネート基含有単量体、例えばアリルイソシアネートなど;から選ぶことができる。これらアクリル系樹脂は、乳化重合法、縣濁重合法、溶液重合法、塊状重合法など、いずれの重合法で得られたものでもよいが、低温時の柔軟性を維持するため、ガラス転移温度が0℃以下であることが望ましく、また、更に柔軟性を付与する目的から、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムなどの合成ゴムを添加してもよい。
【0040】
可撓性高分子材料(1)用ウレタン系樹脂としては、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られる樹脂を用いることができる。このウレタン系樹脂の合成に用いられるポリオールとしては、両末端に水酸基を有するポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、及びポリカーボネート系ジオールなどを使用することができる。また、ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、及び脂肪族ジイソシアネートを用いることができる。特に、ポリオール成分としてポリカーボネート系ジオールを用い、ジイソシアネート成分として脂肪族ジイソシアネートを用いて得られたポリカーボネート系ウレタン系樹脂が、耐候性、耐久性が高く、本発明に好適である。
【0041】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)に難燃性を付与することを目的として、樹脂被覆層形成用難燃性樹脂組成物(I)中に難燃性付与剤(2)を添加して難燃性樹脂被覆層(Ia)が形成される。この難燃性付与剤(2)としては、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種が使用される。
【0042】
難燃性付与剤成分(2)用ポリ燐酸アンモニウム系化合物としては、好ましくはオルソ燐酸アンモニウムと尿素との縮合生成物が用いられる。またポリ燐酸アンモニウムはこのまま用いてもよいし、メラミンにより表面を被覆されたもの、或はマイクロカプセル化されたものを用いてもよい。
【0043】
難燃性付与剤成分(2)用(イソ)シアヌル酸誘導体化合物としては、メラミン、硫酸メラミン、燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、メチロールメラミン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエチルエステル、アンメリン、アンメリド、及び2,4,6−トリオキシシアニジンなどのシアヌル酸誘導体を用いることができる。また、イソアンメリン、イソメラミン、イソアンメリド、トリメチルカルボジイミド、トリエチルカルボジイミド、及びトリカルボイミドなどのイソシアヌル酸誘導体を用いることができる。特に、メラミンのシアヌル酸との反応により得られるメラミンシアヌレートが本発明に好適に用いることができる。
【0044】
また、難燃樹脂被覆層(Ia)の難燃性をさらに高めるために、必要に応じ、難燃樹脂被覆層(Ia)中に難燃性付与剤(2)とともに、燐酸アンモニウム系以外の燐系化合物、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、及びオクチルジフェニルホスフェートなどの燐酸エステル類;及び高分子量化したポリホスフェートなどの縮合燐酸エステル類;並びに(イソ)シアヌル酸誘導体化合物以外の含窒素化合物、例えばジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなどのシアナミド誘導体;並びに尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素誘導体から選ばれた1種以上が含まれていてもよい。このような追加難燃化剤の添加量は、難燃性付与剤の固形分重量に対し、25〜200%であることが好ましく、25〜150%であることがより好ましい。
【0045】
難燃性付与剤(2)の添加量は、難燃樹脂被覆層(Ia)に含まれる樹脂固形分重量に対して、50〜300重量%であることが好ましい。その添加量が50重量%未満では、得られる難燃樹脂被覆層(Ia)において十分な難燃性を得ることができないことがあり、その添加量が300重量%を超えると、十分な耐久性を有する積層体を得ることができないことがあり、またコスト高となり、経済的に不利となることがある。
【0046】
また、難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)の難燃樹脂被覆層(Ia)中には、難燃助剤として、1種以上の無機系化合物を添加してもよい。難燃助剤無機系化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、四硼酸ナトリウム、燐酸マグネシウム、二燐酸ナトリウム、燐酸亜鉛などの結晶水を持つ無機水和物;メタ錫酸、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛などの錫系化合物;並びに硼酸、硼酸亜鉛、硼酸アルミニウムなどの硼酸化合物、などを好適に用いることができる。これら難燃助剤無機系化合物は、単独に用いてもよいし、又は2種以上を混合して用いることができる。無機難燃助剤の添加量は、上記難燃性付与剤の有効固形重量の25〜200%であることが好ましく、25〜150%であることがより好ましい。
【0047】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(2)において、それに難燃性を付与することを目的として、樹脂被覆層形成用難燃性樹脂組成物(II)中に難燃性付与剤(2a)が添加されそれによって難燃性樹脂被覆層(IIa)が形成される。この難燃性付与剤(2a)としては、臭素を含む有機化合物が好適に用いられる。臭素を含む有機系化合物(2a)としては、2,4,6−トリブロモフェノール、テトラブロモビスフェノールA、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモフェニルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ハイドロキシエチルエーテル)、ポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ポリ−ジブロモフェニレンオキシド、トリス(2,4,6−トリプロモフェノキシ)トリアジン、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼンなどがある。特に、デカブロモジフェニルエーテル、及びビス(ペンタブロモフェノキシ)エタンが好ましく用いられる。
【0048】
難燃性付与剤(2a)の添加量は、難燃樹脂被覆層(IIa)に含まれる樹脂固形分重量に対して、50〜200重量%であることが好ましい。その添加量が50重量%未満では、得られる難燃樹脂被覆層(IIa)において十分な難燃性を得ることができないことがあり、その添加量が200重量%を超えると、十分な耐久性を有する積層体を得ることができないことがあり、またコスト高となり経済的に不利になることがある。
【0049】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(2)の難燃性をさらに増進することを目的として、難燃樹脂被覆層(IIa)中に無機系難燃助剤(2b)が添加される。用いられる無機系難燃助剤(2b)としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種が用いられる。
【0050】
無機系難燃助剤(2b)の添加量は、難燃樹脂被覆層(IIa)に含まれる樹脂固形分重量に対して、20〜100重量%であることが好ましい。その添加量が20重量%未満では、得られる難燃樹脂被覆層(IIa)において十分な難燃性を得ることができないことがあり、その添加量が100重量%を超えると、十分な耐久性を有する積層体を得ることができないことがあり、またコスト高となり、経済的に不利になることがある。
