JP5042498B2 - 難燃剤及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃剤及び難燃性樹脂組成物に関するものである。
一般に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリレート、エポキシ樹脂等の樹脂類は、その電気的絶縁性、強度、軽量性、耐熱性、耐水性、及び耐薬品性により、例えば電気製品のパッケージ、建材、繊維、日用雑貨等に至るまで幅広く使用されている。しかしながら、これらの一般樹脂は、炭素、水素及び/または酸素を構成主成分とするものであり、容易に着火して燃焼し、大量の炎、熱、有毒な煙等を出すため、その用途は著しく限定されている。このため、種々の難燃剤が開発されており、有機系難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤等が知られている。無機系難燃剤としては、酸化アンチモン化合物、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ホウ素化合物等が知られている。これらは、単独あるいは2種以上の混合物として用いられる。ハロゲン系難燃剤と酸化アンチモン化合物のように、2種以上の混合物を組み合わせて用いると相乗効果が発揮されるものも知られている。例えば、特許文献1においては、ハロゲン系難燃剤と酸化アンチモン化合物を含む樹脂組成物が開示されている。しかしながら、高温になった場合や、加工の際に有毒なハロゲン(臭素及び塩素)ガスを発生するという問題がある。また、酸化アンチモン化合物は、有毒でアンチモン中毒を引き起こす可能性があり、環境上、健康上の理由から好ましくない。
特許文献2においては、リン系難燃剤が開示されている。しかしながら、単独で充分な難燃効果を得ようとすると、樹脂100重量部に対して10重量%以上使用する必要があり、このため、高温下での樹脂の加水分解が生じ、樹脂の物性を低下させる。
また、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムも、充分な難燃性を得るためには多量に配合する必要があり、機械的強度の低下をもたらす。
また、無機層状化合物(モンモリロナイト等の珪酸塩)を難燃剤として使用することが提案されている。特許文献3においては、層状粘土鉱物/ハロゲン系難燃剤/酸化アンチモンの組み合わせが提案されている。特許文献4においては、層状粘土鉱物/リン酸エステル系難燃剤/酸化アンチモンの組み合わせが提案されている。しかしながら、これらはいずれも有毒なハロゲン系難燃剤や酸化アンチモン化合物を用いており、環境上・健康上の面から好ましくない。
いずれにしても、樹脂本来が有する特性を損なうことなく、かつ環境面・健康面での問題が全くなく、難燃グレードがUL94規格のV−0またはV−1を達成できる一般樹脂用難燃剤はいまだ開発されていないのが現状である。
特開平8−109287号公報 特開平11−106597号公報 特開平11−189710号公報 特開平11−228748号公報 特許第2979132号公報 国際公開第99/11574号パンフレット 特許第3062497号公報 国際公開第03/016218号パンフレット 特開平6−93133号公報
本発明の目的は、新規な難燃剤及びこれを含有した難燃性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第1の局面に従う難燃剤は、樹脂に添加して難燃性を付与するための難燃剤であって、有機塩基性化合物を層間に挿入したナノシート化層状チタン酸からなることを特徴としている。
上記ナノシート化層状チタン酸は、例えば、層状チタン酸塩を酸または温水で処理し、次いで有機塩基性化合物を作用させ、層間を膨潤または剥離して得ることができる。また、層状チタン酸塩を酸または温水で処理する工程と有機塩基性化合物を作用させる工程とをワンポットで行い、層間を膨潤または剥離して得られるものであってもよい。
本発明の第2の局面に従う難燃剤は、上記本発明の第1の局面に従うナノシート化層状チタン酸の層間に、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物、またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を挿入したナノシート化層状チタン酸からなることを特徴としている。すなわち、本発明の第2の局面に従う難燃剤は、樹脂に添加して難燃性を付与するための難燃剤であって、有機塩基性化合物と、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物とを層間に挿入した、またはハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を層間に挿入したナノシート化層状チタン酸からなることを特徴としている。
第2の局面のナノシート化層状チタン酸は、例えば、層状チタン酸塩を酸または温水で処理し、次いで有機塩基性化合物及びハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を作用させ、またはハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物のみを作用させ、層間を膨潤または剥離して得ることができる。また、層状チタン酸塩を酸または温水で処理する工程と、有機塩基性化合物及び/またはハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を作用させる工程とをワンポットで行い、層間を膨潤または剥離して得られるものであってもよい。
本発明の第3の局面に従う難燃性樹脂組成物は、上記本発明の第1の局面または第2の局面に従うナノシート化層状チタン酸を、樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部含有させたことを特徴としている。
ナノシート化層状チタン酸の樹脂中におけるアスペクト比(Z)は、50〜100000の範囲であることが好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂組成物においては、ナノシート化層状チタン酸に加えて、さらに他の難燃剤が含有されていることが好ましい。例えば、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物を樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部さらに含有させたものが挙げられる。また、ナノシート化層状チタン酸に加えて、ハロゲンを含まない有機系または無機系の難燃剤を樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部さらに含有させたものが挙げられる。
本発明の樹脂成形品は、本発明の難燃性樹脂組成物を成形したことを特徴としている。本発明の成形品には、フィルムなどの成形品も含まれる。
