JP3651583B2 - 曝露汚れ防止シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中大型テント、テント倉庫などの建築物部材、トラック用幌、看板用サインシートとして屋外で好適に用いられる樹脂シート並びにターポリンなどの産業資材シートの表面汚れを少なくして、長期間にわたり美観を維持することのできる曝露汚れ防止シートに関するものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、ポリオレフィン系樹脂含有シートの表面に、コロナ放電処理や特殊なプライマー処理などの前処理工程を必要とせずに、表面処理樹脂層を強固に結着させることができかつその上に光触媒を含むコーティング層を強固に形成することができ、従って、太陽光による経時的な物性低下が少なく、大気中に曝露されることによる汚れを防止乃至減少できるポリオレフィン系樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
柔軟かつ強靭で、耐久性、加工性、低コスト性に優れた合成樹脂材料としてポリ塩化ビニル樹脂が、玩具、文具、雑貨、建材、化粧板、壁紙、床材、防水シートなど様々な用途に使用されている。中でも繊維織物を基材として含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂シートは優れた引張強力と、応力に対する優れた寸法安定性を有することにより、中大型テント、テント倉庫、養生シート、ルーフィングなどの建築物部材、トラック幌、看板用シート、フレキシブルコンテナなどの各種産業において広く普及している。最近、これらのポリ塩化ビニル樹脂シートの表面に光触媒物質を塗布し、光触媒の有する強い酸化還元作用によって大気中浮遊の汚染物質や媒塵などの付着汚れ、すなわち曝露汚れを分解を促進し美観を維持させる自己浄化機能を付与したテントシートが提案されている。この光触媒物質を表面に担持するシートは確かに優れた自己浄化機能を発現するが、しかし、光触媒物質は曝露汚れだけを分解するのみならず、下地基材であるポリ塩化ビニル樹脂及び、ポリ塩化ビニル樹脂に配合されている可塑剤や有機系顔料などの配合剤の分解や劣化作用も同時に促進するために、屋外での使用開始後の早い段階から基材樹脂が劣化して物性が低下したり、または変色したりするなどして、結果的には製品寿命を短くする問題が指摘されている。
【0003】
このため、ポリ塩化ビニル樹脂シートと光触媒物質担持層との中間に難分解性の樹脂層を設けて下地基材のポリ塩化ビニル樹脂を光触媒の酸化還元作用から保護する方法が合理的でありかつ実用的とされている。確かにこの方法によれば光触媒による下地基材のポリ塩化ビニル樹脂の分解、劣化を抑制することが可能となる。しかし、通常のポリ塩化ビニル樹脂製品において屋外使用1〜3年の間にポリ塩化ビニル樹脂中に配合された可塑剤は樹脂層内を拡散移動して徐々にシート表面に滲み出たり、再び樹脂層内に戻ったりするなどの挙動を繰り返すが、光触媒を担持したポリ塩化ビニル樹脂シートでは、難分解樹脂層を抜けて光触媒担持層に拡散移行した可塑剤が逐次光触媒によって分解され、再び樹脂層内に戻ることができない。従ってこの方法ではポリ塩化ビニル樹脂自体は難分解性樹脂層によって保護されるが、経時的にシート表面に滲み出た可塑剤を分解して失うため、徐々にポリ塩化ビニル樹脂シートは引張強度、引裂強度、摩耗強さなどの初期物性値を低下させていき、結局屋外における長期使用に耐えることができないという問題がある。
【0004】
また、通常産業資材シートは、屋外において長期間、日光や、風雨に晒されて使用されるので、配合添加物が降雨により抽出され、同時に少なからず樹脂の紫外線劣化を生じているため、使用後に利用価値がなく、従って廃棄されるのが普通である。しかし最近、ポリ塩化ビニル樹脂製品の廃棄手段としての焼却処理に対しては、ダイオキシン発生の懸念から好ましくないとされており、また、埋め立て処理に対しては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる可塑剤や金属安定剤などが地下水系へ移行し汚染するなどの環境負荷因子として問題視されている。このため、使用後の廃棄処分に環境的負荷が少ない産業資材シートの開発が望まれていた。またそれと同時に産業資材シートの軽量化の観点からポリ塩化ビニル樹脂シートから他の合成樹脂シートへの置き換えが切望されている。
【0005】
そこでポリ塩化ビニル樹脂の代用と軽量化にポリオレフィン樹脂の利用が検討され、その汎用性とコスト性から徐々に各種分野にポリ塩化ビニル樹脂に代る樹脂として広まりつつある。
しかし、ポリオレフィン樹脂は難接着性及び難塗装性であるという欠点を有しているため、ポリ塩化ビニル樹脂に使用可能な表面処理剤や塗料などをそのまま使用することが困難であるという問題がある。
従って光触媒物質を担持させ、この光触媒による劣化を抑制することができるポリオレフィン樹脂シートを得るためには、ポリオレフィン樹脂層上に難分解性樹脂層の形成を施す必要があるが、ポリオレフィン樹脂シート上に直接難分解性樹脂層を塗膜として形成することはきわめて困難である。このためポリオレフィン樹脂に対する接着性や塗装性の改良のために様々な前処理を必要としているのが実情であり、例えば、コロナ放電処理やプライマー処理などの手段を用いて、その表面を改質する方法が多くのポリオレフィン樹脂製品に採用されているが、コロナ放電処理の場合にはポリオレフィン樹脂の種類によって接着性や塗装性の改良効果が異なり、しかもその処理効果が安定して持続しないという問題がある。
【0006】
一方プライマー処理を施す場合においては、ポリオレフィン樹脂に下塗りするプライマーとして、塩素化ポリプロピレン、変性クロロプレンゴム、イソシアネート化合物、ポリヒドロキシポリオレフィンとイソシアネート化合物との付加体、並びに水素基末端ポリブタジエングリコールとポリイソシアネートとの反応生成物などが知られている。しかし塩素化ポリプロピレンは粘着効果だけによって密着性を改善するだけで、それ自体の塗膜強度が弱く、耐熱性、対候性においても不十分であるという欠点があり、また、塩素化ポリプロピレンや変性クロロプレンゴムはハロゲンが含まれるため、目標とする非塩ビ製品の設計には不適当なものである。また、ポリヒドロキシポリオレフィンとイソシアネート化合物との付加体、及び水酸基末端ポリブタジエングリコールとポリイソシアネートとの反応生成物については、イソシアネート化合物の添加量が適量でないと、接着性がかえって悪化してしまうという欠点がある。また、上記プライマーと2液硬化型ウレタンプレポリマー、又はエポキシ系樹脂接着剤とを併用する方法では、2液硬化型(主剤/硬化剤)の反応型接着剤の反応を短時間で完結させるために100〜200℃の熱処理を必要とするため、熱軟化温度の低いポリオレフィン樹脂製品が熱変形してしまうという問題がある。従って前記プライマー層上に難分解性樹脂層を形成し、さらにこの難分解性樹脂層上に光触媒物質を担持させてシートを形成したとしてもプライマー自体の性質に起因する強度不足及び、耐熱強度不足のために産業資材として屋外耐久性を満足することができない。結局、産業資材に適した有効なプライマー処理剤が容易に得られないのが現状である。従って光触媒物質を担持した産業資材向け用途に適したポリオレフィン樹脂シートを容易に製造し提供することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点であったポリオレフィン系樹脂シート及びターポリンの表面にコロナ放電処理やプライマー処理などの煩雑な前処理を必要とせずに、汎用のコーティング剤の使用による表面処理層の形成が容易であり、更にこの表面処理層上に光触媒を含む最外層の形成が可能であるポリオレフィン系樹脂シートおよびその製造方法を提供しようとするものである。さらに本発明は、屋外使用時に長期の防汚性を発現し、シート美観と初期性能を長期間維持可能なポリオレフィン系樹脂シートを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の曝露汚れ防止シートは、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合体樹脂とを、100:5〜100:100の重量比で含有する樹脂ブレンドから形成された樹脂ブレンド層を含むシート状基材と、このシート状基材の少なくとも片面の全面上に密着して結着している熱可塑性樹脂及び/又は、熱又は光硬化性樹脂を含む表面処理層とを有し、前記表面処理層の全面上に光触媒を含有する最外層が形成されており、
前記樹脂ブレンド層用前記スチレン系共重合体樹脂が、(1)スチレン重合体ブロック(A)とブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及びA−B型ブロック共重合体;並びに、(2)前記ブロック共重合体(1)中のビニル結合含有(B)成分単位に対して水素添加を施して得られた水素添加スチレン系共重合体樹脂、から選ばれた少なくとも1種からなり、前記共重合体樹脂のスチレン含有量が10〜40重量%であることを特徴とするものである。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記表面処理層が、更にケイ素系化合物を5〜35重量%の含有率で含有することが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記シート状基材に含まれる前記樹脂ブレンド層が、さらに着色剤により着色されており、前記着色剤の少なくとも70重量%以上が無機系顔料からなっているものであってもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記表面処理層に、前記シート状基材の樹脂ブレンド層が結着されていて、この結着界面部分において、前記樹脂ブレンド層中の前記スチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面処理層中の前記熱可塑性樹脂及び/又は前記熱又は光硬化性樹脂の一部分とにより界面接着層が形成されていてもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記シート状基材が、さらに繊維布帛からなる基布層を含み、この基布層の少なくとも1面上に前記樹脂ブレンド層が形成されており、2層の樹脂ブレンド層が形成されている場合には、その少なくとも1層上に前記表面処理層が形成され、この表面処理層上に、前記光触媒含有最外層が形成されていてもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記樹脂ブレンド層に含まれる着色剤が、無機系顔料のみからなっていてもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記樹脂ブレンド層に含まれる着色剤が、70〜99重量%の無機系顔料と、1〜30重量%の有機系顔料とからなるものであってもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記表面処理層が、さらに、着色剤を含み、前記着色剤が70重量%以上の無機系顔料からなるものであってもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記表面処理層に含まれる前記ケイ素系化合物が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、及びシリカから選ばれることが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記表面処理層に含まれる熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂が、熱可塑性、及び/又は熱又は光硬化性シリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォスファーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記光触媒を含有する最外層が、光触媒10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とを含有することが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記シート状基材の基布の表面上に前記樹脂ブレンド層が形成され、この樹脂ブレンド層上全面に前記表面処理層が形成され、更に、この表面処理層上全面に光触媒を含有する最外層が形成されており、前記基布の裏面の全面上にポリオレフィン系樹脂からなる裏面ポリオレフィン系樹脂層が形成されていることが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、前記裏面ポリオレフィン系樹脂層が、オレフィン系樹脂エマルジョンまたはディスパージョンの塗布、乾燥によって形成された層であってもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合体樹脂とを、100:5〜100:100の重量比で含有する樹脂ブレンドから形成された樹脂ブレンド層を含むシート状基材の少なくとも片面の全面上に、熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂からなる表面処理層を密着結着して形成し、この表面処理層の全面上に光触媒を含有する最外層を形成すること並びに、前記樹脂ブレンド層用前記スチレン系共重合体樹脂が、(1)スチレン重合体ブロック(A)とブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及びA−B型ブロック共重合体;並びに、(2)前記ブロック共重合体(1)中のビニル結合含有(B)成分単位に対して水素添加を施して得られた水素添加スチレン系共重合体樹脂、から選ばれた少なくとも1種からなり、前記共重合体樹脂のスチレン含有量が10〜40重量%であることを特徴とするものである。
本発明の曝露汚れ防止シートの製造方法において、前記表面処理層が更に、ケイ素系化合物を5〜35重量%の含有率で含有することが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートの製造方法において、前記シート状基材に含まれる樹脂ブレンド層形成用樹脂ブレンドを着色剤で着色し、このときの着色剤の70重量%以上を無機系顔料により構成してもよい。
本発明の曝露汚れ防止シートの製造方法において、前記表面処理層を形成するために、前記表面処理層形成用前記熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂とに対し、それに混和し、かつ前記樹脂ブレンド用スチレン系共重合体樹脂を完全溶解、一部溶解、又は膨潤せしめる有機系溶剤を含むコーティング液を、前記樹脂ブレンド層上に塗布し、この塗布されたコーティング液層から前記有機系溶剤を蒸発除去して、表面処理層を形成し、それによって、前記樹脂ブレンド層と前記表面処理層との界面部分において、前記樹脂ブレンド層中のスチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面処理層中の熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂の一部分とによる界面接着層を形成することが好ましい。
本発明の曝露汚れ防止シートの製造方法において、前記表面処理層形成用コーティング液の有機系溶剤が、イソプロパノール、n−ブタノール、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及びテトラヒドロフランから選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の曝露汚れ防止シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、スチレン含有量が10〜40重量%のスチレン−ブタジエン、イソプレン及び/又はビニルイソプレン系共重合樹脂を5〜100重量部配合してなるを有するシート状基材の少なくとも片面の表面全面に、熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂と、必要によりケイ素系化合物を分散して含むコーティング剤を直接塗布、乾燥して製造されるものであって、ケイ素系化合物の含有量は、5〜35重量%である。熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層はポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の表面に強固に密着して設けられている。前記スチレン系共重合体については後に詳しく説明する。この熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層上に光触媒を含む最外層が強固に形成されている。また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層は無機系顔料を70重量%以上含有する着色顔料によって任意に着色されている。
【0010】
また、本発明の曝露汚れ防止シートは、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系共重合樹脂とのブレンド樹脂を含む前記シート状基材が必要によりさらに繊維布帛からなる基布層を含む。繊維布帛基布層の片面、又は両面には前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層が積層されていて、少なくともその片面に熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂とを含み、必要によりさらにケイ素系化合物を分散して含むコーティング剤を直接塗布、乾燥して、熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層がポリオレフィン系樹脂フィルム層の表面に強固に密着して設けられていて、この熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層上に、光触媒を含む最外層が強固に形成されている。ケイ素化合物の含有量は5〜35重量%であることが好ましい。
【0011】
本発明の曝露汚れ防止シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、スチレン含有量が10〜40重量%のスチレン−ブタジエン、イソプレン及び/又はビニルイソプレン系共重合体樹脂を5〜100重量部配合してなるポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層面に熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層をポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの表面に強固に密着して設け、この表面処理層上に光触媒を含有する最外層を形成するものである。本発明の曝露汚れ防止シートの構成としては、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム単体であって、このフィルム単体の少なくとも片面に熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層が設けられていて、この表面処理層上に光触媒を含有する最外層が形成されているか、あるいは、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層が繊維布帛基布層の両面に積層して設けられたターポリンであって、このターポリンの少なくとも片面に熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層が設けられていて、この表面処理層上に表面に光触媒を含有する最外層が形成されているものである。
