JP2003147677A - 樹脂加工布帛 - Google Patents

樹脂加工布帛

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JP2003147677A
JP2003147677A JP2001340511A JP2001340511A JP2003147677A JP 2003147677 A JP2003147677 A JP 2003147677A JP 2001340511 A JP2001340511 A JP 2001340511A JP 2001340511 A JP2001340511 A JP 2001340511A JP 2003147677 A JP2003147677 A JP 2003147677A
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flame
cloth
fiber
weight
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JP2001340511A
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Masanobu Takeda
昌信 武田
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、防炎性、防水性、耐候性、耐変色性
を兼ね備え、且つ、塩素、臭素元素等のハロゲンを含ま
ない環境汚染の少ない樹脂加工布帛を提供せんとするも
のである。 【解決手段】本発明明の難燃性樹脂加工布帛は、繊維布
帛の少なくとも片面が、下記式で示される燐系化合物を
少なくとも1種類含む熱可塑性樹脂で被覆されているこ
とを特徴とするものである。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターポリンや帆布
などの防水布帛または工事用シートなどの産業資材用途
に用いることのできる防炎・防水性に優れた樹脂加工布
帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維布帛に塩化ビニル系樹脂
をカレンダー法、押し出しラミネート法、あるいはコー
ティング法やディッピング法など種々の方法により被覆
加工した防水布は、産業資材用途においてターポリン、
テント、トラック幌等様々な用途に広く使用されてい
る。
【0003】塩化ビニル系樹脂被覆加工基布が広く使用
されている理由については、塩化ビニル系樹脂の持つ特
性に由来するものであり、ハロゲン元素を含有している
ため難燃化が容易に可能であり、加工性が優れており種
々の加工法が採用でき、また可塑剤で柔軟性を任意に調
整でき、高周波ウェルダー接着加工や熱風溶着加工によ
り容易に縫製できる等の理由が考えられる。
【0004】上記のごとく塩化ビニル系樹脂は多くの長
所を有するが、塩化ビニル樹脂は、塩素元素を含むた
め、使用後の廃棄焼却時にハロゲンを含む有毒なガスや
煙、残査が発生するという重大な欠点を有するものであ
り、また可塑剤の一部が、近年問題視されている環境ホ
ルモン(内分泌攪乱物質)の対象物質に挙がっているこ
とから、トラック幌等に使われた場合、被覆品を通じて
健康に対する悪影響を懸念する声も高まっており、地球
環境的規模からの環境保全と安全性を目的にハロゲン元
素を含まない樹脂組成による製品の開発が切望されてい
る。
【0005】かかる観点から、塩化ビニル樹脂以外の樹
脂として、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂等による商品化の検討が
行われているが、難燃性、縫製性、耐久性が必要とされ
る分野、例えば、テントや防水布等のシート分野におい
ては、塩化ビニル樹脂に比較して満足できる製品が提案
されていないのが実状である。
【0006】かかる用途においては、高度の難燃性が必
要であり、従来の含水金属塩を難燃剤として使用した場
合、難燃規格を達成するためには樹脂重量100重量部
に対して、100部以上の添加が必要であり、樹脂物性
の大幅な低下が避けられないものである。また、難燃剤
添加による樹脂物性への影響もさることながら、基本的
な樹脂特性の違いにより高周波ウェルダーや熱風溶着加
工等の縫製性は塩化ビニル樹脂の性能に比較して大きく
下回っているのが実状である。
【0007】また、近年、上記欠点を改善するために、
難燃剤として燐燐酸エステルを使用したものが検討され
ているが、具体的にはトリクレジルフォスフェート、ト
リキシレニルフォスフェートに代表されるモノフォスフ
ェート、ビスフェノールA(ジクレジルホスフェート)
に代表される縮合燐酸エステルは、総じて耐変色性が悪
