JPH11269769A - 防水布 - Google Patents

防水布

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JPH11269769A
JPH11269769A JP10070293A JP7029398A JPH11269769A JP H11269769 A JPH11269769 A JP H11269769A JP 10070293 A JP10070293 A JP 10070293A JP 7029398 A JP7029398 A JP 7029398A JP H11269769 A JPH11269769 A JP H11269769A
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JP
Japan
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waterproof cloth
resin
cloth according
jis
flame
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JP10070293A
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English (en)
Inventor
Masanobu Takeda
昌信 武田
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、難燃性、高周波ウェルダー接着等の
縫製性、耐久性、防汚性等に優れ、且つ軽量で扱い易
く、燃焼時にハロゲン元素を含む有毒ガスを発生しない
優れた防水布を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の防水布は、繊維布帛が、熱可塑性
樹脂と、縮合燐酸エステルおよび芳香族ジフォスフェー
トの少なくとも一種の難燃性化合物とを含む樹脂混合物
で被覆された繊維構造物であり、次の1〜5の全て物性
を満足するものであることを特徴とするものである。 (1)樹脂混合物総付着量が、200g/m2 以下で、
かつ、表面の付着量が裏面の付着量の2倍以上である。 (2)防水性が、JIS L1096に基づいて測定し
たとき、1000mmH2 O以上である。 (3)縫製部接着力が、JIS K6854に基づいて
測定したとき、5kg/3cm 以上である。 (4)防炎性が、JIS A1322に基づいて測定し
たとき、防炎2級に合格するものである。 (5)防炎性が、JIS L1092に基づいて測定し
たとき、合格するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターポリン、テン
ト、トラック幌などの、産業資材用途に用いることので
きる防水布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維布帛に塩化ビニル系樹脂
をカレンダー法、押し出しラミネート法、あるいはコー
ティング法やディッピング法など種々の方法により被覆
加工した防水布は、産業資材用途においてターポリン、
テント、トラック幌等様々な用途に広く使用されてい
る。
【0003】塩化ビニル系樹脂被覆加工基布が広く使用
されている理由については、塩化ビニル系樹脂の持つ特
性に由来するものであり、柔軟で取り扱い性がすぐれて
いること、顔料による発色性が良好なこと、ハロゲン元
素を含んでいるため容易に難燃化が可能であり、さら
に、高周波ウェルダー接着加工や熱風溶着加工により容
易に縫製できる等の理由が挙げられる。
【0004】上記のごとく塩化ビニル系樹脂は多くの長
所を有するが、塩化ビニル系樹脂で被覆された防水布
は、難燃性、耐久性を付与するため樹脂付着量を多くす
る必要があり、そのため製品目付が重くなり、作業を効
率良く行うために防水布の軽量化が望まれている。
【0005】また塩化ビニル系樹脂で被覆された防水布
は、、廃棄に際してハロゲン化合物であることから毒性
が問題となり、特に燃焼時にハロゲン元素を含む有毒な
ガスや煙、残査が発生するという重大な欠点を有するも
のであり、地球環境的規模から環境保全を目的にハロゲ
ン元素を含まない樹脂組成による製品の開発が切望され
ている。
【0006】かかる観点から、オレフィン樹脂、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂などによる製品化の検討が行われ