【0012】
また、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの裏面にポリスチレン系樹脂を含有しないポリオレフィン系樹脂から成形された裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層を有する2層構造シート、あるいは、繊維布帛基布層の片表面に、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを積層し、その裏面に前記裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層を有する構造体シートであって、それぞれ前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層を設け、この表面処理層上に前記光触媒を含有する最外層が形成されている。
【0013】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムに使用されるスチレン系共重合体樹脂としては、A−B−A型スチレンブロック共重合体樹脂(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン重合体ブロックを表す。)、A−B型スチレンブロック共重合体樹脂(AとBは、上記と同義である。)、スチレンランダム共重合体樹脂、およびこれらのスチレン系共重合体樹脂の水素添加樹脂が使用できる。これらのブロック共重合体は、ポリスチレンブロックをハードセグメントとするスチレン系ブロック共重合樹脂である。
【0014】
A−B−A型スチレンブロック共重合体樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体樹脂(SIS)、及びスチレン−ビニルイソプレン−スチレンブロック共重合体樹脂(SVIS)などを包含する。A−B−A型水素添加スチレンブロック共重合体樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体樹脂(SEBS)、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体樹脂(SEPS)などを包含する。A−B型スチレン共重合体樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(SB)及びスチレン−イソプレンブロック共重合体樹脂(SI)を包含する。A−B型水素添加ブロック共重合体樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エチレン−ブテンブロック共重合体樹脂(SEB)、及びスチレン−イソプレンブロック共重合体樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エチレン−ブテンブロック共重合体樹脂(SEP)などを包含する。
【0016】
これらA−B−A型ブロック共重合体樹脂及びその水素添加樹脂、並びにA−B型ブロック共重合体樹脂及びその水素添加樹脂において、そのAブロック重合体の数平均分子量が2000〜40000であり、Bブロック重合体の数平均分子量が10000〜200000であることが好ましい。また、上記スチレン系共重合体樹脂の数平均分子量は、30000〜250000の範囲内にあることが好ましい。分子量が30000より小さいと、ブロック共重合体樹脂の機械的強度が十分に高いものが得られないことがあり、このため、本発明のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の強度が不十分になることがある。また分子量が250000を超えると溶融粘度が高くなり、他の樹脂成分との溶融混練性を悪くし成形加工性を困難とすることがあるだけでなく、本発明のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層と表面処理層との密着性を悪くする傾向があり、好ましくない。
【0017】
これらのスチレン系ブロック共重合体樹脂のBブロック成分として含まれるイソプレン重合体ブロックの水素添加樹脂、若しくは、イソプレン−ブタジエン重合体ブロックの水素添加樹脂における水素添加率は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。水素添加率が70%より低い場合には、耐熱性、耐候性の改善効果が不十分になることがある。これらのスチレン系ブロック共重合体樹脂の水素添加は、公知の方法によって行われる。例えば、水素添加反応は、水素添加触媒及び、反応に不活性な溶媒にスチレン系ブロック共重合体樹脂を溶解させた状態で公知触媒、例えば、ラネーニッケル、チーグラー系の触媒などを用いて分子状態の水素を反応させる方法を好ましく用いることができる。
【0018】
上記A−B−A型ブロック共重合体樹脂及び、その水素添加樹脂並びに上記A−B型ブロック共重合体樹脂及び、その水素添加樹脂から選ばれるスチレン共重合体樹脂において、スチレン成分の含有量が40重量%を超えるとポリオレフィン樹脂との相溶性が低下することがあるため10〜40重量%の範囲内にあることが必要である。上記A−B−A型ブロック共重合体樹脂及び、その水素添加樹脂並びにA−B型ブロック共重合体樹脂及び、その水素添加樹脂などの市販品としては、例えば、シェル.ケミカル社のクレイトンG、旭化成工業(株)のタフテック、(株)クラレのハイブラー、セプトンが挙げられる。
【0019】
上記スチレン系共重合体樹脂は、有機系溶剤に可溶性または、少なくとも部分可溶性、もしくは膨潤性であることが好ましい。有機系溶剤としては、例えば、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以上から選ばれた混合有機系溶剤が用いられる。スチレン系共重合体樹脂は、前記溶剤に可溶性、または少なくとも部分可溶性、もしくは膨潤性であることが好ましい。
【0020】
本発明における曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムにおいて、これらのスチレン系共重合体樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の配合割合で配合ブレンドして用いられる。配合量が5重量部より少ないと、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムと、熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂表面処理層との接着性が十分に得られないことがあり、また配合量が100重量部を超えると、耐熱性、耐候性が低下することがあるだけでなく、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの加工性、機械的強度も低下させることがある。特に、本発明における曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムにおいて、これらのスチレン系共重合体樹脂としては、水素添加スチレンブロック共重合体樹脂、水素添加スチレンランダム共重合体樹脂から選ばれたものを使用するのが耐候性の観点より好ましい。
【0021】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂の種類としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体など、及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、ラジカル重合法又はイオン重合法により製造されたものが使用できる。
【0022】
ラジカル重合法で得られるポリエチレン系樹脂は、エチレン単独又はエチレンとラジカル重合し得る単量体と共重合して得られるものである。ラジカル重合し得る単量体としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸などの不飽和カルボン酸及びそのエステル化物や酸無水物、酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙げられる。不飽和カルボン酸のエステル化物としては、例えばアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。これらの単量体は、1種のみならず2種以上用いることができる。
【0023】
イオン重合法で得られるポリエチレン系樹脂は、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンを遷移金属固体触媒又はメタロセン系均一触媒を使用して重合することにより得られ、α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、オクタデセン−1などが用いられるが、炭素数4〜10のメタロセン系均一触媒を使用して重合されたα−オレフィンが好ましい。また、これらのα−オレフィンは、1種または2種以上用いてもよい。
【0024】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムに使用されるポリオレフィン系樹脂としては、その種類、組成などに特に限定はないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体など、並びに、エチレンと、それと共重合可能な極性モノマー2種以上とを共重合させたエチレン系多元共重合体などが好ましく使用できる。更に、これらのエチレン系共重合体は、単独使用又は2種以上のブレンド組成に於いてメルトインデックスが0.3〜20g/10min 、共重合モノマー含有量が5〜35重量%のものが本発明により適して使用できる。メルトインデックスが0.3g/10min 未満であると、本発明の曝露汚れ防止シートの成形加工が極めて困難になることがある。またそれが、20g/10min よりも高いと、シートの強度及び耐熱性が不十分になることがあり、また粘着性を増してブロッキングを生ずることがある。また共重合モノマーの含有量が35重量%よりも多いと、加工時の粘着性が増し、成形加工が極めて困難になることがある。
【0025】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムに使用されるポリオレフィン系樹脂としては、前記のポリオレフィン系樹脂以外に、ポリプロピレン系樹脂、例えばポリプロピレン、ポリプロピレンとエチレン−プロピレンゴム(EPRゴム)とのリアクター重合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体であるPP−EPR樹脂、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン−共役ジエン系ゴム(EPDMゴム)とのリアクター重合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体であるPP−EPDM樹脂などをも包含される。
【0026】
本発明の曝露汚れ防止シートの、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムの着色に使用できる無機系顔料としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、フエロシアン化鉄(紺青)、紺青と黄鉛との混合物(ジンクグリーン)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化コバルトと酸化アルミニウムの複合物(コバルトブルー)、酸化コバルトと酸化錫と酸化マグネシウムとの複合物(セルリアンブルー)、酸化コバルトと酸化リチウムと五酸化リンの複合物(コバルトバイオレット)、酸化コバルトと酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの複合物(コバルトグリーン)、リン酸コバルト(コバルトバイオレット)、リン酸マンガン(マンガン紫)などの金属酸化物;硫化亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポン)、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カドミウム(カドミウムイエロー)、硫化カドミウムと硫化水銀との複合物(カドミウムマーキュリーレッド)、硫化水銀(銀朱)、硫化カドミウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー)、硫化アンチモンと三酸化アンチモンの複合物(アンチモン朱)、などの金属硫化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛などの金属硫化物;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)などの金属炭酸塩類;水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウムと硫酸カルシウムの複合物(サチン白)、水酸化アルミニウムと硫酸バリウムの複合物(グロスホワイト)、クロム酸水和物(ビリジアン)などの金属水酸化物;クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)、クロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛の複合物(赤口黄鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(クロムバーミリオン)などのクロム酸金属塩;モリブデン酸鉛と硫酸鉛の複合物(モリブデンレッド)、紺青と黄鉛との混合物(クロムグリーン)、スピネル型(XY2 4 )構造酸化物〔但し、XY=Co−Al,Co−Al−Cr,Co−Mg−Sn,Co−Ni−Ti,Co−Zn−Ni−Ti,Co−Zn−Cr−Ti,Zn−Cr−Ti,Zn−Cr−Fe,Co−Zn−Cr−Fe,Co−Ni−Cr−Fe−Si,Co−Mn−Cr−Fe,Cu−Mn−Cr,Mn−Feなど〕;ルチル型〔Ti(XY)O2 〕構造酸化物;〔但しXY=Pb−Sb,Ni−Sb(チタンイエロー)、Ni−W,Fe−Mo,Cr−Sbなど〕;その他カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、シリカ、ホワイトカーボン、ケイ藻土、タルク、クレーなど;またアルミニウム粉、ブロンズ粉、ニッケル粉、ステンレス粉などの金属顔料及びパール顔料など、を目的に応じて、これらの無機系顔料の1種または、2種以上とを組み合わせて着色使用する事ができる。また、これらの無機系顔料をメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化した熱硬化性樹脂被覆顔料を使用しても良い。
【0027】
これらの無機系顔料の添加量に関してはシートの厚さと、目的とする色相及び調色方法に応じて適宜に設定できる。一般に無機系顔料の添加量は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドまたはポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは、0.5〜20.0重量部であることが好ましい。無機系顔料の添加量が0.1重量部以下では、ポリオレフィン系樹脂ブレンドの着色性に劣り隠蔽性が得られないことがあり、また、30重量部を超えるとポリオレフィン系樹脂ブレンドの成形加工性を悪化させることがあるだけでなく、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの樹脂強力、樹脂摩耗強力を低下させてしまうことがある。これらの無機系顔料の製品としては、使用時の分散性を向上させるために、分散剤処理された加工顔料を使用することが好ましい。分散剤としては、水性分散剤として、リグニンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、マルセルセッケン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、スチレン−マレイン酸樹脂、ポリアクリル酸誘導体などが挙げられ、油分散剤として、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリアクリル酸の部分脂肪酸エステル、アルキルアミン脂肪酸塩、アルキルジアミン、アルキルトリアミン、ナフテン酸金属セッケンなどが挙げられる。また無機系顔料は加工ハンドリング性を向上させるためにポリオレフィン系樹脂、ワックス、分散剤などを添加してマスターバッチ、カラードペレットなどの形態に調整された加工顔料を使用する事が望ましい。
【0028】
また本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムの着色には、調色の観点から無機系顔料と有機系顔料とを併用してもよい。本発明の曝露汚れ防止シートの場合、光触媒効果による有機系顔料の分解による変退色を最小限に抑制するために、無機系顔料70〜99重量%:有機系顔料1〜30重量%の併用比率であることが好ましい。より好ましくは、無機系顔料85〜99重量%:有機系顔料1〜15重量%の併用比率である。無機系顔料と有機系顔料の併用の添加量に関しては、シートの厚さと、目的とする色相に応じて、適宜に設定することができるが、一般に、ポリオレフィン系樹脂ブレンドまたはポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部であることが好ましい。無機系及び有機系の顔料混合物の添加量が、0.1重量部以下では、ポリオレフィン系樹脂ブレンドの着色性が十分になることがあり、隠蔽性が不十分になることがある。またそれが30重量部を超えるとポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの成形加工性が不十分になることがあるだけでなくポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの樹脂強力、及び樹脂摩耗強力を不十分にすることがある。
