JP2009078557A - 難燃性ポリエステル繊維布帛及び製造方法 - Google Patents

難燃性ポリエステル繊維布帛及び製造方法 Download PDF

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潤 小林
Kazuo Uedokoro
和夫 上所
Shinji Ukita
慎治 浮田
Hideo Yuhi
英雄 由肥
Tooru Horibuchi
透 堀渕
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Abstract

【課題】非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性の付与及び柔軟性、刃漏れの改善並びに両者が同系統でリサイクル活用が可能な難燃性ポリエステル布帛及び製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維基布の少なくとも片面に、非晶性ポリエステルと、非ハロゲン系難燃化剤リン系化合物と、難燃補助剤及び/又は難燃可塑剤を含有するポリエステル難燃樹脂組成物により積層又は含漬処理で被覆した構成とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性の付与と共に、柔軟性並びに塗工時における刃もれチキソ性の改善、及び基布がポリエステル繊維、被覆樹脂がポリエステル系と同系統であるためリサイクル活用が可能である難燃性ポリエステル繊維布帛及び製造方法に関する。
ポリエステル繊維からなる布帛について、難燃加工するに当たりハロゲン系難燃剤、有機リン系難燃剤、赤燐難燃剤、イソシアヌレート難燃剤及びメラミン系難燃剤等が一般に使用されている。ハロゲン系難燃剤は公害問題があり、有機リン系難燃剤は化合物の一部が水に溶出する欠陥がある。また、赤燐は着色しており、特定の色相のものにしか適用できない。イソシアヌレート難燃剤及びメラミン系難燃剤も無公害とは言えないものがあり難燃性にも問題がある。コーティング樹脂については、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール樹脂、クロロスルフォン化ポリエチレン樹脂等で塗布されていた。
ポリエステル樹脂は市販されている溶剤型のものは比較的硬いものが多く柔軟性のある樹脂は殆ど見受けられなかった。また、塩化ビニール樹脂、クロロスルフォン化ポリエチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂は基布と異なるため、ペレツト化して再利用することができない。
特開2001−1452 請求項1 ポリエステル繊維から構成された基布の少なくとも一方の面に、ポリエステル系エラストマーが被覆されていることを特徴とするテント・幌用防水シート。
請求項5 ポリエステル系エラストマーが、テレフタル酸成分及びテトラメチレングリコール成分以外の共重合成分が全ジカルボン酸成分に対して40モル%以下であるポリブチレンテレフタレート系ポリエステル単位からなるハードセグメント(H)と、芳香族ジカルボン酸成分及びヒドロキシル基の間の主鎖中の炭素原子数が5〜15の長鎖ジオール成分から主として構成され、融点が100℃未満又は非晶性であるポリエステル単位からなるソフトセグメント(S)とを含み、且つ両者の組成重量比(H:S)が20:80〜70:30である請求項1記載のテント・幌用防水シート。
上記文献は、融点が100℃未満又は非晶性ポリエステル樹脂を用い、フィルム化したシートを貼り合わせたテント・幌用防水シートで、基布は編物であり中空ポリエステルを使用した防水シートであり、鞄材等には不向きである。また、難燃化はポリリン酸アンモニウム塩を使用し消火方式はリン酸塩によるものである。さらにラミネート方式でのフィルム接着性はコーティングよりかなり劣る。
Figure 2009078557
上記文献には、水またはアミン水溶液中に分散させた共重合ポリエステルでポリエステル繊維糸条により製編織された基布を被覆した防水布でウェルダー接着を目的とするもので、加工法はディッピングによる樹脂の塗布である。難燃剤は毒性の強い三酸化アンチモンを使用しており、補助剤の記載がない。防水性の為塩化ビニールが使用されており、リサイクルができない。