く、紫外線により黄変し易い傾向にあり、淡色及び白色
品の屋外用途での使用においては非常に外観を損なうも
のである。
【0008】したがって、現在のところ、防炎性、防水
性、耐候性、耐変色を性兼ね備え、且つ、塩素、臭素元
素等のハロゲンを含まない環境汚染の少ない樹脂加工布
帛は、未だ提案されていないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、防炎性、防水性、耐候性、耐変色性
を兼ね備え、且つ、塩素、臭素元素等のハロゲンを含ま
ない環境汚染の少ない樹脂加工布帛を提供せんとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の難燃性樹脂加工布帛は、繊維布
帛の少なくとも片面が、下記式で示される燐系化合物を
少なくとも1種類含む熱可塑性樹脂で被覆されているこ
とを特徴とするものである。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり防炎
性、防水性、耐光性兼ね備え、且つ、塩素、臭素元素等
のハロゲンを含まない環境汚染の少ない樹脂被覆シート
について鋭意検討したところ、特定の燐系化合物と熱可
塑性樹脂の混合物で、繊維布帛を被覆してみたところ、
かかる課題を一挙の解決できることを究明したものであ
る。
【0014】本発明によれば、特定の燐系化合物と熱可
塑性樹脂の混合物で、繊維布帛を被覆することで、ハロ
ゲン元素を含まない構成で、高度の難燃性と防水性及び
縫製性等の諸物性を満足する上に、紫外線による変色が
非常に小さいという思わぬ効果を達成することができた
ものである。
【0015】本発明でいう難燃剤としては、環境面か
ら、臭素や塩素からなるハロゲン系物質を含まないも
の、つまり、燐系、とりわけ燐エステルを用いるもので
ある。
【0016】かかる燐酸エステルとしては、下記化学式
で示されるモノフォスフェート、並びに縮合燐酸エステ
ルが好ましく用いられる。
【0017】かかるモノフォスフェートとしては、下記
に示す化合物が使用される。
【0018】
【化5】
【0019】また、縮合燐酸エステルとしては、下記に
示す化合物が使用される。
【0020】
【化6】
【0021】また、本発明においては、かかる難燃剤を
1種以上使用することができ、その添加量は、該燐系化
合物が、熱可塑性樹脂100重量部に対して、20重量
部以上、好ましくは30重量部以上、さらに好ましくは
40〜100重量部配合、混合されている樹脂組成物を
使用するものである。
【0022】本発明における該樹脂組成の該繊維布帛へ
の付着量は、樹脂種、難燃剤種、構成等により変わるの
で、一概に決まらないが、該繊維布帛の劣化を防止する
耐候性からの観点と、防水性能及び溶着縫製性を付与す
る観点から目的に応じて任意に設定することができる。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂としては、環境汚染
性を防止または抑制する上から、塩素や臭素などのハロ
ゲン化合物を含まない樹脂が使用される。かかる熱可塑
性樹脂としては、たとえばウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、オレフィン系樹脂などが、加工性、柔軟性等
の点で好ましく使用される。
【0024】かかるウレタン系樹脂としては、例えば有
機ジイソシアネートと直鎖ジオールと鎖伸長剤との反応
で得られるポリウレタンが好ましく使用される。かかる
有機ジイソシアネートとしては、脂環族有機ジイソシア
ネート、脂肪族有機ジイソシアネート、芳香族有機ジイ
ソシアネートなどを使用することができる。また、直鎖
ジオールとしては、ポリエステル系ジオール、ポリエー
テル系ジオール、ポリアミドエステル系ジオール、ポリ
カーボネート系ジオールなどを使用することができる。
また、鎖伸長剤としては、低分子グリコール、低分子ジ
アミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素を2個
以上含有する化合物を使用することができる。
【0025】また、かかるポリウレタンとしては、前記
2種以上のポリウレタンを混合または共重合して使用す
ることもできる。なかでも耐候性、耐加水分解性、柔軟
性、溶着縫製性などの点からポリカーボネート系ポリウ
レタンを主体とするものが好ましく使用される。
【0026】次に、該ポリエステル樹脂としては、2種
類以上の芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族カル
ボン酸、2種類以上のアルキレングリコールからなる共
重合体が好ましく使用され、かかるポリエステル系樹脂
としては、前記2種以上の混合物も使用することができ
る。