本発明におけるナノシート化層状チタン酸が樹脂に添加されて樹脂に難燃性を付与する理由は、以下のように推測される。すなわち、本発明のナノシート化層状チタン酸は、樹脂中で数nm〜数十nmに膨潤しへき開して、互いに数十nm〜数百nmの距離に分散したナノコンポジットが形成され、これによりガスバリアー及び液体バリアーの機能が発現される。すなわち、樹脂が高温にさらされた時に発生する可燃性のガス及び樹脂ドリップが、支燃性の空気に触れるのを妨害して遅らせ、さらにナノシート化層状チタン酸が有する断熱性とあいまって、この遅延時間により、いったん表面で燃えてできたガスやドリップが固まり、難燃性の炭化固形物(チャー)を形成することにより、消化に至らしめるものと考えられる。
また、ナノシート化層状チタン酸の層間に特定の難燃剤を挿入することにより、さらに難燃性の高い難燃剤とすることができる。具体的には、上述のように、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物、またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を層間に挿入することにより、より難燃性に優れたナノシート化層状チタン酸とすることができる。特にナノシート化層状チタン酸のアスペクト比が比較的小さい場合に、これらの難燃剤の層間挿入は有効である。
また、本発明のナノシート化層状チタン酸に加えて、他の難燃剤を併用することにより、より少量で難燃性を付与することが可能となる。併用する他の難燃剤としては、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物、ハロゲンを含まない有機系または無機系の難燃剤が挙げられる。
本発明によれば、ナノシート化層状チタン酸が有するガスバリアー性、液体バリアー性、及び断熱性により、優れた難燃性を樹脂に付与することができる。また、ナノシート化層状チタン酸に由来すると考えられる機械的強度や耐熱性により、良好な機械的強度を保った状態で高い難燃性を付与することができ、たとえ燃焼しても形状崩壊が起こらず、延焼を防ぐことができる。
また、本発明によれば、ハロゲンやアンチモン化合物を含むことなく、優れた難燃性を樹脂に付与することができるので、使用後の廃棄処理の際にも環境面から好ましい樹脂組成物とすることができる。
本発明の第1の局面において用いるナノシート化層状チタン酸は、層状チタン酸塩を酸または温水で処理する工程と、層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物を作用させる工程から製造することができる。より具体的には、層状チタン酸塩を、
(1)酸または温水で処理し、Ti以外の金属イオンを水素及び/またはヒドロニウムイオンで置換する工程、
(2)層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物を作用させ、層間を膨潤または剥離する工程を含む製造方法により得ることができる。
原料となる層状チタン酸塩は、例えば、特許文献5に開示の方法に従い、炭酸セシウムと二酸化チタンをモル比1:5.3で混合し、800℃で焼成することにより得られるCs0.7Ti1.83が挙げられる。
また、特許文献6に開示の方法に従い、炭酸カリウムと炭酸リチウムと二酸化チタンをK/Li/Ti=3/1/6.5(モル比)で混合して摩砕し、800℃で焼成することによりK0.80.27Ti1.73が得られる。
さらには、特許文献7に開示の方法に従い、アルカリ金属またはアルカリ金属のハロゲン化物もしくは硫酸塩をフラックスとし、フラックス/原料の重量比が0.1〜2.0となるように混合した混合物を700〜1200℃で焼成することにより得られる一般式A□Ti2−(y+z)(式中A及びMは互いに異なる1〜3価の金属、□はTiの欠陥部位を示す。xは0<x<1.0を満たす正の実数であり、y及びzはそれぞれ0<y+z<1.0を満たす0または正の実数である。)で表される層状チタン酸塩が挙げられる。上記一般式におけるAは、価数1〜3価の金属であり、好ましくは、K、Rb、及びCsから選ばれる少なくとも一種であり、Mは、金属Aとは異なる価数1〜3価の金属であり、好ましくは、Li、Mg、Zn、Cu、Fe、Al、Ga、Mn、及びNiから選ばれる少なくとも一種である。具体的な例としては、K0.80Li0.27Ti1.73、Rb0.75Ti1.75Li0.25、Cs0.70Li0.23Ti1.77、Ce0.700.18Ti1.83、Ce0.70Mg0.35Ti1.65、K0.8Mg0.4Ti1.6、K0.8Ni0.4Ti1.6、K0.8Zn0.4Ti1.6、K0.8Cu0.4Ti1.6、K0.8Fe0.8Ti1.2、K0.8Mn0.8Ti1.2、K0.76Li0.22Mg0.05Ti1.73、K0.67Li0.2Al0.07Ti1.73等が挙げられる。
また、特許文献8に開示された方法に従い、K0.80.27Ti1.73を酸洗後、焼成して得られるK0.5〜0.7Li0.27Ti1.733.85〜3.95が挙げられる。
本発明において原料となる好ましい層状チタン酸塩は、一般式A□Ti2−(y+z)(式中A及びMは互いに異なる1〜3価の金属、□はTiの欠陥部位を示す。xは0<x<1.0を満たす正の実数であり、y及びzはそれぞれ0<y+z<1.0を満たす0または正の実数である。)で表される層状チタン酸塩であり、特に好ましくはK0.8Li0.27Ti1.73である。
本発明に用いるナノシート化層状チタン酸を製造する方法としては、工程(1)に次いで工程(2)を行う方法(製造方法1)と、工程(1)と工程(2)をワンポットで行う方法(製造方法2)がある。
工程(1)に次いで工程(2)を行う方法(製造方法1)としては、まず、例えば上記一般式で示される層状チタン酸塩を、酸処理または温水処理[工程(1)]を行う。
酸処理の場合は、例えば、上記一般式で示される層状チタン酸塩の水分散液に、好ましくは撹拌下、酸を加えればよい。水分散液中の層状チタン酸塩の量は特に制限されず、作業性等を考慮して適宜選択すればよい。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、硼酸等の無機酸を好ましく使用できるが、有機酸を用いても良い。酸の使用量は、層状チタン酸塩の上記一般式中のA及び/またはMイオンの水素及び/またはヒドロニウムイオンへの置換率に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常、層状チタン酸塩のイオン交換容量の10〜2000当量%程度を用いれば良い。酸処理は1回の操作で行っても良いし、酸の濃度を低くするかまたは酸の使用量を少なくして、繰り返し行っても良い。繰り返し酸処理を行うと、置換率を容易に変化させることができる。これにより、少量の酸でも回数を重ねれば置換率を変化させることができる。反応は、通常室温〜40℃で、30分〜24時間程度行う。
温水処理の場合は、例えば、通常40℃以上、好ましくは60℃以上の温水に層状チタン酸塩を分散させ、撹拌すればよい。温水処理は、通常1〜10時間、好ましくは2〜5時間で終了する。温水処理は繰り返し行っても良い。
酸処理または温水処理により、層状チタン酸塩中のA及び/またはMイオンが水素及び/またはヒドロニウムイオンで置換された層状チタン酸を得ることができる。なお、得られる層状チタン酸における、A及びMで示される金属の水素及び/またはヒドロニウムイオンへの置換率は、公知の方法に従って測定できる。例えば、Liは、試料を硫酸アンモニウム含有硫酸に溶解した後、炎光分析により定量できる。同時にK、Ti、Mg、Rb、Cs、Zn、Al、Fe、Mn、Cu、Ni、Ga等は蛍光X線分析法で定量できる。従って、酸処理または温水処理前後の金属量を定量することにより、置換率を算出できる。