【0029】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムの着色に使用できる有機系顔料としては、アゾ系顔料、詳しくは、不溶性モノアゾ顔料として、β−ナフトール系、ナフトールAS系、アセト酢酸アリールアミド系の有機系顔料、例えば、ファストイエローG、ジニトロアニリンオレンジ、トルイジンレッド、ナフトールバイオレットB、ベンズイミダゾロンブラウンHFRなど;不溶性ジスアゾ顔料として、アセト酢酸アリールアミド系、ピラゾロン系の有機系顔料、例えば、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、ピラゾロンレッドB、ジアニシジンブルーなど;アゾレーキ顔料として、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系の有機系顔料、例えば、タートラジンイエローレーキ、ペルシアンオレンジ、レーキレッドCなど;縮合アゾ顔料として、例えば、縮合アゾイエローGR、縮合アゾオレンジ4R、縮合アゾレッドBR、縮合アゾブラウン5Rなど;金属錯塩アゾ顔料として、例えば、ニッケルアゾイエロー、銅アゾブラウンなどが挙げられる。
【0030】
フタロシアニン顔料としては、詳しくは、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンレーキなど、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどが挙げられる。染付けレーキ顔料としては、詳しくは、酸性染料レーキ顔料として、 例えば、キノリンイエローレーキ、フロキシンBレーキ、ピーコックブルーレーキなど、塩基性染料レーキ顔料として、 例えば、チオフラビンレーキ、ローダミン6Gレーキ、メチルバイオレットレーキ、ビクトリアピュアブルーBOレーキ、ブリリアントグリーンレーキ、ビスマルクブラウンRレーキなどが挙げられる。縮合多環系顔料としては、詳しくは、アントラキノン系顔料として、例えば、フラバントロンイエロー、ピラントロンオレンジ、ジアントラキノニルレッド、ジクロロイソピオラントロンバイオレット、インダントロンブルー、ピオラントロングリーン、ヘリオファストブラウンRなどが挙げられ、チオインジゴ系顔料として、例えば、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、チオインジゴブラウンなどが挙げられ、ペリノン系顔料として、例えば、ペリノンオレンジ、ペリノンレッドなどが挙げられ、ペリレン系顔料として、例えば、ペリレンスカーレット、ペリレンボルドーなどが挙げられ、キナクリドン系顔料として、例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどが挙げられ、ジオキサジン系顔料として、例えば、ジオキサジンバイオレットが挙げられ、イソインドリノン系顔料として、例えば、イソインドリノンイエロー3RLT、イソインドリノンオレンジRTL、イソインドリノンレッド2BLTなどが挙げられ、キノフタロン系顔料として、例えば、キノフタロンイエローが挙げられ、イソインドリン系顔料として、例えば、イソインドリンイエローが挙げられる。
【0031】
その他の有機系顔料としてニトロソ顔料、 例えば、ニッケルニトロソイエロー、ピグメントグリーンBなどが挙げられ、アリザリンレーキ顔料として、例えば、マダーレーキ、アリザリンマルーンなどが挙げられ、金属錯塩アゾメチン顔料として、例えば、銅アゾメチンイエローが挙げられ、アニリン系顔料として例えば、アニリンブラックが挙げられる。上記の有機系顔料の1種または、2種以上を前記無機系顔料と組み合わせて使用する事ができるが、本発明の曝露汚れ防止シートの非ハロゲンの観点からは、これらの有機系顔料の化学構造においてハロゲン原子を含有しない非ハロゲン含有の有機系顔料から選ばれることが好ましい。また、これらの有機系顔料をメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化した熱硬化性樹脂被覆顔料を使用してもよい。
【0032】
また、これらの有機系顔料の製品としては、 使用時に分散性を向上させるために、分散剤処理された加工顔料を使用することが好ましい。分散剤としては、水性分散剤として、リグニンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、マルセルセッケン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、スチレン−マレイン酸樹脂、ポリアクリル酸誘導体などが挙げられ、油分散剤として、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリアクリル酸の部分脂肪酸エステル、アルキルアミン脂肪酸塩、アルキルジアミン、アルキルトリアミン、ナフテン酸金属セッケンなどが挙げられる。これらの有機系顔料は加工ハンドリング性を向上させるために、ポリオレフィン系樹脂、ワックス、分散剤などを添加してマスターバッチ、カラードペレットなどの形態に調整された加工顔料を使用する事が好ましい。
【0033】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、 裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムは、必要に応じて有機系顔料、無機系顔料などによって任意に着色され、さらに、その他可塑剤、軟化剤、安定剤、滑剤、防炎剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、界面活性剤、架橋剤、硬化剤、導電性フィラー、各種フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤などの通常使用される添加剤を本発明の効果、目的を阻害しない範囲で配合してもよい。
【0034】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層には、難燃剤を添加して防炎性を付与することが産業資材としての用途上好ましく、消防法に定められる防炎試験に適合することが好ましい。この様な難燃剤としては、臭素系化合物難燃剤、リン酸エステル系化合物難燃剤、ポリリン酸アンモニウム系化合物難燃剤、(イソ)シアヌル酸誘導体化合物難燃剤、シアナミド化合物難燃剤、尿素化合物難燃剤、無機金属水和物難燃剤、無機金属酸化物難燃剤、ホウ素系化合物難燃剤、硫黄系化合物難燃剤など公知のものを用いることができる。
【0035】
臭素系化合物難燃剤としては、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA、ビストリブロモフェノキシエタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスペンタブロモフタルイミド、エチレンビスペンタブロモジフェニル、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、TBAポリカーボネートオリゴマー、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)イソシアヌレート、トリス(2,3−ジプロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの臭素置換リン酸エステル類などが使用でき、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの酸化アンチモン化合物と併用して用いるのが好ましい。臭素系化合物難燃剤は10〜30重量%の少ない添加量で防炎性を得ることができるため好ましく使用できるが、臭素を敬遠する場合においては下記の非ハロゲン系難燃剤を用いることができる。
【0036】
非ハロゲン系難燃剤のうちリン酸エステル系化合物難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェートなどの鎖状アルキルリン酸エステル化合物類、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、p−ベンジルフェニルホスフェート、ヒドキシフェニルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル化合物類、及びこれら化合物のオリゴマー状縮合体類などを用いることができる。オリゴマー状縮合体類としては、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAテトラフェニルジホスフェート、ビスフェノールAテトラクレジルジホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールジホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリオキシベンゼントリホスフェートなどのオリゴマー状芳香族リン酸エステル縮合体類が挙げられる。
【0037】
非ハロゲン系難燃剤のうちポリリン酸アンモニウム系化合物難燃剤としては、オルソリン酸アンモニウムと含窒素化合物との縮合物である縮合系リン酸塩化合物を用いることができる。縮合系リン酸塩化合物としては、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどが使用できる。ポリリン酸アンモニウムは、重合度が200以上のものが好適に用いられ、更にポリリン酸アンモニウムの表面が、メラミン系樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂で表面被覆処理されて水に難溶化されたものが好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムの重合度が200未満であると、ポリリン酸アンモニウムが水溶性となり、水に溶出してしまうことにより難燃化効果の持続性が不十分になることがあり、従って屋外での使用に不適切なものとなることがある。本発明の印刷性シートに使用できる縮合リン化合物としては、メラミン樹脂で表面被覆処理された重合度600〜1200のポリリン酸アンモニウムが好ましく使用できる。
【0038】
非ハロゲン系難燃剤のうち(イソ)シアヌル酸誘導体化合物難燃剤としては、メラミン、硫酸メラミン、トリメチロールメラミン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエチルエステル、アンメリン、アンメリド、及び2,4,6−トリオキシシアニジンなどのシアヌル酸誘導体などを用いることができる。また、イソアンメリン、イソメラミン、イソアンメリド、トリメチルカルボジイミド、トリエチルカルボジイミド、及びトリカルボイミドなどのイソシアヌル酸誘導体を用いることができる。
【0039】
非ハロゲン系難燃剤のうちシアナミド系化合物難燃剤としては、例えばジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなどのシアナミド誘導体を用いることができる。
非ハロゲン系難燃剤のうち尿素系化合物難燃剤としては、尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素誘導体を用いることができる。
非ハロゲン系難燃剤のうち硫黄系化合物難燃剤としては、チオ尿素、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウムなどを用いることができる。
【0040】
また、非ハロゲン系難燃剤のうち無機系難燃剤として、金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、ヒドロキシスズ酸亜鉛、酸化スズの水和物、ホウ砂などの無機金属化合物の水和物などが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化アンチモン、ジルコニウム−アンチモン複合酸化物などの金属複合酸化物などが挙げられる。
金属炭酸塩としては、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウムなどが挙げられる。無機系ノンハロゲン系難燃剤として、ホウ酸化合物としては、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウムなどが挙げられる。
【0041】
これらの無機系難燃剤は、その1種または2種以上を併用してもよい。これらの無機系難燃剤の中でも特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、酸化アンチモン、ジルコニウム−アンチモン複合酸化物などが、難燃効果が高く、経済的にも有利である。また、これらの無機系難燃剤の適切な粒径は、化合物の種類によって異なるが、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムの場合、平均粒径が、20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下であるものが、加工性、分散性のうえで好ましい。更に本発明の曝露汚れ防止シートにおいて使用できる無機系難燃剤は、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸、などの脂肪酸またはその金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、またはこれらの変性物、有機ボラン、有機チタネート、シランカップリング剤などで無機系難燃剤の表面を被覆もしくは表面処理、改質された物を使用するのが好ましい。これらの難燃剤の配合方法については上記説明のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムの成型時、コンパウンド中に添加しておけばよい。
【0042】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムの加工に使用されるコンパウンドは、公知の方法、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸混練機などを用いて溶融混練後、単軸押出機、二軸押出機などで溶融混練造粒する方法、さらには、この造粒コンパウンドに単軸押出機、二軸押出機などで有機系顔料、無機系顔料などの着色剤、及び難燃剤などを溶融混合造粒した高濃度のマスターバッチを作製しておき、タンブラーブレンダー、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーのような混合機を用いてドライブレンドし、混合後、更に単軸押出機、二軸押出機などで溶融混練造粒する方法を採用することができる。
【0043】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムは、上記、有機系顔料、無機系顔料などの着色剤、及び難燃剤などを配合したコンパウンドを用いてT−ダイ法、インフレーション法、カレンダー法など公知のフィルム、シート加工技術によって製造することができる。特に有機系顔料、無機系顔料などによって着色されたフィルムの製造には、カレンダー法により100〜250℃の温度範囲にて上記オレフィン系樹脂フィルムの成型加工を行うのがコンパウンドの色替えロスがすくなく製造効率の面で望ましい。
【0044】
本発明の曝露汚れ防止シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚さは、80〜1000μm、特に130〜500μmであることが好ましい。厚さが上記下限値よりも薄いと、成型加工が困難な上に繊維布帛基布層とラミネートした時に、繊維布帛面の凹凸部との熱圧着によりフィルムの頭切れを起こすことがあり、防水性を損なうことがあるため、屋外用の日除けテント用途、シートハウス用途などに使用できなくなることがある。また、厚さが上記上限値よりも厚いと、カレンダー加工が困難となることがあるだけでなく、重くて柔軟性を欠き、取り扱い性や施工性が不良になることがある。
【0045】
本発明の曝露汚れ防止シートの基布層の形成に使用できる繊維布帛としては、織布、編布、不織布のいずれでもよく、織布としては特に織組織は限定しないが、平織織物を用いると、得られる曝露汚れ防止シートの縦緯の物性バランスが良好になるため好ましい。編布としては、ラッセル編の緯糸挿入トリコットが好ましく、不織布としては、長繊維を用いた不織布が好ましく、特にスパンボンド不織布などが使用できる。また、繊維布帛の縦糸・緯糸は、合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2種以上から成る混合繊維のいずれであってもよいが、加工性、汎用性を考慮すると、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、または、これらの混合繊維などの合成繊維のマルチフィラメント糸条、短繊維紡績(スパン)糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどを用いることが好ましい。なかでも引張強力、引裂強力、耐熱クリープ特性などに優れているポリエステル繊維、ポリアミド繊維、これらの混合繊維や、混用繊維などから形成されるマルチフィラメント平織繊維布帛または、スパン平織繊維布帛を用いることが好ましい。これらの織布の製織は、シャットル織機、シャットルレス織機(レピア方式、グリッパ方式、ウオータージェット方式、エアジェット方式)などの従来公知の織機を用いて製織することができる。
【0046】
本発明の曝露汚れ防止シートの基布層に使用される繊維布帛の経糸及び緯糸の打込み密度に特に限定はないが、上記繊維の中で特に好ましくはポリエステルマルチフィラメント50〜2000デニールの糸状を経糸及び緯糸として、1インチ当り10〜80本打込んで得られる織布を用いることが好ましい。例えば250デニールのマルチフィラメント糸条を1インチ当り20〜40本、又は500〜1000デニールのマルチフィラメント糸条を1インチ当り15〜35本、又は1500デニールのマルチフィラメント糸条を1インチ当り10〜25本程度の打込み組織で得られる目抜け平織り織布、または非目抜け平織り織布が好ましく用いられる。これらのマルチフィラメント糸条は無撚であっても、撚りが掛けられたものであってもよい。これらの織布の目付量としては、50〜500g/m2 であることが好ましい。
【0047】
基布層の形成用ポリエステル繊維としては、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合によって得られるポリエチレンテレフタレート(PET)、テレフタル酸とブチレングリコールとの重縮合によって得られるポリブチレンテレフタレート(PBT)などの繊維が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレート樹脂から紡糸されたポリエステル繊維が、繊維強力及び、溶融紡糸性の観点で好ましく使用できる。また、ポリエチレンテレフタレートには上記モノマー以外にイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、ジエチレングリコールなどの共重合モノマーを5重量%程度含んでいるものであってもよい。
