JP2002180386A - プリント用複合メッシュシー卜 - Google Patents

プリント用複合メッシュシー卜

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JP2002180386A
JP2002180386A JP2001215774A JP2001215774A JP2002180386A JP 2002180386 A JP2002180386 A JP 2002180386A JP 2001215774 A JP2001215774 A JP 2001215774A JP 2001215774 A JP2001215774 A JP 2001215774A JP 2002180386 A JP2002180386 A JP 2002180386A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷適性に優れ、一面上の画像が反対面に透
けて見えることがなく、必要により耐水性、難燃性に優
れた複合メッシュシートの提供。 【解決手段】 マンセル明度が7.5以下の粗目編織物
からなる基布の構成糸条の少なくとも露出周面の全面上
に、可撓性高分子材料を含む樹脂により、マンセル明度
8.0以上の樹脂被覆層(必要により、オレフィン系、
アクリル系及び/又はウレタン系樹脂と、アジリジン
系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、イソシアネー
ト系化合物、カップリング剤などの架橋剤とを含ませ、
さらに必要により、ポリ燐酸アンモニウム系又は(イ
ソ)シアヌル酸誘導体系難燃性付与剤、或は臭素含有有
機難燃性付与剤と無機系難燃助剤(三酸化アンチモン、
水酸化アルミニウム、又は水酸化マグネシウム)と、を
含ませる)を形成し、前記粗目編織物の透孔面積率を
0.5以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク及び油
性インクにより画像を表裏両面に描画プリントするのに
好適なプリント用複合メッシュシートに関するものであ
る。更に詳しく述べるならば、本発明は、広告媒体、掲
示媒体、日除けテント、ブラインド、建築用工事シー
ト、及びスポーツ施設用シート(例えばテニスコート遮
光用シートなど)などに有用であって、インクジェット
プリンターを用いて、画像を容易に、かつ高生産効率を
もってプリントすることができるプリント用複合メッシ
ュシートに係るものである。本発明のプリント用複合メ
ッシュシートは、描画される画像が鮮明であり、かつ、
このメッシュシートに描画された画像が、当該メッシュ
シートの裏面側に透けて見えることがなく、更に当該メ
ッシュシートの裏面側にも表面側の画像と異なる画像を
描画することができるという利点を有するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式によりメッシュシー
ト上にプリントして所望の画像(文字、模様など)を描
画し、この描画メッシュシートは、広告媒体、掲示媒
体、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例
えばプール用、又はテニスコート用遮光用シートなど)
などとして広く用いられている。
【0003】従来、インクジェットプリントに用いられ
るメッシュシートは、白色系が多く、かつ軟質ポリ塩化
ビニル系樹脂により被覆されているメッシュシート構成
糸条の遮光性が低いため、メッシュシートの1面(描画
面)に水性及び油性インクによる画像を描画したとき、
この画像が、メッシュシートの他の面(非描画面)に、
不鮮明な画像として透けて現れるという不都合があり、
特にメッシュシートの描画面における照度が、非描画面
の照度より高い場合、描画面に描画された画像が、非描
画面に透けて見え、非描画面側に位置している人々に不
快感を与えることがある。
【0004】メッシュシートは、本来、構成糸条の間隙
に多数の空孔部が形成されているものであり、この空孔
部は光を透過する。従って、従来から、メッシュシート
は、その糸条間隙空孔を透過する光を利用し、このメッ
シュシートにより囲われた内側空間の照度を高くすると
いう目的により利用されている。従って、メッシュシー
ト構成糸条の遮光率を意図的に高くして、メッシュシー
トを透過する光量を削減することを目的とする処理は、
ほとんど施されることがなかった。このために、メッシ
ュシート構成糸条の遮光率が低いことにより、メッシュ
シートの描画面に描画された画像が、メッシュシートの
反対側非描画面においても、上記描画面の画像が不必要
に、かつ不鮮明に現れるという不都合を生じていた。
【0005】実開平5−93831号には、繊維糸条の
全周を不透明な樹脂で被覆し、両面にプリントを可能に
したメッシュシートが開示されているが、被覆層の隠蔽
性が不十分で、表面側の描画が裏面側に透けて見えた
り、また、その隠蔽性を高くするために被覆層に添加す
る隠蔽材料の添加が増量すると被覆層の強度が低下して
しまうという問題が生じている。また、特開平8−19
0355号及び特開平8−263005号には、メッシ
ュシートの裏面を暗色に着色して、描画表面の画像を鮮
明にする処方がとられているが、このメッシュシート
は、その両面に鮮明な画像を描画するには不適当であ
る。そこで、上記不都合を回避することが可能な、すな
わち、両面に印刷可能なプリント用メッシュシートの出
現が強く要望されていたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水性インク
及び油性インクのいずれを用いた場合でも、画像を表裏
両面に描画プリントするのに好適なプリント用複合メッ
シュシートを提供しようとするものである。特に本発明
は、メッシュシートの隠蔽性が高く、両面に鮮明な画像
を描画でき、それが裏目に透けて見えることがなく、屋
外の過酷な使用条件下においても、被覆樹脂層の剥離、
脱落などによる損傷が少ないプリント用複合メッシュシ
ートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント用複合
メッシュシートは、繊維糸条から構成された粗目編織物
からなる基布と、この基布の構成糸条の少なくとも露出
周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを含む複合メッ
シュシートであって、(1)前記繊維糸条から構成され
た粗目編織物がマンセル明度7.5以下の明度を有して
おり、(2)前記樹脂被覆層が、可撓性高分子材料から
選ばれた少なくとも1種を含む樹脂により形成されてお
り、(3)前記樹脂被覆層がマンセル明度8.0以上の
明度を有し、(4)前記樹脂被覆繊維糸条から構成され
た粗目編織物の透孔面積率が0.5以下である、ことを
特徴とするものである。本発明のプリント用複合メッシ
ュシートにおいて、前記繊維糸条から構成されている粗
目編織物が着色されていることが好ましい。本発明のプ
リント用複合メッシュシートにおいて、前記繊維糸条か
ら構成された粗目編織物が、マンセル明度7.5〜4.
0の範囲に着色されていることが好ましい。本発明のプ
リント用複合メッシュシートにおいて、前記着色が繊維
の原液着色又は染料及び/又は顔料による後染め着色、
若しくは着色樹脂液を被覆することによる樹脂被覆着色
であることが好ましい。本発明のプリント用複合メッシ
ュシートにおいて、前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる
複合糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも
高く、芯層のマンセル明度が7.5以下であり、かつ鞘
層のマンセル明度が8.0以上であることが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記
繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合糸条であって、芯層
の熱融点が鞘層の熱融点よりも高く、芯層、鞘層のマン
セル明度が何れも7.5以下であることも好ましい。本
発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記繊
維糸条が難燃性を有することが好ましい。本発明のプリ
ント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層を
形成する可撓性高分子材料含有樹脂が、オレフィン系樹
脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた
少なくとも1種からなる樹脂成分を含む樹脂組成物であ
ることが好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシ
ートにおいて、前記樹脂組成物が、アジリジン系化合
物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、
イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ば
れた少なくとも1種からなる架橋剤を更に含むことが好
ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにおい
て、前記樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中に、二酸化チ
タンをさらに含み、前記樹脂成分と二酸化チタンの固形
分重量比率は100:50〜200であることが好まし
い。本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、
前記樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中の樹脂成分と前記
架橋剤との固形分重量比率は100:0.5〜15であ
ることが好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシ
ートにおいて、前記樹脂被覆層が、基布を形成する粗目
編織物を、前記可撓性高分子材料含有処理液をもってデ
ィピング及び/又はコーティングすることにより形成さ
れたものであることが好ましい。本発明のプリント用複
合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層が難燃性を
有することが好ましい。本発明のプリント用複合メッシ
ュシートにおいて、前記8.0以上のマンセル明度を有
する樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加え
てさらに(2)難燃性付与剤と(3)架橋剤とを含む難
燃性樹脂組成物(I)により形成された難燃性樹脂被覆
層(Ia)であって、前記可撓性高分子材料(1)が、
オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹
脂から選ばれた少なくとも1種を含み、前記難燃性付与
剤(2)が、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イ
ソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1
種を含み、前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、
カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソ
シアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた
少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明のプリン
ト用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層
(Ia)中に、二酸化チタン(4)をさらに含み、前記
可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との重量
比率が100:50〜100:200であることが好ま
しい。本発明のプリント用複合メッシュシートにおい
て、前記難燃樹脂被覆層(Ia)中の前記可撓性高分子
材料(1)と、前記難燃性付与剤(2)と、前記架橋剤
(3)との重量比率が100:50〜300:0.5〜
15であることが好ましい。本発明のプリント用複合メ
ッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(Ia)
が、基布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成
物(I)を含む処理液をもってディピング及び/又はコ
ーティングすることにより形成されたものであることが
好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにお
いて、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆
層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えて、さらに
(2a)難燃性付与剤と、(2b)無機系難燃助剤と、
並びに(3)架橋剤とを含む、難燃性樹脂組成物(II)
により形成された難燃性樹脂被覆層(IIa)であり、前
記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アク
リル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくと
も1種を含み、前記難燃性付与剤(2a)が、臭素を含
む少なくとも1種の難燃性付与有機化合物を含み、前記
無機系難燃助剤(2b)が、二酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少な
くとも1種を含み、前記架橋剤(3)が、アジリジン系
化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合
物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から
選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明
のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹
脂被覆層(IIa)が二酸化チタン(4)をさらに含み、
前記可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との
重量比が100:50〜100:200であることが好
ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにおい
て、前記難燃樹脂被覆層(IIa)中の前記可撓性高分子
材料(1)と、前記難燃性付与剤(2a)と、前記無機
系難燃助剤(2b)と、前記架橋剤(3)との重量比率
が100:50〜200:20〜100:0.5〜15
であることが好ましい。本発明のプリント用複合メッシ
ュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(IIa)が、基
布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(I
I)を含有する処理液をもってディピング及び/又はコ
ーティングすることにより形成されたものであることが
好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプリント用複合メッシュ
シートに用いられる基布は、繊維糸条から構成された粗
目編織物から形成され、この粗目編織物は、天然繊維、
例えば木綿、麻など、無機繊維、例えばガラス繊維な
ど、再生繊維、例えばビスコールレーヨン、キュプラな
ど、半合成繊維、例えば、ジ−及びトリアセテート繊維
など、及び合成繊維、例えば、ナイロン6、及びナイロ
ン66などのポリアミド繊維、ポリエステル(ポリエチ
レンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、
アクリル繊維、及びポリオレフィン繊維などから選ばれ
た少なくとも1種から形成される。
【0009】前記基布中の繊維は、短繊維紡績糸条、長
繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいず
れの形状のものでもよく、異なる組成からなる融点の高
い芯層と融点の低い鞘層より構成された複合マルチ又は
モノフィラメントであってもよい。複合糸条の場合、芯
層のマンセル明度を7.5以下、鞘層のマンセル明度を
8.0以上にして編織と同時にプリント用複合メッシュ
シートを作ってもよく、芯層、鞘層共にマンセル明度を
7.5以下とし編織後被覆層を形成してもよい。複合糸
条は芯層、鞘層共押し出しで、又は芯層糸の周りに鞘層
樹脂を(押し出し)コーティングすることにより作るこ
とができる。また基布組織は織物、編物、いずれであっ
てもよい。更に基布の編織組織にも格別の制限はない
が、例えば、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平
行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成され
た粗目布状の編織物が好適に用いられる。また複合マル
チ又はモノフィラメントを編織し加熱、加圧して低融点
鞘層を溶融して経・緯糸の交叉点を接合するとズレのな
い粗目編織物を得ることもできる。複合糸条の芯層、鞘
層の構成は前述の如く閉鎖形であるのが一般的である
が、鞘層/芯層/鞘層の層構造として端部が開放された
ものであってもよい。
【0010】前記粗目編織物の目付は30〜700g/
2であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積
率は、粗目編織物の面積に対して50%以下であること
が好ましく5〜30%であることがさらに好ましい。透
孔面積率とは、粗目編織物の全表面積に対する、透孔の
合計面積の比(%)である。
【0011】前記基布は、マンセル明度7.5以下の明
度を有するものであり、更に好ましいマンセル明度は
4.0〜7.5である。そのマンセル明度が7.5を超
えると繊維糸条の遮光性が不十分になり、描画表面の画
像が裏面に透けて見えることがあり、両面に鮮明な画像
が描画できなくなる。このようなマンセル明度を有する
基布は着色されていることが好ましい。基布を着色する
方法には格別の制限はないが、例えば、予め原着された
糸を用いて編織物を作る先染め方法、着色された高分子
材料で被覆された糸を製織して基布用編織物とする方
法、又は樹脂バインダーを含むエマルジョンによる顔料
染めにより着色する方法、基布用布帛を染料をもって染
色する後染め方法、及び着色された高分子材料で被覆す
る樹脂被覆着色方法などがあり、耐水性、及び吸水防止
性を向上させる目的をもって、顔料染めエマルジョンに
撥水処理剤等を添加してもよい。
【0012】本発明のプリント用複合メッシュシートの
被覆層に用いられる可撓性高分子材料は、オレフィン系
樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそ
れらの共重合体、例えばエチレンと不飽和単量体との共
重合樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−
バーサチック酸ビニル共重合体;アクリル系樹脂、例え
ば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;並びにポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びポリ酢酸ビニル系樹脂
などの汎用な樹脂を包含する熱可塑性樹脂、及びアクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体などのゴム系樹脂、換言すれば熱可塑性エラ
ストマー、及び天然又は合成ゴムなどを包含する。また
可撓性を妨げない範囲で熱硬化性樹脂、その他の高分子
材料を使用することもできる。
【0013】前記樹脂被覆層は無彩色であってもよく、
あるいは有彩色であってもよいが、マンセル明度が8.
