JP2002240205A - 耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート、及びその製造方法 - Google Patents

耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート、及びその製造方法

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JP2002240205A JP2001040578A JP2001040578A JP2002240205A JP 2002240205 A JP2002240205 A JP 2002240205A JP 2001040578 A JP2001040578 A JP 2001040578A JP 2001040578 A JP2001040578 A JP 2001040578A JP 2002240205 A JP2002240205 A JP 2002240205A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐酸性雨性、難燃性に優れたポリオレフィン
系樹脂シート及びその製造方法の提供。 【解決手段】 繊維布帛を含む基布の少なくとも1面上
に、(A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレン
ド(メタロセン系触媒を用いて得られた直鎖状低密度エ
チレン−αオレフィン共重合体樹脂(a)と、エチレン
−酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸(エステル)共重
合体樹脂(b)とのブレンド)と(B)20〜200重
量部の表面被覆層付きハロゲン非含有難燃剤粒子と
(C)0.05〜3.0重量部の耐光安定剤とを含むポ
リオレフィン系樹脂被覆層を形成し、共重合樹脂(b)
中の酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の
合計量を、樹脂ブレンド(A)の重量の5〜30%とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に建築物、構築物
などに好適に用いられる繊維布帛を含む耐酸性雨性難燃
化ポリオレフィン系樹脂シート及び、その製造方法に関
する。更に詳しく述べるならば、本発明は、耐酸性雨
性、耐候性、及び難燃性に優れ、かつ高周波融着が可能
で接合部強度が強固であって、テント用膜材、シート倉
庫用膜材、建築現場用養生シート、建築現場用遮音シー
トなどの用途に適した、耐酸性雨性難燃化ポリオレフィ
ン系樹脂シート、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テント用膜材、シート倉庫用膜材、建築
現場用養生シート、建築現場用遮音シートなど、特に建
築物、構築物などの部材として使用される産業資材シー
トは、建築物や構築物と見なされるため消防法に規定さ
れる防炎性能を有することが必要とされている。現在、
これらの用途に使用され、防炎性能を有する産業資材シ
ートとしては、繊維織物にポリ塩化ビニル樹脂を表面被
覆したシート製品がその主流を占めている。しかし最近
食品用途や日用雑貨、玩具などのような、建築物以外の
用途では、ポリ塩化ビニル樹脂製品中に可塑剤として含
まれるフタル酸エステル類に対してホルモン攪乱物質の
疑いが論議され、またフタル酸エステル類を含有するポ
リ塩化ビニル樹脂製品は燃焼時にダイオキシン誘導体を
発生する危険の可能性に対して強い関心が持たれてい
る。特にダイオキシン問題に関してはポリ塩化ビニル樹
脂製品のみならず合成樹脂加工製品全般の野焼きなどの
廃棄が禁止され、また火災に際しては避難安全性の観点
からこれら合成樹脂加工品全般の有毒な燃焼ガス発生抑
制が社会的な要求となっている。このような社会的背景
から使い捨ての用途では極力ポリ塩化ビニル樹脂製品を
削減する方策が種々展開され、例えばポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂を使
用した製品が広く普及し始めている。
【0003】この様な社会的要求が強まる中で、特に例
えばテント、シート倉庫、建築現場養生シート、建築現
場用遮音シートなどの建築物及び構築物向けの用途に適
した膜材には、合成繊維織物を芯材としてその表面にポ
リ塩化ビニル樹脂層を形成した繊維織物補強シートが使
用されている。これらの繊維織物補強シートは、塩化ビ
ニル樹脂組成物層を繊維織物にコーティングあるいは、
ラミネートして形成させた帆布及びターポリンなどであ
る。ポリ塩化ビニル樹脂は、それ自体が高度な難燃性を
有しているため、これらの建築用の帆布やターポリンは
ポリ塩化ビニル樹脂に、三酸化アンチモン及び/又は水
酸化アルミニウムなどの難燃剤を、5〜20重量部とい
う少ない使用量で添加することにより、消防法に定めら
れている防炎規格(消防法施工規則第4条:JIS規格
L−1091)に適合する樹脂被覆シートを得ることが
可能である。しかし、これらの帆布やターポリンの構成
樹脂を、ポリオレフィン系樹脂により置き換えた場合に
は、ポリオレフィン系樹脂自体が易燃性であり、更に可
燃性の合成繊維織物を含むために、十分な難燃性が容易
に得られないという問題がある。従って、これらを難燃
化してその実用性を向上させる必要がある。
【0004】一般にポリオレフィン系樹脂の難燃化に
は、市販の難燃剤又は難燃性樹脂が用いられている。例
えば難燃剤として有機塩素化物、有機臭素化物などのハ
ロゲン化物が特に効果的であり、例えば電線やケーブル
用途では、絶縁材、及び外部被覆材としてポリオレフィ
ン系樹脂に有機塩素化物、有機臭素化物などのハロゲン
化物を配合して難燃化する方法が以前から用いられてい
る(特開昭51−132254号公報、特開昭56−1
36862号公報、特開昭61−254646号公報、
特開昭62−225541号公報)。これらの方法によ
り確かに難燃化されたポリオレフィン系樹脂組成物を得
ることが可能であるが、このような難燃化樹脂は、耐候
性に劣り短期間の屋外使用でも変色し易いという欠点を
有している。この耐候性の悪さは地下埋設の電線用途や
黒着色の製品に対しては問題とならないが、屋外で使用
するシート、特に色彩性が重要視されるテントなどの用
途に対しては大きな問題となる。またこれらのハロゲン
化物はNOx ガス変色を起こす問題がある。
【0005】近年、火災時の安全避難性の観点から有毒
な燃焼ガス抑制の要求が高まるに連れ、難燃剤として、
特に水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムなど
の金属水酸化物、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、二酸
化チタンなどの金属酸化物が使用されている(特開昭6
3−20348号公報、特開昭63−61055号公
報、特開昭63−128038号公報、特開昭63−1
54760号公報、特開平3−20342号公報な
ど)。これらの金属水酸化物及び/又は金属酸化物を用
いる方法の場合、ポリオレフィン系樹脂に充分な難燃性
を付与するためには、金属水酸化物及び/又は金属酸化
物が100〜300重量部という多量に配合されるた
め、ポリオレフィン樹脂組成物中に含まれるこれら金属
水酸化物及び、金属酸化物の割合が50%以上を占める
製品が少なくない。通常この様な多量の難燃剤を配合す
る組成物では、これを効率良く加工するために、難燃剤
粒子の表面を、脂肪酸化合物または、不飽和脂肪酸化合
物などにより表面処理することによって粒子の濡れ性を
改善して樹脂中に均一分散させている。またさらにカッ
プリング剤で表面処理した難燃剤粒子を使用することに
よって難燃剤の多量配合系における難燃剤粒子とポリオ
レフィン系樹脂との親和性と密着性とを向上させ、得ら
れる難燃樹脂成形物の強度低下を少なくするなどの技術
が従来から行われている。また表面処理された難燃剤を
使用することによって難燃樹脂成形物の耐水性を向上さ
せることも可能である。
【0006】最近では、自動車の排気ガスを一因とする
窒素酸化物(NOx ガス)硫黄酸化物(SOx ガス)が
大気中で雨に溶け込んで発生する酸性雨が、環境上の問
題となっている。酸性雨自体は強酸ではないが、雨水の
乾燥に伴って酸性成分が濃縮され、それによって強酸性
化するという厄介な性質を持っている。従って酸性雨に
よる樹木、植物、農作物などの枯死被害、コンクリート
建造物、鉄骨建造物、家屋などの腐食被害、雨濡れ洗濯
物、雨濡れ衣類などの変色被害などが報告されるなど、
根本的解決が困難な問題として知られている。ところ
で、この様な酸性雨の多発する環境下において、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモ
ン、ホウ酸亜鉛、二酸化チタンなどの金属化合物を多量
に含有するポリオレフィン系樹脂組成物から得られた繊
維複合シートを日除けテント、テントハウスなどの長期
用途に使用した場合、ポリオレフィン系樹脂組成物に難
燃剤として含まれる金属化合物が徐々に酸性雨(乾燥時
に濃縮されて残留する強酸)による腐食を受けることに
よって次第に難燃性を失活させていくという問題、また
同時に難燃剤の粒子が腐食で痩せる(体積が減少する)
ことによって、ポリオレフィン系樹脂と粒子との間に微
細な隙間を生じ、樹脂被覆層の強度を著しく低下させる
という問題、更に、酸性雨によってシートの外観が白化
するなどの多くの問題を引き起こしている。この問題
は、表面処理した難燃剤を使用した従来の難燃化ポリオ
レフィン系樹脂組成物によって、初期レベルにおける改
善がある程度可能になるが、屋外において長期にわたり
使用された場合には、表面処理の耐候劣化によって耐水
性が失われ、その結果、酸性雨(乾燥時に濃縮されて残
留する強酸)による腐食を受け、1〜2年でシートが劣
化して使用できなくなるという問題を生じている。
【0007】また、これらの問題以外に、ポリオレフィ
ン系樹脂の誘電損率が低過ぎるために、ポリ塩化ビニル
樹脂製のシートの縫製に使用する高周波融着機が使用で
きないという不便がある。また特殊な熱融着機を用いて
これらのシートを縫製しても、防炎規格(消防法施工規
則第4条:JIS規格L−1091)に適合相当量の多
量のハロゲン非含有難燃剤を含有することによってポリ
オレフィン系樹脂フィルムの強度が設計段階から著しく
低いという問題とともに、合成繊維織物との密着性も十
分に得られないために、縫製接合部の糸抜け破壊を生じ
易いという欠点を有するものであった。またポリオレフ
ィン系樹脂にこれらのハロゲン非含有難燃剤を配合した
コンパウンドは、その混練時において、方法従来の一括
混練法を用いた場合、ハロゲン非含有難燃剤粉体がバン
バリーミキサー、ニーダーなどの混練機の中に沈降、凝
集して残り、このためポリオレフィン系樹脂に対してハ
ロゲン非含有難燃剤を定量分散することが困難となり、
従って消防法に定められる防炎規格に安定して適合でき
ないという不都合があった。
【0008】従ってハロゲン非含有難燃剤を配合するこ
とによって難燃化して得られる防炎シート製品は存在し
ても、十分な酸性雨に対する耐性を有し、その結果、屋
外長期間安定した難燃性を維持可能なポリオレフィン系
樹脂製の帆布シートやターポリンシートは未だに開発さ
れていない。そして、高周波ウエルダー融着が可能で、
接合部強度に優れ、しかも耐光性にも優れたハロゲン非
含有のポリオレフィン系樹脂製の帆布シート及び、ター
ポリンシートなども未だ開発されていないのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ハロゲン非含有の難燃化ポリオレフィン系樹脂シートで
は成し得なかった酸性雨に対する耐性と、屋外長期間安
定した難燃性とを有し、かつ高周波ウエルダー融着性に
も優れ、テント、シート倉庫、建築現場養生シート、建
築現場用遮音シートなどの産業資材用シートの用途に適
したポリオレフィン系樹脂シートを提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の耐酸性雨性難燃
化ポリオレフィン系樹脂シートは、繊維布帛を含む基布
と、前記基布の少なくとも1面を被覆しているポリオレ
フィン系樹脂被覆層とを有し、前記ポリオレフィン系樹
脂被覆層が、(A)100重量部のポリオレフィン系樹
脂ブレンドと(B)20〜200重量部の、粒子本体
と、その表面に形成された表面被覆層を有する少なくと
も1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、(C)0.05
〜3.0重量部の耐光安定剤とを含み、前記ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンド(A)が、(a)メタロセン系触媒
の存在下で、エチレンと、少なくとも1種のα−オレフ
ィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン
系樹脂と、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及
びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体
から選ばれた少なくとも1種からなるエチレン系共重合
体樹脂と、を含み、前記共重合体樹脂(b)に含まれる
酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計
量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)の合計
重量に対して、5〜30重量%の範囲内にある、ことを
特徴とするものである。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリ
オレフィン系樹脂シートにおいて、前記ポリオレフィン
系樹脂被覆層が前記基布の表面を被覆しており、さら
に、前記基布の裏面が、熱可塑性樹脂層により被覆され
ていて、前記熱可塑性樹脂層が、(D)100重量部の
熱可塑性樹脂と(B)20〜200重量部の、粒子本体
と、その表面に形成された表面被覆層とを有する少なく
とも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、(C)0.0
5〜3.0重量部の耐光安定剤とを含むことが好まし
い。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シ
ートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の
表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリア
ジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1
種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆層が、前記
ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量
%であることが好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポ
リオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含
有難燃剤粒子(B)の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更
に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チ
タネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物及びシ
リコーン系化合物から選ばれた1種以上の添加剤が混合
されていて、この添加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重
量に対して、1〜30重量%であることが好ましい。本
発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートに
おいて、前記耐光安定剤が前記ハロゲン非含有難燃剤粒
子(B)の表面被覆層中に、含有されていてもよい。本
発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートに
おいて、前記耐光安定剤(C)が、ベンゾトリアゾール
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン
系化合物から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート
において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の粒子
本体が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合
物の1種以上を含むことが好ましい。本発明の耐酸性雨
性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハ
ロゲン非含有難燃剤粒子(B)の粒子本体用リン含有化
合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン
酸塩、ポリリン酸アンモニウムから選ばれることが好ま
しい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂
シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
の粒子本体用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート
系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系
化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から
選ばれることが好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポ
リオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含
有難燃剤粒子(B)の粒子本体用無機系化合物が、金属
酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸
化物から選ばれることが好ましい。本発明の耐酸性雨性
難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記基布
用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、かつその空
隙率が5〜40%であることが好ましい。本発明の耐酸
性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前
記基布用繊維布帛が、合成非晶質シリカ、コロイダルシ
リカ、有機シラン化合物より選ばれた1種以上のケイ素
化合物を含有する処理剤によって下処理されていること
が好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、前記基布用繊維布帛が、繊維形
成時に難燃剤を練り込み或いはドーピングすることによ
り、又は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されて
いるものであることが好ましい。本発明の耐酸性雨性難
燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記直鎖状
低密度ポリエチレン系樹脂製造用メタロセン系触媒が、
シクロペンタジエニル誘導体、及びインデニル誘導体の
少なくとも1種を含有する有機遷移金属化合物と、アル
キルアルミノキサンとを含むことが好ましい。裏面熱可
塑性樹脂層を有する本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレ
フィン系樹脂シートにおいて、前記裏面熱可塑性樹脂層
用熱可塑性樹脂(D)が、アイオノマー樹脂、アクリル
系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ば
れた1種以上を含むことが好ましい。裏面熱可塑性樹脂
層を有する本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系
樹脂シートにおいて、前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性
樹脂(D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢
酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なく
とも1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素
系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、
熱硬化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹
脂から選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含むもの
であってもよい。
【0011】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートの製造方法は、前記本発明の耐酸性雨性難
燃化ポリオレフィン系樹脂シートを製造するために、
(1)前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に、前記ハ
ロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも1種を高濃
度で含む1種以上の(b)+(B)ペレットを製造し、
(2)前記(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖
状低密度ポリエチレン系樹脂(a)及び前記耐光安定剤
(C)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製し、
(3)前記樹脂コンパウンドを、カレンダー成形又はT
−ダイ押出成形に供して、ポリオレフィン系樹脂フィル
ムを成形し、(4)前記ポリオレフィン系樹脂フィルム
を、前記基布の少なくとも1面に積層・貼着する、こと
を特徴とするものである。本発明の耐酸性雨性難燃化ポ
リオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記基
布の表面に前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層貼
着する工程と、さらに、前記基布の裏面に、熱可塑性樹
脂層を形成する工程とを含み、前記熱可塑性樹脂層が、
(D)100重量部の熱可塑性樹脂と(B)20〜20
0重量部の、粒子本体と、その表面に形成された表面被
覆層を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒
子と、(C)0.05〜3.0重量部の耐光安定剤とを
含み、前記熱可塑性樹脂層の形成工程において、
(a′)熱可塑性樹脂(D)の水性エマルジョン及び水
性ディスパージョンから選ばれた少なくとも1種からな
る水系の樹脂液、あるいは、(b′)熱可塑性樹脂
(D)を有機溶剤中に溶解して得られた溶液、の中に、
前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)及び前記耐光安定
剤(C)を含有させて塗布液を調製し、この塗布液を基
布の裏面に塗布し、乾燥する、ことが好ましい。本発明
の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造
方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
が、その粒子本体の組成、及び/又はその表面被覆層の
組成において異る2種以上からなり、前記(b)+
(B)ペレット製造工程において、 前記2種以上のハ
ロゲン非含有難燃剤粒子(B)の全種を、前記エチレン
系共重合体樹脂(b)中に混合して単1種の(b)+
(B)ペレットを製造してもよい。本発明の耐酸性雨性
難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法におい
て、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)が、その粒子
本体の組成及び/又はその表面被覆層の組成において異
る2種以上からなり、前記(b)+(B)ペレット製造
工程において、前記2種以上のハロゲン非含有難燃剤粒
子(B)の少なくとも1種と、前記エチレン系共重合体
樹脂(b)とを混合して少なくとも2種の(b)+
(B)ペレットを製造し、前記被覆用樹脂コンパウンド
調製工程において、前記2種以上の(b)+(B)ペレ
ットの全種と、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂
(a)及び前記耐光安定剤(C)とを混合して被覆用樹
脂コンパウンドを調製してもよい。本発明の耐酸性雨性
難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法におい
て、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層
が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及
びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上の熱硬
化性樹脂を含み、かつその被覆層が、前記ハロゲン非含
有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量%であること
が好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有
難燃剤粒子(B)の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に
金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタ
ネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物及びシリ
コーン系化合物から選ばれた1種以上の添加剤が混合さ
れていて、この添加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量
に対して、1〜30重量%であることが好ましい。本発
明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製
造方法において、前記耐光安定剤(C)が前記ハロゲン
非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、含有されて
いてもよい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートの製造方法において、前記耐光安定剤
(C)が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレー
ト系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれた1
種以上を含むことが好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃
化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前
記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)が、リン含有化合
物、窒素含有化合物、無機系化合物の1種以上を含むこ
とが好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィ
ン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含
有難燃剤粒子(B)用リン含有化合物が、赤リン、(金
属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アン
モニウムから選ばれることが好ましい。本発明の耐酸性
雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法にお
いて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)用窒素含有
化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シ
アヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合
物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれることが好ま
しい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂
シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤
粒子(B)用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化
物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれるこ
とが好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィ
ン系樹脂シートの製造方法において、前記基布用繊維布
帛が、フィラメント糸条からなり、かつその空隙率が5
〜40%であることが好ましい。本発明の耐酸性雨性難
燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、
前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、有機シラン化合物より選ばれた1種以上のケイ
素化合物を含有する処理剤によって下処理されているこ
とが好ましい。本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィ
ン系樹脂シートの製造方法において、前記基布用繊維布
帛が、繊維形成時に難燃剤を練り込み或いはドーピング
することにより、又は、繊維形成後に後処理により難燃
化処理されているものであることが好ましい。本発明の
耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方
法において、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の製
造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導
体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する
有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含
むことが好ましい。裏面熱可塑性樹脂層を有する本発明
の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造
方法において、前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹脂
(D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上を
含むことが好ましい。裏面熱可塑性樹脂層を有する本発
明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製
造方法において、前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂
(D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも
1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬
化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂か
ら選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含むものであ
ってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオ
レフィン系樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂被覆層
が繊維布帛からなる基布の少なくとも1面に設けられて
いる積層シートであって、前記ポリオレフィン系樹脂被
覆層は、(A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブ
レンドと(B)20〜200重量部の、粒子本体と、そ
の表面に形成された表面被覆層を有する少なくとも1種
のハロゲン非含有難燃剤粒子と、(C)0.05〜3.