【0048】
上記の基布層用繊維布帛には、公知の繊維処理加工、例えば、精練処理、漂白処理、染色処理、柔軟化処理、糊剤処理、撥水処理、防水処理、防カビ処理、防炎処理、毛焼き処理、カレンダー処理、バインダー樹脂処理などを併用して処理されたものを使用することもできる。
【0049】
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムは、上記繊維布帛の片面に積層されていてもよいし、両面に積層されてもよいが、屋外用途の耐久性を考慮すると繊維布帛の両面に、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの積層を行うことが好ましく、必要に応じて裏面を、表面とは別の組成を有するポリオレフィン系樹脂フィルムで構成してもよい。また積層の方法として、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムと繊維布帛との間に接着剤層を設けて積層してもよいし、接着剤なしにフィルムを熱溶融させて積層してもよい。繊維布帛とポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムとの積層方法は、フィルムの成型加工と同時に繊維布帛とを熱ラミネート積層するカレンダートッピング法、T−ダイラミネート法など、あるいはカレンダー法、T−ダイ法、インフレーション法などによりフィルムを一度成型加工した後に、ラミネーターによる熱圧着により繊維布帛との積層を行う方法などが挙げられる。本発明の曝露汚れ防止シートの製造にはカレンダー法によって成型加工されたフィルムとポリエステル繊維平織布帛との熱圧着による方法が効率的かつ経済的であり好ましい。このとき平織布帛の織繊維は目抜け平織であると、目抜け部分を貫通して表と裏のシートが熱溶融ブリッジするので、特別な接着剤を必要とせずに本発明の曝露汚れ防止シートを製造する事ができるという利点がある。本発明の曝露汚れ防止シートの厚さには、特に限定はなく、その構成によって適宜設定できる。例えば、上記厚さは、曝露汚れ防止フィルム単層の場合、80〜1000μm、又は曝露汚れ防止ポリオレフィン系樹脂フィルムを繊維布帛の片面に設けたシートの場合には120〜1600μm、又は曝露汚れ防止ポリオレフィン系樹脂フィルムを繊維布帛の両面に設けたシートの場合には160〜2000μm程度であることが好ましい。
【0050】
また、本発明の曝露汚れ防止シートにおいて、裏面のポリオレフィン系樹脂フィルム層の形成は、繊維布帛の裏面に対してポリオレフィン系樹脂のエマルジョンまたはディスパージョンの塗布、乾燥によって行うことができる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン、またはそのディスパージョン、エチレン−バーサチック酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンまたはそのディスパージョン、エチレン(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂エマルジョン、またはそのディスパージョン、及びオレフィン系アイオノマー樹脂の1種以上から選ばれたものが使用できる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンとしては、エチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーとの乳化重合によって得られ、酢酸ビニル含有量が60〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンが挙げられ、またエチレン−バーサチック酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンとしては、エチレンモノマーと、バーサチック酸ビニルモノマーとの浮化重合によって得られ、バーサチック酸ビニル含有量が60〜90重量%のエチレン−バーサチック酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンが挙げられる。さらにエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂エマルジョンとしては、エチレンモノマーとアクリル酸モノマーとの乳化重合によって得られるエチレン−アクリル酸共重合体樹脂エマルジョン、エチレンモノマーとアクリル酸エステルモノマーとの乳化重合によって得られるエチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン、エチレンモノマーとメタアクリル酸モノマーとの乳化重合によって得られるエチレン−メタアクリル酸共重合体樹脂エマルジョン、エチレンモノマーとメタアクリル酸エステルモノマーとの乳化重合によって得られるエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンなどが用いられ、(メタ)アクリル酸(エステル)成分含有量が60〜90重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂エマルジョンが好ましく用いられる。
【0051】
また、オレフィン系アイオノマー樹脂としては、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体をベース樹脂として、そのカルボキシル基の5〜90%を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂が挙げられ、特にエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合樹脂系アイオノマー樹脂ディスパージョンが好ましい。上記アイオノマー樹脂を中和する金属イオンとしては、Zn++,Na+ の金属イオンであることが特に好ましい。ディスパージョンとしては酢酸ビニル成分含有量が10〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及び、(メタ)アクリル酸(エステル)成分含有量が10〜30重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂などの共重合体を水中に強制分散させたもの、あるいは上記共重合体樹脂のモノマーを水中で懸濁重合して得られるものなどが挙げられる。
【0052】
これらの裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層形成用エマルジョンまたはディスパージョンには、有機系顔料、無機系顔料の着色剤を添加して裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層を着色することができる。有機系顔料及び無機系顔料としては従来公知のもの、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジコ系、ベンチジン系、チオインジコ系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリノン系、酸化チタン、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。これらの顔料は、上記有機系顔料及び、無機系顔料を、非イオン系またはアニオン系の界面活性剤を分散剤として水に分散させた顔料水性分散体、又は親水性樹脂で顔料の表面処理コートを施した水易分散顔料を使用することが、作業性、発色安定性、色相安定性の面で特に好ましい。
【0053】
裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層を形成するポリオレフィン系樹脂エマルジョンまたはディスパージョンの塗布の方法としては、特別に限定はないが、これらの水系コーティング剤を繊維布帛の裏面に均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式を用いることが好ましく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコート法などが好適である。本発明の曝露汚れ防止シートの裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム層の厚さに特に制限はないが、上記コーティング方法のいずれか、もしくは、組み合わせなどによって、固形分付着量を50〜350g/m2 にすることが好ましく、より好ましくは、100〜250g/m2 である。
固形分付着量が50g/m2 よりも少ないと、本発明の曝露汚れ防止シートの裏面側の摩耗耐久性が十分に得られないことがあり、また、350g/m2 を超えるとコーティング処理の回数が増えて工程が煩雑化し、製造コストが高くなることがある。
【0054】
本発明の曝露汚れ防止シートにおいて裏面のポリオレフィン系樹脂フィルム層の形成にポリオレフィン系樹脂のエマルジョンまたはディスパージョンを用いるのに適した基布層用繊維布帛としては、ポリエステル短繊維紡績糸状の591、295、197、148、98dtex(英式綿番手:10番手、20番手、30番手、40番手、60番手)クラスの単糸及び、双糸、さらには単糸3本の撚糸、またはこれらの2本合糸、あるいはこれらの2本合撚糸などの糸状を用いて、経糸及び緯糸1インチ間30〜200本打込んで得られるスパン平織織布が使用できる。特に好ましくは295dtex(20番手)単糸、または295dtex(20番手)双糸を使用して1インチ間、経糸50〜70本緯糸40〜60本打込んで得られるスパン平織織布が適している。これらの織布の目付量としては、100〜500g/m2 のものが適している。
【0055】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層の形成に使用できる熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂としては、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォスファーゼン系樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂は、有機系溶剤に可溶性であって有機溶剤に溶解されたとき粘性を有するコート液を形成するものであることが好ましい。シリコーン系樹脂としては、アルキル基、アルケニル基、アリル基、水素を1〜3個結合したクロロシランまたはアルコキシシランを、単独で、又は、その複数種を無溶剤または有機系溶剤中で加水分解して重合した直鎖シリコーン樹脂、共重合シリコーン樹脂、シリコーンゴムなど、が用いられ、特に共重合シリコーン樹脂としてSi−OH基、Si−OMe基を有する2官能以上の変性シリコーン(例えば、シラノール基あるいはアルコキシ基を有するメチルメチルフェニルシリコーン樹脂)とアルコール性水酸基含有樹脂とを、アルキルチタネート触媒の存在下で反応させて得られるシリコーン変性体類、例えばアクリル変性シリコーン樹脂、アクリル−ウレタン変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン−フッ素共重合体樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、フェノール変性シリコーン樹脂が挙げられる。
【0056】
また、シロキサン架橋可能なシリコーン変性共重合体、シロキサン架橋可能なシリコーン変性オリゴマー、イソシアネート架橋可能なシリコーン変性共重合体、イソシアネート架橋可能なシリコーン変性オリゴマーなどを使用することもできる。これらのシリコーン変性成分の含有率は、表面処理層に占める固形分重量が20〜75重量%であることが本発明の曝露汚れ防止シートに好ましい。
【0057】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層の形成に使用できるフッ素系樹脂としては、ビニルエーテル−フルオロオレフィン共重合体樹脂、ビニルエステル−フルオロオレフィン共重合体樹脂及び、これらのフッ素系樹脂とイソシアネート化合物の併用組成物などが挙げられる。
【0058】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層の形成に使用できるメラミン系樹脂としては、シアヌルアミド、シアヌル酸トリアミド、シアヌル酸アミド、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン及びこれらの誘導体から選ばれた1種以上のメラミン化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させ、得られたメチロール化メラミンの初期縮合物をブタノールで変性し、得られたブチル化メチロールメラミンを有機系溶剤に溶解させたもの、及びブチル化メチロールメラミンをアルキッド樹脂とともに有機系溶剤に溶解させたものなどが挙げられる。
【0059】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層の形成に使用できるエポキシ系樹脂としては、エピクロルヒドリンと多価フェノール類との開環付加反応によって得られたものが用いられ、一般には、エピクロルヒドリンとビスフェノールA、またはレゾールとの反応によって得られる重縮合物が使用できる。これらを有機系溶剤中に、アミン類、有機酸、酸無水物及びポリイソシアネート化合物などの硬化剤と共に溶解して使用できる。さらにそれらに、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂などと併用してもよい。
【0060】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層の形成に使用できるフォスファーゼン系樹脂としては、(PNCl2)n (n=1,2,3,4)などの塩化ホスファーゼン及び、直鎖状塩化ホスファーゼンオリゴマー、または(PNCl2)n (n=2,3,4)の4員環化体、6員環化体、8員環化体などの、環状塩化ホスファーゼンを原料として塩素をアクリル酸化合物に置換した反応性ホスファーゼン化合物の紫外線硬化物が挙げられる。ホスファーゼン化合物に付加して置換されるアクリレート化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
【0061】
これらの表面処理層の形成に用いられる表面処理剤の有機系溶剤には、特に制限はないが、例えば、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤;及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;その他テトラヒドロフランなどの1種以上を選んで適宜使用することができる。
【0062】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層用コーティング剤に用いられるケイ素化合物としては、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカが挙げられる。ポリシロキサンとしては、ゾルゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得られるものが好ましく、例えばアルコキシシランとして、一般式:Yn SiX4-n (n=1〜3)で表されるケイ素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解化合物が適している。前記一般式において、Yは、例えば、アルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基であることができ、Xは、例えば、ハロゲン、メトキシル基、エトキシル基、またはアセチル基であることができる。ケイ素化合物としては、具体的には、アルキル基置換トリクロルシラン、アルキル基置換トリブロムシラン、アルキル基置換トリメトキシシラン、アルキル基置換トリエトキシシラン、アルキル基置換トリイソプロポキシシラン、アルキル基置換トリ−t−ブトキシシランなどが挙げられ、アルキル基としては、それぞれメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、及びn−オクタデシル基が包含され、アルキル基の代りにフェニル基を用いてもよい。また、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をトリフルオロプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をビニル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−メタアクリロキシプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−アミノプロピル基に変えたもの、及び上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−メルカプトプロピル基に変えたものなども使用することができる。
【0063】
コロイダルシリカとしてはケイ酸ナトリウム溶液を陽イオン交換することによって得られる水分散媒中のシリカゾル(SiO2 )が挙げられるが、本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層に使用するコロイダルシリカとしては、有機系溶剤としてメタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以上から選ばれた有機系溶剤の何れか1種以上を分散媒とし、BET平均粒子径10〜20nmのものが好適に用いられる。また、シリカ(SiO2 )としては、ケイ酸ナトリウムと鉱酸(硫酸)及び塩類を水溶液中で反応させる湿式法によって得られる合成非晶質シリカが挙げられる。合成非晶質シリカは、表面のシラノール基(Si−OH基)に水素結合で結合する水分と、シラノール基自体が含有する水酸基として存在する水分を結合水分として有する含水シリカである。非晶質含水シリカの平均凝集粒径としては、平均凝集粒径(コールカウンター法)が1〜20μmのもの、特に2〜10μmの非晶質含水シリカを用いることが好ましく、含水率としては3〜15重量%のもの、特に5〜10重量%の含水シリカを用いることが好ましい。これらのシリカはシランカップリング剤で表面処理して用いることもできる。
【0064】
本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層コーティング剤に添加するケイ素化合物の配合量としては、上記ポリシロキサン、上記コロイダルシリカ及び、上記シリカから選ばれた1種以上を前記表面処理層に対して5〜35重量%配合することが好ましい。表面処理層のケイ素化合物含有量が5重量%未満であると、表面処理層と光触媒を含む最外層との密着性が不十分になることがあり、またそれが35重量%を越えると、表面処理層と光触媒を含む最外層との密着性は向上するが、表面処理層とポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層表面との密着性が不十分になることがあるのみならず、表面処理層の摩耗強度が不十分になることがあるために産業資材用シートとして好ましいものではなくなることがある。
