JP3534683B2 - 難燃ネット - Google Patents

難燃ネット

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JP3534683B2
JP3534683B2 JP2000200115A JP2000200115A JP3534683B2 JP 3534683 B2 JP3534683 B2 JP 3534683B2 JP 2000200115 A JP2000200115 A JP 2000200115A JP 2000200115 A JP2000200115 A JP 2000200115A JP 3534683 B2 JP3534683 B2 JP 3534683B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃ネットに関す
るものであり、特に、再生ポリエステル繊維を使用した
工業用メッシュシート用途に好適な難燃ネットに関する
ものである。更に詳しく述べるならば、本発明は再生ポ
リエステル繊維およびハロゲン元素を含まない材料を使
用し、従来品よりも少ない被覆樹脂層で、耐水性、耐候
性、及び難燃性の耐久保持性に優れ印刷性が高く、従っ
て、上記の用途に好適な難燃ネットに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】工業用メッシュシート等に用いられる繊
維シート構造物については、種々の製造方法が知られて
おり、例えば、特開昭52−18995号には、ポリエ
ステル繊維布帛に接着前処理を施し、この前処理表面を
ポリ塩化ビニル系樹脂により被覆する方法が開示されて
いる。この製法により得られるポリ塩化ビニル系樹脂被
覆構造物は、柔軟性、耐久性及び難燃性においては優れ
ているが、しかし、燃焼時にポリ塩化ビニル系樹脂に起
因する塩化水素ガスなどの有害ガスの発生が、大きな問
題点となっている。
【0003】この問題を解消するため、ハロゲン元素を
含まない被覆用樹脂を用いることが検討されている。こ
のような非ハロゲン含有樹脂系では、それに難燃性を付
与するために、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシ
ウム等の無機化合物を添加する方法、及び赤燐を添加す
る方法などが知られている。前者において満足できる難
燃性を得るためには多量の無機化合物の添加が必要とな
るため、この方法を用いて得られる被覆構造物は、柔軟
性及び耐久性に劣るという欠点がある、また後者では、
赤燐が製品を濃い褐色に着色するため、色彩の多様性に
劣るという欠点がある。
【0004】特開平6−340815号には、熱可塑性
樹脂に、メラミンにより被覆されたポリ燐酸アンモニウ
ムと特定の含窒素有機化合物とを添加する方法が開示さ
れている。このメラミン被覆はポリ燐酸アンモニウムの
耐水性向上に有効な手段であるが、屋外など過酷な使用
条件下では、経時的に難燃性が低下してしまうという欠
点がある。
【0005】特開平11−302979号及び特開平1
1−323736号には、ウレタン系樹脂を用いる難燃
積層体が開示されているが、ウレタン系樹脂に添加され
た難燃フィラーにより、Tgが低い場合でも風合いが硬
く、養生ネット用途では、その展帳及び収納の際の作業
性に劣るという問題がある。また特開2000−827
6号及び特開2000−8277号には、オレフィン系
樹脂を用いる難燃積層体が開示されている。一般に養生
ネット用途ではマーキングインキによる印刷は不可欠で
あるが、オレフィン系樹脂による難燃積層体は、印刷適
性が悪く、更に養生ネット用途に用いられたとき摩耗耐
久性が低いという点が問題となる。
【0006】また、再生ポリエステル繊維を基布に使用
した場合、バージンの繊維を用いた場合に比べて織布強
度が低下する。低下した強度を補うために、被覆樹脂層
の割合を増大したり、再生ポリエステルにバージンポリ
エステルを混ぜるなどの方法で耐久性を維持している
が、これは環境負荷の増大を生ずる。上記のように、オ
レフィン系樹脂及び/又はウレタン系樹脂を用いる場
合、環境負荷が少なく、難燃性、耐水性、耐候性、印刷
適性及び作業性を十分に満足する難燃積層体は未だ得ら
れていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業用メッ
シュシート用途に好適な難燃ネットを提供しようとする
ものである。特に本発明は、屋外など過酷な使用条件下
においても、樹脂層の剥離、脱落などによる損傷が少な
く、難燃性の経時的低下がなく、また印刷適性に富み、
展帳・収納時の作業負担が少なく、しかもハロゲン元素
を含まず廃棄、焼却が容易で環境負荷が少ない難燃ネッ
トを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃ネットは、
ネット状繊維基布と、その少なくとも1面上に形成され
た難燃性樹脂層とを含む複合体であって、(A)前記難
燃性樹脂層が、(1)オレフィン系樹脂及びウレタン系
樹脂を50:50〜90:10の固形分重量比率で含む
100重量部の樹脂混合物と、(2)ポリ燐酸アンモニ
ウム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物か
ら選ばれた少なくとも1種を含む5〜150重量部の難
燃性付与剤と、並びに(3)アジリジン系化合物、カル
ボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシア
ネート系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少な
くとも1種を含む0.1〜30重量部の架橋剤と、を含
み、(B)前記ネット状繊維基布が、前記複合体の合計
重量の50%以上の再生ポリエステルの繊維を含み、か
つ、(C)前記ネット状繊維基布と前記難燃性樹脂層と
の複合体の合計重量に対する前記難燃性樹脂層の重量比
率が2.5〜25%である、ことを特徴とするものであ
る。本発明の難燃ネットにおいて、前記ネット状繊維基
布が、その表面積に対し、10〜95%の透孔面積率を
有することが好ましい。本発明の難燃ネットにおいて、
前記オレフィン系樹脂が、エチレン−酢酸ビニル系共重
合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹
脂、及びエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金
属塩樹脂から選ばれ、かつそのエチレン含有率が5〜5
0重量%であることが好ましい。本発明の難燃ネットに
おいて、前記ウレタン系樹脂が、ポリエステル系ポリオ
ール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系
ジオールから選ばれた少なくとも1種からなるポリオー
ル成分と、芳香族ジイソシアネート、および脂肪族ジイ
ソシアネートから選ばれた少なくとも1種からなるジイ
ソシアネート成分との反応生成物から選ばれることが好
ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の難燃ネットに用いられる
ネット状繊維基布は、ポリエステル(ポリエチレンテレ
フタレート等)繊維からなる布帛で、前記ポリエステル
繊維は、使用済みのポリエステル樹脂ボトル、ポリエス
テル樹脂梱包材料、及びポリエステル樹脂製品を製造す
る工程の廃棄ルートから発生した廃棄物の再生処理フレ
ーク及び/又はペレットを利用してリサイクルされた再
生ポリエステルの繊維(以下これらの繊維を再生ポリエ
ステル繊維と記す)を含み、前記ネット状繊維基布と前
記難燃性樹脂層との複合体における、前記ネット状繊維
基布中の再生ポリエステルの繊維の重量比率は50%以
上である。再生ポリエステル繊維の重量比率が50%未
満では、資源の再利用、環境保護の視点からも好ましく
ない。従って、本発明の目的を達し得ない。
【0010】前記ネット状繊維基布中の繊維は、短繊維
紡織糸、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーン
などのいずれの形状のものでもよい。また基布組織は織
物、編物、いずれであってもよい。更に基布の編織組織
にも格別の制限はないが、例えば、少なくともそれぞ
れ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を
含む糸条により構成された粗目布状の編織物が好適に用
いられる。
【0011】前記粗目布状編織物の目付は45〜750
g/m2 であることが好ましく、また粗目布状編織物の
透孔面積率は、粗目布状編織物の面積に対して10〜9
5%程度であることが好ましい。この透孔面積率が10
%未満であると、風圧抵抗が大きくなり、展帳時に不都
合を生ずることがあり、またそれが95%を超えると、
開口部が大きく、危険防止上不都合を生ずることがあ
る。
【0012】前記基布には、それに耐水性、及び吸水防
止性を付与する目的をもって、例えば、ワックスエマル
ジョン、樹脂バインダーを含むワックスエマルジョン、
及びシリコーン系化合物のエマルジョン、及びこれらの
溶液などを噴霧し、又は浸漬する方法により撥水前処理
を予め施しておいてもよい。
【0013】本発明の難燃ネットの難燃性樹脂層に用い
られるオレフィン系樹脂としては、好ましくはエチレン
−酢酸ビニル系共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸系共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アクリル
酸系共重合体の金属塩樹脂から選ばれた少なくとも1種
が用いられる。上記「(メタ)アクリル酸」は、「アク
リル酸及び/又はメタアクリル酸」を意味する。
【0014】エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂として
は、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、酢酸ビニ
ル成分含有率が比較的低い共重合体樹脂、及び低圧溶液
重合法で製造され、酢酸ビニル成分含有率の比較的高い
共重合体樹脂のいずれを用いてもよい。エチレン−酢酸
ビニル系共重合樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有率
は、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは70〜90重量%である。酢酸ビニル成分含有率
が50重量%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十分
になることがあり、酢酸ビニル成分含有率が95重量%
を超えると、得られる樹脂の耐熱強度が低下し、また製
品に粘着性が生ずるという欠点を生ずることがある。エ
チレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、酢酸ビニル