0重量部の耐光安定剤とを含み、前記ポリオレフィン系
樹脂ブレンド(A)は、(a)メタロセン系触媒の存在
下で、エチレンと、少なくとも1種のα−オレフィンと
を共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂
と、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチ
レン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂か
ら選ばれた少なくとも1種からなるエチレン系共重合体
樹脂と、を含み、前記共重合体樹脂(b)に含まれる酢
酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計量
は、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)の合計重
量に対して、5〜30重量%の範囲内にある。基布用繊
維布帛は、ケイ素化合物含有組成物により前処理がされ
ていてもよい。本発明において用いられる(メタ)アク
リル酸(エステル)とは、アクリル酸、メタアクリル
酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルを包
含するものである。
【0013】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層のポリオレ
フィン系樹脂ブレンド(A)に使用される直鎖状低密度
ポリエチレン系樹脂(a)としては、メタロセン系触媒
の存在下でエチレンと、好ましくは炭素原子数3〜18
の1種以上のα−オレフィンとを共重合して得られるエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂である。このエチ
レン−α−オレフィン共重合体樹脂(a)は、エチレン
モノマーと、好ましくは炭素原子数3〜18のα−オレ
フィンモノマーとを、メタロセン系均一触媒の存在下、
気相法、スラリー液相法、または高圧法によって重合す
ることにより得られる。α−オレフィンとしては、例え
ばプロピレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、
ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−
1、ヘプタデセン−1、及びオクタデセン−1などが用
いられるが、炭素原子数4〜10のα−オレフィンが特
に好ましい。また、これらのα−オレフィンを1種また
は2種以上用いて、これらをエチレンモノマーと共重合
して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂を
使用してもよい。これらのエチレン−α−オレフィン共
重合体樹脂(a)は、1種のみならず、2種以上のエチ
レン−α−オレフィン共重合体樹脂をブレンドして併用
することもでき、これらのエチレン−α−オレフィン共
重合体樹脂の単一体及び、ブレンド体のメルトインデッ
クスは、0.3〜20g/10min であることが好まし
い。メルトインデックスが、0.3g/10min 未満で
あると、ハロゲン非含有難燃剤粒子(b)との混練性と
成形性が不十分になることがあり、またそれが、20g
/10min よりも高いと、得られる耐酸性雨性難燃化ポ
リオレフィン系樹脂シートの強度及び耐熱性が不十分に
なることがあるだけでなく、粘着性を増してブロッキン
グを生ずることがある。
【0014】本発明に使用されるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体樹脂(a)の重合に使用できるメタロセン
系触媒としては、シクロペンタジエニル誘導体、及びイ
ンデニル誘導体の少なくとも1種を含有する有機遷移金
属化合物の1種以上からなる触媒成分と、1種以上のア
ルキルアミノキサンを含む助触媒とを含むものであるこ
とが好ましい。シクロペンタジエニル誘導体、及び/又
はインデニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物の遷
移金属は、原子周期律表第IVB族から選ばれることが好
ましい。例えばジルコニウム、チタニウム、ハフニウム
であることが好ましい。シクロペンタジエニル誘導体を
含有する有機遷移金属化合物の具体例としては、ビス
(n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロライド、ビス(1−メチル−3−n−プロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1−メ
チル−1エチリデン(シクロペンタジエニル−1−フル
オレニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシラ
ンジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ハフニウムジクロライドなどが例示できる。
【0015】インデニル誘導体を含有する有機遷移金属
化合物の具体例としてはエチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレ
ンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジ
クロライド、などが例示できる。前者のシクロペンタジ
エニル誘導体を含有するメタロセン系触媒はシンジオタ
クシティが高く、また後者のインデニル誘導体を含有す
るメタロセン系触媒はアイソタクシティが高く、これら
のメタロセン系触媒を使い分けることによってエチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂の立体規則性をコントロ
ールして得ることができる。
【0016】本発明に使用するエチレン−α−オレフィ
ン共重合体樹脂(a)の重合には、前述のようにメタロ
セン系触媒系用助触媒としてアルキルアルミノキサンを
併用すると、重合活性効率を向上させることができる。
上記アルキルアルミノキサンとしてはメチルアルミノキ
サン、エチルアルミノキサン、及びイソブチルアルミノ
キサンなどが例示できる。例えば、アルキルアルミノキ
サンはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ムなどの有機アルミニウムと水との縮合によって得られ
る−(Al(CH3 )−O−)n −縮合物が使用でき
る。アルキルアルミノキサンの添加量はメタロセン系触
媒に対して金属原子数比(アルミニウム原子/メタロセ
ン系触媒の遷移金属原子)が100〜1000であるこ
とが好ましく、また重合系内に使用されるメタロセン系
触媒量としては、重合系の容積1リットルに対して1×
10-8〜1×10-3グラム原子の量で使用されることが
好ましい。また、必要に応じて重合活性を高める目的
で、従来公知のプロトン酸、ルイス酸、ルイス酸性化合
物を触媒系中に併用してもよい。プロトン酸、ルイス
酸、ルイス酸性化合物の種類には特に限定はないが、ホ
ウ素系化合物を好ましく使用できる。
【0017】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層用ポリオレ
フィン系樹脂ブレンド(A)に使用できるエチレン系共
重合体樹脂(b)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂及び/又はエチレン−(メタ)アクリル酸(エステ
ル)共重合体樹脂を含み、これらは、ラジカル重合法に
より製造された共重合体樹脂であることが好ましい。エ
チレンモノマーとラジカル重合し得るモノマーとして
は、例えばアクリル酸、メタアクリル酸などの不飽和カ
ルボン酸、そのエステル化物や酸無水物及び酢酸ビニル
が挙げられる。不飽和カルボン酸のエステル化物として
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げ
られる。これらのモノマーは、1種のみならず2種以上
用いるとができる。
【0018】また具体的には、エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂としては、エチレンモノマーと酢酸ビニルモ
ノマーとの重合によって得られるもの、エチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂としては、エ
チレンモノマーとアクリル酸モノマーとの重合によって
得られるエチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン
モノマーとアクリル酸エステルモノマーとの重合によっ
て得られるエチレン−アクリル酸エステル共重合体樹
脂、エチレンモノマーとメタアクリル酸モノマーとの重
合によって得られるエチレン−メタアクリル酸共重合体
樹脂、エチレンモノマーとメタアクリル酸エステルモノ
マーとの重合によって得られるエチレン−メタアクリル
酸エステル共重合体樹脂など、及びこれらの2種類以上
の混合物が挙げられる。
【0019】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド(a)に
使用されるエチレン系共重合体樹脂として、好ましく
は、酢酸ビニル成分含有量が5〜60重量%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂、もしくは、(メタ)アクリ
ル酸(エステル)成分含有量が5〜60重量%のエチレ
ン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂が用
いられる。またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂と
(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂とのブレ
ンドにおいては、酢酸ビニル成分と(メタ)アクリル酸
(エステル)成分の合計含有量が5〜60重量%である
ことが好ましい。これらのエチレン系共重合体樹脂
(b)のメルトインデックスは、0.3〜20g/10
min のものが本発明に適して使用できる。メルトインデ
ックスが、0.3g/10min 未満であるとハロゲン非
含有難燃剤の混練性と成形性が不十分になることがあ
り、また、それが20g/10min よりも高いと、得ら
れる耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの強
度及び耐熱性が不十分になることがあり、また、粘着性
を増してブロッキングを生ずることがある。
【0020】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂ブレンド(a)に
おいて、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(エチレ
ン−α−オレフィン共重合体樹脂)(a)と、上記エチ
レン系共重合体樹脂(b)とのブレンド(a)におい
て、成分(a)と(b)との重量比は100:10〜1
00:100であることが好ましい。このポリオレフィ
ン系樹脂ブレンド(a)の合計重量に対して、エチレン
系共重合体樹脂(b)中の酢酸ビニル成分と、及び(メ
タ)アクリル酸(エステル)成分の合計量の重量比が5
〜30重量%である。前記重量比が100:10未満で
あると、得られるポリオレフィン系樹脂シートの高周波
ウエルダー融着性及び、難燃性、柔軟性が不十分となり
好ましくなく、またそれが100:100を越えると得
られるポリオレフィン系樹脂シートの被膜樹脂強度が不
十分となり擦り傷が付き易くなるなどの不都合を生ず
る。また同時にポリオレフィン系樹脂ブレンド層に含ま
れる酢酸ビニル成分と、(メタ)アクリル酸(エステ
ル)成分の合計含有量は5〜30重量部、最適には8〜
20重量部であることが好ましい。酢酸ビニル成分と、
(メタ)アクリル酸(エステル)成分の合計含有量が5
重量%未満だと得られるポリオレフィン系樹脂膜材の高
周波ウエルダー融着性、及び難燃性、柔軟性が不十分と
なり好ましくなく、30重量%を越えると得られるポリ
オレフィン系樹脂シートの被膜樹脂強度が不十分となり
擦り傷が付き易くなり好ましくない。また耐熱クリープ
性が不十分となり好ましくない。
【0021】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層に使用され
るエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(a)と、エ
チレン系共重合体樹脂(b)の上記ブレンド(A)成分
の密度は、0.913〜0.938g/cm3 であること
が好ましく、特に0.916〜0.933g/cm3 の範
囲であることがより好ましい。密度が0.938g/cm
3 を越えると得られる樹脂ブレンドの結晶化度が大きく
なると同時に風合いが硬くなることがあり、またハロゲ
ン非含有難燃剤粒子(b)及び、耐光安定剤(C)がポ
リオレフィン系樹脂シートの表面にブルームして外観を
曇らせることがある。また密度が0.913g/cm3
満では、耐ブルーム性は良好となるが、フィルム強度と
耐熱性が低下して十分な摩耗強度が得られなくなること
があり、また高周波ウエルダー融着性が不十分になるこ
とがある。
【0022】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、前記
直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)の他に、耐衝撃
強度改善及び樹脂摩耗強度の改善などのために、メタロ
セン触媒の存在下、プロピレンモノマーの自己重合によ
って得られるアイソタクティックポリプロピレン樹脂、
及び/又はシンジオタクティックポリプロピレン樹脂5
〜10重量%程度を添加してもよい。
【0023】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、有機
系顔料及び/又は無機系顔料によって着色されていても
よい。有機系及び無機系顔料としては従来公知のものが
使用でき、特に制限はない。
【0024】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層に含まれる
粒子状ハロゲン非含有難燃剤(B)は粒子本体と、その
表面を被覆している表面被覆層とを有し、粒子本体とし
ては、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物
のいずれか1種以上が用いられることが好ましく、ポリ
オレフィン系樹脂ブレンド(a)100重量部に対し、
ハロゲン非含有難燃剤粒子(b)を20〜200重量部
配合して使用される。
【0025】前記リン含有化合物としては、赤リン、
(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸
アンモニウムが挙げられる。赤リンとしては、黄リンを
不活性ガス雰囲気下、250〜350℃の加熱によって
赤リンに転化された平均粒子径5〜25μmの粉末状の
赤リンが使用できる。また、本発明に使用する赤リンと
しては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂の熱硬化性樹脂から選ばれ
た1種以上により表面被覆された平均粒子径5〜25μ
mの粉末状の赤リン粒子を使用することが好ましい。
【0026】金属リン酸塩としてはリン酸、亜リン酸、
次亜リン酸などの金属塩が挙げられる。リン酸と塩を形
成する金属としてはNa、K、Li、Ca、Ba、M
g、Al、Znなどが挙げられる。有機リン酸塩として
は、(亜)リン酸モノアルキルエステルの金属塩、
(亜)リン酸ジアルキルエステルの金属塩が挙げられ
る。有機リン酸と塩を形成する金属としてはNa、K、
Li、Ca、Ba、Mg、Al、Znなどが挙げられ
る。ポリリン酸アンモニウム系化合物としては、オルソ
リン酸アンモニウムと含窒素化合物との縮合物である縮
合系リン酸塩化合物を用いることができる。縮合系リン
酸塩化合物としては、ポリリン酸アンモニウム、メラミ
ン変性ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンな
どが使用できる。ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO
3n としては、重合度nが200以上のものが好まし
く用いられる。ポリリン酸アンモニウムの重合度nが2
00未満であると、ポリリン酸アンモニウムが水溶性と
なり、水に溶出してしまうことにより難燃化効果の持続
性が失われるなどして降雨に晒される用途には不適切と
なる。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シー
トに使用できる縮合リン化合物としては、メラミン樹
脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂などの窒素含有熱可塑性
樹脂で表面被覆処理された重合度nが600〜1200
のポリリン酸アンモニウムが好ましく使用できる。
【0027】ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)に用いら
れる前記窒素含有化合物としては、(イソ)シアヌレー
ト系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン
系化合物、尿素系化合物及びこれらの誘導体化合物から
選ばれた1種以上であることが好ましい。具体的に窒素
含有化合物としては、トリメチルシアヌレート、トリエ
チルシアヌレートなどのシアヌレート誘導体、及びこれ
らの(イソ)シアヌレート誘導体とメラミン系化合物と
の複合物、トリメチルイソシアヌレート、トリエチルイ
ソシアヌレートなどのイソシアヌレート誘導体、メラミ
ン(シアヌル酸アミド)、グアナミン、ベンゾグアナミ
ン、硫酸メラミン、トリメチロールメラミン、シアヌル
酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエチルエステ
ル、シアヌル酸モノアミド、シアヌル酸ジアミド、及び
1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリオキシ−
1,3,5−トリアジンなどのシアヌル酸誘導体、また
イソシアヌル酸モノイミド、イソシアヌル酸ジイミド、
イソシアヌル酸トリイミド、トリメチルジシアナミド、
トリエチルジシアナミド、トリカルボイミド、及びジシ
アナミドの3量体(メロン)などのイソシアヌル酸誘導
体、またジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グ
アニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジ
ン、及びジグアニドなどのグアニジン誘導体、尿素、チ
オ尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチ
ル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素な
どの尿素系化合物、及びこれらの窒素含有化合物の複合
物が挙げられる。またこれらの窒素含有化合物とポリリ
ン酸との複合物、例えばポリリン酸とメラミンの複合
物、ポリリン酸とメラミンの2量体との複合物などが挙
げられる。その他の窒素含有化合物として、ピロール
類、インドール類、オキサゾール類、オキサジン類、チ
アジン類、ピリダジン類などの複素環式化合物なども使
用することができる。
【0028】ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の粒子本
体として用いられる前記無機系化合物としては、金属酸
化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化
物などが挙げられる。これらは具体的に、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化モリブデ
ン、酸化アンチモンなどの金属酸化物、及びホウ酸亜
鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アル
ミニウム、チタン酸カリウム、ジルコニウム−アンチモ
ンなどの金属複合酸化物などが挙げられる。また水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸
マグネシウムなどの金属水酸化物、及びドロマイト、ハ
イドロタルサイト、ヒドロキシスズ酸亜鉛、酸化スズの
水和物、ホウ砂などの金属複合水酸化物、これらの無機
系化合物粒子の粒径は、化合物の種類によって異なるが
例えば平均粒径が、20μm以下、好ましくは10μm
以下であるものが加工性、分散性のうえで好ましく、ま
たこれらの無機系化合物は、1種または2種以上併用す
ることもできる。
【0029】これら前記ハロゲン非含有難燃剤粒子
(B)の表面被覆層は、熱硬化性樹脂から選ばれた1種
以上を含み、上記ハロゲン非含有難燃剤に対し2〜15
重量%、最適量としては3〜10重量%の被覆率で形成
される。ハロゲン非含有難燃剤の被覆率が2重量%未満
であると得られるシートの耐水性と酸性雨による耐腐食
性が不十分になることがあり、また被覆率が15重量%
を越えると、ハロゲン非含有難燃剤の表面被覆処理工程
で、難燃剤粒子が凝集し、ポリオレフィン系樹脂への分
散性と加工性を悪くすることがあり、また得られるシー
トの機械的強度を低下させることがある。
【0030】表面被覆層に使用できる前記熱硬化性樹脂
としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。エポキ