ているが、塩化ビニル系樹脂の優れた点である難燃性や
縫製性等の物性が必要とされている分野、例えばテント
や防水布などのシート分野においては、満足できる製品
が未だ提案されていないのが現状である。
【0007】かかる用途においては高度な難燃性が必要
であり従来の含水金属塩を難燃剤として使用する場合、
難燃規格を達成する場合、100部以上の高充填が必要
であり、樹脂物性の大幅な低下が避けられないものであ
る。また、難燃剤添加による樹脂物性への影響もさるこ
とながら、基本的な樹脂特性の違いにより高周波ウェル
ダー接着加工や熱風溶着加工の縫製性は塩化ビニル系樹
脂の性能を下回っている。
【0008】現在のところ、難燃性、縫製性等の塩化ビ
ニル系樹脂の特性を満足するハロゲン元素を含まない樹
脂組成物により被覆された防水布は存在していないのが
実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、難燃性、高周波ウェルダー接着等の
縫製性、耐久性、防汚性等に優れ、且つ軽量で扱い易
く、燃焼時にハロゲン元素を含む有毒ガスを発生しない
優れた防水布を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の防水布は、繊維布帛が、熱可塑
性樹脂と、縮合燐酸エステルおよび芳香族ジフォスフェ
ートの少なくとも一種の難燃性化合物とを含む樹脂混合
物で被覆された繊維構造物であり、次の1〜5の全て物
性を満足するものであることを特徴とするものである。
【0011】(1)樹脂混合物総付着量が、200g/
2 以下で、かつ、表面の付着量が裏面の付着量の2倍
以上である。
【0012】(2)防水性が、JIS L1096に基
づいて測定したとき、1000mmH2 O以上である。
【0013】(3)縫製部接着力が、JIS K685
4に基づいて測定したとき、5kg/3cm 以上である。
【0014】(4)防炎性が、JIS A1322に基
づいて測定したとき、防炎2級に合格するものである。
【0015】(5)防炎性が、JIS L1092に基
づいて測定したとき、合格するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、上述課題、つまり、難
燃性、高周波ウェルダー接着等の縫製性、耐久性、防汚
性等に優れ、且つ軽量で扱い易く、燃焼時にハロゲン元
素を含む有毒ガスを発生しない優れた防水布について、
鋭意検討し、特定な燐系化合物と熱可塑性樹脂との混合
物で繊維布帛を被覆したところ、かかる課題を一挙に解
決することを究明したものである。
【0017】本発明によれば、塩化ビニル系樹脂より少
ない樹脂付着量で、高度の難燃性と防水性を付与でき、
さらに該樹脂組成物の高周波接着性が向上するという思
わぬ効果を発揮することを見いだしたものである。
【0018】本発明でいう燐系化合物としては、ハロゲ
ン元素を含まないものが環境面から好ましいので、縮合
燐酸エステルおよび芳香族ジフォスフェートの少なくと
も一種の難燃性化合物を使用するものである。かかる難
燃性化合物の中でも、縮合燐酸エステルとしては、次の
化学式で表される化合物が好ましく使用される。
【0019】
【化3】 また、芳香族ジフォスフェートとしては、次の化学式で
表される化合物が好ましく使用される。
【0020】
【化4】 本発明では、かかる燐系化合物の少なくとも1種を使用
するが、その配合量としては、混合する該熱可塑性樹脂
100重量部に対して、好ましくは20重量部以上、さ
らに好ましくは30重量部以上、特に好ましくは40〜
80重量部混合した樹脂組成物を使用するものである。
【0021】本発明は塩化ビニル系樹脂被覆防水布に比
べ、少ない難燃性化合物混合樹脂組成物の付着量におい
ても防水性、縫製部接着力、防炎性を付与することが可
能であり、軽量化を図るうえからも、該樹脂組成物の付
着量を200g/m2 以下にすることが好ましい。しか
しながら、該樹脂組成物の付着量は、防水布の耐久性に
大きく関与するものであり、特に直接光の当たる表面側
では、該樹脂組成物の付着量が多い程有利である。本発
明において、該樹脂組成物の付着量が300g/m2
塩化ビニル系樹脂被覆防水布と同等の耐候性を付与する
ためには、表面側の該樹脂組成物の付着量としては、1
20g/m2 以上であるのが好ましい。したがって、耐
候性を維持したまま、軽量化を図るうえからも、該樹脂
組成物の付着量を減少させるためには、直接光の当たら
ない裏面側の該樹脂組成物の付着量のみを減少させるこ
とが有効であることを究明した。しかし、本発明におい
