JP4017813B2 - 建築工事シート用難燃剤とこれを用いた建築工事用シート - Google Patents

建築工事シート用難燃剤とこれを用いた建築工事用シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設工事現場において危険防止、火災防止のために展張したり、被覆して使用される建築工事用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築工事用シートは通常の工事用足場を持つ建設工事現場において、工事現場の周囲その他危険防止上必要な部分に落下物等による危険防止および火災発生防止のために用いられるもので、落下物に対する十分な強度を有するものである。そして防炎性、防水性、耐候性などの品質を確保するために合成繊維などの基布に塩化ビニル樹脂をコーティング加工、ディッピング加工、トッピング加工して製造されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル樹脂を用いて被覆加工した製品はて塩素および可塑剤を含有するため、燃焼するとダイオキシン類の発生、また使用中に環境ホルモンがブリードし、流出するなどの恐れがある。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたもので合繊基布と難燃剤との密着性が良好で、引張強度、防炎性、引裂強度、ウエルダー強度などが良好で、燃焼時有毒なハロゲンガス、ダイオキシン類の発生はせず、さらに可塑剤などの環境ホルモンを含有しない建築工事用シートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. 樹脂固形分35〜75質量%のアクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、30〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
2. アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体水性デイスパージョンが、
a. コアが酢酸ビニル含有量10〜75質量%、エチレン含有量5〜30質量%、(メタ)アクリル酸エステル20〜85質量%の、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、
b. コアが酢酸ビニル含有量15〜70質量%、エチレン含有量5〜30質量%、バーサチック酸ビニル含有量25〜75質量%の、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、
c. コアが酢酸ビニル含有量40〜95質量%と残部がエチレンのエチレン−酢酸ビニル共重合体でシエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコアが30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、
のa.〜c.から選んだ1または2以上のアクリル変性ポリオレフィン系樹脂スターポリマー水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体スターポリマー水性デイスパージョンである、1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
3. 2項のスターポリマー水性デイスパージョンの樹脂固形分80〜20質量%に対し、酢酸ビニル含有量45〜95質量%、残部がエチレンであるエチレン−酢酸ビニル共重合体の非スターポリマーを樹脂固形分20〜80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
4. 2項のスターポリマー水性デイスパージョンの樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固形分25〜70質量%のポリウレタン水性デイスパージョンを樹脂固形分で10〜80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、30〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
5. 3項のスターポリマー水性デイスパージョンとエチレン−酢酸ビニル系共重合体の非スターポリマーの水性デイスパージョンとの混合系水性デイスパージョンの樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固形分25〜70質量%のポリウレタン水性デイスパージョンを樹脂固形分で10〜80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
6. エチレン−酢酸ビニル共重合体水性デイスパージョン固形分90〜20質量%に対しポリウレタン水性デイスパージョン固形分10〜80質量%を配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
7. ポリ燐酸アンモニウム化合物がマイクロカプセルに内包された、1項ないし6項のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
8. 金属水酸化物が水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムである、1項ないし7項のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
9. 前記有機リン酸エステルがアリルホスフェート系であることを特徴とする1項ないし8項のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
10. 合繊基布または繊度200〜1,500デニール、引張強度4〜10gf/デニール、破断伸度14〜45%である合成繊維を、密度経糸35〜60本、緯糸25〜60本で平織したフィラメント糸を使用したターポリン基布を、1項ないし9項のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤を用いて含浸被覆し熱処理加工した、建築工事用シート。
