JP2001348756A - メッシュ状シート - Google Patents

メッシュ状シート

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JP2001348756A
JP2001348756A JP2000169541A JP2000169541A JP2001348756A JP 2001348756 A JP2001348756 A JP 2001348756A JP 2000169541 A JP2000169541 A JP 2000169541A JP 2000169541 A JP2000169541 A JP 2000169541A JP 2001348756 A JP2001348756 A JP 2001348756A
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JP2000169541A
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Takeshi Funaki
健 舟木
Shuichi Kitaoka
修一 北岡
Yukio Ide
征雄 井手
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NISHIYORI KK
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却時にハロゲン含有ガスを発生せず、優れた
耐光性と難燃性を有するメッシュ状シートを提供する。 【解決手段】条体が交叉部で接着しており、上記条体
は、合成樹脂成物よりなる内層部と、上記内層部が含浸
および/または被覆している繊維糸状体と、上記内層部
と繊維糸状体を被覆している樹脂組成物よりなる外層部
とで構成されている。上記内層部の樹脂組成物は難燃性
を有する。上記外層部の樹脂組成物は耐光性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメッシュ状シートに
関する。更に詳しくは、建築工事用メッシュシート、防
風ネット、防雪ネット等として屋外で使用されるメッシ
ュ状シート、または、主に屋内で遮光用のブラインド等
として使用されるメッシュ状シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築工事用メッシュシート、
防風ネット、防雪ネット等として屋外でメッシュ状シー
トが使用されている。また、主に遮光用のブラインドと
して屋内でメッシュ状シートが使用されている。上記メ
ッシュ状シートは、繊維糸状体とポリ塩化ビニル組成物
とで構成されたものが多く使用されている。繊維糸状体
としては、ポリエステルやポリアミド等の合成繊維やガ
ラス繊維等の無機繊維が使用されている。また、ポリ塩
化ビニル組成物には、難燃剤として塩素化パラフィンや
デカブロモジフェニルオキサイド等のハロゲン系の化合
物が配合されている。更に、難燃性を高めるために三酸
化アンチモンを併用することが広く行われている。上記
の従来から使用されているメッシュ状シートには、次の
ような問題点があった。即ち、メッシュ状シートの焼却
時に、有毒なハロゲン含有ガスが発生すること、また、
毒性の強い三酸化アンチモンを使用することによるポリ
塩化ビニルペースト配合時の作業環境の悪化等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題点に鑑み、
本発明は以下の課題の解決を目的とする。 燃焼時に有毒なハロゲン含有ガスの発生原因となる
ハロゲン化合物を含まないメッシュ状シートを提供する
こと。 使用時に太陽光に長時間晒されても変色し難い、耐
光性に優れたメッシュ状シートを提供すること。 三酸化アンチモンの様な毒性の強い難燃剤を使用せ
ずに、優れた難燃性を有するメッシュ状シートを提供す
ること。
【0004】
【課題を解決する手段】上記目的のために講じた本発明
の手段は次の通りである。
【0005】第1の発明にあっては、条体が交叉部で接
着しており、上記条体は、合成樹脂成物よりなる内層部
と、上記内層部が含浸および/または被覆している繊維
糸状体と、上記内層部と繊維糸状体を被覆している合成
樹脂組成物よりなる外層部とで構成されており、上記内
層部の合成樹脂組成物は難燃性を有し、上記外層部の合
成樹脂組成物は耐光性を有することを特徴とする、メッ
シュ状シートである。
【0006】第2の発明にあっては、内層部と外層部の
合成樹脂組成物の樹脂分が共にエチレン−酢酸ビニル共
重合体とポリウレタンであることを特徴とする、第1の
発明に係るメッシュ状シートである。
【0007】第3の発明にあっては、内層部の合成樹脂
組成物には、赤りん系難燃剤、窒素系難燃剤、水酸化ア
ルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムを含み、
外層部の合成樹脂組成物には、水酸化アルミニウムおよ
び/または水酸化マグネシウムを含むことを特徴とす
る、第1または第2の発明に係るメッシュ状シートであ
る。
【0008】第4の発明にあっては、内層部と外層部の
合成樹脂組成物の樹脂固形分が共にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体50〜80重量%とポリウレタン20〜50
重量%であることを特徴とする、第1、第2または第3
の発明に係るメッシュ状シートである。
【0009】第5の発明にあっては、内層部に含まれる