て、該繊維布帛の表面の該樹脂脂組成物の付着量を、3
0g/m2 未満にすると、繊維布帛の表面側を効果的に
被覆することができないので、該繊維布帛の紫外線劣化
や高周波ウェルダー接着加工等性等の縫製性が著しく低
下することになる。したがって、安定した縫製性、防水
性、耐久性を付与し、かつ、軽量化を図る構成として
は、常に太陽光にされされ、安定した耐候性が求められ
る表面と、さほど重要視されない裏面で、該樹脂組成物
の付着量を変える構成を採用するのが好ましい。かかる
構成としては、該樹脂組成物の付着量を、表面側を好ま
しくは120g/m2 以上で、その裏面側を好ましくは
50g/m2 以下の範囲に制御するものである。
【0022】かかる樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂
としては、一般に使用されるものを使用することができ
るが、環境面からハロゲン元素を含まないものが好まし
く、なかでもポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂が製膜性、難燃性の点で好まし
く、特にポリウレタン系樹脂が好ましい。
【0023】ポリウレタン系樹脂とは溶剤あるいは水に
溶解または分散した従来公知の重合体を使用することが
できるが、耐水性、製膜性の点から溶剤溶解型が好まし
い。かかるポリウレタン樹脂としては、例えば有機ジイ
ソシアネートと直鎖ジオール及び鎖伸長剤との反応で得
られるポリウレタンが一般的であり有機ジイソシアネー
トとしては脂環族有機ジイソシアネート、脂肪族有機ジ
イソシアネート、芳香族有機ジイソシアネート等が使用
でき、長鎖ジオールとしてはポリエステル系ジオール、
ポリエーテル系ジオール、ポリアミド系ジオールポリカ
ーボネート系ジオール等が使用でき、鎖伸長剤として
は、低分子グリコール、低分子ジアミン、低分子アミノ
アルコールなどの活性水素を2個以上含有する化合物が
使用できる。これらのポリウレタンを2種以上混合して
使用することもできる。なかでも耐候性、耐加水分解性
などの点からポリカーボネート系ポリウレタンが好まし
い。しかしながら該ポリカーボネート系ポリウレタン
は、他のポリウレタン種に比べ高周波ウェルダー接着加
工性に劣ることが判り、したがって安定した高周波ウェ
ルダー接着加工性を付与するうえで、耐候性を重要視し
ない裏面には高周波ウェルダー接着加工性優れたにポリ
エステル系、ポリエーテル系ポリウレタンを用いる構成
が好ましい。
【0024】本発明の樹脂組成物は、着色剤、紫外線吸
収剤および光安定剤から選ばれた少なくとも1種を含有
するものであってもよい。かかる着色剤は一般に使用さ
れている顔料系着色剤が相溶性、耐候性の面で好まし
い。また、紫外線吸収剤、光安定剤も、一般に使用され
ている化合物を使用することができるが、紫外線吸収剤
としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系また
はトリアジン系のものを1種以上の混合物として使用す
ることができ、樹脂100重量部に対し好ましくは0.
1〜3重量部添加する。本発明の光安定剤としてはヒン
ダードアミン系、ヒンダードフェノール系の化合物を使
用することができ、樹脂100重量部に対し好ましくは
0.1〜3重量部添加する。また、必要に応じて酸化防
止剤、抗菌剤、防黴剤を添加してもかまわない。
【0025】本発明の繊維布帛とはポリエステル、ポリ
アミド、ビニロン等の合成繊維や木綿、麻等の天然繊維
を単独あるいは混合した編織物、不織布等であり、繊維
は長繊維でも短繊維でも良い。
【0026】本発明の繊維布帛は難燃化合物を含有して
いても良い。繊維布帛の難燃剤処理は難燃性化合物が繊
維にブレンドあるいは共重合しても良く、また、繊維表
面に付着させたものでもよく、特に限定はされない。
【0027】本発明においては、繊維の強度、寸法安定
性などからポリエステル繊維が好ましい。
【0028】本発明でいうポリエステル繊維とは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
あるいはこれらに第三成分、たとえばイソフタル酸、イ
ソフタル酸スルホネート、アジピン酸、ポリエチレング
リコールなどを共重合またはブレンドして得られるポリ
エステルからなる繊維であり、あらかじめ難燃化された
繊維であっても良い。
【0029】該ポリエステル繊維のポリマー固有粘度が
0.65以上であるものが好ましく、さらに好ましくは
0.8〜1.0である。また、さらに、繊維自身の密度