11. 10項において、ターポリン基布が経糸1本/6〜30織糸本数、緯糸1本/6〜30織糸本数間隔でリップストップが入った平織した基布である、建築工事用シート。
12. 合繊基布は紡績糸を使用した帆布生材で糸の太さの帆布生材規格号数が2号〜6号で密度が経糸43本〜55本、緯糸35本〜60本、質量は180〜470g/m2の基布である、10項に記載された、建築工事用シート。
13. 合繊基布またはフィラメント糸を使用したターポリン基布100質量部に対し、1項ないし9項のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤固形分60〜500質量部で含浸被覆した、10項ないし12項のいずれか1項に記載された建築工事用シート。
14. 基布をポリウレタン樹脂等で前処理し、その後1項ないし9項のいずれか1項に記載された難燃剤で被覆してなる、建築工事用シート。
15. 前処理するポリウレタン樹脂に難燃剤を配合した、14項に記載された建築工事用シート。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で難燃剤として使用するポリ燐酸アンモニウム化合物は、燃焼時に熱分解し窒素ガスを発生するため、この窒素ガスが酸素を遮断する。またポリ燐酸アンモニウム化合物が窒素ガスを発生しながら脱水炭化触媒として樹脂の炭化を促進し難燃効果を向上する。本発明においてポリ燐酸アンモニウム化合物は固形分35〜70%のアクリル変性ポリオレフィン系樹脂やエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイスパージョンのポリオレフィン系樹脂固形分の固形分100質量部に対し30〜130質量部存在することが必要で30質量部以下では難燃効果が奏されず、130質量部以上加えても難燃効果が向上しなくなる。また水性デイスパージョン難燃樹脂液の粘度が増粘し、加工が困難になる。
本発明に使用するポリ燐酸アンモニウム化合物はマイクロカプセルに内包したものを使用することが好ましい。マイクロカプセル化したものを使用することにより、水性デイスパージョン樹脂中にポリ燐酸アンモニウム化合物を混合した場合水性デイスパージョンの粘度上昇を軽減することができる。さらに建工事現用シートは建築現場に展張して4〜8ヶ月/回使用後、旦取りはずし汚れを除去するため洗濯する。洗濯は洗剤が入った約40℃の温水中に数時間浸漬後行う。この際、マイクロカプセルに内包することによりポリ燐酸アンモニウム化合物が水に溶解することを防止することができる。該マイクロカプセル中のポリ燐酸アンモニウム化合物濃度は75〜95%であり、平均粒径は10〜40μmであることが好ましい。
マイクロカプセル化はポリ燐酸アンモニウム化合物粒子を樹脂や無機物で表面をコートすることにより行うことができるが、界面重合法、コアセルベーション法等が適宜用いられる。
【0006】
さらに金属水酸化物を配合すると難燃効果が大となり好ましい。金属水酸化物としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムがポリ燐酸アンモニウム化合物と併用効果があり好ましい。水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムには表面処理したものと、表面処理なしのものがあるが、樹脂との密着性、機械的強度、耐水性から表面処理したものが好ましい。特にカップリング剤で表面処理したものが機械的強度の低下が少ないので好ましい。カップリング剤としてはシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤が挙げられる。水酸化アルミニウムをカップリング剤で処理したものとしては、昭和電工株式会社製 ハイジライトH−42STE、ハイジライトH−42STV等が挙げられる。水酸化マグネシウムをカップリング剤で処理したものとしては、神島化学工業株式会社製 NSが挙げられる。表面処理してない水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを使用する場合はカップリング剤を添加してもよい。金属水酸化物は全樹脂固形分100質量部に対して30〜150質量部存在することが必要である。
金属水酸化物は樹脂固形分に対して30質量部以下では難燃促進の効果は小さい。150質量部以上加えると水性デイスパージョンの粘度が上昇するので好ましくない。
本発明で使用するオキサゾリン基含有水系架橋剤は、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーとオキサゾリン基含有エマルジョンのいずれもカルボキシル基等を有する樹脂と架橋反応またはグラフト反応する。その結果、カルボキシル基を有するエチレン−酢酸ビニル系水性共重合体、アクリル変性ポリオレフィン系水性樹脂等は耐水性、基布との密着性が向上し好ましい。
【0007】
オキサゾリン基含有水溶性ポリマーとしては、日本触媒株式会社製 エポクロスWS−500が挙げられる。オキサゾリン基含有エマルジョンタイプとしては、日本触媒株式会社製 エポクロスK2020Eが挙げられる。
【0008】
本発明では、樹脂の水性デイスパージョンとして、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体水性デイスパージョンを用いる。
これ等の樹脂水性デイスパージョンとしては、スターポリマーのデイスパージョンが好ましい。
スターポリマー水性デイスパージョンとしては、a.コアが酢酸ビニル含有量10〜75質量%、エチレン含有量5〜30質量%、(メタ)アクリル酸エステル20〜85質量%の、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、b.コアが酢酸ビニル含有量15〜70質量%、エチレン含有量5〜30質量%、バーサチック酸ビニル含有量25〜75質量%の、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、c.コアが酢酸ビニル含有量40〜95質量%と残部がエチレンのエチレン−酢酸ビニル共重合体でシエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコアが30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、が用いられるが2種以上併用してもよい。