【0065】
表面処理層を形成する前記熱可塑性樹脂及び/又は前記熱(光) 硬化性樹脂コーティング剤の塗布の方法としては、特別に限定はないが、これらのコーティング剤をポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の表面に均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式を用いることが好ましく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコ−ト法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコート法などが好適である。上記コーティング剤による表面処理層の厚さに特に制限はないが、上記コーティング方法のいずれか、もしくは、組み合わせによって、固形分付着量が2〜20g/m2 になるようにすることが好ましく、より好ましくは3〜10g/m2 である。固形分付着量が2g/m2 よりも少ないと、本発明の曝露汚れ防止シートの防汚性、及び耐久性が不十分になることがあり、また、それが20g/m2 を超えると、表面処理層の屈曲強さが不十分になり、着色ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の色彩を隠蔽することがある。2〜5g/m2 の塗布、付着量に設定するには、上記表面処理剤の有機系溶剤の含有量を多く設定することによってコントロールできる。表面処理層の厚さは、上記コーティング法の何れかによって、0.5μm以上の厚さに形成されることが好ましい。
【0066】
光触媒を含有する最外層は、光触媒を10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルを25〜90重量%、またケイ素化合物を1〜20重量%含有する。光触媒を含有する最外層は、これらの光触媒、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル、ケイ素化合物を含有するコーティング剤を、上記表面処理層の表面に塗布、乾燥して形成される。光触媒を含有する最外層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルは、光触媒を固着し、また表面処理層面と強固に密着させる。さらにこれらの金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルが多孔質であり、このために、表面積が大きく、このため光触媒活性を有効に発現させることができる。光触媒を含有する最外層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルの含有量は、25〜90重量%であることが好ましい。その含有量が25重量%未満は、表面処理層との密着性が不十分となることがあり、またそれが90重量%を越えると、光触媒の含有量が少なくなり光触媒活性が十分に発現されないことがある。さらに金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルの乾燥物の比表面積は、100m2 /g以上であることが、表面処理層との密着性と光触媒活性発現効率の観点で好ましい。
【0067】
前記金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルとしては、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タングステン、錫の金属から選ばれた1種または2種以上の金属の酸化物ゲル、もしくは水酸化物ゲルが用いられることが好ましく、具体的にはシリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、酸化ニオブゾルなどが例示できる。また、これらの混合ゲルとして、共沈法で得られる複合酸化物ゲルとしても使用できる。これらの金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルと光触媒との混合には、これらのゲルとなる前のゾルの状態で混合するか、もしくはゾルを調整する前の原料の段階で混合するのが好ましい。金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルを調製する方法には、金属塩を加水分解する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法などがあるが、ゲルの中に光触媒が均一に分散可能であれば何れの方法でも使用できる。本発明の曝露汚れ防止シートの光触媒を含有する最外層に用いられる酸化物ゾルとしては、特にジルコニウム及び、アルミニウムの酸化物ゲルが耐久性の面で好ましく使用できる。
【0068】
光触媒としては、TiO2 ,ZnO,SrTio3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaTiO3 ,K2 NbO3 ,Fe2 3 ,Ta2 5 ,WO3 ,SnO2 ,Bi2 3 ,NiO,Cu2 O,SiC,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2 ,CeO2 などを例示することができ、またこれらの光触媒にPt,Rh,RuO2 ,Nb,Cu,Sn,NiOなどの金属及び金属酸化物を添加した公知のものが全て使用できる。これらの光触媒のうち、酸化チタン(TiO2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、(酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi2 3 )、酸化鉄(Fe2 3 )のような金属酸化物を使用することが好ましい。特に酸化チタンは、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で、汎用性の金属酸化物であり、このため、酸化チタンを使用することが好ましい。
【0069】
光触媒としての酸化チタンにおいては、硫酸チタニル、塩化チタン、チタンアルコシキドなどのチタン化合物を熱加水分解して得られる酸化チタンゾル、及び酸化チタンゾルのアルカリ中和物として得られる酸化チタンなど、また水酸化チタン及び、チタン酸化物の超微粒子を過酸化水素などの過酸化物でペルオキソ化して水中に分散したアナターゼ型ペルオキソチタン酸分散液であることが好ましい。酸化チタンはアナターゼ型とルチル型の何れも使用できるが、アナターゼ型の酸化チタンが光触媒活性の大きさの観点で好ましい。具体的には、平均結晶子径5〜20nmの塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾルなどが好ましく使用できる。光触媒の粒径は小さい方が光触媒活性に優れるため、平均粒子径50nm以下、より好ましくは20nm以下の光触媒が適している。また、酸化チタンとしては含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなども含まれる。
【0070】
光触媒を含有する最外層中の光触媒の含有量は、多くなるほど光触媒活性が高くなるが、表面処理層との接着性の観点から70重量%以下、10〜70重量%が好ましい。光触媒の配合量が10重量%未満であると、光触媒活性が不十分になることがあり、また光触媒の配合量が70重量%を越えると、光触媒活性は高くなるが表面処理層面との密着性が不十分になることがあり、また光触媒層の表面摩耗強さが不十分になることがあるため、屋外耐久性が十分に得られないことがある。
【0071】
光触媒を含有する最外層用ケイ素化合物としては、ポリシロキサンが使用でき、ゾルゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得られるものが好ましく使用できる。これらのアルコキシシラン化合物としては、本発明の曝露汚れ防止シートの表面処理層に使用できるアルコキシシラン化合物として例示したものが使用できる。
これらのケイ素化合物は光触媒を含有する最外層に対して1〜20重量%使用できる。
【0072】
光触媒を含有する最外層コーティング剤の塗布の方法としては、特別に限定はないが、これらの光触媒を含有する最外層コーティング液をポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の表面に設けられた表面処理層上に、均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式を用いることが好ましく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコ−ト法などが好適である。上記コーティング液により形成される光触媒含有最外層は、上記コーティング方法のいずれか、もしくは、組み合わせによって0.1〜10μmの厚さに形成されることが好ましい。光触媒を含有する最外層の厚さが0.1μmよりも少ないと、本発明の曝露汚れ防止シートの防汚性、及び耐久性が十分に得られないことがあり、また、それが、10μmを超えると、着色ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の色彩を隠蔽し、見栄えを悪くすることがある。
【0073】
【実施例】
次ぎに実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるものではない。
下記実施例、及び比較例において光触媒を含有する最外層及び、表面処理層とポリオレフィン系樹脂フィルム層との密着性の評価、及び防汚性、耐久性などの試験方法は下記の通りである。
【0074】
(I)光触媒を含有する最外層が形成された表面処理層とオレフィン系樹脂フィルム層を有する基材との密着性
光触媒を含有する最外層が形成されたオレフィン系樹脂シート基材の最外層表面に、セロハン粘着テープ(商標:セロテープ:ニチバン (株))を貼り、セロハン粘着テープの上から数回強く擦りつけてセロハン粘着テープを最外層面に完全に密着させた後、セロハン粘着テープの一端を剥がし、この部分を把持して、ポリオレフィン系樹脂シート基材からセロハン粘着テープを引き剥がして、セロハン粘着テープ面への最外層、または表面処理層の剥離の程度 (ポリオレフィン系樹脂シート基材からの最外層、または表面処理層の剥がれ度合い)を、下記の判定基準によって評価した。
○:全く最外層、または表面処理層の樹脂が取られない。 (密着良好である。)
△:部分的 (半分以下)に最外層、または表面処理層の樹脂が取られている。
×:最外層、または表面処理層の樹脂が半分以上取られている。 (密着していない。)
【0075】
II )光触媒を含有する最外層が形成された表面処理層とオレフィン系樹脂フィルム層を有する基材との密着性:(耐屈曲性)
光触媒を含有する最外層を形成したポリオレフィン系樹脂シート基材を、JIS L 1096(6.17摩耗強さ)B法:スコット形法により評価した。
光触媒を含有する最外層を形成した試験シートより3cm幅×10cmサイズの試験片を採取し、(株)東洋精機製作所製スコット型試験機を用いて揉み荷重9.8N(1.0kgf)で100回の屈曲揉み試験を行った。この試験での光触媒を含有する最外層と、ポリオレフィン系樹脂シート基材との密着性の耐久度合いを以下の基準で判定した。
○:光触媒を含有する最外層はポリオレフィン系樹脂シート基材に密着している。(異常なし)
△:光触媒を含有する最外層の一部(半分以下)が、ポリオレフィン系樹脂シート基材から脱落している。
×:光触媒を含有する最外層の半分以上が、ポリオレフィン系樹脂シート基材から脱落している。(密着していない)
【0076】
III) 屋外曝露試験による防汚性評価
光触媒を含有する最外層を形成したポリオレフィン系樹脂シートから幅20cm×長さ2mの資料を採取し、光触媒層形成面を表側にして、南向きに設置された曝露台の傾斜30°方向及び垂直方向にそれぞれ1mずつ連続して展張して屋外曝露試験を行い、シートの6ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ月後の汚れ度合いを観察し、試料の表面の汚れ度合いを、色差ΔE(JIS−Z−8729)として数値化し、以下の判定基準にて防汚性の評価を行った。屋外曝露試験は埼玉県草加市内において4月より開始した。
◎:ΔE=0〜2.9、汚れがなく良好。初期の状態を維持している。
○:ΔE=3〜5.9、多少汚れがあるが、問題ない。
△:ΔE=6〜11.9、汚れが、目立つ。
×:ΔE=12以上、汚れが著しく、実用できない。
【0077】
IV )耐光促進試験による基材劣化の評価
シートの光触媒層形成面を照射面としてサンシャインカーボンウエザーメーターによる耐光促進試験(JIS−L−0842)を500時間、1000時間、2000時間行い、促進前の試料を基準とし、試料の表面の変退色度合いを、色差ΔE(JIS−Z−8729)として数値化し、以下の判定基準にて変色性の評価を行った。
◎:ΔE=0〜2.9、変色がなく良好。初期の状態を維持している。
○:ΔE=3〜5.9、多少変色があるが、問題ない。
△:ΔE=6〜11.9、変色が目立つ。
×:ΔE=12以上、変色が酷く、実用的に問題がある。
【0078】
(V)屋外曝露試験による基材劣化の評価
(III)の屋外曝露試験6ヶ月後、12ヶ月後、36ヶ月後のサンプルより10×20cmサイズの試料を経糸方向及び、緯糸方向に採取し、JIS規格L−1096:引裂強さA−1法(シングルタング法)に従ってそれぞれの引裂強度を測定し、曝露前の引裂強度に対する保持率を求めた。
引裂強度保持率(%)=〔曝露後の引裂強度〕/〔曝露前の引裂強度〕×100
【0079】
実施例1
メタロセン触媒系低密度ポリエチレン樹脂(商標:カーネルKF270:日本ポリケム(株):MFR2.0g/10min 、密度0.907)100重量部に対し、水素添加スチレン−ビニルイソプレン−スチレン共重合樹脂であるスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ:MFR0.7g/10min :スチレン含有量20wt%)30重量部をブレンドした樹脂系に、滑剤(商標:LE−5:川研ファインケミカル(株))1.0重量部、紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))0.5重量部、酸化防止剤(商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.3重量部、着色剤として無機系顔料(商標:酸化チタンCR:石原産業(株))5重量部を配合し、得られたコンパウンドをバンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃に設定した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練し、この混練組成物から0.2mm厚のフィルムを150℃の条件にてカレンダー圧延成形した。次にこの混練組成物から得られた0.2mmの白色のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムをポリエステル繊維平織目開き基布(500デニールポリエステルマルチフィラメント糸状:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm)の両面に、140℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.5mm、重量450g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次ぎにこのシートの片面に下記組成のフッ素系樹脂をキシレン溶剤に溶解して得られた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。
【0080】
Figure 0003651583
この表面処理層に含有されたケイ素化合物量は17重量%であった。
【0081】
次に光触媒を含有する最外層の形成のために、下記組成のコート剤を140メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、1g/m2 の固形分付着量で均一に塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて溶媒の乾燥を行い、光触媒を含有する最外層を形成した。
Figure 0003651583
この光触媒を含有する最外層に含有された光触媒量は45重量%であった。
【0082】
実施例2
実施例1と同様にして曝露汚れ防止シートを製造した。但し、メタロセン触媒系低密度ポリエチレン樹脂(商標:カーネルKF270)100重量部の代りに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2010:住友化学工業(株):MFR3.0g/10min :VA含有量25wt%)100重量部を用いた。実施例1と同様の組成と手順に沿って、ポリエステル繊維平織目開き基布の両面にポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を積層して設けて、厚さ0.5mm、重量450g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。次にこのシートの片面に下記組成のシリコーン系樹脂をMEK/トルエン混合溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。
【0083】
Figure 0003651583
この表面処理層に含有されたケイ素化合物量は17重量%であった。
【0084】
次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一のコート剤を用いて1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0085】
実施例3
実施例1と同様にして曝露汚れ防止シートを作製した。但し、メタロセン触媒系低密度ポリエチレン樹脂(商標:カーネルKF270)100重量部の代りに、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ(株):MFR0.45g/10min ,EPR60wt%,PP40wt%)100重量部を用いた。実施例1と同様の組成と手順に沿ってポリエステル繊維平織目開き基布の両面に上記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を積層して、厚さ0.5mm、重量450g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを作製した。次にこのシートの片面に下記組成のエポキシ系樹脂をトルエン/MEK混合溶剤に溶解させた表面処理剤を120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。
【0086】
