JP2002003690A - 建築工事シート用難燃剤とこれを用いた建築工事用シート - Google Patents

建築工事シート用難燃剤とこれを用いた建築工事用シート

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JP2002003690A JP2000221470A JP2000221470A JP2002003690A JP 2002003690 A JP2002003690 A JP 2002003690A JP 2000221470 A JP2000221470 A JP 2000221470A JP 2000221470 A JP2000221470 A JP 2000221470A JP 2002003690 A JP2002003690 A JP 2002003690A
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神谷  邦明
Seiji Nozaki
野▲ザキ▼  齊治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合繊基布との密着性が良好で、燃焼時にハロ
ゲンやダイオキシンを発生しない難燃剤とこれを用いて
処理した建築工事用シートを提供する。 【解決手段】 樹脂固形分35〜75質量%のアクリル
変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび
/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイス
パージョンの固形分100質量部に対して、30〜13
0質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、30〜150
質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤
固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用
難燃剤であり、これを用いて合繊基布やターポリン基布
を処理した建築工事用シートも包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建設工事現場におい
て危険防止、火災防止のために展張したり、被覆して使
用される建築工事用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】建築工事用シートは通常の工事用足場を
持つ建設工事現場において、工事現場の周囲その他危険
防止上必要な部分に落下物等による危険防止および火災
発生防止のために用いられるもので、落下物に対する十
分な強度を有するものである。そして防炎性、防水性、
耐候性などの品質を確保するために合成繊維などの基布
に塩化ビニル樹脂をコーティング加工、ディッピング加
工、トッピング加工して製造されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塩化ビニル樹脂を用い
て被覆加工した製品は総べて塩素および可塑剤を含有す
るため、燃焼するとダイオキシン類の発生、また使用中
に環境ホルモンがブリードし、流出するなどの恐れがあ
る。本発明はこのような実状に鑑みてなされたもので合
繊基布と難燃剤との密着性が良好で、引張強度、防炎
性、引裂強度、ウエルダー強度などが良好で、燃焼時有
毒なハロゲンガス、ダイオキシン類の発生はせず、さら
に可塑剤などの環境ホルモンを含有しない建築工事用シ
ートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 樹脂固形分35〜75質量%のアクリル変性ポ
リオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび/また
はエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイスパージ
ョンの固形分100質量部に対して、30〜130質量
部のポリ燐酸アンモニウム化合物、30〜150質量部
の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分
1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃
剤。 2. アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパ
ージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重合
体水性デイスパージョンが、 a. コアが酢酸ビニル含有量10〜75質量%、エチ
レン含有量5〜30質量%、(メタ)アクリル酸エステ
ル20〜85質量%の、エチレン−酢酸ビニル−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、シエルが(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量
%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜
75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョ
ン、 b. コアが酢酸ビニル含有量15〜70質量%、エチ
レン含有量5〜30質量%、バーサチック酸ビニル含有
量25〜75質量%の、エチレン−酢酸ビニル−バーサ
チック酸ビニル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸
エステル系重合体でコア部が30〜80質量%、シエル
部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%
であるスターポリマー水性デイスパージョン、 c. コアが酢酸ビニル含有量40〜95質量%と残部
がエチレンのエチレン−酢酸ビニル共重合体でシエルが
(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコアが30〜8
0質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が
35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパー
ジョン、のa.〜c.から選んだ1または2以上のアク
リル変性ポリオレフィン系樹脂スターポリマー水性デイ
スパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共
重合体スターポリマー水性デイスパージョンである、1
項に記載された建築工事シート用難燃剤。 3. 2項のスターポリマー水性デイスパージョンの樹
脂固形分80〜20質量%に対し、酢酸ビニル含有量4
5〜95質量%、残部がエチレンであるエチレン−酢酸
ビニル共重合体の非スターポリマーを樹脂固形分20〜
80質量%配合した水性デイスパージョンの固形分10
0質量部に対して、30〜130質量部のポリ燐酸アン
モニウム化合物、50〜150質量部の金属水酸化物、
オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を
配合してなる建築工事シート用難燃剤。 4. 2項のスターポリマー水性デイスパージョンの樹
脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固形分25〜7
0質量%のポリウレタン水性デイスパージョンを樹脂固
形分で10〜80質量%配合した水性デイスパージョン
の固形分100質量部に対して、30〜130質量部の
ポリ燐酸アンモニウム化合物、30〜150質量部の金
属水酸化物を配合してなる建築工事シート用難燃剤。 5. 3項のスターポリマー水性デイスパージョンとエ
チレン−酢酸ビニル系共重合体の非スターポリマーの水
性デイスパージョンとの混合系水性デイスパージョンの
樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固形分25〜
70質量%のポリウレタン水性デイスパージョンを樹脂
固形分で10〜80質量%配合した水性デイスパージョ
ンの固形分100質量部に対して、30〜130質量部
のポリ燐酸アンモニウム化合物、50〜150質量部の
金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1
〜10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。 6. エチレン−酢酸ビニル共重合体水性デイスパージ
ョン固形分90〜20質量%に対しポリウレタン水性デ
イスパージョン固形分10〜80質量%を配合した水性
デイスパージョンの固形分100質量部に対して、30
〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、50〜
150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系
架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シ
ート用難燃剤。 7. ポリ燐酸アンモニウム化合物がマイクロカプセル
に内包された、1項ないし6のいずれか1項に記載され
た建築工事シート用難燃剤。 8. 金属水酸化物が水酸化アルミニウムおよび/また
は水酸化マグネシウムである、1項ないし7項のいずれ
か1項に記載された建築工事シート用難燃剤。 9. 1項ないし8項のいずれか1項に記載された建築
工事シート用難燃剤に、難燃剤の水性デイスパージョン
樹脂の固形分100質量部に対し有機リン酸エステル3
〜30質量部配合した、建築工事シート用難燃剤。 10. 合繊基布または繊度200〜1,500デニー
ル、引張強度4〜10g/デニール、破断伸度14〜4
5%である合成繊維を、密度経35〜60本、緯25〜
60本で平織したフィラメント糸を使用したターポリン
基布を、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された
建築工事シート用難燃剤を用いて含浸被覆し熱処理加工
した、建築工事用シート。 11. 10項において、ターポリン基布が経1本/6
〜30織糸本数、緯1本/6〜30織糸本数間隔でリッ
プストップが入った平織した基布である、建築工事用シ
ート。 12. 合繊基布は紡績糸を使用した帆布生材で糸の太
さの帆布生材規格号数が2号〜6号で密度が経43本〜
55本、緯35本〜60本、質量は180〜470g/
の基布である、10項に記載された、建築工事用シ
ート。 13. 合繊基布またはフィラメント糸を使用したター
ポリン基布100質量部に対し、1項ないし9項のいず
れか1項に記載された建築工事シート用難燃剤固形分6
0〜500質量部で含浸被覆した、10項ないし12項
のいずれか1項に記載された建築工事用シート。 14. 基布をポリウレタン樹脂等で前処理し、その後
1項ないし9項のいずれか1項に記載された難燃剤で被
覆してなる、建設工事用シート。 15. 前処理するポリウレタン樹脂に難燃剤を配合し
た、14項に記載された建築工事用シート。」に関す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で難燃剤として使用するポ
リ燐酸アンモニウム化合物は、燃焼時に熱分解し窒素ガ
スを発生するため、この窒素ガスが酸素を遮断する。ま
たポリ燐酸アンモニウム化合物が窒素ガスを発生しなが
ら脱水炭化触媒として樹脂の炭化を促進し難燃効果を向
上する。本発明においてポリ燐酸アンモニウム化合物は
固形分35〜70%のアクリル変性ポリオレフィン系樹
脂やエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイスパー
ジョンのポリオレフィン系樹脂固形分の固形分100質
量部に対し30〜130質量部存在することが必要で3
0質量部以下では難燃効果が奏されず、130質量部以
上加えても難燃効果が向上しなくなる。また水性デイス
パージョン難燃樹脂液の粘度が増粘し、加工が困難にな
る。本発明に使用するポリ燐酸アンモニウム化合物はマ
イクロカプセルに内包したものを使用することが好まし
い。マイクロカプセル化したものを使用することによ
り、水性デイスパージョン樹脂中にポリ燐酸アンモニウ
ム化合物を混合した場合水性デイスパージョンの粘度上
昇を軽減することができる。さらに建設工事現用シート
は建築現場に展張して4〜8ヶ月/回使用後、1旦取り
はずし汚れを除去するため洗濯する。洗濯は洗剤が入っ
た約40℃の温水中に数時間浸漬後行う。この際、マイ
クロカプセルに内包することによりポリ燐酸アンモニウ
ム化合物が水に溶解することを防止することができる。
該マイクロカプセル中のポリ燐酸アンモニウム化合物濃
度は75〜95%であり、平均粒径は10〜40μmで
あることが好ましい。マイクロカプセル化はポリ燐酸ア
ンモニウム化合物粒子を樹脂や無機物で表面をコートす
ることにより行うことができるが、界面重合法、コアセ
ルベーション法等が適宜用いられる。
【0006】さらに金属水酸化物を配合すると難燃効果
が大となり好ましい。金属水酸化物としては水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウムがポリ燐酸アンモニウム
化合物と併用効果があり好ましい。水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムには表面処理したものと、表面
処理なしのものがあるが、樹脂との密着性、機械的強
度、耐水性から表面処理したものが好ましい。特にカッ
プリング剤で表面処理したものが機械的強度の低下が少
ないので好ましい。カップリング剤としてはシラン系カ
ップリング剤、チタン系カップリング剤が挙げられる。
水酸化アルミニウムをカップリング剤で処理したものと
しては、昭和電工株式会社製 ハイジライトH−42S
TE、ハイジライトH−42STV等が挙げられる。水
酸化マグネシウムをカップリング剤で処理したものとし
ては、神島化学工業株式会社製 NSが挙げられる。表
面処理してない水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムを使用する場合はカップリング剤を添加してもよい。
金属水酸化物は全樹脂固形分100質量部に対して30