これ等のスターポリマー水性デイスパージョンは基布との密着性がよい性能を有するので建築工事用シートに用いると効果が大きい。
【0009】
このスターポリマー水性デイスパージョンに非スターポリマーであるアクリル変性ポリオレフィン系樹脂やエチレン−酢酸ビニル系共重合体の非スターポリマーの水性デイスパージョンやポリウレタン水性デイスパージョンを単独または併用して配合することもできる。非スターポリマーの配合割合はスターポリマーの樹脂固形分80〜20質量%に対し20〜80質量%であって、20質量%以下では難燃剤の防炎効果が小となり、80質量%以上では吸水性が大となり好ましくない。
またウレタン樹脂はスターポリマー樹脂固形分90〜20質量%に対し、10〜80質量%であり、10質量%以下では耐摩耗性向上効果が小となり、80質量%以上では粘度の安定性が悪くなり好ましくない。
このような樹脂を配合すると密着性、耐摩耗性に効果がある。
【0010】
アクリル変性ポリオレフィン系樹脂スターポリマーとしては、FK−715、FK−F9837−4(中央理化工業株式会社製)等が用いられる。
エチレン−酢酸ビニル系共重合体スターポリマーとしては、FK−F9837−1、FK−F9837−2(中央理化工業株式会社製)等が用いられる。
この他、水性デイスパージョンとしてはエチレン−酢酸ビニル共重合体水性デイスパージョン樹脂固形分90〜20質量%に対しポリウレタン水性デイスパージョン樹脂固形分10〜80質量%を配合したものは基布に対する密着性が良好であるので好ましい。
ポリウレタン水性デイスパージョンを使用する場合樹脂固形分100質量部に対し硬化剤1〜5質量部添加すると耐摩耗性が向上するので好ましい。
【0011】
さらに、基布を難燃性樹脂で被覆する前に基布にポリウレタン樹脂等で前処理をすれば基布と難燃性樹脂との密着性が向上するので好ましい。
前処理するポリウレタン樹脂等に燐および/または窒素系難燃剤を配合すれば防炎性が向上し、さらに好ましい。難燃剤としては、株式会社三和ケミカル製 ポリ燐酸メラミン、硫酸メラミン アピノン901、日産化学株式会社製 シアヌル酸メラミン MC610大和化学工業株式会社製 フランPPN−2が挙げられる。
【0012】
本発明の難燃剤は全樹脂固形分100質量部に対して3〜30質量部の有機リン酸エステルを含有させたものも包含する。有機リン酸エステルが3質量部以下では難燃性向上効果が小さく、光沢の改善、柔軟性の向上が小さく、30質量部以上では難燃性の向上が小さくなり、製品にベタツキが出るので好ましくない。 該有機リン酸エステルがハロゲンを含まないリン酸エステルでリン元素含有量は7〜18質量%、粘度(20℃)は10〜150cpであるものが好ましい。本発明に使用する有機リン酸エステルはアリルホスフェート系のものを使用することが好ましい。アリルホスフェート系のものは難燃効果と同時に樹脂との相溶性がよく、可塑化効果がある。
【0013】
次に、本発明の難燃剤を用いた建築工事用シートについて説明する。
建築工事用シートの基材としては、合繊基布またはターポリン基布が用いられる。
本発明で用いる合繊基布としては、紡績糸を使用した帆布生材で糸の太さの帆布生材規格の号数が2〜6号で密度が1インチ当たり経糸43本〜55本、緯糸35本〜60本、質量180〜470 g/mの基布であり、ターポリン基布は繊度200〜1500デニールの、引張強度4〜10gf /デニール、破断伸度14〜45%であるフィラメント糸を、経糸15〜60本、緯糸20〜60本使用し、平織した基布である。さらにこれらの基布において1本/6〜30織糸本数/経、1本/6〜30織糸本数/緯間隔でリップストップ糸を織り入れた基布を使用する。リップストップ糸は織糸より繊度が大きく強度が大きいフィラメント糸である。
この基布を用いることによりシートを高強力、高タフネス、軽量化することができ、落下衝撃エネルギーの吸収性を良好にすることができる。
基布と難燃剤含有樹脂固形分の質量割合は、基布100質量部に対し、難燃剤含有樹脂が固形分で60〜500質量部である。60質量部以下では難燃性が小となり、500質量部以上では製品質量が大となり好ましくない。
基布を予めポリウレタン樹脂等で前処理してから難燃剤で処理すると、基布と難燃剤含有樹脂との密着性が向上する。また難燃剤含有水性ディスパージョン樹脂の水分が基布に吸水され難燃剤含有水性ディスパージョン樹脂の粘度が増粘するのを防止する効果があるので好ましい。
本発明で難燃剤に適宜に種類および量を選び顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、安定剤、希釈剤、増粘剤、発泡剤、分散剤、散泡剤、防黴剤、防藻剤等を併用することができる。
本発明の建築工事用シートは、上記の合繊基布やターポリン基布を難燃剤含有樹脂水性デイスパージョンに浸漬し含浸させることにより製造することができる。 本発明の建築工事用シートは白色となるので、工事現場に与える美感が優れている。
【0014】
【実施例】
実施例1