【0051】
更に、難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)、及び(2)の難燃樹脂被覆層(Ia)及び(IIa)のそれぞれには、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含む架橋剤(3)が必須成分として添加される。これらの架橋剤(3)は、難燃樹脂被覆層(Ia)及び(IIa)の耐水性、耐候性、樹脂強度の低下を抑制させる効果を有している。
【0052】
本発明において、架橋剤(3)として用いられるアジリジン系化合物は、分子内にアジリジニル基を含有するものであればよく、分子内に2個のアジリジニル基を含有する化合物、例えば、ジフェニルメタン−ビス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレアなど、及び分子内に3個のアジリジニル基を含有する化合物、例えば、2,2−ビスハイドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕などが用いられる。
【0053】
本発明において架橋剤(3)として用いられるカルボジイミド系化合物は、有機イソシアネートを、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、又は燐酸エステルなどのように、カルボジイミド化を促進する触媒の存在下で、脱炭酸反応させることにより得られる化合物から選ばれることが好ましい。具体的に述べるならば、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ−P−トルオイルカルボジイミド、及びトリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどを用いることができる。特には、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどのような多官能カルボジイミドは、耐久性がすぐれているので、本発明に好適に用いられる。
【0054】
本発明において架橋剤(3)として用いられるオキサゾリン系化合物は、オキサゾール−4−カルボン酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールから誘導、生成された化合物から選ばれることが好ましい。例えば、2−オキサゾリン、4−メチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、並びにスチレン、又はアクリル系化合物などのポリマーにオキサゾリル基をグラフトして得られる多官能オキサゾリンポリマーなどが用いられる。特には、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)などのような多官能オキサゾリンは耐久性がすぐれているので、本発明に好ましく用いられる。
【0055】
本発明において、架橋剤(3)として用いられるイソシアネート系化合物は、例えば脂肪族ジイソシアネート類、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネートなど、脂環式ジイソシアネート類、例えば、イソホロンジイソシアネート、及び水添トリレンジイソシアネートなど、芳香族ジイソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、及びキシレンジイソシアネートなど、イソシアヌレート類、例えば、トリス(ヘキサメチレンイソシアネート)イソシアヌレート、及びトリス(3−イソシアネートメチルベンジル)イソシアヌレートなど、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基末端をフェノール類、オキシム類、アルコール類、又はラクタム類等のブロック化剤でブロックして得られるブロックイソシアネート化合物類、並びに、前記化合物のイソシアネート基の一部にエチレングリコールなど親水性単量体が付加された変性イソシアヌレート化合物類などから選ぶことができる。分散性、耐水性の改良及び基布への接着性向上の観点から、特に、ブロックイソシアネート化合物、及びイソシアネート基の1個にエチレングリコールなど親水性単量体が付加された変性三量化イソシアヌレート化合物を用いることが好ましい。
【0056】
本発明において、架橋剤(3)に用いられるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、及びジルコアルミニウム系カップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなるものが好ましく用いられる。
【0057】
本発明において、架橋剤(3)として用いられるシラン系カップリング剤としては、アミノシラン類、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど;エポキシシラン類、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなど;ビニルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど;メルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど、が挙げられる。
【0058】
またチタン系カップリング剤としては、アルコキシ類、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、及びテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなど;アシレート類、例えば、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、及びイソプロポキシチタントリステアレートなどが挙げられる。
さらにジルコニウム系カップリング剤としては、例えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、及びテトライソプロピルジルコネートなどが挙げられる。
さらにアルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが挙げられる。また、ジルコアルミニウム系カップリング剤としては、テトラプロピルジルコアルミネートが挙げられる。
【0059】
これらカップリング剤の中で、耐水性、耐候性の観点から、特にγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシランを用いることが好ましい。
【0060】
前記架橋剤(3)のそれぞれは単独で用いてもよいし、また、その2種以上を併用してもよい。架橋剤(3)の添加量は、難燃樹脂被覆層の樹脂固形分に対して0.5〜15重量%であることが好ましい。添加量が0.5重量%未満では得られる難燃樹脂被覆層の耐水性、耐候性が不十分になることがあり、またそれが15重量%を超えると製品の柔軟性が損なわれるという問題を生ずることがある。
【0061】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)、及び(2)の各々の難燃樹脂被覆層(Ia),(IIa)は無彩色であってもよく、あるいは有彩色であってもよいが、マンセル明度は8.0以上である。マンセル明度が8.0未満では、色相によっては描画像が不鮮明になり、プリント画像の色相調整が煩雑になるという欠点がある。
【0062】