が1.38 g/cm3 以上で、引張強力が6g/d 以上、好
ましくは、7〜9g/d の高強度繊維が好ましく使用され
る。
【0030】ポリエステル繊維に難燃性を付与するに
は、難燃性化合物をポリエステルの重合時に共重合した
もの、また重合時あるいは製糸時にブレンドした難燃原
糸、またはポリエステル繊維を形成した後に、難燃性化
合物を後加工のいずれの方法でも良く、公知の難燃化さ
れたポリエステル繊維を使用することができるが、難燃
性化合物をポリエステルの重合時に共重合したポリエス
テル繊維が難燃性能の安定性の面から好ましい。
【0031】かかる共重合により難燃化されたポリエス
テル繊維を製造するための化合物としては、、トリフェ
ニルホスフェートのような燐酸エステル類あるいはエチ
レンジメチルホスホン酸、ベンゼンホスホン酸誘導体の
ようなホスホン酸類などのような燐系化合物や臭素化ビ
スフェノール類、そのヒドロキシアルキル誘導体、臭素
化芳香族ジカルボン酸などのハロゲン系化合物などを使
用することができるが、本発明に好適な難燃化されたポ
リエステル繊維としては、ポリエステルの繰り返し単位
の少なくとも85モル%がポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエステ
ルであり、かつその繰り返し単位の中に、燐原子含有量
で0.2〜1.0重量%の範囲に2官能燐化合物が存在
するポリマーからなる繊維である。
【0032】本発明の樹脂被覆加工布帛は、必要に応じ
て最外層に防汚性を有する樹脂組成物を防汚層として積
層することができる。防汚性を有する樹脂組成物として
は公知のものが使用できるが、接着性の点からポリエス
テル系樹脂が好ましい。
【0033】該ポリエステル樹脂とは芳香族ジカルボン
酸(少なくとも30モル%がテレフタル酸)とアルキレ
ングリコールを主体とするグリコール、全酸成分に対し
0.5〜10モル%の3価のポリカルボン酸およびまた
は全アルコール成分に対し0.5〜10モル%の3価以
上のポリオール、および必要により脂肪族ジカルボン酸
からなる共重合ポリエステルにアルキルエーテル化ホル
ムアルデヒド樹脂を5〜30重量%配合したものであ
り、芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸のほかに
はイソフタル酸、オルソフタル酸、2,6ナフタレンジ
カルボン酸などが例示されるが耐水性、耐候性等からテ
レフタル酸、イソフタル酸が好ましい。また、脂肪族ジ
カルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸等が、3価の
ポリカルボン酸としてはトリメリット酸等が例示でき、
アルキレングリコールとしてはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4ブタンジオール等がある。
3価以上のポリオールとしてはグリセリン、トリメチロ
ールエタン、ペンタエリスリトール等である。本発明の
共重合ポリエステルの好ましい組成の一例としては、3
0〜80モル%がテレフタル酸であり、70〜20モル
%がテレフタル酸以外のものである芳香族ジカルボン
酸、エチレングリコール/ネオペンチルグリコールが3
0〜70/70〜30モル%の混合物、全酸成分に対し
0.5〜10モル%の3価以上のポリカルボン酸および
または全アルコール成分に対し0.5〜10モル%の3
価以上のポリオール及び全酸性分に対して10〜40モ
ル%の脂肪族ジカルボン酸からなるものである。
【0034】本発明の共重合ポリエステルに混合するア
ルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂とは、メトキシ
化メチロール尿素、メトキシ化メチロールメラミン、メ
トキシ化メチロールジシアンジアミド等でありなかでも
メトキシ化メチロールメラミンが好ましい。共重合ポリ
エステル/アルキルエーテル化ホルムアルデヒドの混合
量は、95〜70/5〜30(重量比)であることが、
難燃剤のブリード性を抑えかつ該樹脂が本質的に持つ防
汚性を発揮するのに好ましい。
【0035】本発明の繊維布帛は、目的に応じて、撥水
処理、接着剤処理、制電剤処理、耐候剤、抗菌剤、防カ
ビ剤等を下処理として施すことができる。
【0036】本発明の該樹脂組成物の被覆加工方法とし
ては、特に制限されるものではないが、表面と、裏面と
で該樹脂組成物の種類や量を変更する場合があるので、
その場合は、表面、裏面を個別に加工できるコーティン