特開2005−132995号公報 請求項1 ポリエステル樹脂(A)と、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下であるアクリル樹脂系反応性化合物(B)を含むコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
上記文献は、非晶性ポリエステルからなるコーティング用ポリエステル系樹脂組成物であり、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が40℃以上120℃未満である。難燃効果のある物質が含まれておらず難燃効果は期待できない。
特開2000−160036号公報 (A)熱可塑性樹脂100重量部および(B)一般式(1)または一般式(2)で表されるホスホン酸と、アンモニアあるいは一般式(3)で表されるトリアジン系化合物からなるホスホン酸塩1〜100重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。
上記文献には、ホスホン酸とアンモニア、トリアジン系化合物とからなるホスホン酸1〜100重量部を有する難燃性樹脂組成物が記載されている。ヒドラジン誘導体、アゾ化合物を主成分とするものであり、電線被覆材、成形品用途、機械部品、電子部品であり、テント、シート、鞄材、被服類用途には不向きである。
特開2003−89982号公報 請求項1 ポリステル繊維からなる基布の少なくとも片側面が、ポリエステル系エラストマーの発泡構造で被覆され、50%圧縮回復率が80%以上である鞄地。
上記文献は、ポリエステル基布をポリエステル系エラストマーの発泡構造で被覆された鞄地及びその製造方法であり、ポリエステル系エラストマー発泡体を用い、また、ポリエステル繊維は中空糸、原着糸を使用する。柔軟性、軽量化のためポリエステル発泡体を使用しているが、本願発明では発泡体を使用せず、ポリエステル難燃性樹脂組成物を積層及び/又は含浸した構成である。
特開2003−227079号公報 印刷性、裏うつり防止性が高く、必要により防炎性を有する両面描画シート。熱可塑性樹脂繊維布帛の基布と、その表裏両面上に形成の熱可塑性樹脂塗膜層と、両者間に形成の熱可塑性樹脂被覆被層とからなり、基布形成繊維がそれを形成する熱可塑性樹脂に練り込まれた或いはその表面にセラミック物質を含む両面描画シートである。
上記文献6には、熱可塑性樹脂繊維布帛及び熱可塑性樹脂被覆層の網羅的な記載はあるが、1)本願での基布を構成する繊維がポリエステル繊維糸条布帛と、被覆樹脂がポリエステル系エラストマーと両者が同系統のボリマーである組合せを採択限定したリサイクルが容易可能な構成につき認識、示唆もない。また、2)難燃性では非ハロゲン系難燃剤の採択及びその難燃性能が従来のハロゲン系難燃剤より低い点の改善、また3)繊維基布で細番手の採用、或いは撥水剤並びに柔軟剤による前処理を施すことによる基布の柔軟性の改善、また、難燃化剤及び難燃補助剤の採択を通じいずれも難燃性付与ないし改善の妨げ阻害要因を排除、及び/又は必要により難燃可塑剤を含むの組合せとした。即ち、ポリエステル繊維布帛とポリエステル樹脂塗膜層と両者が同系統のポリマーとした組合せとしリサイクル活用を容易可能とした構成、ポリエステル繊維布帛の手触り硬さ粗剛感が妨げとなる柔軟性の付与及び改善、ポリエステル樹脂被覆コーティングでの阻害要因である刃漏れチキソ性の改善について記載も示唆もない。
本発明において解決しようとする問題点は、従来ポリエステルの難燃化にはハロゲン系有機化合物、さらに難燃補助剤としてアンチモン化合物等が使用されてきており、ハロゲン系化合物を用いたガス発生による消火法が開発されて以来、永年にわたり使用され良い結果が得られていたが、近年の環境公害問題の高まりからも燃焼の際の発煙量が多い他、ガスが有毒性を帯びている等の問題点を有している。本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、携帯テント、軒出しテント、鞄材等に用いられるポリエステル製品を火災から護り、焼却時にも有害ガスを発生させない。また、使用済み製品に対しては、ポリエステルの属性を生かして溶融させペレット化して、元の資源に戻しても有害物質がなく、再利用された材料から二次公害が発生しないものを提供する。即ち、本発明においては、ポリエステル織編物に非ハロゲン系難燃剤を採択し難燃性付与と共に、従来ポリエステル織編物への積層及び/又は含浸加工で仕上がりが比較的硬い風合い剛軟度の点について、難燃可塑剤の選択と併せての柔軟性風合いの改善、さらにポリエステル樹脂溶液は積層コーティング時での刃もれが強くチキソ性が悪い為に、コーティング操作を困難にしている点の改善、並びにリサイクル活用が可能なポリエステル布帛及び製造方法を課題とする。