Figure 0003651583
この表面処理層に含有されたケイ素化合物量は17重量%であった。
【0087】
次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一のコート剤を用いて1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0088】
実施例4
実施例1と同様にして曝露汚れ防止シートを作製した。但し、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2010:住友化学工業(株):MFR3.0g/10min :VA含有量25wt%)100重量部と、水素添加スチレン−ビニルイソプレン−スチレン系樹脂であるスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ:MFR3.5g/10min 、スチレン含有量10wt%)30重量部とをブレンドし、得られた樹脂系に、難燃剤として、水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量部と、ポリリン酸アンモニウム(商標:エクソリットAP−750:クラリアント・ジャパン(株))50重量部とを配合し、実施例1と同様の組成と手順に沿って0.2mmの白に着色されたポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を形成した。次に、このポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの配合系からスチレン系共重合樹脂(2)を省いた組成の、白に着色された0.2mmの難燃性フィルムを形成し、これを裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムとした。この2種類のフィルムを、実施例1と同様の手順によりポリエステル繊維平織目開き基布の片面に積層して厚さ0.5mm、重量500g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層形成面に、実施例1と同じフッ素系樹脂をキシレン溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一のコート剤を用いて1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0089】
実施例5
実施例4と同様にして、曝露汚れ防止シートを作製した。但し難燃剤として用いられた水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量部とポリリン酸アンモニウム(商標:エクソリットAP−750:クラリアント・ジャパン(株))50重量部の難燃剤総量130重量部を全て省き、その代わりに臭素系化合物:エチレンビスペンタブロモジフェニル(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野(株))30重量部と三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日本精鉱(株))10重量部との難燃剤40重量部を新たに配合して用いた。実施例4と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量520g/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを得た。
次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層形成面に実施例2と同じシリコーン系樹脂をMEK/トルエン混合溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一のコート剤を用いて1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0090】
実施例6
実施例4と同様にして、曝露汚れ防止シートを作製した。但しポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の形成に際し、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2010:住友化学工業(株):MFR3.0g/10min :VA含有量25wt%)100重量部と、水素添加スチレン−ビニルイソプレン−スチレン系樹脂であるスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ:MFR0.7g/10min :スチレン含有量20wt%)20重量部と、水素添加スチレン−ブタジエンであるスチレン系共重合樹脂(3)(商標:ダイナロン1320P:日本合成ゴム(株):MFR3.5g/10min 、スチレン含有量10wt%)20重量部とのブレンドを用い、また着色剤として無機系顔料(商標:コバルトブルーNo.1101:Co−Al系:旭産業(株))5重量部と有機系顔料(商標:HCM1434イエロー:モノアゾイエロー20wt%含有の加工顔料ペレット:大日精化工業(株))5重量部(※モノアゾイエローとしては1重量部の配合)を用いた。また、裏面のフィルム層は上記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層からスチレン系共重合樹脂(1)とスチレン系共重合樹脂(3)を省いたこと以外は実施例4と同一の配合とした。これより得られた2種のフィルムを、実施例1と同様の手順によりポリエステル繊維平織目開き基布の片面ずつに、積層して、厚さ0.5mm、重量500g/m2 の、グリーンに着色したポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層形成面に、下記組成からなるフッ素系樹脂をキシレン溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。
【0091】
Figure 0003651583
この表面処理層に含有されたケイ素化合物量は21重量%であった。
【0092】
次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一のコート剤を用いて1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0093】
実施例7
実施例6と同様にして曝露汚れ防止シートを作製した。但し、難燃剤として使用された水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量部とポリリン酸アンモニウム(商標:エクソリットAP−750:クラリアント・ジャパン(株))50重量部からなる難燃剤、総量130重量部を全て省き、その代わりに臭素系化合物:エチレンビスペンタブロモジフェニル(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野(株))30重量部と、三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日本精鉱(株)10重量部とからなる難燃剤、合計40重量部を新たに配合して使用し、また着色剤として無機系顔料(商標:酸化チタンCR:ルチル型:石原産業(株))5重量部と有機系顔料(商標:HCM1617ブルー:フタロシアニンブルー20wt%含有の加工顔料ペレット:大日精化工業(株))5重量部(※フタロシアニンブルーとしては1重量部の配合)とを配合して用いた。実施例6と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量520g/m2 のライトブルーに着色した繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層形成面に、下記組成からなるシリコーン系樹脂をMEK/トルエン混合溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。
【0094】
Figure 0003651583
この表面処理層に含有されたケイ素化合物量は28重量%であった。
【0095】
次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一のコート剤を用いて1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0096】
実施例8
実施例6と同様にして曝露汚れ防止シートを作製した。但し、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層のブレンドのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2010:住友化学工業(株):MFR3.0g/10min :VA含有量25wt%)50重量部の代りに、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ(株):MFR0.45g/10min ,EPR60wt%,PP40wt%)50重量部を用い、さらにスチレン系共重合樹脂(1)とスチレン系共重合樹脂(3)とのブレンド40重量部の代りに、スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ:MFR0.7g/10min :スチレン含有量20wt%)のみ50重量部に増量して用い、また着色剤として無機系顔料(商標:イエローNo.5100:Pb−Sb−Ti系:旭産業(株))5重量部と、有機系顔料(商標:HCM1129レッド:キナクリドンレッド20wt%含有の加工顔料ペレット:大日精化工業(株))5重量部(※キナクリドンレッドとしては1重量部の配合)とを用いた。また、裏面のフィルム層は上記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層からスチレン系共重合樹脂(1)を省いたこと以外は実施例6と同一の配合とした。これより得られた2種のフィルムを、実施例1と同様の手順により、ポリエステル繊維平織目開き基布の片面ずつに、積層して、厚さ0.5mm、重量500g/m2 の、オレンジに着色したポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層形成面に、下記組成からなるフォスファーゼン系樹脂をMEK/酢酸エチル混合溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、次いで高圧紫外線ランプを用いて、紫外線光量500〜1000mj/cm2 で0.5〜3秒間照射して表面処理層を硬化形成した。
【0097】
Figure 0003651583
この表面処理層に含有されたケイ素化合物量は16重量%であった。
【0098】
実施例1〜8の曝露汚れ防止シートの試験結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
Figure 0003651583
【0100】
実施例1〜実施例8の効果
実施例1〜実施例8で得られた光触媒担持ポリオレフィン系樹脂シートの評価を上記(I),(II),(III),(IV),(V)より評価した結果、実施例1〜実施例8で得られたシートの片面に形成された、それぞれフッ素系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(実施例1、実施例4)、フッ素系樹脂▲2▼ベースの表面処理層(実施例6)、シリコーン系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(実施例2、実施例5)、シリコーン系樹脂▲2▼ベースの表面処理層(実施例7)、エポキシ系樹脂ベースの表面処理層(実施例3)、フォスファーゼン系樹脂ベースの表面処理層(実施例8)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層及び、光触媒を含有する最外層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テープ剥離試験(試験I)において光触媒を含有する最外層または、光触媒を含有する最外層が形成された表面処理層ごとのセロハン粘着テープ側への取られは全く観られなかった。また、スコット形法屈曲揉み試験(試験II)においては、光触媒を含有する最外層と表面処理層との界面での剥がれや、脱落はなく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層と表面処理層との界面での剥がれや、脱落も観られなかった。実施例1〜実施例8のシートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれのシートも曝露汚れが逐次経持的に分解し、降雨によって洗い流されることによって長期間初期状態の美観を保持していた。(試験III)また、実施例1〜実施例8のシートの耐光促進試験(試験IV)500〜2000時間の結果も良好で2000時間促進後でもシートの大きな色褪せや極端な変色は認められず、良好な外観を維持していた。また更に試験III の屋外曝露シート6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの引裂強度の保持率(試験V)は全て80%以上であり、従って本発明のシートは上記(I)〜(V)の試験結果より屋外使用の産業資材用シートとして十分な耐久性を有する実用性のあるものであることが確認できた。また実施例4〜実施例8のシートにおいてはJIS規格L−1091(A−2法区分3,2分加熱)に合格する難燃化されたシートであり、本発明のシートは従来のポリ塩化ビニル樹脂製ターポリンの代替にも適して優れたものであった。
【0101】
実施例9
下記下処理を施した5号クラスのポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸状:糸密度経糸295dtex(英式綿番手:20番手)双糸55本/2.54cm×緯糸295dtex(英式綿番手:20番手)双糸48本/2.54cm)の片面に下記裏面ポリオレフィン系樹脂層が塗布して形成され、更にもう一方の片面に下記接着剤層が塗布して設けられた繊維布帛基布の接着剤塗布面側に、実施例1と同一配合の0.2mmの白色に着色されたポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを140℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.6mm、重量550g/m2 の裏面が帆布外観のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例2と同一のシリコーン系樹脂をMEK/トルエン混合溶剤に溶解させた表面処理剤を、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を、140メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて溶媒の乾燥を行い、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0102】
Figure 0003651583
上記下処理剤浴中にポリエステル繊維平織スパン基布をデップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニップロールで余分な下処理剤を絞り落とし(ピックアップ率30重量%)120℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセッターで1分間熱処理した。
【0103】
Figure 0003651583
【0104】上記下処理が施されたポリエステル繊維平織スパン基布の裏面に、上記組成からなるポリオレフィン系樹脂エマルジョン組成物(固形分56.3重量%)を、3mm厚のドクターナイフを用いて、乾燥付着重量120g/m2 となるように塗布し、100℃の熱風乾燥炉で3分間乾燥させて、白に着色された帆布外観を有する裏面ポリオレフィン系樹脂層を形成した。
【0105】
Figure 0003651583
上記裏面ポリオレフィン系樹脂層が形成されたポリエステル繊維平織スパン基布の反対面に、上記組成からなるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン組成物(固形分33.3重量%)を、80メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、乾燥付着重量8g/m2 となるように塗布し、100℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥させて接着剤層を形成した。
【0106】
実施例10
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例2で使用したポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配合としたこと以外は実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量550g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例3と同一のエポキシ系樹脂をトルエン/MEK混合溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例3と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0107】
実施例11
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例3で使用したポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配合としたこと以外は実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量550g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例1と同一のフッ素系樹脂をキシレン溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例1と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0108】
実施例12
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例4のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合とした。但し難燃剤配合量を変更し、水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量部から120重量部に増量した。ポリリン酸アンモニウム(商標:エクソリットAP−750:クラリアント・ジャパン(株))は、実施例4と同様の50重量部を配合した。また裏面ポリオレフィン系樹脂層の配合組成を下記の難燃配合に変更した。