グ加工法を採用するのが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0038】なお、実施例及び比較例に示す性能値は次
の方法で測定した。
【0039】(難燃性A)JIS L 1091 A−1法
で、炭化面積、残炎時間、残塵時間、D法で、接炎回数
を測定する。合格するものを○、不合格であるものを×
で表示した。なお、難燃性の測定は、加工布を50℃の
お湯に30分間浸漬し、自然乾燥したものについて実施
した。
【0040】(難燃性B)JIS A 1322に規定され
る方法で残炎時間、残塵時間、炭化長を測定した。防炎
2級以上を○、2級に満たないものを×で表示した。な
お、難燃性の測定は、加工布を50℃のお湯に30分間
浸漬し、乾燥するB法の前処理を施したものについて実
施した。
【0041】(防水性)JIS L−1096に準じ、耐
水圧を測定した。
【0042】(縫製部接着力)高周波ウェルダー接着機
にYF−7000A(山本ビニター株式会社製)を用
い、出力7KW、電流値0.3アンペア、圧空2Kg/c
m2 、高周波発振時間3秒、融着時間3秒、冷却時間3
秒の条件4cm×10cmの金属バーを使用して接着加工を
行い、ウェルダー接合部(4cm長)を含む3cm幅の試料
にてJIS K −6854のT型剥離試験法に準じウェ
ルダー接合部の剥離強力を測定した。
【0043】(防汚性)JIS A−1410に規定され
る屋外曝露45度法で180日間の汚染試験を行い、汚
染前と汚染後の表面をデジタル測色色差計(スガ試験機
株式会社製)でL値を測定し、次の計算式により汚染の
程度を求めた。
【0044】汚染度(%)=A/B×100 ここでAは汚染後のL値、Bは汚染前のL値であり汚染
度の数値が小さい程、汚染がひどいことを表す。
【0045】(耐候性)JIS A−1410に規定され
る屋外曝露45度法で180日間の屋外曝露を行い、曝
露前と曝露後の引っ張り強力をJIS L−1096によっ
て測定し、次の計算式により強力の保持率を求めた。
【0046】強力保持率(%)=A/B×100 ここで、Aは曝露後の引っ張り強力、Bは曝露前の引っ
張り強力 実施例1〜14、比較例1〜14 ポリエステルスパン糸の20番手双糸(東レ株式会社
製)を経糸、緯糸に使用して経糸/緯糸密度が54/4
8本/インチの平織物(目付250g/m2 )を製織
し、これを布帛として下記樹脂と難燃剤の混合物に緑色
顔料(固形分60重量%)をそれぞれの樹脂固形分10
0重量部に対し20重量部添加したもので表面コーティ
ングしたあと、裏面コーティングし、性能を評価した結
果を表1に示した。
【0047】樹脂; (樹脂a):ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(軟
化温度165℃) (樹脂b):ポリエステル系ポリウレタン樹脂(軟化温
度135℃) 難燃剤; (難燃剤A):下記化学式で表される化合物を使用し
た。
【0048】
【化5】 (難燃剤B):下記化学式で表される化合物を使用し
た。
【0049】
【化6】 (難燃剤C):水酸化アルミ二ウムを使用した。
【0050】加工条件 (コーティング加工) 表面コンマコート加工→130℃乾燥→170℃熱処理 裏面ナイフコート加工→130℃乾燥→170℃熱処理 (ディッピング加工) 浸漬加工→130℃乾燥→170℃熱処理 さらに、下記構成のポリエステル樹脂溶液を表面層に固
形分が10g/m2 の樹脂付量になるようナイフコート
して130℃乾燥、170℃熱処理を行った。 (ポリエステル系樹脂)テレフタル酸/イソフタル酸/
セバシン酸/トリメリット酸/トリメリット酸=56/
27/15/2、グリコール成分がエチレングリコール
/ネオペンチルグリコール=50/50からなる共重合
ポリエステル100重量部にメチルエーテル化メチロー
ルメラミンを17重量部混合した固形分が50%のシク
ロヘキサノン溶液を使用した。
【0051】
【表1】 表1の結果より、本発明品は従来の代表的な樹脂被覆加
工布帛である塩化ビニル系樹脂で被覆した比較例5と比
べて軽量であるにもかかわらず、耐水性、縫製性、難燃
性、耐候性についてほぼ同等で、防汚性については優れ
ており防水布として物性状満足できる性能を有するもの
であった。比較例5は塩化ビニル系樹脂を使用している
ため廃棄に際しては燃焼時にハロゲン元素を含む有害な
ガスや煙、残査が発生するものである。
【0052】難燃剤を含水無機金属塩として水酸化アル
ミ二ウムを用いた比較例4は難燃性は付与できるもの