シ樹脂としてはフェノール類、またはアルコール類とエ
ピクロルヒドリン(ECH)との重縮合によって得られ
るグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えばビスフェ
ノールAとECHとの重縮合によって得られるビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。特にフェノール
誘導体としてフェノールノボラックを使用した多官能グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂などが3次元編目構造
を生成するため好ましく使用できる。その他、カルボン
酸類とECHとの重縮合によって得られるグリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂、アミン類または、シアヌル酸
類、または、ヒダントイン類などとECHとの重縮合に
よって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、及び
脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。またこれらのエ
ポキシ樹脂にはポリアミン、変性ポリアミン、酸無水
物、イソシアネート、ポリメルカプタン及び有機酸など
の重付加型硬化剤、3級アミン、イミダゾール、ルイス
酸、ブレンステッド酸塩などの触媒型硬化剤、レゾール
型フェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メチロ
ール基含有メラミン樹脂などの縮合型硬化剤などを併用
してさらに樹脂を硬化させることができる。
【0031】前記不飽和ポリエステル樹脂としては、不
飽和二塩基酸を含む二塩基酸と二価アルコールとの重縮
合によって得られ、不飽和結合をビニルモノマーで架橋
したものが挙げられる。不飽和二塩基酸としては無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられ、二塩
基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸などが挙
げられる。また多価アルコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ルなどが挙げられる。また架橋用のビニルモノマーとし
てはスチレン、ビニルトルエン、フタル酸ジアリル、シ
アヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチルなどが挙げら
れる。その他、不飽和ポリエステル樹脂としてビニルエ
ステル樹脂を使用することもできる。
【0032】前記フェノール樹脂としては、フェノール
または、フェノール誘導体とホルムアルデヒドとの酸性
触媒存在下での縮合によって得られるノボラック型樹脂
をヘキサメチレンテトラミンのような架橋剤と共に加熱
して硬化させたもの、あるいはフェノールまたは、フェ
ノール誘導体とホルムアルデヒドとの塩基性触媒存在下
での縮合によって得られるレゾール型樹脂を酸触媒また
は加熱によって硬化させたものが挙げられる。フェノー
ル誘導体としては(o−,m−,p−)クレゾール、
(2,3−,2,4−,2,5−,2,6−,3,4
−,3,5−)キシレノール、レゾルシノールなどが挙
げられ、フェノールと併用することにより得られるフェ
ノール樹脂の特性をコントロールすることができる。
【0033】前記メラミン樹脂としては、メラミンまた
は、メラミン誘導体とホルムアルデヒドとの付加によっ
て得られるメチロール化メラミンを縮合したもの、尿素
樹脂としては、尿素または、尿素誘導体とホルムアルデ
ヒドとの付加によって得られるメチロール化ユリアを縮
合したもの、トリアジン樹脂としては、グアナミンまた
は、グアナミン誘導体とホルムアルデヒドとの付加によ
って得られるメチロール化グアナミンを縮合したものな
どが挙げられる。またメチロール化においてメラミン、
尿素、グアナミン及び、これらの誘導体を2種以上用い
て付加させて共縮合樹脂させた物であっても良い。
【0034】前記ジアリルフタレートとしては、アリル
クロライドと無水フタル酸との付加体であるジアリルオ
ルソフタレートまたは、アリルクロライドとイソフタル
酸との付加体であるジアリルイソフタレートを線上にラ
ジカル重合させたプレポリマーを、熱硬化、または紫外
線硬化させたものが挙げられる。
【0035】更に本発明に使用されるハロゲン非含有難
燃剤粒子(B)の表面被覆層には、金属アルコキシド化
合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アル
キルフルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物から選
ばれた1種以上の添加化合物が含有されることが好まし
い。これらの添加化合物は前記熱硬化性樹脂に対し、1
〜30重量%含有されることが好ましい。上記添加化合
物が表面被覆層中に均一分散して含まれる場合には、前
記熱硬化性樹脂に対する含有量が1〜10重量%である
ことが好ましく、またハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
の表面を上記添加化合物で表面処理したものに、前記熱
硬化性樹脂で表面処理被覆したもの、あるいはハロゲン
非含有難燃剤粒子(B)の表面を前記熱硬化性樹脂で表
面処理被覆したものに上記添加化合物でさらに表面処理
したものなどの場合には、前記熱硬化性樹脂に対する上
記添加化合物の含有量が10〜30重量%であることが
好ましい。
【0036】前記金属アルコキシド化合物としては、M
(OH)n の金属水酸化物の水酸基をアルコキシ基(O
R:−OCH3 、−OC25 、−OC37 、−OC
4 9 などで置換した有機金属化合物M(OR)n であ
る。金属Mとしては、Ba、Y、Cu、Zr、Nb、T
a、In、Sn、Fe、Si、Ga、Sr、W、Mn、
Co、Zn、Ni、Al、La、Tiなどが挙げられ
る。これらは具体的に、ジエトキシバリウム、ジ−i−
プロポキシバリウム、ジ−n−ブトキシバリウム、トリ
エトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニ
ウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、テトラエトキ
シシリコン、テトラ−i−プロポキシシリコン、テトラ
−n−ブトキシシリコンなどである。これらの金属アル
コキシドは、公知のゾル−ゲル法、または、加水分解沈
殿法によって加水分解させ、重縮合して用いることがで
きる。
【0037】前記有機シラン化合物としては、一般式:
XR−Si(Y)3 で表される分子中に2個以上の異な
った反応基を有するシランカップリング剤で、例えば、
X=アミノ基、ビニル基、エポキシ基、クロル基、メル
カプト基など(R=アルキル鎖)、Y=メトキシ基、エ
トキシ基などである。またこれらの加水分解物、及びア
ルコキシシラン化合物との共加水分解化合物なども使用
できる。具体的に有機シラン化合物としては、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオ
クチルエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。こ
れらの有機シラン化合物は1〜5重量%濃度で使用し、
加水分解させて使用することができる。また有機シラン
化合物として、変性ジメチルポリシロキサンを使用する
ことができる。
【0038】前記有機チタネート化合物としては、テト
ラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テ
トラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチ
タンポリマー、テトラ−n−ブトキシチタンポリマーな
どのチタニウムアルコキシド化合物、トリ−n−ブトキ
シチタン・ステアレート、イソプロポキシチタン・トリ
ステアレートなどのチタニウムアシレート化合物、ジ−
i−プロポキシチタン・ビスアセチルアセトナト、ジ−
i−プロポキシチタン・ビスエチルアセトアセタトなど
のチタニウムキレート化合物、イソプロポキシチタン・
トリイソステアレート、イソプロポキシチタン・ジメタ
クリレート・イソステアレート、イソプロポキシチタン
・トリスジオクチルホスフェート、ビスジオクチルホス
フェート・エチレングリコラトチタン、ジ−n−ブトキ
シ・ビストリエタノールアミナトチタンなどのチタンカ
ップリング剤が挙げられる。有機チタネート化合物は1
〜3重量%濃度で使用し、加水分解させて使用すること
ができる。
【0039】前記アルキルフルオロ基含有化合物のう
ち、フッ素系化合物としては炭素原子数が4〜20、好
ましくは6〜12のパーフルオロアルキル基(Cn
2n+1)と親水性基とを有する化合物であって、水溶液中
での表面張力が10〜15 dyn/cmであることが好まし
い。このようなフッ素系化合物としては、例えば、フル
オロアルキル(C4 〜C10)カルボン酸、N−パーフル
オロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3
−〔フルオロアルキル(C6 〜C11)オキシ〕−1−ア
ルキル(C3 〜C4 )スルホン酸ナトリウム、3−〔ω
−フルオロアルカノイル(C6 〜C8 )−N−エチルア
ミノ〕−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−〔3
−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル〕
−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニ
ウムベタイン、フルオロアルキル(C 11〜C20)カルボ
ン酸、パーフルオロアルキル(C7 〜C13)カルボン
酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミ
ド、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸塩
(Li,K,Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロ
キシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パ
ーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル
(C6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩
(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホ
ニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロア
ルキル(C6 〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げ
られる。これらのフッ素系化合物はエマルジョン化され
たものであってもよい。前記ハロゲン非含有難燃剤粒子
(B)の表面被覆層に用いられるフッ素系化合物は、1
00℃前後の予備乾燥が施された後、150〜180℃
で熱処理されることが好ましくこのようにすると、パー
フルオロ基の配向が整列される。
【0040】前記シリコーン系化合物としては、メチル
クロロシラン、メチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルハイ
ドロジエンポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサ
ン類、フッ素変性ポリシロキサン類、ポリエーテル変性
ポリシロキサン類、アルコール変性ポリシロキサン類、
アミノ変性ポリシロキサン類、エポキシ変性ポリシロキ
サン類、フェノール変性ポリシロキサン類、カルボキシ
変性ポリシロキサン類、メルカプト変性ポリシロキサン
類などが挙げられる。これらのシリコーン化合物のう
ち、変性ポリシロキサンとしては、その変性部位が側鎖
変性体であるもの、両末端変性体であるもの、及び片末
端変性体であるものなどが挙げられる。また特にメチル
ハイドロジエンポリシロキサンまたは、メチルハイドロ
ジエンポリシロキサンと、水酸基両末端ジメチルポリシ
ロキサンとの併用物が好ましく使用できる。またメチル
ハイドロジエンポリシロキサン分子間にシロキサン(S
i−O−Si)架橋生成を促進させる触媒として2−エ
チルヘキシル酸または酢酸などの有機酸の金属塩を使用
してもよく、前記ハロゲン非含有難燃剤に対する固着性
を高めるためにアミノプラスト系樹脂を併用することも
できる。前記ハロゲン非含有難燃剤に処理されたシリコ
ーン系化合物は100℃前後の予備乾燥が行われた後、
150〜180℃で熱処理されることがシロキサン架橋
形成を促進するため好ましい。
【0041】前記リン含有化合物、前記窒素含有化合
物、及び前記無機系化合物などのハロゲン非含有難燃剤
粒子(B)の表面処理被覆に使用する熱硬化性樹脂とし
ては、前記熱硬化性樹脂、即ちエポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素
樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂か
ら選ばれた何れであってもよいが、特にメラミン樹脂、
尿素樹脂、トリアジン樹脂を使用すると表面被覆処理が
簡便になるので好ましい。前記リン含有化合物としては
特にポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンが好
ましく、これらの粒子をメラミン樹脂、尿素樹脂、トリ
アジン樹脂などの熱硬化性樹脂で表面被覆したものが特
に好ましく使用できる。
【0042】また前記窒素含有化合物としては特に(イ
ソ)シアヌル酸誘導体、(イソ)シアヌレート誘導体な
どが好ましく、これらをメラミン樹脂、尿素樹脂、トリ
アジン樹脂などの熱硬化性樹脂で表面被覆したものが好
ましく使用できる。またこれらの表面被覆層にはアルキ
ルフルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物などの添
加化合物含むことが好ましく、これらの表面被覆層には
更に耐光安定剤が含まれることが好ましい。
【0043】ポリオレフィン系樹脂被覆層においてポリ
オレフィン系樹脂ブレンド(A)100重量部に対し、
表面被覆層を有するハロゲン非含有難燃剤粒子(B)2
0〜200重量部の重量比で配合して使用される。また
この時、難燃剤粒子(B)の凝集を防止する目的と、樹
脂中への分散性を向上させる目的で、これらのハロゲン
非含有難燃剤粒子(B)には、オレイン酸、ラウリン
酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ニン酸などの高級脂肪酸、及びこれらの高級脂肪酸の金
属塩による表面改質処理がさらに施されていてもよい。
【0044】また、ハロゲン非含有難燃剤粒子の粒子本
体が無機系化合物からなる場合、表面被覆層形成のため
に熱硬化性樹脂に併用される金属アルコキシド化合物、
有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフ
ルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物などの添加化
合物のうち、特に金属アルコキシド化合物、有機シラン
化合物、有機チタネート化合物を用いることが好まし
い。この金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、
有機チタネート化合物から選ばれた1種以上の添加化合
物は、前記熱硬化性樹脂中に均一に分散して表面被覆層
を形成してもよく、またあるいは、この金属アルコキシ
ド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物か
ら選ばれた1種以上の添加化合物によって無機系化合物
粒子の表面を処理し、その上に熱硬化性樹脂による表面
被覆を行ってもよい。前記無機系化合物としては、特に
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを用いる
ことが好ましく、これらの表面被覆層には更に耐光安定
剤を含んでいてもよい。
【0045】本発明に使用するハロゲン非含有難燃剤粒
子(B)の表面被覆層の形成方法は、用いられるハロゲ
ン非含有難燃剤粒子(B)の粒子本体及び用いられる上
記熱硬化性樹脂の性状及び形態に応じて、気相法、液相
法、マイクロカプセル法、オートクレーブ法、スプレー
法、メカノケミカル法などの公知の方法から適宜選択す
ることができる。ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の粒
子本体の表面被覆は、ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
用粒子本体を熱硬化性樹脂溶液中に分散・接触させて行
う方法が簡便で好適である。この時、熱硬化性樹脂溶液
としては、有機溶剤中に溶解した溶液、またはエマルジ
ョン、或は熱硬化性樹脂前駆体を有機溶剤中に溶解させ
た溶液、または熱硬化性樹脂前駆体の水溶液、の何れで
あってもよい。またこの時、金属アルコキシド化合物、
有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフ
ルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物などの化合
物、特に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、
有機チタネート化合物から選ばれた1種以上の添加化合
物と、さらに耐光安定剤を含有して用いることができ
る。
【0046】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、耐光
安定剤(C)が、ポリオレフィン系樹脂ブレンド(a)
100重量部に対し、0.05〜3.0重量部含有され
ている。ポリオレフィン系樹脂ブレンド(a)に添加す
る耐光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、
ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合
物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物
が挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−te
rt−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクト
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(4’−オク
トキシ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,
α−ジメチルベンジル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(2−フェニル
イソプロピル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒド
ロキシ−3’−(3'',4'',5'',6''−テトラヒド
ロフタロイド−メチル)−5’−メチルフェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、メチル−3
−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピ
オネートとポリエチレングリコール(分子量300)と
の縮合物などが挙げられる。
【0047】前記ベンゾフェノン系化合物としては、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、
2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
などが挙げられる。また前記シアノアクリレート系化合
物としてはエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3
−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。サリシレ
ート系化合物としてはフェニルサリシレート、4−t−
ブチル−フェニルサリシレート、4−t−オクチル−フ
ェニルサリシレート、ビスフェノールA−ジサリシレー
トなどが挙げられる。
【0048】前記ヒンダードアミン系化合物としてはビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−
4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチル
ヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4
−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート、コ
ハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、N,
N’,N'',N''' −テトラキス[4,6−ビス〔ブチ
ル(N−メチル−2,2,6,6,−テトラメチルピペ
リジン−4−イル)アミノ〕トリアジン−2−イル]−
4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−
オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキソ−
7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.1
1.2]−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエ
ステル/テトラデシルエステル、2,2,4,4−テト
ラメチル−7−オキサ−3,10−ジアザ−20(2,
3−エポキシプロピル)ジスピロ[5.1.11.2]
−ヘネイコサン−21−オンの重縮合物、プロパンジオ
ン酸[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペラジニ
ル)エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド−
N,N’−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4
−ピペラジニル)、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、
ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N’−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
−1,6−ヘキサメチレンジアミン−N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミン
の重縮合物などが挙げられる。
【0049】ポリオレフィン系樹脂ブレンド(a)に添
加する耐光安定剤(C)としては上記化合物から選ばれ
た2種以上を組み合わせて使用することもできる。特に
これらの化合物の融点が150℃以下のものがポリオレ
フィン系樹脂ブレンド(A)との混練時、分散性が良好
であるので好ましく、またヒンダードアミン系化合物と
しては、ピペリジル基のN位水素がメチル基などのアル
キル基で置換されたもの、メトキシ基などのアルコキシ
基で置換されたものが、より安定性に優れているため特
に好ましい。耐光安定剤(C)の添加量は、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンド(A)100重量部に対して0.0
5〜3.0重量部である。添加量が0.05未満だと耐
光性が満足に得られず、またそれが3.0重量部を越え
て添加した場合には、耐光性は十分なものとなるが、添
加量の増量に見合う耐光性の向上が得られず、反対に耐
光安定剤のブルームのトラブルを引き起こすことがあり
好ましくない。
【0050】また前記耐光安定剤(C)は前記ハロゲン
非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、さらに含有
されていてもよい。この場合、上記耐光安定剤(C)
は、前記熱硬化性樹脂と、前記金属アルコキシド化合
物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキ
ルフルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物から選ば
れた1種以上の添加化合物とからなる表面被覆層に対
し、0.05〜3.0重量%、最適量としては、0.1
〜1.5重量%の配合量であることが好ましい。上記耐
光安定剤の前記配合量が0.05%に満たないと、ハロ
ゲン非含有難燃剤の表面処理被覆層に含まれる熱硬化性
樹脂が光劣化し、降雨中に含まれる窒素酸化物、及び硫
黄酸化物による腐食を受けることによって次第に難燃性
を失活させる問題と、同時に難燃剤粒子が腐食によって
痩せる(体積減少する)ことによって、得られるシート
の強度が低下することがある。また上記耐光安定剤の配
合量が3.0%を越えると、熱硬化性樹脂から耐光安定
剤がブルームするのみならず、得られるシートの難燃性
を低下させることがある。
【0051】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層形成用フィ
ルムは、従来公知の成型加工方法、例えばT−ダイス押
出法、インフレーション法、カレンダー法などによって
形成することができる。ポリオレフィン系樹脂被覆層形
成用コンパウンドを、例えば、バンバリーミキサー、ニ
ーダーで溶融混練後にカレンダー成型する方法によっ
て、また二軸混練機などを用いて溶融混練後、単軸押出
機、二軸押出機などで溶融混練造粒してからT−ダイス
押出成型、インフレーション成型などの方法によってフ
ィルムに成型されてもよい。本発明の耐酸性雨性難燃化
ポリオレフィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被
覆層用フィルムは、1種以上のハロゲン非含有難燃剤粒
子(B)を一括して高濃度で含有させたポリオレフィン
系樹脂ブレンド(A)とから造粒されたペレット、また
は2種以上の難燃剤粒子(B)を、それぞれ別々に高濃
度で含有させたポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)を
造粒したペレットを予め製造しておき、これをポリオレ
フィン系樹脂被覆層を形成するためのコンパウンド組成
樹脂の一部として配合してバンバリーミキサー、ニーダ
ーなどで溶融混練し、この混練物をカレンダー法により
フィルム成型してもよく、この方法はハロゲン非含有難
燃剤を効率よく定量分散できるので好ましい。従来の一
括混練法では、これらのハロゲン非含有難燃剤の粒子が
バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機の中に沈
降、凝集して残ることがあり、このためポリオレフィン
系樹脂ブレンド(A)に対してハロゲン非含有難燃剤粒
子(B)を定量分散することが不十分であって、この結
果消防法に定められる防炎規格(消防法施工規則第4
条:JIS規格L−1091)に不適合となることがあ
る。上記これらの造粒ペレットにはハロゲン非含有難燃
剤粒子(B)以外に有機系顔料、無機系顔料などの着色
剤、及び耐光安定剤(C)などを溶融混練造粒されてい
てもよい。
【0052】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルム
は、上記コンパウンドを用いてT−ダイ押出法、インフ
レーション法、カレンダー法などの加工技術によって製
造することができるが、特に有機系顔料、無機系顔料な
どによって着色されたフィルムの製造、あるいは色替え
作業の多い加工には、カレンダー法を用いると、コンパ
ウンドロスが少なく簡便である。本発明の耐酸性雨性難
燃化ポリオレフィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹
脂被覆層用フィルムはカレンダー法によって100〜2
00℃の温度範囲でフィルムに成型加工されることが好
ましく、成型時の加工性とフィルム外観を向上させる目
的でリン酸エステル系、脂肪族アミド系、モンタン酸系
の滑剤を添加することが好ましい。カレンダー法により
得られるポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの厚さ
は、80〜500μm、であることが好ましく特に13
0〜300μmであることがより好ましい。厚さがこの
範囲よりも薄いと成型加工が困難な上に基布にラミネー
トした時に、基布用繊維布帛の織交点部上において、フ
ィルムの頭切れを起こし、防水性を損ない、シートの耐
久性が低下することがある。本発明の耐酸性雨性難燃化
ポリオレフィン系樹脂シートの厚さに制限はないが、8
0〜500μmのポリオレフィン系樹脂被覆層用フィル
ムを、1〜4枚用いて基布上にラミネートすることが好
ましい。特に130〜300μmのポリオレフィン系樹
脂被覆層用フィルムを2枚用いて基布の両面に積層貼着
することが好ましい。
【0053】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートの基布に使用できる繊維布帛としては、織
布、編布のいずれでもよく、織布としては平織、綾織、
繻子織などが挙げられるが、特に平織織布を用いると得
られるポリオレフィン系樹脂シートの経・緯物性バラン
スが優れている。繊維布帛の経糸・緯糸の糸条は合成繊
維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2
種以上から成る混用繊維のいずれによって製織されても
良いが、加工性と汎用性を考慮するとポリプロピレン繊
維、ポリエチレン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊
維、芳香族ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維などの
糸条が好ましく使用できる。また、これらの繊維糸条
は、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、モノフ
ィラメント糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなど
のいずれの形状でも使用できるが、マルチフィラメント
糸条が最も好ましい。また無機繊維としてはガラス繊
維、シリカ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維などのマルチ
フィラメント糸条が使用できる。本発明の高周波融着性
ポリオレフィン系樹脂シートの基布に使用される繊維織
布としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ビニロン繊維、及びこれらの混用繊維か
らなるマルチフィラメント繊維糸条による平織織布であ
ることが好ましい。これらの繊維布帛としては、必要に
応じて難燃化処理された繊維布帛及び、予め難燃化され
た繊維によって製織された布帛を使用することもでき
る。難燃化処理された繊維布帛としては、繊維の種類に
応じて、リン酸エステル系化合物難燃剤、ポリリン酸ア
ンモニウム系化合物難燃剤、(イソ)シアヌル酸誘導体
化合物難燃剤、シアナミド系化合物難燃剤、尿素系化合
物難燃剤、硫黄系化合物難燃剤から選ばれた1種以上を
水または有機系溶剤、あるいはエマルジョン及び、ラテ
ックスなどを分散媒体として用い、難燃剤を分散して、
あるいは溶解して含む難燃化処理剤を上記繊維布帛に含
浸させ、乾燥、熱処理して得られるものが挙げられる。
また、予め難燃化された繊維としては、糸をポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂などの熱可塑性樹脂から紡糸を行う段階で上
記難燃剤から選ばれた1種以上をブレンドして溶融紡糸
することによって得られた難燃繊維、あるいは、熱可塑
性樹脂を合成する段階で原料モノマーの一部をリン酸エ
ステル含有モノマーや、ハロゲン含有モノマーと置換し
て重縮合して得られたポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂などから溶融紡糸された難燃繊維が挙げられる。
【0054】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートの基布用繊維布帛に使用されるマルチフィ
ラメント糸条としては125〜2000デニールのも
の、特に250〜1000デニールのマルチフィラメン
ト糸条が使用できる。マルチフィラメント糸条が125
デニール未満では得られるシートの引裂強力に劣り、ま
た2000デニールを超えると破断強力及び引裂強力は
向上するが、糸の径が太くなりそれに伴って、シートが
厚くなると同時に、繊維布帛の織交点により生ずる凹凸
が大きくなり平滑性に劣り好ましくない。また本発明の
ポリオレフィン系樹脂シートに使用する繊維布帛は目抜
け平織であることが好ましい。繊維布帛の経糸及び緯糸
の打込み本数に特に限定はないが、125〜2000デ
ニールのマルチフィラメント糸条を、経糸・緯糸1イン
チ当たり8〜38本打込んで得られる織布、例えば50
0デニールのマルチフィラメント糸条の場合1インチ当
たり14〜24本の打ち込み本数で得られる平織織布、
1000デニールのマルチフィラメント糸条の場合1イ
ンチ当たり12〜22本程度の打込みで得られる平織織
布が例示できる。
【0055】また、これらの繊維布帛の空隙率(目抜
け)は、5〜40%のものが好ましく適している。空隙
率が5%未満であると糸密度が込みすぎて得られるシー
トのフレキシブル性が不十分であることがあり、また繊
維布帛の表裏面に貼着される2枚のポリオレフィン系樹
脂被覆層用フィルム相互のブリッジ融着性を低下させ、
動的耐久性を悪くすることがあるため好ましくない。ま
た、空隙率が40%を越えるとフレキシブル性とフィル
ムのブリッジ融着性は向上するが、経緯方向の繊維糸条
の含有量が少なくなりすぎて得られるシートの寸法安定
性が不十分になり、シートの引裂き強度が低下して実用
性が悪化することがある。空隙率は繊維布帛の単位面積
中に占める繊維糸条の面積を百分率として求め、100
から差し引いた値として求めることができる。空隙率は
経方向10cm×緯方向10cmを単位面積として求めるこ
とが好ましい。
【0056】また、本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレ
フィン系樹脂シートの基布に使用する繊維布帛はケイ素
化合物含有組成物によって前処理されていてもよい。ケ
イ素化合物含有組成物としては、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、シランカップリング剤から選ばれた1
種以上からなる組成物、及び合成非晶質シリカ、コロイ
ダルシリカ、シランカップリング剤から選ばれた1種以
上と熱可塑性樹脂との組成物が挙げられる。これらのケ
イ素化合物のうち合成非晶質シリカとしては、1000
℃以上の高温加熱または焼成による乾式法によって生成
するシリカ粒子表面の吸着水及び、水酸基の含有量の少
ない無水シリカ、ケイ素ナトリウムと鉱酸からシリカゲ
ルを生成させ、シリカゲル中の水分をアルコールのよう
な有機溶媒で置換したオルガノゾルを乾燥させるエアロ
ゲル法によって得られるシリカ、ケイ酸ナトリウムと鉱
酸及び、塩類を水溶液中で反応させる湿式法により得ら
れるシリカなどが使用できる。これらのシリカ粒子は平
均粒子径が1〜20μm程度のものが好ましく使用でき
る。前記繊維布帛の下処理は合成非晶質シリカを水中に
均一分散させたSiO2 含有濃度10〜30重量%のシ
リカ水溶液浴中に繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると
同時にニップロールを通過させ、余分なシリカ水溶液を
除去し、水分を乾燥させて行うことができる。また繊維
布帛に対する付着率としては特に限定はないが、付着率
が3〜10重量%であることが好ましい。この時、合成
非晶質シリカとシランカップリング剤とを併用すること
が好ましい。
【0057】前記コロイダルシリカとしては、ケイ酸ナ
トリウム溶液を陽イオン交換することによって得られる
BET平均粒子径10〜50nmの水分散媒コロイド状の
シリカゾル(SiO2 )または、有機系溶剤を分散媒と
するBET平均粒子径10〜50nmのコロイド状シリカ
ゾル(SiO2 )が使用できる。前記繊維布帛の下処理
はSiO2 含有濃度5〜30重量%のコロイダルシリカ
浴中に繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると同時にニッ
プロールを通過させ、余分なコロイダルシリカを除去
し、水分または有機系溶剤を乾燥させて行うことができ
る。また繊維布帛に対する付着率としては特に限定はな
いが、付着率が3〜10重量%であることが好ましい。
この時コロイダルシリカとシランカップリング剤とを併
用することが好ましい。
【0058】前記シランカップリング剤としては、一般
式:XR−Si(Y)3 で表される分子中に2個以上の
異なった反応基を有する化合物で、例えば、X=アミノ
基、ビニル基、エポキシ基、クロル基、メルカプト基な
ど(R=アルキル鎖)、Y=メトキシ基、エトキシ基な
どである。またこれらの加水分解物、及びアルコキシシ
ラン化合物との共加水分解化合物なども使用できる。具
体的にシランカップリング剤としては、ビニルトリクロ
ルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、特
にエポキシ系シランカップリング剤を使用することが好
ましい。シランカップリング剤は1〜5重量%濃度で使
用し、蟻酸、酢酸などの酸を用いてpH3〜5の条件に調
整されることが好ましい。前記繊維布帛の下処理はシラ
ンカップリング剤水溶液浴中に繊維布帛を浸漬し、浴か
ら引上げると同時にニップロールを通過させ、余分なシ
ランカップリング剤水溶液を除去し、水分を乾燥させて
行うことができる。この時、合成非晶質シリカまたはコ
ロイダルシリカとを併用することが好ましく、繊維布帛
に対する付着率としては特に限定はないが、付着率が3
〜10重量%であることが好ましい。
【0059】前記ケイ素化合物と共に用いられる熱可塑
性樹脂としては、熱可塑性樹脂のエマルジョン、ディス
パージョンなどの水分散体の形態、または有機系溶剤中
に可溶化させた形態のものが使用でき、アイオノマー樹
脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性
体樹脂などが使用できる。特にメタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、無水イタコン
酸、無水マレイン酸、N−メチルマレイミドなどによっ
て変性されたエチレン系共重合体樹脂、及びアクリル系
共重合体樹脂であることが好ましい。また必要に応じて
フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリ
ウレタン系樹脂、アリルフタレート系樹脂などの熱硬化
性樹脂をブレンドして使用することもできる。前記繊維
布帛の下処理はこれらの熱可塑性樹脂エマルジョンまた
はディスパージョン中に前記ケイ素化合物を混合した水
系処理液浴中に繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると同
時にニップロールを通過させ、余分なケイ素化合物含有
組成物を除去し、水分を乾燥させて行うことができる。
また溶剤系熱可塑性樹脂の場合も同様の方法によって下
処理を行うことができる。熱可塑性樹脂固形分とケイ素
化合物の固形分重量比に特に制限はないが、熱可塑性樹
脂:ケイ素化合物(合成非晶質シリカ)/10〜50:
90〜50重量%程度であることが好ましい。
【0060】これらケイ素化合物含有組成物によって下
処理された繊維布帛からなる基布には前記合成非晶質シ
リカを3〜25重量%含有するポリオレフィン系樹脂ブ
レンド(A)を含む組成物から形成されたフィルムを積
層貼着することが好ましく、本発明においては、さらに
は上記熱可塑性樹脂:ケイ素化合物/10〜50:90
〜50重量%からなるケイ素化合物含有組成物が少なく
ともシランカップリング剤を含み、かつ、前記合成非晶
質シリカを3〜25重量%含有するポリオレフィン系樹
脂ブレンド(A)含有組成物からなるフィルム層が積層
されていることが好ましい。
【0061】本発明の耐酸性雨難燃化ポリオレフィン系
樹脂シートにおいて、上記繊維布帛、難燃化した繊維布
帛、ケイ素化合物含有組成物によって下処理された繊維
布帛、及び、ケイ素化合物含有組成物によって下処理さ
れた難燃化繊維布帛などの基布に対するポリオレフィン
系樹脂被覆用フィルムの積層形態は、これらの繊維布帛
の両面にポリオレフィン系樹脂被覆用フィルムが積層さ
れていることが特に好ましいが、用途によっては片面だ
けに積層された形態であってもよい。また、積層の方法
として、ポリオレフィン系樹脂被覆用フィルムと上記基
布との間に接着剤層を設けて積層してもよいし、あるい
は接着剤層なしで積層してもよい。特に基布の片面のみ
にポリオレフィン系樹脂被覆用フィルムを積層する形態
が必要な場合には、使用する基布は難燃化されているこ
とが好ましい。ポリオレフィン系樹脂被覆用フィルムの
積層方法は、ポリオレフィン系樹脂被覆用フィルムの成
型加工と同時に基布に熱ラミネートするカレンダートッ
ピング法、またはT−ダイ押出ラミネート法、を用いて
もよく、あるいはカレンダー法、T−ダイ押出法、また
はインフレーション法などによりポリオレフィン系樹脂
被覆用フィルムを一担成型加工により作製した後に、ラ
ミネーターを使用して、ポリオレフィン系樹脂被覆用フ
ィルムを、基布面上に熱圧着して積層を行う方法などが
挙げられる。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートの製造には、カレンダー法によって成型加工さ
れたポリオレフィン系樹脂被覆用フィルムと基布との熱
圧着による製造方法が、効率的かつ経済的であり好まし
い。このとき、基布用繊維布帛の目抜け空隙部を介し
て、その表と裏の2枚のポリオレフィン系樹脂被覆用フ
ィルムが、熱溶融ブリッジする。このために、特別な接
着剤の塗布及び余分な工程を必要とせずに良好な密着性
と耐久性が得られる。
【0062】また、基布の表面にポリオレフィン系樹脂
被覆用フィルムを積層し、基布の裏面を熱可塑性樹脂層
により被覆してもよい。この熱可塑性樹脂層は、(D)
100重量部の熱可塑性樹脂と(B)20〜200重量
部の、粒子本体と、その表面に形成された表面被覆層と
を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子
と、(C)0.05〜3.0重量部の耐光安定剤とを含
むものであって、前記熱可塑性樹脂層を形成するには、