本発明は、上記問題点にかんがみ、第一の目的は、ポリエステル織編物に非ハロゲン系難燃剤を採択し難燃性付与する為、ポリエステル編織物の少なくとも片面にポリエステル難燃樹脂組成物が積層及び/又は含浸により被覆した構成である。その技術的思想は、ポリエステル編織物の溶融温度と、好ましくはその分解温度が近似領域にある非ハロゲン系難燃剤の選択並びにそれとの組み合わせに着目し、ガス(N)の発生量が大きい為、ポリエステル編織物の着火と同時にガスが発生して消火作用を発揮するように働く。また、第二の目的は、従来ポリエステル織編物への樹脂加工で仕上がりが比較的硬い剛軟度の点について、好ましくは柔軟性を付与できる難燃補助剤ないし難燃可塑剤の選択により難燃性と併せ柔軟性の改善、さらに第三の目的は、ポリエステル樹脂溶液は積層コーティング時での刃もれが強く、チキソ性が悪い為にコーティング操作を困難にしている点のこれらについての改善、並びにリサイクル活用が可能なポリエステル布帛及び製造方法を達成することができるとの知見に達したものである。
本発明において、使用するポリエステル基布は、経編物、織物においては基布重量が、300g/m以下の汎用品や加工糸織物に適用することができる。
また、ポリエステル樹脂は、非晶性から選ばれる分子量23×10、Tg(ガラス転移温度)が、−15〜5℃、水酸基価4〜8KOHmg/g・酸価2KOHmg/g以下を使用することにより達成することができる。
本発明において、ポリエステル編織物に難燃性を付与のための難燃性樹脂組成物として使用するリン系化合物として下記化学式で表せるものを使用することができる。
1)ポリリン酸メラミン
CH及びペンタエリスリトール C12の配合
2)ポリリン酸アンモニウム (NHPO)n
3)ポリリン酸エステル (CO)P(O)OCC(CH −COP(O)(OC
また、難燃補助剤として、ポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸メラミン、燐酸、燐酸エステル等を使用することができる。さらに、従来ポリエステル織編物への樹脂加工で仕上がりが比較的硬い剛軟度の点について、本発明において、上記のリン系化合物のいずれかより選ばれた非ハロゲン系難燃剤は、上記難燃補助剤と同一或いは異種化合物であってもその組み合わせによって、難燃性改善の機能を発揮し得るのみならず、併せて柔軟性の改善に寄与することができる、上記ポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸メラミン、燐酸、燐酸エステルのほか難燃剤補助剤であると同時に、柔軟性付与できる難燃可塑剤を選択し採択することにより、難燃性と併せて柔軟性の複合効果を発揮し得るように働く。
本発明において、非晶性ポリエステル樹脂(A)は、増粘されるとコーティング作業時に刃漏れが発生して布帛上に汚点を残す為、この実施上の阻害要因であるチキソ性の改善が必要である。この改善手段として、疎水性マイクロナイズドシリカ、平均粒径2.7〜3.9を5〜9重量部添加することによりチキソ性(刃漏れ)を改善することができる。
本発明によれば、ポリエステル繊維からなる布帛に非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性の付与により毒性を含まず産業資材用途のみならず食品衛生法にも適合できると共に、風合い柔軟性及び耐候性といった付加価値の付与、改善を図ることができる。また、基布を構成する繊維がポリエステル、被覆層は非晶性ポリエステル系難燃樹脂組成物と両者が同系統であるために製品加工後の分別回収はもとより、リサイクルが極めて容易であり、携帯テント、軒だしテント及び鞄材として優れた効果を奏する。
発明を実施するため最良の形態
本発明において、使用する基布は、ポリエステル100%編織物に限定し、他繊維の混紡品、交織品は使用しない。ただし加工糸、編織物は使用しても差し支えない。
また、ポリエステル繊維の糸番手は、20〜500デニール、又は短繊維については、10〜80番手からなる基布を採択することができる。基布の目付については、たとえば携帯テント、シートの用途では、軽いものが適当であり、40〜200g/m以下が好ましい。