〜150質量部存在することが必要である。金属水酸化
物は樹脂固形分に対して30質量部以下では難燃促進の
効果は小さい。150質量部以上加えると水性デイスパ
ージョンの粘度が上昇するので好ましくない。本発明で
使用するオキサゾリン基含有水系架橋剤は、オキサゾリ
ン基含有水溶性ポリマーとオキサゾリン基含有エマルジ
ョンのいずれもカルボキシル基等を有する樹脂と架橋反
応またはグラフト反応する。その結果、カルボキシル基
を有するエチレン−酢酸ビニル系水性共重合体、アクリ
ル変性ポリオレフィン系水性樹脂等は耐水性、基布との
密着性が向上し好ましい。
【0007】オキサゾリン基含有水溶性ポリマーとして
は、日本触媒株式会社製 エポクロスWS−500が挙
げられる。オキサゾリン基含有エマルジョンタイプとし
ては、日本触媒株式会社製 エポクロスK2020Eが
挙げられる。
【0008】本発明では、樹脂の水性デイスパージョン
として、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性デイス
パージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル系共重
合体水性デイスパージョンを用いる。これ等の樹脂水性
デイスパージョンとしては、スターポリマーのデイスパ
ージョンが好ましい。スターポリマー水性デイスパージ
ョンとしては、a.コアが酢酸ビニル含有量10〜75
質量%、エチレン含有量5〜30質量%、(メタ)アク
リル酸エステル20〜85質量%の、エチレン−酢酸ビ
ニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、シエルが
(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコア部が30〜
80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分
が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパ
ージョン、b.コアが酢酸ビニル含有量15〜70質量
%、エチレン含有量5〜30質量%、バーサチック酸ビ
ニル含有量25〜75質量%の、エチレン−酢酸ビニル
−バーサチック酸ビニル共重合体、シエルが(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体でコア部が30〜80質量
%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分が35〜
75質量%であるスターポリマー水性デイスパージョ
ン、c.コアが酢酸ビニル含有量40〜95質量%と残
部がエチレンのエチレン−酢酸ビニル共重合体でシエル
が(メタ)アクリル酸エステル系重合体でコアが30〜
80質量%、シエル部が20〜70質量%で樹脂固形分
が35〜75質量%であるスターポリマー水性デイスパ
ージョン、が用いられるが2種以上併用してもよい。こ
れ等のスターポリマー水性デイスパージョンは基布との
密着性がよい性能を有するので建築工事用シートに用い
ると効果が大きい。
【0009】このスターポリマー水性デイスパージョン
に非スターポリマーであるアクリル変性ポリオレフィン
系樹脂やエチレン−酢酸ビニル系共重合体の非スターポ
リマーの水性デイスパージョンやポリウレタン水性デイ
スパージョンを単独または併用して配合することもでき
る。非スターポリマーの配合割合はスターポリマーの樹
脂固形分80〜20質量%に対し20〜80質量%であ
って、20質量%以下では難燃剤の防炎効果が小とな
り、80質量%以上では吸水性が大となり好ましくな
い。またウレタン樹脂はスターポリマー樹脂固形分90
〜20質量%に対し、10〜80質量%であり、10質
量%以下では耐摩耗性向上効果が小となり、80質量%
以上では粘度の安定性が悪くなり好ましくない。このよ
うな樹脂を配合すると密着性、耐摩耗性に効果がある。
【0010】アクリル変性ポリオレフィン系樹脂スター
ポリマーとしては、FK−715、FK−F9837−
4(中央理化工業株式会社製)等が用いられる。エチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体スターポリマーとしては、F
K−F9837−1、FK−F9837−2(中央理化
工業株式会社製)等が用いられる。この他、水性デイス
パージョンとしてはエチレン−酢酸ビニル共重合体水性
デイスパージョン樹脂固形分90〜20質量%に対しポ
リウレタン水性デイスパージョン樹脂固形分10〜80
質量%を配合したものは基布に対する密着性が良好であ
るので好ましい。ポリウレタン水性デイスパージョンを
使用する場合樹脂固形分100質量部に対し硬化剤1〜
5質量部添加すると耐摩耗性が向上するので好ましい。
【0011】さらに、基布を難燃性樹脂で被覆する前に
基布にポリウレタン樹脂等で前処理をすれば基布と難燃
性樹脂との密着性が向上するので好ましい。前処理する
ポリウレタン樹脂等に燐および/または窒素系難燃剤を
配合すれば防炎性が向上し、さらに好ましい。難燃剤と
しては、株式会社三和ケミカル製ポリ燐酸メラミン、硫
酸メラミン アピノン901、日産化学株式会社製 シ
アヌル酸メラミン MC610大和化学工業株式会社製
フランPPN−2が挙げられる。
【0012】本発明の難燃剤は全樹脂固形分100質量
部に対して3〜30質量部の有機リン酸エステルを含有
させたものも包含する。有機リン酸エステルが3質量部
以下では難燃性向上効果が小さく、光沢の改善、柔軟性
の向上が小さく、30質量部以上では難燃性の向上が小
さくなり、製品にベタツキが出るので好ましくない。該
有機リン酸エステルがハロゲンを含まないリン酸エステ
ルでリン元素含有量は7〜18質量%、粘度(20℃)
は10〜150cpであるものが好ましい。本発明に使
用する有機リン酸エステルはアリルホスフェート系のも
のを使用することが好ましい。アリルホスフェート系の
ものは難燃効果と同時に樹脂との相溶性がよく、可塑化
効果がある。
【0013】次に、本発明の難燃剤を用いた建築工事用
シートについて説明する。建築工事用シートの基材とし
ては、合繊基布またはターポリン基布が用いられる。本
発明で用いる合繊基布としては、紡績糸を使用した帆布
生材で糸の太さの帆布生材規格の号数が2〜6号で密度
が1インチ当たり経糸43本〜55本、緯糸35本〜6
0本、質量180〜470g/mの基布であり、ター
ポリン基布は繊度200〜1500デニールの、引張強
度4〜10g/デニール、破断伸度14〜45%である
フィラメント糸を、経糸15〜60本、緯糸20〜60
本使用し、平織した基布である。さらにこれらの基布に
おいて1本/6〜30織糸本数/経、1本/6〜30織
糸本数/緯間隔でリップストップ糸を織り入れた基布を
使用する。リップストップ糸は織糸より繊度が大きく強
度が大きいフィラメント糸である。この基布を用いるこ
とによりシートを高強力、高タフネス、軽量化すること
ができ、落下衝撃エネルギーの吸収性を良好にすること
ができる。基布と難燃剤含有樹脂固形分の質量割合は、
基布100質量部に対し、難燃剤含有樹脂が固形分で6
0〜500質量部である。60質量部以下では難燃性が
小となり、500質量部以上では製品質量が大となり好