本発明の難燃性プリント用メッシュシート(1)、及び(2)の各々に用いられる難燃樹脂被覆層(Ia),(IIa)中には二酸化チタンを含んでいてもよく、この場合、難燃樹脂被覆層(Ia)又は(IIa)中の樹脂固形分と二酸化チタンの重量比率は、100:50〜100:200が好ましく、更に好ましくは100:80〜150である。二酸化チタンの重量比率が50重量%未満では、難燃樹脂被覆層(Ia)又は(IIa)の隠蔽性が低く描画が裏面に透けて見えることがあり、二酸化チタンの添加が200重量%を超えると樹脂被覆層(Ia)又は(IIa)の樹脂強度が低下し、屈曲耐久性が不十分になることがある。
【0063】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)において、難燃樹脂被覆層(Ia)は、その成分として(1)オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む可撓性高分子材料と、(2)ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種の難燃性付与剤と、(3)架橋剤と、必要により二酸化チタンとを含有するエマルジョン中に、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布をディッピング及び/又はコーティングすることにより、繊維糸条の少なくとも露出表面の全面上に形成される。
【0064】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(2)において、難燃樹脂被覆層(IIa)は、その成分として、(1)オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の可撓性高分子材料と、(2a)臭素を含む有機化合物からなる難燃性付与剤と、(2b)三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の無機系難燃助剤と、(3)架橋剤と、必要により二酸化チタンとを含有するエマルジョン中に、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布をディッピング及び/又はコーティングすることにより、繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成される。
【0065】
難燃性を有する本発明のプリント用複合メッシュシート(1)及び(2)の各々において、難燃樹脂被覆層(Ia)及び(IIa)を形成する難燃性樹脂は、そのディッピング又はコーティングにより、基布を構成する繊維糸条の非露出周面部分に、浸透してもよい。
ディッピング又はコーティング法により難燃樹脂被覆層を形成すると、樹脂は、基布を構成する繊維糸条の交差部分を一体に被覆して、糸条の交差点を固定し、糸寄り、又は糸抜けを防止することができる。この糸条固定効果は、樹脂が糸条の交差面に浸透することにより更に強化される。
本発明において、難燃樹脂被覆層の形成は、繊維糸条に対して、その製編織前になされていてもよい。
【0066】
難燃樹脂被覆層配合組成物(I)又は(II)中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡剤などの1種以上を適宜添加してもよい。
【0067】
繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布に対する難燃樹脂被覆層(Ia)又は(IIa)の付着重量は50〜800g/m2 であることが好ましく、更に好ましくは100〜500g/m2 である。難燃樹脂被覆層の付着重量が50g/m2 未満では、隠蔽性が不十分となり描画が裏面に透けて見えることがあり、また難燃性が不十分となることがある。難燃樹脂被覆層の付着重量が800g/m2 を超えると得られたプリント用複合メッシュシートの柔軟性が不十分になることがある。
【0068】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に具体的に説明する。
製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通りである。
【0069】
印刷適性
油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製、モデルDynajetII)、及び水性インクジェットプリンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)を用いたインクジェット画像、並びにスクリーンインキ(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を225メッシュのスクリーンを用いて描画したスクリーン印刷画像の描画面に、セロハンテープを強く擦り付け、剥離したときのインキの剥離量を目視判断し印刷適性の評価とした。
【0070】
画像鮮明性
油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製、モデルDynajetII)、及び水性インクジェットプリンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)を用いたインクジェット画像、並びにスクリーンインキ(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を225メッシュのスクリーンを用いて描画したスクリーン印刷画像を、その描画面及び裏面より目視したときの画像の鮮明性、及び裏面に透けて見えるか否かを評価した。
【0071】
耐水性
耐温水性試験(40℃温水中に3日間浸漬)前の乾燥状態、及び後の湿潤状態における試験片の各々を、JIS L−1096、スコット法に従って、つかみ間隔2cm、押圧荷重1kgf の条件下に、試験片に、回数1,000回の屈曲試験を施し、その結果を目視により、屈曲試験による耐水性能として、評価した。
【0072】
防炎性
耐温水性試験(70℃温水中に3日間浸漬)の前及び後の試験片の各々を、45度法防炎試験:JIS L−1091のA−1法、又はA−2法に従って、炭化面積、炭化距離、残炎時間、残ジン時間を測定し、その性能を評価した。基準を満足した場合、防炎区分3合格とする。
【0073】
実施例1
基布用粗目編織物として、ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を使用した。
【0074】
また下記組成の下染め液を調製した。
Figure 0003700770
前記下染め液中に、前記基布用粗目編織物を浸漬し、ピックアップ率50%にてマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物を得た。この着色粗目編織物のマンセル明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ、4.5であった。
【0075】
次に、樹脂被覆層としてオレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の混合物水性エマルジョンを用いて、下記組成の樹脂被覆層エマルジョンを調製した。
Figure 0003700770
前記樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量が200g/m2であり、そのマンセル明度は9.0であった。得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0076】
実施例2
実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層配合を下記の熱可塑性エラストマーエマルジョン組成とした。
Figure 0003700770
前記樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量は200g/m2であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0077】
