JP4559962B2 - 層状チタン酸ナノシートの製造方法 - Google Patents

層状チタン酸ナノシートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4559962B2
JP4559962B2 JP2005360262A JP2005360262A JP4559962B2 JP 4559962 B2 JP4559962 B2 JP 4559962B2 JP 2005360262 A JP2005360262 A JP 2005360262A JP 2005360262 A JP2005360262 A JP 2005360262A JP 4559962 B2 JP4559962 B2 JP 4559962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
hydroxide
layered
producing
nanosheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005360262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007161532A (ja
Inventor
幸司 衣田
信之 一色
浩司 細川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2005360262A priority Critical patent/JP4559962B2/ja
Publication of JP2007161532A publication Critical patent/JP2007161532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4559962B2 publication Critical patent/JP4559962B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

本発明は、層状チタン酸ナノシートの製造方法に関する。詳しくは、有機物質に対する分散性に優れた層状チタン酸ナノシートを簡便に効率よく製造する方法、及びその製造方法により得られる、各種用途に有用な層状チタン酸ナノシートに関する。
チタン化合物は、セラミックスや複合酸化物等の原料や光触媒材料等として、工業的に広く用いられている。このチタン化合物には各種の形態があるが、チタン含有液は、一般にチタン化合物が微細に分散しているため、触媒として用いる際に高活性のものが得られるという利点がある。
また、チタン化合物の中には、厚さがナノスケールのシートを形成するものがある。
チタン化合物ナノシートは層状チタン化合物をソフト化学的な処理により結晶構造の基本単位である層にまで剥離することにより得られ、分子レベルの厚み(nmレベル)に対して横方向にはその数百倍以上のサイズ(μmレベル)をもち、高表面積であることから、各種用途への応用が期待される。
チタン含有水溶液の製造方法として、アミン類とチタンアルコキシドとの混合液に5〜50倍の量の水を反応させる方法(特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、この方法は、アミン類と水とを混合するものであるため、水と相溶性が乏しい長鎖のアミン類を適用することは困難であり、有機化合物に対する分散性の優れた層状チタン酸ナノシート分散液を製造することは困難であった。
一方、チタン含有原料を高温で焼成し、塩酸水溶液と更に第4級アンモニウムイオンを反応させる、レピドクロサイト型と呼ばれる層状チタン酸化物の製造方法(非特許文献1参照)が報告されている。
この方法は、具体的には、まずCs2CO3:TiO2(モル比)=1:5.2の混合粉末を800℃で20時間焼成して、レピドクロサイト型層状チタン酸化物であるCs0.7Ti1.8250.1754(□は空孔)を合成し、この粉末を1モル/L程度の塩酸水溶液中で攪拌することで、層状構造を維持したまま、層間のCsイオンを全て水素イオンに入れ換えて、H0.7Ti1.8250.1754・H2Oの組成をもつ水素型物質に誘導する。次いで、これに塩基物質であるテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを含む溶液を作用させ、層間に上記塩基物質をインターカレートさせ、コロイド液を得る方法である。
しかしながら、この方法は、チタンを含有する原料を高温で焼成する必要があり、その後の操作も煩雑である。
かかる観点から、層状チタン酸ナノシート、特に有機物質に対する分散性に優れた層状チタン酸ナノシートを簡便に効率よく製造する方法が求められていた。
特許第3502904号明細書 佐々木高義,「新しいナノ素材:酸化物ナノシートコロイド」,色材協会誌,2003年,第76巻,第10号,p.391−396
本発明は、有機物質に対する分散性に優れた層状チタン酸ナノシートを簡便に効率よく製造する方法、及びその製造方法により得られる層状チタン酸ナノシートを提供することを課題とする。
本発明者らは、ホスフィン化合物を用いることにより、所望の層状チタン酸ナノシートを簡便に効率よく製造しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)を提供する。
(1)チタンアルコキシド及び/又はチタン塩を、ホスフィン化合物の存在下で加水分解する層状チタン酸ナノシートの製造方法。
(2)水酸化チタンとホスフィン化合物とを接触させる層状ナノシートの製造方法であって、該水酸化チタンが、チタンアルコキシドのアルコール溶液と水を混合して得られるものであり、ホスフィン化合物が第4級ホスホニウム水酸化物である、層状チタン酸ナノシートの製造方法。
(3)水酸化チタンとホスフィン化合物とを接触させる層状ナノシートの製造方法であって、該水酸化チタンが、チタン塩の加水分解により得られるものであり、該ホスフィン化合物が、第4級ホスホニウム水酸化物である、層状チタン酸ナノシートの製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの製造方法により得られる層状チタン酸ナノシート。
本発明によれば、有機物質に対する分散性に優れた層状チタン酸ナノシートを簡便に効率よく製造する方法、及びその製造方法により得られる、各種用途に有用な層状チタン酸ナノシートを提供することができる。
本発明の方法においては、(i)チタンアルコキシド及び/又はチタン塩を、ホスフィン化合物の存在下で加水分解する方法、(ii)(a)チタンアルコキシドのアルコール溶液と水を混合して得られる水酸化チタン、又は(b)チタン塩の加水分解により得られる水酸化チタンと、ホスフィン化合物とを混合し、接触させる方法により、層状チタン酸ナノシートを製造する。
ここで層状チタン酸ナノシートは、チタンを中心として6個の酸素が配位した8面体構造を基本ユニットとし、このユニットが平面状に並んだ構造を有する。本発明において、層状チタン酸ナノシートは、具体的には3チタン酸、4チタン酸、5チタン酸、6チタン酸、レピドクロサイト型等の構造を有するチタン酸ナノシートを包含する。
(チタン源)
本発明の方法においては、チタン源として、(i)チタンアルコキシド及び/又はチタン塩、(ii)(a)チタンアルコキシドのアルコール溶液と水を混合して得られる水酸化チタン、又は(b)チタン塩の加水分解により得られる水酸化チタンが用いられる。
(チタンアルコキシド)
チタンアルコキシドとしては、炭素数1〜8、好ましくは炭素数2〜6のアルコキシ基を有するものが好ましい。具体的には、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられる。一般的な入手のし易さ、取り扱い性の観点から、特にチタンテトライソプロポキシドが好ましい。
上記チタンアルコキシドは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(チタン塩)
チタン塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、二塩化チタン等の塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル、硝酸チタニル等が挙げられる。一般的に入手しやすく、チタン原料として汎用されている四塩化チタン、硫酸チタン、及び硫酸チタニルから選ばれる1種以上がより好ましい。
