JP2017128829A - 防炎加工布帛およびプリント物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ノンハロゲンであり、高い防炎性能を有し、かつ、インク滲み防止性や色材の発色性にも優れた防炎加工布帛およびプリント物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明にかかる防炎加工布帛は、布帛に、180℃以下の温度範囲において融点を有しない有機リン系化合物と、バインダー樹脂が、少なくとも付与されてなるものである。また、本発明にかかるプリント物は、前記防炎加工布帛に、プリント画像が付与されてなるものである。【選択図】 なし
Description
本発明は、防炎加工布帛およびプリント物に関し、特には、ノンハロゲンであり、高い防炎性能を有し、かつ、インク滲み防止性や色材の発色性にも優れた防炎加工布帛およびプリント物に関する。
布帛に模様や文字が付されたプリント物の製造には、スクリーンプリントなどの捺染技術や、インクジェットプリント装置を用いた画像印刷に関する技術が利用されている。インクジェットプリントは、版を作製する必要のある従来の捺染方法とは異なり、インクの微小液滴をインクジェットヘッドより吐出して布帛上に画像を形成するため、様々な画像の付与が可能であり、また、諧調性に優れた画像を形成することが可能である(例えば特許文献1、特許文献2)。
このようなプリント物にも防炎性能付与の要求が高まっている。なお、従来は防炎剤として臭素系化合物等を含有するハロゲン系防炎剤が多く用いられていたが、近年では環境への配慮から、ハロゲンを含まない(ノンハロゲンである)ことが強く求められるようになった。
この課題に対し、防炎性能を付与するためにリン酸塩系防炎剤が使用されるようになってきているが、ハロゲン系防炎剤に比べて防炎性能が低いという課題があった。
また、防炎性能を付与した布帛に対してインクジェットプリントを行う場合、防炎剤の影響によってインク滲みが発生する問題や、画像が白化して発色性が低下するなどの問題があり、インク滲み防止性や発色性と防炎性能とを両立させることは困難であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ノンハロゲンであり、高い防炎性能を有し、かつ、インク滲み防止性や色材の発色性にも優れた、防炎加工布帛およびプリント物を提供することを目的とする。
本発明にかかる防炎加工布帛は、布帛に、180℃以下の温度範囲において融点を有しない有機リン系化合物と、バインダー樹脂が、少なくとも付与されてなるものである。
また、本発明にかかるプリント物は前記防炎加工布帛に、プリント画像が付与されてなるものである。
また、本発明にかかるプリント物は前記防炎加工布帛に、プリント画像が付与されてなるものである。
本発明によれば、ノンハロゲンであり、高い防炎性能を有し、かつ、インク滲み防止性や色材の発色性にも優れた防炎加工布帛およびプリント物を提供することができる。
<防炎加工布帛>
本発明の一実施形態の防炎加工布帛は、布帛に、180℃以下の温度範囲において融点を有しない有機リン系化合物と、バインダー樹脂が、少なくとも付与されてなるものである。以下、それぞれの構成について説明する。
本発明の一実施形態の防炎加工布帛は、布帛に、180℃以下の温度範囲において融点を有しない有機リン系化合物と、バインダー樹脂が、少なくとも付与されてなるものである。以下、それぞれの構成について説明する。
本発明に用いられる布帛を構成する素材としては、特に限定するものではないが、例えば、レーヨン、綿、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル、ナイロン、羊毛及び絹などが挙げられる。
布帛を構成する素材は、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、旗、幟、懸垂幕のような広告資材、テーブルクロス、カーテン、カーペットのようなインテリア資材、自動車等のシート材をはじめとした車両資材などに使用することを目的としている場合には、強度の面からポリエステル繊維を含有するものが好ましい。
布帛を構成する素材は、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、旗、幟、懸垂幕のような広告資材、テーブルクロス、カーテン、カーペットのようなインテリア資材、自動車等のシート材をはじめとした車両資材などに使用することを目的としている場合には、強度の面からポリエステル繊維を含有するものが好ましい。
布帛としては、織物、編み物、不織布等いずれの形態にしたものでもよい。また、混紡布帛や混紡不織布等も用いることができる。
上記のような布帛を構成する糸の太さとしては、10〜100dtexであることが好ましい。
本発明にかかる防炎加工布帛には、180℃以下の温度範囲において融点を有しない有機リン系化合物が用いられる。これにより、布帛に高い防炎性能を付与することができるとともに、インク滲み防止性も付与することができる。つまり、上述の有機リン系化合物を用いることにより、加工時の乾燥工程等において通常行われる熱処理によって有機リン系化合物が溶融・皮膜化することがなく粒子形状を保持できるため、布帛上に付与された有機リン系化合物の粒子がインクの濡れ広がりを抑制することによってプリント時のインク滲みを防止することができる。なお、加工時の乾燥工程等において通常行われる熱処理は、200℃以下の温度、例えば、80〜180℃の温度で行うことが一般的とされる。