実施例3
実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層配合を下記のスチレン−ブタジエン系ラテックス組成とした。
Figure 0003700770
前記樹脂被覆層ラテックス中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量は200g/m2であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0078】
実施例4
実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、基布用粗目編織物として、マンセル明度5.5にグレー色に染められた原着糸からなるポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を用いた。下染め工程を省いた、得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0079】
実施例5
実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層用塗布液の組成を下記のポリ塩化ビニル系樹脂組成とした。
Figure 0003700770
前記樹脂被覆層配合中に、着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後180℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量は300g/m2であり、そのマンセル明度は8.0であった。得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.20であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0080】
実施例6
実施例5と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、下染めにおける下染め液の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目編織物のマンセル明度を1.5とした。得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.20であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0081】
比較例1
実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、下染め工程を省き粗目編織物のマンセル明度を9.5にした。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0082】
比較例2
実施例5と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、下染めにおける下染め液の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目編織物のマンセル明度を1.5とし、更にポリ塩化ビニル系樹脂組成中の二酸化チタンの添加量を15重量部とした。このとき、樹脂被覆層付着重量は180g/m2であり、そのマンセル明度は7.0であった。得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.20であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0083】
比較例3
実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、基布用粗目編織物として、ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を用いた。着色粗目編織物のマンセル明度は4.0であった。更に、樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量は300g/m2であり、そのマンセル明度は9.0であった。得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.55であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0084】
実施例7
実施例5と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し粗目編織物からなる基布として、マンセル明度4.5に染められた原着糸からなるポリオレフィンフィラメント粗目編織物を用いた。このポリオレフィンフィラメント粗目編織物は以下の方法で作製した。
ポリプロプレン(MFR=20g/10分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量%、及びカーボンブラック顔料1.0重量%を配合して芯層を形成し、鞘層にはエチレン−プロピレン共重合体(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量%、及びカーボンブラック顔料1.0重量%を配合し、芯層及び鞘層がほぼ同色の配合とした複層ポリオレフィンモノフィラメントは、押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから芯層のポリプロピレン及び鞘層のポリオレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを施し複層ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。この時の芯層の融点は150℃、鞘層の融点は125℃であった。得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントの繊度は、芯層/鞘層が356dtex(320d)/156dtex(140d)で、総繊度が511dtex(460d)であった。
こうして得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントで、経26本/インチ、緯26本/インチの粗目編織物を織成し、135℃で加熱加圧して経・緯糸交点の鞘層を溶融させて接合し粗目編織物を作成した。この着色された粗目編織物のマンセル明度は4.5であった。得られた着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に実施例5の樹脂被覆層が形成され、樹脂被覆層付着重量が200g/m2でマンセル明度は8.0であり、透孔面積率は0.30であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0085】
実施例8
複層ポリオレフィンモノフィラメントからなるプリント用複合メッシュシートを作製した。複層ポリオレフィンモノフィラメントは以下の方法で作製した。
芯層には、ポリプロピレン(MFR=3.4g/10分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量%、及びカーボンブラック顔料1.0重量%を配合して用いた。鞘層にはエチレン−プロピレン共重合体(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量%、及び二酸化チタン顔料3.0重量%を配合して用いた。複層ポリオレフィンモノフィラメントは、押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから芯層のポリプロピレン及び鞘層のポリオレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを施し複層ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。得られた複合ポリオレフィンモノフィラメントの繊度は、芯層/鞘層が356dtex(320d)/156dtex(140d)で、総繊度が511dtex(460d)であった。そして芯層の融点は150℃、鞘層の融点は125℃であった。
