JP2006161193A - 防汚膜材 - Google Patents

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義哉 本母
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昌信 武田
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Abstract

【課題】
本発明は、防炎性、防水性、防汚性、耐久性および縫製性を兼ね備え、かつ、塩素や臭素元素等のハロゲンを含まない環境汚染の少ない防汚膜材を提供する。
【解決手段】
繊維布帛の少なくとも片面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂とハロゲン非含有の難燃剤を含む被覆層が積層されており、その被覆層の表面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂と親水性のシリカを含み、シリカの含有割合がハロゲン非含有の熱可塑性樹脂の重量に対して50〜100質量%である防汚層が設置されており、かつ、一定以上の防炎性と縫製部における接着強力を有している防汚膜材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軽量、柔軟で防炎性・防水性、耐久性および防汚性に優れ、かつ、環境汚染性の少ない防汚膜材に関するものである。
従来から、繊維布帛に、塩化ビニル系樹脂をカレンダー法、押し出しラミネート法、あるいはコーティング法やディッピング法など種々の方法により被覆加工した防水布は、産業資材用途において、ターポリン、テントおよびトラック幌等様々な用途に広く使用されている。
塩化ビニル系樹脂被覆加工布が広く使用されている理由は、塩化ビニル系樹脂の持つ特性に由来するものであり、その理由として、ハロゲン元素を含有しているため難燃化が容易であること、加工性が優れており種々の加工法が採用できること、また、可塑剤で柔軟性を任意に調整することができ、高周波ウェルダー接着加工や熱風溶着加工により容易に縫製できること等の理由が挙げられる。
上記のごとく塩化ビニル系樹脂は、多くの長所を有する反面、塩素元素を含むため、使用後の廃棄焼却時にハロゲンを含む有毒なガスや煙、および残査が発生するという重大な欠点を有する。また、塩化ビニル系樹脂には、可塑剤の一部が、近年問題視されている環境ホルモン(内分泌攪乱物質)の対象物質に挙がっていることから、塩化ビニル系樹脂被覆加工布がトラック幌等に使われた場合、被覆品を通じて健康に対する悪影響を懸念する声も高まっており、地球環境的規模からの環境保全と安全性を目的にハロゲン元素を含まない樹脂組成による製品の開発が切望されている。
かかる観点から、塩化ビニル樹脂以外の樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリウレタン系樹脂等による商品化の検討が行われているが、塩化ビニル樹脂のように難燃性、縫製性および耐久性が必要とされる分野、例えば、テントや防水布等のシート分野においては、満足できる製品が提案されていないのが実状である。
かかる用途においては、消防法施行規則第4条3記載の防炎試験方法で残炎時間5秒以下、残塵時間20秒以下、炭化面積40cm以下であり、かつ、JIS A 1322に規定される防炎試験方法で残炎時間5秒以下、残塵時間1分以下、炭化長10cm以下である高度の難燃性が必要であり、従来の含水金属塩を難燃剤として使用した場合、該難燃規格を達成するためには樹脂重量100重量部に対して、100部以上の難燃剤の添加が必要であり、それによって樹脂物性の大幅な低下を伴い、防汚性、耐候性および耐久性の低下が避けられない。また、塩化ビニル樹脂以外の樹脂においては、難燃剤の添加による樹脂物性への影響もさることながら、基本的な樹脂特性の違いにより、高周波ウェルダーや熱風溶着加工等の縫製性は、塩化ビニル樹脂の性能を大きく下回っている。
また近年、上記欠点を改善するために、含水金属塩の代わりに、難燃剤として燐系化合物、特に燐酸エステル系化合物を使用したものが検討されている、この燐酸エステル系化合物は常温で液状物が主流であり、かつ添加量も低減できるため、樹脂に混合した場合、樹脂物性に対する影響は比較的少ないものの、液状であるが故に表面ブリードが起こりやすく、そして、ブリードにより樹脂表面に粘着が発生し汚れが付着し易くなり、かかる樹脂加工布を屋外で使用した場合、非常に汚れやすい欠点を有する。また、樹脂に難燃剤を添加する状況は変わらないため、耐候性と耐久性の低下は避けられない。また、燐酸エステル系化合物には、常温で固体のものも存在するが、その多くは150℃以下の低融点物であり、樹脂成形時に溶融し液状になるため、同様な欠点を有する。