次いで、上記で得られた層状チタン酸に、層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物を作用させ、層間を膨潤または剥離する[工程(2)]。
層間膨潤作用のある有機塩基性化合物としては、例えば、1級〜3級アミン及びそれらの塩、アルカノールアミン及びそれらの塩、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アミノ酸及びそれらの塩等が挙げられる。1級アミン類としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等及びこれらの塩が挙げられる。2級アミン類としては、例えば、ジエチルアミン、ジペンチルアミン、ジオクチルアミン、ジベンジルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジ(3−エトキシプロピル)アミン等及びこれらの塩が挙げられる。3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、トリ(3−エトキシプロピル)アミン、ジポリオキシエチレンドデシルアミン等及びこれらの塩が挙げられる。アルカノールアミン類としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等及びこれらの塩が挙げられる。水酸化4級アンモニウム塩類としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。4級アンモニウム塩類としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、トリメチルフェニルアンモニウム塩、ジメチルジステアリルアンモニウム塩、ジメチルジデシルアンモニウム塩、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム塩、ドデシルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンドデシルメチルアンモニウム等が挙げられる。
ホスホニウム塩類としては、例えば、テトラブチルホスホニウム塩、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム塩、ドデシルトリブチルホスホニウム塩、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩等の有機ホスホニウム塩等が挙げられる。また、12−アミノドデカン酸、アミノカプロン酸等のアミノ酸類及びこれらの塩や、ポリエチレンイミン等のイミン類及びこれらの塩も使用可能である。
そして、これらの有機塩基性化合物は、目的に応じて、1種類あるいは数種類を混合して用いても良い。
層間膨潤作用のある有機塩基性化合物を作用させるためには、酸処理または温水処理後の層状チタン酸を水系媒体に分散させた懸濁液に、撹拌下、有機塩基性化合物または有機塩基性化合物を水系媒体で希釈したものを加えれば良い。あるいは有機塩基性化合物の水系溶液に、撹拌下、該層状チタン酸、またはその懸濁液を加えても良い。
水系媒体または水系溶液とは、水、水に可溶な溶媒、または水と水に可溶な溶媒との混合溶媒、あるいはその溶液を意味する。
水に可溶な溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、プロピレンカーボネート等のエステル類を挙げることができる。
有機塩基性化合物の添加量は、上記一般式で示される層状チタン酸塩のイオン交換容量の1〜200当量%、好ましくは5〜100当量%とするのがよい。ここで、イオン交換容量とは、層状チタン酸塩の上記一般式のAの価数をm、Mの価数をnとするとき、mx+nyで表される値をいう。
反応は、通常60〜90℃で、30分〜24時間程度行う。
以上の製造方法1により本発明に用いるナノシート化層状チタン酸を得ることができる。
工程(1)と工程(2)をワンポットで行う方法(製造方法2)としては、上記一般式で示される層状チタン酸塩に、酸と層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物をワンポットで作用させる。本発明においてワンポットとは、酸及び有機塩基性化合物の添加を洗浄工程などの他の工程を間に挟むことなく続けて行うか、あるいは酸及び有機塩基性化合物を同時に添加することを意味している。
例えば、該層状チタン酸塩を水系媒体に分散させた懸濁液に、撹拌下、酸または水系媒体で希釈した酸を加えた後、続けてさらに層間膨潤作用のある有機塩基性化合物または層間膨潤作用のある有機塩基性化合物を水系媒体で希釈したものを加えれば良い。また、層状チタン酸塩を水系媒体に分散させた懸濁液に、撹拌下、層間膨潤作用のある有機塩基性化合物または層間膨潤作用のある有機塩基性化合物を水系媒体で希釈したものを加えた後、続けてさらに酸または水系媒体で希釈した酸を加えてもよい。また、あらかじめ層間膨潤作用のある有機塩基性化合物と酸を混合したもの、またはこれを水系媒体で希釈したものを上記懸濁液に加えても良い。さらに添加順序を逆にして、層状チタン酸塩、または層状チタン酸塩を水系媒体に分散させたものを上記酸と有機塩基性化合物の混合液に添加しても良い。ここで水系媒体とは、水、水に可溶な溶媒、または水と水に可溶な溶媒との混合溶媒を意味し、水に可溶な溶媒としては、(製造方法1)で例記したものが使用できる。
また、酸としては、(製造方法1)で例記したものが使用できる。
酸の使用量は、層状チタン酸塩の上記一般式中のA及び/またはMイオンの水素及び/またはヒドロニウムイオンへの置換率に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常、層状チタン酸塩のイオン交換容量の5〜250当量%、好ましくは10〜200当量%を用いれば良い。200当量%より多くすると、上記チタン酸塩のA及び/またはMイオンが水素イオン及び/またはヒドロニウムイオンで置換されるのみで、層間膨潤は起こりにくくなる。
層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物としては、(製造方法1)で例記したものが使用できる。
層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物の使用量は、層状チタン酸塩のイオン交換容量の5〜100当量%、好ましくは、10〜100当量%を用いれば良い。5当量%より少なければほとんど膨潤が進まず、100当量%より多くしても膨潤への効果は少なく、経済的に不利であるばかりか、濾過等の妨げにもなる可能性がある。
層状チタン酸塩に、層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物と酸をワンポットで作用される際、特に加熱が必要条件ではないが、反応促進のため、または、層間膨潤作用を有する塩基性化合物を溶解させるため加熱しても良い。
反応は、通常60〜90℃で、30分〜24時間程度行う。
以上の製造方法2により本発明に用いるナノシート化層状チタン酸を得ることができる。