(a′)熱可塑性樹脂(D)の水性エマルジョン及び水
性ディスパージョンから選ばれた少なくとも1種からな
る水系の樹脂液、あるいは、(b′)熱可塑性樹脂
(D)を有機溶剤中に溶解して得られた溶液、の中に、
前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)と、前記耐光安定
剤(C)とを含有させて塗布液(コート液)を調製し、
この塗布液を、基布の裏面に塗布し乾燥する。これらの
熱可塑性樹脂としては、アイオノマー樹脂、アクリル系
樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂などの少
なくとも1種を含むものが使用できる。また必要に応じ
上記熱可塑性樹脂の1種以上にフェノール系樹脂、メラ
ミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、
エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、アリル
フタレート系樹脂などの少なくとも1種の熱硬化性樹脂
をブレンドして使用することもできる。
【0063】本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
系樹脂シートの接合は、高周波ウエルダーによる融着に
よって容易に行うことができる。高周波ウエルダー接合
法としては、具体的には、2枚以上の本発明のポリオレ
フィン系樹脂シートまたは、本発明のポリオレフィン系
樹脂シートと、それと熱融着しうる他の熱可塑性樹脂成
型物の一部とを重ね合わせ、2個の電極(一方の電極
は、ウエルドバーである)間に置き、接合する部分にウ
エルドバーを加圧しながら電極に高周波(1〜200MH
z )で発振する電位差を印加し、ウエルドバーで加圧、
印加した部分に発生する熱可塑性樹脂の分子摩擦熱によ
り、これらの重ね合わせ部分を熱融着して接着、シール
する。この場合、熱可塑性樹脂の誘電損率すなわち、誘
電率(ε)と誘電正接(tanδ)との積量(ε.ta
nδ)が高周波で発振する内部分子摩擦熱の大きさに関
係している。誘電正接は、熱可塑性樹脂により吸収され
た高周波電磁放射線エネルギーが熱に変換される部分の
関数であり、誘電損率は少なくとも0.01以上である
ことが好ましい。高周波ウエルダー融着機としては市販
の機種、例えば、山本ビニター(株)のYC−7000
FT、YF−7000など、精電舎電子工業(株)のK
M−5000TA、KA−7000TEなど、クインラ
イト電子精工(株)のLW−4000W、LW−406
0Sなどが使用できる。
【0064】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるも
のではない。下記実施例、及び比較例において本発明の
ポリオレフィン系樹脂シートの防炎性の評価、耐光性の
評価、加工性の評価、及び高周波ウエルダー融着性の評
価、接合部強度の評価など試験方法は以下の通りであ
る。
【0065】(I)ポリオレフィン系樹脂シートの防炎
性の評価 消防法施工規則第4条(JIS L−1091:A−2
法区分3:2分加熱)に従い試験し、下記の判定基準に
より評価した。 ○:炭化面積40cm2 以下、残炎時間5秒以下、残じん
時間20秒以下、炭化距離20cm以下である。 ×:炭化面積、残炎時間、残じん時間、炭化距離の項目
の1項目以上が規格数値を超えている。 (II)ポリオレフィン系樹脂シートの耐酸性の評価 ポリオレフィン系樹脂コンパウンドを140℃に設定し
た2本ロールで5分間均一に溶融混練し、次に東洋精機
制作所(株)製のプレス機(2段自動式ラボプレス:1
5ton )を用い、温度150℃×圧縮圧100 kgf/cm
2 ×(加熱圧縮時間3min +水冷圧縮時間2min )の成
型条件で表面が平滑な1.0mm厚×150mm×150mm
サイズのポリオレフィン系樹脂プレスシートを得た。こ
のプレスシートと、プレスシートよりJIS K−63
01に規定の3号型試験片を採取し、1規定(N)濃度
の硝酸水溶液と0.1規定(N)濃度の硫酸水溶液との
混合水溶液中に20℃、24時間浸漬した後、これを室
温で自然乾燥させ、そのまま6日間放置した。この浸漬
−乾燥を1サイクルとして、5サイクルの試験を行い、
試験片の限界酸素指数(JIS K−7231)及び、
残存強度(JISK−6301)を測定した。 ○:80%以上の限界酸素指数保持率と、80%以上の
残存強度保持率を有する。 △:80%以上の限界酸素指数保持率または、80%以
上の残存強度保持率を有する。 ×:限界酸素指数保持率、残存強度保持率ともに80%
に満たない。
【0066】(III )ポリオレフィン系樹脂シートの耐
光性の評価 供試試料に対してサンシャインカーボンウエザーメータ
ーによる耐光促進試験(JIS L−0842)を10
00時間行い、促進前の試料を基準とし、供試試料の表
面の変退色度合いを、色差ΔE(JIS Z−872
9)を測定として数値化し、下記の判定基準にて耐光性
を評価した。 ΔE=0〜2.9:○=変色がなく良好。初期の状態を
維持している。 ΔE=3〜7.9:△=多少変色があるが、問題ない。 ΔE=8〜 :×=変色が、著しく目立ち実用性に
問題がある。 また、耐光促進試験1000時間後の試料を、上記試験
(II)の耐酸性試験に供し、その限界酸素指数(JIS
K−7231)及び、残存強度(JIS K−630
1)を測定した。 ○:80%以上の限界酸素指数保持率と、80%以上の
残存強度保持率を有する。 △:80%以上の限界酸素指数保持率または、80%以
上の残存強度保持率を有する。 ×:限界酸素指数保持率、残存強度保持率ともに80%
に満たない。
【0067】(IV)高周波ウエルダー融着性の評価 2枚のポリオレフィン系樹脂シートの端末を4cm幅で直
線状に重ね合わせ、4cm×30cmのウエルドバー(歯
形:凸部は等間隔4cm幅直線状賦型9本/25.4mm、
凸部高さ0.5mm:凹部は等間隔4cm幅直線状賦型9本
/25.4mm、凹部深さ0.5mm)を装着した高周波ウ
エルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000
型:出力7KW)を用いて融着接合を行った。この接合体
から4cm重ね合わせ接合部を含む3cm幅×30cmの試料
を採取し、接合部の剪断試験(JIS L−1096)
を行い、接合部の破壊状態を下記の判定基準によって評
価した。 <高周波融着性> ○:融着が容易である。 ※ウエルダー融着条件:融着時間5秒、冷却時間5秒陽
極電流0.8A、ウエルドバー温度40〜50℃ △:融着条件を強く、かつ長くすることで融着可能であ
る。 ※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒 陽極電流1.0A、ウエルドバー温度40〜60℃ ×:融着条件を強く、かつ長く設定しても融着しない。 ※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒 陽極電流1.3A、ウエルドバー温度40〜60℃
【0068】(V)接合部強度の評価 (IV)のウエルダー融着シートより重ね合わせ幅4cmを
含む、試験片幅3cm、試験片長30cmの試験片を採取
し、引張試験機(東洋精機製作所(株)製:ストログラ
フV10型)を使用して試験片が破壊するまで引張し
た。 ○:接合部以外で破壊した。 △:接合部で一部糸抜け破壊した。 ×:接合部の糸抜け破壊した。
【0069】(VI)加工性の評価 ロール間ギャップを1mmに設定した140℃設定の6イ
ンチ径の2本ロール(テストロール)に、ポリオレフィ
ン系樹脂コンパウンドを100g投入し、コンパウンド
の混練を5分間行った。次に混練で得られた1mm厚のシ
ートを用いてJIS K−7231に規定される限界酸
素指数を測定した。 ○:混練が容易で5分以内に完了した。得られたコンパ
ウンドの酸素指数は設計値の±2%以内であった。 △:5分以内では完全な混練が困難で、ロールの下に粉
体がこぼれ落ちていた。得られたコンパウンドの酸素指
数は設計値の±2〜5%であった。 ×:5分以内では完全な混練が困難で、ロールの下に粉
体がこぼれ落ちていた。得られたコンパウンドの酸素指
数は設計値の±5%以上であった。
【0070】(VII)シートのブルーム(ブリード)性
の評価 (VI)のシートから10cm×10cmサイズの試料を採取
し、これを0℃の冷蔵庫中に24時間静置し、次に40
℃に設定したギアーオーブン中に24時間静置した。こ
れを1サイクルとして、0℃→40度→0度→40℃→
0度の環境温度変化を連続させて5サイクル目の試料の
表面を目視観察した。 ○:ブルームが確認されない(外観がたもたれている) △:わずかにブルームが認められる(外観が曇ってい
る) ×:ブルームが著しい(表面が白くなっている)
【0071】〔実施例1〕メタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商
標:カーネルKF360:MFR2.0:密度0.89
8:日本ポリケム(株))30重量部と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂(b−1)(商標:エバテートK
2010:MFR3.0:VA含有量25重量%:住友
化学工業(株))40重量部からなるポリオレフィン系
樹脂ブレンド70重量部に対し、下記表面被覆を施した
無機系化合物粒子(B−1)100重量部を配合してコ
ンパウンドを調製した。このコンパウンドを2軸押出し
機(サーモ・プラスティックス工業(株):TPP−2
0F:ホットカットペレタイジング装置)を用いて無機
系化合物粒子(B−1)を58.8重量%濃度で含有す
る3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得ら
れた無機系化合物(1−a)含有の造粒ペレット170
重量部に対し、メタロセン系触媒の存在下重合された直
鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a−1)(商標:カー
ネルKF360:MFR2.0:密度0.898:日本
ポリケム(株))30重量部と、耐光安定剤(C−1)
(商標:バイオソーブ510:2−(2’−ヒドロキシ
−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール:共
同薬品(株))を0.5重量部、耐光安定剤(C−2)
(商標:チヌビン765:ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート:チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株))を0.5重量部と、
リン酸エステル系滑剤(商標:LTP−2:川研ファイ
ンケミカル(株))1.0重量部と、着色顔料として
〔(有機系顔料カラードペレット:商標:HCM161
7ブルー:シアニンブルー(α)含有率20重量%:大
日精化工業(株))1重量部+無機系顔料カラードペレ
ット:商標:HCM2060ホワイト:二酸化チタン
(R)60重量%:大日精化工業(株)〕2重量部〕3
重量部とを配合したコンパウンドを調製した。このコン
パウンドを150℃に設定したテストロール(西村製作
所(株):6インチ径2本ロール)で5分間混練した
後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、
カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分
を10重量%含有し、LOI値28.4の、ポリオレフ
ィン系樹脂被覆層用フィルムを作製した。次に得られた
フィルムをポリエステル平織織布(250デニールポリ
エステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.
54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率20%:質量
55g/m2 )の両面に、140℃に設定した熱ロール
と圧着ロール対、及び赤外線ヒーターを有するラミネー
ターで貼り合わせ、厚さ0.45mm、質量485g/m
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0072】<表面被覆層付き無機系化合物粒子(B−
1)> i)蒸留水400重量部とメタノール100重量部との
合計500部量に、有機シラン化合物(商標:SH60
40:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラ
ン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間
撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグ
シーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2
μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に
30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾
燥し、無機系化合物粒子(B−1’)100.6gを得
た。
【0073】ii)次に蒸留水500重量部に、メラミン
樹脂(商標:ポリフィックスLF11:変性メラミン:
固形分55重量%:昭和高分子(株)20重量部と、耐
光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化
学(株))0.5重量部を加えて撹拌し、前記工程i)
で得られた無機系化合物粒子(B−1’)100.6g
を加えて10分間撹拌した。これを濾過して120℃で
2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物粒子
(B−1)104.58gを得た。無機系化合物粒子本
体に対する表面被覆層の被覆率は4.38%であり、メ
ラミン樹脂に対する有機シラン化合物の含有量は13.
1重量%であった。また表面被覆層に対する耐光安定剤
の含有量は1.27重量%であった。
【0074】〔実施例2〕メタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)(商
標:エボリューSP2020:MFR1.7:密度0.
917:三井化学(株))20重量部と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂(b−2)(商標:エバフレック
スP1905:MFR2.5:VA含有量19重量%:
三井デュポンポリケミカル(株))50重量部からなる
ポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対し、下記
表面被覆を施した無機系化合物(B−2)100重量部
を配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンド
を2軸押出し機(実施例1と同一)を用いて無機系化合
物(B−2)を58.8重量%濃度で含有する3.5mm
角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた無機系
化合物(B−2)含有の造粒ペレット170重量部に対
し、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂(a−2)(商標:エボリューSP2
020:MFR1.7:密度0.917:三井化学
(株))30重量部と、耐光安定剤(C−1)(商標:
バイオソーブ510:2−(2’−ヒドロキシ−4’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール:共同薬品
(株))0.5重量部と、耐光安定剤(C−2)(商
標:チヌビン765:ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート:チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ(株))0.5重量部と、リン酸
エステル系滑剤(商標:LTP−2:川研ファインケミ
カル(株))1.0重量部と、着色顔料として〔(有機
系顔料カラードペレット:商標:HCM1617ブル
ー:シアニンブルー(α)含有率20重量%:大日精化
工業(株))1重量部+無機系顔料カラードペレット:
商標:HCM2060ホワイト:二酸化チタン(R)6
0重量%:大日精化工業(株)〕2重量部〕3重量部と
を配合してコンパウンドを調製した。このコンパウンド
を150℃に設定したテストロール(実施例1と同一)
で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.
17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mm
の酢酸ビニル成分を10重量%含有するLOI値29.
3のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次
に得られたフィルムをポリプロピレン平織織布(340
デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度経
糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙
率18%:質量65g/m2 )の両面に140℃に設定
した赤外線ヒーターを有するラミネーターで熱圧着して
貼り合わせ、厚さ0.46mm、質量490g/m2 のポ
リオレフィン系樹脂シートを得た。
【0075】<表面被覆層付き無機系化合物粒子(B−
2)> i)メタノール400重量部と蒸留水100重量部との
合計500部量に、金属アルコキシド化合物(商標:テ
トラ−n−ブトキシシリコン:有効量100%:住友セ
メント(株)5重量部を添加して、30分間撹拌した
後、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:
水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アルコア化成
(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。
これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物
粒子(B−2’)100.6gを得た。
【0076】ii)次に蒸留水500重量部に、ベンゾグ
アナミン樹脂(商標:ポリフィックスPG−251:変
性ベンゾグアナミン:固形分54重量%:昭和高分子
(株)20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフL
PS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固
形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部を加え
て撹拌し、前記工程i)で得た無機系化合物粒子(B−
2’)100.6gを加えて10分間撹拌した。これを
濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する
無機系化合物(B−2)104.52gを得た。無機系
化合物粒子本体(2)に対する表面被覆層の被覆率は
4.32%であり、ベンゾグアナミン樹脂に対する金属
アルコキシド化合物の含有量は13.3重量%であっ
た。また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有量は1.
29重量%であった。
【0077】〔実施例3〕メタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)30
重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−
1)40重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド
70重量部に対し、下記表面被覆を施した無機系化合物
(B−3)粒子50重量部と、下記表面被覆を施した窒
素含有化合物粒子30重量部とを配合したコンパウンド
を調製した。このコンパウンドを2軸押出し機(実施例
1と同一)を用いて無機系化合物(B−3)と窒素含有
化合物との合計量を53.3重量%濃度で含有する3.
5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた造
粒ペレット150重量部に対し、メタロセン系触媒の存
在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)3
0重量部と、耐光安定剤(C−1)0.5重量部と、耐
光安定剤(C−3)(商標:チヌビン114:ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4
−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート:チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.5重量部
と、リン酸エステル系滑剤(実施例1と同一)を1.0
重量部と、着色顔料として(顔料カラードペレット:実
施例1と同一)3重量部とを配合したコンパウンドを調
製した。このコンパウンドをテストロール(実施例1と
同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔
を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.