上記チタン塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(水酸化チタン)
本発明において、チタン源として使用する水酸化チタンは、チタンアルコキシド又はチタン塩の加水分解により得ることができる。ここで、水酸化チタンは、Ti(OH)2、Ti(OH)3、Ti(OH)4又はH4TiO4なる組成式を有するものを包含する。
(a)チタンアルコキシドの加水分解による水酸化チタンの生成は、上記のチタンアルコキシドのアルコール溶液と水とを混合し、必要により加熱することにより行うことができる。チタンアルコキシドのアルコール溶液の調製に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等が挙げられる。
加水分解において加える水分量は、水酸化チタンを得るために必要な量以上であれば特に制限はないが、チタンアルコキシドの質量に対して5〜50倍量が好ましく、10〜15倍量がより好ましい。加水分解の温度及び時間は、用いるチタンアルコキシドに応じ、適宜選択することができる。
(b)チタン塩の加水分解による水酸化チタンの生成は、上記のチタン塩と水とを混合することにより、又は水との混合後、加熱することにより行うことができる。
加水分解の際には、アルカリを共存させてもよい。共存させることができるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類水酸化物が挙げられる。また、アンモニアやアミン類もアルカリとして使用することができる。これらの中では、入手のし易さ、取り扱い性の観点から、アルカリ金属水酸化物、アンモニア及びアミン類がより好ましい。
アルカリの添加量は、チタン塩水溶液のpHが2以上となる量、より好ましくはpHが4以上となる量が好ましい。
上記のチタン塩は、チタン塩及び/又は水と相溶性の高い溶媒に溶解しておいてもよい。かかる溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコールが挙げられる。
加水分解において加える水分量は、水酸化チタンを得るために必要な量以上であればよいが、チタン塩の質量に対して5〜50倍量が好ましく、10〜15倍量がより好ましい。
加水分解の温度及び時間は、用いるチタン塩に応じ、適宜選択することができる。なお、チタンとともに、他の元素、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等を共存させ、複合化することもできる。
得られた水酸化チタンは、溶液に分散したまま、あるいは溶媒を除去して粉末として用いることができる。
(ホスフィン化合物)
本発明で用いるホスフィン化合物としては、トリアルキルホスフィン類、トリフェニルホスフィン類、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
トリアルキルホスフィン類としては、炭素数1〜10のアルキル基、及び/又は炭素数5又は6のシクロアルキル基を有するものが好ましい。具体的には、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン及びトリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。
トリフェニルホスフィン類としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリベンジルホスフィン、及びトリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
第4級ホスホニウム水酸化物としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004559962
式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基、又は炭素数6〜18個のアリール基又はヒドロキシアリール基を示す。
アルキル基及びヒドロキシアルキル基のR1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜8の直鎖状又は鎖状ものが好ましく、炭素数1〜6個のものが特に好ましい。
アリール基又はヒドロキシアリール基のR1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数6〜12のものが好ましい。
置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、アルコシキ基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。
第4級ホスホニウム水酸化物の好適例としては、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラプロピルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラペンチルホスホニウムヒドロキシド、及びテトラヘキシルホスホニウムヒドロキシド等の炭素数1〜8のアルキル基を有するテトラアルキルホスホニウムヒドロキシド;テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド;エチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ペンチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、2−ジメチルアミノエチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド等のトリフェニルホスホニウムヒドロキシドが挙げられる。
これらの中では、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラプロピルホスホニウムヒドロキシド、及びテトラブチルホスホニウムヒドロキシドが特に好ましい。
前記のホスフィン化合物は、ナノシート生成の観点から、濃度9mmol/Lの水溶液におけるpHが9以上であることが好ましい。
(製造方法)
本発明の製造方法においては、(i)チタンアルコキシド及び/又はチタン塩を、ホスフィン化合物の存在下で加水分解する方法、(ii)(a)チタンアルコキシドのアルコール溶液と水を混合して得られる水酸化チタン、又は(b)チタン塩の加水分解により得られる水酸化チタンと、ホスフィン化合物とを混合し、接触させる方法により、層状チタン酸ナノシートを製造する。
チタンアルコキシド及び/又はチタン塩とホスフィン化合物とを混合する場合の、Ti/ホスフィン化合物のモル比は、反応効率の観点から、その上限が、好ましくは5以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下、特に好ましくは1.5以下であり、その下限が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上である。
前記(i)の方法による場合は、チタンアルコキシドのアルコール溶液を調製し、水の存在下で行うことが好ましい。用いることのできるアルコールは、前記のとおりである。
混合液中のチタン濃度は、酸化チタン(TiO2)換算で0.01〜15質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
前記(ii)の方法による場合は、得られた水酸化チタンとホスフィン化合物とを混合するが、その際には、水を共存させることが好ましい。共存させる水分量は、水酸化チタンとホスフィン化合物の合計のモル数以上あればよい。
また、ホスフィン化合物に相溶性の高い溶媒を添加することで、炭素数の多いアルキル基を有するホスフィン化合物の溶解性を向上させることができ、好ましい。かかる溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン等の含酸素有機溶媒、及びアセトニトリル等の含窒素有機溶媒が挙げられる。これらの中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコールが好ましい。
ホスフィン化合物の含水溶液とチタン源の混合に際し、チタン化合物の白濁を生じることがあるが、継続的に攪拌を行うことで無色透明な液が得られる。