前記有機リン系化合物は200℃以上の範囲に分解点を有するものであることが好ましい。これにより、加工時の乾燥工程等における熱処理では前記有機リン系化合物が分解することはなく、製品に十分な防炎性能を与えることができる。なお、加工時の乾燥工程等において通常行われる熱処理は、200℃以下の温度、例えば、80〜180℃の温度で行うことが一般的とされる。
分解点の上限温度としては特に限定するものではない。
分解点の上限温度としては特に限定するものではない。
本発明に用いられる有機リン系化合物の具体例としては、メラミンポリホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどが挙げられる。なかでも、防炎性能が高いという点で、メラミンポリホスフェートが好ましい。
前記有機リン系化合物は、平均粒径が300〜1000nmであることが好ましく、520〜860nmであることがより好ましい。平均粒径を上記範囲とすることにより、プリント時、布帛がインクを十分に吸収することができるとともに、色材を布帛表面にとどめることができる。
前記有機リン系化合物は、防炎加工布帛重量の2%以上となるように付与されていることが好ましく、4%以上であることがより好ましい。前記有機リン系化合物が防炎加工布帛重量の2%以上となるように付与されていることにより、インク滲み防止性と防炎性能とを両立しつつ、高発色なプリント物を得ることができる。また、上限としては、防炎加工布帛重量の10%以下となるように付与されていることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。前記有機リン系化合物が防炎加工布帛重量の10%以下となるように付与されていることにより、風合いのよい防炎加工布帛およびプリント物を得ることができる。
本発明にかかる防炎加工布帛には、バインダー樹脂が用いられる。これにより、有機リン系化合物を布帛に固着させ、防炎性能に耐水性を持たせることができる。
本発明に用いられるバインダー樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられるが、粒子状物質を布帛に固着させられるものであれば、特別制限はない。
前記バインダー樹脂は、布帛に防炎加工布帛重量の0.2%以上付与されていることが好ましく、1%以上であることがより好ましい。前記バインダー樹脂が布帛に防炎加工布帛重量の0.2%以上付与されていることにより、前記有機リン系化合物の粒子を布帛に十分に固着させることができ、防炎加工布帛が水にぬれた際に前記有機リン系化合物の粒子が脱落して防炎性能が低下することを防ぐことができる。また、防炎加工布帛重量の20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。付与量が防炎加工布帛重量の20%以下であることにより布帛自体の風合いを保つことができる。
前記有機リン系化合物および前記バインダー樹脂の付与方法としては特に限定するものではなく、公知の方法から適宜選定すればよい。なかでも、これらを含む処理液を作製し、付与する方法が、コスト面などの点から好ましい。なお、処理液については上述した付与量となるよう適宜調製すればよく、特に限定するものではない。
前記処理液には、発色性を向上させるなどの目的で、カチオン性樹脂、無機塩類、無機物、糊剤などを添加してもよい。
カチオン性樹脂としては、ハロゲン元素を含まない硫酸塩類(例えば、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)等)などが挙げられる。
無機塩類としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫化マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
無機物としては、シリカやアルミナのような酸化物などが挙げられる。
糊剤としては、可溶性デンプン(デキストリン等)、デンプン誘導体(カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシメチルスターチ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、アセチルセルロース等)、海藻糊(アルギン酸ナトリウム等)、植物ガム質(アラビアガム、トラガントガム、ローカストビーンガム等)、合成糊(アクリル酸系、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル等)などが挙げられる。
カチオン性樹脂としては、ハロゲン元素を含まない硫酸塩類(例えば、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)等)などが挙げられる。
無機塩類としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫化マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
無機物としては、シリカやアルミナのような酸化物などが挙げられる。