の、100部以上の高充填が必要であり樹脂物性の大幅
な低下が避けられないものであり、産業資材用途に用い
る樹脂被覆加工布帛としては不適当であった。、
【0053】
【発明の効果】本発明は難燃性、高周波ウェルダー接着
等の縫製性、耐久性、防汚性等に優れ、且つ軽量で扱い
易く、燃焼時にハロゲン元素を含む有毒ガスを発生しな
い防水布を提供することができる。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維布帛が、熱可塑性樹脂と、縮合燐酸エ
    ステルおよび芳香族ジフォスフェートの少なくとも一種
    の難燃性化合物とを含む樹脂混合物で被覆された繊維構
    造物であり、次の1〜5の全て物性を満足するものであ
    ることを特徴とする防水布。 (1)樹脂混合物総付着量が、200g/m2 以下で、
    かつ、表面の付着量が裏面の付着量の2倍以上である。 (2)防水性が、JIS L1096に基づいて測定し
    たとき、1000mmH2 O以上である。 (3)縫製部接着力が、JIS K6854に基づいて
    測定したとき、5kg/3cm 以上である。 (4)防炎性が、JIS A1322に基づいて測定し
    たとき、防炎2級に合格するものである。 (5)防炎性が、JIS L1092に基づいて測定し
    たとき、合格するものである。
  2. 【請求項2】該縮合燐酸エステルが、下記化学式で表さ
    れるものである請求項1記載の防水布。 【化1】
  3. 【請求項3】該芳香族ジフォスフェートが、下記化学式
    で表されるものである請求項1記載の防水布。 【化2】
  4. 【請求項4】該樹脂混合物の付着量が、該繊維布帛表面
    側が120g/m2 以上で、、その裏面側が50g/m
    2 以下である請求項1記載の防水布。
  5. 【請求項5】該熱可塑性樹脂が、ポリウレタン樹脂であ
    る請求項1または4記載の防水布。
  6. 【請求項6】該繊維布帛の表面と、裏面のポリウレタン
    樹脂の種類が異なるものである請求項5記載の防水布。
  7. 【請求項7】該繊維布帛の表面側のポリウレタン樹脂
    が、150℃以下の軟化温度を有するものである請求項
    5または6記載の防水布。
  8. 【請求項8】該難燃化合物の配合量が、該熱可塑性樹脂
    100重量部に対し、20重量部以上である請求項1記
    載の防水布。
  9. 【請求項9】該熱可塑性樹脂が、着色剤、紫外線吸収剤
    および光安定剤から選ばれた少なくとも1種を含有して
    いるものである請求項1記載の防水布。
  10. 【請求項10】該繊維布帛が、ポリエステル系繊維製で
    ある請求項1記載の防水布。
  11. 【請求項11】該ポリエステル系繊維が、難燃剤を含む
    ものである請求項1記載の防水布。
  12. 【請求項12】該防水布の少なくとも表面が、次に示す
    共重合ポリエステル系樹脂で被覆されているものである
    請求項1〜11のいずれかに記載の防水布。
  13. 【請求項13】 該共重合ポリエステル系樹脂が、少な
    くとも30モル%がテレフタル酸である芳香族ジカルボ
    ン酸とアルキレングリコールを主体とするグリコールと
    からなり、かつ、該酸成分および該グリコール成分の少
    なくとも一方が、多価化合物を含むものである請求項1
    2記載の防水布。
  14. 【請求項14】 該多価化合物が、全酸成分に対し0.
    5〜10モル%の3価のポリカルボン酸および/または
    全アルコール成分に対し0.5〜10モル%の3価以上
    のポリオールである請求項13記載の防水布。
  15. 【請求項15】該多価化合物が、脂肪族ジカルボン酸か
    らなる共重合ポリエステルに、アルキルエーテル化ホル
    ムアルデヒド樹脂を5〜30重量%配合してなる共重合
    ポリエステル系樹脂を含むものである請求項13または
    14記載の防水布。
  16. 【請求項16】 該共重合ポリエステル系樹脂が、0.
    5g/m2 以上付着しているものである請求項12〜1
    5のいずれかに記載の防水布。
  17. 【請求項17】該防水布が、建築用膜材用、テント倉庫
    用、帆布用、建築工事用シート用および車両用帆布用の
    いずれかに使用するものである請求項1〜16のいずれ
    かに記載の防水布。
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