チタン源を混合する際の温度は、特に限定されないが、2〜200℃で有機カチオン含有層状チタン酸のナノシートが好ましく生成する。長鎖ホスフィン化合物の安定性の観点から、10〜150℃がより好ましく、20〜100℃が更に好ましい。反応時間は0.1〜20時間が好ましく、1〜10時間がより好ましい。
また、層構造を発達させるために、ホスフィン化合物とチタン源を混合した後に、更に50〜200℃で水熱合成を行ってもよい。
このようにして、有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートを含有する透明分散液を得ることができる。また、乾燥により該分散液から水又は溶媒を除去することで、有機カチオン含有層状チタン酸ポリアニオンナノシートが製造される。
前記の有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートに、改めて有機溶媒を混合することで、製造の際に用いた有機溶媒と異なる有機溶媒に分散した、有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液を製造することもできる。
このとき用いられる有機溶媒としては、水はもとより、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート等の含酸素有機溶媒、及びアセトニトリル等の含窒素有機溶媒等を挙げることができる。
分散液中のチタン濃度は、酸化チタン(TiO2)換算で0.01〜15質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
層構造をもつチタン酸ナノシートの生成は、X線回折、透過型電子顕微鏡(TEM)観察等により確認することができる。
本発明において、X線回折により、層間隔はカチオンサイズが大きくなるにしたがって増大することが確認されており、有機カチオンは層間に存在しているものと考えられ、このことから有機溶媒への分散性を良好にしているものと推定される。
以下の実施例及び比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」である。
実施例1
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシド0.34g(1.18mmol)を溶解させてチタン源を得た。40%テトラブチルホスホニウムヒドロキシド水溶液0.94g(1.36mmol)を蒸留水150gに加えて、室温下攪拌しながら、前記チタン源を徐々に滴下した。滴下直後より、溶液は白濁したが、攪拌を続けると無色透明溶液になった。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/テトラブチルホスホニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
得られた無色透明溶液をガラス板上に数滴滴下し、乾燥させた膜を用いてX線回折分析を行った。その結果、図1に示すX線回折パターンが得られた。このX線パターンでは、d値で18.28(角度2θで4.83°)付近に主ピーク(第1ピーク)が認められ、次いで第2ピークがd=9.35(9.45°)付近に、第3ピークがd=6.24(14.19°)付近に認められた。第1ピークに対して第2ピーク、第3ピークのd値はそれぞれ約1/2及び1/3になっていることから、生成したチタン酸が層間に有機カチオンを挟んだ層構造であることが確認できた。また、無色透明溶液をラマン分光分析した結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に特有の278cm-1、442cm-1、702cm-1付近にピークが得られた。
前記無色透明溶液を、真空乾燥機を用いて60℃で乾燥し、白色粉体を得た。この粉体0.1gに対して水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランの各溶媒を9.9g添加して攪拌した。攪拌後の様子を目視観察した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
実施例2
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシド33.54g(118mmol)を溶解させたチタン源を得た。
40%テトラブチルホスホニウムヒドロキシド水溶液40.78g(59mmol)を蒸留水に溶解し150gとした。この水溶液を室温下攪拌しながら、前記チタン源を徐々に滴下した。滴下直後より、溶液は白濁したが、攪拌を続けると無色透明溶液になった。このときのTiO2換算濃度は約5%であり、Ti/テトラブチルホスホニウムヒドロキシドのモル比は2.0であった。
得られた無色透明溶液を用いて、実施例1と同様に乾燥してX線回折分析を行った。その結果、層構造を示す図1と同様のX線回折パターンが得られ、生成したチタン酸が層間に有機カチオンを挟んだ層構造であることが確認できた。また、この溶液について、ラマン分光分析を行った結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に類似するピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが各溶媒に十分に分散していることを確認できた。
実施例3
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシド0.34g(1.18mmol)を溶解させたチタン源を、攪拌している蒸留水150gに加えて、加水分解し、生成した水酸化チタンを含む懸濁液を得た。
この水酸化チタンを含む懸濁液を攪拌しながら、40%テトラブチルホスホニウムヒドロキシド溶液0.94g(1.36mmol)を添加した。攪拌を続けると、無色透明溶液になった。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/テトラブチルホスホニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
得られた無色透明溶液を用いて、実施例1と同様に乾燥してX線回折分析を行った。その結果、層構造を示す図1と同様のX線回折パターンが得られ、生成したチタン酸が層間に有機カチオンを挟んだ層構造であることが確認できた。また、この溶液について、ラマン分光分析を行った結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に類似するピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが各溶媒に十分に分散していることを確認できた。
実施例4
四塩化チタン1.18mmol(0.22g)を蒸留水150gに氷冷しながら溶解し、溶解後、室温になるまで放置した。その後、5%アンモニア水をpHが7になるまで添加し、水酸化チタンを得た。
水酸化チタンを濾別、洗浄後、再度蒸留水150gを添加し、攪拌しながら8%テトラエチルホスホニウムヒドロキシド溶液2.79g(1.36mmol)を添加した。攪拌を続けると、無色透明溶液になった。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/テトラエチルホスホニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
得られた無色透明溶液を用いて、実施例1と同様に乾燥してX線回折分析を行った。その結果、層構造を示す図1と同様のX線回折パターンが得られ、生成したチタン酸が層間に有機カチオンを挟んだ層構造であることが確認できた。また、この溶液について、ラマン分光分析を行った結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に類似するピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネートの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
本発明の方法によれば、有機物質に対する分散性に優れた層状チタン酸ナノシートを簡便に効率よく製造することができる。得られた層状チタン酸ナノシートは、高活性触媒等としての利用が期待できる。
実施例1で得られた層状チタン酸の層構成を示すX線回折パターンである。