【0109】
Figure 0003651583
【0110】
上記以外は実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量600g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例8と同一のフォスファーゼン系樹脂をMEK/酢酸エチル混合溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例8と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0111】
実施例13
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例5のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合とした。但し難燃剤配合量を変更し、臭素系化合物(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野(株):エチレンビスペンアブロモジフェニル)30重量部から40重量部に増量した。
三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日本精鉱(株)は、実施例5と同様10重量部を配合した。また裏面ポリオレフィン系樹脂層の配合組成を下記の難燃配合に変更した。
【0112】
Figure 0003651583
【0113】
上記以外は、実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量600g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例6と同一のフッ素系樹脂をキシレン溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例6と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0114】
実施例14
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例6のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合により形成した。但し難燃剤配合量を変更し、水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量部から120重量部に増量した。ポリリン酸アンモニウム(商標:エクソリットAP−750:クラリアント・ジャパン(株))は、実施例6と同様の50重量部を配合した。また裏面ポリオレフィン系樹脂層の配合組成は実施例12と同一の難燃配合を用いた。
上記以外は実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量600g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例2と同一のシリコーン系樹脂をMEK/トルエン混合溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例2と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0115】
実施例15
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例7のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合により形成した。但し難燃剤配合量を変更し、臭素系化合物(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野(株):エチレンビスペンアブロモジフェニル)30重量部から40重量部に増量した。
三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日本精鉱(株))は、実施例7と同様10重量部を配合した。また裏面ポリオレフィン系樹脂層の配合組成は実施例13と同一の難燃配合を用いた。上記以外は実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量600g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例3と同一のエポキシ系樹脂をトルエン/MEK混合溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例3と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0116】
実施例16
実施例9の片面帆布外観を有するポリオレフィン系樹脂基材シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層を、実施例8のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合により形成した。但し難燃剤配合量を変更し、水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量部から120重量部に増量した。ポリリン酸アンモニウム(商標:エクソリットAP−750:クラリアント・ジャパン(株))は実施例8と同様50重量部を配合した。また裏面ポリオレフィン系樹脂層の配合組成は実施例12と同一の難燃配合を用いた。
上記以外は実施例9と同様の組成と手順に従って、厚さ0.6mm、重量600g/m2 のポリオレフィン系樹脂基材シートを形成した。次ぎにこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面に、実施例7と同一のシリコーン系樹脂をMEK/トルエン混合溶剤に溶解させた表面処理剤を使用して、実施例7と同様に3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、表面処理層を形成した。次に光触媒を含有する最外層の形成には、実施例1と同一組成のコート剤を実施例1と同様の操作で1g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、光触媒を含有する最外層を形成した。
【0117】
実施例9〜16の試験結果を表2に示す。
【0118】
【表2】
Figure 0003651583
【0119】
実施例9〜実施例16の効果
実施例9〜実施例16で得られた光触媒担持ポリオレフィン系樹脂シートの評価を上記(I),(II),(III),(IV),(V)より評価した結果、実施例9〜実施例16で得られたシートの片面に形成された、それぞれシリコーン系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(実施例9、実施例14)、シリコーン系樹脂▲2▼ベースの表面処理層(実施例16)、エポキシ系樹脂ベースの表面処理層(実施例10、実施例15)、フッ素系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(実施例11)、フッ素系樹脂▲2▼ベースの表面処理層(実施例13)、フォスファーゼン系樹脂ベースの表面処理層(実施例12)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層及び、光触媒を含有する最外層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テープ剥離試験(試験I)において光触媒を含有する最外層または、光触媒を含有する最外層が形成された表面処理層ごとのセロハン粘着テープ側への取られは全く観られなかった。また、スコット形法屈曲揉み試験(試験II)においては、光触媒を含有する最外層と表面処理層との界面での剥がれや、脱落はなく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層と表面処理層との界面での剥がれや、脱落も観られなかった。実施例9〜実施例16のシートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれのシートも曝露汚れが逐次経持的に分解し、降雨によって洗い流されることによって長期間初期状態の美観を保持していた。(試験III)また、実施例9〜実施例16のシートの耐光促進試験(試験IV)500〜2000時間の結果も良好で2000時間促進後でもシートの大きな色褪せや極端な変色は認められず、良好な外観を維持していた。また更に試験III の屋外曝露シート6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの引裂強度の保持率(試験V)は全て80%以上であり、従って本発明のシートは上記(I)〜(V)の試験結果より屋外使用の産業資材用シートとして十分な耐久性を有する実用性のあるものであることが確認できた。また実施例12〜実施例16のシートにおいてはJIS規格L−1091(A−2法区分3,2分加熱)に合格する難燃化されたシートであり、本発明のシートは従来のポリ塩化ビニル樹脂製帆布の代替にも適して優れたものであった。
【0120】
比較例1
実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを下記組成のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに変更したこと以外は実施例1と同様の手順に従って、下記コンパウンドをバンバリーミキサーで溶融混練し、この混練物を160℃に設定した熱ロール(2本ロール)で5分間さらに均一に混練し、この混練組成物から0.2mm厚のフィルムを、165℃の条件にてカレンダー圧延成形した。次にこの混練組成物から得られた0.2mmの白に着色されたポリ塩化ビニル樹脂フィルムをポリエステル繊維平織目開き基布(500デニールポリエステルマルチフィラメント糸条:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm)の両面に、160℃に設定したラミネーターで、熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.5mm、重量550g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂基材シートを形成した。その一面上に、実施例1と同一の表面処理層を形成し、その表面上に、実施例1と同一の光触媒を含有する最外層を形成してポリ塩化ビニル樹脂シートを作製した。
【0121】
Figure 0003651583
【0122】
比較例2
実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを、下記組成のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに変更したこと以外は比較例1と同様の手順に従って、ポリエステル繊維平織目開き基布の両面に、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム層を積層し、その一面上に、実施例2と同一の表面処理層を形成し、その表面上に、実施例1と同一の光触媒を含有する最外層を形成して、ポリ塩化ビニル樹脂シートを作製した。
【0123】
Figure 0003651583
【0124】
比較例3
実施例13のポリオレフィン樹脂ブレンドフィルムを、下記組成▲1▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに変更し、また、裏面ポリオオレフィン系樹脂フィルムを下記組成▲2▼のポリ塩化ビニル樹脂コーティング層に変更した。実施例9と同一の下処理を施した5号のクラスのポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸状:糸密度経糸295dtex(英式綿番手:20番手)双糸55本/2.54cm×緯糸295dtex(英式綿番手:20番手)双糸48本/2.54cm)の裏面に、下記組成▲2▼のポリ塩化ビニル樹脂コーティング層(付着重量120g/m2 )を塗布して形成し、更にもう一方の表面に、下記組成▲2▼のポリ塩化ビニル樹脂コーティング層を接着剤層(付着重量80g/m2 )として塗布して設け、その面上に、0.2mmの白に着色された下記組成▲1▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを、160℃に設定したラミネーターで、熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.6mm、重量680g/m2 の、裏面が帆布外観のポリ塩化ビニル樹脂基材シートを形成した。次に下記組成▲1▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルム面上に、実施例13と同一の表面処理層を形成し、その表面上に、実施例1と同一の光触媒を含有する最外層を形成して、裏面帆布外観のポリ塩化ビニル樹脂シートを作製した。
【0125】
Figure 0003651583
【0126】
Figure 0003651583
【0127】
比較例4
実施例16のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを、下記組成▲3▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに変更し、また、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムを、下記組成▲4▼のポリ塩化ビニル樹脂コーティング層に変更したこと以外は比較例3と同様の手順に従って、ポリエステル繊維平織スパン基布の両面に、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム層を積層し、下記組成▲3▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルム面上に実施例16と同一の表面処理層を形成し、その表面上に、実施例1と同一の光触媒を含有する最外層を形成して裏面帆布外観のポリ塩化ビニル樹脂シートを作製した。
【0128】
Figure 0003651583
【0129】
裏面ポリ塩化ビニル樹脂層▲4▼の配合
Figure 0003651583
【0130】
比較例5
実施例15のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを、下記組成▲5▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに変更し、また、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルムを、下記組成▲6▼のポリ塩化ビニル樹脂コーティング層に変更したこと以外は実施例3と同様の手順に従って、ポリエステル繊維平織スパン基布の両面に、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム層を積層し、下記組成▲5▼のポリ塩化ビニル樹脂フィルム面上に、実施例15と同一の表面処理層を形成し、その表面上に、実施例1と同一の光触媒を含有する最外層を形成し、裏面帆布外観のポリ塩化ビニル樹脂シートを作製した。
【0131】
Figure 0003651583
【0132】
Figure 0003651583
【0133】
比較例1から5の試験結果を表3に示す。
【0134】
【表3】
Figure 0003651583
【0135】
比較例1から比較例5の結果
比較例1〜比較例5で得られた光触媒担持ポリ塩化ビニル樹脂シートの評価を上記(I),(II),(III),(IV),(V)より評価した結果、比較例1〜比較例5で得られたシートの片面に形成された、それぞれフッ素系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(比較例1)、フッ素系樹脂▲2▼のベースの表面処理層(比較例3)、シリコーン系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(比較例2)、シリコーン系樹脂▲2▼のベースの表面処理層(比較例4)、エポキシ系樹脂ベースの表面処理層(比較例5)は、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム層及び、光触媒を含有する最外層によく密着して決着されていて、試験(I)、試験(II)において十分な耐久性を示した。比較例のシートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれのシートも比較的良好な美観を保持していた。(試験III)また、比較例のポリ塩化ビニルシートの耐光促進試験(試験IV)2000時間の結果では、シートの色褪せや変色は認められなかったが、シートの表面に微細な亀裂を多数発生していた。さらに試験III の屋外曝露シート6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの引裂強度の保持率(試験V)を調べたところ、比較例のポリ塩化ビニルシートは全て経時的に引裂強度の低下が目立ち、36ヶ月後の引裂強度の保持率は55%以下にまで低下していた。特に比較例3〜比較例5の裏面帆布外観のポリ塩化ビニル樹脂シートでは、裏面ポリ塩化ビニル樹脂層中の可塑剤と安定剤が光触媒担持層面側のポリ塩化ビニル樹脂フィルム層にまで拡散移行してしまい、移行した可塑剤と安定剤が光触媒作用によって分解されてしまうために配合系の劣化が進み、その結果、引裂強度が極度に悪くなっていた。従って比較例のポリ塩化ビニルシートは屋外使用の産業資材用シートとして耐久性が不十分であり、実用性が欠如したものであることが明らかとなった。
【0136】
比較例6〜比較例8
実施例1〜実施例3のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外は、実施例1〜実施例3と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層を光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0137】
比較例9〜比較例10
実施例4、実施例5のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外は、実施例4、実施例5と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0138】
比較例11
実施例6のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)20重量部と、スチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)20重量部とを省き、着色剤として無機系顔料(商標:コバルトブルーNo.1101:Co−Al系:旭産業(株))5重量部を1重量部に減量したこと以外は、実施例6と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0139】