【0027】また、該ポリオレフィン系樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレンーアルキル酸アルキルエステル共重
合体、エチレン−メタクリル酸アルキレンエステル共重
合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体などが使用
することができ、かかるオレフィン系樹脂としては、前
記2種以上の混合物も使用することができる。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂は、ペレット状また
は溶剤あるいは水に溶解、分散した形で使用することが
できるが、難燃剤が液状または、低融点物質であるた
め、溶剤あるいは水に溶解または分散したものを使用す
るのが好ましく、中でも耐水性、製膜性、被膜強度など
の点から、溶剤溶解型が好ましく使用される。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂は、着色剤を含有す
るものであり、かかる着色剤は、一般に使用されている
顔料系着色剤が相溶性、耐候性の面で好ましく、さらに
は塩素や臭素からなるハロゲン元素を含有しないものが
好ましく使用される。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂は、紫外線吸収剤、
光安定剤を含有させることができるものであり、かかる
紫外線吸収剤、光安定剤も一般に使用されているものを
使用することができる。かかる紫外線吸収剤としてはベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系およびトリアジ
ン系から選ばれた少なくとも1種以上の紫外線吸収剤の
混合物として使用することができる。その配合量として
は樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜3重量
部添加する。
【0031】該光安定剤としては、ヒンダードアミン
系、ヒンダードフェノール系の化合物を使用することが
でき、その配合量としては樹脂100重量部に対し、好
ましくは0.1〜3重量部添加する。また、必要に応じ
て酸化防止剤、抗菌剤、防黴剤を添加してもかまわな
い。
【0032】本発明の繊維布帛を構成する繊維素材とし
ては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリ
ル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ
ビニルアルコール繊維等の合成繊維、木綿、麻、羊毛等
の天然繊維を単独あるいは2種以上の混合したものを使
用することができ、もちろん、本発明においては、かか
る布帛もハロゲ化合物を含有しない繊維素材で構成され
たものが好ましく使用される。
【0033】また、該繊維布帛の組織としては、織物、
編物および不織布から選ばれた少なくとも1種を使用す
ることができるが、これらの中でも、強力、寸法安定性
等の点から、ポリエステル繊維を素材とする織物が好ま
しく使用される。また、かかるポリエステル繊維として
は、長繊維、短繊維あるいはこれらを混合したものを使
用することができる。
【0034】かかるポリエステル繊維としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあ
るいはこれらに第三成分、たとえばイソフタル酸、イソ
フタル酸スルホネート、アジピン酸、ポリエチレングリ
コールなどを共重合またはブレンドして得られるポリエ
ステルからなる繊維であり、あらかじめ難燃化された繊
維であっても良い。
【0035】該ポリエステル繊維としては、ポリマー固
有粘度が好ましくは0.65以上、さらに好ましくは
0.8〜1.0であるポリエステルからなるものがよ
い。さらに、繊維自身の密度が好ましくは1.38g/cm
3 以上で、引張強力が好ましくは6g/dtex 以上、さら
に好ましくは7〜9g/dtex 以上の高強度繊維が好まし
い。
【0036】かかるポリエステル繊維として、予め難燃
化された繊維を使用することもできる。かかる難燃ポリ
エステル繊維の場合は、難燃性化合物をポリエステルの
重合時に共重合する方法、または、重合時あるいは製糸
時に、難燃性化合物をブレンドした難燃原糸、または、
ポリエステル繊維を形成した後に、難燃性化合物を後加
工して付着する方法のいずれの方法を採用して製造する
ことができるが、なかでも難燃性化合物をポリエステル
の重合時に共重合したポリエステル繊維が難燃性能の安
定性の面から好ましい。
【0037】かかる難燃ポリエステル繊維としては、2
官能性リン化合物が共重合されてなるもので、繰り返し