また、防汚性については、酸化チタン等の光触媒を用いられたもの(特許文献1参照)や、無機物による表面親水加工などがあるが、無機物を使用することにより、建築物として膜材などに使用するときに必要な防炎性を満足することが困難であり、防炎性を満足しようとして、使用量を少なくすると防汚性が悪化し、難燃性と防汚性を両立できないという問題があった。また、膜材として必要な、縫製性については、今日生産性や意匠性などから一般的である、高周波ウェルダーや熱風溶着加工ができることが必要であるが、酸化チタンなど無機物の膜を表面に形成すると縫製が出来ないという問題もある。また、防汚層を設けず樹脂や難燃剤などの変更により防汚性を改善したもの(特許文献2参照)も提案されているが、初期の防汚性能は、改善され良好な結果が出いてるが、長期(360日以上)の防汚性能を見ると、表面の凹凸や、樹脂のブリード、樹脂の親油性などにより悪化するという問題もある。
したがって、現在のところ、防炎性、防水性、防汚性、耐久性および縫製性を兼ね備え、かつ、塩素や臭素元素等のハロゲンを含まない環境汚染の少ない防汚膜材は、未だ提案されていないのが実状である。
特開2003−266612号公報 特開2003−147685号公報
そこで本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、地球環境的規模からの環境保全と安全性、防汚性、防炎性、耐久性および縫製性を両立することのできる防汚膜材を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の防汚膜材は、繊維布帛からなる基布の少なくとも片面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂とハロゲン非含有の難燃剤を含む被覆層が積層されており、該被覆層の表面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂と親水性のシリカを含み、そのシリカの含有割合がハロゲン非含有樹脂の重量に対して50〜120重量%である防汚層が設置されており、かつ、下記の(1)〜(3)のすべての要件を満足していることを特徴とする防汚膜材。
(1)防炎性が、JIS A 1322(1996年)に基づいて測定したとき、防炎2級に合格するものであること。
(2)防炎性が、JIS L 1091(1999年)に基づいて測定したとき、合格するものである。
(3)縫製部の接着強力が、JIS K 6404−5(1999年)に基づいて測定したとき、9.8N/2cm以上であること。
本発明の防汚膜材の好ましい態様によれば、上記の被覆層において、難燃剤の含有量はハロゲン非含有の熱可塑性樹脂の重量に対して20重量%〜120重量%である。
また、本発明の防汚膜材の好ましい態様によれば、上記のハロゲン非含有の熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、そして、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂が、着色剤、耐候剤および光安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでいる。
また、本発明の防汚膜材の好ましい態様によれば、上記の防汚層が、さらに耐候剤および光安定剤を含み、そして、防汚層の塗工量が8〜35g/mであり、さらに防汚層は、JIS K 6404−5(1999年)に規定されるスコットもみ試験で荷重1kgで1000回後に亀裂や剥離が生じない防汚層である。
また、本発明の防汚膜材の好ましい態様によれば、上記の繊維布帛は、予め撥水剤処理、または予めハロゲン非含有の難燃剤で処理されている布帛である。
本発明の防汚膜材は、防水布、テント、テント倉庫用帆布、トラック幌、トラックシート、コンテナ、養生シート、仕切膜またはカーテン建築用膜材、建築工事用シートあるいは建築工事用ネットのいずれかの用途に好適に用いられる。
本発明によれば、防汚性、防炎性および縫製性を両立し、ハロゲン元素を含まない膜材を使用することで、地球環境的規模からの環境保全と安全性、防汚性から美観を保つことが出来、防炎性から安全性に優れた防汚膜材が得られる。
本発明者らは、前記課題、すなわち地球環境的規模からの環境保全と安全性、防汚性、防炎性および縫製性に優れた防汚膜材について鋭意検討し、難燃剤を含みハロゲン元素を含まない被覆層の表面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂と親水性のシリカを含む防汚層を設置し、そのシリカの割合をハロゲン非含有の熱可塑性樹脂の重量に対して50〜120重量%にしてみたところ、意外にもかかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の防汚膜材には、難燃剤が含まれている。本発明によれば、ハロゲン元素を含まない難燃剤とハロゲン非含有の熱可塑性樹脂の混合物で、繊維布帛を被覆するとともに、その表面にハロゲン非含有の熱可塑性樹脂と親水性のシリカを含む防汚層を設置することにより、ハロゲン元素を含まない構成で、高度の難燃性と防水性および縫製性等の諸物性を満足する上に、紫外線による変色が非常に小さいという思わぬ効果を達成することができたものである。