0以上であり、好ましくは8.5以上である。マンセル
明度が8.0未満では、その色相によっては描画像が不
鮮明になることがあり、プリント画像の色相調整が煩雑
になるという欠点がある。
【0014】本発明のプリント用複合メッシュシートに
おいて、樹脂被覆層は可撓性高分子材料から選ばれた少
なくとも1種の樹脂を含有するエマルジョン、又は溶液
により、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基
布をディッピング及び/又はコーティングする方法、又
は可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種の樹脂
を押出機で溶融混練しダイスより吐出させ、芯材となる
繊維糸条に被覆する方法により、繊維糸条の少なくとも
露出周面の全面に形成される。樹脂被覆層用配合組成物
中には、難燃剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡剤などの1種以上
が適宜添加されていてもよい。
【0015】繊維糸条から構成された粗目編織物からな
る基布に対する樹脂被覆層の付着重量は、30〜800
g/m2であることが好ましく、更に好ましくは100
〜500g/m2である。樹脂被覆層の付着重量が30
g/m2未満では、隠蔽性が不十分となり描画が裏面に
透けて見えることがあり、また樹脂被覆層の付着重量が
800g/m2を超えると得られたプリント用複合メッ
シュシートの柔軟性が不十分となることがある。
【0016】本発明のプリント用複合メッシュシートに
おいて、粗目編織物基布用繊維糸条が、難燃性を有し、
従って基布が難燃性を有することが好ましい。すなわ
ち、基布用粗目編織物は、難燃性を付与する目的をもっ
て、例えば、難燃性付与剤及び樹脂バインダーを含むエ
マルジョン及び溶液などを噴霧し、又は浸漬する方法に
より難燃前処理を予め施しておいてもよい。難燃性付与
剤には格別な制限はなく、公知の薬剤例えばトリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス
(クロロエチル)ホスフェート、ヘキサブロモベンゼ
ン、及びデカブロモビフェニルエーテルなどを、基布重
量に対して5〜20重量%の付与量で付与することによ
って適宜に使用できる。また、合成繊維の場合、糸を製
造する段階にて糸原料に難燃性付与剤を予め添加して糸
を製造してもよい。この場合でも難燃性付与剤には格別
の制限はなく、公知の薬剤例えばトリクレジルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、及びトリス
(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートなどを糸原料
重量に対して5〜20%の付与量で適宜付与できる。
【0017】本発明のプリント用複合メッシュシートの
樹脂被覆層を形成する可撓性高分子材料に用いられる樹
脂成分には、格別の制限はないが、好ましくは、オレフ
ィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から
選ばれた少なくとも1種を含む樹脂組成物が用いられ
る。オレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル
系共重合樹脂を用いることが好ましく、このエチレン−
酢酸ビニル系共重合樹脂としては、高圧法のラジカル共
重合方式で製造され、酢酸ビニル成分含有率が比較的低
い共重合体樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、酢酸
ビニル成分含有率の比較的に高い共重合体樹脂のいずれ
を用いてもよい。エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂中
に占める酢酸ビニル成分含有率は、50〜95重量%で
あることが好ましく、更に好ましくは70〜90重量%
である。酢酸ビニル成分含有率が50重量%未満では、
得られる樹脂の柔軟性が不十分になることがあり、酢酸
ビニル成分含有率が95重量%を超えると、得られる樹
脂の耐熱強度が不十分になり、また製品が粘着性を示す
という欠点を生ずることがある。エチレン−酢酸ビニル
系共重合樹脂としては、酢酸ビニル成分含有率が前記範
囲内にある単一族を用いてもよいし、また、酢酸ビニル
成分含有率の異る共重合体の2種以上を混合して用いて
もよい。
【0018】アクリル系樹脂とは、アクリル酸化合物系
樹脂及びメタアクリル酸化合物系樹脂を包含し、アクリ
ル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエステル、及
び、これらと、架橋性官能基を含有するα,β−エチレ
ン性不飽和単量体とを共重合して得られる変性アクリル
酸エステル共重合体などを好適に用いることができる。
アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチルエステル、
(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル
酸ノルマルブチルエステル、及び(メタ)アクリル酸ノ
ルマル及びイソプロピルエステルなどから選ばれた少な
くとも1種のアルキルエステル、またはこれらアルキル
エステルの共重合体からなるものである。ここに表記さ
れる(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタアクリ
ル酸の両者を含むものであり、以下同様に表記する。ま
た、これらに共重合用の架橋性官能基を含有するα,β
−エチレン性不飽和単量体は、例えば、カルボキシル基
含有単量体、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸など;エポキシド基含有単量体、例えばグリ
シジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ルなど;アミノ基含有単量体、例えばジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ビニルピリジンなど;水酸
基含有単量体、例えばアリルアルコール、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、多価アルコールのモノアリルエ
ーテルなど;イソシアネート基含有単量体、例えばアリ
ルイソシアネートなど、から選ぶことができる。アクリ
ル系樹脂は、乳化重合法、縣濁重合法、溶液重合法、塊
状重合法などのいずれの重合法で製造されたものでもよ
いが、低温時に高い柔軟性を維持するためにはガラス転
移温度が0℃以下であるものを用いることが好ましい。
また、更に柔軟性を向上させる目的から、アクリロニト
リル−ブタジエン、スチレン−ブタジエンなどの合成ゴ
ムを樹脂成分に添加してもよい。
【0019】ウレタン系樹脂としては、ポリオールとジ
イソシアネートとを反応させて得られた樹脂を用いるこ
とができる。このウレタン系樹脂の合成に用いられるポ
リオールとしては、両末端に水酸基を有するポリエステ
ル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、及びポリ
カーボネート系ジオールなどを使用することができる。
また、ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイ
ソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、及び脂肪
族ジイソシアネートを用いることができる。特に、ポリ
オール成分としてポリカーボネート系ジオールを用い、
ジイソシアネート成分として脂肪族ジイソシアネートを
用いて得られたポリカーボネート系ウレタン系樹脂は、
耐候性及び耐久性が高く、本発明に好適に用いられる。
【0020】更に前記樹脂被覆層には、アジリジン系化
合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合
物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から
選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤が必須成分とし
て含まれている。この架橋剤は、樹脂被覆層の耐水性、
耐候性、樹脂強度の低下を防止抑制する効果を有してい
る。
【0021】本発明において、架橋剤として用いられる
アジリジン系化合物は、その分子内にアジリジニル基を
含有するものであればよく、分子内に2個のアジリジニ
ル基を含有する化合物、例えば、ジフェニルメタン−ビ
ス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレアなど、及び
分子内に3個のアジリジニル基を含有する化合物、例え
ば、2,2−ビスハイドロキシメチルブタノール−トリ
ス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕などが
用いられる。
【0022】本発明において架橋剤として用いられるカ
ルボジイミド系化合物としては、有機ジイソシアネート
を、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、及
び燐酸エステルなどのように、カルボジイミド化を促進
する触媒の存在下に、反応させることにより得られたも
のが好適に用いられる。具体的に述べるならば、ジプロ
ピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド、ジ−P−トルオイルカル
ボジイミド、及びトリイソプロピルベンゼンポリカルボ
ジイミドなどを用いることができる。特に、トリイソプ
ロピルベンゼンポリカルボジイミドなどのような多官能
性カルボジイミドは、耐久性がすぐれた樹脂被覆層を形
成するので、本発明において好適に用いられる。
【0023】本発明において架橋剤として用いられるオ
キサゾリン系化合物としては、オキサゾール−4−カル
ボン酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールから誘
導、生成される化合物が好適に用いられ、例えば、2−
オキサゾリン、4−メチル−2−オキサゾリン、2,
2’−ビス(2−オキサゾリン)、並びにスチレン、又
はアクリル系化合物などのポリマーにオキサゾリル基を
グラフトして得られる多官能オキサゾリンポリマーが用
いられる。特に、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)
などのような多官能オキサゾリンは、耐久性がすぐれて
いる樹脂被覆層を形成することができるので、本発明に
好ましく用いられる。
【0024】本発明において架橋剤として用いられるイ
ソシアネート系化合物としては、脂肪族ジイソシアネー
ト類、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、及び
リジンジイソシアネートなど;脂環式ジイソシアネート
類、例えば、イソホロンジイソシアネート、及び水添ト
リレンジイソシアネートなど;芳香族ジイソシアネー
ト、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、及びキシレンジイソシアネート
など;イソシアヌレート類、例えば、トリス(ヘキサメ
チレンイソシアネート)イソシアヌレート、及びトリス
(3−イソシアネートメチルベンジル)イソシアヌレー
トなど;前記イソシアネート化合物のイソシアネート基
末端をフェノール類、オキシム類、アルコール類、又は
ラクタム類等のブロック化剤でブロックして得られるブ
ロックイソシアネート化合物類;並びに、前記化合物の
イソシアネート基の一部に、例えばエチレングリコール
などの親水性単量体が付加された変性イソシアヌレート
化合物類など、を例示することができる。分散性、耐水
性の改良及び基布への接着性向上の観点から、特に、ブ
ロックイソシアネート化合物、及びイソシアネート基の
1個にエチレングリコールなど親水性単量体が付加され
た変性部分三量化イソシアヌレート化合物を用いること
が好ましい。
【0025】本発明において架橋剤として用いられるカ
ップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタ
ン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、
アルミニウム系カップリング剤、及びジルコアルミニウ
ム系カップリング剤から選ばれた少なくとも1種からな
るものが好ましく用いられる。シラン系カップリング剤
としては、アミノシラン類、例えば、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリエトキシシランなど;エポキシシラン類、
例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ンなど;ビニルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシ
シラン、及びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ランなど;メルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシランなど、が挙げられる。
【0026】チタン系カップリング剤としては、アルコ
キシ類、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ
ーn−ブトキシチタン、及びテトラキス(2−エチルヘ
キソキシ)チタンなど;アシレート類、例えば、トリ−
n−ブトキシチタンステアレート、及びイソプロポキシ
チタントリステアレートなどが挙げられる。ジルコニウ
ム系カップリング剤としては、例えば、テトラブチルジ
ルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネ
ート、及びテトライソプロピルジルコネートなどが挙げ
られる。アルミニウム系カップリング剤としては、例え
ば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート
が挙げられる。また、ジルコアルミニウム系カップリン
グ剤としては、テトラプロピルジルコアルミネートが挙
げられる。これらの中で、耐水性、耐候性の観点から、
特にγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
などのエポキシシランを用いることが好ましい。
【0027】これら架橋剤化合物は単独で用いてもよい
し、また、2種以上を併用してもよい。架橋剤の添加量
は、樹脂被覆層の樹脂成分に対して0.5〜15固形分
重量%であることが好ましい。その添加量が0.5重量
%未満では、得られる樹脂被覆層の耐水性、耐候性が不
十分になることがあり、またそれが15重量%を超ええ
ると、製品の柔軟性が損なわれるという問題を生ずるこ
とがある。
【0028】本発明のプリント用複合メッシュシートの
