JP2006206426A - 層状チタン酸ナノシート有機溶媒分散液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機カチオン、好ましくは炭素数2以上の炭化水素基を有する、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム水酸化物、及び第4級ホスホニウム水酸化物から選ばれる1種以上の化合物に由来する有機カチオンを含有する層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液である。
【選択図】なし
Description
また、チタン化合物の中には、厚さがナノスケールのシートを形成するものがある。チタン化合物ナノシートは層状チタン化合物をソフト化学的な処理により結晶構造の基本単位である層にまで剥離することにより得られ、分子レベルの厚み(nmレベル)に対して横方向にはその数百倍以上のサイズ(μmレベル)をもち、高表面積であることから、各種用途への応用が期待される。
しかしながら、この方法で得られるチタン溶液は、水溶液であるために、得られたチタン含有水溶液は水には良好な分散性を示すものの、有機化合物への分散性はよくない。このため、触媒として用いる場合、分散性が悪く、活性が低いという欠点があった。殊に、有機反応の多くは有機溶媒中で行われるため、有機溶媒中での分散性向上が求められていた。また、このチタン溶液を乾燥して得られるチタン化合物は、親水性が高く有機物質との親和性が低いために、有機物質に配合する場合の分散性の向上が求められていた。
この方法は、具体的には、まずCs2CO3:TiO2(モル比)=1:5.2の混合粉末を800℃で20時間焼成して、レピドクロサイト型層状チタン酸化物であるCs0.7Ti1.825□0.175O4(□は空孔)を合成し、この粉末を1モル/L程度の塩酸水溶液中で攪拌することで、層状構造を維持したまま、層間のCsイオンを全て水素イオンに入れ換えて、H0.7Ti1.825□0.175O4・H2Oの組成をもつ水素型物質に誘導する。次いで、これに塩基物質であるテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを含む溶液を作用させ、層間に上記塩基物質をインターカレートさせ、コロイド液を得る方法である。
しかしながら、この方法も水系媒体中での反応であって、得られるコロイド液は水系コロイド液であり、有機溶媒中での分散性については、なんら言及されていない。
しかしながら、この方法で用いる第4級アルキルアンモニウムヒドロキシドは、メチル基又はペンチル基を有する化合物であり、得られる層状チタン酸ナノシート水溶液は有機化合物に対する分散性が悪く、有機反応への適用性が悪いという欠点があった。
すなわち、本発明は、有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液、特に、有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートが、炭素数2以上の炭化水素基を有する、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム水酸化物、及び第4級ホスホニウム水酸化物から選ばれる1種以上の化合物に由来する有機カチオンを含有する有機溶媒分散液、を提供する。
ここで層状チタン酸ナノシートは、チタンを中心として6個の酸素が配位した8面体構造を基本ユニットとし、このユニットが平面状に並んだ構造を有する。本発明において、層状チタン酸ナノシートは、具体的には3チタン酸、4チタン酸、5チタン酸、6チタン酸、レピドクロサイト型等の構造を有するチタン酸ナノシートを包含する。
前記有機カチオンとしては、好ましくは、炭素数2以上の炭化水素基を有する、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム水酸化物、及び第4級ホスホニウム水酸化物から選ばれる1種以上の化合物に由来する有機カチオンが挙げられる。
本発明の層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液は、前記有機カチオンを形成する化合物と、チタン源と、有機溶媒を混合することにより製造することができる。
本発明で用いられる第1級アミン、第2級アミン、及び第3級アミンとしては、炭素数2〜18、好ましくは炭素数4〜10のアルキル基を有する脂肪族アミン、炭素数6〜18、好ましくは炭素数6〜10の芳香族アミンが挙げられる。
より具体的には、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルベンジルアミン等が好ましく挙げられる。また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の置換アミン類も用いることができる。
これらの中では、ヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルベンジルアミンから選ばれる1種以上が特に好ましい。
前記アミンは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明で用いられる第4級アンモニウム水酸化物及び第4級ホスホニウム水酸化物は、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
アルキル基及びヒドロキシアルキル基のR1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数2〜8の直鎖状又は分岐鎖状ものが好ましく、炭素数2〜6個のものが特に好ましい。