プラネタリヤミキサー(容量50リットル)の中へコアがエチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、シエルがメタアクリル酸エステル重合体であるスターポリマー水性デイスパージョン リカボンドFK−715(中央理化工業株式会社製、固形分 55質量%)127質量部、ポリウレタン水性デイスパージョン レタン WB−C(固形分38質量%、関西ペイント株式会社製) 79質量部を投入し、プラネタリヤミキサーを撹拌しながら水系架橋剤オキサゾリン基含有水溶性ポリマー エポクロスWS−500(日本触媒株式会社製 固形分78質量%)3質量部、ポリ燐酸アンモニウム化合物 TERRAJU C−60(チッソ株式会社製)80質量部、水酸化アルミニウム ハイジライト H−42STE(昭和電工株式会社製)100質量部、有機リン酸エステル TCP(大八化学株式会社製)5質量部、酸化チタン TIPAQUE C−97(石原産業株式会社製)5質量部、紫外線吸収剤チヌピン327(チバガイギ株式会社製)0.5質量部、光安定剤 HALS(チバガイギ株式会社製)0.3質量部、分散剤 アロンT−4D(東亜合成株式会社製)0.4質量部、消泡剤 ノプコ8034(サンノプコ 株式会社製)0.2質量部、水30質量部を約5分かけて徐々に添加した。さらに20分間撹拌した。次に該混練樹脂液を三本ロールを通し混練し粘度3,670cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を得た。 ポリウレタン溶液 水性ディスパージョン レタンWB−C(固形分38質量%、関西ペイント株式会社製)100質量部に難燃剤フラPPN−2(大和化学工業株式会社製)40質量部、水系架橋剤 エポクロスWS−500 1質量部、水100質量部を添加し、プラネタリヤミキサー(容量50リットル)で20分間撹拌し、粘度520cpのポリウレタン樹脂前処理液を調合した。該樹脂前処理液をディップコート機のディップ槽に注入した。
ポリエステル製 ターポリン基布(経糸250De/24f 、緯糸250De/24f 、密度経48本/インチ、緯40本/インチ、質量98 g/m)をガイドロールを通してディップ槽を通過浸漬した後マングロールで絞り、加熱処理して基布の前処理を行った。前処理した基布の質量は123 g/mであった。前処理した該基布をドクターナイフコーター機により被覆するためガイドロールを通して引き出し、該基布上へ先に作った水性デイスパージョン難燃樹脂をホースで徐々に注入し、ドクターナイフにより第1回目の基布の片面をコートし、加熱炉温度90℃、100℃、120℃、150℃で加熱処理加工した後ワインダーに巻き取った。
次に、同様にしてもう一方の片面をコートし加熱処理した後ワインダーに巻き取った。さらに表面、裏面、ともに1回づつ合計4回コート、加熱処理加工を行って被覆シート原反をワインダーで巻き取った。
該被覆シート原反の厚さは0.24mm、質量は276 g/mであった。使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0015】
実施例2
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、ポリエステル製ターポリン基布はポリウレタン樹脂前処理液で前処理してない、ターポリン基布は(経糸250De/24f 、緯糸250De/24f 、密度経48本/インチ、緯40本/インチ、質量98 g/m)を使用し、その他は実施例1と同様にドクターナイフコーターによりコート後、熱処理加工して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.24mm、質量は268 g/mであった。使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0016】
実施例3
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、ターポリン基布(経糸250De/24f 、緯糸250De/24f 、密度経48本/インチ、緯40本/インチ)において経糸に550De1本/20本織糸、緯糸に550De1本/10本織糸、間隔でリップストップ糸を織り込んだ平織した基布で実施例1と同様にポリウレタン樹脂前処理液で前処理したものを使用した。前処理した基布の質量は125 g/mであった。その他は実施例1と同様にドクターナイフによりコート後熱処理して、被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.25mm、質量294 g/mであった。使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0017】
実施例4
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、ポリエステル製ターポリン基布は経糸550De/48f 、緯糸550De/48f 、密度経20本/インチ、緯30本/インチ、質量124 g/mを使用した。その他は実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、熱処理加工して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの原反の厚さ0.33mm、質量397 g/mであった。
該シートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0019】
実施例
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、ターポリン基布は経糸500De/48f、緯糸550De/48f、密度経糸54本/インチ、緯糸58本/インチ、質量278g/m2を使用し、その他は実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理加工して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.43mm、質量656g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0020】
実施例
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、基布は経糸250De/24f、フィラメント糸、緯糸10S/1のスパン糸、密度経糸54本/インチ、緯糸58本/インチ、質量204g/m2で実施例1と同様の前処理した基布を使用し、その他は実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理加工して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.39mm、質量476g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0021】
実施例