本発明において使用されるポリエステル樹脂は、非晶性のポリマー単位を主とする構成成分のポリエステルブロック共重合体であればよい。これらの樹脂中には、顔料、滑剤、安定剤、酸化防止剤、ポリイソシアネート、助剤を添加することができる。
上記ポリエステル難燃組成物を積層及び/又は含浸する手段について説明する。本発明において、難燃性ポリエステル布帛は、ポリエステル繊維からなる基布に、上述の難燃組成物を積層及び/又は含浸することにより達成することができる。この手段については、一般に使用されている装置ないし設備を使用することができる。例えば、積層形態では一般的な塗布形式のコーティングについては、フローティングナイフによる片面、或いは両面のコーティング、又は2連式ナイフコーターによる積層コーティング、コンマコーターによるコンマロール式コーター、ロールスクリーン式コーター等がある。
含浸法では、基布を溶液に浸漬させ2本マングルで絞る含浸法がある。比較的加工しやすい装置としては、フローティングナイフコーティングが挙げられる。溶融ラミネート法は、原料の樹脂を溶剤に溶かす必要がないので、最も安易な方法といえるが、難燃性付与や他の成分の配合にはかなり難しい工程を經なければならない。しかし溶液化した樹脂に配合すれば変化に富んだ難燃樹脂組成物を形成することができ、コーティング式塗布法を採用することができる。
本発明において、基布に対する樹脂の塗布量は加工手段によって相違するが、基布に対して40〜200g/mが好ましく、難燃性能を付与するには基布に対する重量比は
1:0.5〜2の範囲が好ましい。
(1)本発明において、ポリエステル繊維糸条で製編織された基布の少なくとも片面に、ポリエステル難燃樹脂組成物を積層及び/又は含浸処理により被覆するに際し、非ハロゲン系難燃剤の採択に当たり、ポリエステル編織物の着火と同時にガスが発生して消火作用を発揮せしめるが、ポリエステル編織物の溶融温度と、その分解温度が近似領域にある非ハロゲン系難燃剤を選択することにより、ガス(N)の発生量が大きい為好ましい。
(2)柔軟性風合いの付与に際し、従来ポリエステル織編物への樹脂加工で仕上がりが比較的硬い剛軟度の改善について、好ましくは柔軟性を付与できる難燃補助剤ないし難燃可塑剤の選択ないし採択により難燃性と併せて柔軟性風合いの改善を図ることができる。
(3)本発明において、難燃樹脂組成物による積層及び/又は含浸処理において、ポリエステル樹脂溶液は積層コーティング時での刃もれが強く、チキソ性が悪い為にコーティング操作を困難にしている点は、チキソ性改善剤の採択により改良を図ることがでる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例中における各特性値は下記の測定方法により計測した。
(1)難燃性 JIS−L−1091 A−1法 (45°ミクロバーナー法)に準じ、試料を45°に保持し、ミクロバーナーで加熱して、炭化面積、残炎時間を測定した。
(2)剛軟性 JIS−L−1096−6.19.1 A法(45°カンチレバー法)に準じて測定した。表1内の数値は、タテ方向とヨコ方向の合計値を表示している。
(3)耐候性 JIS−K−7102に準じ、サンシャインウェザーオーメーターを用いて63°の雨なし条件下での1000時間経過後の樹脂面における表面状態を評価した。
ポリエステルフィラメント,20デニール、リップタフタを用い、(1)下記配合により撥水性並びに柔軟性付与処理を行い、含浸(2本マングルで絞る)して乾燥する。絞り率60%、乾燥温度は120〜130℃で行った。
[撥水及び柔軟性配合]
フッ素系撥水剤 アサヒガードAG710(明成化学工業) 3%
浸透剤 イソプロピールアルコール 2%
柔軟剤 ハイソフターK−15(明成化学工業) 5%
(2)続いて、下記コーティング配合組成の溶液粘度10000cpsの難燃樹脂組成物からなるコーティング溶液を作成し、フローティングナイフ式コーティング機を用いて、塗布量80g/mで積層コーティングを行った。
[コーティング配合]
非晶性ポリエステル樹脂(A) 100重量部
難燃化剤 ポリリン酸メラミン プラネロンNP(三井化学ファイン)50重量部
難燃可塑剤 トリアリールホスフェート レオフォース35(味の素) 15重量部
コート面撥水剤 パラフィン135°F 1重量部
希釈剤 酢酸エチル 40重量部
ポリイソシアネート系架橋剤 バーノックDN950(大日本インキ化学工業)
5重量部
架橋促進剤 クリスボンアクセルT(大日本インキ化学工業) 3重量部