合成樹脂固形分100重量部に対して、赤りん系難燃剤
1〜16重量部、窒素系難燃剤5〜20重量部、水酸化
アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム50〜
150重量部を含み、外層部に含まれる合成樹脂固形分
100重量部に対して、水酸化アルミニウムおよび/ま
たは水酸化マグネシウム50〜150重量部が含まれて
いることを特徴とする、第1、第2、第3または第4の
発明に係るメッシュ状シートである。
【0010】第6の発明にあっては、繊維糸状体100
重量部に対して、70〜150重量部の内層部が使用さ
れており、また、10〜80重量部の外層部が使用され
ていることを特徴とする、第1、第2、第3、第4また
は第5の発明に係るメッシュ状シートである。
【0011】第7の発明にあっては、窒素系難燃剤がメ
ラミンシアヌレートであることを特徴とする、第3、第
4、第5または第6の発明に係るメッシュ状シートであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のメッシュ状シートに用い
られる繊維糸状体は、例えば、アクリル繊維、ポリアミ
ド繊維(ナイロン6繊維やナイロン66繊維等)、ポリ
エステル(ポリエチレンテレフタレート)繊維、芳香属
ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維等を
あげることができる。また、例えば、ガラス繊維、炭素
繊維等の無機繊維等をあげることができる。しかし、こ
れらに限定されるものではない。
【0013】上記繊維糸状体はスパン糸、マルチフィラ
メント糸のいずれも使用できるが、繊維糸状体への水系
合成樹脂組成物の良好な含浸性を得るにはマルチフィラ
メント糸が好適である。上記の中で、ポリエステルマル
チフィラメント糸は、強度が39〜88mN/dte
x、切断伸度が12〜40%、トータル繊度が140〜
4970dtexのものが好適である。マルチフィラメ
ント糸は、メッシュ状シートの使用目的に応じて適宜選
択して使用できる。
【0014】また、繊維糸状体としては、ガラス繊維等
もよく使用される。ガラス繊維は不燃性でありメッシュ
状シートに難燃性を付与しやすいことおよび寸法変化が
少ないこと等によりブラインド等の繊維素材として優れ
ている。ガラス繊維糸状体としては、単糸や合撚糸に形
成されたものが使用される。このとき使用されるフィラ
メントは、通常、径が3、5、6、7、9μm、集束数
が50〜800本、ト−タル繊度が56〜4000dt
exである。
【0015】合成樹脂組成物としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体とポリウレタンより得られた組成物が好
適である。これらの組成物から得られるメッシュ状シー
トの条体の熱接着による交点接着力は大きく、ポリ塩化
ビニルを使用したメッシュ状シートと同レベルである。
また、加工設備もポリ塩化ビニルペーストによる加工で
用いられているものがそのまま使用できる利点がある。
【0016】因みに、アクリル樹脂はメッシュ状シート
に使用した場合、交点接着力が小さく、ポリエチレンや
エチレンメタクリル酸共重合体等は、柔軟性がなくメッ
シュ状シートの加工操作が困難な場合がある。
【0017】エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリウレ
タンは、繊維糸状体との加工素材としてはエマルジョン
が使用される。エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョンは、酢酸ビニル含有量が70〜95重量%、固形分
濃度が40〜65重量%、平均粒子径が0.2〜7μm
のものが使用される。例えば、スミカフレックスS−4
55、S−471、S−752、S−753、リカボン
ドBE−1000、HA−1100(中央理化工業株式
会社製)等をあげることができる。しかし上記には限定
されない。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の固形分
の全合成樹脂の固形分中における割合は、50〜80重
量%である。
【0018】従って、ポリウレタンエマルジョンの固形
分の全合成樹脂の固形分中の割合は残余の20〜50重
量%である。20重量%未満では交点接着力が不十分で
あり、50重量%を超えれば材料コストが高価となる。
ポリウレタンエマルジョンとしては、例えば、レタンW
BC(関西ペイント株式会社製)、アデカボンタイタ−
HUX−386、HUX−290H、HUX−380
(旭電化工業株式会社製)等の無黄変タイプの1種以上
が使用できる。しかし、上記には限定されない。
【0019】内層部の樹脂組成物に配合される赤りん系
難燃剤は、りん分が85重量%以上で平均粒子径が10
〜35μmのものが使用される。また、赤りん系難燃剤
は本発明者等が発明した、表面を樹脂等で被覆してホス
フィンの発生や衝撃による発火性を抑制したもの(特公
昭54−39200号公報、特許第1001719号)
が好ましく、例えば、ノーバレッド120、ノーバエク
セル140(燐化学工業株式会社製)があげられる。赤
りん系難燃剤は、りん元素に基づく縮合りん酸の生成に
よる可燃物の脱水炭化および被覆作用により可燃物への
酸素の供給を疎外し、難燃性を発揮する。赤りん系難燃
剤は、他のりん系難燃剤と比較してりん分含有率が高
く、従って、少量の配合量で高い難燃効果を得ることが
できる。上記赤りん系難燃剤は、内層部の全合成樹脂固
形分100重量部に対して1〜16重量部、好ましくは
5〜15重量部が配合される。1重量部未満では難燃性
が不十分となり、16重量部を超えて配合しても、それ
ほど難燃性は向上せず不経済である。
【0020】また、赤りん系難燃剤は、赤〜赤紫色の粉
末であり、上記赤りん系難燃剤を配合した合成樹脂組成
物を使用して製造したメッシュ状シートの外観は赤みが
かった色を呈する。赤りんに酸化チタンを混合した消色
タイプ品(燐化学工業株式会社製のノーバレッド280
C)が製造販売されているが、完全に赤味を消色するに
は至っていない。
【0021】また、難燃剤としては、メラミン、グアニ
ジン、ジシアンジアミド、メラミンシアヌレート、りん
酸メラミン等の窒素系難燃剤が使用される。上記窒素系
難燃剤は燃焼時に分解ガスとして、アンモニア等の含窒
素ガスを発生し可燃物への酸素の供給を疎外し難燃性を
向上させる。窒素系難燃剤は、内層部の全合成樹脂固形
分100重量部に対して5〜20重量部が配合される。
5重量部未満では、難燃性が不十分であり20重量部を
超えても、それ以上難燃効果が向上せず不経済である。
上記窒素系難燃剤の中でも、メラミンシアヌレートは接
水時に合成樹脂組成物からの脱落がなく優れている。メ
ラミンシアヌレートとしては、MC−440(日産化学
工業株式会社製)等が使用できる。なお、上記窒素系難
燃剤は、通常は、外層部には配合されない。これは、メ
ッシュ状シートの条体の交点接着力が低下するのを防ぐ
ためである。即ち、外層部の合成樹脂組成物中の合成樹
脂分の割合が多い程、条体の交点接着力は向上するの
で、合成樹脂分の割合が少なくなるのを避ける方が好ま
しい。
【0022】更に、難燃剤として水酸化アルミニウムと
水酸化マグネシウムとをあげることができる。これらの
金属水酸化物は熱分解により水分を発生し可燃物から熱
を奪い難燃効果を発揮する。また、赤りん系難燃剤に水
分を供給して縮合りん酸の生成を促進することから、上
記赤りん系難燃剤との併用効果が優れている。
【0023】また、水酸化アルミニウムや水酸化マグネ
シウムは安価であり、また、白色、無毒等の点でも優れ
ている。水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグ
ネシウムの配合量は全合成樹脂固形分100重量部に対
して50〜150重量部、好ましくは、70〜130重
量部が使用される。50重量部未満では上記赤りん系難
燃剤との併用効果が不十分となり、150重量部を超え
ると、メッシュ状シートの交点接着力が低下し好ましく
ない。水酸化アルミニウムは、平均粒子径が0.5〜8
0μmであり、C−3005、CM−45、C−30
8、CW−375HT(住友化学工業株式会社製)、U
FH−16、B−308、B−315(アルコア化成株
式会社製)等をあげることができる。水酸化マグネシウ
ムとしては、例えば、キスマ5A(協和化学工業株式会
社製)等をあげることができる。
【0024】メッシュ状シートには色々な色調のものが
要望されるが、顔料や染料等の着色剤を併用することに
より所望の色調にすることが可能である。しかしなが
ら、メッシュ状シートが太陽光に晒されると樹脂組成物
に配合された赤りん系難燃剤中の赤りんが徐々に消失し
赤味の減少による変色が認められる。赤りんの消失現象
の機構は不明であるが、太陽光に含まれる紫外線の影響
により赤りんが酸化分解するものと推定される。本発明
に係るメッシュ状シートにおいて、内層部を赤りん系難
燃剤が配合されていない外層部で被覆するのは、内層部
の赤りん系難燃剤を紫外線から遮断し保護するためであ
る。そのことにより、内層部に含まれる赤りんの酸化分
解を防ぎ、メッシュ状シートの変色を防ぐことができ
る。
【0025】内層部の合成樹脂組成物は繊維糸状体10
0重量部に対して固形分で70〜150重量部が含浸お
よび/または被覆される。内層部の合成樹脂組成物が7
0重量部未満では十分な難燃性が得られない。150重
量部を超えると、メッシュ状シートが重くなり、使用時
に取り扱いにくくなる。外層部の合成樹脂組成物は、繊
維糸状体100重量部に対して10〜80重量部が上記
内層部の表面に被覆される。外層部の合成樹脂組成物が
10重量部未満では内層部の赤りん系難燃剤を完全に隠
蔽できず、内層部の太陽光による変色を防ぐことはでき
ない。70重量部を超えると全合成樹脂組成物中におけ
る難燃剤の含有率が小さくなり、難燃性が低下する。因
みに、上記の、繊維糸状体、内層部および外層部で構成
されたメッシュ状シートが接炎すると、内層部および外
層部の合成樹脂組成物が融合し、メッシュ状シート全体
が難燃化されることを見い出し本発明が完成したもので
ある。
【0026】合成樹脂エマルジョンと配合剤からなる水
系樹脂組成物は、2軸バタフライミキサーを用いて均一
に混合することができる。メッシュ状シートを所望の色
調にする場合には混合時に適宜の着色剤が配合される。
着色剤としては、例えば、ポルックスブルーPM−8
G、ポルックスレッドPC−2B、ポルックスイエロー
PM−3T1042(住化カラー株式会社製)等の3原
色の顔料、酸化チタン系の白色顔料、カーボンブラック
系の黒色顔料が使用される。しかし、上記には限定され
ない。
【0027】また、水系樹脂組成物は加工に適した粘度
に調整される。粘度は1500〜5000mPa・s
(B型粘度計を使用し、ローターNo4、30回転、2
5℃で測定した)が好適である。水系樹脂組成物には、
上記配合剤のほかに、消泡剤、分散剤、可塑剤、水、防
腐剤、抗菌剤、架橋剤、増粘剤等を適宜配合することが
できる。
【0028】本発明のメッシュ状シートは、下記のよう
にして製造される。繊維糸状体を内層部用の水系樹脂組
成物にディッピングし、所定量を含浸し被覆して熱風炉
で加熱乾燥させる。引き続いて、外層部用の水系樹脂組
成物にディッピングし、所定量の外層部用の水系樹脂組
成物を被覆して再度熱風炉で加熱乾燥し、表面部が外層
部で被覆された樹脂加工糸を得る。該樹脂加工糸はワイ
ンダーに巻き取る。
【0029】上記の樹脂加工糸を使用して、織物(また
は編物)に加工し、熱風炉内を通して条体(即ち樹脂加
工糸)の交叉部を熱接着しメッシュ状シートを製造す
る。
【0030】織編物の組織には格別の制限はないが、通
常は、織編物の全面積に対する空孔面積率が5〜95%
程度のものが使用される。しかしながら、空孔面積率が
0%(織編物の条体が肉眼視では接触しているが通気性
はある状態)のものでも使用することができる。
【0031】(作用)本発明に係るメッシュ状シート
は、条体が交叉部で接着しており、上記条体は、 合成
樹脂成物よりなる内層部と、上記内層部が含浸および/
または被覆している繊維糸状体と、上記内層部と繊維糸
状体を被覆している合成樹脂組成物よりなる外層部とで
構成されており、上記内層部の合成樹脂組成物は難燃性
を有し、上記外層部の合成樹脂組成物は耐光性を有す
る。従って、条体を構成している繊維糸状体が天然繊維
や合成繊維のような燃焼し易いフィラメントよりなって
いても、上記繊維糸状体は難燃性を有する内層部で含浸
および/または被覆されており、また、接炎時に内層部
と外層部が融合することによりメッシュ状シート全体を
難燃性にすることができる。また、内層部が太陽光によ
り変色し易いものであっても、それを被覆している外層
部は耐光性を有するので、内層部の変色を防ぐことがで
き、メッシュ状シート全体を変色し難くすることができ
る。
【0032】内層部と外層部の合成樹脂組成物の樹脂分
が共にエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリウレタンで
あるものは、熱接着性に優れているので、条体の交叉部
の接着力を強力にすることができる。
【0033】内層部の合成樹脂組成物には、赤りん系難
燃剤、窒素系難燃剤、水酸化アルミニウムおよび/また
は水酸化マグネシウムを含み、外層部の合成樹脂組成物
には、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネ
シウムを含むもの、即ち、換言すれば、メッシュ状シー
トを構成する繊維糸状体、合成樹脂、難燃剤等の配合剤
にハロゲン化合物を含まないものは、使用後の処分等の
ため焼却する際に有毒なハロゲン含有ガスが発生せず、
環境を汚染することがない。
【0034】内層部と外層部の合成樹脂組成物の樹脂固
形分が共にエチレン−酢酸ビニル共重合体50〜80重
量%とポリウレタン20〜50重量%であるものは、メ
ッシュ状シートの条体の交点接着力が十分であり、ま
た、材料コストも安価にすることができる。
【0035】内層部に含まれる合成樹脂固形分100重
量部に対して、赤りん系難燃剤1〜16重量部、窒素系
難燃剤5〜20重量部、水酸化アルミニウムおよび/ま
たは水酸化マグネシウム50〜150重量部を含み、外
層部に含まれる合成樹脂固形分100重量部に対して、
水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム
50〜150重量部を含むものは、難燃性について併用
作用が十分に発揮され、条体により構成されたメッシュ
状シートの交点接着力が優れており、材料コストも安価
にすることができる。
【0036】繊維糸状体100重量部に対し、70〜1
50重量部の内層部が使用されており、また、10〜8
0重量部の外層部が使用されているものは、難燃性が十
分であり、同時に、太陽光による変色も防ぐことがで
き、また、重くなりすぎることもなく、使用時に取り扱
い易い。
【0037】窒素系難燃剤がメラミンシアヌレートであ
るものは、含窒素ガスの発生作用による優れた難燃性を
発揮すると共に、接水による難燃剤の脱落もなく、特に
屋外での使用時には、長期間にわたり安定した難燃性の
保持作用がある。
【0038】
【実施例1】容量300Lの2軸バタフライミキサー
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン・S−
752(住友化学工業株式会社製・固形分濃度50%)
100Kg、ポリウレタンエマルジョン・レタンWBC
(関西ペイント株式会社製・固形分濃度38%)132
Kgを投入し混合する。次いで、赤りん系難燃剤・ノー
バレッド120(燐化学工業株式会社製)を15Kg,
メラミンシアヌレート・MC−440(日産化学工業株
式会社製)を10Kg、水酸化アルミニウム・C−30
8(住友化学工業株式会社製)を100Kgを順次投入
し30分間混合する。更に着色剤を投入し混合後、減圧
脱泡を10分間行い色調がライトグレー色、粘度270
0mPa・s(B型粘度計を使用し、ローターNo4、
30回転、25℃で測定)の内層部用の水系樹脂組成物
を配合した。次に、赤りん系難燃剤およびメラミンシア
ヌレートを除き、上記と同様の配合剤を同量使用し、同
様の方法で同色で粘度2600mPa・sの外層部用の
水系樹脂組成物を配合した。
【0039】内層部用の水系樹脂組成物に、繊度194
0dtex、フィラメント数250本、強力145.8
N、伸度25.0%のポリエステルマルチフィラメント
よりなる繊維糸状体をディッピングし、所定量の水系樹
脂組成物を含浸し被覆し、160℃の熱風炉で2分間加
熱乾燥した。引き続いて、外層部用の水系樹脂組成物に
ディッピングし、所定量の水系樹脂組成物を被覆し、1
70℃の熱風炉で2分間加熱乾燥し、外層部用の合成樹
脂組成物で被覆した樹脂加工糸を得た。
【0040】上記樹脂加工糸をワインダーで巻き取っ
た。このようにして得られた樹脂加工糸は、繊維糸状体
100重量部に対して内層部用の合成樹脂組成物の固形
分が96重量部であり、外層部用の合成樹脂組成物の固
形分が25重量部であった。次に、上記樹脂加工糸をレ
ピア織機に仕掛けて経糸および緯糸の本数が各々52本
/10cmの密度の平織物とした。この平織物を175
℃で1分間加熱し、経糸および緯糸(即ち、条体)の交
叉部を熱接着し、建築工事用メッシュシートを製造し
た。
【0041】上記により得られた建築工事用メッシュシ
ートの条体の構造について説明する。図1は本発明に係
る建築工事用メッシュシートの条体の構造の断面視説明
図である。条体1は、フィラメント21の束である繊維
糸状体2と上記繊維糸状体2に含浸または/および被覆
している内層部用の合成樹脂組成物3と上記内層部用の
合成樹脂組物3を被覆している外層部用の合成樹脂組成
物4とより構成されている。以下の実施例2〜8および
比較例1〜9においても条体の構造は、上記と同様であ
るので、図示は省略する。
【0042】上記実施例1における樹脂加工糸の内層部
用と外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョ
ンおよび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、
樹脂加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内
層部の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の
合成樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸におけ
る繊維糸状体の繊度を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】また、表1に示す樹脂加工糸を使用して製
造した建築工事用メッシュシートの物性を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2および以降の表4、表6、表8に示す
物性は下記の方法で測定した。 1.メッシュ状シートの質量 JIS L1096の規
定の方法に準じて測定した。 2.燃焼試験 JIS
L1091に規定のA−2法に準じて測定した。但し実
施例6と7はL1091 A−1法に準じて測定した。
また、接炎回数は、D法に準じて測定した。 3.粘度 B型粘度計を使用し、ローターNo4、3
0回転、25℃で測定した。単位は、mPa・sであ
る。 4.耐光試験 サンシャインウエザーメーターで10
00時間処理後、カラーテスター(スガ試験機株式会社
製・ハンディカラーテスター−H−CT)で測色し、処
理前後の色差(△E*)を測定した。但し、実施例6と
7は織物の密度が粗く、そのままでは色差を測定できな
いので、厚さ1mmの内層部用の合成樹脂組成物上に、
厚さ0.3mmの外層部用の合成樹脂組成物を塗り重ね
た構造のフィルムを作成し、これを試料として測定し
た。
【0047】5.交点接着力 図面を使用して説明する。図2は本発明に係るメッシュ
状シートの交点接着力の測定用試料の平面視説明図、図
3は本発明に係る他のメッシュ状シートの交点接着力の
測定用試料の平面視説明図である。 A法:図2に示すように、メッシュ状シートを構成する
長さ方向の条体1が11本残るようにして、長さが20
0mmになるように切断し切片6を得る。上記切片6の
長さ方向の中央部に中央線7を設定する。上記中央線7
から15mmの位置で一方の側では条体1を中央部の条
体11を残して切断し、他方の側では上記条体11だけ
を切断し測定用試料81とする。定速伸長形引張試験機
(島津製作所製オートグラフ)を使用し、試料81の両
端を掴んで引っ張り、そのときの引き抜き強度の最大値
を測定した。その最大値のタテ.ヨコ各3点の平均値を
求め、それを交点接着力とした。 B法:図3に示すように.メッシュ状シートを構成する
長さ方向の条体1が5本残るようにして、長さが200
mmになるように切断し切片6を得る。長さ方向の中央
部に中央線7を設定する。上記中央線7から15mmの
位置で一方の側では条体1を中央部の条体11を残して
切断し、他方の側では上記条体11だけを切断し測定用
試料82とする。定速伸長形引張試験機(島津製作所製
オートグラフ)を使用し、試料82の両端を掴んで引っ
張り、そのときの引き抜き強度の最大値を測定した。そ
の最大値のタテ.ヨコ各3点の平均値を求め、それを交
点接着力とした。上記B法は織目が粗い実施例6と7に
適用した。 6 タフネス JIS L1096 A法に準じて測定
した引張強力と切断伸度の値から算出した。このときの
試験片の幅は3cm、つかみ間隔は20cmとした。ま
た、実施例6と7においては、粗目のメッシュ状シート
であることから、タフネスは測定していない。 7.ハロゲン含有ガス発生量 ATS−1000・0
01(エアーバス社規定)のガス濃度試験(有炎、4.
0分後)に準じて測定した。
【0048】
【実施例2〜5】表1に記載の合成樹脂エマルジョンと
配合剤を使用し、内層部−2〜−5の欄に記載した重量
部に従い、実施例2〜5の内層部用の水系樹脂組成物を
配合した。同じく、外層部−2〜−5の欄に記載した重
量部に従い、実施例2〜5の外層部用の水系樹脂組成物
を配合した。配合手順や条件は実施例1と同様である。
実施例1と同様の繊維糸状体を使用し、上記内層部用の
水系樹脂組成物にディッピングし、所定量の内層部用の
水系樹脂組成物を含浸し被覆し、加熱乾燥した。引き続
いて、外層部用の水系樹脂組成物にディッピングし、所
定量の外層部用の水系樹脂組成物を被覆し、加熱乾燥し
樹脂加工糸を得た。なお、加熱温度や時間等の条件は実
施例1と同様である。次に、上記樹脂加工糸を使用して
実施例1と同様の平織物とした。経糸と緯糸の交叉部を
熱接着し、色調がライトグレー色の各メッシュ状シート
を製造した。
【0049】実施例2〜5における内層部用と外層部用
の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンおよび配合
剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂加工糸に
おける繊維糸状体100重量部に対する内層部の合成樹
脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成樹脂組成
物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊維糸状体
の繊度を表1に示す。また、表1における加工糸を使用
して製造した各建築工事用メッシュシートの物性を表2
に示す。
【0050】
【実施例6】実施例1と同様の内層部用の水系樹脂組成
物および外層部用の水系樹脂組成物を使用した。繊度3
300dtex、フィラメント数288本、強力25
2.2N、伸度16.0%のポリエステルマルチフィラ
メント糸である繊維糸状体を、内層部用の水系樹脂組成
物にディッピングし、所定量の内層部用の水系樹脂組成
物を含浸し被覆した。次いで、160℃の熱風炉で2分
間加熱乾燥した。引き続いて外層部用の水系樹脂組成物
にディッピングし、所定量の外層部用の水系樹脂組成物
を被覆し170℃の熱風炉で2分間加熱乾燥し、外層部
用の合成樹脂組成物で被覆された樹脂加工糸を得た。
【0051】上記の樹脂加工糸はワインダーに巻き取っ
た後、レピア織機に仕掛け、密度が経緯とも5組/10
cmの3本模紗織物とした。3本模紗織物は170℃で
1分間加熱し経糸と緯糸の交叉部を熱接着し防風ネット
を製造した。
【0052】実施例6における樹脂加工糸の、内層部用
と外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョン
および配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹
脂加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層
部の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合
成樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における
繊維糸状体の繊度を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】また、表3における樹脂加工糸を使用して
製造された防風ネットの物性を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
【実施例7】実施例6と同様の内層部用の水系樹脂組成
物および外層部用の水系樹脂組成物を使用し、実施例6
と同組織の織物に加工して防雪ネットを製造した。樹脂
加工糸の加工方法、加工条件、熱接着条件は実施例6と
同様とした。なお、繊維糸状体であるポリエステルマル
チフィラメント糸として、繊度1100dtex、フィ
ラメント数192本、強力92.7N、伸度16.5%
を使用した。
【0057】実施例7における樹脂加工糸の、内層部用
と外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョン
および配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹
脂加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層
部の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合
成樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における
繊維糸状体の繊度を表3に示す。また、表3における樹
脂加工糸を使用して製造した防雪ネットの物性を表4に
示す。
【0058】
【実施例8】実施例6と同様の内層部用の水系樹脂組成
物および外層部用の水系樹脂組成物を使用し、ブライン
ド用の高密度織物を製造した。樹脂加工糸の加工方法、
加工条件、熱接着条件は実施例6と同様とした。なお、
繊維糸状体は、繊度340dtex、撚り数1/25m
m、強力15.7Nのガラス繊維長繊維単糸を使用し
た。樹脂加工糸はレピア織機に仕掛けて密度が経緯とも
80組/10cmで2本/組のマット織物とした。
【0059】実施例8における樹脂加工糸の、内層部用
と外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョン
および配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹
脂加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層
部の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合
成樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における
繊維糸状体の繊度を表3に示す。また、表3における樹
脂加工糸を使用して製造した遮光用メッシュシートの物
性を表4に示す。なお、交点接着力は密度が大きすぎ測
定できなかった。
【0060】
【比較例1】実施例1の水系樹脂組成物を配合する際に
赤りん系難燃剤を除外した点以外は実施例1と同様にし
てメッシュ状シートを製造した。
【0061】比較例1における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】また、表5における樹脂加工糸を使用して
得られた建築工事用メッシュシートの物性を表6に示
す。
【0064】
【表6】
【0065】なお、表6中において、残炎時間、残炎時
間+残じん時間、および接炎回数は、測定時に試料は全
焼しており、測定不可もしくは測定の必要がないため記
載していない。以下に説明する比較例2〜5においても
同様である。
【0066】
【比較例2】実施例1において、繊維糸状体100重量
部に対して外層部用の合成樹脂組成物の固形分を93重
量部とした点以外は実施例1と同様にしてメッシュ状シ
ートを製造した。
【0067】比較例2における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表5に示す。また、表5における樹脂
加工糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの
物性を表6に示す。
【0068】
【比較例3】実施例2において、内層部用の水系樹脂組
成物を配合する際にメラミンシアヌレートを除外した点
以外は実施例2と同様にしてメッシュ状シートを製造し
た。
【0069】比較例3における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表5に示す。また、表5における樹脂
加工糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの
物性を表6に示す。
【0070】
【比較例4】実施例3において、繊維糸状体100重量
部に対して内層部用の合成樹脂組成物の固形分を61重
量部とした点以外は実施例3と同様にしてメッシュ状シ
ートを製造した。
【0071】比較例4における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表5に示す。また、表5における樹脂
加工糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの
物性を表6に示す。
【0072】
【比較例5】実施例4において、水酸化アルミニウムの
配合量を40重量部とした点以外は上記実施例4と同様
にしてメッシュ状シートを製造した。
【0073】比較例5における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表5に示す。また、表5における樹脂
加工糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの
物性を表6に示す。
【0074】
【比較例6】実施例3において、外層部用の合成樹脂組
成物での被覆を行わないで樹脂加工糸を得た点以外は実
施例3と同様にしてメッシュ状シート製造した。
【0075】比較例6における樹脂加工糸の内層部用の
水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンおよび配合剤
の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂加工糸にお
ける繊維糸状体100重量部に対する内層部の合成樹脂
組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊維糸
状体の繊度を表7に示す。
【0076】
【表7】
【0077】また、表7における樹脂加工糸を使用して
得られた建築工事用メッシュシートの物性を表8に示
す。
【0078】
【表8】
【0079】
【比較例7】実施例5において、外層部用の合成樹脂組
成物での被覆を行わないで樹脂加工糸を得た点以外は実
施例5と同様にしてメッシュ状シート製造した。
【0080】比較例7における樹脂加工糸の内層部用の
水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンおよび配合剤
の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂加工糸にお
ける繊維糸状体100重量部に対する内層部の合成樹脂
組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊維糸
状体の繊度を表7に示す。また、表7における樹脂加工
糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの物性
を表8に示す。
【0081】
【比較例8】実施例5において、繊維糸状体100重量
部に対して外層部用の合成樹脂組成物の固形分を9重量
部とした点以外は実施例5と同様にしてメッシュ状シー
トを製造した。
【0082】比較例8における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表7に示す。また、表7における樹脂
加工糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの
物性を表8に示す。
【0083】
【比較例9】実施例1において、水酸化アルミニウムの
配合量を160重量部とした点以外は実施例1と同様に
してメッシュ状シートを製造した。
【0084】比較例9における樹脂加工糸の内層部用と
外層部用の水系樹脂組成物中の合成樹脂エマルジョンお
よび配合剤の重量部、水系樹脂組成物の粘度、樹脂
加工糸における繊維糸状体100重量部に対する内層部
の合成樹脂組成物の固形分の重量部および外層部の合成
樹脂組成物の固形分の重量部、樹脂加工糸における繊
維糸状体の繊度を表7に示す。また、表7における樹脂
加工糸を使用して得られた建築工事用メッシュシートの
物性を表8に示す。
【0085】(考察) (1)内層部用の合成樹脂組成物に所定量の赤りん系難
燃剤、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウムおよ
び/または水酸化マグネシウムが配合されている実施例
1〜8は、JIS L1091に規定の燃焼試験におい
て、いずれも区分3であり、優れた難燃性を示す。これ
に対し、赤りん系難燃剤が配合されていない比較例1、
外層部用の合成樹脂組成物が所定量よりも多い比較例
2、メラミンシアヌレートが配合されていない比較例
3、内層部用の合成樹脂組成物が所定量よりも少ない比
較例4、内層部用の合成樹脂組成物中の水酸化アルミニ
ウムが所定量よりも少ない比較例5は、燃焼試験におい
て、全焼している。
【0086】(2)外層部用の合成樹脂組成物に赤りん
系難燃剤が配合されていない実施例1〜8は、耐光試験
において色差(△E*)が小さく変色しにくいことが分
かる。これに対し、外層部用の合成樹脂組成物が被覆さ
れていない比較例6と7、および外層部用の合成樹脂組
成物が被覆されているがその重量部が所定量よりも少な
い比較例8は、色差(△E*)が大きく変色しやすいこ
とが分かる。
【0087】(3)メッシュ状シートの交点接着力は、
織組織および繊維糸状体の繊度により変化するが、実施
例1〜8は塩化ビニル樹脂組成物を用いて製造された同
種のメッシュ状シートの交点接着力と同レベルであっ
た。これに対し、合成樹脂組成物に配合されている水酸
化アルミニウムが所定量よりも多い比較例9は交点接着
力が小さい。これは、水酸化アルミニウムが合成樹脂の
熱接着性を低下させているものと思われる。
【0088】(4)実施例1〜5および比較例1〜9は
いずれも同一の繊維糸状体を使用した建築工事用メッシ
ュシートであるが、タフネスは十分満足するレベルであ
った。即ち、本特許の製法によるメッシュ状シートの物
理物性の低下は認められなかった。但し、比較例9のタ
フネスは他と比較して低い値であった。これは、交点接
着力が小さいことに起因するものと推定される。
【0089】(5)実施例1〜8および比較例1〜9と
もに燃焼時にハロゲン含有ガスは発生していない。これ
は内層部用および外層部用の合成樹脂組成物にハロゲン
化合物を含んでいないからである。
【0090】
【発明の効果】本発明に係るメッシュ状シートは、優れ
た難燃性と耐光性を有し、特に、屋外で使用される建築
工事用メッシュシート、防風ネット、防雪ネット等をは
じめとして、屋内においては、ブラインド等の遮光ネッ
トに好適である。また、使用後の処分等のために焼却す
る際に有毒なハロゲン含有ガスが発生せず、環境を汚染
することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築工事用メッシュシートの条体
の構造の断面視説明図。
【図2】本発明に係るメッシュ状シートの交点接着力の
測定用試料の平面視説明図。
【図3】本発明に係る他のメッシュ状シートの交点接着
力の測定用試料の平面視説明図。
【符号の説明】
1 条体 11 中央部の条体 2 繊維糸状体 21 フィラメント 3 内層部用の合成樹脂組成物 4 外層部用の合成樹脂組成物 6 切片 7 中心線 81 測定用試料 82 測定用試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/45 D06M 15/333 11/69 15/564 13/358 E04G 21/32 B 15/333 D06M 11/14 15/564 E04G 21/32 (72)発明者 井手 征雄 福岡県久留米市南町290番地の2 ニシヨ リ株式会社内 Fターム(参考) 4L031 BA11 DA16 4L033 AB03 AC05 BA58 BA59 CA28 CA50 DA06 4L048 AA20 AA56 AB07 AC18 BA01 BA02 BA06 BA07 CA06 CA11 DA19 DA31 EA00 EB00 EB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 条体が交叉部で接着しており、 上記条体は、 合成樹脂成物よりなる内層部と、上記内層部が含浸およ
    び/または被覆している繊維糸状体と、上記内層部と繊
    維糸状体を被覆している合成樹脂組成物よりなる外層部
    とで構成されており、 上記内層部の合成樹脂組成物は難燃性を有し、上記外層
    部の合成樹脂組成物は耐光性を有することを特徴とす
    る、 メッシュ状シート。
  2. 【請求項2】 内層部と外層部の合成樹脂組成物の樹脂
    分が共にエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリウレタン
    であることを特徴とする、 請求項1記載のメッシュ状シート。
  3. 【請求項3】 内層部の合成樹脂組成物には、赤りん系
    難燃剤、窒素系難燃剤、水酸化アルミニウムおよび/ま
    たは水酸化マグネシウムを含み、外層部の合成樹脂組成
    物には、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグ
    ネシウムを含むことを特徴とする、 請求項1または2記載のメッシュ状シート。
  4. 【請求項4】 内層部と外層部の合成樹脂組成物の樹脂
    固形分が共にエチレン−酢酸ビニル共重合体50〜80
    重量%とポリウレタン20〜50重量%であることを特
    徴とする、 請求項1、2または3記載のメッシュ状シート。
  5. 【請求項5】 内層部に含まれる合成樹脂固形分100
    重量部に対して、赤りん系難燃剤1〜16重量部、窒素
    系難燃剤5〜20重量部、水酸化アルミニウムおよび/
    または水酸化マグネシウム50〜150重量部を含み、 外層部に含まれる合成樹脂固形分100重量部に対し
    て、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシ
    ウム50〜150重量部が含まれていることを特徴とす
    る、 請求項1、2、3または4記載のメッシュ状シート。
  6. 【請求項6】 繊維糸状体100重量部に対して、70
    〜150重量部の内層部が使用されており、また、10
    〜80重量部の外層部が使用されていることを特徴とす
    る、 請求項1、2、3、4または5記載のメッシュ状シー
    ト。
  7. 【請求項7】 窒素系難燃剤がメラミンシアヌレートで
    あることを特徴とする請求項3、4、5または6記載の
    メッシュ状シート。
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