単位の少なくとも85モル%がポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,
6ナフタレートなどのポリエステルであり、その繰り返
し単位の中に、リン元素に換算して、好ましくは0.1
〜1重量%の範囲に2官能性リン化合物が共重合されて
いるポリマーからなる繊維である。なお、上述の難燃ポ
リエステルには難燃性を阻害しない範囲で共重合成分が
含有されていてもよい。かかる難燃ポリエステル繊維の
ポリマーの固有粘度は、好ましくは0.65以上、さら
に好ましくは0.8以上である。さらに好ましくは該難
燃性繊維自身の密度が1.38g/cm3 以上である難燃
ポリエステル繊維を使用するのがよい。
【0038】上述の2官能性リン化合物としては、次の
式(7)で示されるホスホネート、式(8)で示される
ホスフィネートあるいは式(9)で示されるホスフィン
オキシドが好ましく使用される。
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】式(7)で示されるリン化合物としては、
フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジフ
ェニル等が好ましく使用される。
【0043】式(8)で示されるリン化合物としては、
(2−カルボキシルエチル)メチルホスフィン酸、(2
−メトキシカルボニルエチル)メチルホスフィン酸メチ
ル、(2−カルボキシルエチル)フェニルホスフィン
酸、(2−メトキシカルボニルエチル)フェニルホスフ
ィン酸メチル、(4−メトキシカルボニルフェニル)フ
ェニルホスフィン酸メチル、[2−(β−ヒドロキシエ
トキシカルボニル)エチル]メチルホスフィン酸のエチ
レングリコールエステル等が好ましく使用される。 式
(9)のリン化合物としては、(1,2−ジカルボキシ
ルエチル)ジメチルホスフィンオキシド、(2,3−ジ
カルボキシプロピル)ジメチルホスフィンオキシド、
(1,2−ジメトキシカルボニルエチル)ジメチルホス
フィンオキシド、(2.3−ジメトキシカルボニルエチ
ル)ジメチルホスフィンオキシド、[1,2ジ(β−ヒ
ドロキシエトキシカルボニル)エチル]ジメチルホスフ
ィンオキシド、[2,3ジ(β−ヒドロキシエトキシカ
ルボニル)エチル]ジメチルホスフィンオキシド等が好
ましく使用される。
【0044】これらの化合物の中でも、特に式(3)の
化合物が、ポリエステルとの共重合反応性がよいこと、
および重合反応時の飛散が少ないことなどから好ましく
使用される。
【0045】上述のリン化合物は、ポリエステルポリマ
ー中に、リン元素に換算して好ましくは0.2〜1.5
重量%、特に好ましくは0.4〜1.3重量%含有され
たものがよい。すなわち、0.2重量%未満の場合は、
得られる繊維布帛の難燃性が低下してくるので好ましく
ない。一方、リン元素量が1.5重量%を超えると原糸
の物理的特性、とくに強度低下、収縮特性の増大および
製造コストが高くなるなどの欠点が出現してくる。
【0046】また、該繊維布帛は、シートの切断面から
のシート内部への水進入によるカビ等の発生、及び樹脂
被覆浸透による引き裂き強力低下を防止するため、撥水
処理を施すことが好ましい。該撥水処理に用いる撥水剤
としては、フッ素系、シリコン系、ワックス系のものが
例示され特に限定されるものではないが、難燃性及び接
着性の観点から、ワックス系を好ましく用いることがで
きる。
【0047】該撥水処理剤の繊維布帛への付与方法は、
浸漬法、スプレー法、ロータリータッチ法等いずれの方
法を採用しても良い。
【0048】また、記撥水処理以外にも難燃性を阻害し
ない範囲で接着剤処理、制電剤処理、耐候剤、抗菌剤、
防カビ剤等を下処理として施すことができる。
【0049】本発明の難燃性繊維構造物は、防汚性,耐
擦過性の向上をはかるため、シートの表面トップコー
ト、エンボス加工などの表面処理を行うことができる。
トップコートに用いる樹脂としてはハロゲン元素を含ま
ないものであれれば特に限定されないが、防汚性、耐擦
過性の観点から、被覆樹脂に用いられている熱可塑性樹
脂よりもモジュラスの高い樹脂が好ましく、中でも接着
性、縫製性の面から被覆樹脂に用いられている熱可塑性
樹脂と同一系の樹脂が好ましい。また、該樹脂中には接
着性、縫製性を阻害しない範囲で酸化珪素、炭酸カルシ
ウム、シリコン、セルロースなどの添加剤を含有せしめ
ることができる。
【0050】本発明における樹脂加工布帛は、かかる繊
維布帛にかかる熱可塑性樹脂組成物を少なくとも片面に
被覆せしめたものであり、本発明の樹脂被覆加工方法は
特に制限されるものではなく公知の方法を採用すること
ができるが、難燃剤が液状または、低融点物質であるた
め、加工性から溶液状の樹脂をコーティング法、または