本発明で好適に用いられる難燃剤としては、環境面から、臭素や塩素からなるハロゲン系物質を含まない難燃剤、例えば、燐系の難燃剤、とりわけ燐酸エステルが好ましく用いられる。
かかる燐酸エステルとしては、下記の一般式(1)で示されるモノフォスフェート、
Figure 2006161193
または、下記の一般式(2)で示される縮合燐酸エステルが好ましく用いられる。
Figure 2006161193
また、本発明においては、かかるハロゲン非含有の難燃剤を1種以上使用することができ、かかる難燃剤が、ハロゲン非含有樹脂100重量部に対して、20重量部から120重量部以上、好ましくは30重量部以上、さらに好ましくは40〜100重量部配合、混合されている樹脂組成物を使用することが好ましい。
上記のリン化合物は、ポリエステルポリマー中に、リン元素に換算して好ましくは0.2〜1.5重量%、特に好ましくは0.4〜1.3重量%含有されたものがよい。すなわち、リン元素量が0.2重量%未満の場合は、得られる繊維布帛の難燃性が低下してくるので好ましくない。一方、リン元素量が1.5重量%を超えると原糸の物理的特性、特に強度低下、収縮特性の増大および製造コストが高くなるなどの欠点が出現してくることがある。
本発明において、防汚層にはできるだけ難燃剤が含まれていないことが好ましい。防汚膜材表面の防汚層に難燃剤が含まれると、難燃剤がほぼ油成分として作用し、外気中の油成分やカーボン成分が雨などに混じり表面の防汚層の難燃剤と結びつき汚れが発生することがあるからである。防汚膜材表面の防汚層に難燃剤が含まれないと一般的に防炎性を発現することは難しくなるが、下層の被覆層の熱可塑性樹脂中の難燃剤の量と、防汚層のシリカの添加量および塗工量などのバランスを調整することにより、防汚膜材表面の親水性を発現することで防汚性能を出し、防炎性能を両立することができる。
本発明の防汚膜材は、防炎性が、JIS A 1322(1996年)に基づいて測定したとき、防炎2級に合格し、かつJIS L 1091(1999年)に基づいて測定したとき、合格することが必要である。
防炎性は、テントや帆布、建築用膜材、あるいは建築工事用シートなどとして使用するときに必要な規格として規定されているものであり、安全性を確保するためにも、上記規格に合格することが必須となる。
また、熱融着縫製が可能であることが必要である。この種の用途において、膜材としては、一枚物として使用されることはほとんどなく、任意の大きさ、形に使用するとき縫製が必要となる。縫製方法については、今日生産性や意匠性などから一般的である、高周波ウェルダーや熱風溶着加工ができることが必要である。その縫製部の接着強力は、JIS K 6404−5(1999年)に基づいて測定したとき、9.8N/2cm以上必要である。膜材は、構造物として設置されると、設置時の張力、風や雨などによる外部から掛かる張力がかかるため、その縫製部の接着強力は、最低その張力以上必要となり、一般的にその実績から、JIS K 6404−5(1999年)に基づいて測定したとき、9.8N/2cm以上以上の接着強力が必要となる。縫製部の接着強力は、より好ましくは19.6N/2cm以上である。かかる接着強力は、接着剤の量を調整したり、基布である繊維布帛と樹脂との接着強力を高くしたり、または接着面同士の熱可塑性樹脂の融点が近い組み合わせを選択し、高周波ウェルダーで溶融できるようにすることにより得ることができる。
防汚層については、バインダーとしてハロゲン非含有の熱可塑性樹脂と防汚性を出すために親水性のシリカが含まれていることが重要である。シリカによる防汚性は、表面を親水性にすることにより、雨などの水分で、膜材表面についている汚れを流れ落とす方法であり、上記理由より、親水性が重要であり、シリカとしては疎水処理をしていない親水性のシリカを使用することが好ましい。ここで親水性は、水と混じりやすい、または水に溶けやすい性質のことである。本発明では、DBA値が300(meq/kg)以上のものを親水性シリカとする。DBA値とは、シリカがジ−n−ブチルアミンを吸着する量で、シリカ表面の0H基(水酸基)と結合するものであり、親水性、すなわちOH基が多いとこの値も多くなる。
防汚層は、防汚膜材の表面に設置することが必須である。汚れが着く面を表として設置し、親水性のシリカを用いることで、長期にわたる親水性を保持し防汚性能を発現できるからである。親水性のない防汚層を設置すると、表面形状やバインダー樹脂や添加剤(難燃剤など)の種類を変えて初期の防汚性能を確保できても、経時変化により長期の防汚性能を保持することは困難である。
親水性のシリカの添加量については、バインダーのハロゲン非含有樹脂の重量に対して、50〜120重量%であることが必要である。シリカの添加量が、50重量%より少ないと防汚層表面に存在するシリカの量が少なくなり、防汚性を発現させるための親水性を得ることができない。また、シリカが120重量%より多くなると、シリカがバインダー樹脂の量より多くなり、バインダー樹脂がシリカを固定しにくくなり、シリカの脱落・剥離が発生し、経時変化とともに表面シリカ量が減少して親水性能・防汚性能が悪化する。また、シリカ量が多すぎると、無機物(シリカ)の層が防汚膜材の表面に形成されるため、熱によりバインダー樹脂が融着しにくくなり、熱融着縫製が困難になる。同様にシリカが120重量%より多いと、無機物層の形成により防炎性を阻害することになる。これは、シリカ膜の燃焼体系とバインダーのハロゲン非含有の熱可塑性樹脂の燃焼体系との違いによるものであり、防炎規格を合格することができなくなる。