糊剤としては、可溶性デンプン(デキストリン等)、デンプン誘導体(カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシメチルスターチ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、アセチルセルロース等)、海藻糊(アルギン酸ナトリウム等)、植物ガム質(アラビアガム、トラガントガム、ローカストビーンガム等)、合成糊(アクリル酸系、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル等)などが挙げられる。
また、処理液の長期保存安定性を保つために、防腐剤、防カビ剤などを添加してもよい。防腐剤、防カビ剤としては、ベンツイミダゾール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ピリチオン系化合物、トリアジン系化合物などを適宜添加することができる。
前記処理液の付与方法についても特に限定するものではなく、公知の付与方法から適宜選定すればよい。付与方法の例としては、ディップニップ法、コーティング法、スプレー法などが挙げられる。なかでも、処理液を布帛に均一に付与することができる点では、ディップニップ法が好ましい。
前記処理液を布帛に付与した後、加熱乾燥により処理液中の成分を布帛に固着させることが好ましい。加熱乾燥の方法については特に限定するものではなく、公知の方法から適宜選定すればよい。加熱乾燥の例としては、熱風による乾燥、遠赤外線よる乾燥、加熱板や加熱シリンダーに接触させて乾燥させる方法などが挙げられる。なかでも、布帛に付与した処理液中の成分が均一性を維持した状態で布帛に固着されやすい点、温度管理が比較的容易な点で、熱風による乾燥が好ましい。
加熱乾燥時の温度は、200℃以下の温度、例えば、80〜180℃の温度で行うことが一般的であり、100℃〜170℃が好ましい。
加熱乾燥時の温度は、200℃以下の温度、例えば、80〜180℃の温度で行うことが一般的であり、100℃〜170℃が好ましい。
<プリント物>
本発明にかかるプリント物は、上述した防炎加工布帛にプリント画像が付与されてなるものである。
本発明にかかるプリント物は、高い防炎性能を有するとともに、色材の発色性やインク滲み防止性についても高い性能を有する。
本発明にかかるプリント物は、上述した防炎加工布帛にプリント画像が付与されてなるものである。
本発明にかかるプリント物は、高い防炎性能を有するとともに、色材の発色性やインク滲み防止性についても高い性能を有する。
画像をプリントする際に用いられる色材としては、有機顔料、無機顔料、分散染料、反応染料、酸性染料などが挙げられ、適宜選定することができる。
画像のプリント方法としては、スクリーンプリント、インクジェットプリントなどが挙げられる。なかでも、様々な画像の付与が可能であり、また諧調性に優れた画像を形成することが可能な点で、インクジェットプリントが好ましい。
インクジェットプリントを行う場合に用いられるインクジェットプリント装置としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式等の連続方式、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式等のオンデマンド方式などが挙げられ、いずれも採用可能である。
インクジェットプリント等による画像のプリントを行った後には、通常、発色処理が行われる。発色処理は、布帛の繊維表面に付着したのみで十分に固着していない染料を熱処理などによって布帛に固着させ、インク本来の色相を発現させる処理である。
発色処理方法については特に限定するものではなく、公知の発色技術(例えば乾熱処理や蒸熱処理など)から適宜選定すればよい。
また、プリントを行った布帛は、直ちに発色処理されてもよく、しばらくおいてから発色処理されてもかまわない。
発色処理を行う際の温度は、200℃以下の温度、例えば、80〜180℃の温度で行うことが一般的であり、100℃〜170℃が好ましい。
発色処理方法については特に限定するものではなく、公知の発色技術(例えば乾熱処理や蒸熱処理など)から適宜選定すればよい。
また、プリントを行った布帛は、直ちに発色処理されてもよく、しばらくおいてから発色処理されてもかまわない。
発色処理を行う際の温度は、200℃以下の温度、例えば、80〜180℃の温度で行うことが一般的であり、100℃〜170℃が好ましい。
また、プリントを行う工程と発色処理を行う工程との間に乾燥工程を設けることもできる。乾燥工程における乾燥方法としては、特に限定するものではなく、公知の方法から適宜選択すればよい。また、加熱乾燥、非加熱乾燥のいずれも採用可能である。加熱乾燥の例としては、熱風による乾燥、遠赤外線よる乾燥、加熱板や加熱シリンダーに接触させて乾燥させる方法などが挙げられる。また、非加熱乾燥としては、自然乾燥、除湿機や除湿剤を設置した除湿空間を通過させて乾燥させる方法、ファンを用いて布帛へ直接送風し乾燥させる方法などが挙げられる。
また、本発明においては、必要に応じてその他の工程を適宜設けてもよく、特に制限するものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(1)布帛
本発明においては、目付80g/m2の布帛(ポリエステル100%)を用いた。