本発明に用いるナノシート化層状チタン酸の形状は、板状または薄片状(燐片状)であり、通常平均厚さが0.5nm〜20μm、好ましくは1nm〜10μm、平均長径が通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmである。
本発明の第2の局面に従うナノシート化層状チタン酸は、本発明の第1の局面におけるナノシート化層状チタン酸と同様に、層状チタン酸塩を原料として用いて製造することができる。具体的には、本発明の第1の局面と同様にして、上記一般式で表される層状チタン酸塩を、酸または温水で処理した後、層間膨潤作用を有する有機塩基性化合物の代わりに、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を作用させる、あるいは層間膨潤作用を有する塩基性化合物を作用させた後、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を作用させればよい。
また、有機塩基性化合物を作用させる際に、これらの化合物を同時に作用させ、有機塩基性化合物とこれらの化合物を同時に層間に挿入してもよい。ハロゲンを含まないホスファゼン化合物及びハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物については、後に詳細に説明する。
本発明の第2の局面において、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物及びハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物の量は、層状チタン酸塩のイオン交換容量の1〜200当量%、好ましくは5〜100当量%とするのがよい。
これらの化合物は、目的に応じて、1種類あるいは数種類を混合して用いても良い。
本発明の第3の局面に従う難燃性樹脂組成物において、第1の局面及び第2の局面のナノシート化層状チタン酸の配合量は樹脂種によって変化するが、一般に樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部使用でき、望ましくは1〜20重量部である。
本発明に使用される難燃剤としては、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物、ハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物、またはハロゲンを含まない有機系または無機系の難燃剤が挙げられる。
ハロゲンを含まないホスファゼン化合物としては、特に限定されないが、アルキルオキシ基で置換されたホスファゼン化合物及びその架橋物が望ましい。例えば、一般式(A)で示される環状フェノキシホスファゼン化合物、あるいは一般式(B)で示される直鎖または分岐状フェノキシホスファゼン化合物が例示される。
Figure 0005042498
(式中mは3〜25の整数を、Phはフェニル基を示す。)
Figure 0005042498
(式中Xは基−N=P(OPh)または基−N=P(O)OPhを示し、Yは基−N=P(OPh)または基−N=P(O)OPhを示し、nは3〜1000の整数を、Phはフェニル基を示す。)
また、上記一般式(A)または(B)の化合物が、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、及び一般式(C)で表されるビスフェニレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋基により架橋されている架橋フェノキシホスファゼン化合物も好適な化合物として用いることができる。
Figure 0005042498
(式中Aは−C(CH−、−SO−、−S−または−O−を示し、zは0または1を示す。)
また、ハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物としては、例えば、メラミン、メチロールメラミン類などのメラミン誘導体、シアヌル酸、メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレート、イソシアヌル酸、N,N’−ジエチルイソシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートなどのシアヌル酸、イソシアヌル酸またはその誘導体、メラミンイソシアヌレートなどのメラミン(誘導体)と(イソ)シアヌル酸(誘導体)との塩、テトラゾールグアニジン塩、テトラゾールピペラジン塩、テトラゾールアンモニウム塩等のテトラゾールアミン塩類、また、テトラゾールナトリウム塩、テトラゾールマンガン塩等のテトラゾール金属塩類などのテトラゾール化合物、例えば、5,5’−ビステトラゾール2グアニジン塩、5,5’−ビステトラゾール2アンモニウム塩、5,5’−ビステトラゾール2アミノグアニジン塩、5,5’−ビステトラゾールピペラジン塩などが挙げられる。
その使用量は樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部であり、好ましくは1〜7重量部である。
これらの難燃剤は、目的に応じて、1種類あるいは数種類を混合して用いても良い。
また、上記難燃剤の他に、ハロゲンを含まない有機系及び無機系の難燃剤も使用することができる。
有機系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの脂肪族系リン酸エステル類、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどの芳香族系リン酸エステル類、レゾルシノール・ビス(ジフェニルホスフェ―ト)、レゾルシノール・ビス(ジキシレニルホスフェ―ト)、レゾルシノール・ビス(ジクレジルホスフェ―ト)、ハイドロキノン・ビス(ジキシレニルホスフェ―ト)、ビスフェノールA・ビス(ジフェニルホスフェ―ト)等の芳香族ビス(リン酸エステル)類、及びこれらのポリマーであるポリ芳香族ビス(リン酸エステル)類などのリン酸エステル誘導体などが挙げられる。
また、無機系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化モリブデン、タルク、さらには水和アルミ、カオリン・クレー、ホウ酸亜鉛等の含水無機化合物、さらにはAl、Fe、Cu等のナノメタル等が挙げられる。
その使用量は樹脂100重量部に対して0.05〜50重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。これらの難燃剤は、目的に応じて、1種類あるいは数種類を混合して用いても良い。
前記した難燃剤のうち、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物、及びハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物は、本発明の第2の局面におけるナノシート化層状チタン酸の層間に挿入して用いることもできる。
本発明に用いられるナノシート化層状チタン酸の樹脂組成物中でのアスペクト比は、直接測定が極めて困難であるが、例えば特許文献9で開示されている方法で妥当性の高い値を求めることができる。