従って、防汚性能を得るための表面親水性を発現し、熱融着縫製や防炎規格を合格するために、シリカの添加量を50〜120重量%にしなければならない。シリカの添加量は、好ましくは70〜100重量%である。
また、本発明に使用するシリカの平均粒径(レーザー法)は、2.5μ〜10μmであることが好ましい。粒径が2.5μmより更に細かいと表面にシリカが出現しにくくなり、親水性能・防汚性能が得られ難い。また、粒径が10μmより大きいと、クラックが発生し、剥離・脱落しやすくなり表面シリカ量少なくなって親水性・防汚性能が得られ難い。このため、シリカの平均粒径も防汚性能より重要である。
防汚層の熱可塑性樹脂の付着量は、20g/m〜150g/mであることが好ましい。熱可塑性樹脂の付着量が20g/mより少ないと、シリカの保持ができなくなり、シリカ含有量を多くした場合、シリカの脱落が発生し、防汚性能が悪化するからである。また、熱可塑性樹脂の付着量が150g/mより多くなると、防汚膜材全体にしめるシリカの量が多くなり、防炎性が悪化するからである。
本発明における防汚膜材は、ハロゲン元素を含まないことが、地球環境的規模からの環境保全と安全性から必要である。ハロゲン元素を含む製品を産業廃棄物として焼却すると一般的な焼却炉では燃焼温度が低いため、ダイオキシン類を含む物質が発生する可能性があり、このダイオキシン類は、人体に悪影響を与える可能性もあり、環境問題になっている。焼却時の温度を上げることによりダイオキシン類を発生させない方法もあるが、ハロゲン元素を含まないことが、防止するのに一番確実であり安全であるため、ハロゲン元素を含まないことが重要である。
本発明で基布として用いられる繊維布帛を構成する繊維素材としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維等の合成繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維を単独あるいは2種以上の混合したものを使用することができ、もちろん、本発明においては、かかる繊維布帛もハロゲ化合物を含有しない繊維素材で構成されたものが使用される。
また、該繊維布帛の組織としては、織物、編物および不織布から選ばれた少なくとも1種を使用することができるが、これらの中でも、強力と寸法安定性等の点から、ポリエステル繊維を素材とする織物が好ましく使用される。また、かかるポリエステル繊維としては、長繊維、短繊維あるいはこれらを混合したものを使用することができる。
かかるポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはこれらに第三成分、たとえばイソフタル酸、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸、およびポリエチレングリコールなどを共重合またはブレンドして得られるポリエステルからなる繊維等が挙げられ、あらかじめ難燃化されたポリエステル繊維であっても良い。
また、ポリエステル繊維のポリマー固有粘度は、好ましくは0.65以上であり、さらに好ましくは0.8〜1.0であるポリエステルからなるものがよい。さらに、繊維自身の密度は好ましくは1.38g/cm以上であり、引張強力が好ましくは6g/dtex以上であり、さらに好ましくは7〜9g/dtex以上の高強度繊維が好ましい。
ポリエステル繊維として、予め難燃化された繊維を使用することもできる。難燃ポリエステル繊維の場合は、難燃性化合物をポリエステルの重合時に共重合する方法、または、重合時あるいは製糸時に、難燃性化合物をブレンドした難燃原糸、または、ポリエステル繊維を形成した後に、難燃性化合物を後加工して付着する方法のいずれの方法を採用して製造することができるが、なかでも、難燃性能の安定性の面から、難燃性化合物をポリエステルの重合時に共重合したポリエステル繊維が好ましい。
難燃ポリエステル繊維は、2官能性リン化合物が共重合されてなるもので、繰り返し単位の少なくとも85モル%がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエステルであり、その繰り返し単位の中に、リン元素に換算して、好ましくは0.1〜1重量%の範囲に2官能性リン化合物が共重合されているポリマーからなる繊維が好ましく用いられる。なお、上述の難燃ポリエステルには難燃性を阻害しない範囲で共重合成分が含有されていてもよい。
難燃ポリエステル繊維のポリマーの固有粘度は、好ましくは0.65以上であり、さらに好ましくは0.8以上である。さらに好ましくは難燃性繊維自身の密度が1.38g/cm以上である難燃ポリエステル繊維を使用することが好ましい。