アリール基又はヒドロキシアリール基のR1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数6〜12のものが好ましい。
置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、アルコシキ基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。
これらの中では、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラプロピルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、及びテトラペンチルホスホニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上が特に好ましい。
前記の第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム水酸化物、及び第4級ホスホニウム水酸化物から選ばれる少なくとも1種の化合物は、ナノシート生成の観点から、濃度9mmol/Lの水溶液におけるpHが9以上であることが好ましい。
チタン源としては、加水分解により水酸化チタンを生成するチタン化合物が好ましい。ここで、水酸化チタンは、Ti(OH)2、Ti(OH)3、Ti(OH)4又はH4TiO4なる組成式を有するものを包含する。
このようなチタン化合物としては、チタンアルコキシド及びチタン塩が挙げられる。
チタンアルコキシドとしては、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、一般的な入手のし易さ、取り扱い性の観点からチタンテトライソプロポキシドが好ましい。チタンアルコキシドは、水と混合することにより、又は水との混合後、加熱することにより水酸化チタンを生成することができる。
チタン塩は、水と混合することにより、又は水との混合後、加熱することにより水酸化チタンを生成することができるが、その際、更にアルカリを共存させてもよい。水酸化チタンを生成させる際に共存させるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類水酸化物が挙げられる。更にはアンモニアや上記アミン類もアルカリとして使用することができる。これらの中では、入手のし易さ、取り扱い性の観点から、アルカリ金属水酸化物、アンモニア及びアミン類がより好ましい。アルカリの添加量は、チタン塩水溶液のpHが2以上となる量、より好ましくはpHが4以上となる量が好ましい。
加水分解において加える水分量は、水酸化チタンを得るために必要な量以上であればよいが、チタン源の質量に対して5〜50倍の質量が好ましく、10〜15倍の質量がより好ましい。
加水分解の温度及び時間は、用いるチタン源に応じ、適宜選択することができる。
なお、チタンとともに、他の元素、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等を共存させ、複合化することもできる。
本発明に用いることができる有機溶媒は、特に限定されないが、極性を有する有機溶媒が好ましい。かかる有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート等の含酸素有機溶媒、及びアセトニトリル等の含窒素有機溶媒が挙げられる。使用するアミン類の有するアルキル基の炭素数が多い場合、より低極性の有機溶媒に対しても透明な分散液を得ることができる。
アミン類等の含水溶液とチタン源とを混合する場合の、Ti/アミン類等のモル比は、反応効率の観点から、その上限が、好ましくは5以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下、特に好ましくは1.5以下であり、その下限が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上である。
具体的には、以下に示す第1態様及び第2態様等を挙げることができる。
第1態様は、アミン類等の含水溶液とチタン源とを混合し、その後有機溶媒と混合する方法である。
アミン類等の含水溶液には、アミン類等の溶解を容易にするため、有機溶媒が含有されていてもよい。かかる有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコールが好ましい。
混合液中のチタン濃度は、酸化チタン(TiO2)換算で0.01〜15質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
チタン源を混合する際の温度は、特に限定されないが、2〜200℃で有機カチオン含有層状チタン酸のナノシートが生成する。長鎖アミン類等の安定性の観点から、10〜150℃がより好ましく、20〜100℃が更に好ましい。反応時間は0.1〜20時間が好ましく、1〜10時間がより好ましい。
また、層構造を発達させるために、アミン類等とチタン源を混合した後に、更に50〜200℃で水熱合成を行ってもよい。
得られた分散液に有機溶媒を添加することにより、無色透明の有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液が得られる。なお、有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの合成後、乾燥により水又は溶媒を除去し、改めて有機溶媒を混合することで、製造の際に用いた有機溶媒と異なる有機溶媒に分散した、有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液を製造することもできる。
分散液中のチタン濃度は、酸化チタン(TiO2)換算で0.01〜15質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