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、基布は経糸20S/2、緯糸20S/2、密度経糸55本/インチ、緯糸58本/インチ、質量275g/m2で実施例1と同様の前処理した基布を使用した。該基布をガイドロールを通して第1ディップ槽で水性デイスパージョン難燃樹脂液を含浸した後、該基布を上方へ垂直に連続して上げ、2本の絞りロールで絞った後、加熱炉でゲル化させ、次の第2ディップ槽でも第1ディップ槽と同様にディップ含浸、2本の絞りロールで絞った後熱処理して、さらに第3ディップ槽でも第1ディップ槽と同様ディップ含浸、2本の絞りロールで絞った後、熱処理して被覆シート原反をワインダーで巻き取った。該シート原反の厚さは0.41mm、質量は582g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0022】
実施例
実施例1において、使用したアクリル変性ポリオレフィン系樹脂スターポリマー水性デイスパージョン リカボンド FK−715(中央理化工業株式会社製、固形分55質量%)73質量部を用い、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−952(住友化学工業株式会社製、固形分55質量%)73質量部、ポリウレタン水性デイスパージョン レタンWB−C(関西ペイント工業株式会社製、固形分38質量%)53質量部を使用した。その他は実施例1と同様にして粘度4,450cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.32mm、質量424g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0023】
実施例
実施例1において、リカボンド FK−715を使用する代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−467(住友化学工業株式会社製、固形分65質量%)46質量部、ポリウレタン水性デイスパージョン レタンWB−C(関西ペイント工業株式会社製、固形分38質量%)184質量部を使用した。ポリ燐酸アンモニウム TERRAJU C−60(チッソ株式会社製)を使用する代わりに、ホスターフラム AP−462(クラリアントジャパン株式会社製)40質量部を使用した。水酸化アルミニウム H−42M(昭和電工株式会社製)を使用する代わりに水酸化マグネシウム キスマ 5A(協和化学株式会社製)130質量部を添加した。有機リン酸エステル TCPは15質量部添加した。その他は実施例1と同様にして粘度4,880cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.36mm、質量495g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0024】
実施例1
実施例1において、リカボンド FK−715を使用する代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 スターポリマー FK−F9837−1(中央理化工業株式会社製、固形分55質量%)127質量部を使用した。その他は実施例1と同様にして粘度3,430cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.21mm、質量163g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0025】
実施例1
実施例1において、リカボンド FK−715を使用する代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−952(住友化学工業株式会社製、固形分55質量%)55質量部を使用した。ポリウレタン水性デイスパージョン レタンWB−Cは使用しなかった。ポリ燐酸アンモニウム TERRAJU C−60 120質量部を使用した。水酸化アルミニウム H−42M 60質量部を使用した。水系架橋剤エポクロスWS−500 1質量部を添加した。その他は実施例1と同様にして粘度4,240cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.34mm、質量406g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0026】
実施例1
実施例1において、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョン リカボンド FK−715(中央理化工業株式会社製、固形分55質量%)182質量部を使用した。ポリウレタン水性デイスパージョン レタンWB−Cは使用しなかった。水系架橋剤エポクロスWS−500 5質量部を添加した。その他は実施例1と同様にして粘度3,450cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.24mm、質量278g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0027】
実施例1
実施例1において、リカボンド FK−715を使用する代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 スターポリマー FK−F9837−1(中央理化工業株式会社製、固形分55質量%)182質量部を使用した。ポリウレタン水性デイスパージョン レタンWB−Cは使用しなかった。水系架橋剤エポクロスWS−500 5質量部を添加した。その他は実施例1と同様にして粘度3,910cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.28mm、質量370g/m2であった。使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0028】
実施例1