ましくない。基布を予めポリウレタン樹脂等で前処理し
てから難燃剤で処理すると、基布と難燃剤含有樹脂との
密着性が向上する。また難燃剤含有水性ディスパージョ
ン樹脂の水分が基布に吸水され難燃剤含有水性ディスパ
ージョン樹脂の粘度が増粘するのを防止する効果がある
ので好ましい。本発明で難燃剤に適宜に種類および量を
選び顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、安定剤、希釈剤、増粘剤、発泡剤、、分散
剤、散泡剤、防黴剤、防藻剤等を併用することができ
る。本発明の建築工事用シートは、上記の合繊基布やタ
ーポリン基布を難燃剤含有樹脂水性デイスパージョンに
浸漬し含浸させることにより製造することができる。本
発明の建築工事用シートは白色となるので、工事現場に
与える美感が優れている。
【0014】
【実施例】実施例1 プラネタリヤミキサー(容量50リットル)の中へコア
がエチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、シエルがメタアクリル酸エステル重合体であるスタ
ーポリマー水性デイスパージョン リカボンドFK−7
15(中央理化工業株式会社製、固形分 55質量%)
127質量部、ポリウレタン水性デイスパージョン レ
タン WB−C(固形分38質量%、関西ペイント株式
会社製)79質量部を投入し、プラネタリヤミキサーを
撹拌しながら水系架橋剤オキサゾリン基含有水溶性ポリ
マー エポクロスWS−500(日本触媒株式会社製
固形分78質量%)3質量部、ポリ燐酸アンモニウム化
合物 TERRAJU C−60(チッソ株式会社製)
80質量部、水酸化アルミニウム ハイジライト H−
42STE(昭和電工株式会社製)100質量部、有機
リン酸エステル TCP(大八化学株式会社製)5質量
部、酸化チタン TIPAQUE C−97(石原産業
株式会社製)5質量部、紫外線吸収剤チヌピン327
(チバガイギ株式会社製)0.5質量部、光安定剤 H
ALS(チバガイギ株式会社製)0.3質量部、分散剤
アロンT−4D(東亜合成株式会社製)0.4質量
部、消泡剤ノプコ8034(サンノプコ 株式会社製)
0.2質量部、水30質量部を約5分かけて徐々に添加
した。さらに20分間撹拌した。次に該混練樹脂液を三
本ロールを通し混練し粘度3,670cpの水性デイス
パージョン難燃樹脂液を得た。ポリウレタン溶液 水性
ディスパージョン レタンWB−C(固形分38質量
%、関西ペイント株式会社製)100質量部に難燃剤フ
ラPPN−2(大和化学工業株式会社製)40質量部、
水系架橋剤 エポクロスWS−500 1質量部、水1
00質量部を添加し、プラネタリヤミキサー(容量50
リットル)で20分間撹拌し、粘度520cpのポリウ
レタン樹脂前処理液を調合した。該樹脂前処理液をディ
ップコート機のディップ槽に注入した。ポリエステル製
ターポリン基布(経糸250De/24f、緯糸25
0De/24f、密度経48本/インチ、緯40本/イ
ンチ、質量98g/m)をガイドロールを通してディ
ップ槽を通過浸漬した後マングロールで絞り、加熱処理
して基布の前処理を行った。前処理した基布の質量は1
23g/mであった。前処理した該基布をドクターナ
イフコーター機により被覆するためガイドロールを通し
て引き出し、該基布上へ先に作った水性デイスパージョ
ン難燃樹脂をホースで徐々に注入し、ドクターナイフに
より第1回目の基布の片面をコートし、加熱炉温度90
℃、100℃、120℃、150℃で加熱処理加工した
後ワインダーに巻き取った。次に、同様にしてもう一方
の片面をコートし加熱処理した後ワインダーに巻き取っ
た。さらに表面、裏面、ともに1回づつ合計4回コー
ト、加熱処理加工を行って被覆シート原反をワインダー
で巻き取った。該被覆シート原反の厚さは0.24m
m、質量は276g/mであった。使用した難燃剤の
組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理
したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0015】実施例2 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、ポリエステル製ターポリ
ン基布はポリウレタン重視前処理液で前処理してない、
ターポリン基布は(経糸250De/24f、緯糸25
0De/24f、密度経48本/インチ、緯40本/イ
ンチ、質量98g/m)を使用し、その他は実施例1
と同様にドクターナイフコーターによりコート後、熱処
理加工して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。
該シートの原反の厚さ0.24mm、質量は268g/
であった。使用した難燃剤の組成を表1に示し、基
布とその処理を表4に示し、処理したシートの性能を測
定した結果は表7に示す。
【0016】実施例3 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、ターポリン基布(経糸2
50De/24f、緯糸250De/24f、密度経4
8本/インチ、緯40本/インチ)において経糸に55
0De1本/20本織糸、緯糸に550De1本/10
本織糸、間隔でリップストップ糸を織り込んだ平織した
基布で実施例1と同様にポリウレタン樹脂前処理液で前
処理したものを使用した。前処理した基布の質量は12
5g/mであった。その他は実施例1と同様にドクタ
ーナイフによりコート後熱処理して、被覆シート原反を
ワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.2
5mm、質量294g/mであった。使用した難燃剤
の組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処
理したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0017】実施例4 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、ポリエステル製ターポリ
ン基布は経糸550De/48f、緯糸550De/4
8f、密度経20本/インチ、緯30本/インチ、質量
124g/mを使用した。その他は実施例1と同様に
ドクターナイフによりコート後、熱処理加工して被覆シ
ート原反をワインダーに巻き取った。使用した難燃剤の
組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理
したシートの原反の厚さ0.33mm、質量397g/
であった。該シートの性能を測定した結果は表7に
示す。
【0018】実施例5 実施例1において水系架橋剤エポクロスWS−500
7質量部を添加した。TCPは添加せず、その他は実施
例1と同様にして粘度3,840cpsの水性デイスパ
ージョン難燃樹脂液を得た。該難燃樹脂液を使用し、タ
ーポリン基布は経糸500De/48f、緯糸550D
e/48f、密度経20本/インチ、緯30本/イン
チ、質量124g/mを使用した。その他は実施例1
と同様にドクターナイフによりコート後、熱処理加工し