成分含有率が前記範囲内にあるものを、単独で用いても
よいし、また、酢酸ビニル成分含有率の異る共重合体の
2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】本発明に用いられるエチレン−(メタ)ア
クリル酸系共重合樹脂は、エチレン−メチルアクリレー
ト系共重合樹脂、エチレン−メチルメタアクリレート系
共重合樹脂、及びエチレン−エチルアクリレート系共重
合樹脂を包含する。エチレン−(メタ)アクリル酸系共
重合樹脂中に占める(メタ)アクリレート成分含有率
は、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは70〜90重量%である。(メタ)アクリレート
成分含有率が50重量%未満では得られる樹脂の柔軟性
が不十分になることがあり、それが95重量%を超える
と得られる樹脂の耐熱強度が不十分になり、また製品に
粘着性が生ずるという欠点を生ずることがある。エチレ
ン−(メタ)アクリル酸系共重合樹脂としては、(メ
タ)アクリレート成分含有率が前記範囲であるものを単
独で用いてもよいし、また、(メタ)アクリレート成分
含有率の異る2種以上の共重合体を混合して用いてもよ
い。
【0016】エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体
の金属塩樹脂において、(メタ)アクリル酸成分含有率
が50〜95重量%であることが好ましく、より好まし
くは70〜90重量%である。塩形成金属は、周期律表
第1族あるいは第2族から選ばれることが好ましく、例
えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛など
の金属イオンが用いられることが好ましく、これらの金
属により共重合体分子がイオン架橋されているものが好
ましい。(メタ)アクリル酸成分の含有率が50重量%
未満では、柔軟性の十分な共重合体塩を得ることができ
ないことがあり、またそれが95重量%を超えると、得
られる共重合体塩の耐熱強度が低下し、クリープ特性が
不十分なものになることがある。
【0017】本発明の難燃ネットの難燃性樹脂層に用い
られるウレタン系樹脂としては、ポリオールとジイソシ
アネートを反応させて得られた樹脂を用いることができ
る。このようなウレタン系樹脂の合成に用いられるポリ
オールとしては、両末端に水酸基を有するポリエステル
系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、及びポリカ
ーボネート系ジオールなどを使用することができる。ま
た、ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソ
シアネートなどの芳香族ジイソシアネート、及び脂肪族
ジイソシアネートを用いることができる。特に、ポリオ
ール成分としてポリカーボネート系ジオールを用い、ジ
イソシアネート成分として脂肪族ジイソシアネートを用
いて得られたポリカーボネート系ウレタン系樹脂は、耐
候性、耐久性が高く、本発明に好適なものである。
【0018】本発明の難燃ネットの難燃性樹脂層におい
て、オレフィン系樹脂とウレタン系樹脂との混合物が用
いられるとき、その重量比率は50:50〜90:10
であることが好ましく、70:30〜90:10である
ことがより好ましい。オレフィン系樹脂成分が50重量
%未満では、得られる樹脂の柔軟性が不十分になること
があり、難燃性樹脂層におけるウレタン系樹脂成分の含
有量が10重量%未満の場合、エチレン成分が高いオレ
フィン系樹脂との組み合わせで用いられると、得られる
難燃性樹脂層の印刷適性が悪く、エチレン成分の低いオ
レフィン系樹脂との組み合わせで用いられると、得られ
る難燃性樹脂層に粘着を生じるという欠点を示すことが
ある。
【0019】本発明の難燃ネットに難燃性を付与するこ
とを目的として、難燃性付与剤が難燃性樹脂層に添加さ
れる。この難燃性付与剤としては、ポリ燐酸アンモニウ
ム系化合物、及び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から
選ばれた少なくとも1種が使用される。ポリ燐酸アンモ
ニウム系化合物としては、好ましくはオルソ燐酸アンモ
ニウムと尿素との縮合生成物が用いられる。またポリ燐
酸アンモニウムはそのままで用いてもよいし、メラミン
により表面を被覆されたもの、或はマイクロカプセル化
されたものを用いてもよい。
【0020】(イソ)シアヌル酸誘導体化合物として
は、メラミン、硫酸メラミン、燐酸メラミン、ポリ燐酸
メラミン、メチロールメラミン、シアヌル酸トリメチル
エステル、シアヌル酸トリエチルエステル、アンメリ
ン、アンメリド、及び2,4,6−トリオキシシアニジ
ンなどのシアヌル酸誘導体を用いることができる。ま
た、イソアンメリン、イソメラミン、イソアンメリド、
トリメチルカルボジイミド、トリエチルカルボジイミ
ド、及びトリカルボイミドなどのイソシアヌル酸誘導体
を用いることができる。特に、メラミンのイソシアヌル
酸との反応により得られるメラミンイソシアヌレートが
本発明に好適に用いることができる。
【0021】また、難燃性をさらに高めるために、必要
に応じ、難燃性付与剤には、上記化合物とともに、前記
燐酸アンモニウム系化合物とは異種の燐系化合物、例え
ばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、
トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェー
ト)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェー
ト)、及びオクチルジフェニルホスフェートなどの燐酸
エステル類;及び高分子量化したポリホスフェートなど
の縮合燐酸エステル類;並びに(イソ)シアヌル酸誘導
体化合物以外の含窒素化合物、例えばジシアンジアミ
ド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン
酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなどの
シアナミド誘導体;並びに尿素、ジメチロール尿素、ジ
アセチル尿素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、
及び燐酸グアニル尿素などの尿素誘導体から選ばれた1
種以上が含まれていてもよい。
【0022】難燃性付与剤の添加量は、難燃性樹脂層に
含まれる樹脂固形分重量に対して、5〜150重量%で
あることが好ましい。その添加量が5重量部未満では、
得られる難燃性樹脂層において十分な難燃性を得ること
ができないことがあり、その添加量が150重量部を超
えると、十分な耐久性を有する積層体を得ることができ
ないことがあり、またコスト高となる。
【0023】また、本発明の難燃ネットの難燃性樹脂層
には、難燃助剤として、1種以上の無機系化合物を添加
してもよい。難燃助剤用無機系化合物としては、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、四硼酸ナトリウ
ム、燐酸マグネシウム、二燐酸ナトリウム、燐酸亜鉛な
どの結晶水を持つ無機水和物;メタ錫酸、錫酸亜鉛、ヒ
ドロキシ錫酸亜鉛などの錫系化合物;並びに硼酸、硼酸
亜鉛、硼酸アルミニウムなどの硼酸化合物、などを好適
に用いることができる。これら難燃助剤無機系化合物
は、単独に用いてもよいし、又は2種以上を混合して用
いることができる。
【0024】更に、難燃性樹脂層には、アジリジン系化
合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合
物、イソシアネート系化合物、及びカップリング剤から
選ばれた少なくとも1種を含む架橋剤が必須成分として
含まれている。これらの架橋剤は、難燃性樹脂層の耐水
性、耐候性、及び樹脂強度の低下を抑制すると共に、難
燃性付与剤の耐水性、及び耐プリード性を向上させる効
果を有している。
【0025】本発明において架橋剤として用いられるア
ジリジン系化合物は、分子内に1個以上のアジリジニル
基を含有するものであればよく、分子内に2個のアジリ
ジニル基を含有する化合物、例えば、ジフェニルメタン
−ビス−4−4′−N−N′−ジエチレンウレアなど、
及び分子内に3個のアジリジニル基を含有する化合物、
例えば、2,2−ビスハイドロキシメチルブタノール−
トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕な
どが好ましく用いられる。
【0026】本発明において架橋剤として用いられるカ
ルボジイミド系化合物は、有機ジイソシアネートを、ホ
スホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、及び燐酸
エステルなどのように、カルボジイミド化を促進する触
媒の存在下に、反応させることにより得られたものが好
適に用いられる。具体的に述べるならば、ジプロピルカ
ルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド、ジ−P−トルオイルカルボジイ
ミド、及びトリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミ
ドなどを用いることができる。特には、トリイソプロピ
ルベンゼンポリカルボジイミドなどのように多官能カル
ボジイミドは、耐久性がすぐれているので、本発明に好
ましく用いられる。
【0027】本発明において架橋剤として用いられるオ
キサゾリン系化合物は、オキサゾール−4−カルボン酸
の脱炭酸反応により得られるオキサゾールを原料として
用い、これから誘導、生成される化合物が用いられる。
例えば、2−オキサゾリン、4−メチル−2−オキサゾ
リン、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、並びにス
チレン、又はアクリル系化合物などのポリマーにオキサ
ゾリル基をグラフトして得られる多官能オキサゾリンポ
リマーが用いられる。特には、2,2′−ビス(2−オ
キサゾリン)などのような多官能オキサゾリンは耐久性
がすぐれているので、本発明に好ましく用いられる。
【0028】本発明において架橋剤として用いられるイ
ソシアネート系化合物は、脂肪族ジイソシアネート類、
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジン
ジイソシアネートなど、脂環式ジイソシアネート類、例
えば、イソホロンジイソシアネート、及び水添トリレン
ジイソシアネートなど、芳香族ジイソシアネート、例え
ば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、及びキシレンジイソシアネートなど、イ
ソシアヌレート類、例えば、トリス(ヘキサメチレンイ
ソシアネート)イソシアヌレート、及びトリス(3−イ
ソシアネートメチルベンジル)イソシアヌレートなど;
前記イソシアネート化合物のイソシアネート基末端をフ