すなわち、ナノシート化層状チタン酸のアスペクト比(Z)は、Z=L/aなる関係で示される[Lは、溶媒中、動的光散乱法により求めた粒径であり、aは、層状チタン酸塩の単位厚みである。(単位厚みaは、粉末X線回折法などによって層状チタン酸塩単独の測定で求められる。)]。但し、Z=L/aにおいて、組成物の粉末X線回折から得られた面間隔dが存在し、a<dなる関係を満たす。ここで、d−aの値が組成物中の樹脂1本鎖の幅以上であれば、樹脂組成物中において、ナノシート化層状チタン酸の層間に樹脂が挿入されていることになり、よってナノシート化層状チタン酸の厚みは単位厚みaになっていることは明らかである。また、動的光散乱で用いた溶媒と同種の溶媒で十分に膨潤させて樹脂に複合させる場合を考えれば、樹脂中でのナノシート化層状チタン酸の粒径は溶媒中のそれとかなり近いと考えることができる。上記2点より、このアスペクト比の定義は比較的妥当性の高いものと考えられる。本発明において、アスペクト比及び粒径は、上記で定義したものを意味する。
本発明で用いられる樹脂としては、特に限定されないが、例えば熱硬化性樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂・ビスフェノールF型エポキシ樹脂・ビスフェノールS型エポキシ樹脂・フェノールノボラック型エポキシ樹脂・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂・ナフタレン型エポキシ樹脂・ビフェニル型エポキシ樹脂・芳香族アミン及び複素環式塩基からのN−グリシジル化合物及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる他、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂・フェノール樹脂・ポリウレタン樹脂・ポリイミド樹脂等が挙げられるが、公知のものであれば何であっても良い。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン・ポリエステル・ポリカーボネ―ト・ポリメタクリル酸メチルやポリエーテルエーテルケトン・液晶ポリマー等のエンジニアリングプラスチックスも挙げられる。
近年特に注目されている生分解性樹脂や、難燃性の面で特に注目されているゴム類に対しても本発明のナノシート化層状チタン酸は有効であり、ポリ乳酸・ポリブチレンサクシネート・ポリビニルアルコール等の生分解性樹脂、天然ゴム・ブタジエンゴム・NBR・SBR等のゴム類等が例示できる。
本発明の難燃性熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、ナノシート化層状チタン酸に必要とあれば有機系及び無機系の難燃剤を加え、バンバリ―ミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練機を用いて混合及び混練した後、必要とあれば硬化剤や硬化促進剤を入れ混合・脱泡し金型中に流し込み硬化成形を行うか、あるいは硬化途中で加熱プレスを行って成形する。あるいはこれらの作業を、熱硬化性樹脂を有機溶剤に溶かした溶液として行い、フッ化樹脂シート上でキャストフィルムとしても良い。
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に、所定量のナノシート化層状チタン酸及び必要に応じて樹脂添加剤を、公知の手段に従って混合、または混練することにより製造できる。例えば、粉末、ビーズ、フレークまたはペレット状の各成分を必要に応じてミキサーやタンブラーで混合した後、1軸押出機、2軸押出機等の押出機、バンバリ―ミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練機を用いて混合及び混練することにより、本発明の難燃性樹脂組成物を得ることができる。このようにして得られる樹脂組成物を粉砕機やペレタイザーでペレット化し、射出成形や押出し成形等の公知の成形手段に従って、フィルム、チューブ、シート、各種成形品等の任意の形状に加工することができる。また、ナノシート化層状チタン酸を高濃度に含んだマスターバッチを作製し、射出成形や押出し成形等により成形加工する段階で、マスターバッチの樹脂と同種または異種の樹脂で希釈または混合して使用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、射出成形や押出成形などの方法によって、各種成形品、フィルム、繊維、シートなどとして使用でき、フィルムとしては、未延伸、一軸延伸、ニ軸延伸などの各種フィルムとして、繊維としては、未延伸糸、延伸糸などの各種繊維として利用することができる。または、これらは電気・電子部品、建築部材、自動車部品、日用品など各種用途に利用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は公知の発泡方法を用いて発泡体とすることができる。また、本発明の樹脂組成物には必要に応じて、抗酸化剤・光安定剤・帯電防止剤・加工助剤等を配合することができる。
次に合成例、実施例及び比較例をあげて、本発明のナノシート化層状チタン酸が配合された難燃性樹脂組成物及びその製造方法について、より具体的に説明するが、本発明はこれらの合成例や実施例に限定されるものではない。以下に示す%及び部は、特にことわらない限り重量基準である。
<層状チタン酸塩の合成>
(合成例1)
炭酸カリウム27.64g、炭酸リチウム4.91g、二酸化チタン69.23g及び塩化カリウム74.56gを乾式で粉砕混合した原料を1100℃にて4時間焼成した。焼成後の試料を10kgの純水に浸して20時間撹拌後に分離、水洗したものを110℃で乾燥した。得られた白色粉末は、層状チタン酸塩K0.8Li0.27Ti1.73であり、平均長径44μm、面間隔(単位厚み)aは0.778nmであった。
(合成例2)
合成例1で得られた層状チタン酸塩の10.9%水スラリー79.2リットルを調製し、10%硫酸水溶液4.7kgを加えて2時間攪拌し、スラリーのpHを7.0に調製した。分離、水洗したものを110℃で乾燥した後、600℃で12時間焼成した。得られた白色粉末は、層状チタン酸塩K0.6Li0.27Ti1.733.9であり、平均長径44μm、面間隔(単位厚み)aは0.776nmであった。
(合成例3)
炭酸カリウム27.64g、炭酸リチウム4.91g、二酸化チタン69.23gを乾式で粉砕混合した原料を950℃にて4時間焼成した。焼成後の試料を10kgの純水に浸して20時間撹拌後に分離、水洗したものを110℃で乾燥した。得られた白色粉末は、層状チタン酸塩K0.8Li0.27Ti1.73であり、平均長径9μm、面間隔(単位厚み)aは0.777nmであった。
(合成例4)
炭酸セシウム88.84g、二酸化チタン69.23gを乾式で粉砕混合した原料を800℃にて40時間焼成した。焼成後の試料を10kgの脱イオン水に浸して20時間撹拌後に分離、水洗したものを110℃で乾燥した。得られた白色粉末は、層状チタン酸塩Cs0.7Ti1.83であり、平均長径1μm、面間隔(単位厚み)aは0.937nmであった。
<ナノシート化層状チタン酸の合成>
(合成例5)