好ましい一実施態様は、繊維糸条から構成された粗目編
織物からなる基布と、この基布構成糸条の少なくとも露
出周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを有する複合
メッシュシートであって、(1)前記繊維糸条から構成
された粗目編織物が着色されており、かつマンセル明度
7.5以下の明度を有しており、(2)前記樹脂被覆層
がオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系
樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分を含
む樹脂組成物により形成されており、(3)前記樹脂被
覆層がマンセル明度8.0以上の明度を有し、(4)前
記樹脂組成物中には、アジリジン系化合物、カルボジイ
ミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート
系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも
1種からなる架橋剤とが含まれており、(5)この複合
メッシュシートの透孔面積率が0.5以下である、こと
を特徴とするものである。
【0029】前記樹脂被覆層は無彩色であってもよく、
あるいは有彩色であってもよいが、マンセル明度は8.
0以上である。マンセル明度が8.0未満では、その色
相によっては描画像が不鮮明になり、プリント画像の色
相調整が煩雑になるという欠点がある。
【0030】前記樹脂被覆層中には樹脂成分とともに白
色顔料、例えば二酸化チタンが含まれていてもよく、樹
脂成分と二酸化チタンとの固形分重量比率は、100:
50〜200であることが好ましく、更に好ましくは1
00:80〜150である。二酸化チタンの重量比率が
50重量%未満では、樹脂被覆層の隠蔽性が低く描画が
裏面に透けて見えることがあり、二酸化チタンの重量比
率が200重量%を超えると得られる樹脂被覆層の樹脂
強度が不十分になり、屈曲耐久性が不十分になることが
ある。
【0031】本発明のプリント用複合メッシュシートに
おいて、樹脂被覆層は、オレフィン系樹脂、アクリル系
樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種
の樹脂からなる樹脂成分と、及び架橋剤と、必要により
白色顔料、特に二酸化チタンとを含有する可撓性高分子
材料含有する処理液、例えばエマルジョン中に、繊維糸
条から構成された粗目編織物からなる基布をディッピン
グ及び/又はコーティングすることにより、繊維糸条の
少なくとも露出周面の全面上に形成される。本発明のプ
リント用複合メッシュシートにおいて、上記ディッピン
グ法及び/又はコーティング法により、可撓性高分子材
料含有処理液、例えばエマルジョンは、粗目編織物の構
成繊維糸条に浸透し、その少なくとも露出周面を被覆し
て、処理液の乾燥・固化により樹脂被覆層を形成する。
この樹脂被覆層は、粗目編織物の糸条の少なくとも露出
表面を被覆し、糸条の交差点においては、糸条の交差部
を樹脂被覆層により一体に被覆固定する。また、樹脂組
成物含有処理液が、互いに交差する糸条の交差面に浸透
していてもよく、この場合には、樹脂被覆層は、交差す
る糸条の非露出周面部分にも形成され、かつ交差部の露
出周面部分及び非露出周面部分を一体に被覆固定する。
勿論、粗目編織物用糸条の全周面を、樹脂被覆層により
被覆し、この樹脂被覆糸条により粗目編織物を編織成し
て本発明のプリント用複合メッシュシートを製造しても
よい。樹脂被覆層形成用樹脂組成物中には、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡
剤などの1種以上が適宜添加されていてもよい。
【0032】本発明のプリント用複合メッシュシートに
おいて、その樹脂被覆層が、難燃性を有していることが
好ましい。
【0033】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシートの一態様(1)において、前記8.0以上
のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可撓
性高分子材料に加えてさらに(2)難燃性付与剤と
(3)架橋剤とを含む難燃性樹脂組成物(I)により形
成された難燃性樹脂被覆層(Ia)であって、前記可撓
性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系
樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種
を含み、前記難燃性付与剤(2)が、ポリ燐酸アンモニ
ウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物か
ら選ばれた少なくとも1種を含み、前記架橋剤(3)
が、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オ
キサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカ
ップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含むもので
ある。
【0034】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシートの他の態様(2)において、前記8.0以
上のマンセル明度を有する樹脂被覆層が、(1)前記可
撓性高分子材料に加えて、さらに(2a)難燃性付与剤
と、(2b)無機系難燃助剤と、並びに(3)架橋剤と
を含む、難燃性樹脂組成物(II)により形成された難燃
性樹脂被覆層(IIa)であり、前記可撓性高分子材料
(1)が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウ
レタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含み、前記
難燃性付与剤(2a)が、臭素を含む少なくとも1種の
難燃性付与有機化合物を含み、前記無機系難燃助剤(2
b)が、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水
酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を含み、
前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイ
ミド化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系
化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1
種を含むものである。
【0035】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(1)及び(2)において、前記粗目編織
物の目付は30〜700g/m2 であることが好まし
く、また粗目編織物の透孔面積率は、粗目編織物の面積
に対して50%以下である。
【0036】前記基布は、マンセル明度7.5以下の明
度に着色されていることが好ましく、更に好ましくはマ
ンセル明度4.0〜7.5に着色されている。そのマン
セル明度が7.5を超えると、得られる繊維糸条基布の
遮光性が乏しく、描画が裏面に透けて見えることがあ
り、従ってシートの両面に鮮明な画像を描画することが
できなくなる。基布を着色する方法には格別の制限はな
いが、例えば、予め原着された繊維、又は糸条からなる
編織物を用いる方法。又は樹脂バインダーを含むエマル
ジョンによる顔料染めにより着色する方法、及び基布用
布帛を染料をもって染色する方法などがあり、耐水性、
及び吸水防止性を向上させる目的をもって、顔料染めエ
マルジョンに撥水処理剤等を添加してもよい。
【0037】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(1)及び(2)の樹脂被覆層に用いられ
る可撓性高分子材料(1)としては、オレフィン系樹
脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた
少なくとも1種が用いられる。
【0038】オレフィン系樹脂としては、エチレン−酢
酸ビニル系共重合樹脂を用いることが好ましく、エチレ
ン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、高圧法のラジカ
ル共重合方式で製造され、酢酸ビニル成分含有率が低い
樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、酢酸ビニル成分
含有率の高い樹脂のいずれを用いてもよい。エチレン−
酢酸ビニル系共重合樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有
率は、50〜95重量%であることが好ましく、更に好
ましくは70〜90重量%である。酢酸ビニル成分含有
率が50重量%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十
分になることがあり、酢酸ビニル成分含有率が95重量
%を超えると、得られる樹脂の耐熱強度が低下し、また
製品に粘着性が生ずるという欠点を生ずることがある。
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては。酢酸ビニ
ル成分含有率が前記範囲内にあるものを、単独で用いて
もよいし、また、酢酸ビニル成分含有率の異る共重合体
の2種以上を混合して用いてもよい。
【0039】可撓性高分子材料(1)用アクリル系樹脂
としては、アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキ
ルエステル類、及びこれらと架橋性官能基を含有する
α,β−エチレン性不飽和単量体とを共重合して得られ
る変性アクリル酸エステル共重合体が好適に用いられ
る。アクリル酸あるいはメタアクリル酸のアルキルエス
テルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アク
リル酸ノルマルブチルエステル、及び(メタ)アクリル
酸ノルマル及びイソプロピルエステルなどから選ばれた
少なくても1種のアルキルエステル、またはこれらアル
キルエステルの共重合体からなるものである。ここに表
記される(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタア
クリル酸の両者を含むものであり、以下同様に表記す
る。また、これらに共重合される、架橋性官能基含有
α,β−エチレン性不飽和単量体としては、カルボキシ
ル基含有単量体、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、及びマレイン酸など;エポキシド基含有単量体、例
えばグリシジル(メタ)アクリレート、及びアリルグリ
シジルエーテルなど;アミノ基含有単量体、例えばジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びビニルピ
リジンなど;水酸基含有単量体、例えばアリルアルコー
ル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び多価アル
コールのモノアリルエーテルなど;イソシアネート基含
有単量体、例えばアリルイソシアネートなど;から選ぶ
ことができる。これらアクリル系樹脂は、乳化重合法、
縣濁重合法、溶液重合法、塊状重合法など、いずれの重
合法で得られたものでもよいが、低温時の柔軟性を維持
するため、ガラス転移温度が0℃以下であることが望ま
しく、また、更に柔軟性を付与する目的から、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合体ゴムなどの合成ゴムを添加してもよい。
【0040】可撓性高分子材料(1)用ウレタン系樹脂
としては、ポリオールとジイソシアネートとを反応させ
て得られる樹脂を用いることができる。このウレタン系
樹脂の合成に用いられるポリオールとしては、両末端に
水酸基を有するポリエステル系ポリオール、ポリエーテ
ル系ポリオール、及びポリカーボネート系ジオールなど
を使用することができる。また、ジイソシアネートとし
ては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、及びイソホロンジイソシアネートなどの芳香族ジ
イソシアネート、及び脂肪族ジイソシアネートを用いる
ことができる。特に、ポリオール成分としてポリカーボ
ネート系ジオールを用い、ジイソシアネート成分として
脂肪族ジイソシアネートを用いて得られたポリカーボネ
ート系ウレタン系樹脂が、耐候性、耐久性が高く、本発
明に好適である。
【0041】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(1)に難燃性を付与することを目的とし
て、樹脂被覆層形成用難燃性樹脂組成物(I)中に難燃
性付与剤(2)を添加して難燃性樹脂被覆層(Ia)が
形成される。この難燃性付与剤(2)としては、ポリ燐
酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導
体化合物から選ばれた少なくとも1種が使用される。
【0042】難燃性付与剤成分(2)用ポリ燐酸アンモ
ニウム系化合物としては、好ましくはオルソ燐酸アンモ
ニウムと尿素との縮合生成物が用いられる。またポリ燐
酸アンモニウムはこのまま用いてもよいし、メラミンに
より表面を被覆されたもの、或はマイクロカプセル化さ
れたものを用いてもよい。
【0043】難燃性付与剤成分(2)用(イソ)シアヌ
ル酸誘導体化合物としては、メラミン、硫酸メラミン、
燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、メチロールメラミ
ン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエ
チルエステル、アンメリン、アンメリド、及び2,4,
6−トリオキシシアニジンなどのシアヌル酸誘導体を用
いることができる。また、イソアンメリン、イソメラミ
ン、イソアンメリド、トリメチルカルボジイミド、トリ
エチルカルボジイミド、及びトリカルボイミドなどのイ
ソシアヌル酸誘導体を用いることができる。特に、メラ
ミンのシアヌル酸との反応により得られるメラミンシア
ヌレートが本発明に好適に用いることができる。
【0044】また、難燃樹脂被覆層(Ia)の難燃性を
さらに高めるために、必要に応じ、難燃樹脂被覆層(I
a)中に難燃性付与剤(2)とともに、燐酸アンモニウ
ム系以外の燐系化合物、例えばトリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート、ビスフェノールAビ
ス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス
(ジフェニルホスフェート)、及びオクチルジフェニル
ホスフェートなどの燐酸エステル類;及び高分子量化し
たポリホスフェートなどの縮合燐酸エステル類;並びに
(イソ)シアヌル酸誘導体化合物以外の含窒素化合物、
例えばジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グア
ニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、
及びジグアニドなどのシアナミド誘導体;並びに尿素、
ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、
N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素
誘導体から選ばれた1種以上が含まれていてもよい。こ
のような追加難燃化剤の添加量は、難燃性付与剤の固形
分重量に対し、25〜200%であることが好ましく、
25〜150%であることがより好ましい。
【0045】難燃性付与剤(2)の添加量は、難燃樹脂
被覆層(Ia)に含まれる樹脂固形分重量に対して、5
0〜300重量%であることが好ましい。その添加量が
50重量%未満では、得られる難燃樹脂被覆層(Ia)
において十分な難燃性を得ることができないことがあ
り、その添加量が300重量%を超えると、十分な耐久
性を有する積層体を得ることができないことがあり、ま
たコスト高となり、経済的に不利となることがある。
【0046】また、難燃性を有する本発明のプリント用
複合メッシュシート(1)の難燃樹脂被覆層(Ia)中
には、難燃助剤として、1種以上の無機系化合物を添加
してもよい。難燃助剤無機系化合物としては、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、四硼酸ナトリウム、
燐酸マグネシウム、二燐酸ナトリウム、燐酸亜鉛などの
結晶水を持つ無機水和物;メタ錫酸、錫酸亜鉛、ヒドロ
キシ錫酸亜鉛などの錫系化合物;並びに硼酸、硼酸亜
鉛、硼酸アルミニウムなどの硼酸化合物、などを好適に
用いることができる。これら難燃助剤無機系化合物は、
単独に用いてもよいし、又は2種以上を混合して用いる
ことができる。無機難燃助剤の添加量は、上記難燃性付
与剤の有効固形重量の25〜200%であることが好ま
しく、25〜150%であることがより好ましい。
【0047】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(2)において、それに難燃性を付与する
ことを目的として、樹脂被覆層形成用難燃性樹脂組成物
(II)中に難燃性付与剤(2a)が添加されそれによっ
て難燃性樹脂被覆層(IIa)が形成される。この難燃性
付与剤(2a)としては、臭素を含む有機化合物が好適
に用いられる。臭素を含む有機系化合物(2a)として
は、2,4,6−トリブロモフェノール、テトラブロモ
ビスフェノールA、ビス(トリブロモフェノキシ)エタ
ン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブ
ロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA−
ビス(2,3−ジブロモフェニルエーテル)、テトラブ
ロモビスフェノールA−ビス(2−ハイドロキシエチル
エーテル)、ポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレー
ト、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ
ート、ポリ−ジブロモフェニレンオキシド、トリス
(2,4,6−トリプロモフェノキシ)トリアジン、デ
カブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼンな
どがある。特に、デカブロモジフェニルエーテル、及び
ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタンが好ましく用い
られる。
【0048】難燃性付与剤(2a)の添加量は、難燃樹
脂被覆層(IIa)に含まれる樹脂固形分重量に対して、
50〜200重量%であることが好ましい。その添加量
が50重量%未満では、得られる難燃樹脂被覆層(II
a)において十分な難燃性を得ることができないことが
あり、その添加量が200重量%を超えると、十分な耐
久性を有する積層体を得ることができないことがあり、
またコスト高となり経済的に不利になることがある。
【0049】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(2)の難燃性をさらに増進することを目
的として、難燃樹脂被覆層(IIa)中に無機系難燃助剤
(2b)が添加される。用いられる無機系難燃助剤(2
b)としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1
種が用いられる。
【0050】無機系難燃助剤(2b)の添加量は、難燃
樹脂被覆層(IIa)に含まれる樹脂固形分重量に対し
て、20〜100重量%であることが好ましい。その添
加量が20重量%未満では、得られる難燃樹脂被覆層
(IIa)において十分な難燃性を得ることができないこ
とがあり、その添加量が100重量%を超えると、十分
な耐久性を有する積層体を得ることができないことがあ
り、またコスト高となり、経済的に不利になることがあ
る。
【0051】更に、難燃性を有する本発明のプリント用
複合メッシュシート(1)、及び(2)の難燃樹脂被覆
層(Ia)及び(IIa)のそれぞれには、アジリジン系
化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合
物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から
選ばれた少なくとも1種を含む架橋剤(3)が必須成分
として添加される。これらの架橋剤(3)は、難燃樹脂
被覆層(Ia)及び(IIa)の耐水性、耐候性、樹脂強
度の低下を抑制させる効果を有している。
【0052】本発明において、架橋剤(3)として用い
られるアジリジン系化合物は、分子内にアジリジニル基
を含有するものであればよく、分子内に2個のアジリジ
ニル基を含有する化合物、例えば、ジフェニルメタン−
ビス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレアなど、及
び分子内に3個のアジリジニル基を含有する化合物、例
えば、2,2−ビスハイドロキシメチルブタノール−ト
リス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕など
が用いられる。
【0053】本発明において架橋剤(3)として用いら
れるカルボジイミド系化合物は、有機イソシアネート
を、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、又
は燐酸エステルなどのように、カルボジイミド化を促進
する触媒の存在下で、脱炭酸反応させることにより得ら
れる化合物から選ばれることが好ましい。具体的に述べ
るならば、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカル
ボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ−P
−トルオイルカルボジイミド、及びトリイソプロピルベ
ンゼンポリカルボジイミドなどを用いることができる。
特には、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミド
などのような多官能カルボジイミドは、耐久性がすぐれ
ているので、本発明に好適に用いられる。
【0054】本発明において架橋剤(3)として用いら
れるオキサゾリン系化合物は、オキサゾール−4−カル
ボン酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールから誘
導、生成された化合物から選ばれることが好ましい。例
えば、2−オキサゾリン、4−メチル−2−オキサゾリ
ン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、並びにスチ
レン、又はアクリル系化合物などのポリマーにオキサゾ
リル基をグラフトして得られる多官能オキサゾリンポリ
マーなどが用いられる。特には、2,2’−ビス(2−
オキサゾリン)などのような多官能オキサゾリンは耐久
性がすぐれているので、本発明に好ましく用いられる。
【0055】本発明において、架橋剤(3)として用い
られるイソシアネート系化合物は、例えば脂肪族ジイソ
シアネート類、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、及びリジンジイソシアネートなど、脂環式ジイソシ
アネート類、例えば、イソホロンジイソシアネート、及
び水添トリレンジイソシアネートなど、芳香族ジイソシ
アネート、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、及びキシレンジイソシア
ネートなど、イソシアヌレート類、例えば、トリス(ヘ
キサメチレンイソシアネート)イソシアヌレート、及び
トリス(3−イソシアネートメチルベンジル)イソシア
ヌレートなど、前記イソシアネート化合物のイソシアネ
ート基末端をフェノール類、オキシム類、アルコール
類、又はラクタム類等のブロック化剤でブロックして得
られるブロックイソシアネート化合物類、並びに、前記
化合物のイソシアネート基の一部にエチレングリコール
など親水性単量体が付加された変性イソシアヌレート化
合物類などから選ぶことができる。分散性、耐水性の改
良及び基布への接着性向上の観点から、特に、ブロック
イソシアネート化合物、及びイソシアネート基の1個に
エチレングリコールなど親水性単量体が付加された変性
三量化イソシアヌレート化合物を用いることが好まし
い。
【0056】本発明において、架橋剤(3)に用いられ
るカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、
チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング
剤、アルミニウム系カップリング剤、及びジルコアルミ
ニウム系カップリング剤から選ばれた少なくとも1種か
らなるものが好ましく用いられる。
【0057】本発明において、架橋剤(3)として用い
られるシラン系カップリング剤としては、アミノシラン
類、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランなど;エポキシシラン類、例えば、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシランなど;ビニルシラン
類、例えば、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シランなど;メルカプト
シラン類、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシランなど、が挙げられる。
【0058】またチタン系カップリング剤としては、ア
ルコキシ類、例えば、テトライソプロポキシチタン、テ
トラ−n−ブトキシチタン、及びテトラキス(2−エチ
ルヘキソキシ)チタンなど;アシレート類、例えば、ト
リ−n−ブトキシチタンステアレート、及びイソプロポ
キシチタントリステアレートなどが挙げられる。さらに
ジルコニウム系カップリング剤としては、例えば、テト
ラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールアミ
ン)ジルコネート、及びテトライソプロピルジルコネー
トなどが挙げられる。さらにアルミニウム系カップリン
グ剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレートが挙げられる。また、ジルコアルミ
ニウム系カップリング剤としては、テトラプロピルジル
コアルミネートが挙げられる。
【0059】これらカップリング剤の中で、耐水性、耐
候性の観点から、特にγ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシランなどのエポキシシランを用いることが好
ましい。
【0060】前記架橋剤(3)のそれぞれは単独で用い
てもよいし、また、その2種以上を併用してもよい。架
橋剤(3)の添加量は、難燃樹脂被覆層の樹脂固形分に
対して0.5〜15重量%であることが好ましい。添加
量が0.5重量%未満では得られる難燃樹脂被覆層の耐
水性、耐候性が不十分になることがあり、またそれが1
5重量%を超えると製品の柔軟性が損なわれるという問
題を生ずることがある。
【0061】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(1)、及び(2)の各々の難燃樹脂被覆
層(Ia),(IIa)は無彩色であってもよく、あるい
は有彩色であってもよいが、マンセル明度は8.0以上
である。マンセル明度が8.0未満では、色相によって
は描画像が不鮮明になり、プリント画像の色相調整が煩
雑になるという欠点がある。
【0062】本発明の難燃性プリント用メッシュシート
(1)、及び(2)の各々に用いられる難燃樹脂被覆層
(Ia),(IIa)中には二酸化チタンを含んでいても
よく、この場合、難燃樹脂被覆層(Ia)又は(IIa)
中の樹脂固形分と二酸化チタンの重量比率は、100:
50〜100:200が好ましく、更に好ましくは10
0:80〜150である。二酸化チタンの重量比率が5
0重量%未満では、難燃樹脂被覆層(Ia)又は(II
a)の隠蔽性が低く描画が裏面に透けて見えることがあ
り、二酸化チタンの添加が200重量%を超えると樹脂
被覆層(Ia)又は(IIa)の樹脂強度が低下し、屈曲
耐久性が不十分になることがある。
【0063】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(1)において、難燃樹脂被覆層(Ia)
は、その成分として(1)オレフィン系樹脂、アクリル
系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1
種を含む可撓性高分子材料と、(2)ポリ燐酸アンモニ
ウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物か
ら選ばれた少なくとも1種の難燃性付与剤と、(3)架
橋剤と、必要により二酸化チタンとを含有するエマルジ
ョン中に、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる
基布をディッピング及び/又はコーティングすることに
より、繊維糸条の少なくとも露出表面の全面上に形成さ
れる。
【0064】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(2)において、難燃樹脂被覆層(IIa)