17mmの酢酸ビニル成分を10重量%含有するLOI値
32.6のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得
た。次に得られたフィルムを実施例1と同一のポリエス
テル平織織布(250デニールポリエステルマルチフィ
ラメント)の両面に実施例1と同様にラミネーターで貼
り合わせ、厚さ0.46mm、質量485g/m 2 のポリ
オレフィン系樹脂シートを得た。
【0078】<表面被覆層付き無機系化合物(B−3)
> i)イソプロピルアルコール500重量部に、有機チタ
ネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキシチ
タン(TBT):分子量340:有効量100%:日本
曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した
後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN
−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神
島化学工業(株)100重量部を加え、更に30分間撹
拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機
系化合物粒子(B−3’)100.6gを得た。
【0079】ii)次に蒸留水500重量部に、尿素樹脂
(商標:ポリフィックスLF20:高縮合尿素:固形分
55重量%:昭和高分子(株)20重量部と、耐光安定
剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学
(株))0.5重量部を加えて撹拌し、前記工程i)で
得た無機系化合物粒子(B−3’)100.6gを加え
て10分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間
乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物粒子(B−
3)104.52gを得た。無機系化合物粒子本体に対
する表面被覆層の被覆率は4.32%であり、尿素樹脂
に対する有機チタネート化合物の含有量は15.3重量
%であった。また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有
量は1.27重量%であった。
【0080】<窒素含有化合物粒子の表面被覆>蒸留水
500重量部に、エポキシ樹脂(商標:デナキャストE
M−101:変性ビスフェノールA型エポキシエマルジ
ョン:エポキシ当量520:固形分濃度50重量%:ナ
ガセ化成(株))20重量部と、触媒としてトリエタノ
ールアミン0.5重量部、耐光安定剤(商標:サンライ
フLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部
とを添加して、5分間撹拌した後、窒素含有化合物粒子
本体(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:
平均粒子径1〜5μm:日産化学(株))100重量部
を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120
℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する窒素含有化合物
104.78gを得た。窒素含有化合物に対する表面被
覆層の被覆率は4.56%であり、また表面被覆層に対
する耐光安定剤の含有量は1.47重量%であった。
【0081】〔実施例4〕メタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)20
重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−
2)50重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド
70重量部に対し、下記表面被覆を施した無機系化合物
粒子(B−4)50重量部と、下記表面被覆を施したリ
ン含有化合物粒子を30重量部配合したコンパウンドを
調製した。このコンパウンドを2軸押出し機(実施例1
と同一)を用いて無機系化合物粒子(B−4)とリン含
有化合物粒子とを53.3重量%濃度で含有する3.5
mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた造粒
ペレット150重量部に対し、メタロセン系触媒の存在
下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)
30重量部と、耐光安定剤(C−1)0.5重量部と、
耐光安定剤(C−3)(商標:チヌビン114:ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4
−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート:チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.5重量部
と、リン酸エステル系滑剤(実施例1と同一)1.0重
量部と、着色顔料として(顔料カラードペレット:実施
例1と同一)3重量部とを配合したコンパウンドを調製
した。このコンパウンドをテストロール(実施例1と同
一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を
0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.1
7mmの酢酸ビニル成分を10重量%含有するLOI値3
3.5のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得
た。次に得られたフィルムを実施例2と同一のポリプロ
ピレン平織織布(340デニールポリプロピレンマルチ
フィラメント)の両面に実施例2と同様にラミネーター
で熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.47mm、質量512
g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0082】<表面被覆層付き無機系化合物(B−4)
> i)蒸留水400重量部とメタノール100重量部との
合計500部量に、有機シラン化合物(商標:SH60
40:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラ
ン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間
撹拌した後、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−
315:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アル
コア化成(株))100重量部を加え、更に30分間撹
拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機
系化合物(B−4’)100.6gを得た。
【0083】ii)次に蒸留水500重量部に、フェノー
ル樹脂(商標:タマノル720:レゾール型フェノール
樹脂水溶液:固形分45重量%:荒川化学(株))20
重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−70
0:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重
量%:日華化学(株))0.5重量部を加えて撹拌し、
前記工程i)で得た無機系化合物粒子(B−4’)10
0.6gを加えて10分間撹拌した。これを濾過して1
20℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合
物粒子(B−4)104.46gを得た。無機系化合物
粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.27%であ
り、フェノール樹脂に対する有機シラン化合物の含有量
は15.5重量%であった。また表面被覆層に対する耐
光安定剤の含有量は1.34重量%であった。
【0084】<リン含有化合物粒子の表面被覆>蒸留水
500重量部に、ベンゾグアナミン樹脂(商標:ポリフ
ィックスPG−251:変性ベンゾグアナミン:固形分
54重量%:昭和高分子(株))20重量部と、耐光安
定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学
(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌した
後、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP
422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3n
n=1000:リン含有量31〜32重量%:平均粒度
分布40μm以下:クラリアント・ジャパン(株))1
00重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過
して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有するリン
含有化合物粒子104.65gを得た。リン含有化合物
粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.44%であ
り、また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有量は1.
29重量%であった。
【0085】〔実施例5〕メタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)50
重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−
1)20重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド
70重量部に対し、下記表面被覆を施した窒素含有化合
物粒子(商標:MC−610:メラミン・シアヌレー
ト:平均粒子径1〜5μm:日産化学(株))30重量
部と、下記表面被覆を施したリン含有化合物粒子30重
量部を配合したコンパウンドを調製した。このコンパウ
ンドを2軸押出し機(実施例1と同一)を用いて窒素含
有化合物とリン含有化合物とを46.1重量%濃度で含
有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に
得られた造粒ペレット130重量部に対し、エチレン−
メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:アクリフ
トWH206:MFR2.0:MMA含有量20重量
%:住友化学工業(株))30重量と、耐光安定剤(C
−1)0.5重量部と、耐光安定剤(C−2)0.5重
量部と、リン酸エステル系滑剤(実施例1と同一)1.
0重量部と、着色顔料として(顔料カラードペレット:
実施例1と同一)を3重量部とを配合したコンパウンド
を調製した。このコンパウンドをテストロール(実施例
1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール
間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ
0.17mmの酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート
成分の合計として11重量%含有し、LOI値32.2
のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に
得られたフィルムをポリエステル平織織布(500デニ
ールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20
本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率19
%:質量75g/m 2 )の両面に140℃に設定した熱
ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合わ
せ、厚さ0.48mm、質量515g/m2 のポリオレフ
ィン系樹脂シートを得た。 <窒素含有化合物粒子本体の表面被覆>……実施例3と
同一 <リン含有化合物粒子本体の表面被覆>……実施例4と
同一
【0086】〔実施例6〕実施例5の表面被覆を施した
窒素含有化合物粒子30重量部を、下記表面被覆を施し
た無機系化合物粒子(B−5)50重量部に変更し、実
施例5と同様にコンパウンドをテストロール(実施例1
と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間
隔を0.20mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ
0.20mmの酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート
成分の合計として11重量%含有し、LOI値32.1
のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に
得られたフィルムをポリエステル平織織布(750デニ
ールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸19
本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率22
%:質量95g/m2 )の両面に140℃に設定した熱
ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合わ
せ、厚さ0.52mm、質量545g/m2 のポリオレフ
ィン系樹脂シートを得た。
【0087】<表面被覆層付き無機系化合物粒子(B−
5)> i)メタノール400重量部と蒸留水100重量部との
合計500部量に、金属アルコキシド化合物(商標:テ
トラ−n−ブトキシシリコン:有効量100%:住友セ
メント(株)5重量部を添加して、30分間撹拌した
後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN
−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神
島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間
撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無
機系化合物粒子(B−5’)100.6gを得た。 ii)次にメチルエチルケトン500重量部に、ジアリル
フタレート樹脂(商標:イソダップ:イソフタル酸ジア
リルエステルの重合体:大阪曹達(株))10重量部
と、耐光安定剤(A−1)(商標:バイオソーブ51
0:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株))を0.15
重量部を加えて撹拌し、前記工程i)で得た無機系化合
物粒子(B−5’)100.6gを加えて10分間撹拌
した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被
覆層を有する無機系化合物(B−5)104.55gを
得た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆
率は4.35%であり、ジアリルフタレート樹脂に対す
る金属アルコキシド化合物の含有量は15.2重量%で
あった。また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有量は
1.29重量%であった。 <リン含有化合物粒子本体の表面被覆>……実施例4と
同一
【0088】〔実施例7〕実施例5のハロゲン非含有難
燃剤の組成を、表面被覆を施した窒素含有化合物粒子2
0重量部、表面被覆を施したリン含有化合物粒子20重
量部、下記表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−
6)30重量部に変更した。また実施例5の耐光安定剤
(C−2)0.5重量部を耐光安定剤(C−3)0.5
重量部に変更したこと以外は実施例5と同一とした。こ
のコンパウンドをテストロール(実施例1と同一)で5
分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17
mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢
酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計とし
て11重量%含有し、LOI値34.3のポリオレフィ
ン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィル
ムを実施例5と同一のポリエステル平織織布(500デ
ニールポリエステルマルチフィラメント)の両面に14
0℃に設定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネ
ーターで貼り合わせ、厚さ0.48mm、質量515g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0089】<表面被覆層付き無機系化合物粒子(B−
6)> i)イソプロピルアルコール500重量部に、有機チタ
ネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキシチ
タン(TBT):分子量340:有効量100%:日本
曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した
後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN
−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神
島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間
撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無
機系化合物粒子(B−6’)100.6gを得た。
【0090】ii)蒸留水500重量部に、エポキシ樹脂
(商標:デナキャストEM−101:変性ビスフェノー
ルA型エポキシエマルジョン:エポキシ当量520:固
形分濃度50重量%:ナガセ化成(株))20重量部
と、触媒としてトリエタノールアミン0.5重量部、耐
光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化
学(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌した
後、前記工程i)で得た無機系化合物粒子(B−6’)
100.6gを加えて、更に30分間撹拌した。これを
濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する
無機系化合物粒子(B−6)104.50gを得た。無
機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.
30%であり、エポキシ樹脂に対する有機チタネート化
合物の含有量は15.4重量%であった。また表面被覆
層に対する耐光安定剤の含有量は1.33重量%であっ
た。 <窒素含有化合物粒子本体の表面被覆>……実施例3と
同一 <リン含有化合物粒子本体の表面被覆>……実施例4と
同一
【0091】〔実施例8〕実施例6のハロゲン非含有難
燃剤の組成を、表面被覆を施したリン含有化合物20重
量部、表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−1)4
0重量部、表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−
2)40重量部に変更した。また実施例6の耐光安定剤
(C−2)0.5重量部を耐光安定剤(C−3)0.5
重量部に変更したこと以外は実施例6と同一とした。こ
のコンパウンドをテストロール(実施例1と同一)で5
分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.20
mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.20mmの酢
酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計とし
て11重量%含有するLOI値31.7のポリオレフィ
ン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次に得られたフィル
ムを実施例6と同一のポリエステル平織織布(750デ
ニールポリエステルマルチフィラメント)の両面に14
0℃に設定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネ
ーターで貼り合わせ、厚さ0.52mm、質量545g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。 <無機系化合物粒子本体(1)の表面被覆:(B−1)
>…実施例1と同一 <無機系化合物粒子本体(2)の表面被覆:(B−2)
>…実施例2と同一 <リン含有化合物粒子本体の表面被覆>…実施例4と同
【0092】〔実施例9〕実施例1の表面被覆層付き無
機系化合物粒子(B−1)処理方法を下記工程に変更し
た。蒸留水400重量部とメタノール100重量部との
合計500部量に、メラミン樹脂(商標:ポリフィック
スLFl1:変性メラミン:固形分55重量%:昭和高
分子(株))20重量部と、有機シラン化合物(商標:
SH6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキ
シシラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウ
コーニング・シリコーン(株))3重量部、耐光安定剤
(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学
(株))0.5重量部を添加して、30分間撹拌した
後、無機系化合物粒子本体(商標:マグシーズN−3:
水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学
工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌し
た。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆
層を有する無機系化合物(B−1)104.66gを得
た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率
は4.45%であった。
【0093】また、実施例1のポリエステル平織織布
(250デニールポリエステルマルチフィラメント:糸
密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54c
m:空隙率17%:質量55g/m2 )に下記下処理剤
(1)による処理を施したこと以外は実施例1と同一の
配合と手順に従って、厚さ0.45mm、質量488g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。 <下処理剤(1)の組成> 商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株): 合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子径3μm 10重量部 商標:アクアテックスE−1800:中央理化工業(株): エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン (固形分40重量%) 50重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部 上記下処理剤(1)の浴中にポリエステル平織織布を浸
漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は58g/m2 であった。
(合成非晶質シリカ:熱可塑性樹脂/10:20)
【0094】〔実施例10〕実施例2の表面被覆層付無
機系化合物粒子の(B−2)の処理工程を下記工程に変
更した。蒸留水400重量部とメタノール100重量部
の合計500部量に、ベンゾグアナミン樹脂(商標:ポ
リフィックスPG−251:変性ベンゾグアナミン:固
形分54重量%:昭和高分子(株))20重量部と、耐
光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化
学(株))0.5重量部、及び金属アルコキシド化合物
(商標:テトラ−n−ブトキシシリコン:有効量100
%:住友セメント(株))5重量部を添加して、30分
間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(商標:B−31
5:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アルコア
化成(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌し
た。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆
層を有する無機系化合物(B−2)104.6gを得
た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率
は4.4%であった。
【0095】また、実施例2のポリプロピレン平織織布
(340デニールポリプロピレンマルチフィラメント:
糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54
cm:空隙率18%:質量:65g/m2 )を実施例9と
同一の下処理剤(1)に浸漬し、織布を引き上げると同
時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/m
2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。
下処理によって得られたポリプロピレン平織織布の質量
は68g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:熱可塑
性樹脂/10:20)これ以外は実施例2と同一の配合
と手順に従って、厚さ0.46mm、質量493g/m2
のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0096】〔実施例11〕実施例3の表面被覆層付無
機系化合物粒子の(B−3)の処理工程を下記工程に変
更した。イソプロピルアルコール500重量部に、有機
チタネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキ
シチタン(TBT):分子量340:有効量100%:
日本曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌し
た後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズ
N−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:
神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分
間撹拌した。次に、尿素樹脂(商標:ポリフィックスL
F20:高縮合尿素:固形分55重量%:昭和高分子
(株))20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフ
LPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:
固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部を加
えて10分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時
間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物粒子(B−
3’)104.47gを得た。無機系化合物粒子本体に
対する表面被覆層の被覆率は4.28%であった。
【0097】窒素含有化合物粒子(商標:MC−61
0:メラミン・シアヌレート:平均粒子径1〜5μm:
日産化学(株))の表面被覆処理は実施例3と同一とし
た。また、実施例3のポリエステル平織織布(250デ
ニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸2
0本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率1
7%:質量55g/m2 )に下記下処理剤(2)による
処理を施したこと以外は実施例3と同一の配合及び、手
順に従って厚さ0.46mm、質量488g/m2 のポリ
オレフィン系樹脂シートを得た。 <下処理剤(2)の組成> 商標:スノーテックスC:日本シリカ工業(株): 無水ケイ酸含有率20重量%:平均粒子径10〜20nm 100重量部 商標:KBM303:信越化学工業(株): エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 希釈剤:蒸留水 50量部 上記下処理剤(2)の浴中にポリエステル平織織布を浸
漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は58g/m2 であった。
(無水ケイ酸:シランカップリング剤/20:3)
【0098】〔実施例12〕実施例4の無機系化合物
(2)の表面被覆(B−4)処理工程を下記工程に変更
した。蒸留水400重量部とメタノール100重量部と
の合計500部量に、フェノール樹脂(商標:タマノル
720:レゾール型フェノール樹脂水溶液:固形分45
重量%:荒川化学(株))20重量部と、耐光安定剤
(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学
(株))0.5重量部、有機シラン化合物(商標:SH
6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシ
ラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分
間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B
−315:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:ア
ルコア化成(株))100重量部を加え、更に30分間
撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無
機系化合物粒子(B−4)105.1gを得た。無機系
化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.85
%であった。リン含有化合物(商標:エクソリットAP
422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3n
n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリア
ント・ジャパン(株))の表面被覆処理は実施例4と同
一である。
【0099】また、実施例4のポリプロピレン平織織布
(340デニールポリプロピレンマルチフィラメント:
糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54
cm:空隙率18%:質量:65g/m2 )を実施例11
と同一の下処理剤(2)に浸漬し、織布を引き上げると
同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/
2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行っ
た。下処理によって得られたポリプロピレン平織織布の
質量は68g/m2 であった。(無水ケイ酸:シランカ
ップリング剤/20:3)これ以外は実施例4と同一の
配合と手順に従って、厚さ0.47mm、質量516g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0100】〔実施例13〕実施例5のポリエステル平
織織布(500デニールポリエステルマルチフィラメン
ト:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.