て被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シート
の原反の厚さ0.34mm、質量405g/mであっ
た。使用した難燃剤の組成を表1に示し、基布とその処
理を表4に示し、処理したシートの性能を測定した結果
は表7に示す。
【0019】実施例6 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、ターポリン基布は経糸5
00De/48f、緯糸550De/48f、密度経糸
54本/インチ、緯58本/インチ、質量278g/m
を使用し、その他は実施例1と同様にドクターナイフ
によりコート後、加熱処理加工して被覆シート原反をワ
インダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.43
mm、質量656g/mであった。使用した難燃剤の
組成を表1に示し、基布とその処理を表4に示し、処理
したシートの性能を測定した結果は表7に示す。
【0020】実施例7 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、基布は経糸250De/
24f、フィラメント糸、緯糸10S/1のスパン糸、
密度経54本/インチ、緯58本/インチ、質量204
g/mで実施例1と同様の前処理した基布を使用し、
その他は実施例1と同様にドクターナイフによりコート
後、加熱処理加工して被覆シート原反をワインダーに巻
き取った。該シートの原反の厚さ0.39mm、質量4
76g/mであった。使用した難燃剤の組成を表1に
示し、基布とその処理を表4に示し、処理したシートの
性能を測定した結果は表7に示す。
【0021】実施例8 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、基布は経糸20S/2、
緯糸20S/2、密度経55本/インチ、緯58本/イ
ンチ、質量275g/mで実施例1と同様の前処理し
た基布を使用した。該基布をガイドロールを通して第1
ディップ槽で水性デイスパージョン難燃樹脂液を含浸し
た後、該基布を上方へ垂直に連続して上げ、2本の絞り
ロールで絞った後、加熱炉でゲル化させ、次の第2ディ
ップ槽でも第1ディップ槽と同様にディップ含浸、2本
の絞りロールで絞った後熱処理して、さらに第3ディッ
プ槽でも第1ディップ槽と同様ディップ含浸、2本の絞
りロールで絞った後、熱処理して被覆シート原反をワイ
ンダーで巻き取った。該シート原反の厚さは0.41m
m、質量は582g/mであった。使用した難燃剤の
組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理
したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0022】実施例9 実施例1において、使用したアクリル変性ポリオレフィ
ン系樹脂スターポリマー水性デイスパージョン リカボ
ンド FK−715(中央理化工業株式会社製、固形分
55質量%)73質量部を用い、エチレン−酢酸ビニル
系共重合体 S−952(住友化学工業株式会社製、固
形分55質量%)73質量部、ポリウレタン水性デイス
パージョン レタンWB−C(関西ペイント工業株式会
社製、固形分38質量%)53質量部を使用した。その
他は実施例1と同様にして粘度4,450cpsの水性
デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイス
パージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のター
ポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイ
フによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワイ
ンダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.32m
m、質量424g/mであった。使用した難燃剤の組
成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理し
たシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0023】実施例10 実施例1において、リカボンド FK−715を使用す
る代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−4
67(住友化学工業株式会社製、固形分65質量%)4
6質量部、ポリウレタン水性デイスパージョン レタン
WB−C(関西ペイント工業株式会社製、固形分38質
量%)184質量部を使用した。ポリ燐酸アンモニウム
TERRAJU C−60(チッソ株式会社製)を使
用する代わりに、ホスターフラム AP−462(クラ
リアントジャパン株式会社製)40質量部を使用した。
水酸化アルミニウム H−42M(昭和電工株式会社
製)を使用する代わりに水酸化マグネシウム キスマ
5A(協和化学株式会社製)130質量部を添加した。
有機リン酸エステル TCPは15質量部添加した。そ
の他は実施例1と同様にして粘度4,880cpsの水
性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイ
スパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のタ
ーポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナ
イフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワ
インダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.36
mm、質量495g/mであった。使用した難燃剤の
組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理
したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0024】実施例11 実施例1において、リカボンド FK−715を使用す
る代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 スター
ポリマー FK−F9837−1(中央理化工業株式会
社製、固形分55質量%)127質量部を使用した。そ
の他は実施例1と同様にして粘度3,430cpsの水
性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイ
スパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のタ
ーポリン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナ
イフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワ
インダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.21