は、その成分として、(1)オレフィン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも
1種の可撓性高分子材料と、(2a)臭素を含む有機化
合物からなる難燃性付与剤と、(2b)三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムから
選ばれた少なくとも1種の無機系難燃助剤と、(3)架
橋剤と、必要により二酸化チタンとを含有するエマルジ
ョン中に、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる
基布をディッピング及び/又はコーティングすることに
より、繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成さ
れる。
【0065】難燃性を有する本発明のプリント用複合メ
ッシュシート(1)及び(2)の各々において、難燃樹
脂被覆層(Ia)及び(IIa)を形成する難燃性樹脂
は、そのディッピング又はコーティングにより、基布を
構成する繊維糸条の非露出周面部分に、浸透してもよ
い。ディッピング又はコーティング法により難燃樹脂被
覆層を形成すると、樹脂は、基布を構成する繊維糸条の
交差部分を一体に被覆して、糸条の交差点を固定し、糸
寄り、又は糸抜けを防止することができる。この糸条固
定効果は、樹脂が糸条の交差面に浸透することにより更
に強化される。本発明において、難燃樹脂被覆層の形成
は、繊維糸条に対して、その製編織前になされていても
よい。
【0066】難燃樹脂被覆層配合組成物(I)又は(I
I)中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、
顔料、増粘剤、及び消泡剤などの1種以上を適宜添加し
てもよい。
【0067】繊維糸条から構成された粗目編織物からな
る基布に対する難燃樹脂被覆層(Ia)又は(IIa)の
付着重量は50〜800g/m2 であることが好まし
く、更に好ましくは100〜500g/m2 である。難
燃樹脂被覆層の付着重量が50g/m2 未満では、隠蔽
性が不十分となり描画が裏面に透けて見えることがあ
り、また難燃性が不十分となることがある。難燃樹脂被
覆層の付着重量が800g/m2 を超えると得られたプ
リント用複合メッシュシートの柔軟性が不十分になるこ
とがある。
【0068】
【実施例】本発明を下記実施例により更に具体的に説明
する。製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通
りである。
【0069】印刷適性 油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製、モ
デルDynajetII)、及び水性インクジェットプリ
ンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)
を用いたインクジェット画像、並びにスクリーンインキ
(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を225
メッシュのスクリーンを用いて描画したスクリーン印刷
画像の描画面に、セロハンテープを強く擦り付け、剥離
したときのインキの剥離量を目視判断し印刷適性の評価
とした。
【0070】画像鮮明性 油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製、モ
デルDynajetII)、及び水性インクジェットプリ
ンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)
を用いたインクジェット画像、並びにスクリーンインキ
(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を225
メッシュのスクリーンを用いて描画したスクリーン印刷
画像を、その描画面及び裏面より目視したときの画像の
鮮明性、及び裏面に透けて見えるか否かを評価した。
【0071】耐水性 耐温水性試験(40℃温水中に3日間浸漬)前の乾燥状
態、及び後の湿潤状態における試験片の各々を、JIS
L−1096、スコット法に従って、つかみ間隔2c
m、押圧荷重1kgf の条件下に、試験片に、回数1,0
00回の屈曲試験を施し、その結果を目視により、屈曲
試験による耐水性能として、評価した。
【0072】防炎性 耐温水性試験(70℃温水中に3日間浸漬)の前及び後
の試験片の各々を、45度法防炎試験:JIS L−1
091のA−1法、又はA−2法に従って、炭化面積、
炭化距離、残炎時間、残ジン時間を測定し、その性能を
評価した。基準を満足した場合、防炎区分3合格とす
る。
【0073】実施例1 基布用粗目編織物として、ポリエステルフィラメント粗
目状織物: を使用した。
【0074】また下記組成の下染め液を調製した。 (下染め液) アクリル系樹脂(固形分:45重量%、ローム・アンド・ 2重量部 ハース・ジャパン(株)製、商標;プライマルHA−8) 顔料(大日精化工業(株)製、商標;EP510ブラック) 0.05重量部 希釈水 98重量部 前記下染め液中に、前記基布用粗目編織物を浸漬し、ピ
ックアップ率50%にてマングルで絞った後100℃で
乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物を
得た。この着色粗目編織物のマンセル明度は、(財)日
本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ、
4.5であった。
【0075】次に、樹脂被覆層としてオレフィン系樹脂
及びウレタン系樹脂の混合物水性エマルジョンを用い
て、下記組成の樹脂被覆層エマルジョンを調製した。 (樹脂被覆層エマルジョン組成) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50重量%、 50重量部 住友化学工業(株)製、商標;スミカフレックス752) ウレタン系樹脂(固形分:30重量%、旭電化(株)製、 50重量部 商標;アデカボンタイターHUX−386) 白色顔料(二酸化チタン) 60重量部 紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04) 0.5重量部 前記樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物
を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に
140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少
なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹
脂被覆層付着重量が200g/m2であり、そのマンセ
ル明度は9.0であった。得られた本発明のプリント用
複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。
このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果
を表1に示す。
【0076】実施例2 実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層配合を下記の
熱可塑性エラストマーエマルジョン組成とした。 (樹脂被覆層エマルジョン組成) 熱可塑性エラストマーエマルジョン(固形分:40重量%、 100重量部 三井化学(株)製、商標;ケミパールA−100) 白色顔料(二酸化チタン) 60重量部 紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04) 0.5重量部 前記樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編織物
を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に
140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少
なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹
脂被覆層付着重量は200g/m2であり、そのマンセ
ル明度は9.0であった。このとき、得られたプリント
用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であっ
た。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験
結果を表1に示す。
【0077】実施例3 実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層配合を下記の
スチレン−ブタジエン系ラテックス組成とした。 (樹脂被覆層ラテックス組成) スチレンーブタジエン系ラテックス(固形分:50重量%、 100重量部 日本ゼオン(株)製、商標;ニッポールLX435) 白色顔料(二酸化チタン) 60重量部 紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04) 0.5重量部 前記樹脂被覆層ラテックス中に、前記着色粗目編織物を
浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に1
40℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条の少な
くとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成した。樹脂
被覆層付着重量は200g/m2であり、そのマンセル
明度は9.0であった。このとき、得られたプリント用
複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。
このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果
を表1に示す。
【0078】実施例4 実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、基布用粗目編織物とし
て、マンセル明度5.5にグレー色に染められた原着糸
からなるポリエステルフィラメント粗目状織物: を用いた。下染め工程を省いた、得られた本発明のプリ
ント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であ
った。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試
験結果を表1に示す。
【0079】実施例5 実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層用塗布液の組
成を下記のポリ塩化ビニル系樹脂組成とした。 (樹脂被覆層配合) ポリ塩化ビニル樹脂 100重量部 DOP 65重量部 エポキシ化大豆油 2.0重量部 Ba−Zn系安定剤 1.5重量部 紫外線吸収剤 0.3重量部 二酸化チタン 100重量部 前記樹脂被覆層配合中に、着色粗目編織物を浸漬し、マ
ングルで絞った後180℃で熱処理して、着色粗目編織
物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆
層を形成した。樹脂被覆層付着重量は300g/m2
あり、そのマンセル明度は8.0であった。得られたプ
リント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.20で
あった。このプリント用複合メッシュシートの組成及び
試験結果を表1に示す。
【0080】実施例6 実施例5と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、下染めにおける下染め液
の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目編織物のマンセ
ル明度を1.5とした。得られたプリント用複合メッシ
ュシートの透孔面積率は0.20であった。このプリン
ト用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示
す。
【0081】比較例1 実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、下染め工程を省き粗目編
織物のマンセル明度を9.5にした。このプリント用複
合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0082】比較例2 実施例5と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、下染めにおける下染め液
の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目編織物のマンセ
ル明度を1.5とし、更にポリ塩化ビニル系樹脂組成中
の二酸化チタンの添加量を15重量部とした。このと
き、樹脂被覆層付着重量は180g/m2であり、その
マンセル明度は7.0であった。得られたプリント用複
合メッシュシートの透孔面積率は0.20であった。こ
のプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を
表1に示す。
【0083】比較例3 実施例1と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、基布用粗目編織物とし
て、ポリエステルフィラメント粗目状織物: を用いた。着色粗目編織物のマンセル明度は4.0であ
った。更に、樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗
目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥
し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維
糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被覆層を形成
した。樹脂被覆層付着重量は300g/m 2であり、そ
のマンセル明度は9.0であった。得られたプリント用
複合メッシュシートの透孔面積率は0.55であった。
このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果
を表1に示す。
【0084】実施例7 実施例5と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し粗目編織物からなる基布と
して、マンセル明度4.5に染められた原着糸からなる
ポリオレフィンフィラメント粗目編織物を用いた。この
ポリオレフィンフィラメント粗目編織物は以下の方法で
作製した。ポリプロプレン(MFR=20g/10分、
密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セ
バケート0.1重量%、及びカーボンブラック顔料1.