ェノール類、オキシム類、アルコール類、又はラクタム
類等のブロック化剤でブロックして得られるブロックイ
ソシアネート化合物類;並びに、前記化合物のイソシア
ネート基の一部にエチレングリコールなど親水性単量体
が付加された変性イソシアヌレート化合物類、などを例
示することができる。分散性、耐水性の改良及び基布へ
の接着性向上の観点から、特に、ブロックイソシアネー
ト化合物、及びイソシアネート基の1個にエチレングリ
コールなど親水性単量体が付加された変性部分三量化イ
ソシアヌレート化合物を用いることが好ましい。
【0029】本発明において架橋剤として用いられるカ
ップリング剤は、シラン系カップリング剤、チタン系カ
ップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミ
ニウム系カップリング剤、及びジルコアルミニウム系カ
ップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなるもの
が好ましい。前記シラン系カップリング剤としては、ア
ミノシラン類、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
エトキシシランなど;エポキシシラン類、例えば、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなど;ビニ
ルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシシラン、及び
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど;メ
ルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシランなど、が挙げられる。
【0030】また、前記チタン系カップリング剤として
は、アルコキシ類、例えば、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラ−n−ブトキシチタン、及びテトラキス(2
−エチルヘキソキシ)チタンなど;アシレート類、例え
ば、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、及びイソ
プロポキシチタントリステアレートなどが挙げられる。
さらに前記ジルコニウム系カップリング剤としては、例
えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノ
ールアミン)ジルコネート、及びテトライソプロピルジ
ルコネートなどが挙げられる。
【0031】更に、アルミニウム系カップリング剤とし
ては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプ
ロピレートが挙げられる。また、ジルコアルミニウム系
カップリング剤としては、テトラプロピルジルコアルミ
ネートが挙げられる。これらの中で、耐水性、耐候性の
観点から、特にγ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシランなどのエポキシシランを用いることが好まし
い。
【0032】これら架橋剤は単独で用いてもよいし、ま
た、2種以上を併用してもよい。架橋剤の添加量は、難
燃性樹脂層において、それに含まれる樹脂固形分重量に
対して0.1〜30重量部であることが好ましく、更に
好ましくは1〜15重量部である。添加量が0.1重量
部未満では、得られる難燃性樹脂層の耐水性、難燃性の
耐久性が不十分になることがあり、またそれが30重量
部を超えると製品の柔軟性が損なわれ、難燃性能も低下
してしまうという問題を生ずることがある。
【0033】本発明の難燃ネットにおいて、難燃性樹脂
層は、オレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂と、難燃性
付与剤と、架橋剤とを含有するエマルジョンを用いて、
ネット状繊維基布をディッピングし、絞り、乾燥するこ
とにより形成される。樹脂含有液中には、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡
剤などの1種以上を適宜添加してもよい。
【0034】ネット状繊維基布に対する難燃性樹脂層の
付着重量は、15〜250g/m2であることが好まし
く、且つ前記ネット状繊維基布と前記難燃性樹脂層との
複合体の合計重量に対する、難燃性樹脂層の重量比率が
2.5〜25%であることが好ましい。難燃性樹脂層の
付着重量が15g/m2 未満では、本発明の難燃ネット
の難燃性が不十分になることがあり、また難燃性樹脂層
の重量比率が25%を超えると、本発明品の再利用の効
率が低下し、資源の再利用、環境保護の視点からも好ま
しくない。従って、本発明の目的を達し得ない。
【0035】
【実施例】本発明を下記実施例により更に具体的に説明
する。製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通
りである。1.耐屈曲性 JIS L−1096のスコット法に従って、つかみ間
隔2cm、押圧荷重1kgf の条件下に試験片に回数1,0
00回の屈曲試験を施し、結果を目視で評価した。2.耐燃焼性 耐温水性試験(70℃温水中に3日間浸漬)前後の試験
片を、下記2種類の方法による燃焼試験に供し、その性
能を評価した。 (1)45度法防炎試験:JIS L−1091のA−
1法もしくはA−2法に従って、炭化面積、炭化距離、