54cm:空隙率19%:質量75g/m2 :帝人
(株))に下記下処理剤(3)による処理を施したこと
以外は実施例5と同一の配合及び、手順に従って厚さ
0.48mm、質量518g/m2 のポリオレフィン系樹
脂シートを得た。 <下処理剤(3)の組成> 商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株): 合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子径3μm 10重量部 商標:KBM303:信越化学工業(株): エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 希釈剤:蒸留水 150量部 上記下処理剤(3)の浴中にポリエステル平織織布を浸
漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は78g/m2 であった。
(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤/10:
3)
【0101】〔実施例14〕実施例6の表面被覆層付無
機系化合物粒子(B−5)処理工程を下記工程に変更し
た。メチルエチルケトン500重量部に、ジアリルフタ
レート樹脂(商標:イソダップ:イソフタル酸ジアリル
エステルの重合体:大阪曹達(株))10重量部と、金
属アルコキシド化合物(商標:テトラ−n−ブトキシシ
リコン:有効量100%:住友セメント(株))5重量
部、耐光安定剤(A−1)(商標:バイオソーブ51
0:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株))を0.15
重量部を加えて30分間撹拌した後、無機系化合物粒子
本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシ
ウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))1
00重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過
して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機
系化合物粒子(B−5)104.50gを得た。無機系
化合物粒子本体(1)に対する表面被覆層の被覆率は
4.30%であった。リン含有化合物(商標:エクソリ
ットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO
3n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:
クラリアント:ジャパン(株))の表面被覆は実施例4
と同一である。
【0102】また、実施例6のポリエステル平織織布
(750デニールポリエステルマルチフィラメント:糸
密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54c
m:空隙率22%:質量:95g/m2 :)を実施例1
3と同一の下処理剤(3)に浸漬し、織布を引き上げる
と同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g
/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行っ
た。下処理によって得られたポリエステル平織織布の質
量は98g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:シラ
ンカップリング剤/10:3)これ以外は実施例6と同
一の配合及び、手順に従って厚さ0.52mm、質量54
8g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0103】〔実施例15〕実施例7の表面被覆層付き
無機系化合物粒子の(B−6)の処理工程を下記工程に
変更した。イソプロピルアルコール500重量部に、耐
光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化
学(株))0.5重量部、有機チタネート化合物(商
標:B−1:テトラ−n−ブトキシチタン(TBT):
分子量340:有効量100%:日本曹達(株))5重
量部を添加して、30分間撹拌した後、エポキシ樹脂
(商標:デナキャストEM−101:変性ビスフェノー
ルA型エポキシエマルジョン:エポキシ当量520:固
形分濃度50重量%:ナガセ化成(株))20重量部
と、触媒としてトリエタノールアミン0.5重量部、及
び無機系化合物粒子本体(商標:マグシーズN−3:水
酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工
業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌し
た。これを濾過して120℃で2分間乾燥し、表面被覆
層を有する無機系化合物粒子(B−6)104.27g
を得た。無機系化合物粒子本体(1)に対する表面被覆
層の被覆率は4.14%であった。窒素含有化合物の表
面被覆は実施例3と同一、リン含有化合物の表面被覆は
実施例4と同一である。
【0104】また、実施例7のポリエステル平織織布
(500デニールポリエステルマルチフィラメント:糸
密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54c
m:空隙率19%:質量75g/m2 :帝人(株))に
下記下処理剤(4)による処理を施したこと以外は実施
例7と同一の配合及び、手順に従って厚さ0.48mm、
質量518g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得
た。 <下処理剤(4)の組成> 商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株): 合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子径3μm 10重量部 商標:KBM303:信越化学工業(株): エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 商標:アクアテックスE−1800:中央理化工業(株): エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン (固形分40重量%) 50重量% 希釈剤:蒸留水 150量部 上記下処理剤(4)の浴中にポリエステル平織織布を浸
漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は78g/m2 であった。
(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤:熱可塑性
樹脂/10:3:20)
【0105】〔実施例16〕実施例8の表面被覆層付き
無機系化合物粒子の(B−1)処理方法を実施例9と同
一とし、また表面被覆層付き無機系化合物粒子の(B−
2)は実施例10と同一に変更した。リン含有化合物の
表面被覆は実施例4と同一であった。また、実施例8の
ポリエステル平織織布(750デニールポリエステルマ
ルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯
糸20本/2.54cm:空隙率22%:質量:95g/
2 :)に実施例15と同一の下処理剤(4)に浸漬
し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は98g/m2 であった。
(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤:熱可塑性
樹脂/10:3:20)これ以外は実施例8と同一の配
合及び、手順に従って厚さ0.52mm、質量548g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0106】〔実施例17〕実施例1と同一のポリオレ
フィン系樹脂被覆フィルムを、下記難燃処理を施したポ
リエステル平織織布(250デニールポリエステルマル
チフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸
21本/2.54cm:空隙率20%:質量55g/m
2 )の片面に140℃に設定した熱ロールと圧着ロール
対、及び赤外線ヒーターを有するラミネーターで貼り合
わせ、片表面にポリオレフィン系樹脂被覆フィルムを有
する、厚さ0.38mm、質量325g/m2 のポリオレ
フィン系樹脂シートを得た。 <難燃化処理剤組成> K−19A:明成化学工業(株):環式ホスホン酸エステル (有効成分100%) 12重量部 希釈蒸留水 100重量部 上記難燃化処理剤の浴中にポリエステル平織織布を浸漬
し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、
(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風
炉中2分間の乾燥、次いで180℃の熱風炉中1分間の
熱処理を行った。難燃化処理によって得られたポリエス
テル平織織布の質量は58g/m2 であった。
【0107】〔実施例18〕実施例1のポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、裏面に積層するポリオレフィン
系樹脂被覆フィルム層を下記組成からなる熱可塑性樹脂
層に変更したこと以外は実施例1と同一とし、片面にポ
リオレフィン系樹脂被覆フィルム層を有し、その裏面に
裏面熱可塑性樹脂層を有する厚さ、0.43mm、質量4
04g/m2のポリオレフィン系樹脂シートを得た。 <熱可塑性樹脂層組成> 商標:スミカフレックスs−951:住友化学工業(株): エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン (固形分55重量%) 70重量部 商標:リカボンドBE−1502:中央理化工業(株): エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン (固形分50重量%) 30重量部 実施例1と同一の表面被覆(1−a)を有する無機系化合物(1) 40重量部 K−19A:明成化学工業(株):環式ホスホン酸エステル (有効成分100%) 5重量部 商標:カルボジライトV−02:日清紡(株): カルボジイミド化合物(固形分40重量%) 3重量部 商標:リュウダイ−W69ホワイト:大日本インキ化学工業(株): 水性顔料(白)(固形分50重量%) 4重量部 商標:リュウダイ−WブルーGLK:大日本インキ化学工業(株): 水性顔料(青)(固形分50重量%) 1.5重量部 商標:ULS−383MG:一方社油脂工業(株): ベンゾフェノン系高分子エマルジョン(固形分30重量%) 4重量部 ポリエステル平織織布の片面にポリオレフィン系樹脂被
覆フィルム層を有する積層体の裏面に上記組成からなる
熱可塑性樹脂エマルジョン組成物(固形分65.8重量
%)を3mm厚のドクターナイフを用いて塗布し、100
℃の熱風乾燥炉で3分間乾燥させて、裏面被覆層を形成
した。塗工によって形成された裏面被覆層の質量は82
g/m2 であった。
【0108】〔実施例1〜実施例18の効果〕実施例1
〜8のポリオレフィン系樹脂シートの構成及び性能を表
1に示す。実施例9〜18のポリオレフィン系樹脂シー
トの構成及び性能を表2に示す。実施例1〜18のポリ
オレフィン系樹脂シートに用いられたハロゲン非含有難
燃剤粒子の組成を表3に示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】実施例1〜実施例18のポリオレフィン系
樹脂シートに用いたポリオレフィン系樹脂被覆層用フィ
ルムは、特定の熱硬貨性樹脂によって表面被覆したハロ
ゲン非含有難燃剤粒子を用いることによって何れも高度
の酸素指数値を有しながら、しかも1規定(N)濃度の
硝酸水溶液と0.1規定(N)濃度の硫酸水溶液との混
合水溶液中に20℃、24時間浸漬した後、室温で自然
乾燥させ、その状態で6日間放置し、シートの樹脂内部
に酸を濃縮させる過酷な試験において、90%以上の限
界酸素指数保持率と、90%以上の残存強度保持率を示
すなど、優れた耐酸性をも有するものであった。また、
実施例1〜実施例18のポリオレフィン系樹脂シートで
同一の耐酸試験を実施したところ、フィルムと同様に良
好な耐酸性を有し、しかも消防法に適合可能な防炎性を
有しているものであった。更に実施例1〜実施例18の
ポリオレフィン系樹脂シートに用いたポリオレフィン系
樹脂層のフィルムをカーボンアーク式サンシャインウエ
ザーメーターで1000時間の耐候促進試験を実施し、
その外観の色差を測定した結果、色差ΔEは全て2.0
以下であった。また、この1000時間耐候促進したフ
ィルムの耐酸試験を行った結果、(試験II)80%以上
の限界酸素指数保持率と、85%以上の残存強度保持率
を示すなど、耐候試験後にも優れた難燃性と耐酸性をも
有するものであった。また、高周波ウエルダー性に関し
ては、ポリ塩化ビニル樹脂専用の従来の高周波ウエルダ
ー機での融着接合が容易に可能であった。(陽極電流値
が0.8A、融着時間5秒、冷却時間5秒、ウエルドバ
ー温度40〜50℃条件)また、実施例1〜8及び実施
例18の接合部の剪断破壊の状態は糸抜け破壊を伴って
本体破壊までには至らなかったが、本体破壊強度の85
%以上を有しているため実用的には全く問題のないもの
であった。また実施例9〜実施例16の繊維織物基布に
ケイ素化合物を含有する下処理を施したポリオレフィン
系樹脂シートでは接合部の剪断破壊が本体破壊する程に
安定して向上した。特にこれらのケイ素化合物を含有す
る下処理は、従来の接着剤による接着処理の問題であっ
た風合い硬化の問題及び、引裂強度低下の問題がなく、
実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートの接
合部糸抜け破壊を改善可能とする有効な繊維織物基布の
下処理であった。また更に、耐熱クリープ性試験を評価
したところ、実施例9〜実施例16のポリオレフィン系
樹脂シートは何れも60℃×25kgf 荷重×24時間の
耐熱クリープ試験に合格した。(実施例1〜8及び実施
例18のポリオレフィン系樹脂シートは何れも50℃×
25kgf 荷重×24時間の耐熱クリープ試験には合格)
また、実施例1〜実施例18のシートは全て風合いが柔
らかく、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製のシートの風合いに
遜色のないもので、しかも耐候性、耐酸性にも優れるた
め、従ってこれらのポリオレフィン系樹脂シートは酸性
雨が多い環境下でも使用できるものであると判断され
た。特にこれら実施例1〜実施例18のポリオレフィン
系樹脂シートは、製造時の加工性に優れていて、窒素含
有化合物、リン含有化合物、及び、無機系化合物などの
ハロゲン非含有難燃剤を予め高濃度化した予備造粒を行
うことによって、ポリオレフィン系樹脂への混練性が容
易で効率的であった。そしてしかも、その混練が極めて
正確に実施可能なため得られるシートの防炎性にバラツ
キがなく、防炎性に信頼がおけるものであった。
【0113】〔比較例1〕実施例1のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム
(株))60重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存
在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:
スミカセンα・FZ2203−0:MFR2.0:密度
0.932:住友化学工業(株))90重量部に変更
し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)
(商標:エバテートK2010:VA含有量25重量
%:住友化学工業(株))の配合量40重量部を10重
量部に変更した。またさらに耐候安定剤(C−1)(商
標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を
0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤
(C−1)(商標:チヌビン765:チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(株))の配合量を0.5重量部から
1.5重量部に変更した。上記組成の変更以外は実施例
1と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)
(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島
化学工業(株))の表面被覆処理を省略した。また、比
較例1では上記配合コンパウンドを一括投入により15
0℃に設定したテストロール(西村製作所(株):6イ
ンチ径2本ロール)で5分間混練(5分間で練りきれな
い配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコ
ンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの
酢酸ビニル成分を2.5重量%含有するLOI値29.
4のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。こ
れ以外は実施例1と同様の手順に従ってポリエステル平
織織布(250デニールポリエステルマルチフィラメン
ト:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.
54cm:空隙率17%:質量55g/m2 )の両面に上
記フィルムが積層された、厚さ0.45mm、質量485
g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0114】〔比較例2〕実施例2のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−2)(商標:エボリューSP2020:三井化学
(株))の配合量50重量部を90重量部に変更し、ま
たエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−2)(商
標:エバフレックスP1905:VA含有量19重量
%:三井デュポンポリケミカル(株))の配合量50重
量部を10重量部に変更した。またさらに耐光安定剤
(C−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品
(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変
更し耐光安定剤(C−2)(商標:チヌビン765:チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合量を
0.5重量部から1.5重量部に変更した。上記組成の
変更以外は実施例2と同一の配合としたが、無機系化合
物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニ
ウム:アルコア化成(株))の表面被覆処理を省略し
た。また、比較例2では上記配合コンパウンドを一括投
入により150℃に設定したテストロール(西村製作所
(株):6インチ径2本ロール)で5分間混練(5分間
で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)し
た。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚
さ0.17mmの酢酸ビニル成分を2重量%含有するLO
I値30.3のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルム
を得た。これ以外は実施例2と同様の手順に従ってポリ
プロピレン平織織布(340デニールポリプロピレンマ
ルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯
糸20本/2.54cm:空隙率18%:質量65g/m
2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.46
mm、質量488g/m2 のポリオレフィン系樹脂シート
を得た。
【0115】〔比較例3〕実施例3のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム
(株))60重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存
在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:
スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度
0.932:住友化学工業(株))10重量部に変更
し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)
(商標:エバテートK2010:VA含有量25重量
%:住友化学工業(株))の配合量40重量部を90重
量部に変更した。またさらに耐光安定剤(C−1)(商
標:バイオソーブ510:共同薬品(株))、耐光安定
剤(C−3)(商標:チヌビン114:チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株))の配合量の配合を全て省略
した。上記組成変更以外は実施例3と同一の配合とした
が、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN
−3:水酸化マグネシウム:神島化学工業(株))の表
面被覆処理と、窒素含有化合物粒子本体(商標:MC−
610:メラミン・シアヌレート:日産化学(株))の
表面被覆処理を省略した。また、比較例3では上記配合
コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテス
トロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材
は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンド
からカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル
成分を22重量%含有するLOI値31.4のポリオレ
フィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は実施
例1と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(25
0デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経
糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙
率17%:質量55g/m2 )の両面に上記フィルムが
積層された、厚さ0.46mm、質量484g/m 2 のポ
リオレフィン系樹脂シートを得た。
【0116】〔比較例4〕実施例4のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−2)(商標:エボリューSP2020:三井化学
(株))の配合量50重量部を10重量部に変更し、ま
たエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−2)(商
標:エバフレックスP1905:VA含有量19重量
%:三井デュポンポリケミカル(株))の配合量50重
量部を90重量部に変更した。またさらに耐光安定剤
(C−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品
(株))、耐光安定剤(C−3)(商標:チヌビン11
4:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合
を全て省略した。上記組成変更以外は実施例4と同一の
配合としたが、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B
−315:水酸化アルミニウム:アルコア化成(株))
の表面被覆処理と、リン含有化合物粒子本体(商標:エ
クソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH
4 PO3n 、n=1000:リン含有量31〜32重
量%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理
とを省略した。また比較例4では上記配合コンパウンド
を一括投入により150℃に設定したテストロールで5
分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から
除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダ
ー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を18重
量%含有し、LOI値31.7のポリオレフィン系樹脂
被覆層用フィルムを得た。これ以外は実施例2と同様の
手順に従ってポリプロピレン平織織布(340デニール
ポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度経糸19本
/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率18
%:質量65g/m2 )の両面に上記フィルムが積層さ
れた、厚さ0.47mm、質量514g/m2 のポリオレ
フィン系樹脂シートを得た。
【0117】〔比較例5〕実施例5のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム
(株))50重量部をチーグラー・ナッタ系触媒の存在
下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:ス
ミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.
932:住友化学工業(株))50重量部に変更した。
またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成にお
いて、耐光安定剤(C−1)(商標:バイオソーブ51
0:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.
5重量部に変更し、耐光安定剤(C−2)(商標:チヌ
ビン765:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は実
施例5と同一の配合としたが、窒素含有化合物粒子本体
(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:日産
化学(株))と、リン含有化合物粒子本体(商標:エク
ソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4
PO3n 、n=1000:リン含有量31〜32重量
%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理を
省略した。また比較例5では上記配合コンパウンドを一
括投入により150℃に設定したテストロールで5分間
混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外
とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧
延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を11重量%
含有し、LOI値33.5のポリオレフィン系樹脂被覆
層用フィルムを得た。これ以外は実施例5と同様の手順
に従ってポリエステル平織織布(500デニールポリエ
ステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.5
4cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率19%:質量7
5g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ
0.48mm、質量513g/m2 のポリイレフィン系樹
脂シートを得た。
【0118】〔比較例6〕実施例6のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム
(株))50重量部をチーグラー・ナッタ系触媒の存在
下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:ス
ミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.
932:住友化学工業(株))50重量部に変更した。
またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成にお
いて耐光安定剤(C−1)(商標:バイオソーブ51
0:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.