35%塩酸80gを脱イオン水8kgで希釈した後、12−アミノドデカン酸83gを添加し、溶解した。さらに合成例1の層状チタン酸塩130gを添加し、80℃で1時間反応させた後、吸引濾過で分離した。熱水で洗浄後、空気中40℃で乾燥した。さらに、減圧下160℃で12時間乾燥し、平均長径Lが42μmのナノシート化層状チタン酸を得た。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は53985となる。
(合成例6)
35%塩酸8.0gを脱イオン水800gで希釈した後、オクタデシルアミン21gを添加し、溶解した。さらに合成例1の層状チタン酸塩13gを添加し、80℃で1時間反応させた後、吸引濾過で分離した。水とメタノールの混合液で十分に洗浄後、空気中40℃で乾燥した。さらに、減圧下160℃で12時間乾燥し、平均長径Lが41μmのナノシート化層状チタン酸を得た。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は52699となる。
(合成例7)
合成例1の層状チタン酸塩130gを1.75%塩酸5kgに分散撹拌し、分離、水洗を3回繰返して、KイオンとLiイオンを水素イオンまたはヒドロニウムイオンに交換した層状チタン酸とした。この層状チタン酸50gをさらに脱イオン水4kgに分散し、80℃に加熱撹拌しながら、ビス(ポリオキシエチレン)ヤシ油アルキルアミン131gを脱イオン水/イソプロパノール混合液500gに溶解させたものを添加した。一時間加熱撹拌を続けた後、濾過して取り出した。80℃の脱イオン水/イソプロパノール混合液で十分洗浄した後、空気中40℃で乾燥した。さらに、減圧下に160℃で12時間乾燥し、平均長径Lが42μmのナノシート化層状チタン酸を得た。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は54123となる。
(合成例8)
合成例1の層状チタン酸塩を用い、合成例7と同様の方法で、ジメチルジステアリルアンモニウム塩で処理した平均長径Lが42μmのナノシート化層状チタン酸を得た。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は54123となる。
(合成例9)
合成例2の層状チタン酸塩を用い、合成例7と同様の方法で、ドデシルメチルビスヒドロキシエチルアンモニウム塩で処理した平均長径Lが41μmのナノシート化層状チタン酸を得た。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は52835となる。
(合成例10)
合成例3の層状チタン酸塩130gを1.75%塩酸5kgに分散撹拌し、分離、水洗を3回繰返して、KイオンとLiイオンを水素イオンまたはヒドロニウムイオンに交換した層状チタン酸とした。この層状チタン酸18gを600gの水に分散し、0.6%の3−メトキシプロピルアミン水溶液285gを攪拌しながら添加し、1時間攪拌した。引き続いて、撹拌しながら、環状フェノキシホスファゼンである1,1,3,3,6,6−フェノキシ−1,3,6−トリアザ−2,3,5−トリホスホニルの塩酸塩70gを添加した。1時間撹拌を続けた後、濾過して取り出した。熱水800gで3回洗浄後、空気中40℃で乾燥した。さらに減圧下に160℃で12時間乾燥し、平均長径Lが9μmのナノシート化層状チタン酸を得た。TG/DTAでの熱分解減量および蛍光X線でのリン含量分析により、層状チタン酸塩のイオン交換容量に対して、3−メトキシプロピルアミンが18.2当量%、1,1,3,3,6,6−フェノキシ−1,3,6−トリアザ−2,3,5−トリホスホニルが7.9当量%層間に挿入されたナノシート化層状チタン酸であった。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は11583となる。
(合成例11)
合成例4の層状チタン酸塩130gを1.75%塩酸5kgに分散撹拌し、分離、水洗を3回繰返して、Csイオンを水素イオンまたはヒドロニウムイオンに交換した層状チタン酸とした。この層状チタン酸18gを600gの水に分散し、0.6%の3−メトキシプロピルアミン水溶液285gを攪拌しながら添加し、1時間攪拌した。引き続いて、撹拌しながら、シアヌル酸メラミン90gを添加した。1時間撹拌を続けた後、濾過して取り出した。熱水800gで3回洗浄後、空気中40℃で乾燥した。さらに減圧下に160℃で12時間乾燥し、平均長径Lが1μmのナノシート化層状チタン酸を得た。TG/DTAでの熱分解減量および濾液のGC分析により、層状チタン酸塩のイオン交換容量に対して、3−メトキシプロピルアミンが21.1当量%、シアヌル酸メラミンが6.5当量%層間に挿入されたナノシート化層状チタン酸であった。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は1067となる。
(合成例12)
合成例3の層状チタン酸塩130gを1.75%塩酸5kgに分散撹拌し、分離、水洗を3回繰返して、KイオンとLiイオンを水素イオンまたはヒドロニウムイオンに交換した層状チタン酸とした。この層状チタン酸50gを2kgの水に分散し、80℃に加熱攪拌しながら、環状フェノキシホスファゼンである1,1,3,3,6,6−フェノキシ−1,3,6−トリアザ−2,3,5−トリホスホニルの塩酸塩190gを添加した。1時間撹拌を続けた後、濾過して取り出した。熱水800gで3回洗浄後、空気中40℃で乾燥した。さらに減圧下に160℃で12時間乾燥し、平均長径Lが9μmのナノシート化層状チタン酸を得た。蛍光X線でのリン含量分析により、層状チタン酸塩のイオン交換容量に対して、1,1,3,3,6,6−フェノキシ−1,3,6−トリアザ−2,3,5−トリホスホニルが5.4当量%層間に挿入されたナノシート化層状チタン酸であった。樹脂組成物中でのアスペクト比Z(=L/a)は11583となる。
[熱硬化性樹脂組成物]
(実施例1)
最も一般的な熱硬化性樹脂である、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:ジャパンエポキシレジン(株)製)30gを100mlの撹拌槽に入れ合成例5のナノシート化層状チタン酸を樹脂100部に対して20部入れて、110℃で1時間撹拌した後、N,N−ジメチルベンジルアミン5部を入れ、適度にゲル化が進行した後、型枠に入れて100℃で1時間及び150℃で5時間かけて硬化させ、厚さ1/16インチ、長さ5インチ、巾0.5インチのUL94試験法記載の試験片を作成し、UL94試験法に則って難燃性試験を実施した。また、延焼防止に重要なドリップ落下の有無を、試験片の真下20cmのところに外科用綿を置き、燃焼脱落物によって外科用綿が着火するかどうか(耐ドリップ性)を目視で観察することによって行った。その結果UL94の難燃性はV−0であり、燃焼脱落物による外科用綿の着火は見られなかった。また、同樹脂組成物のX線回折測定から、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
(実施例2)