mm、質量163g/mであった。使用した難燃剤の
組成を表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理
したシートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0025】実施例12 実施例1において、リカボンド FK−715を使用す
る代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−9
52(住友化学工業株式会社製、固形分55質量%)5
5質量部を使用した。ポリウレタン水性デイスパージョ
ン レタンWB−Cは使用しなかった。ポリ燐酸アンモ
ニウム TERRAJU C−60 120質量部を使
用した。水酸化アルミニウム H−42M 60質量部
を使用した。水系架橋剤エポクロスWS−500 1質
量部を添加した。その他は実施例1と同様にして粘度
4,240cpsの水性デイスパージョン難燃樹脂液を
調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用い
て、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施
例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理
して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シー
トの原反の厚さ0.34mm、質量406g/mであ
った。使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその
処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結
果は表8に示す。
【0026】実施例13 実施例1において、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂
水性デイスパージョンリカボンド FK−715(中央
理化工業株式会社製、固形分55質量%)182質量部
を使用した。ポリウレタン水性デイスパージョン レタ
ンWB−Cは使用しなかった。水系架橋剤エポクロスW
S−500 5質量部を添加した。その他は実施例1と
同様にして粘度3,450cpsの水性デイスパージョ
ン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパージョン難燃
樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリン基布を使
用して、実施例1と同様にドクターナイフによりコート
後、加熱処理して被覆シート原反をワインダーに巻き取
った。該シートの原反の厚さ0.24mm、質量278
g/mであった。使用した難燃剤の組成を表2に示
し、基布とその処理を表5に示し、処理したシートの性
能を測定した結果は表8に示す。
【0027】実施例14 実施例1において、リカボンド FK−715を使用す
る代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 スター
ポリマー FK−F9837−1(中央理化工業株式会
社製、固形分55質量%)182質量部を使用した。ポ
リウレタン水性デイスパージョン レタンWB−Cは使
用しなかった。水系架橋剤エポクロスWS−500 5
質量部を添加した。その他は実施例1と同様にして粘度
3,910cpsの水性デイスパージョン難燃樹脂液を
調合した。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用い
て、実施例1と同様のターポリン基布を使用して、実施
例1と同様にドクターナイフによりコート後、加熱処理
して被覆シート原反をワインダーに巻き取った。該シー
トの原反の厚さ0.28mm、質量370g/mであ
った。使用した難燃剤の組成を表2に示し、基布とその
処理を表5に示し、処理したシートの性能を測定した結
果は表8に示す。
【0028】実施例15 実施例1において、リカボンド FK−715を使用す
る代わりに、エチレン−酢酸ビニル系共重合体 S−4
67(中央理化工業株式会社製、固形分65質量%)1
54質量部を使用した。ポリウレタン水性デイスパージ
ョン レタンWB−Cは使用しなかった。水系架橋剤エ
ポクロスWS−500 5質量部を添加した。その他は
実施例1と同様にして粘度3,780cpsの水性デイ
スパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性デイスパー
ジョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様のターポリ
ン基布を使用して、実施例1と同様にドクターナイフに
よりコート後、加熱処理して被覆シート原反をワインダ
ーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.25mm、
質量303g/mであった。使用した難燃剤の組成を
表2に示し、基布とその処理を表5に示し、処理したシ
ートの性能を測定した結果は表8に示す。
【0029】比較例1 実施例1において、ポリ燐酸アンモニウム TERRA
JU C−60(チッソ株式会社製)の添加量を20質
量部にした。その他は実施例1と同様にして粘度3,2
50cpsの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合し
た。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施
例1と同様のターポリン基布を使用して、実施例1と同
様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆
シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反
の厚さ0.23mm、質量276g/mであった。使
用した難燃剤の組成を表3に示し、基布とその処理を表
6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9
に示す。
【0030】比較例2 実施例1において、ポリ燐酸アンモニウム TERRA
JU C−60(チッソ株式会社製)の添加量を150
質量部にした。その他は実施例1と同様にして撹拌混練
したところ粘度が増粘して水性デイスパージョン難燃樹
脂液を調合することができなかった。
【0031】比較例3 実施例1において、水酸化アルミニウム H−42ST
E(昭和電工株式会社製)の添加量を30質量部にし
た。その他は実施例1と同様にして粘度3,440cp
sの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合した。該水
性デイスパージョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同
様にドクターナイフによりコート後、加熱処理して被覆
シート原反をワインダーに巻き取った。該シートの原反
の厚さ0.24mm、質量292g/mであった。使
用した難燃剤の組成を表3に示し、基布とその処理を表