0重量%を配合して芯層を形成し、鞘層にはエチレン−
プロピレン共重合体(MFR=16.5g/分、密度=
0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケー
ト0.1重量%、及びカーボンブラック顔料1.0重量
%を配合し、芯層及び鞘層がほぼ同色の配合とした複層
ポリオレフィンモノフィラメントは、押出機に連結され
た2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメン
ト成形ダイスから芯層のポリプロピレン及び鞘層のポリ
オレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率
9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを
施し複層ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。
この時の芯層の融点は150℃、鞘層の融点は125℃
であった。得られた複層ポリオレフィンモノフィラメン
トの繊度は、芯層/鞘層が356dtex(320d)/1
56dtex(140d)で、総繊度が511dtex(460
d)であった。こうして得られた複層ポリオレフィンモ
ノフィラメントで、経26本/インチ、緯26本/イン
チの粗目編織物を織成し、135℃で加熱加圧して経・
緯糸交点の鞘層を溶融させて接合し粗目編織物を作成し
た。この着色された粗目編織物のマンセル明度は4.5
であった。得られた着色粗目編織物の繊維糸条の少なく
とも露出周面の全面上に実施例5の樹脂被覆層が形成さ
れ、樹脂被覆層付着重量が200g/m2でマンセル明
度は8.0であり、透孔面積率は0.30であった。こ
のプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を
表1に示す。
【0085】実施例8 複層ポリオレフィンモノフィラメントからなるプリント
用複合メッシュシートを作製した。複層ポリオレフィン
モノフィラメントは以下の方法で作製した。芯層には、
ポリプロピレン(MFR=3.4g/10分、密度=
0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケー
ト0.1重量%、及びカーボンブラック顔料1.0重量
%を配合して用いた。鞘層にはエチレン−プロピレン共
重合体(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/
cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量
%、及び二酸化チタン顔料3.0重量%を配合して用い
た。複層ポリオレフィンモノフィラメントは、押出機に
連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフ
ィラメント成形ダイスから芯層のポリプロピレン及び鞘
層のポリオレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、
延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニー
リングを施し複層ポリオレフィンモノフィラメントを形
成した。得られた複合ポリオレフィンモノフィラメント
の繊度は、芯層/鞘層が356dtex(320d)/15
6dtex(140d)で、総繊度が511dtex(460
d)であった。そして芯層の融点は150℃、鞘層の融
点は125℃であった。こうして得られた複層ポリオレ
フィンモノフィラメントで、経26本/インチ、緯26
本/インチの粗目編織物を織成し、135℃で加熱加圧
して経・緯糸交点の鞘層を溶融接着させて芯層を鞘層で
被覆したプリント用複合メッシュシートを作成した。こ
のときの芯層のマンセル明度は4.0に相当し、グレー
に着色された芯層の全面上に鞘層として可撓性高分子材
料からなる樹脂被覆層が形成されている。被覆層(鞘
層)重量が32g/m2で被覆層のマンセル明度は8.
0であり、透孔面積率は0.30であった。このプリン
ト用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示
す。
【0086】
【表1】
【0087】表1から明らかなように、着色された粗目
編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に、デ
ィッピング及び/又はコーティング法により、可撓性高
分子材料から選ばれた少なくとも1種を含む樹脂で形成
された樹脂被覆層は、すぐれた印刷適性を示し、従っ
て、得られたプリント用複合メッシュシートの印刷適
性、描画像の鮮明性が著しく向上した。
【0088】実施例9 粗目織物からなる基布として、ポリエステルフィラメン
ト粗目状織物: を使用した。また下染めのために、下記組成の下染め顔
料液を調製した。 (下染め顔料液) アクリル系樹脂(固形分:45重量%) 2重量部 (ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製、 商標;プライマルHA−8) 顔料 0.05重量部 (大日精化工業(株)製、商標;EP510ブラック) 希釈水 98重量部 前記下染め顔料液中に、前記粗目織物を浸漬し、マング
ルを通してピックアップ率50%に絞った後、100℃
で乾燥し、更に140℃で熱処理して、灰色に着色され
た粗目織物を得た。この着色粗目織物のマンセル明度
は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定
したところ4.5であった。
【0089】次に、樹脂被覆層を形成するためのオレフ
ィン系樹脂及びウレタン系樹脂の混合樹脂成分水性エマ
ルジョンを用いて、下記組成の樹脂被覆層形成用樹脂エ
マルジョンを調製した。 (樹脂被覆層エマルジョン組成) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50重量%) 50重量部 (住友化学工業(株)製、商標;スミカフレックス752) ウレタン系樹脂(固形分:30重量%) 50重量部 (旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−386) 白色顔料(二酸化チタン) 60重量部 トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 4.0重量部 紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、 商標;Viosorb 04) 0.5重量部 前記樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目織物を
浸漬し、これをマングルを通して絞った後、100℃で
乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目織物の繊
維糸条の全周に樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層付着
重量が200g/m2 であり、樹脂被覆層のマンセル明
度は9.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹脂成
分に対する、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋
剤の固形分重量比率は、それぞれ150重量%、及び1
0重量%であり、得られた本発明のプリント用複合メッ
シュシートの透孔面積率は0.24であった。このプリ
ント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に
示す。
【0090】実施例10 実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、粗目織物からなる基布と
して、マンセル明度5.5に灰色に着色された原着糸条
からなるポリエステルフィラメント粗目状織物: を用い、下染め工程を省いた。また樹脂被覆層の形成に
おいて、カルボジイミド系架橋剤に代えて。アジリジン
系架橋剤(ジフェニルメタン−ビス−4−4’−N−
N’−ジエチレンウレア)及びカップリング剤(γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン)をそれぞれ
4.0重量部用いた。このとき、樹脂被覆層の付着重量
は200g/m2 あり、そのマンセル明度は8.5であ
った。このときの架橋剤の合計添加量は、樹脂被覆層の
樹脂成分の固形分重量に対して20重量%であり、得ら
れた本発明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積
率は0.24であった。このプリント用複合メッシュシ
ートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0091】実施例11 実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層の形成のため
に、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂に代えて、アク
リル系樹脂(日本ゼオン(株)製、商標;ニッポールL
X851C、固形分40重量%)を用い、更に、カルボ
ジイミド系架橋剤に代えて、オキサゾリン系架橋剤
(2,2’−ビス(2−オキサゾリン))3.5重量部
を用いた。このとき、樹脂被覆層の付着重量は200g
/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。こ
のとき、樹脂被覆層中の樹脂成分の固形分重量に対す
る、二酸化チタン、及び架橋剤の重量比率は、それぞれ
171重量%、及び10重量%であった。得られた本発
明のプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は0.
24であった。このプリント用複合メッシュシートの組
成及び試験結果を表2に示す。
【0092】実施例12 実施例9と同様にしてプリント用メッシュシートを作製
し、試験を行った。但し、樹脂被覆層の形成のために、
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とウレタン系樹脂の
混合物に代えて、ウレタン系樹脂(旭電化(株)製、商
標;アデカボンタイターHUX−380、固形分38重
量%)100重量部を用い、更に、カルボジイミド系架
橋剤に代えて、フェノールブロック化ヘキサメチレンジ
イソシアネート3.8重量部を用いた。このとき、樹脂
被覆層の付着重量は200g/m 2 であり、そのマンセ
ル明度は9.0であった。このとき、樹脂被覆層中の樹
脂成分固形分重量に対する、二酸化チタン、及び架橋剤
の重量比率量は、それぞれ158重量%、及び10重量
%であり、得られた本発明のプリント用複合メッシュシ
ートの透孔面積率は0.24であった。このプリント用
複合メッシュシートの組成及び試験結果を表2に示す。
【0093】比較例4 実施例9と同時にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、基布用粗目織物の着色を
省いたので、粗目織物のマンセル明度は9.5であっ
た。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験
結果を表2に示す。
【0094】比較例5 実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、基布用粗目織物の着色液
の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目織物のマンセル
明度を1.5とし、更に樹脂被覆層形成用樹脂組成物エ
マルジョン中の二酸化チタンの添加量を15重量部とし
た。このとき、樹脂被覆層の付着重量は120g/m2
であり、そのマンセル明度は7.0であった。このと
き、樹脂被覆層中の樹脂成分の固形分重量に対する、二
酸化チタン、及び架橋剤の重量比率は、それぞれ37.