こうして得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントで、経26本/インチ、緯26本/インチの粗目編織物を織成し、135℃で加熱加圧して経・緯糸交点の鞘層を溶融接着させて芯層を鞘層で被覆したプリント用複合メッシュシートを作成した。このときの芯層のマンセル明度は4.0に相当し、グレーに着色された芯層の全面上に鞘層として可撓性高分子材料からなる樹脂被覆層が形成されている。被覆層(鞘層)重量が32g/m2で被覆層のマンセル明度は8.0であり、透孔面積率は0.30であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003700770
【0087】
表1から明らかなように、着色された粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に、ディッピング及び/又はコーティング法により、可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種を含む樹脂で形成された樹脂被覆層は、すぐれた印刷適性を示し、従って、得られたプリント用複合メッシュシートの印刷適性、描画像の鮮明性が著しく向上した。
【0088】
実施例9
粗目織物からなる基布として、ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を使用した。また下染めのために、下記組成の下染め顔料液を調製した。
Figure 0003700770
前記下染め顔料液中に、前記粗目織物を浸漬し、マングルを通してピックアップ率50%に絞った後、100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、灰色に着色された粗目織物を得た。この着色粗目織物のマンセル明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ4.5であった。
【0089】
次に、樹脂被覆層を形成するためのオレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の混合樹脂成分水性エマルジョンを用いて、下記組成の樹脂被覆層形成用樹脂エマルジョンを調製した。
Figure 0003700770
前記樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、これをマングルを通して絞った後、100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目織物の繊維糸条の全周に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量が200g/m2 であり、樹脂被覆層のマンセル明度は9.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹脂成分に対する、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の固形分重量比率は、それぞれ150重量%、及び10重量%であり、得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0090】
実施例10
実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、粗目織物からなる基布として、マンセル明度5.5に灰色に着色された原着糸条からなるポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を用い、下染め工程を省いた。また樹脂被覆層の形成において、カルボジイミド系架橋剤に代えて。アジリジン系架橋剤(ジフェニルメタン−ビス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレア)及びカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)をそれぞれ4.0重量部用いた。このとき、樹脂被覆層の付着重量は200g/m2 あり、そのマンセル明度は8.5であった。このときの架橋剤の合計添加量は、樹脂被覆層の樹脂成分の固形分重量に対して20重量%であり、得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0091】
実施例11
実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層の形成のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂に代えて、アクリル系樹脂(日本ゼオン(株)製、商標;ニッポールLX851C、固形分40重量%)を用い、更に、カルボジイミド系架橋剤に代えて、オキサゾリン系架橋剤(2,2’−ビス(2−オキサゾリン))3.5重量部を用いた。このとき、樹脂被覆層の付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹脂成分の固形分重量に対する、二酸化チタン、及び架橋剤の重量比率は、それぞれ171重量%、及び10重量%であった。得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0092】
実施例12
実施例9と同様にしてプリント用メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層の形成のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とウレタン系樹脂の混合物に代えて、ウレタン系樹脂(旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−380、固形分38重量%)100重量部を用い、更に、カルボジイミド系架橋剤に代えて、フェノールブロック化ヘキサメチレンジイソシアネート3.8重量部を用いた。このとき、樹脂被覆層の付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹脂成分固形分重量に対する、二酸化チタン、及び架橋剤の重量比率量は、それぞれ158重量%、及び10重量%であり、得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0093】
比較例4
実施例9と同時にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、基布用粗目織物の着色を省いたので、粗目織物のマンセル明度は9.5であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0094】
比較例5
実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、基布用粗目織物の着色液の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目織物のマンセル明度を1.5とし、更に樹脂被覆層形成用樹脂組成物エマルジョン中の二酸化チタンの添加量を15重量部とした。このとき、樹脂被覆層の付着重量は120g/m2 であり、そのマンセル明度は7.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹脂成分の固形分重量に対する、二酸化チタン、及び架橋剤の重量比率は、それぞれ37.5重量%、及び10重量%であった。得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0095】