本発明においては、目付80g/m2の布帛(ポリエステル100%)を用いた。
(2)分散液の調製
表1に記載の処方からなる各材料を順次混合した後、ビーズミルを用いて分散し、分散液x1〜x4をそれぞれ調製した。なお、分散は化合物粒径が表1に示す大きさに到達したところで停止した。
表1に記載の処方からなる各材料を順次混合した後、ビーズミルを用いて分散し、分散液x1〜x4をそれぞれ調製した。なお、分散は化合物粒径が表1に示す大きさに到達したところで停止した。
(3)処理液の調製
表2に記載の処方からなる各添加剤を順次混合、溶解して、各実施例および比較例に用いる処理液をそれぞれ調製した。
表2に記載の処方からなる各添加剤を順次混合、溶解して、各実施例および比較例に用いる処理液をそれぞれ調製した。
(4)処理液の付与
(1)の布帛に、各処理液を、ディップニップ法を用いてピックアップ率60%となるよう付与し、その後150℃の熱風で1分間乾燥させ、実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛を得た。
(1)の布帛に、各処理液を、ディップニップ法を用いてピックアップ率60%となるよう付与し、その後150℃の熱風で1分間乾燥させ、実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛を得た。
(5)分散染料インクの調製
次の処方からなる各材料を順次混合した後、ビーズミルを用いて分散し、分散液を調製した。なお、分散は分散染料粒子の平均粒径が200nmに到達したところで停止した。
<分散液処方>
分散染料(C.I.DISPERSE RED) 25部
グリセリン 30部
分散剤(日本製紙(株)製、パニレックスN) 12部
イオン交換水 33部
総量 100部
次いで調製した分散液を用いて、下記処方に準じて分散染料インクを調製した。
<分散染料インク処方>
分散液 40部
エチレングリコール 20部
グリセリン 10部
ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部
イオン交換水 29.5部
総量 100部
次の処方からなる各材料を順次混合した後、ビーズミルを用いて分散し、分散液を調製した。なお、分散は分散染料粒子の平均粒径が200nmに到達したところで停止した。
<分散液処方>
分散染料(C.I.DISPERSE RED) 25部
グリセリン 30部
分散剤(日本製紙(株)製、パニレックスN) 12部
イオン交換水 33部
総量 100部
次いで調製した分散液を用いて、下記処方に準じて分散染料インクを調製した。
<分散染料インク処方>
分散液 40部
エチレングリコール 20部
グリセリン 10部
ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム 0.5部
イオン交換水 29.5部
総量 100部
次いで、濾過、脱気処理を行った。濾過は、3μmメンブランフィルターを用いて行った。脱気処理は、気体透過性のある中空糸膜(三菱レーヨン社製)内に調製した各インクを通液し、中空糸膜の外表面側を水流アスピレータで減圧することにより、インク中の溶存気体を除去した。また、脱気後は真空パックに充填し、空気の混入を防いだ。
(6)インクジェットプリント
実施例1〜3、および比較例1、2で得られた防炎加工布帛に対し、(5)のインクを用い、下記条件にてインクジェットプリントを行った。
<インクジェットプリント条件>
インクジェットプリント装置:オンデマンド方式シリアル走査型
ノズル径:50μm
駆動電圧:100V
周波数:5kHz
解像度:360dpi
実施例1〜3、および比較例1、2で得られた防炎加工布帛に対し、(5)のインクを用い、下記条件にてインクジェットプリントを行った。
<インクジェットプリント条件>
インクジェットプリント装置:オンデマンド方式シリアル走査型
ノズル径:50μm
駆動電圧:100V
周波数:5kHz
解像度:360dpi
(7)乾燥・発色処理
インクジェットプリント後の布帛を25℃の室温環境下で自然乾燥させた後、170℃で1分間、乾熱処理による発色を行い、実施例1〜3、および比較例1、2のプリント物を得た。
インクジェットプリント後の布帛を25℃の室温環境下で自然乾燥させた後、170℃で1分間、乾熱処理による発色を行い、実施例1〜3、および比較例1、2のプリント物を得た。
本実施例における評価は次のように行った。
[評価1]インク滲み防止性
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛に対し、(6)のインクジェットプリント条件に従い、0.5mm幅の細線を連続的に印字し、(7)の乾燥・発色を行った後、下記基準により評価した。結果を表3に示す。
○:問題なく細線が表現されている
△:拡大すると滲みが確認できる
×:目視にて明らかなにじみが確認できる
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛に対し、(6)のインクジェットプリント条件に従い、0.5mm幅の細線を連続的に印字し、(7)の乾燥・発色を行った後、下記基準により評価した。結果を表3に示す。
○:問題なく細線が表現されている
△:拡大すると滲みが確認できる
×:目視にて明らかなにじみが確認できる
[評価2]発色性