6に示し、処理したシートの性能を測定した結果は表9
に示す。
【0032】比較例4 実施例1において、実施例1と同様の水性デイスパージ
ョン難燃樹脂液を用い、実施例1と同様のターポリン基
布を使用して、実施例1と同様のドクターナイフにより
コートする際ターポリン基布とドクターナイフとの間隔
を狭くしてコートし、加熱処理して被覆シート原反をワ
インダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.20
mm、質量142g/mであった。使用した難燃剤の
組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処理
したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0033】比較例5 実施例1において、水酸化アルミニウム ハイジライト
H−42STEを200質量部にした。その他は実施
例1と同様にして撹拌混練したところ粘度が増粘して水
性ディスパージョン難燃樹脂液を調合することができな
かった。
【0034】比較例6 実施例1において、エポクロスWS−500を添加しな
かった。それ以外は実施例1と同様にして粘度3,58
0cpsの水性デイスパージョン難燃樹脂液を調合し
た。該水性デイスパージョン難燃樹脂液を使用して実施
例1と同様にしてディップ含浸、熱処理加工を行って被
覆シート原反を製造した。該水性デイスパージョン難燃
樹脂液の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示
し、処理したシートの性能を測定した結果は表9に示
す。
【0035】比較例7 実施例1において、有機リン酸エステル TCP(大八
化学株式会社製)の添加量を40質量部にした。その他
は実施例1同様にして粘度2,440cpsの水性ディ
スパージョン難燃樹脂液を調合した。該水性ディスパー
ジョン難燃樹脂液を用いて、実施例1と同様にドクター
ナイフによりコート後、加熱処理して被覆シート原反を
ワインダーに巻き取った。該シートの原反の厚さ0.2
2mm、質量242g/mであった。使用した難燃剤
の組成を表3に示し、基布とその処理を表6に示し、処
理したシートの性能を測定した結果は表9に示す。
【0036】比較例8 実施例1において水性デイスパージョン難燃樹脂液は実
施例1と同様のものを使用し、ターポリン基布は経糸2
50De/24f、緯糸250De/24f、密度経糸
40本/インチ、緯22本/インチ、質量70g/m
を実施例1と同様の前処理したものを使用した。前処理
した基布の質量は92g/mであった。その他は実施
例1と同様にドクターナイフコーターによりコートとこ
ろ、該ターポリン基布から難燃樹脂液が漏れ、被覆シー
トを製造することができなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】(註) A:ポリ燐酸アンモニウム TERRAJU−60(チ
ッソ株式会社製) B:ポリ燐酸アンモニウム ホスターフラム AP−4
62(クラリアントジャパン株式会社製) C:水酸化アルミニウム ハイジライト H−42ST
E(昭和電工株式会社製) D:水酸化マグネシウム キスマ 5A(協和化学株式
会社製)
【0047】試験方法 厚さ (mm) : JIS L 1096 質量 (g/m):JIS L 1096 引張強度(Kg/3cm):JIS L 1096 引張伸度(%):JIS L 1096 タフネス(Kg、mm):JIS L 1096 耐揉み性(スコット型法)1Kg×10,000回:J
IS L 1096 引裂強度(Kg):JIS L 1096 燃焼試験 :JIS L 1901 A−1法 A−2法 D法(接炎法) 吸水率:10cmの試験片を50℃の温水に24時間
浸漬し、浸漬前と浸漬後の質量増加を比率で示す。 評価 (1) 耐揉み性(スコット型法) 剥離がなく表面の変化がないもの 5 剥離はないが表面がやや膨らんでいるもの 4 剥離が僅かにあるもの 3 剥離が大きいもの 2 剥離が非常に大きいもの 1
【0048】
【発明の効果】本発明は基布と難燃剤の密着性が良好
で、防炎性が優れており、燃焼時にハロゲンを発生せ
ず、可塑剤等の環境ホルモンも含まないものであり、処
理したシートの引張強度や引裂強度等が良好な優れた効
果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/32 C08K 3/32 5/353 5/353 5/521 5/521 9/10 9/10 C08L 23/08 C08L 23/08 31/04 31/04 S C09K 21/02 C09K 21/02 21/04 21/04 E04G 21/24 E04G 21/24 A Fターム(参考) 4F072 AB05 AB28 AC08 AD03 AD09 AD52 AE07 AF03 AF04 AF06 AF27 AG06 AG16 AG20 AK05 AL09 AL17 4F100 AA04A AA17A AA18A AA19A AK03A AK25A AK51B AK62A AK66A AK68A AL06A BA02 CA02A CA07 CA08A DG04B DG11B EH46 EJ64B EJ82 EJ82A GB07 JD05 JJ07 JK02 JK02B JK03 JK06 JL00 JL09 YY00A YY00B 4H028 AA07 AA08 AA10 AA12 AA34 AA44 AB04 BA04 BA06 4J002 BN07W BN11W BN12W CK02X DE077 DE147 DH056 EU228 EW069 FA04X FB286 FD136 FD137 FD138 GL00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂固形分35〜75質量%のアクリル
    変性ポリオレフィン系樹脂水性デイスパージョンおよび
    /またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性デイス
    パージョンの固形分100質量部に対して、30〜13
    0質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、30〜150
    質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤
    固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート用
    難燃剤。
  2. 【請求項2】 アクリル変性ポリオレフィン系樹脂水性
    デイスパージョンおよび/またはエチレン−酢酸ビニル
    系共重合体水性デイスパージョンが、a. コアが酢酸
    ビニル含有量10〜75質量%、エチレン含有量5〜3
    0質量%、(メタ)アクリル酸エステル20〜85質量
    %の、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エス
    テル共重合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系