比較例6
実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、粗目織物からなる基布として、ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を用いた。着色粗目織物のマンセル明度は4.0であった。更に、樹脂被覆層形成用樹脂組成物エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量は300g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹脂成分の固形分重量に対する、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の重量比率は、それぞれ150重量%、及び10重量%であり、得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.55であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
Figure 0003700770
【0097】
表2から明らかなように、着色された粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に、ディッピング及び/又はコーティング法により、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分と、二酸化チタンとに加えて、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を添加して形成された樹脂被覆層は、すぐれた耐水性、印刷適性を示し、従って、得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの耐水屈曲性、印刷適性、及び描画像の鮮明性が著しく向上した。
【0098】
実施例13
粗目編織物からなる基布として、ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を使用し、下染めとして下記組成の下染め液を調製した。
Figure 0003700770
前記下染め液中に、前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、ピックアップ率50%にてマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、灰色に着色された粗目編織物を得た。この着色粗目編織物のマンセル明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ4.5であった。
【0099】
次に、難燃樹脂被覆層としてオレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の混合物を含む水性エマルジョンを用いて、下記組成の難燃樹脂被覆層エマルジョンを調製した。
Figure 0003700770
前記難燃樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に難燃樹脂被覆層を形成した。難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミンシアヌレート、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の添加量は、それぞれ150重量%、150重量%、及び10重量%であった。また得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0100】
実施例14
実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、粗目編織物からなる基布として、マンセル明度5.5のグレー色に染められた原着糸からなるポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を用い、下染め工程を省いた。またカルボジイミド系架橋剤に代えて、アジリジン系架橋剤(ジフェニルメタン−ビス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレア)とカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)とをそれぞれ4.0重量部用いた。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は8.5であった。このときの架橋剤の総添加量は、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分重量に対して20重量%であった。また、得られた本発明の難燃性を有するプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0101】
実施例15
実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂に代えて、アクリル系樹脂(日本ゼオン(株)製、商標;ニッポールLX851C、固形分40重量%)を用い、更に、メラミンシアヌレートに代えて、オルソ燐酸アンモニウムと尿素とを縮合して得られたポリ燐酸アンモニウム(平均分子量10,000)をメラミン被覆によりマイクロカプセル化処理して得られた難燃性付与剤60重量部を用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、オキサゾリン系架橋剤(2,2’−ビス(2−オキサゾリン))3.5重量部を用いた。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、マイクロカプセル化処理して得られたポリ燐酸アンモニウム、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、それぞれ171重量%、171重量%、及び10重量%であった。得られた本発明のプリント用難燃メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0102】
実施例16
実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とウレタン系樹脂との混合物に代えて、ウレタン系樹脂(旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−380、固形分:38重量%)100重量部を用いた。更に、難燃性付与剤として、メラミンシアヌレートの単独使用に代えて、メラミンシアヌレートとレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)とを、それぞれ30重量部用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、フェノールブロック化ヘキサメチレンジイソシアネート3.8重量部を用いた。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミンシアヌレート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、それぞれ79重量%、79重量%、158重量%、及び10重量%であった。得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0103】
実施例17
粗目編織物からなる基布として、ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を使用し、下染めとして下記組成の下染め液を調製した。
Figure 0003700770