5重量部に変更し、耐光安定剤(C−2)(商標:チヌ
ビン765:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は実
施例6と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体
(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウ
ム:神島化学工業(株))の表面被覆処理(1−c)
と、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP
422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3n
n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリア
ント・ジャパン(株))の表面被覆処理を省略した。ま
た比較例6では上記配合コンパウンドを一括投入により
150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間
で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)し
た。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚
さ0.20mmの酢酸ビニル成分を11重量%含有し、L
OI値32.7のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィル
ムを得た。これ以外は実施例6と同様の手順に従ってポ
リエステル平織織布(750デニールポリエステルマル
チフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸
20本/2.54cm:空隙率22%:質量95g/m
2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.52
mm、質量542g/m2 のポリオレフィン系樹脂シート
を得た。
【0119】〔比較例7〕実施例7のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム
(株))50重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存
在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:
スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度
0.932:住友化学工業(株))50重量部に変更し
た。またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成
において、耐光安定剤(C−1)(商標:バイオソーブ
510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から
1.5重量部に変更し、耐光安定剤(C−3)(商標:
チヌビン114:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は実
施例7と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体
(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウ
ム:神島化学工業(株))の表面被覆処理と、リン含有
化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリ
リン酸アンモニウム(NH4 PO3n 、n=100
0:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャ
パン(株))及び、窒素含有化合物粒子本体(商標:M
C−610:メラミン・シアヌレート:日産化学
(株))の表面被覆処理を省略した。また比較例7では
上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定
したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない
配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコン
パウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢
酸ビニル成分を11重量%含有し、LOI値33.8の
ポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以
外は実施例7と同様の手順に従ってポリエステル平織織
布(500デニールポリエステルマルチフィラメント:
糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54
cm:空隙率19%:質量75g/m2 )の両面に上記フ
ィルムが積層された、厚さ0.48mm、質量515g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0120】〔比較例8〕実施例8のメタロセン系触媒
の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a
−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム
(株))50重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存
在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:
スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度
0.932:住友化学工業(株))50重量部に変更し
た。またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成
において、耐光安定剤(C−1)(商標:バイオソーブ
510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から
1.5重量部に変更し、耐光安定剤(C−3)(商標:
チヌビン114:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))を全て省略した。上記組成変更以外は実施例7
と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)
(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島
化学工業(株))の表面被覆処理と、無機系化合物粒子
本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:
アルコア化成(株)の表面被覆処理及び、リン含有化合
物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン
酸アンモニウム(NH4 PO3n 、n=1000:リ
ン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン
(株))の表面被覆処理を省略した。また比較例7では
上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定
したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない
配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコン
パウンドからカレンダー圧延により厚さ0.20mmの酢
酸ビニル成分を11重量%含有するLOI値28.6の
ポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以
外は実施例8と同様の手順に従ってポリエステル平織織
布(750デニールポリエステルマルチフィラメント:
糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54
cm:空隙率22%:質量95g/m2 )の両面に上記フ
ィルムが積層された、厚さ0.52mm、質量547g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0121】比較例1〜8のポリオレフィン系樹脂シー
トの構成及び性能を表4に示す。比較例1〜8のポリオ
レフィン系樹脂シートに用いられたハロゲン非含有難燃
剤粒子の組成を表5に示す。
【0122】
【表4】
【0123】
【表5】
【0124】〔比較例1〕〜〔比較例8〕 比較例1と比較例2では直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(a)の配合比率を90重量%としたため、高周波ウエ
ルダー融着性が不十分となった。また比較例1、比較例
2では耐光安定剤(C−1)、(C−2)の配合量を増
量したため、製造から3日目にはシートの表面にこれら
耐光安定剤がブルーム(粉ふき)していた。比較例3、
比較例4ではエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b)
の配合比率を90重量%に増量したため、高周波ウエル
ダー融着性は十分であったが耐摩耗性が悪いものとなっ
た。また比較例1〜比較例8のポリオレフィン系樹脂シ
ートのフィルムの防炎性は、消防法に適合可能な防炎性
能を初期的に有していたが、耐酸試験の結果、1規定
(N)濃度の硝酸水溶液と0.1規定(N)濃度の硫酸
水溶液との混合水溶液中に20℃、24時間浸漬した
後、室温で自然乾燥させ、その状態で6日間放置し、シ
ートの樹脂内部に酸を濃縮させる過酷な試験において、
限界酸素指数は15〜25%低下し、残存強度は30〜
50%低下するなど耐酸性に劣るものであった。また比
較例3〜比較例8の耐光安定剤を含まないポリオレフィ
ン系樹脂層のフィルムをカーボンアーク式サンシャイン
ウエザーメーターで1000時間の耐候促進試験を実施
し、その耐酸試験を行った結果、残存強度保持率は、そ
の保持率が16〜21%でしかなかった。また樹脂の劣
化に伴って、酸性溶液が、ポリオレフィン系樹脂フィル
ム内部にまで浸透することによってハロゲン非含有難燃
剤が腐食されて限界酸素指数値が更に低下するなど、酸
性雨を前提とした環境下では、これらの比較例1〜8の
難燃化ポリオレフィン系樹脂シートは全く使用できるレ
ベルのものではなかった。また比較例1〜比較例8では
シートの製造方法、特にポリオレフィン樹脂とハロゲン
非含有難燃剤(無機系化合物、窒素含有化合物、リン含
有化合物)との混練方法を一括混練としたために、極め
て混練効率が悪く、しかも混練設定時間の5分間以内に
ハロゲン非含有難燃剤を樹脂中に完全に練り込むことが
できず、テストロールのロール下にはこれらのハロゲン
非含有難燃剤が多量にこぼれ落ちた状態であった。従っ
てハロゲン非含有難燃剤を規定量含むことができない比
較例1〜比較例8のシートの防炎性試験は不安定で一部
不適合となる例が存在した。また確認のためロール下に
こぼれ落ちたこれらの化合物を回収して再度テストロー
ル混練を続けたが、それでも尚ロール下にはこれらの化
合物がこぼれ落ちていた。この動作を繰り返すことによ
ってやがてこれらのハロゲン非含有難燃剤を樹脂中に混
練することができたが、この動作の繰り返しの間にこれ
らのハロゲン非含有難燃剤が飛散して大きなロスを生じ
る結果となった。結果を表4、表5の比較例1〜比較例
8に示した。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐光性と耐酸性
を有し、かつ高周波融着可能であるポリオレフィン系樹
脂製シート及び、高周波融着部の破壊強度と耐熱クリー
プ性に優れた難燃化ポリオレフィン系樹脂シートを容易
に得ることができる。従って本発明の方法及び製造方法
により得られるポリオレフィン系樹脂製シートは、テン
ト用膜材、シート倉庫用膜材、建築現場用養生シート、
建築現場用遮音シートなど、屋外で酸性雨に晒される用
途に適しており、しかも屋外で長期間防炎性能の維持が
可能な新規の産業資材用耐酸性雨性難燃化シートとして
極めて有用なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 4L033 9/04 9/04 C08L 23/08 C08L 23/08 C09C 1/00 C09C 1/00 3/10 3/10 C09D 5/18 C09D 5/18 123/04 123/04 123/08 123/08 131/04 131/04 133/06 133/06 D06M 13/517 D06M 13/517 15/333 15/333 Fターム(参考) 4F100 AA17B AA17C AA17H AA20A AH02B AH02C AH02H AH03B AH03C AH03H AH06A AH06B AH06C AH06H AH08B AH08C AH08H AK01B AK01C AK01H AK03B AK03C AK63B AK63C AK68B AK68C AK71B AK71C AL05B AL05C BA03 BA06 BA10B BA10C CA05B CA05C CA08B CA08C DD32B DD32C DD32H DG11A EJ64A GB07 GB90 JB01 JB13B JB13C JB13H JB16C JJ03 JL09 YY00B YY00C 4F201 AA03 AA04E AA08 AA10 AA21E AB05 AB06 BA02 BC12 BC15 BC19 BC37 BD05 BK02 BK13 BK26 BL09 BL43 4J002 BB05W BB06X BB07X DA056 DE076 DE096 DE136 DE146 DE186 DH026 DH056 DK006 EE037 EJ067 ER026 ET007 ET016 EU077 EU177 EU196 EV266 EW046 EW066 FA086 FB086 FB266 FD047 FD136 4J037 AA00 AA08 CB05 CC22 CC23 CC24 CC26 CC28 EE03 FF13 4J038 CB041 CF032 CG032 CG142 CJ012 DG262 HA056 HA186 HA216 HA386 HA416 HA476 JB20 JB24 KA15 KA20 NA15 PB02 PB03 PC08 4L033 AC15 BA55 BA96 CA50 DA06

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛を含む基布と、前記基布の少な
    くとも1面を被覆しているポリオレフィン系樹脂被覆層
    とを有し、 前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、 (A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンドと (B)20〜200重量部の、粒子本体と、その表面に
    形成された表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲ
    ン非含有難燃剤粒子と、 (C)0.05〜3.0重量部の耐光安定剤とを含み、 前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)が、 (a)メタロセン系触媒の存在下で、エチレンと、少な
    くとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られた直
    鎖状低密度ポリエチレン系樹脂と、 (b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン
    −(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂から選
    ばれた少なくとも1種からなるエチレン系共重合体樹脂
    と、を含み、 前記エチレン系共重合体樹脂(b)に含まれる酢酸ビニ
    ル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計重量が、
    前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)の合計重量に
    対して、5〜30重量%の範囲内にある、ことを特徴と
    する、耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が前記
    基布の表面を被覆しており、さらに、前記基布の裏面
    が、熱可塑性樹脂層により被覆されていて、前記熱可塑
    性樹脂層が、 (D)100重量部の熱可塑性樹脂と (B)20〜200重量部の、粒子本体と、その表面に
    形成された表面被覆層とを有する少なくとも1種のハロ
    ゲン非含有難燃剤粒子と、 (C)0.05〜3.0重量部の耐光安定剤とを含む、
    請求項1に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹
    脂シート。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の
    表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
    脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリア
    ジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1
    種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆層が、前記
    ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量
    %である、請求項1又は2に記載の耐酸性雨性難燃化ポ
    リオレフィン系樹脂シート。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の
    表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に金属アルコキシド化
    合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アル
    キルフルオロ基含有化合物及びシリコーン系化合物から
    選ばれた1種以上の添加剤が混合されていて、この添加
    剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量に対して、1〜30
    重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐酸
    性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
  5. 【請求項5】 前記耐光安定剤(C)が前記ハロゲン非
    含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、含有されてい
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難
    燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
  6. 【請求項6】 前記耐光安定剤(C)が、ベンゾトリア
    ゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアク
    リレート系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダード
    アミン系化合物から選ばれた1種以上を含む、請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレ
    フィン系樹脂シート。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の
    粒子本体が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系
    化合物の1種以上を含む、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シー
    ト。
  8. 【請求項8】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の
    粒子本体用リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸
    塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムか
    ら選ばれる、請求項7に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオ
    レフィン系樹脂シート。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の
    粒子本体用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系
    化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化
    合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選
    ばれる、請求項7に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフ
    ィン系樹脂シート。
  10. 【請求項10】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    の粒子本体用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化
    物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれる、
    請求項7に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹
    脂シート。
  11. 【請求項11】 前記基布用繊維布帛が、フィラメント
    糸条からなり、かつその空隙率が5〜40%である、請
    求項1又は2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン
    系樹脂シート。
  12. 【請求項12】 前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シ
    リカ、コロイダルシリカ、有機シラン化合物より選ばれ
    た1種以上のケイ素化合物を含有する処理剤によって下
    処理されている、請求項1,2及び11のいずれか1項
    に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シー
    ト。
  13. 【請求項13】 前記基布用繊維布帛が、繊維形成時に
    難燃剤を練り込み或いはドーピングすることにより、又
    は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されている、
    請求項1,2,11及び12のいずれか1項に記載の耐
    酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
  14. 【請求項14】 前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂
    製造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導
    体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する
    有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含
    む、請求項1又は2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレ
    フィン系樹脂シート。
  15. 【請求項15】 前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹
    脂(D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸
    ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン
    −酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
    リスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミ
    ド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上
    を含む、請求項2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフ
    ィン系樹脂シート。
  16. 【請求項16】 前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂
    (D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビ
    ニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−
    酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
    スチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド
    系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも
    1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹
    脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬
    化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂か
    ら選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含む、請求項
    2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シー
    ト。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の耐酸性雨性難燃化ポ
    リオレフィン系樹脂シートを製造するために、 (1)前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に、前記ハ
    ロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも1種を高濃
    度で含む1種以上の(b)+(B)ペレットを製造し、 (2)前記(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖
    状低密度ポリエチレン系樹脂(a)及び前記耐光安定剤
    (C)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製し、 (3)前記被覆用樹脂コンパウンドを、カレンダー成形
    又はT−ダイ押出成形に供して、ポリオレフィン系樹脂
    フィルムを成形し、 (4)前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを、前記基布
    の少なくとも1面に積層・貼着する、ことを特徴とする
    耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方
    法。
  18. 【請求項18】 前記基布の表面に前記ポリオレフィン
    系樹脂フィルムを積層貼着する工程と、さらに、前記基
    布の裏面に、熱可塑性樹脂層を形成する工程とを含み、 前記熱可塑性樹脂層が、 (D)100重量部の熱可塑性樹脂と、 (B)20〜200重量部の、粒子本体と、その表面に
    形成された表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲ
    ン非含有難燃剤粒子と、 (C)0.05〜3.0重量部の耐光安定剤とを含み、 前記熱可塑性樹脂層の形成工程において、 (a′)前記熱可塑性樹脂(D)の水性エマルジョン及
    び水性ディスパージョンから選ばれた少なくとも1種か
    らなる水系の樹脂液、或は、 (b′)前記熱可塑性樹脂(D)を有機溶剤中に溶解し
    て得られた溶液、の中に、前記ハロゲン非含有難燃剤粒
    子(B)及び前記耐光安定剤(C)を含有させて調製さ
    れた塗布液を前記基布の裏面に塗布し、乾燥する、請求
    項17に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂
    シートの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    が、その粒子本体の組成、及び/又はその表面被覆層の
    組成において異る2種以上からなり、 前記(b)+(B)ペレット製造工程において、 前記
    2種以上のハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の全種を、
    前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に混合して単1種
    の(b)+(B)ペレットを製造する、 請求項17又は18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレ
    フィン系樹脂シートの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    が、その粒子本体の組成及び/又はその表面被覆層の組
    成において異る2種以上からなり、 前記(b)+(B)ペレット製造工程において、前記2
    種以上のハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも
    1種と、前記エチレン系共重合体樹脂(b)とを混合し
    て少なくとも2種の(b)+(B)ペレットを製造し、 前記被覆用樹脂コンパウンド調製工程において、前記2
    種以上の(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖状
    低密度ポリエチレン系樹脂(a)及び前記耐光安定剤
    (C)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製す
    る、請求項17又は18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリ
    オレフィン系樹脂シートの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
    脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリア
    ジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1
    種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆層が、前記
    ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量
    %である、請求項17〜20のいずれか1項に記載の耐
    酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に金属アルコキシド
    化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、ア
    ルキルフルオロ基含有化合物及びシリコーン系化合物か
    ら選ばれた1種以上の添加剤が混合されていて、この添
    加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量に対して、1〜3
    0重量%である請求項17〜21のいずれか1項に記載
    の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造
    方法。
  23. 【請求項23】 前記耐光安定剤(C)が前記ハロゲン
    非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に含有されてい
    る、請求項17〜22のいずれか1項に記載の耐酸性雨
    性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記耐光安定剤(C)が、ベンゾトリ
    アゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノア
    クリレート系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダー
    ドアミン系化合物から選ばれた1種以上を含む請求項1
    7〜23のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリ
    オレフィン系樹脂シートの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物の
    1種以上を含む、請求項17〜24のいずれか1項に記
    載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製
    造方法。
  26. 【請求項26】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    用リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金
    属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムから選ばれ
    る、請求項25に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィ
    ン系樹脂シートの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、
    (イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿
    素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれる、
    請求項25に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系
    樹脂シートの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)
    用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複
    合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれる、請求項25
    に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート
    の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記基布用繊維布帛が、フィラメント
    糸条からなり、かつその空隙率が5〜40%である、請
    求項17又は18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフ
    ィン系樹脂シートの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シ
    リカ、コロイダルシリカ、有機シラン化合物より選ばれ
    た1種以上のケイ素化合物を含有する処理剤によって下
    処理されている、請求項17,18及び29のいずれか
    1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シ
    ートの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記基布用繊維布帛が、繊維形成時に
    難燃剤を練り込み或いはドーピングすることにより、又
    は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されている、
    請求項17,18,29及び30のいずれか1項に記載
    の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造
    方法。
  32. 【請求項32】 前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂
    製造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導
    体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する
    有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含
    む、請求項17又は18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリ
    オレフィン系樹脂シートの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹
    脂(D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸
    ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン
    −酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
    リスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミ
    ド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上
    を含む、請求項18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレ
    フィン系樹脂シートの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂
    (D)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビ
    ニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−
    酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
    スチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド
    系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも
    1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹
    脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬
    化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂か
    ら選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含む、請求項
    18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シ
    ートの製造方法。
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