    重合体でコア部が30〜80質量%、シエル部が20〜
    70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスタ
    ーポリマー水性デイスパージョン、b. コアが酢酸ビ
    ニル含有量15〜70質量%、エチレン含有量5〜30
    質量%、バーサチック酸ビニル含有量25〜75質量%
    の、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重
    合体、シエルが(メタ)アクリル酸エステル系重合体で
    コア部が30〜80質量%、シエル部が20〜70質量
    %で樹脂固形分が35〜75質量%であるスターポリマ
    ー水性デイスパージョン、c. コアが酢酸ビニル含有
    量40〜95質量%と残部がエチレンのエチレン−酢酸
    ビニル共重合体でシエルが(メタ)アクリル酸エステル
    系重合体でコアが30〜80質量%、シエル部が20〜
    70質量%で樹脂固形分が35〜75質量%であるスタ
    ーポリマー水性デイスパージョン、のa.〜c.から選
    んだ1または2以上のアクリル変性ポリオレフィン系樹
    脂スターポリマー水性デイスパージョンおよび/または
    エチレン−酢酸ビニル系共重合体スターポリマー水性デ
    イスパージョンである、請求項1に記載された建築工事
    シート用難燃剤。
  3. 【請求項3】 請求項2のスターポリマー水性デイスパ
    ージョンの樹脂固形分80〜20質量%に対し、酢酸ビ
    ニル含有量45〜95質量%、残部がエチレンであるエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体の非スターポリマーを樹脂
    固形分20〜80質量%配合しな水性デイスパージョン
    の固形分100質量部に対して、30〜130質量部の
    ポリ燐酸アンモニウム化合物、50〜150質量部の金
    属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋剤固形分1〜
    10質量部を配合してなる建築工事シート用難燃剤。
  4. 【請求項4】 請求項2のスターポリマー水性デイスパ
    ージョンの樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂固
    形分25〜70質量%のポリウレタン水性デイスパージ
    ョンを樹脂固形分で10〜80質量%配合した水性デイ
    スパージョンの固形分100質量部に対して、30〜1
    30質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、30〜15
    0質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架橋
    剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シート
    用難燃剤。
  5. 【請求項5】 請求項3のスターポリマー水性デイスパ
    ージョンとエチレン−酢酸ビニル系共重合体の非スター
    ポリマーの水性デイスパージョンとの混合系水性デイス
    パージョンの樹脂固形分90〜20質量%に対し、樹脂
    固形分25〜70質量%のポリウレタン水性デイスパー
    ジョンを樹脂固形分で10〜80質量%配合した水性デ
    イスパージョンの固形分100質量部に対して、30〜
    130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合物、50〜1
    50質量部の金属水酸化物、オキサゾリン基含有水系架
    橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる建築工事シー
    ト用難燃剤。
  6. 【請求項6】 エチレン−酢酸ビニル共重合体水性デイ
    スパージョン固形分90〜20質量%に対しポリウレタ
    ン水性デイスパージョン固形分10〜80質量%を配合
    した水性デイスパージョンの固形分100質量部に対し
    て、30〜130質量部のポリ燐酸アンモニウム化合
    物、50〜150質量部の金属水酸化物、オキサゾリン
    基含有水系架橋剤固形分1〜10質量部を配合してなる
    建築工事シート用難燃剤。
  7. 【請求項7】 ポリ燐酸アンモニウム化合物がマイクロ
    カプセルに内包された、請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載された建築工事シート用難燃剤。
  8. 【請求項8】 金属水酸化物が水酸化アルミニウムおよ
    び/または水酸化マグネシウムである、請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃
    剤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    された建築工事シート用難燃剤に、難燃剤の水性デイス
    パージョン樹脂の固形分100質量部に対し有機リン酸
    エステル3〜30質量部配合した、建築工事シート用難
    燃剤。
  10. 【請求項10】 合繊基布または繊度200〜1,50
    0デニール、引張強度4〜10g/デニール、破断伸度
    14〜45%である合成繊維を、密度経35〜60本、
    緯25〜60本で平織したフィラメント糸を使用したタ
    ーポリン基布を、請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載された建築工事シート用難燃剤を用いて含浸被覆し熱
    処理加工した、建築工事用シート。
  11. 【請求項11】 請求項10において、ターポリン基布
    が経1本/6〜30織糸本数、緯1本/6〜30織糸本
    数間隔でリップストップが入った平織した基布である、
    建築工事用シート。
  12. 【請求項12】 合繊基布は紡績糸を使用した帆布生材
    で糸の太さの帆布生材規格号数が2号〜6号で密度が経
    43本〜55本、緯35本〜60本、質量は180〜4
    70g/mの基布である、請求項10に記載された、
    建築工事用シート。
  13. 【請求項13】 合繊基布またはフィラメント糸を使用
    したターポリン基布100質量部に対し、請求項1ない
    し9のいずれか1項に記載された建築工事シート用難燃
    剤固形分60〜500質量部で含浸被覆した、請求項1
    0ないし12のいずれか1項に記載された建築工事用シ
    ート
  14. 【請求項14】 基布をポリウレタン樹脂等で前処理
    し、その後請求項1ないし9のいずれか1項に記載され
    た難燃剤で被覆してなる、建設工事用シート。
  15. 【請求項15】 前処理するポリウレタン樹脂に難燃剤
    を配合した、請求項14に記載された建築工事用シー
    ト。
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