第2態様は、アミン類等とチタン源を予め混合しておき、その後、水を混合してチタン含有水溶液を製造し、更に有機溶媒と混合する方法である。
アミン類等及びチタン源の混合物に水を加える際、水の量はチタンが分解するのに必要な量であればよい。添加する水の量は、アミン類等及びチタン源の混合物の質量に対して5〜50倍の質量が好ましく、10〜15倍の質量がより好ましい。水を添加する温度は、特に限定はされないが2〜200℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。また、水の滴下時間は、0.01〜5時間が好ましく、0.02〜2時間がより好ましい。更に、水の添加後、0.1〜20時間の熟成を行うことが好ましい。
得られた有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートを、前記第1態様と同様に、有機溶媒と混合することにより、無色透明の有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液を得ることができる。
本発明において、X線回折により、層間隔はカチオンサイズが大きくなるにしたがって増大することが確認されており、有機カチオンは層間に存在しているものと考えられる。このことから、特に炭素数2以上の有機カチオンを含有する層状チタン酸ナノシートが、有機溶媒への分散性を良好にしているものと推定される。
実施例1
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシド33.54g(118mmol)を溶解させてチタン源を得た。
10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(和光純薬工業株式会社製)352.88g(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド:136mmol)を室温下、攪拌しながら、前記チタン源を徐々に滴下した。滴下とともにチタン源は加水分解して白濁するが、攪拌を続けるとやがて無色透明溶液となった。このときのTiO2換算濃度は約2%であり、Ti/テトラブチルアンモニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
得られた無色透明溶液をガラス板上に数滴滴下し、乾燥させた膜を用いてX線回折分析を行った。その結果、図1に示すX線回折パターンが得られた。このX線パターンでは、d値で16.60(角度2θで5.32°)付近に主ピーク(第1ピーク)が認められ、次いで第2ピークがd=8.56(10.33°)付近に、第3ピークがd=5.71(15.51°)付近に認められた。第1ピークに対して第2ピーク、第3ピークのd値はそれぞれ約1/2及び1/3になっていることから層構造であることが確認でき、第1ピークの層間距離がテトラブチルアンモニウムヒドロキシドの分子サイズに相当することより、層間に有機カチオンが挟まれた構造と推定された。また、無色透明溶液をラマン分光分析した結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に特有の278cm-1、442cm-1、702cm-1付近にピークが得られた。
前記無色透明溶液を、真空乾燥機を用いて60℃で乾燥し、白色粉体を得た。この粉体0.1gに対して水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランの各溶媒を9.9g添加して攪拌した。攪拌後の様子を目視観察した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシド0.34g(1.18mmol)を溶解させてチタン源を得た。
ジメチルオクチルアミン0.21g(1.36mmol)を水25g及びイソプロピルアルコール125gの混合溶媒に溶解させ、室温下攪拌しながら、前記チタン源を徐々に滴下した。滴下直後より、溶液は白濁したが、攪拌を続け無色透明溶液を得た。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/ジメチルオクチルアミンのモル比は0.87であった。
この溶液について、ラマン分光分析を行った結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に類似するピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシド33.54g(118mmol)を溶解させてチタン源を得た。
25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド49.59g(136mmol)に蒸留水を添加して全体を150gとした。これに前記チタン源を徐々に滴下した。滴下とともにチタン源は加水分解して白濁するが、攪拌を続けるとやがて無色透明溶液となった。
得られた溶液についてX線回折分析を行った結果、層構造を示すX線回折パターンが得られ、生成したチタン酸が層間に有機カチオンを挟んだ層構造であることが確認できた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、実施例1と同様にして分散性を評価した。その結果、水への分散性は良好なものの、有機溶媒中では全く分散せず、沈降した状態であった。
四塩化チタン1.18mmol(0.22g)を蒸留水150gに氷冷しながら溶解し、溶解後、室温になるまで放置した。その後、5%アンモニア水をpHが7になるまで添加し、水酸化チタンを得た。