上述の2官能性リン化合物としては、フェニルホスホン酸ジメチルとフェニルホスホン酸ジフェニル等や(2−カルボキシルエチル)メチルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)メチルホスフィン酸メチル、(2−カルボキシルエチル)フェニルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)フェニルホスフィン酸メチル、(4−メトキシカルボニルフェニル)フェニルホスフィン酸メチル、および[2−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチル]メチルホスフィン酸のエチレングリコールエステル、(1,2−ジカルボキシルエチル)ジメチルホスフィンオキシド、(2,3−ジカルボキシプロピル)ジメチルホスフィンオキシド、(1,2−ジメトキシカルボニルエチル)ジメチルホスフィンオキシド、(2.3−ジメトキシカルボニルエチル)ジメチルホスフィンオキシド、[1,2ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチル]ジメチルホスフィンオキシド、および[2,3ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチル]ジメチルホスフィンオキシド等が好ましく使用される。
本発明において、被覆層と防汚層で用いられるハロゲン非含有の熱可塑性樹脂としては、環境汚染性を防止または抑制する上から、塩素や臭素などのハロゲン化合物を含まない熱可塑性樹脂が使用される。ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂などが、加工性や柔軟性等の点で好ましく使用される。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、有機ジイソシアネートと直鎖ジオールと鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタンが好ましく使用される。有機ジイソシアネートとしては、脂環族有機ジイソシアネート、脂肪族有機ジイソシアネート、芳香族有機ジイソシアネートなどを使用することができる。また、直鎖ジオールとしては、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、ポリアミドエステル系ジオール、およびポリカーボネート系ジオールなどを使用することができる。また、鎖伸長剤としては、低分子グリコール、低分子ジアミン、および低分子アミノアルコールなどの活性水素を2個以上含有する化合物を使用することができる。
また、ポリウレタンとしては、前記2種以上のポリウレタンを混合または共重合して使用することもできる。なかでも耐候性、耐加水分解性、柔軟性および溶着縫製性などの点からポリカーボネート系ポリウレタンを主体とするものが好ましく使用される。
本発明で用いられるハロゲン非含有の熱可塑性樹脂は、ペレット状または溶剤あるいは水に溶解、分散した形で使用することができるが、難燃剤が液状または、低融点物質であるため、溶剤あるいは水に溶解または分散したものを使用することが好ましく、中でも耐水性、製膜性および被膜強度などの点から、溶剤溶解型が好ましく使用される。
本発明における熱可塑性樹脂組成物の繊維布帛への付着量は、樹脂の種類、難燃剤の種類および構成等により変わるので、一概に決まらないが、繊維布帛の劣化を防止する耐候性からの観点と、防水性能及び溶着縫製性を付与する観点から目的に応じて任意に設定することができる。
本発明で用いられるハロゲン非含有の熱可塑性樹脂は、着色剤を含有することが好ましい。着色剤は、一般に使用されている顔料系着色剤が相溶性、耐候性の面で好ましく、さらには塩素や臭素からなるハロゲン元素を含有しないものを使用する。
本発明で用いられるハロゲン非含有の熱可塑性樹脂は、紫外線吸収剤と光安定剤を含有させることができるものであり、かかる紫外線吸収剤と光安定剤も一般に使用されているものを使用することができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系およびトリアジン系から選ばれた少なくとも1種以上の紫外線吸収剤の混合物として使用することができる。その配合量としては、樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜3重量部添加する。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の化合物を使用することができ、その配合量としては樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜3重量部添加する。また、必要に応じて酸化防止剤、抗菌剤および防黴剤を添加してもかまわない。
同様に本発明においては、防汚層にも紫外線吸収剤と光安定剤を含有させることができ、特に紫外線吸収剤が含まれていることが好ましい。防汚層は、防汚膜材の最外層に設置されるため、紫外線の影響を強く受け、バインダー樹脂のハロゲン非含有樹脂が、劣化する可能性が高い。バインダー樹脂が劣化すると、シリカが脱落し親水性能・防汚性能が劣化する。バインダー樹脂の劣化を防ぐためにも紫外線吸収剤をハロゲン非含有樹脂の重量に対して、10〜30質量%含まれていることが好ましい。紫外線吸収剤の添加量が30質量%以上では、防汚層のシリカとバインダー樹脂の固形分が下がるため、表面親水性が低下して防汚性能が悪化することがある。
また、防汚層の塗工量は、8〜35g/mであることが好ましい。表面親水性・防汚性能を発現させるために塗工量は8g/m以上であることが好ましく、シリカは難燃性能を悪化させるため、塗工量が35g/m以下であることが好ましい。
本発明において、防汚層は、JIS K 6404−5(1999年)で規定されるスコットもみ試験で荷重1kgで1000回後に亀裂や剥離が生じない防汚層であることが好ましい。屋外で使用される場合、風により、膜材が屈曲し、この力により防汚層が剥がれないことが必要であり、屋外で使用するときには、この規格に合格することが重要である。このように防汚層が剥離しないためには、樹脂層と防汚層の樹脂成分が接着していることが重要であり、化学的に相性の良い樹脂の選定や架橋剤などの添加剤により化学的に接着させる方法がある。
また、繊維布帛は、シートの切断面からのシート内部への水進入によるカビ等の発生、および樹脂被覆浸透による引き裂き強力低下を防止するため、撥水処理を施すことが好ましい。撥水処理に用いられる撥水剤としては、フッ素系、シリコン系、およびワックス系の撥水剤が例示され特に限定されるものではないが、難燃性および接着性の観点から、ワックス系の撥水剤が好ましく用いられる。
撥水処理剤の繊維布帛への付与方法は、浸漬法、スプレー法およびロータリータッチ法等いずれの方法を採用しても良い。
また、撥水処理以外にも、難燃性を阻害しない範囲で、接着剤処理、制電剤処理、耐候剤、抗菌剤および防カビ剤等を下処理として施すことができる。
本発明における防汚膜材は、かかる繊維布帛にかかるハロゲン非含有の熱可塑性樹脂を少なくとも片面に被覆せしめたものであり、本発明における樹脂被覆加工方法は特に制限されるものではなく公知の方法を採用することができるが、難燃剤が液状または、低融点物質であるため、加工性から溶液状の樹脂をコーティング法、またはディッピング法などで塗工し乾燥、固化させる方法が好ましい。コーティング加工法としては一般に用いる加工法を採用することができ、ナイフコーティング、キスコーティング、コンマコーティングおよびグラビアコーティング等公知の加工方法により、樹脂液を塗布し、100〜160℃の温度範囲で乾燥させる方法が好ましい。
次に、実施例により、本発明の防汚膜材についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中における各種評価は、下記の方法で測定した。
(難燃性A)
消防法施行規則第4条3記載の防炎試験方法で、残炎時間、残塵時間および炭化面積をそれぞれ測定し、残炎時間5秒以下、残塵時間20秒以下および炭化面積40cm以下である合格レベルを満たすものについて○、満たさないものについて×と表示した。なお、難燃性の測定は、加工布を50℃の温度のお湯に30分間浸漬し、50℃×24時間乾燥し、シリカゲル入りデシケータ中に2時間以上放置したものについて実施した。
(難燃性B)
JIS A 1322(1996年)に規定される防炎試験方法で、残炎時間、残塵時間および炭化長をそれぞれ測定し、残炎時間5秒以下、残塵時間1分以下および、炭化長10cm以下である防炎2級規格を満たすものについて○、満たないものを×で表示した。なお、難燃性の測定は、前処理B法として加工布を50℃の温度のお湯に30分間浸漬し、50℃の温度の乾燥機中に48時間放置した後、シリカゲル入りデシケータ中に2時間以上放置したものについて実施した。
(防汚性)
JIS A−1410(1968年)に規定される屋外曝露45度法で180日間と360日間の汚染試験を行い、汚染前と汚染後の表面をデジタル測色色差計(スガ試験機株式会社製)でL値を測定し、次の計算式により汚染の程度を求めた。
汚染度(%)=A/B×100
ここでAは汚染後のL値、Bは汚染前のL値であり、汚染度の数値が小さい程、汚染が著しいことを表す。
(接着力)
高周波ウェルダー溶着機(山本ビニター株式会社製YF−7000A型)を使用し、2cm幅×65cm長さの金型を105℃の温度に加温し、出力7KW、電流値1.5A、圧空圧4kg/cm、溶着時間6秒、冷却時間2秒で溶着した後、JIS K 6404−5(1999年)の剥離試験法に基づき接着力(N/2cm幅)を測定した。
(耐クリープ性)
接着力測定と同一条件で溶着し、サンプルを作成した。
・温度:60℃
・加重:13kg/3cm
・時間:24時間
・判定:(問題なし)○、(破断したもの)×で表示した。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
20番双糸のポリエステルスパン糸(東レ株式会社製)を経糸に使用し、10番単糸のポリエステルスパン糸(東レ株式会社製)を緯糸に使用して、経糸/緯糸密度が54本/48本/インチの平織物を製織し(重量220g/m)した。得られた平織物を、ワックス系撥水剤(ダイガード(登録商標)D−23D 大京化学(株)製 固形分40%)の処理液にパッド(絞り率80%)し、120℃の温度で2分乾燥させて処理布帛を得た。得られた処理布帛を、下記に示す工程で樹脂被覆加工して被覆層と防汚層を形成し、性能を評価した。結果を表1に示す。
(裏面被覆層)
下記の樹脂組成溶液を、表1に示すように難燃剤の添加量を変え、上記の処理布帛の片面にナイフコーターで150g/mコーティングした後、160℃×2分で乾燥し、処理布帛上に難燃樹脂層(被覆層)を形成した。
・樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン(固形分25%DMF溶媒溶液)
・顔料 :固形分40%白色顔料を樹脂固形分比20部添加
・難燃剤:71B(芳香族リン酸エステル、大八化学工業(株)製)
(表面被覆層)
下記組成の樹脂溶液を作成し、その樹脂溶液を離型紙上にコンマコーターで厚み30μmで40g/m塗工し、110℃の温度で乾燥し、160℃の温度で熱処理して積層用フィルムを製造した。
・樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン(固形分25%DMF溶媒溶液)
・顔料 :固形分40%白色顔料を樹脂固形分比20部添加
次に、上記の積層用フィルムの樹脂層上に、下記組成の接着剤溶液を50g/mグラビアでコーティングし、該接着剤溶液が粘着を帯びるまで乾燥して接着剤層を設けた後、この接着剤層面を、上記の処理布帛の繊維表面(難燃樹脂層面と反対の面)に重ね合わせ、80℃の温度の金属ロール間で2kg/cmの圧力で抑えた後、巻き取り、その状態で50℃の温度の雰囲気で48時間エージングした。離型紙を剥離し、反対面に樹脂層(被覆層)が積層された積層処理布帛を得た。
・接着剤:ポリエステル系ポリウレタン(固形分50%酢酸エチル溶剤溶液)100部に、3官能イソシアネート(固形分75%酢酸エチル溶剤溶液)を15部、触媒(鎖伸長剤固形分75%酢酸エチル溶剤溶液)を4.2部配合した溶液を用いた。
(防汚層)
下記の樹脂組成溶液を、表1に示すようにシリカの添加量を変え、上記の樹脂層(被覆層)上にナイフコーターで10〜30g/mコーティングした後、160℃×2分で乾燥し、防汚層を設置した。
・樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン(固形分20%DMF/トルエン溶媒溶液) ・耐候剤:トリアジン系耐候剤(樹脂A100に対して10重量部)
・シリカ:平均粒子経3.2μm(富士シリシア(株)製の品番320、DBA値:550meq/kg)。
(実施例8〜14、比較例5〜8)
20番双糸のポリエステルスパン糸(東レ株式会社製)を経糸に使用し、10番単糸のポリエステルスパン糸(東レ株式会社製)を緯糸に使用して、経糸/緯糸密度が54本/48本/インチの平織物を製織し(重量220g/m)した。得られた平織物をワックス系撥水剤(ダイガードD(登録商標)−23D 大京化学(株)製 固形分40%)の処理液にパッド(絞り率80%)し、120℃の温度で2分乾燥させて処理布帛を得た。得られた処理布帛に、下記に示す樹脂組成物で両面コーティング加工を行い、160℃×2分で乾燥し、処理布帛上に難燃樹脂層(被覆層)を形成し、次に裏面にも同様に難燃樹脂層を形成した。
性能を評価した結果を表1に示す。
・樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン(固形分25%DMF溶剤溶液)
・顔料 :固形分40%の白色顔料を樹脂A固形分100重量部に対して、20部添加
・難燃剤:71B(芳香族リン酸エステル、大八化学工業(株)製)
また、難燃剤については、表1に示すように添加量を変更した。
(防汚層)
下記の樹脂組成溶液を、表1に示すようにシリカの添加量を変え、上記の樹脂層(被覆層)の表面にナイフコーターでコーティングした後、160℃×2分で乾燥し、防汚層を設置した。
・樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン(固形分20%DMF/トルエン溶媒溶液) ・耐候剤:トリアジン系耐候剤(樹脂A100に対して10重量部)
・シリカ:平均粒子経3.2μm(富士シリシア(株)製の品番320、DBA値:550meq/kg)。
(実施例15〜18、比較例9〜12)
実施例1と同様にして繊維布帛(平織物)に処理を行い、繊維布帛の片面(裏面)に難燃樹脂層(被覆層)を積層し、繊維布帛反対面(表面)に樹脂層(被覆層)が配設された積層処理布帛を得た。得られた積層処理布の表面側の樹脂層上にポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー樹脂の200μmフィルムを、また裏面側の難燃樹脂層上にポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー樹脂の150μmのフィルムを、製膜しながら圧着して、表裏がポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー樹脂フィルムからなる被覆層が積層された樹脂加工布帛を用意した。