最も一般的な熱硬化性樹脂である、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:ジャパンエポキシレジン(株)製)30gを100mlの撹拌槽に入れ、合成例6のナノシート化層状チタン酸を樹脂100部に対して5部、及び架橋フェノキシホスファゼンオリゴマー(SPB−100:大塚化学(株)製)1部を加えて、110℃で1時間撹拌した後、N,N−ジメチルベンジルアミン5部を入れ、適度にゲル化が進行した後、型枠に入れて100℃で1時間及び150℃で5時間かけて硬化させ、UL94試験法記載の試験片を作成し、UL94試験法に則って難燃性試験を実施した。また、延焼防止に重要なドリップ落下の有無を、試験片の真下20cmのところに外科用綿を置き、燃焼脱落物によって外科用綿が着火するかどうか(耐ドリップ性)を目視で観察することによって行った。その結果UL94の難燃性はV−0であり、燃焼脱落物による外科用綿の着火は見られなかった。また、同樹脂組成物のX線回折測定から、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
(実施例3〜14)
実施例1と同様にして、エポキシ樹脂100部に対して、添加するナノシート化層状チタン酸の種類と割合、及び同時に加える難燃剤の種類と量を変化させた場合の、UL94試験法における難燃性試験及び耐ドリップ性試験の結果を表1に示す。また同時に実施例1、2の結果も合わせて表1に示す。尚、同樹脂組成物のX線回折測定から、いずれの樹脂組成物においても、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
Figure 0005042498
(実施例15)
ポリピロメリットアミン酸(ポリイミドの前駆体)10gとジメチルアセトアミド100mlを300mlの撹拌槽に入れ、合成例5のナノシート化層状チタン酸を樹脂100部に対して5部入れて室温で12時間撹拌した後、フッ化樹脂型枠シート上で窒素気流下150℃で12時間及び300℃で5時間かけて硬化させUL94試験法記載の試験片を作成し、UL94試験法に則って難燃性試験を実施した。また、延焼防止に重要なドリップ落下の有無を、試験片の真下20cmのところに外科用綿を置き、燃焼脱落物によって外科用綿が着火するかどうか(耐ドリップ性)を目視で観察することによって行った。その結果UL94の難燃性はV−0であり、燃焼脱落物による外科用綿の着火は見られなかった。また、同樹脂組成物のX線回折測定から、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
(比較例1)
Na−モンモリロナイト(クニピアF;クニミネ工業(株)製)80gを80℃の脱イオン水5Lに分散した。12−アミノドデカン酸28.5g、及び濃塩酸1mLを80℃の脱イオン水2Lに溶解し、この溶液を攪拌した上記モンモリロナイト分散液に添加した。得られた沈殿物を濾過し、80℃の脱イオン水2Lで3回洗浄した後、空気中40℃で乾燥した。さらに、減圧下110℃で12時間乾燥し、12−アミノドデカン酸で有機化されたモンモリロナイトを得た。
実施例1において使用したナノシート化層状チタン酸に代えて、上記有機化モンモリロナイトを用い、エポキシ樹脂組成物における同様の試験を行った場合のUL94試験法における難燃性試験及び耐ドリップ性試験の結果を表2に示す。
(比較例2〜6)
比較例1と同様の方法で合成した各種有機化処理モンモリロナイトを用いて、エポキシ樹脂組成物における同様の試験を行った場合のUL94試験法における難燃性試験及び耐ドリップ性試験の結果を表2に示す。
Figure 0005042498
[熱可塑性樹脂組成物]
(実施例16)
ポリプロピレン樹脂100部に対して合成例6のナノシート化層状チタン酸5部及び架橋フェノキシホスファゼンオリゴマー(SPB−100:大塚化学(株)製)1部を加えて、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混錬した。混練条件は230℃、60rpm、5分間とした。取り出した樹脂組成物を粉砕し、射出成形機(商品名ミニマットM26、住友重機(株)製、シリンダー温度240℃、金型温度50℃)にてUL94試験法における難燃性試験片を作成し、UL94試験法に則って難燃性試験を実施した。この場合も、延焼防止に重要なドリップ落下の有無を、実施例1と同様の方法によって行った。その結果UL94の難燃性はV−0であり、燃焼脱落物による外科用綿の着火は見られなかった。また、同樹脂組成物のX線回折測定から、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
(実施例17)
ポリフェニレンサルファイト樹脂100部に対して合成例8のナノシート化層状チタン酸5部及び架橋フェノキシホスファゼンオリゴマー(SPB−100:大塚化学(株)製)1部を加えて、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混錬した。混練条件は290℃、60rpm、5分間とした。取り出した樹脂組成物を粉砕し、射出成形機(商品名ミニマットM26、住友重機(株)製、シリンダー温度300℃、金型温度110℃)にてUL94試験法における難燃性試験片を作成し、UL94試験法に則って難燃性試験を実施した。この場合も、延焼防止に重要なドリップ落下の有無を、実施例1と同様の方法によって行った。その結果UL94の難燃性はV−0であり、燃焼脱落物による外科用綿の着火は見られなかった。また、同樹脂組成物のX線回折測定から、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
(実施例18〜22)
実施例16と同様にして、種々の樹脂種において、添加するナノシート化層状チタン酸の割合は樹脂100部に対して5部に固定化しておいて、その種類、及び同時に加える難燃剤の種類と量を変化させた場合の、UL94試験法における難燃性試験及び耐ドリップ性試験の結果を表3に示す。尚、同樹脂組成物のX線回折測定から、いずれの樹脂組成物においても、ナノシート化層状チタン酸の面間隔が拡がっていることを確認した。
Figure 0005042498
(比較例7〜11)
比較例1と同様の方法で合成した各種有機化処理モンモリロナイトを用いて、添加する量を樹脂に対して5部に固定し、同様の試験を行った場合のUL94試験法における難燃性試験及び耐ドリップ性試験の結果を表4に示す。
Figure 0005042498
これらの結果より、層状ケイ酸塩であるモンモリロナイトと比較してナノシート化層状チタン酸の方がはるかに高い難燃性を示している。その理由としては、一つにはモンモリロナイトのアスペクト比がせいぜい100〜500程度であるのに対して層状チタン酸シートは50〜100,000もあり、そのガス及び液体に対するバリアー性がはるかに高いことがある。また、ナノシート化層状チタン酸の熱拡散率及び熱伝導率が層状ケイ酸塩の半分程度であることから、フィラーの持つ断熱性がナノシート化層状チタン酸の方が高いことも理由として挙げられる。
〔吸水率試験〕
次に、本発明におけるナノシート化層状チタン酸を配合した樹脂について吸水率試験を行った。比較としてはモンモリロナイトを用いた。ナノシート化層状チタン酸及びモンモリロナイトのいずれについても、12−アミノドデカン酸の層間挿入物を用いた。なお、樹脂としては、前記と同様のエポキシ樹脂を用い、添加量は5部とした。吸水率は5cm×5cm×1mmの板状サンプルを純水に浸漬し、初期値に対する5時間後の重量変化率を測定し、吸水率とした。評価結果を表5に示す。
Figure 0005042498