実施例1において、リカボンド FK−715を使用する代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−467(中央理化工業株式会社製、固形分65質量%)154質量部を使用した。ポリウレタン水性デイスパージョン レタンWB−Cは使用しなかった。水系架橋剤エポクロスWS−500 5質量部を添加した。その他は実施例1と同様にして粘度3,780cpの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.25mm、質量303g/m2であった。
使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0029】
比較例1
実施例1において、ポリ燐酸アンモニウム TERRAJU C−60(チッソ株式会社製)の添加量を20質量部にした。その他は実施例1と同様にして粘度3,250cp の水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.23mm、質量276 g/mであった。
使用した難燃剤の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0030】
比較例2
実施例1において、ポリ燐酸アンモニウム TERRAJU C−60(チッソ株式会社製)の添加量を150質量部にした。その他は実施例1と同様にして撹拌混練したところ粘度が増粘して水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合することができなかった。
【0031】
比較例3
実施例1において、水酸化アルミニウム H−42STE(昭和電工株式会社製)の添加量を30質量部にした。その他は実施例1と同様にして粘度3,440cp の水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.24mm、質量292 g/mであった。
使用した難燃剤の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0032】
比較例4
実施例1において、実施例1と同様の水性デイスパージョン難燃樹脂液を用い、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同様のドクターナイフによりコートする際ターポリン基布とドクターナイフとの間隔を狭くしてコートし、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.20mm、質量142 g/mであった。
使用した難燃剤の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0033】
比較例5
実施例1において、水酸化アルミニウム ハイジライト H−42STEを200質量部にした。その他は実施例1と同様にして撹拌混練したところ粘度が増粘して水性ディスパージョン難燃樹脂液を調合することができなかった。
【0034】
比較例6
実施例1において、エポクロスWS−500を添加しなかった。それ以外は実施例1と同様にして粘度3,580cp の水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を使用して実施例1と同様にしてディップ含浸、熱処理加工を行って被覆シート原反を製造した。
該水性デイスパージョン難燃樹脂液の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0035】
比較例7
実施例1において、有機リン酸エステル TCP(大八化学株式会社製)の添加量を40質量部にした。その他は実施例1同様にして粘度2,440cp の水性ディスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性ディスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.22mm、質量242 g/mであった。
使用した難燃剤の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0036】
比較例8
実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実施例1と同様のものを使用し、ターポリン基布は経糸250De/24f 、緯糸250De/24f 、密度経糸40本/インチ、緯22本/インチ、質量70 g/mを実施例1と同様の前処理したものを使用した。前処理した基布の質量は92 g/mであった。その他は実施例1と同様にドクターナイフコーターによりコートところ、該ターポリン基布から難燃樹脂液が漏れ、被覆シートを製造することができなかった。
【0037】
【表1】
Figure 0004017813
【0038】
【表2】
Figure 0004017813
【0039】
【表3】
Figure 0004017813
【0040】
【表4】
Figure 0004017813
【0041】
【表5】
Figure 0004017813
【0042】
【表6】
Figure 0004017813
【0043】
【表7】
Figure 0004017813
【0044】
【表8】
Figure 0004017813
【0045】
【表9】
Figure 0004017813
【0046】
(註)
A:ポリ燐酸アンモニウム TERRAJU−60(チッソ株式会社製)
B:ポリ燐酸アンモニウム ホスターフラム AP−462(クラリアントジャパン株式会社製)
C:水酸化アルミニウム ハイジライト H−42STE(昭和電工株式会社製)
D:水酸化マグネシウム キスマ 5A(協和化学株式会社製)
【0047】
試験方法
厚さ (mm) : JIS L 1096
質量 ( g/m):JIS L 1096
引張強度(kgf/3cm):JIS L 1096
引張伸度(%):JIS L 1096
タフネス(kgf、mm):JIS L 1096
耐揉み性(スコット型法)1kg×10,000回:JIS L 1096
引裂強度(kgf):JIS L 1096
燃焼試験 :JIS L 1901
A−1法
A−2法
D法(接炎法)
吸水率:10cmの試験片を50℃の温水に24時間浸漬し、浸漬前と浸漬後の質量増加を比率で示す。
評価
(1) 耐揉み性(スコット型法)