5重量%、及び10重量%であった。得られたプリント
用複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であっ
た。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験
結果を表2に示す。
【0095】比較例6 実施例9と同様にしてプリント用複合メッシュシートを
作製し、試験を行った。但し、粗目織物からなる基布と
して、ポリエステルフィラメント粗目状織物: を用いた。着色粗目織物のマンセル明度は4.0であっ
た。更に、樹脂被覆層形成用樹脂組成物エマルジョン中
に、前記着色粗目織物を浸漬し、マングルで絞った後1
00℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目
織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に樹脂被
覆層を形成した。樹脂被覆層付着重量は300g/m2
であり、そのマンセル明度は9.0であった。このと
き、樹脂被覆層中の樹脂成分の固形分重量に対する、二
酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の重量比率
は、それぞれ150重量%、及び10重量%であり、得
られたプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は
0.55であった。このプリント用複合メッシュシート
の組成及び試験結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】表2から明らかなように、着色された粗目
編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に、デ
ィッピング及び/又はコーティング法により、オレフィ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選
ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分と、二酸化チタ
ンとに加えて、アジリジン系化合物、カルボジイミド系
化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合
物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種か
らなる架橋剤を添加して形成された樹脂被覆層は、すぐ
れた耐水性、印刷適性を示し、従って、得られた本発明
のプリント用複合メッシュシートの耐水屈曲性、印刷適
性、及び描画像の鮮明性が著しく向上した。
【0098】実施例13 粗目編織物からなる基布として、ポリエステルフィラメ
ント粗目状織物: を使用し、下染めとして下記組成の下染め液を調製し
た。 (下染め液) アクリル系樹脂(固形分:45重量%) 2重量部 (ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製、商標;プライマルHA−8) 顔料(大日精化工業(株)製、商標;EP510ブラック)0. 05重量部 希釈水 98重量部 前記下染め液中に、前記粗目編織物からなる基布を浸漬
し、ピックアップ率50%にてマングルで絞った後10
0℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、灰色に着色
された粗目編織物を得た。この着色粗目編織物のマンセ
ル明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用い
て測定したところ4.5であった。
【0099】次に、難燃樹脂被覆層としてオレフィン系
樹脂及びウレタン系樹脂の混合物を含む水性エマルジョ
ンを用いて、下記組成の難燃樹脂被覆層エマルジョンを
調製した。 (難燃樹脂被覆層エマルジョン組成) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50重量%) 50重量部 (住友化学工業(株)製、商標;スミカフレックス752) ウレタン系樹脂(固形分:30重量%) 50重量部 (旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−386) メラミンシアヌレート 60重量部 白色顔料(二酸化チタン) 60重量部 トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 4.0重量部 紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04) 0.5重量部 前記難燃樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編
織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、
更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条
の少なくとも露出周面の全面上に難燃樹脂被覆層を形成
した。難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であ
り、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難
燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミンシアヌ
レート、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架橋剤の
添加量は、それぞれ150重量%、150重量%、及び
10重量%であった。また得られた本発明のプリント用
複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。
このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果
を表3及び4に示す。
【0100】実施例14 実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、粗目編織物からなる基
布として、マンセル明度5.5のグレー色に染められた
原着糸からなるポリエステルフィラメント粗目状織物: を用い、下染め工程を省いた。またカルボジイミド系架
橋剤に代えて、アジリジン系架橋剤(ジフェニルメタン
−ビス−4−4’−N−N’−ジエチレンウレア)とカ
ップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン)とをそれぞれ4.0重量部用いた。このとき、
難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2であり、その
マンセル明度は8.5であった。このときの架橋剤の総
添加量は、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分重量に対して
20重量%であった。また、得られた本発明の難燃性を
有するプリント用複合メッシュシートの透孔面積率は
0.24であった。このプリント用複合メッシュシート
の組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0101】実施例15 実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成
のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂に代え
て、アクリル系樹脂(日本ゼオン(株)製、商標;ニッ
ポールLX851C、固形分40重量%)を用い、更
に、メラミンシアヌレートに代えて、オルソ燐酸アンモ
ニウムと尿素とを縮合して得られたポリ燐酸アンモニウ
ム(平均分子量10,000)をメラミン被覆によりマ
イクロカプセル化処理して得られた難燃性付与剤60重
量部を用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、オキサ
ゾリン系架橋剤(2,2’−ビス(2−オキサゾリ
ン))3.5重量部を用いた。このとき、難燃樹脂被覆
層付着重量は200g/m2 であり、そのマンセル明度
は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂
固形分に対する、マイクロカプセル化処理して得られた
ポリ燐酸アンモニウム、二酸化チタン、及び架橋剤の添
加量は、それぞれ171重量%、171重量%、及び1
0重量%であった。得られた本発明のプリント用難燃メ
ッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプ
リント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3
及び4に示す。
【0102】実施例16 実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成
のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とウレタ
ン系樹脂との混合物に代えて、ウレタン系樹脂(旭電化
(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−380、
固形分:38重量%)100重量部を用いた。更に、難
燃性付与剤として、メラミンシアヌレートの単独使用に
代えて、メラミンシアヌレートとレゾルシノールビス
(ジフェニルホスフェート)とを、それぞれ30重量部
用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、フェノールブ
ロック化ヘキサメチレンジイソシアネート3.8重量部
を用いた。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は200
g/m2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。
このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メ
ラミンシアヌレート、レゾルシノールビス(ジフェニル
ホスフェート)、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量
は、それぞれ79重量%、79重量%、158重量%、
及び10重量%であった。得られた本発明のプリント用
複合メッシュシートの透孔面積率は0.24であった。
このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果
を表3及び4に示す。
【0103】実施例17 粗目編織物からなる基布として、ポリエステルフィラメ
ント粗目状織物: を使用し、下染めとして下記組成の下染め液を調製し
た。 (下染め液) アクリル系樹脂(固形分:45重量%) 2重量部 (ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製、商標;プライマルHA−8) 顔料(大日精化工業(株)製、商標;EP510ブラック)0. 05重量部 希釈水 98重量部 前記下染め液中に、前記粗目編織物からなる基布を浸漬
し、ピックアップ率50%にてマングルで絞った後10
0℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、灰色に着色
した粗目編織物を得た。この着色粗目編織物のマンセル
明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて
測定したところ4.5であった。
【0104】次に、難燃樹脂被覆層としてオレフィン系
樹脂及びウレタン系樹脂の混合物水性エマルジョンを用
いて、下記組成の難燃樹脂被覆層エマルジョンを調製し
た。 (難燃樹脂被覆層エマルジョン組成) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50重量%) 50重量部 (住友化学工業(株)製、商標;スミカフレックス752) ウレタン系樹脂(固形分:30重量%) 50重量部 (旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−386) デカブロモジフェニルエーテル 40重量部 三酸化アンチモン 20重量部 白色顔料(二酸化チタン) 60重量部 トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 4.0重量部 紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04) 0.5重量部 前記難燃樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着色粗目編
織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、
更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の繊維糸条
の少なくとも露出周面の全面上に難燃樹脂被覆層を形成
した。難燃樹脂被覆層付着重量は200g/m2 であ
り、そのマンセル明度は9.0であった。このとき、難
燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、デカブロモジフ
ェニルエーテル、三酸化アンチモン、二酸化チタン、及
びカルボジイミド系架橋剤の添加量は、それぞれ100
重量%、50重量%、150重量%、及び10重量%で
あった。得られた本発明のプリント用複合メッシュシー
トの透孔面積率は0.24であった。このプリント用複
合メッシュシートの組成及び試験結果を表3及び4に示
す。
【0105】実施例18 実施例17と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成
のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とウレタ
ン系樹脂との混合物に代えて、ウレタン系樹脂(旭電化
(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−380、
固形分38重量%)100重量部を用いた。更に、デカ
ブロモジフェニルエーテルに代えて、ビス(ペンタブロ
モフェノキシ)エタンを40重量部用い、三酸化アンチ
モンに代えて、水酸化アルミニウムを20重量部用い、
カルボジイミド系架橋剤に代えて、フェノールブロック
化ヘキサメチレンジイソシアネート3.8重量部を用い
た。このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は240g/m
2 あった。難燃樹脂被覆層のマンセル明度は9.0であ
った。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対す
る、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、水酸化ア
ルミニウム、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、そ
れぞれ105重量%、53重量%、158重量%、及び
10重量%であり、得られた本発明のプリント用複合メ
ッシュシートの透孔面積率は0.24であった。このプ
リント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3
及び4に示す。
【0106】実施例19 実施例17と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、難燃樹脂被覆層の形成
のために、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂に代え
て、アクリル系樹脂(日本ゼオン(株)製、商標;ニッ
ポールLX851C、固形分40重量%)を用いた。更
に、三酸化アンチモンに代えて、水酸化マグネシウムを
20重量部を用い、カルボジイミド系架橋剤に代えて、
オキサゾリン系架橋剤(2,2’−ビス(2−オキサゾ
リン))3.5重量部を用いた。このとき、難燃樹脂被
覆層付着重量は240g/m2 であり、そのマンセル明
度は9.0であった。このとき、難燃樹脂被覆層中の樹
脂固形分に対する、デカブロモジフェニルエーテル、水
酸化マグネシウム、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量
は、それぞれ114重量%、57重量%、171重量
%、及び10重量%であった。得られた本発明のプリン
ト用難燃メッシュシートの透孔面積率は0.24であっ
た。このプリント用複合メッシュシートの組成及び試験
結果を表3及び4に示す。
【0107】比較例7 実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、下染め工程を省いたの
で粗目編織物のマンセル明度は9.5であった。このプ
リント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表3
及び4に示す。
【0108】比較例8 実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、下染めにおける下染め
液の顔料添加量を3重量部とし、着色粗目編織物のマン
セル明度を1.5とし、更に難燃樹脂被覆層エマルジョ
ン組成中の二酸化チタンの添加量を15重量部とした。
このとき、難燃樹脂被覆層付着重量は120g/m2
あり、そのマンセル明度は7.0であった。このとき、
難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミンシア
ヌレート、二酸化チタン、及び架橋剤の添加量は、それ
ぞれ150重量%、37.5重量%、及び10重量%で
あり、得られたプリント用難燃メッシュシートの透孔面
積率は0.24であった。このプリント用複合メッシュ
シートの組成及び試験結果を表3及び4に示す。
【0109】比較例9 実施例13と同様にしてプリント用複合メッシュシート
を作製し、試験を行った。但し、粗目編織物からなる基
布として、下記ポリエステルフィラメント粗目状織物: を用いた。着色粗目編織物のマンセル明度は4.0であ
った。更に、難燃樹脂被覆層エマルジョン中に、前記着
色粗目編織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で
乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物の
繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上に難燃樹脂被覆
層を形成した。難燃樹脂被覆層付着重量は300g/m
2 であり、そのマンセル明度は9.0であった。このと
き、難燃樹脂被覆層中の樹脂固形分に対する、メラミン
シアヌレート、二酸化チタン、及びカルボジイミド系架
橋剤の添加量は、それぞれ150重量%、150重量
%、及び10重量%であった。得られたプリント用複合
メッシュシートの透孔面積率は0.55であった。この
プリント用複合メッシュシートの組成及び試験結果を表
3及び4に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】表3及び4から明らかなように、着色され
た粗目編織物の繊維糸条の少なくとも露出周面の全面上
に、ディッピング及び/又はコーティング法により、オ
レフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂
から選ばれた少なくとも1種の樹脂と、ポリ燐酸アンモ
ニウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物
から選ばれた少なくとも1種の難燃性付与剤或いは、臭
素を含む有機化合物からなる難燃性付与剤と三酸化アン
チモン、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウム
から選ばれた少なくとも1種の無機系難燃助剤、並び
に、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オ
キサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及びカ
ップリング剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤、必
要により二酸化チタンを添加して形成された難燃樹脂被