ディッピング法などで塗工し乾燥、固化させる方法が好
ましい。かかるコーティング加工法としては一般に用い
る加工法を採用することができ、ナイフコーティング、
キスコーティング、コンマコーティング、グラビアコー
ティング等公知の加工方法により、該樹脂液を塗布し、
100〜160℃の温度範囲で乾燥させる方法が好まし
い。
【0051】
【実施例】次に実施例により、さらに詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】なお、実施例中における各種評価は、下記
の方法で測定した。 (難燃性A)JIS L 1091 A−1法で炭化面
積、残炎時間、残塵時間、D法で接炎回数を測定した。
【0053】合格を○、不合格を×で表示した。
【0054】なお、難燃性の測定は、加工布を50℃の
お湯に30分間浸漬し、50℃×24時間乾燥したもの
について実施した。 (難燃性B)JIS A 1322に規定される方法で
残炎時間、残塵時間、炭化長を測定した。
【0055】防炎2級以上を○、2級に満たないものを
×で表示した。
【0056】なお、難燃性の測定は、加工布を50℃の
お湯に30分間浸漬し、乾燥するB法の前処理を施した
ものについて実施した。 (防水性)JIS L 1092(A法 a)に基づき
測定した。 (耐候変色性)メタルウェザー耐候性試験器(ダイプラ
ウインテス(株)製)を用いて、下記条件により促進暴
露試験を実施し、試験前と試験後の表面をデジタル測色
色差計(スガ試験機株式会社製)でb値を測定し次の計
算式により着色の程度を求めた。
【0057】変色度(Δb)=B−A ここでAは試験後のb値、Bは試験前のb値であり変色
度の数値が小さい程、変色がひどいことを表す。
【0058】 照射サイクル 定温照射処理→降雨→定温高湿処理 定温照射処理(8時間) 照度:80mW/m2 (295〜780nm) 温度:63℃ 湿度:50% 降雨(10秒) 定温高湿処理(4時間) 温度:30℃ 湿度:98% 照射時間 192時間(16サイクル) (接着力)高周波ウェルダー溶着機(山本ビニター株式
会社製YF−7000A型)を使用し、2cm幅×65
cm長さの金型を105℃に加温し、出力7KW、電流値
1.5A、圧空圧4kg/cm2 、溶着時間6秒、冷却
時間2秒で溶着した後、JIS K−6328(5.
3.7)の剥離試験法に基づき接着力(kg/2cm
幅)を測定した。 (耐クリープ性)接着力測定と同一条件で溶着し、サン
プルを作成した。
【0059】温度:60℃ 加重:13kg/3cm 時間:24時間 判定:(問題なし)○、(破断したもの)×で表示 (耐候性)メタルウェザー耐候性試験器(ダイプラウイ
ンテス(株)製)を用いて、下記条件により促進暴露試
験を実施した。
【0060】 照射サイクル 定温照射処理−降雨−定温高湿処理 定温照射処理(8時間) 照度:80mW/m2(295〜780nm) 温度:63℃ 湿度:50% 降雨(10秒) 定温高湿処理(4時間) 温度:30℃ 湿度:98% 照射時間 192時間(16サイクル) かかる曝露前後のシートをJIS L 1096(6.
12.1 A法)に基づき、引張り強力を測定し、次の
計算式により強力保持率を求めた。
【0061】強力保持率(%)=A/B×100 ここで、Aは曝露後の引張り強力、Bは曝露前の引張り
強力を表す。
【0062】実施例1〜5、比較例1〜4 ポリエステルスパン糸の20番双糸(東レ株式会社製)
を経糸、10番単糸を緯糸に使用して経糸/緯糸密度が
54/48本/インチの平織物を製織し(重量220g
/m2 )、該布帛を用いて下記に示すコーティング剤を
表面にコーティングした後、裏面にコーティングし、性
能を評価した結果を表1に示す。
【0063】(樹脂) 樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン水分散液(固
形分35%) 樹脂B:エチレン−ビニルアセテート水分散液(固形分
40%) 顔料 :固形分40%白色顔料 (難燃剤)難燃剤は、下記に示す化合物を乳化分散し水
分散液を試作(固形分40%) 難燃剤a:下記の化合物を用いた。
【0064】
【化10】
【0065】難燃剤b:下記の化合物を用いた。
【0066】
【化11】
【0067】難燃剤c:下記の化合物を用いた。
【0068】
【化12】
【0069】難燃剤d:下記の化合物を用いた。
【0070】
【化13】
【0071】難燃剤e:下記の化合物を用いた。
【0072】
【化14】
【0073】難燃剤f:下記の化合物を用いた。
【0074】
【化15】
【0075】(加工条件)樹脂AまたはBに難燃剤乳化
物を樹脂固形分100重量部に対し、50重量部添加
し、さらに白色顔料を同様に20重量部添加し、処理液