耐候向上剤 チヌビンP(チバスペシャルティーケミカルズ) 1重量部
酸化防止剤 リサイクロソルブ550(チバスペシャルティーケミカルズ)1重量部
チキソ性改良剤 疎水性マイクロナイズドシリカ・
サイロホービック#507(富士シリシア化学) 5重量部
上記によって、軽量で、折り畳みも自由にできる耐水性、撥水性、耐候性、美観も良好で、かつ分別回収でき、リサイクル活用が可能な携帯テント、軒出しテントまたは鞄材として使用できる布帛基材を得た。
ポリエステル短繊維100%、30番手厚織で経糸90、緯糸60本/2.54cmの基布に、上記と同様の配合の水溶液を通し撥水性並びに柔軟性付与処理を行い、含浸(2本マングルで絞る)して乾燥する。絞り率は60%とし、乾燥温度は120〜130℃で行った。
[撥水及び柔軟性配合]
フッ素系撥水剤 アサヒガードAG710(明成化学工業) 3%
浸透剤 イソプロピールアルコール 2%
柔軟剤 ハイソフターK−15(明成化学工業) 5%
続いて、下記コーティング配合の溶液粘度8000〜10000cpsの難燃樹脂組成物からなるコーティング溶液を作成し、フローティングナイフ式コーティング機を用いて塗布量50〜100g/mで積層コーティングを行った。
[コーティング配合]
非晶性ポリエステル樹脂(A) 100重量部
コート面撥水剤 パラフィン135°F 1重量部
希釈剤 酢酸エチル 40重量部
難燃化剤 ポリリン酸メラミン プラネロンNP(三井化学ファイン) 40重量部
難燃補助剤 ポリリン酸アンモニウム テラージュC80
(ブーデンハイム・スウェーデン) 8重量部
ポリイソシアネート系架橋剤 バーノックDN950(大日本インキ化学工業)
5重量部
架橋促進剤 クリスボンアクセルT(大日本インキ化学工業) 3重量部
耐候向上剤 チヌビンP(チバスペシャルティーケミカルズ) 1重量部
酸化防止剤 リサイクロソルブ550(チバスペシャルティーケミカルズ)
1重量部
チキソ性改良剤 疎水性マイクロナイズドシリカ・
サイロホービック#507(富士シリシア化学) 5重量部
上記によって、耐水性、撥水性、耐候性、美観も良好で、かつ分別回収でき、リサイクル活用が可能な携帯テント、軒出しテントまたは鞄材として使用できる布帛基材を得た。
ポリエステルフィラメント・リップタフタ、20デニールの基布を用い、下記の配合からなる溶液粘度8000〜12000cpsの難燃樹脂組成物を作成し、ナイフコーティング機を用い塗布量30〜60g/mでコーティングを行った。なお、上記と同様の撥水及び柔軟処理を施すか、或いは製品の用途によつては該処理を省略することができる。
[コーティング配合]
非晶性ポリエステル樹脂(A) 100重量部
難燃化剤 ポリリン酸メラミン プラネロンNP(三井化学ファイン)35重量部
難燃剤補助剤 ポリリン酸エステル CR−741(大八化学) 13重量部
難燃可塑剤 トリアリールホスフェート レオフォース35(味の素)30重量部
希釈剤 酢酸エチル 30重量部
ポリイソシアネート系架橋剤
バーノックDN950(大日本インキ化学工業) 5重量部
架橋促進剤 クリスボンアクセルT(大日本インキ化学工業) 3重量部
耐候向上剤 チヌビンP(チバスペシャルティーケミカルズ) 1重量部
酸化防止剤 リサイクロソルブ550(チバスペシャルティーケミカルズ)1重量部
チキソ性改良剤 疎水性マイクロナイズドシリカ・
サイロホービック#507(富士シリシア化学) 6重量部
上記によって、耐候性、美観も良好で、かつ分別回収でき、リサイクル活用が可能な室内装飾用壁材を得た。
比較例1
ポリエステルフィラメント・20デニール、タフタを用い、(1)下記配合により撥水性を付与する処理を行い、含浸(2本マングルで絞る)して乾燥する。絞り率55%、乾燥温度120℃で行った。
[撥水配合]
フッ素系撥水剤 アサヒガードAG710(明成化学工業) 3%
浸透剤 イソプロピールアルコール 2%
続いて、下記配合のコーティング溶液で、溶液粘度10000cpsのコーティング溶液を作成し、フローティングナイフ式コーティング機を用いて、塗布量80g/mでコーティングを行った。
[コーティング配合]
ウレタン樹脂 クリスボン2026EL(大日本インキ化学工業) 100重量部
難燃剤 フランDDA−S(大和化学工業) 50重量部
希釈剤 酢酸エチル 40重量部
ポリイソシアネート系架橋剤
クリスボンNX(大日本インキ化学工業) 5重量部
架橋促進剤 クリスボンアクセルHM(大日本インキ化学工業) 3重量部