前記下染め液中に、前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、ピックアップ率50%にてマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、灰色に着色した粗目編織物を得た。この着色粗目編織物のマンセル明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ4.5であった。
【0104】
次に、難燃樹脂被覆層としてオレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の混合物水性エマルジョンを用いて、下記組成の難燃樹脂被覆層エマルジョンを調製した。
Figure 0003700770
前記難燃樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に難燃樹脂被覆層を形成した。難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、デカブロモジフェニルエーテル、三酸化アンチモン、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の添加量は、それぞれ100重量%、50重量%、150重量%、及び10重量%であった。得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0105】
実施例18
実施例17と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とウレタン系樹脂との混合物に代えて、ウレタン系樹脂(旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−380、固形分38重量%)100重量部を用いた。更に、デカブロモジフェニルエーテルに代えて、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタンを40重量部用い、三酸化アンチモンに代えて、水酸化アルミニウムを20重量部用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、フェノールブロック化ヘキサメチレンジイソシアネート3.8重量部を用いた。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は240g/m2 あった。難燃樹脂被覆層のマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、それぞれ105重量%、53重量%、158重量%、及び10重量%であり、得られた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0106】
実施例19
実施例17と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂に代えて、アクリル系樹脂(日本ゼオン(株)製、商標;ニッポールLX851C、固形分40重量%)を用いた。更に、三酸化アンチモンに代えて、水酸化マグネシウムを20重量部を用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、オキサゾリン系架橋剤(2,2’−ビス(2−オキサゾリン))3.5重量部を用いた。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は240g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、デカブロモジフェニルエーテル、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、それぞれ114重量%、57重量%、171重量%、及び10重量%であった。得られた本発明のプリント用難燃メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0107】
比較例7
実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、下染め工程を省いたので粗目編織物のマンセル明度は9.5であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0108】
比較例8
実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、下染めにおける下染め液の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目編織物のマンセル明度を1.5とし、更に難燃樹脂被覆層エマルジョン組成中の二酸化チタンの添加量を15重量部とした。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は120g/m2 であり、そのマンセル明度は7.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミンシアヌレート、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、それぞれ150重量%、37.5重量%、及び10重量%であり、得られたプリント用難燃メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0109】
比較例9
実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、粗目編織物からなる基布として、下記ポリエステルフィラメント粗目状織物:
Figure 0003700770
を用いた。着色粗目編織物のマンセル明度は4.0であった。更に、難燃樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に難燃樹脂被覆層を形成した。難燃樹脂被覆層付着重量は300g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミンシアヌレート、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の添加量は、それぞれ150重量%、150重量%、及び10重量%であった。得られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.55であった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0110】
【表3】
Figure 0003700770
【0111】
【表4】
Figure 0003700770
【0112】
表3及び4から明らかなように、着色された粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に、ディッピング及び/又はコーティング法により、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂と、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種の難燃性付与剤或いは、臭素を含む有機化合物からなる難燃性付与剤と三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の無機系難燃助剤、並びに、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤、必要により二酸化チタンを添加して形成された難燃樹脂被覆層は、すぐれた難燃性、耐水性、印刷適性を示し、従って、得られたプリント用複合メッシュシートは優れた難燃性、耐水屈曲性、印刷適性、描画像の鮮明性を有していた。
【0113】
【発明の効果】