とした。該処理液を固形分付着量で150g/m2 にな
る様にコンマコーターでコーティングし、 120℃で
乾燥した。
【0076】実施例6〜8 、比較例5〜7 ポリエステルスパン糸の20番双糸(東レ株式会社製)
を経糸、10番単糸を緯糸に使用して経糸/緯糸密度が
54/48本/インチの平織物を製織し(重量220g
/m2 )、該織物をワックス系撥水剤(ダイガードD−
23D 大京化学(株)製 固形分40%)の処理液に
パッド(絞り率80%)し、120℃で2分乾燥させて
処理布帛を得た。該処理布帛を用いて下記に示すコーテ
ィング剤を表面にコーティングした後、裏面にコーティ
ングし、性能を評価した結果を表1に示す。 (樹脂) 樹脂C:ポリカーボネート系ポリウレタン溶解液(DM
F溶媒固形分35%) 顔料 :固形分40%白色顔料 (難燃剤) 難燃剤a:下記の化合物を用いた。
【0077】
【化16】
【0078】難燃剤b:下記の化合物を用いた。
【0079】
【化17】
【0080】難燃剤c:下記の化合物を用いた。
【0081】
【化18】
【0082】難燃剤d:下記の化合物を用いた。
【0083】
【化19】
【0084】難燃剤e:下記の化合物を用いた。
【0085】
【化20】
【0086】難燃剤f:下記の化合物を用いた。
【0087】
【化21】
【0088】(加工条件)樹脂Cに難燃剤を樹脂固形分
100重量部に対し、50重量添加し、さらに白色顔料
を同様に20重量部添加し処理液とした。該処理液を固
形分付着量で150g/m2 になる様にコンマコーター
でコーティングし、160℃で乾燥した。
【0089】比較例8 樹脂Cを用い、難燃剤の添加を行わないものとした。
【0090】比較例9 前記のポリエステルスパン糸からなる繊維布帛を、塩化
ビニル樹脂、ジオクチルフタレート可塑剤、酸化チタ
ン、熱安定剤、三酸化アンチモン難燃剤、トリクレジル
ホスフェート難燃可塑剤、紫外線吸収剤、ミネラルター
ペンからなる樹脂液に布帛を浸漬しマングルで絞り18
0℃で熱処理し樹脂付着量320g/m2の樹脂加工布
帛を得た。
【0091】
【表1】
【0092】表1の結果より、従来一般的な難燃剤を使
用した比較例6〜8に比べ、実施例8、10、11は同
等の物性であり且つ、紫外線変色性に優れたおり、さら
に現行の塩化ビニル系樹脂で被覆した比較例10と比べ
ても同等の物性で、且つ耐変色性に優れていおり、屋外
用途に使用するにあたって優れた耐久性を有するといえ
る。
【0093】さらに、比較例10は塩化ビニル系樹脂を
使用しているため、廃棄においては有害なガス、煙、残
差を生じるものである。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、防水布、テント、テン
ト倉庫、トラック幌、トラックシート、コンテナ、養生
シート、仕切膜、カーテンとして極めて有用な樹脂加工
布帛を安定して提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛の少なくとも片面が、下記式で
    示される燐系化合物を少なくとも1種類含む熱可塑性樹
    脂で被覆されていることを特徴とする難燃性樹脂加工布
    帛。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 該燐系化合物が、該熱可塑性樹脂100
    重量部に対して、20重量部以上配合されているもので
    ある請求項1記載の樹脂加工布帛。
  3. 【請求項3】 該樹脂加工布帛が、防水布、テント、テ
    ント倉庫、トラック幌、トラックシート、コンテナ、養
    生シート、仕切膜およびカーテンのいずれかに用いられ
    るものである請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂加工
    布帛。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005023499A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Teijin Techno Products Ltd 耐光性に優れたポリエステル繊維
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WO2008030792A3 (en) * 2006-09-08 2009-07-09 Albemarle Corp Flame retarded textile products and a method of making the same
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