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛に対し、(6)のインクジェットプリント条件に従い、インクジェットプリントによりベタ柄を印字し、(7)の乾燥・発色を行った後、下記基準により評価した。結果を表3に示す。
○:十分な鮮明さがあり、色に深みがある
△:鮮明であるが、色の深みが十分でない
×:鮮明さがない
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛に対し、(6)のインクジェットプリント条件に従い、インクジェットプリントによりベタ柄を印字し、(7)の乾燥・発色を行った後、下記基準により評価した。結果を表3に示す。
○:十分な鮮明さがあり、色に深みがある
△:鮮明であるが、色の深みが十分でない
×:鮮明さがない
[評価3]防炎性能(45°ミクロバーナー法)
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛と、評価2でインクジェットプリントを行った実施例1〜3、および比較例1、2のプリント物に対し、それぞれ、50℃の温水に30分間浸漬し、次いで自然乾燥させた後、消防法施行規則第4条3に規定される「45°ミクロバーナー法」に準じて防炎性能試験を実施した。
試験により燃焼した面積を測定し、下記評価基準に基づき評価した。結果を表3に示す。なお、測定範囲枠まで炎が燃え広がった場合は「∞」と表記した。
○:燃焼面積が30cm2以下
×:燃焼面積が30cm2を超える
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛と、評価2でインクジェットプリントを行った実施例1〜3、および比較例1、2のプリント物に対し、それぞれ、50℃の温水に30分間浸漬し、次いで自然乾燥させた後、消防法施行規則第4条3に規定される「45°ミクロバーナー法」に準じて防炎性能試験を実施した。
試験により燃焼した面積を測定し、下記評価基準に基づき評価した。結果を表3に示す。なお、測定範囲枠まで炎が燃え広がった場合は「∞」と表記した。
○:燃焼面積が30cm2以下
×:燃焼面積が30cm2を超える
[評価4]防炎性能(45°コイル法)
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛と、評価2でインクジェットプリントを行った実施例1〜3、および比較例1、2のプリント物に対し、それぞれ、50℃の温水に30分間浸漬し、次いで自然乾燥させた後、消防法施行規則第4条3に規定される「45°コイル法」に準じて防炎性能試験を実施した。次いで、試験結果を下記評価基準に基づき評価した。結果を表3に示す。
○:試験体が燃え尽きるまでの回数が3回以上である
×:試験体が燃え尽きるまでの回数が3回未満である
実施例1〜3、および比較例1、2の防炎加工布帛と、評価2でインクジェットプリントを行った実施例1〜3、および比較例1、2のプリント物に対し、それぞれ、50℃の温水に30分間浸漬し、次いで自然乾燥させた後、消防法施行規則第4条3に規定される「45°コイル法」に準じて防炎性能試験を実施した。次いで、試験結果を下記評価基準に基づき評価した。結果を表3に示す。
○:試験体が燃え尽きるまでの回数が3回以上である
×:試験体が燃え尽きるまでの回数が3回未満である
実施例1〜3の防炎加工布帛は、いずれも良好なインク滲み防止性および発色性を有するとともに、各防炎試験においても優れた防炎性能を有するものであった。また、防炎性能については、プリント加工後も十分に維持されるものであった。
一方、比較例1の防炎加工布帛は、45°ミクロバーナー法においては良好な防炎性能が得られたものの、45°コイル法においては合格基準を満たすことができなかった。また、インク滲み防止性や発色性に劣るものであった。
また、比較例2の防炎加工布帛は、良好なインク滲み防止性および発色性を有するものの、防炎性能についてはいずれの防炎試験においても十分な結果を得ることはできなかった。
一方、比較例1の防炎加工布帛は、45°ミクロバーナー法においては良好な防炎性能が得られたものの、45°コイル法においては合格基準を満たすことができなかった。また、インク滲み防止性や発色性に劣るものであった。
また、比較例2の防炎加工布帛は、良好なインク滲み防止性および発色性を有するものの、防炎性能についてはいずれの防炎試験においても十分な結果を得ることはできなかった。
Claims (6)
- 布帛に、180℃以下の温度範囲において融点を有しない有機リン系化合物と、バインダー樹脂が、少なくとも付与されてなる防炎加工布帛。
- 前記有機リン系化合物の分解点が、200℃以上である、請求項1に記載の防炎加工布帛。
- 前記有機リン系化合物の平均粒径が300〜1000nmである、請求項1または2に記載の防炎加工布帛。
- 前記有機リン系化合物の含有量が、防炎加工布帛重量の2〜10%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防炎加工布帛。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の防炎加工布帛に、プリント画像が付与されてなるプリント物。
- 前記画像がインクジェットプリント画像である、請求項5に記載のプリント物。
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