水酸化チタンを濾別、洗浄後、再度蒸留水150gを添加し、攪拌しながら10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液3.53g(1.36mmol)を添加した。攪拌を続けると、無色透明溶液になった。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/テトラブチルアンモニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
この溶液について、ラマン分光分析を行った結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に類似するピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネートの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
イソプロピルアルコール10mLにチタンテトライソプロポキシドを0.34g(1.18mmol)を溶解させてチタン源を得た。
40%テトラブチルホスホニウムヒドロキシド溶液0.94g(1.36mmol)を水150gに溶解させ、室温下攪拌しながら、前記チタン源を徐々に滴下した。滴下直後より、溶液は白濁したが、攪拌を続け無色透明溶液を得た。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/テトラブチルホスホニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
得られた無色透明溶液をガラス板上に数滴滴下し、乾燥させた膜を用いてX線回折分析を行った。その結果、d値で18.28(角度2θで4.83°)付近に主ピーク(第1ピーク)が認められ、次いで第2ピークがd=9.35(9.45°)付近に、第3ピークがd=6.24(14.19°)付近に認められた。第1ピークに対して第2ピーク、第3ピークのd値はそれぞれ約1/2及び1/3になっていることから、生成したチタン酸が層間に有機カチオンを挟んだ層構造であることが確認できた。また、無色透明溶液をラマン分光分析した結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に特有の278cm-1、442cm-1、702cm-1付近にピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
四塩化チタン1.18mmol(0.22g)を蒸留水150gに氷冷しながら溶解し、溶解後、室温になるまで放置した。その後、5%アンモニア水をpHが7になるまで添加し、水酸化チタンを得た。
水酸化チタンを濾別、洗浄後、再度蒸留水150gを添加し、攪拌しながら8%テトラエチルホスホニウムヒドロキシド溶液2.79g(1.36mmol)を添加した。攪拌を続けると、無色透明溶液になった。このときのTiO2換算濃度は0.06%であり、Ti/テトラエチルホスホニウムヒドロキシドのモル比は0.87であった。
この溶液について、ラマン分光分析を行った結果、層状チタン酸(レピドクロサイト型層状酸化チタン)に類似するピークが得られた。
前記無色透明溶液を、実施例1と同様に乾燥して得た白色粉体を用いて、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネートの各溶媒との分散性を評価した結果、全ての溶液で透明溶液となっており、チタン酸ナノシートが十分に分散した分散溶液が得られたことを確認できた。
Claims (8)
- 有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートの有機溶媒分散液。
- 有機カチオン含有層状チタン酸ナノシートが、炭素数2以上の炭化水素基を有する、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム水酸化物、及び第4級ホスホニウム水酸化物から選ばれる1種以上の化合物に由来する有機カチオンを含有する、請求項1に記載の有機溶媒分散液。
- 第1級アミン、第2級アミン、又は第3級アミンが、炭素数4以上の炭化水素基を有するアミンである、請求項2に記載の有機溶媒分散液。
- 炭素数が4以上の炭化水素基を有するアミンが、ヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、及びジメチルベンジルアミンから選ばれる1種以上である、請求項3に記載の有機溶媒分散液。
- 第4級アンモニウム水酸化物が、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムムヒドロキシド、及びテトラペンチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上である、請求項2に記載の有機溶媒分散液。
- 第4級ホスホニウム水酸化物が、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラプロピルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、及びテトラペンチルホスホニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上である、請求項2に記載の有機溶媒分散液。
- 有機溶媒が、極性有機溶媒である、請求項1〜6のいずれかに記載の有機溶媒分散液。
- 極性有機溶媒が、含酸素有機溶媒及び含窒素有機溶媒から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の有機溶媒分散液。
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