剥離がなく表面の変化がないもの 5
剥離はないが表面がやや膨らんでいるもの 4
剥離が僅かにあるもの 3
剥離が大きいもの 2
剥離が非常に大きいもの 1
【0048】
【発明の効果】
本発明は基布と難燃剤の密着性が良好で、防炎性が優れており、燃焼時にハロゲン系ガスを発生せず、可塑剤等の環境ホルモンも含まないものであり、処理したシートの引張強度や引裂強度等が良好な優れた効果を奏する。

Claims (15)

  1. 樹脂固形分35〜75質量%のアクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、30〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
  2. アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体水性デイスパージョンが、
    a. コアが酢酸ビニル含有量10〜75質量%、エチレン含有量5〜30質量%、(メタ)アクリル酸エステル20〜85質量%の、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、
    b. コアが酢酸ビニル含有量15〜70質量%、エチレン含有量5〜30質量%、バーサチック酸ビニル含有量25〜75質量%の、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、
    c. コアが酢酸ビニル含有量40〜95質量%と残部がエチレンのエチレン−酢酸ビニル共重合体でシエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコアが30〜80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョン、
    のa.〜c.から選んだ1または2以上のアクリル変性ポリオレフィン系樹脂スターポリマー水性デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体スターポリマー水性デイスパージョンである、請求項1に記載された建築工事シート用難燃剤。
  3. 請求項2のスターポリマー水性デイスパージョンの樹脂固形分80〜20質量%に対し、酢酸ビニル含有量45〜95質量%、残部がエチレンであるエチレン−酢酸ビニル共重合体の非スターポリマーを樹脂固形分20〜80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
  4. 請求項2のスターポリマー水性デイスパージョンの樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固形分25〜70質量%のポリウレタン水性デイスパージョンを樹脂固形分で10〜80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、30〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
  5. 請求項3のスターポリマー水性デイスパージョンとエチレン−酢酸ビニル系共重合体の非スターポリマーの水性デイスパージョンとの混合系水性デイスパージョンの樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固形分25〜70質量%のポリウレタン水性デイスパージョンを樹脂固形分で10〜80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
  6. エチレン−酢酸ビニル共重合体水性デイスパージョン固形分90〜20質量%に対しポリウレタン水性デイスパージョン固形分10〜80質量%を配合した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、3〜30質量部の有機リン酸エステル、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
  7. ポリ燐酸アンモニウム化合物がマイクロカプセルに内包された、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
  8. 金属水酸化物が水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
  9. 前記有機リン酸エステルがアリルホスフェート系であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤。
  10. 合繊基布または繊度200〜1,500デニール、引張強度4〜10gf/デニール、破断伸度14〜45%である合成繊維を、密度経糸35〜60本、緯糸25〜60本で平織したフィラメント糸を使用したターポリン基布を、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤を用いて含浸被覆し熱処理加工した、建築工事用シート。
  11. 請求項10において、ターポリン基布が経糸1本/6〜30織糸本数、緯糸1本/6〜30織糸本数間隔でリップストップが入った平織した基布である、建築工事用シート。
  12. 合繊基布は紡績糸を使用した帆布生材で糸の太さの帆布生材規格号数が2号〜6号で密度が経糸43本〜55本、緯糸35本〜60本、質量は180〜470g/m2の基布である、請求項10に記載された、建築工事用シート。
  13. 合繊基布またはフィラメント糸を使用したターポリン基布100質量部に対し、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃剤固形分60〜500質量部で含浸被覆した、請求項10ないし12のいずれか1項に記載された建築工事用シート。
  14. 基布をポリウレタン樹脂等で前処理し、その後請求項1ないし9のいずれか1項に記載された難燃剤で被覆してなる、建築工事用シート。
  15. 前処理するポリウレタン樹脂に難燃剤を配合した、請求項14に記載された建築工事用シート。
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