本発明のプリント用複合メッシュシートは、印刷適性及び描画像の鮮明性に優れており、表裏両面に異なる画像を鮮明に描画でき、互に透けて見えることがなく、必要により所望の耐水性及び/又は難燃性を具備させることができるから、広告媒体、掲示媒体、日除けテント、ブラインド、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例えばテニスコート遮光用シートなど)などに好適である。また、本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、樹脂被覆層がハロゲン元素を含まない場合には、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響もないという利点を有する。

Claims (21)

  1. 繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、この基布の構成糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを含む複合メッシュシートであって、
    (1)前記基布がマンセル明度7.5以下の明度を有しており、
    (2)前記樹脂被覆層が、可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種を含む樹脂により形成されており、
    (3)前記樹脂被覆層がマンセル明度8.0以上の明度を有し、
    (4)前記複合メッシュシートの透孔面積率が0.5以下である、
    ことを特徴とするプリント用複合メッシュシート。
  2. 前記基布が着色されている、請求項1に記載のプリント用複合メッシュシート。
  3. 前記基布が、マンセル明度7.5〜4.0の範囲に着色されている、請求項1又は2に記載のプリント用複合メッシュシート。
  4. 前記基布の着色が繊維の原液着色又は染料及び/又は顔料による後染め着色若しくは着色樹脂液を被覆することによる樹脂被覆着色である、請求項2又は3に記載のプリント用複合メッシュシート。
  5. 前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高く、芯層のマンセル明度が7.5以下であり、かつ鞘層のマンセル明度が8.0以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  6. 前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高く、芯層、鞘層のマンセル明度が何れも7.5以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  7. 前記基布が難燃性を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  8. 前記樹脂被覆層を形成する可撓性高分子材料含有樹脂が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分を含む樹脂組成物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  9. 前記樹脂組成物が、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を更に含む、請求項8に記載のプリント用複合メッシュシート。
  10. 前記樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中に、二酸化チタンをさらに含み、前記樹脂成分と二酸化チタンの固形分重量比率が100:50〜200である、請求項8又は9に記載のプリント用複合メッシュシート。
  11. 前記樹脂被覆層形成用樹脂組成物中の樹脂成分と前記架橋剤との固形分重量比率が100:0.5〜15である、請求項9又は10に記載のプリント用複合メッシュシート。
  12. 前記樹脂被覆層が、基布を形成する粗目編織物を、前記可撓性高分子材料含有処理液をもってディピング及び/又はコーティングすることにより形成されたものである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  13. 前記樹脂被覆層が難燃性を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  14. 前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えてさらに(2)難燃性付与剤と(3)架橋剤とを含む難燃性樹脂組成物(I)により形成された難燃性樹脂被覆層(Ia)であって、
    前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、
    前記難燃性付与剤(2)が、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種を含み、
    前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  15. 前記難燃樹脂被覆層(Ia)中に、二酸化チタン(4)をさらに含み、前記可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との重量比率が100:50〜100:200である、請求項14に記載のプリント用複合メッシュシート。
  16. 前記難燃樹脂被覆層(Ia)中の前記可撓性高分子材料(1)と、前記難燃性付与剤(2)と、前記架橋剤(3)との重量比率が100:50〜300:0.5〜15である、請求項14又は15に記載のプリント用複合メッシュシート。
  17. 前記難燃樹脂被覆層(Ia)が、基布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(I)を含む処理液をもってディピング及び/又はコーティングすることにより形成されたものである、請求項14〜16のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  18. 前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えて、さらに(2a)難燃性付与剤と、(2b)無機系難燃助剤と、並びに(3)架橋剤とを含む、難燃性樹脂組成物(II)により形成された難燃性樹脂被覆層(IIa)であり、
    前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、
    前記難燃性付与剤(2a)が、臭素を含む少なくとも1種の難燃性付与有機化合物を含み、
    前記無機系難燃助剤(2b)が、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を含み、
    前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  19. 前記難燃樹脂被覆層(IIa)が二酸化チタン(4)をさらに含み、前記可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との重量比が100:50〜100:200である、請求項18に記載のプリント用複合メッシュシート。
  20. 前記難燃樹脂被覆層(IIa)中の前記可撓性高分子材料(1)と、前記難燃性付与剤(2a)と、前記無機系難燃助剤(2b)と、前記架橋剤(3)との重量比率が100:50〜200:20〜100:0.5〜15である、請求項18又は19に記載のプリント用複合メッシュシート。
  21. 前記難燃樹脂被覆層(IIa)が、基布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(II)を含有する処理液をもってディピング及び/又はコーティングすることにより形成されたものである、請求項18〜20のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
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