残炎時間、残ジン時間を測定。基準を満足した場合、防
炎区分3合格とする。 (2)酸素指数法:JIS K−7201に従って、燃
焼限界酸素量を測定した。3.印刷適性 製品にスクリーンインキ(セリコールPPE 帝国イン
ク製造(株)製)を225メッシュのスクリーンを用い
て印刷を行い印刷後24時間風乾し、セロハンテープを
強く擦り付け、剥離したときのインキの剥離量を目視判
断した。4.剛軟性 JIS L−1096の45°カンチレバー法に従い、
剛軟性を評価した。剛度が50mm以下のものは展張及び
収納時の作業性が良好であった。5.粘着性 製品を2枚重ね、これに40℃において0.98N/cm
2 の荷重を24時間かけ、剥離時の被覆樹脂の状態を目
視観察し、判断した。
【0036】実施例1 ネット状繊維基布として100%再生ポリエステル繊維
からなる、ポリエステルフィラメント粗目状織物: を使用した。またオレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂
の混合物水性エマルジョンを用いて、下記組成の難燃樹
脂エマルジョンを調製した。
【0037】 難燃樹脂エマルジョン組成 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50重量%) 70重量部 (住友化学工業(株)製、商標;スミカフレックス752、 酢酸ビニル成分量:90重量%) ウレタン系樹脂(固形分:30重量%) 50重量部 (旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX− 386) メラミンイソシアヌレート 20重量部 トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 5.0重量部 顔料(大日本インキ(株)製、商標;リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製、商標;チヌビン 0.5重量部 765)
【0038】前記難燃樹脂エマルジョン中に、前記ネッ
ト状繊維基布を浸漬し、マングルで絞った後100℃で
乾燥し、更に140℃で熱処理して難燃性樹脂層を形成
した。このとき、難燃樹脂層中のオレフィン系樹脂とウ
レタン系樹脂の重量比率は70:30であり、この樹脂
固形分合計量に対するメラミンイソシアヌレート、及び
カルボジイミド系架橋剤の添加量は、それぞれ40重量
%、及び10重量%であり、得られた本発明の難燃ネッ
トにおいて、難燃樹脂層付着量が25g/m2であり、
難燃ネットにおける難燃性樹脂層の重量比率は、およそ
22%であった。この難燃ネットの組成及び試験結果を
表1〜2に示す。
【0039】実施例2 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、カルボジイミド系架橋剤の代りに、アジリジ
ン系架橋剤(ジフェニルメタン−ビス−4−4′−N−
N′−ジエチレンウレア)とカップリング剤(γ−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシラン)とをそれぞれ
5.0重量部を用いた。このときの架橋剤の総添加量
は、樹脂固形分重量に対して20重量%であった。得ら
れた難燃ネットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0040】実施例3 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、メラミンイソシアヌレートの代りに、オルソ
燐酸アンモニウムと尿素とを縮合して得られたポリ燐酸
アンモニウム(平均分子量10,000)20重量部を
用いた。このときのポリ燐酸アンモニウムの添加量は、
樹脂固形分重量に対して40重量%であった。更に、カ
ルボジイミド系架橋剤の代りに、オキサゾリン系架橋剤
(2,2′−ビス(2−オキサゾリン))10重量部を
用いた。このときの架橋剤の添加量は、樹脂固形分重量
に対して20重量%であった。得られた難燃ネットの組
成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0041】実施例4 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、メラミンイソシアヌレートの代りに、オルソ
燐酸アンモニウムと尿素とを縮合して得られるポリ燐酸
アンモニウム(平均分子量10,000)をメラミン被
覆によりマイクロカプセル化処理して得られた難燃性付
与剤20重量部を用いた。このときのマイクロカプセル
化したポリ燐酸アンモニウムの添加量は、樹脂固形分重
量に対して40重量%であった。更に、カルボジイミド
系架橋剤の代りに、フェノールブロック化ヘキサメチレ
ンジイソシアネート10重量部を用いた。このときの架
橋剤の添加量は、樹脂固形分重量に対して20重量%で
あった。得られた難燃ネットの組成及び試験結果を表1
〜2に示す。
【0042】実施例5 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、メラミンイソシアヌレートの単独使用の代り
に、メラミンイソシアヌレートとポリ燐酸アンモニウム
(平均分子量10,000)とを、それぞれ10重量部
用いた。このときの難燃性付与剤の総添加量は、樹脂固
形分重量に対して40重量%であった。得られた難燃ネ
ットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0043】実施例6 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、メラミンイソシアヌレートの単独使用の代り
に、メラミンイソシアヌレートとレゾルシノールビス
(ジフェニルホスフェート)とを、それぞれ10重量部
用いた。このときの難燃性付与剤の総添加量は、樹脂固
形分重量に対して40重量%であった。得られた難燃ネ
ットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0044】実施例7 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の形成のために、エチレン−酢酸
ビニル系共重合樹脂の代りに、メチルメタアクリレート
成分含有率75重量%のエチレン−メチルメタアクリレ
ート共重合樹脂の水性エマルジョン(固形分50重量
%)を用いた。得られた難燃ネットの組成及び試験結果
を表1〜2に示す。
【0045】実施例8 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の形成のために、エチレン−酢酸
ビニル系共重合樹脂の代りに、メタアクリル酸成分含有
率70重量%のエチレン−メタアクリル酸共重合体の亜
鉛塩樹脂の水性エマルジョン(固形分50重量%)を用
いた。得られた難燃ネットの組成及び試験結果を表1〜
2に示す。
【0046】比較例1 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層のカルボジイミド系架橋剤を添加
しなかった。得られた難燃ネットの組成及び試験結果を
表1〜2に示す。
【0047】比較例2 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層のカルボジイミド系架橋剤の添加
量を50重量部に変更した。このときの架橋剤の添加量
は、樹脂固形分に対して100重量%であった。得られ
た難燃ネットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0048】比較例3 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層のメラミンイソシアヌレートの添
加量を200重量部に変更した。このときのメラミンイ
ソシアヌレートの添加量は、樹脂固形分に対して400
重量%であった。得られた難燃ネットの組成及び試験結
果を表1〜2に示す。
【0049】比較例4 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層のメラミンイソシアヌレートの添
加量を2.0重量部に変更した。このときのメラミンイ
ソシアヌレートの添加量は、樹脂固形分に対して4重量
%であった。得られた難燃ネットの組成及び試験結果を
表1〜2に示す。
【0050】比較例5 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の樹脂成分として、酢酸ビニル成
分含有率28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の水性エマルジョン(固形分40重量%)100重量部
を用いた。得られた難燃ネットの組成及び試験結果を表
1〜2に示す。
【0051】比較例6 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の樹脂成分として、酢酸ビニル成
分含有率90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の水性エマルジョン(固形分50重量%)100重量部
を用いた。得られた難燃ネットの組成及び試験結果を表
1〜2に示す。
【0052】比較例7 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の樹脂成分として、ポリカーボネ
ート系ウレタン系樹脂の水性エマルジョン(固形分30
重量%)100重量部を用い、メラミンイソシアヌレー
トの添加量を12重量部に変更し、カルボジイミド系架
橋剤の添加量を6重量部に変更した。このときの難燃性
付与剤と架橋剤の添加量は、それぞれ樹脂固形分に対し
て、それぞれ40重量%、20重量%であった。得られ
た難燃ネットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0053】比較例8 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の樹脂成分として、酢酸ビニル成
分含有率90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の水性エマルジョン(固形分50重量%)20重量部、
及びポリカーボネート系ウレタン系樹脂の水性エマルジ
ョン(固形分30重量%)100重量部とを用いた。こ
のときの難燃性樹脂層のオレフィン系樹脂とウレタン系
樹脂の固形分重量比率は25:75であり、樹脂固形分
重量に対する難燃性付与剤、及び架橋剤の添加量は、そ
れぞれ40重量%、及び10重量%であった。得られた
難燃ネットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0054】比較例9 実施例1と同様にして難燃ネットを作製し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層の樹脂成分として、酢酸ビニル成
分含有率90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の水性エマルジョン(固形分50重量%)94重量部、
及びポリカーボネート系ウレタン系樹脂の水性エマルジ
ョン(固形分30重量%)10重量部とを用いた。この
ときの難燃性樹脂層のオレフィン系樹脂とウレタン系樹
脂の固形分重量比率は94:6であり、樹脂固形分重量
に対する難燃性付与剤、及び架橋剤の添加量は、それぞ
れ40重量%、及び10重量%であった。得られた難燃
ネットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0055】比較例10 実施例1と同様にして難燃ネットを製作し、試験を行っ
た。但し、用いたネット状繊維基布は再生ポリエステル
繊維とバージンポリエステル繊維の重量比率が50:5
0であり、得られた難燃ネットにおける再生ポリエステ
ル繊維含有率はおよそ39%であった。得られた難燃ネ
ットの組成及び試験結果を表1〜2に示す。
【0056】比較例11 実施例1と同様にして難燃ネットを製作し、試験を行っ
た。但し、難燃樹脂層付着量が50g/m2 であり、得
られた難燃ネットにおける難燃性樹脂層の重量比率は、
およそ36%であった。得られた難燃ネットの組成及び
試験結果を表1〜2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1〜2から明らかなように、オレフィン
系樹脂とウレタン系樹脂の混合樹脂層中に、難燃性付与
剤に加えて、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化
合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合
物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種の
架橋剤を必須成分として含んで形成された難燃性樹脂層
は、すぐれた難燃耐久性及び柔軟性並びに良好な印刷適
性を示し、従って、得られた難燃ネットの難燃耐久性、
印刷適性、柔軟性が著しく向上した。
【0060】
【発明の効果】本発明により得られる難燃ネットは、再
生ポリエステル繊維および、ハロゲン元素を含まない材
料を使用し、従来品よりも少ない被覆樹脂層で、耐久
性、印刷適性、柔軟性、難燃性に優れており、特に屋外
で使用される建築養生用メッシュなどに好適である。ま
た、この難燃ネットは資源の再利用という視点では環境
負荷が少なく、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影
響もないという利点を有する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネット状繊維基布と、その少なくとも1
    面上に形成された難燃性樹脂層とを含む複合体であっ
    て、 (A)前記難燃性樹脂層が、 (1)オレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂を50:5
    0〜90:10の固形分重量比率で含む100重量部の
    樹脂混合物と、 (2)ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び(イソ)シ
    アヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種を含
    む5〜150重量部の難燃性付与剤と、並びに (3)アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、
    オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物、及び
    カップリング剤から選ばれた少なくとも1種を含む0.
    1〜30重量部の架橋剤と、を含み、 (B)前記ネット状繊維基布が、前記複合体の合計重量
    の50%以上の再生ポリエステルの繊維を含み、かつ、 (C)前記ネット状繊維基布と前記難燃性樹脂層との複
    合体の合計重量に対する前記難燃性樹脂層の重量比率が
    2.5〜25%である、 ことを特徴とする難燃ネット。
  2. 【請求項2】 前記ネット状繊維基布が、その表面積に
    対し、10〜95%の透孔面積率を有する、請求項1に
    記載の難燃ネット。
  3. 【請求項3】 前記オレフィン系樹脂が、エチレン−酢
    酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル
    酸系共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アクリル酸
    系共重合体の金属塩樹脂から選ばれ、かつそのエチレン
    含有率が5〜50重量%である、請求項1に記載の難燃
    ネット。
  4. 【請求項4】 前記ウレタン系樹脂が、ポリエステル系
    ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネ
    ート系ジオールから選ばれた少なくとも1種からなるポ
    リオール成分と、芳香族ジイソシアネート、および脂肪
    族ジイソシアネートから選ばれた少なくとも1種からな
    るジイソシアネート成分との反応生成物から選ばれる、
    請求項1に記載の難燃ネット。
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