覆層は、すぐれた難燃性、耐水性、印刷適性を示し、従
って、得られたプリント用複合メッシュシートは優れた
難燃性、耐水屈曲性、印刷適性、描画像の鮮明性を有し
ていた。
【0113】
【発明の効果】本発明のプリント用複合メッシュシート
は、印刷適性及び描画像の鮮明性に優れており、表裏両
面に異なる画像を鮮明に描画でき、互に透けて見えるこ
とがなく、必要により所望の耐水性及び/又は難燃性を
具備させることができるから、広告媒体、掲示媒体、日
除けテント、ブラインド、建築用工事シート、及びスポ
ーツ施設用シート(例えばテニスコート遮光用シートな
ど)などに好適である。また、本発明のプリント用複合
メッシュシートにおいて、樹脂被覆層がハロゲン元素を
含まない場合には、焼却、廃棄が容易であり、環境への
悪影響もないという利点を有する。
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月31日(2001.8.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント用複合
メッシュシートは、繊維糸条から構成された粗目編織物
からなる基布と、この基布の構成糸条の少なくとも露出
周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを含む複合メッ
シュシートであって、(1)前記基布がマンセル明度
7.5以下の明度を有しており、(2)前記樹脂被覆層
が、可撓性高分子材料から選ばれた少なくとも1種を含
む樹脂により形成されており、(3)前記樹脂被覆層が
マンセル明度8.0以上の明度を有し、(4)前記複合
メッシュシートの透孔面積率が0.5以下である、こと
を特徴とするものである。本発明のプリント用複合メッ
シュシートにおいて、前記基布が着色されていることが
好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにお
いて、前記基布が、マンセル明度7.5〜4.0の範囲
に着色されていることが好ましい。本発明のプリント用
複合メッシュシートにおいて、前記基布の着色が繊維の
原液着色又は染料及び/又は顔料による後染め着色、若
しくは着色樹脂液を被覆することによる樹脂被覆着色で
あることが好ましい。本発明のプリント用複合メッシュ
シートにおいて、前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複
合糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高
く、芯層のマンセル明度が7.5以下であり、かつ鞘層
のマンセル明度が8.0以上であることが好ましい。本
発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記繊
維糸条が芯層、鞘層からなる複合糸条であって、芯層の
熱融点が鞘層の熱融点よりも高く、芯層、鞘層のマンセ
ル明度が何れも7.5以下であることも好ましい。本発
明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記基布
が難燃性を有することが好ましい。本発明のプリント用
複合メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層を形成す
る可撓性高分子材料含有樹脂が、オレフィン系樹脂、ア
クリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なく
とも1種からなる樹脂成分を含む樹脂組成物であること
が好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートに
おいて、前記樹脂組成物が、アジリジン系化合物、カル
ボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシア
ネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少な
くとも1種からなる架橋剤を更に含むことが好ましい。
本発明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記
樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中に、二酸化チタンをさ
らに含み、前記樹脂成分と二酸化チタンの固形分重量比
率は100:50〜200であることが好ましい。本発
明のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記樹脂
被覆層形成用の樹脂組成物中の樹脂成分と前記架橋剤と
の固形分重量比率は100:0.5〜15であることが
好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにお
いて、前記樹脂被覆層が、基布を形成する粗目編織物
を、前記可撓性高分子材料含有処理液をもってディピン
グ及び/又はコーティングすることにより形成されたも
のであることが好ましい。本発明のプリント用複合メッ
シュシートにおいて、前記樹脂被覆層が難燃性を有する
ことが好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシー
トにおいて、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹
脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えてさら
に(2)難燃性付与剤と(3)架橋剤とを含む難燃性樹
脂組成物(I)により形成された難燃性樹脂被覆層(I
a)であって、前記可撓性高分子材料(1)が、オレフ
ィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から
選ばれた少なくとも1種を含み、前記難燃性付与剤
(2)が、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イ
ソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1
種を含み、前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、
カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソ
シアネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた
少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明のプリン
ト用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層
(Ia)中に、二酸化チタン(4)をさらに含み、前記
可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との重量
比率が100:50〜100:200であることが好ま
しい。本発明のプリント用複合メッシュシートにおい
て、前記難燃樹脂被覆層(Ia)中の前記可撓性高分子
材料(1)と、前記難燃性付与剤(2)と、前記架橋剤
(3)との重量比率が100:50〜300:0.5〜
15であることが好ましい。本発明のプリント用複合メ
ッシュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(Ia)
が、基布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成
物(I)を含む処理液をもってディピング及び/又はコ
ーティングすることにより形成されたものであることが
好ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにお
いて、前記8.0以上のマンセル明度を有する樹脂被覆
層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えて、さらに
(2a)難燃性付与剤と、(2b)無機系難燃助剤と、
並びに(3)架橋剤とを含む、難燃性樹脂組成物(II)
により形成された難燃性樹脂被覆層(IIa)であり、前
記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、アク
リル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくと
も1種を含み、前記難燃性付与剤(2a)が、臭素を含
む少なくとも1種の難燃性付与有機化合物を含み、前記
無機系難燃助剤(2b)が、二酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少な
くとも1種を含み、前記架橋剤(3)が、アジリジン系
化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合
物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から
選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明
のプリント用複合メッシュシートにおいて、前記難燃樹
脂被覆層(IIa)が二酸化チタン(4)をさらに含み、
前記可撓性高分子材料(1)と二酸化チタン(4)との
重量比が100:50〜100:200であることが好
ましい。本発明のプリント用複合メッシュシートにおい
て、前記難燃樹脂被覆層(IIa)中の前記可撓性高分子
材料(1)と、前記難燃性付与剤(2a)と、前記無機
系難燃助剤(2b)と、前記架橋剤(3)との重量比率
が100:50〜200:20〜100:0.5〜15
であることが好ましい。本発明のプリント用複合メッシ
ュシートにおいて、前記難燃樹脂被覆層(IIa)が、基
布を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(I
I)を含有する処理液をもってディピング及び/又はコ
ーティングすることにより形成されたものであることが
好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 21/04 C09K 21/04 21/08 21/08 21/10 21/10 Fターム(参考) 4F100 AA18B AA21B AA29B AK01B AK03B AK25B AK51B AK80B BA02 BA07 CA08B DG01A EH46 EJ05B EJ82 GB90 JB07 JJ07 JK08B JL10A JN30 4H028 AA07 AA10 AA11 AA12 AA28 AA30 AA31 AA35 AA40 AA42 BA02 BA04 4H057 AA01 CB08 CC01 DA01 DA31 GA06

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維糸条から構成された粗目編織物から
    なる基布と、この基布の構成糸条の少なくとも露出周面
    の全面上に形成された樹脂被覆層とを含む複合メッシュ
    シートであって、(1)前記繊維糸条から構成された粗
    目編織物がマンセル明度7.5以下の明度を有してお
    り、(2)前記樹脂被覆層が、可撓性高分子材料から選
    ばれた少なくとも1種を含む樹脂により形成されてお
    り、(3)前記樹脂被覆層がマンセル明度8.0以上の
    明度を有し、(4)前記樹脂被覆繊維糸条から構成され
    た粗目編織物の透孔面積率が0.5以下である、 ことを特徴とするプリント用複合メッシュシート。
  2. 【請求項2】 前記繊維糸条から構成されている粗目編
    織物が着色されている、請求項1に記載のプリント用複
    合メッシュシート。
  3. 【請求項3】 前記繊維糸条から構成された粗目編織物
    が、マンセル明度7.5〜4.0の範囲に着色されてい
    る、請求項1又は2に記載のプリント用複合メッシュシ
    ート。
  4. 【請求項4】 前記着色が繊維の原液着色又は染料及び
    /又は顔料による後染め着色若しくは着色樹脂液を被覆
    することによる樹脂被覆着色である、請求項2又は3に
    記載のプリント用複合メッシュシート。
  5. 【請求項5】 前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合
    糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高
    く、芯層のマンセル明度が7.5以下であり、かつ鞘層
    のマンセル明度が8.0以上である、請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  6. 【請求項6】 前記繊維糸条が芯層、鞘層からなる複合
    糸条であって、芯層の熱融点が鞘層の熱融点よりも高
    く、芯層、鞘層のマンセル明度が何れも7.5以下であ
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント用複
    合メッシュシート。
  7. 【請求項7】 前記繊維糸条が難燃性を有する、請求項
    1〜6のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュ
    シート。
  8. 【請求項8】 前記樹脂被覆層を形成する可撓性高分子
    材料含有樹脂が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、
    及びウレタン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からな
    る樹脂成分を含む樹脂組成物である、請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシート。
  9. 【請求項9】 前記樹脂組成物が、アジリジン系化合
    物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、
    イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から選ば
    れた少なくとも1種からなる架橋剤を更に含む、請求項
    8に記載のプリント用複合メッシュシート。
  10. 【請求項10】 前記樹脂被覆層形成用の樹脂組成物中
    に、二酸化チタンをさらに含み、前記樹脂成分と二酸化
    チタンの固形分重量比率が100:50〜200であ
    る、請求項8又は9に記載のプリント用複合メッシュシ
    ート。
  11. 【請求項11】 前記樹脂被覆層形成用樹脂組成物中の
    樹脂成分と前記架橋剤との固形分重量比率が100:
    0.5〜15である、請求項9又は10に記載のプリン
    ト用複合メッシュシート。
  12. 【請求項12】 前記樹脂被覆層が、基布を形成する粗
    目編織物を、前記可撓性高分子材料含有処理液をもって
    ディピング及び/又はコーティングすることにより形成
    されたものである、請求項1〜11のいずれか1項に記
    載のプリント用複合メッシュシート。
  13. 【請求項13】 前記樹脂被覆層が難燃性を有する、請
    求項1〜12のいずれか1項に記載のプリント用複合メ
    ッシュシート。
  14. 【請求項14】 前記8.0以上のマンセル明度を有す
    る樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加えて
    さらに(2)難燃性付与剤と(3)架橋剤とを含む難燃
    性樹脂組成物(I)により形成された難燃性樹脂被覆層
    (Ia)であって、 前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、ア
    クリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なく
    とも1種を含み、 前記難燃性付与剤(2)が、ポリ燐酸アンモニウム系化
    合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれ
    た少なくとも1種を含み、 前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイ
    ミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート
    系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも
    1種を含む、 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント用複合メ
    ッシュシート。
  15. 【請求項15】 前記難燃樹脂被覆層(Ia)中に、二
    酸化チタン(4)をさらに含み、前記可撓性高分子材料
    (1)と二酸化チタン(4)との重量比率が100:5
    0〜100:200である、請求項14に記載のプリン
    ト用複合メッシュシート。
  16. 【請求項16】 前記難燃樹脂被覆層(Ia)中の前記
    可撓性高分子材料(1)と、前記難燃性付与剤(2)
    と、前記架橋剤(3)との重量比率が100:50〜3
    00:0.5〜15である、請求項14又は15に記載
    のプリント用複合メッシュシート。
  17. 【請求項17】 前記難燃樹脂被覆層(Ia)が、基布
    を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(I)
    を含む処理液をもってディピング及び/又はコーティン
    グすることにより形成されたものである、請求項14〜
    16のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシュシ
    ート。
  18. 【請求項18】 前記8.0以上のマンセル明度を有す
    る樹脂被覆層が、(1)前記可撓性高分子材料に加え
    て、さらに(2a)難燃性付与剤と、(2b)無機系難
    燃助剤と、並びに(3)架橋剤とを含む、難燃性樹脂組
    成物(II)により形成された難燃性樹脂被覆層(IIa)
    であり、 前記可撓性高分子材料(1)が、オレフィン系樹脂、ア
    クリル系樹脂、及びウレタン系樹脂から選ばれた少なく
    とも1種を含み、 前記難燃性付与剤(2a)が、臭素を含む少なくとも1
    種の難燃性付与有機化合物を含み、 前記無機系難燃助剤(2b)が、三酸化アンチモン、水
    酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた
    少なくとも1種を含み、 前記架橋剤(3)が、アジリジン系化合物、カルボジイ
    ミド化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系
    化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1
    種を含む、 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント用複合メ
    ッシュシート。
  19. 【請求項19】 前記難燃樹脂被覆層(IIa)が二酸化
    チタン(4)をさらに含み、前記可撓性高分子材料
    (1)と二酸化チタン(4)との重量比が100:50
    〜100:200である、請求項18に記載のプリント
    用複合メッシュシート。
  20. 【請求項20】 前記難燃樹脂被覆層(IIa)中の前記
    可撓性高分子材料(1)と、前記難燃性付与剤(2a)
    と、前記無機系難燃助剤(2b)と、前記架橋剤(3)
    との重量比率が100:50〜200:20〜100:
    0.5〜15である、請求項18又は19に記載のプリ
    ント用複合メッシュシート。
  21. 【請求項21】 前記難燃樹脂被覆層(IIa)が、基布
    を形成する粗目編織物を、前記難燃性樹脂組成物(II)
    を含有する処理液をもってディピング及び/又はコーテ
    ィングすることにより形成されたものである、請求項1
    8〜20のいずれか1項に記載のプリント用複合メッシ
    ュシート。
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