Claims (8)

  1. チタンアルコキシド及び/又はチタン塩を、第4級ホスホニウム水酸化物の存在下で加水分解する層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  2. チタンアルコキシドが、チタンテトライソプロポキシドである、請求項1に記載の層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  3. チタン塩が、四塩化チタン、硫酸チタン、及び硫酸チタニルから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  4. 水酸化チタンとホスフィン化合物とを接触させる層状ナノシートの製造方法であって、該水酸化チタンが、チタンアルコキシドのアルコール溶液と水を混合して得られるものであり、ホスフィン化合物が第4級ホスホニウム水酸化物である、層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  5. チタンアルコキシドが、チタンテトライソプロポキシドである、請求項に記載の層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  6. 水酸化チタンとホスフィン化合物とを接触させる層状ナノシートの製造方法であって、該水酸化チタンが、チタン塩の加水分解により得られるものであり、該ホスフィン化合物が、第4級ホスホニウム水酸化物である、層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  7. チタン塩が、四塩化チタン、硫酸チタン、及び硫酸チタニルから選ばれる1種以上である、請求項に記載の層状チタン酸ナノシートの製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法により得られる、層状チタン酸ナノシート。
JP2005360262A 2005-12-14 2005-12-14 層状チタン酸ナノシートの製造方法 Expired - Fee Related JP4559962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005360262A JP4559962B2 (ja) 2005-12-14 2005-12-14 層状チタン酸ナノシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005360262A JP4559962B2 (ja) 2005-12-14 2005-12-14 層状チタン酸ナノシートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007161532A JP2007161532A (ja) 2007-06-28
JP4559962B2 true JP4559962B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=38244852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005360262A Expired - Fee Related JP4559962B2 (ja) 2005-12-14 2005-12-14 層状チタン酸ナノシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4559962B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029645A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Nippon Chem Ind Co Ltd 薄片状含水酸化チタン及びその製造方法並びに薄片状酸化チタン