比較例2
ポリエステル短繊維100%・30番手厚織で経糸90、緯糸60本/2.54cmの基布に、上記と同様の配合の水溶液を通し撥水性並びに柔軟性付与処理を行い、含浸(2本マングルで絞る)して乾燥する。絞り率は70%とし、乾燥温度は120℃で行った。
[撥水配合]
フッ素系撥水剤 アサヒガードAG710(明成化学工業) 3%
浸透剤 イソプロピールアルコール 2%
続いて、下記コーティング配合の溶液粘度10000cpsのコーティング溶液を作成し、フローティングナイフ式コーティング機を用いて、塗布量120g/mでコーティングを行った。
[コーティング配合]
ウレタン樹脂 クリスボン2026EL(大日本インキ化学工業) 100重量部
難燃剤 フランDDA−S(大和化学工業) 70重量部
希釈剤 酢酸エチル 50重量部
ポリイソシアネート系架橋剤
クリスボンNX(大日本インキ化学工業) 5重量部
架橋促進剤 クリスボンアクセルHM(大日本インキ化学工業) 3重量部
比較例3
ポリエステルフィラメント・20デニール、リップタフタの基布を用い、下記の配合からなる溶液粘度10000cpsのコーティング溶液を作成し、フローティングナイフ式コーティング機を用い、塗布量100g/mでコーティングを行った。
[撥水配合]
フッ素系撥水剤 アサヒガードAG710(明成化学工業) 3%
浸透剤 イソプロピールアルコール 2%
[コーティング配合]
ウレタン樹脂 クリスボン2026EL(大日本インキ化学工業) 100重量部
難燃剤 フランDDA−S(大和化学工業) 60重量部
希釈剤 酢酸エチル 40重量部
ポリイソシアネート系架橋剤 クリスボンNX(大日本インキ化学工業) 5重量部
架橋促進剤 クリスボンアクセルHM(大日本インキ化学工業) 3重量部
上記実施例1,2及び比較例1,2の性能評価の対比を表1に示す。
Figure 2009078557
・記号の説明
難燃試験 ○:合格。△:残炎のみ不合格
刃漏れ ○:汚点は発生しない △:汚点発生が5〜10ケ所/50m程度
本発明の難燃性ポリエステル布帛及びその製造方法によれば、非ハロゲン系難燃剤による難燃性付与と共に、柔軟性風合い及び耐候性の付加価値の付与、塗工時の刃漏れの改善が図ることができる。たとえばポリウレタン軒出しテントと比較すると、耐候性に優れ、経時における黄変や劣化が少ない。また、従来の軒出しテントは交換廃棄後は焼却処分が主流であったが、本発明の難燃性ポリエステル布帛では、基布のポリエステルと被覆層がポリエステル系難燃樹脂組成物と同系統のためリサイクルが極めて容易であり、携帯テント、軒出しテント及び鞄材として利用が可能である。

Claims (4)

  1. ポリエステル繊維糸条で製編織された基布の少なくとも片面に、非晶性ポリエステル樹脂と、リン系化合物より選ばれた少なくとも1種の難燃化剤、並びに前記難燃化剤と同一又は相異なるリン系化合物を組み合わせてなる難燃補助剤及び/又は難燃可塑剤を含有するポリエステル難燃樹脂組成物を積層又は含漬処理により被覆してなることを特徴とする難燃性ポリエステル繊維布帛。
  2. 前記非晶性ポリエステル樹脂(A)が、テレフタール酸成分及び/又はイソフタール酸を含むポリエステルと、芳香族モノカルボン酸と多価アルコール成分が反応してなるエステル化合物とを含有してなる請求項1記載の難燃性ポリエステル繊維布帛。
  3. 前記難燃化剤リン系化合物が、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜2記載の難燃性ポリエステル繊維布帛。
  4. ポリエステル繊維糸条で製編織された基布の少なくとも片面に、非晶性ポリエステル樹脂と、リン系化合物より選ばれた少なくとも1種の難燃化剤、並びに前記難燃化剤と同一又は相異なるリン系化合物を組み合わせてなる難燃補助剤及び/又は難燃可塑剤を含有するポリエステル難燃樹脂組成物を積層又は含漬処理により被覆してなることを特徴とする難燃性ポリエステル繊維布帛の製造方法。
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JP2017128829A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 セーレン株式会社 防炎加工布帛およびプリント物

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