比較例12
実施例7のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)20重量部と、スチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)20重量部とを省き、着色剤として無機系顔料(商標: 酸化チタンCR: ルチル型:石原産業(株))5 重量部を1重量部に減量したこと以外は、実施例7と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成して、ポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0140】
比較例13
実施例8のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)50重量部を省き、着色剤として無機系顔料(商標: イエローNo.5100:Pb−Sb−Ti系:旭産業(株))5重量部を1重量部に減量したこと以外は、実施例8と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0141】
比較例6〜13の試験結果を表4に示す。
【0142】
【表4】
Figure 0003651583
【0143】
比較例6〜比較例13の結果
比較例6〜比較例13で得られた光触媒担持ポリオレフィン系樹脂シートの評価を上記(I),(II),(III),(IV),(V)より評価した結果、比較例6〜比較例13で得られたシートの片面に形成された、それぞれフッ素系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(比較例6、比較例9)、フッ素系樹脂▲2▼のベースの表面処理層(比較例11)、シリコーン系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(比較例7、比較例10)、シリコーン系樹脂▲2▼のベースの表面処理層(比較例12)、エポキシ系樹脂ベースの表面処理層(比較例8)、フォスファーゼン系樹脂ベースの表面処理層(比較例13)は、実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の配合からそれぞれスチレン系共重合体樹脂(1)、スチレン系共重合体樹脂(2)及び、スチレン系共重合体樹脂(3)を省いたことによって、ポリオレフィン系樹脂フィルム層との密着性が不十分となり、セロハン粘着テープ剥離試験(試験I)において光触媒を含有する最外層が、表面処理層ごとにセロハン粘着テープ側へ剥ぎ取られていた。また、スコット形法屈曲揉み試験(試験II)においては、光触媒を含有する最外層が表面処理層ごとポリオレフィン系樹脂フィルム層から擦れ落ちていた。比較例6〜比較例13のシートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれのシートも6ヶ月程度の初期的には曝露汚れが逐次経時的に分解し、降雨によって洗い流されることによって美観を保持していたが、18ヶ月を経過して36ヶ月目までには風雨による影響で光触媒を含有する最外層が表面処理層ごと斑に脱落して外観が悪いものとなった。(試験III)また、比較例11〜比較例13のシートの耐光促進試験(試験IV)2000時間の結果は変色が認められた。また更に試験III の屋外曝露シート36ヶ月後のシートの引裂強度の保持率(試験V)は光触媒を含有する最外層が表面処理層ごと脱落して直射日光を直接浴びたために75〜80%にやや低下していた。これらのシートは上記(I)〜(V)の試験結果より屋外使用の産業資材用シートとして耐久性が不満足であり、従って実用性が欠如したものであることが明らかとなった。
【0144】
比較例14〜比較例16
実施例9〜実施例11のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)30重量部を省き、 ポリオレフィン系樹脂フィルム表面に下記組成からなるプライマー層を設けたこと以外は、実施例9〜実施例11と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0145】
塩素化ポリプロピレン(Cl−PP)プライマー層
塩素化ポリプロピレン(Cl−PP)(商標:ハードレン15LLB、東洋化成工業(株)、塩素含有量30%)の固形分濃度を30重量%に調整されたトルエン溶液を、ポリオレフィン系樹脂フィルム表面上に、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行いプライマー層を形成させた。
【0146】
比較例17〜比較例18
実施例12、実施例13のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)30重量部を省き、 ポリオレフィン系樹脂フィルム表面に下記組成からなるプライマー層を設けたこと以外は、実施例12、実施例13と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に、表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0147】
塩素化ポリエチレン(Cl−PE)プライマー層
塩素化ポリエチレン(Cl−PE)(商標:スーパークロンHE910、日本製紙(株)、塩素含有量63%)の固形分濃度を20重量%に調整されたトルエン溶液を、ポリオレフィン系樹脂フィルム表面上に、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行いプライマー層を形成させた。
【0148】
比較例19
実施例14のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)20重量部とスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)20重量部とを省き、ポリオレフィン系樹脂フィルムを形成し、その表面に下記組成からなるプライマー層を設けたこと、及び着色剤として無機系顔料(商標:コバルトブルーNo.1101:Co−Al系:旭産業(株))5重量部を1重量部に減量したこと以外は、実施例14と同様の配合及び、手順に従ってポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と光触媒を含有する最外層とを形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0149】
塩素化ポリプロピレン(Cl−PP)プライマー層
塩素化ポリプロピレン(Cl−PP)(商標:スーパークロン892L、日本製紙(株)、塩素含有量22%)の固形分濃度を20重量%に調整したトルエン溶液を、ポリオレフィン系樹脂フィルム表面上に、120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤の除去を行い、プライマー層を形成した。
【0150】
比較例20
実施例15のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)20重量部とスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)20重量部とを省き、ポリオレフィン系樹脂フィルムを形成し、その表面に比較例19と同一のプライマー層を設けたこと、及び着色剤として無機系顔料(商標:酸化チタンCR:ルチル型:石原産業(株))5重量部を1重量部に減量したこと以外は、実施例15と同様の配合及び、手順に従って、ポリオレフィン系樹脂面に表面処理層と、光触媒を含有する最外層とを形成してポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0151】
比較例21
実施例16のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ)50重量部を省き、ポリオレフィン系樹脂フィルムを形成し、その表面に、比較例19と同一のプライマー層を設けたこと、及び着色剤として無機系顔料(商標:イエローNo.5100:Pb−Sb−Ti系:旭産業(株))5重量部を1重量部に減量したこと以外は、実施例16と同様の配合及び、手順に従ってポリオレフィン系樹脂面に、表面処理層と光触媒を含有する最外層を形成してポリオレフィン形樹脂シートを作製した。
【0152】
比較例14〜21の試験結果を表5に示す。
【0153】
【表5】
Figure 0003651583
【0154】
比較例14〜比較例21の評価
比較例14〜比較例21で得られた光触媒担持ポリオレフィン系樹脂シートの評価を上記(I),(II),(III),(IV),(V)より評価した結果、比較例14〜比較例21で得られたスチレン系共重合体樹脂(1)、スチレン系共重合体樹脂(2)及び、スチレン系共重合体樹脂(3)を含有しないポリオレフィン系樹脂フィルム層の表面に形成された、それぞれシリコーン系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(比較例14、比較例19)、シリコーン系樹脂▲2▼ベースの表面処理層(比較例21)、エポキシ系樹脂ベースの表面処理層(比較例15、比較例20)、フッ素系樹脂▲1▼ベースの表面処理層(比較例16)、フッ素系樹脂▲2▼ベースの表面処理層(比較例18)、フォスファーゼン系樹脂ベースの表面処理層(比較例17)は、塩素化ポリオレフィン系樹脂によるプライマー層を設けたことによって、ポリオレフィン系樹脂フィルム層と表面処理層との間の密着性が得られ、セロハン粘着テープ剥離試験(試験I)においてセロハン粘着テープ側への光触媒を含有する最外層が表面処理層ごと剥ぎ取られることはなかった。また、スコット形法屈曲揉み試験(試験II)においても、塩素化ポリオレフィン系樹脂によるプライマー層を設けたことによって、光触媒を含有する最外層が表面処理層ごとポリオレフィン系樹脂フィルム層から擦れて脱落することはなかった。比較例14〜比較例21のシートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれのシートも6ヶ月程度の初期的には曝露汚れが逐次経持的に分解し、降雨によって洗い流されることによって美観を保持していたが、12ヶ月を経過して36ヶ月目までには塩素化ポリオレフィン系樹脂によるプライマー層が耐候劣化してしまい、その結果光触媒を含有する最外層がプライマー層ごと脱落して曝露汚れ防止効果が失われていた。(試験III)また、比較例14〜比較例21のシートの耐光促進試験(試験IV)の結果では、500時間促進後から塩素化ポリオレフィン系樹脂によるプライマー層が変色し、2000時間促進後にはプライマー層は褐色に変色して劣化していた。また更に試験III の屋外曝露シート6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの引裂強度の保持率(試験V)は全て70%以上保持するものではあったが、シートの耐候性、特にプライマー層の耐光性が不満足であるために、屋外使用の産業資材用シートとして実用性に欠如したものであることが明らかとなった。
【0155】
【発明の効果】
上記、実施例3に明らかな様に、本発明の曝露汚れ防止シートは、従来技術におけるポリオレフィン系樹脂シートの表面にコロナ放電処理やプライマー処理などの煩雑な前処理を必要とせず、ポリオレフィン系樹脂シート上に、汎用の表面処理剤と光触媒物質との併用による表面処理層と光触媒層の形成が直接可能となる。また本発明の曝露汚れ防止シートに形成された光触媒層は、ポリオレフィン系樹脂シート基材と強く密着しているため長期間の耐久性に優れている。従って本発明の曝露汚れ防止シートは屋外で使用される大型テント、軒出テント、テントハウス、バックリット看板などの幅広い分野での曝露汚れの目立たない美観保持効果の高い非ポリ塩化ビニル樹脂系のシートとして多目的に利用できるものである。また本発明の曝露汚れ防止シートは、実施例に示す難燃配合により防炎性能を付与することも可能であるため、特にテント用途として極めて有用性の高いシートである。

Claims (18)

  1. ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合体樹脂とを、100:5〜100:100の重量比で含有する樹脂ブレンドから形成された樹脂ブレンド層を含むシート状基材と、このシート状基材の少なくとも片面の全面上に密着して結着している熱可塑性樹脂及び/又は、熱又は光硬化性樹脂を含む表面処理層とを有し、前記表面処理層の全面上に光触媒を含有する最外層が形成されており、
    前記樹脂ブレンド層用前記スチレン系共重合体樹脂が、(1)スチレン重合体ブロック(A)とブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及びA−B型ブロック共重合体;並びに、(2)前記ブロック共重合体(1)中のビニル結合含有(B)成分単位に対して水素添加を施して得られた水素添加スチレン系共重合体樹脂、から選ばれた少なくとも1種からなり、前記共重合体樹脂のスチレン含有量が10〜40重量%である
    ことを特徴とする曝露汚れ防止シート。
  2. 前記表面処理層が、更にケイ素系化合物を5〜35重量%の含有率で含有する、請求項1に記載の曝露汚れ防止シート。
  3. 前記シート状基材に含まれる前記樹脂ブレンド層が、さらに着色剤により着色されており、前記着色剤の少なくとも70重量%以上が無機系顔料からなる、請求項1又は2に記載の曝露汚れ防止シート。
  4. 前記表面処理層に、前記シート状基材の樹脂ブレンド層が結着されていて、この結着界面部分において、前記樹脂ブレンド層中の前記スチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面処理層中の前記熱可塑性樹脂及び/又は前記熱又は光硬化性樹脂の一部分とにより界面接着層が形成されている、請求項1又は2に記載の曝露汚れ防止シート。
  5. 前記シート状基材が、さらに繊維布帛からなる基布層を含み、この基布層の少なくとも1面上に前記樹脂ブレンド層が形成されており、2層の樹脂ブレンド層が形成されている場合には、その少なくとも1層上に前記表面処理層が形成され、この表面処理層上に、前記光触媒含有最外層が形成されている、請求項1又は2に記載の曝露汚れ防止シート。
  6. 前記樹脂ブレンド層に含まれる着色剤が、無機系顔料のみからなる、請求項3に記載の曝露汚れ防止シート。
  7. 前記樹脂ブレンド層に含まれる着色剤が、70〜99重量%の無機系顔料と、1〜30重量%の有機系顔料とからなる、請求項3に記載の曝露汚れ防止シート。
  8. 前記表面処理層が、さらに、着色剤を含み、前記着色剤が70重量%以上の無機系顔料からなる、請求項1又は2に記載の曝露汚れ防止シート。
  9. 前記表面処理層に含まれる前記ケイ素系化合物が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、及びシリカから選ばれる、請求項2に記載の曝露汚れ防止シート。
  10. 前記表面処理層に含まれる熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂が、熱可塑性、及び/又は熱又は光硬化性シリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォスファーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の曝露汚れ防止シート。
  11. 前記光触媒を含有する最外層が、光触媒10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とを含有する、請求項1又は2に記載の曝露汚れ防止シート。
  12. 前記シート状基材の基布の表面上に前記樹脂ブレンド層が形成され、この樹脂ブレンド層上全面に前記表面処理層が形成され、更に、この表面処理層上全面に光触媒を含有する最外層が形成されており、前記基布の裏面の全面上にポリオレフィン系樹脂からなる裏面ポリオレフィン系樹脂層が形成されている、請求項5に記載の曝露汚れ防止シート。
  13. 前記裏面ポリオレフィン系樹脂層が、オレフィン系樹脂エマルジョンまたはディスパージョンの塗布、乾燥によって形成された層である請求項12に記載の曝露汚れ防止シート。
  14. ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合体樹脂とを、100:5〜100:100の重量比で含有する樹脂ブレンドから形成された樹脂ブレンド層を含むシート状基材の少なくとも片面の全面上に、熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂からなる表面処理層を密着結着して形成し、この表面処理層の全面上に光触媒を含有する最外層を形成すること、並びに、前記樹脂ブレンド層用前記スチレン系共重合体樹脂が、(1)スチレン重合体ブロック(A)とブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及びA−B型ブロック共重合体;並びに、(2)前記ブロック共重合体(1)中のビニル結合含有(B)成分単位に対して水素添加を施して得られた水素添加スチレン系共重合体樹脂、から選ばれた少なくとも1種からなり、前記共重合体樹脂のスチレン含有量が10〜40重量%であることを特徴とする曝露汚れ防止シートの製造方法。
  15. 前記表面処理層が更に、ケイ素系化合物を5〜35重量%の含有率で含有する、請求項14に記載の曝露汚れ防止シートの製造方法。
  16. 前記シート状基材に含まれる樹脂ブレンド層形成用樹脂ブレンドを着色剤で着色し、このときの着色剤の70重量%以上を無機系顔料により構成する、請求項14又は15に記載の曝露汚れ防止シートの製造方法。
  17. 前記表面処理層を形成するために、前記表面処理層形成用前記熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂とに対し、それに混和し、かつ前記樹脂ブレンド用スチレン系共重合体樹脂を完全溶解、一部溶解、又は膨潤せしめる有機系溶剤を含むコーティング液を、前記樹脂ブレンド層上に塗布し、この塗布されたコーティング液層から前記有機系溶剤を蒸発除去して、表面処理層を形成し、それによって、前記樹脂ブレンド層と前記表面処理層との界面部分において、前記樹脂ブレンド層中のスチレン系共重合体樹脂の一部分と、前記表面処理層中の熱可塑性樹脂、及び/又は熱又は光硬化性樹脂の一部分とによる界面接着層を形成する、請求項14又は15に記載の曝露汚れ防止シートの製造方法。
  18. 前記表面処理層形成用コーティング液の有機系溶剤が、イソプロパノール、n−ブタノール、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及びテトラヒドロフランから選ばれた少なくとも1種を含む、請求項17に記載の曝露汚れ防止シートの製造方法。
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