(防汚層)
下記の樹脂組成溶液を、表1に示すようにシリカの添加量を変え、上記の樹脂加工布表面にナイフコーターでコーティングした後、160℃×2分で乾燥し、防汚層を設置した。結果を表1に示す。
・樹脂A:ポリカーボネート系ポリウレタン(固形分20%DMF/トルエン溶媒溶液) ・耐候剤:トリアジン系耐候剤(樹脂A100に対して10重量部)
・シリカ:平均粒子経3.2μm(富士シリシア(株)製の品番320、DBA値:550meq/kg)。
(比較例13)
実施例1と同じポリエステルスパン糸使いの繊維布帛(平織物)を、塩化ビニル樹脂、ジオクチルフタレート可塑剤、酸化チタン、熱安定剤、三酸化アンチモン難燃剤、トリクレジルホスフェート難燃可塑剤、紫外線吸収剤、およびミネラルターペンからなる樹脂液に浸漬し、マングルで絞り180℃の温度で熱処理し、樹脂付着量320g/mの樹脂加工布帛を用意した。難燃剤の量と膜材目付、それに性能を表1に示す。
Figure 2006161193
表1の結果から、実施例1〜18の防汚膜材は、表層に防汚層を含み、また、シリカがハロゲン非含有樹脂の重量に対して、50〜100質量%含有されているため、比較例1〜13の防汚膜材に比べて防汚性と防炎性を両立して優れており、長期(360日)にわたって防汚性能を保持していることが確認できる。
また、比較例13の防汚膜材は、化ビニル系樹脂を使用しているため、樹脂中ハロゲン物質を含有しており、廃棄・焼却時に有害なガス残差が発生するものである。
本発明の防汚膜材は、テントや帆布、建築膜材および建築工事用シートなどに好適に用いられるシリカを含む防汚層が設置されている膜材であり、ハロゲン元素を含まず、防炎性と縫製性を両立するため、多くの用途に適用される。

Claims (10)

  1. 繊維布帛の少なくとも片面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂とハロゲン非含有の難燃剤を含む被覆層が積層されており、該被覆層の表面に、ハロゲン非含有の熱可塑性樹脂と親水性のシリカを含み、そのシリカの含有割合がハロゲン非含有の熱可塑性樹脂の重量に対して50〜120重量%である防汚層が設置されており、かつ、下記の(1)〜(3)のすべての要件を満足していることを特徴とする防汚膜材。
    (1)防炎性が、JIS A 1322(1996年)に基づいて測定したとき、防炎2級に合格するものであること。
    (2)防炎性が、JIS L 1091(1999年)に基づいて測定したとき、3区に合格するものである。
    (3)縫製部の接着強力が、JIS K 6404−5(1999年)に基づいて測定したとき、9.8N/2cm以上であること。
  2. 被覆層において、難燃剤の含有量が熱可塑性樹脂の重量に対して20重量%〜120重量%である請求項1記載の防汚膜材。
  3. 熱可塑性有樹脂が、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の防汚膜材。
  4. 防汚層が、さらに耐候剤と光安定剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の防汚膜材。
  5. 被覆層が、着色剤、耐候剤および光安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれかに記載の防汚膜材。
  6. 防汚層の塗工量が8〜35g/mである請求項1〜5のいずれかに記載の防汚膜材。
  7. 防汚層が、JIS K 6404−5(1999年)に規定されるスコットもみ試験で荷重1kgで1000回後に亀裂や剥離が生じない防汚層である請求項1〜6のいずれかに記載の防汚膜材。
  8. 繊維布帛が予め撥水剤処理されている請求項1〜7のいずれかに記載の防汚膜材。
  9. 繊維布帛が予めハロゲン非含有の難燃剤で処理されている請求項1〜8のいずれかに記載の防汚膜材。
  10. 防水布、テント、テント倉庫用帆布、トラック幌、トラックシート、コンテナ、養生シート、仕切り膜またはカーテン建築用膜材、建築工事用シートあるいは建築工事用ネットのいずれかの用途に用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の防汚膜材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016021812A1 (ko) * 2014-08-06 2016-02-11 주식회사 경인 무가소제 폴리프로필렌 변성 컴파운드 조성물을 코팅한 산업용 섬유제품의 제조방법
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