表5に示すように、本発明のナノシート化層状チタン酸を配合したエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂単独及びモンモリロナイトを配合したエポキシ組成物に比べ吸水率が低くなっており、本発明のナノシート化層状チタン酸を配合したエポキシ樹脂組成物のバリアー性が高いことを示している。この高いバリアー性により、上述のような優れた難燃性付与の効果が得られるものと思われる。
〔フィラーの熱伝導率の評価〕
ナノシート化層状チタン酸については、熱伝導率を測定することができないので、代わりに層状チタン酸塩の熱伝導率及び比較としての合成層状珪酸塩(合成マイカ)の熱伝導率を測定した。それぞれのフィラーをプレスして、厚さ1mm、直径13mmの円盤状ディスクとし、熱伝導率を測定した。測定結果を表6に示す。
Figure 0005042498
表6に示すように、層状チタン酸塩は、合成層状珪酸塩に比べ、熱伝導率が低くなっており、この層状チタン酸塩を原料として用いた本発明のナノシート化層状チタン酸も、熱伝導率が低いと考えられる。この低い熱伝導率により、断熱性が高まり、上述のような優れた難燃性付与の効果が得られるものと思われる。
〔機械的強度及び耐熱性の評価〕
吸水率試験で作製したものと同様の樹脂組成物を作製し、機械的強度(曲げ強度)及び耐熱性(ガラス転移点Tg)を測定した。測定結果を表7に示す。
Figure 0005042498
表7から明らかなように、本発明に従いナノシート化層状チタン酸を配合したエポキシ樹脂組成物は、モンモリロナイトを配合したエポキシ樹脂組成物に比べ、機械的強度に優れ、耐熱性も高くなっていることがわかる。

Claims (21)

  1. 樹脂に添加して難燃性を付与するための難燃剤であって、有機塩基性化合物を層間に挿入したナノシート化層状チタン酸からなることを特徴とする難燃剤。
  2. ナノシート化層状チタン酸が、層状チタン酸塩を酸または温水で処理し、次いで有機塩基性化合物を作用させ、層間を膨潤または剥離して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃剤。
  3. ナノシート化層状チタン酸が、層状チタン酸塩を酸または温水で処理する工程と有機塩基性化合物を作用させる工程とをワンポットで行い、層間を膨潤または剥離して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃剤。
  4. 樹脂に添加して難燃性を付与するための難燃剤であって、有機塩基性化合物と、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物とを層間に挿入した、またはハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を層間に挿入したナノシート化層状チタン酸からなることを特徴とする難燃剤。
  5. ナノシート化層状チタン酸が、層状チタン酸塩を酸または温水で処理し、次いで有機塩基性化合物及びハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を作用させ、またはハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物のみを作用させ、層間を膨潤または剥離して得られるものであることを特徴とする請求項4に記載の難燃剤。
  6. ナノシート化層状チタン酸が、層状チタン酸塩を酸または温水で処理する工程と、有機塩基性化合物及び/またはハロゲンを含まないホスファゼン化合物またはハロゲンを含まない難燃性含窒素ヘテロ環化合物を作用させる工程とをワンポットで行い、層間を膨潤または剥離して得られるものであることを特徴とする請求項4に記載の難燃剤。
  7. 層状チタン酸塩が、一般式A□Ti2−(y+z)(式中A及びMは互いに異なる1〜3価の金属、□はTiの欠陥部位を示す。xは0<x<1.0を満たす正の実数であり、y及びzはそれぞれ0<y+z<1.0を満たす0または正の実数である。)で表されることを特徴とする請求項5または6に記載の難燃剤。
  8. 層状チタン酸塩が、K0.5〜0.8Li0.27Ti1.733.85〜4で表されることを特徴とする請求項5または6に記載の難燃剤。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載のナノシート化層状チタン酸を、樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部含有させたことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  10. ナノシート化層状チタン酸の樹脂中におけるアスペクト比(Z)が50〜100000の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の難燃性樹脂組成物。
  11. ナノシート化層状チタン酸に加えて、ハロゲンを含まないホスファゼン化合物を樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部さらに含有させたことを特徴とする請求項9または10に記載の難燃性樹脂組成物。
  12. ナノシート化層状チタン酸に加えて、ハロゲンを含まない有機系または無機系の難燃剤を樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部さらに含有させたことを特徴とする請求項9または10に記載の難燃性樹脂組成物。
  13. 樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  14. 樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  15. 樹脂が、生分解性樹脂であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  16. 樹脂が、エンジニアリングプラスチックスであることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  17. 樹脂が、ゴム類であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  18. UL94難燃試験においてV−0またはV−1であることを特徴とする請求項9〜17のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  19. 請求項9〜18のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を成形したことを特徴とする樹脂成形品。
  20. 層状チタン酸塩が、一般式A□Ti2−(y+z)(式中A及びMは互いに異なる1〜3価の金属、□はTiの欠陥部位を示す。xは0<x<1.0を満たす正の実数であり、y及びzはそれぞれ0<y+z<1.0を満たす0または正の実数である。)で表されることを特徴とする請求項2または3に記載の難燃剤。
  21. 層状チタン酸塩が、K0.5〜0.8Li0.27Ti1.733.85〜4で表されることを特徴とする請求項2または3に記載の難燃剤。
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