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04280802A (ja) * 1991-03-07 1992-10-06 Res Dev Corp Of Japan 金属酸化物薄膜の製造方法
JP2004331844A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Otsuka Chemical Holdings Co Ltd 発泡性樹脂組成物及びその発泡体
JP2005060600A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Otsuka Chemical Holdings Co Ltd 生分解性樹脂組成物
WO2005068558A1 (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Otsuka Chemical Co., Ltd. 難燃剤及び難燃性樹脂組成物
JP2006206426A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Kao Corp 層状チタン酸ナノシート有機溶媒分散液

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2656778B2 (ja) * 1986-06-26 1997-09-24 モービル・オイル・コーポレイション 層間酸化物を含有する層状金属酸化物およびそれらの合成

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04280802A (ja) * 1991-03-07 1992-10-06 Res Dev Corp Of Japan 金属酸化物薄膜の製造方法
JP2004331844A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Otsuka Chemical Holdings Co Ltd 発泡性樹脂組成物及びその発泡体
JP2005060600A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Otsuka Chemical Holdings Co Ltd 生分解性樹脂組成物
WO2005068558A1 (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Otsuka Chemical Co., Ltd. 難燃剤及び難燃性樹脂組成物
JP2006206426A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Kao Corp 層状チタン酸ナノシート有機溶媒分散液

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007161532A (ja) 2007-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4806564B2 (ja) 層状チタン酸ナノシート有機溶媒分散液
JP2010132514A (ja) チタン酸ナノシート分散液の製造方法
JP4933941B2 (ja) チタン酸ナノシートの製造方法
KR20110082625A (ko) 산화 티타늄 졸의 제조방법
TWI520909B (zh) 金紅石型氧化鈦溶膠的製造方法
JP2008030966A (ja) 金属酸化物ナノ結晶の製造方法
JP4815380B2 (ja) チタン酸ナノシート分散液の製造方法
JP4504177B2 (ja) 層状チタン酸ナノシートの製造方法
Karimian et al. Synthesis and investigation the catalytic behavior of Cr2O3 nanoparticles
JP4559962B2 (ja) 層状チタン酸ナノシートの製造方法
JP4928134B2 (ja) 層状チタン酸ナノシート分散液
Piskin et al. Hydrothermal synthesis of potassium–sodium niobate powders
JP6300313B2 (ja) ルチル型酸化チタンゾル及びその製造方法
JP4559948B2 (ja) 層状チタン酸ナノシート分散液
JP2010083734A (ja) 異種金属元素ドープチタン酸ナノシート分散液
JP4815375B2 (ja) チタン酸ナノシート分散液
Liu et al. Low temperature synthesis of nanocrystallized titanium oxides with layered or tridimensional frameworks, from [Ti8O12 (H2O) 24] Cl8· HCl· 7H2O hydrolysis
JP4764842B2 (ja) チタン酸ナノシート分散液
JP5801622B2 (ja) 板状チタン酸化合物およびその製造方法
JP5415864B2 (ja) 塗料組成物
CN105849049A (zh) 钛酸钡粉体的制造方法
KR100909412B1 (ko) 층상 코발트 산화물 나노콜로이드의 제조방법, 상기 방법에의해 제조된 층상 코발트 산화물 나노콜로이드 및 그보관방법
JP4928161B2 (ja) チタン酸ナノシート分散液
KR101971724B1 (ko) 루틸형 산화티탄졸의 제조 방법
JP2015205807A (ja) チタン酸バリウム粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100713

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100723

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4559962

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees