JP2003342482A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2003342482A
JP2003342482A JP2003075748A JP2003075748A JP2003342482A JP 2003342482 A JP2003342482 A JP 2003342482A JP 2003075748 A JP2003075748 A JP 2003075748A JP 2003075748 A JP2003075748 A JP 2003075748A JP 2003342482 A JP2003342482 A JP 2003342482A
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真也 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を使用することなく、少量
の難燃剤であっても、高いレベルで難燃化された難燃性
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ベース樹脂(A)と、特定の環状、鎖状
及び/又は架橋ホスファゼン化合物(B)と、芳香族樹
脂(C1)、窒素含有化合物(C2)、無機金属系化合
物(C3)、硫黄含有化合物(C4)、ケイ素含有化合
物(C5)及びリン含有化合物(C6)から選択された
少なくとも一種の難燃助剤(C)とで構成された難燃性
樹脂組成物を調製する。前記難燃性樹脂組成物は、さら
に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系安定
剤、メラミンシアヌール酸類、フッ素系樹脂、充填剤等
を含んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベース樹脂と、特
定のホスファゼン化合物と、特定の難燃助剤(窒素含有
化合物、芳香族樹脂、無機酸の金属塩)とで構成された
難燃性樹脂組成物及びその製造方法並びにこの難燃性樹
脂組成物で形成された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂のうち、ポリブチレンテレ
フタレートなどのポリエステル系樹脂やスチレン系樹脂
などは、優れた機械的特性、電気的特性、耐候性、耐水
性、耐薬品性や耐溶剤性を有するため、電気・電子部
品、自動車部品など種々の用途に利用されている。一
方、利用分野が拡大するにつれ、難燃特性の向上が検討
されている。
【0003】一般的には、樹脂に、ハロゲン化合物や、
ハロゲン化合物とアンチモン化合物とを組み合わせたハ
ロゲン系難燃剤を添加することにより、熱可塑性樹脂を
難燃化する方法が知られている。しかし、ハロゲン系難
燃剤においては、燃焼分解時にダイオキシン系化合物を
多量に発生する場合があり、環境上好ましくない。そこ
で、非ハロゲン系の難燃剤としてリン系化合物を使用
し、熱可塑性樹脂を難燃化する方法が提案されている。
【0004】特開平10−168297号公報には、熱
可塑性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ホ
スフェート系の有機リン系難燃剤で構成された難燃性樹
脂組成物が開示されている。特開平10−195283
号公報には、特定の構造を有するリン酸エステルと、ノ
ボラック型フェノール樹脂と、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅等の特定の金属の酸化物とを適量組み合わせて難
燃化したポリエステル樹脂組成物が開示されている。特
開2000−212412号公報には、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂、ビニル系樹脂、有機リン系難燃剤(縮合リ
ン酸エステルなど)及びガラス繊維からなる難燃性樹脂
組成物が開示されている。しかし、リン酸エステル系難
燃剤は、有害なハロゲンを含まないものの、ハロゲン系
難燃剤と比較して、難燃性が劣るため、多量の難燃剤を
必要とする。このため、ブリードアウトや樹脂の機械的
特性の低下を引き起こし、難燃性とともに、機械的特性
を向上させることができない。また、リン酸エステル系
難燃剤は、耐加水分解性が低く、特にポリエステル系樹
脂と併用した場合に著しく低下する。
【0005】また、特開平11−181268号公報に
は、芳香族ポリカーボネート系樹脂と熱可塑性ポリエス
テル系樹脂とを90/10〜50/50(重量比)で含
有する樹脂100重量部に対して、ホスファゼン化合物
1.5〜15重量部と、タルク及び/又はマイカ0.5
〜30重量部とを加えることにより、樹脂混合物を難燃
化できることが開示されている。しかし、芳香族ポリカ
ーボネートベースの樹脂組成物は、耐溶剤性に課題を有
し、しかも成形時の溶融流動性に劣り、成形性が低下す
る。
【0006】さらに、特開平11−263885号公報
や特開2001−2844号公報には、ポリオレフィン
系樹脂と特定のホスファゼン化合物(環状又は鎖状アル
コキシ及び/又はアリールオキシホスファゼン化合物な
ど)とで構成された難燃性樹脂組成物が開示されてい
る。しかし、熱可塑性樹脂を難燃化する場合、前記ホス
ファゼン化合物単独では難燃性が不充分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、少量の難燃剤であっても、高いレベルで難燃化され
た非ハロゲン系難燃性樹脂組成物及びその製造方法を提
供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、樹脂の特性を低下さ
せることなく、難燃剤のモールドデポジット及びブリー
ドアウト(又はブルーミング)を有効に抑制でき、高度
に難燃化された難燃性樹脂組成物及びその製造方法を提
供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、ポリエステル
系樹脂を用いても、耐加水分解性に優れた難燃性樹脂組
成物及びその製造方法を提供することにある。
【0010】本発明の別の目的は、難燃性が改善された
成形体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討の結果、ベース樹脂に、特定の
ホスファゼン化合物と難燃助剤とを組み合わせて添加す
ることにより、高いレベルで難燃化できることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、
ベース樹脂(A)と、ホスファゼン化合物(B)と、芳
香族樹脂(C1)、窒素含有化合物(C2)、無機金属
系化合物(C3)、硫黄含有化合物(C4)、ケイ素含
有化合物(C5)及びリン含有化合物(C6)から選択
された少なくとも一種の難燃助剤(C)とで構成された
難燃性樹脂組成物であって、前記ホスファゼン化合物
(B)が、式(1)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、mは3〜25の整数を示す。R1
は同一又は異なって、アリール基又はアルキルアリール
基を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、R1
合計量に対して0.1〜100モル%である)で表され
る環状ホスファゼン化合物、式(2)
【0015】
【化4】
【0016】[式中、nは3〜10,000の整数を示
す。Xは基−N=P(OR1)3又は基−N=P(O)OR1
を示し、Yは基−P(OR1)4又は基−P(O)(OR1)2
示す。R1は同一又は異なって、アリール基又はアルキ
ルアリール基を示す。但し、アルキルアリール基の割合
は、R1の合計量に対して0.1〜100モル%であ
る]で表される鎖状ホスファゼン化合物、及び前記環状
ホスファゼン化合物(1)及び鎖状ホスファゼン化合物
(2)から選ばれ、かつ架橋基で架橋された少なくとも
1種のホスファゼン化合物(3)から選ばれた少なくと
も1種のホスファゼン化合物で構成されている。ホスフ
ァゼン化合物(B)は、アルキルアリールオキシホスフ
ァゼン又はフェノキシアルキルアリールオキシホスファ
ゼン、特にフェノキシ基及びアルキルアリールオキシ基
の合計量に対してアルキルアリールオキシ基の割合が
0.1〜10モル%であるフェノキシアルキルアリール
オキシホスファゼンであってもよい。ベース樹脂には、
ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド
系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系
樹脂等が含まれる。ホスファゼン化合物(B)は、式
(1)及び(2)においてR1がC1-10アルキルアリー
ル基であり、かつ環状ホスファゼン化合物(1)、鎖状
ホスファゼン化合物(2)、及び架橋ホスファゼン化合
物(3)から選択された少なくとも一種で構成されてい
てもよい。ホスファゼン(B)の塩素含有量は、例え
ば、100ppm以下であってもよい。また、ホスファ
ゼン(B)の酸価は、例えば、0.5mgKOH/g以
下であってもよい。芳香族樹脂(C1)には、ポリフェ
ニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、芳香族ナイロン、ポリア
リレート系樹脂、芳香族エポキシ樹脂、ヒドロキシル基
及び/又はアミノ基を有する芳香族環を主鎖又は側鎖に
有する樹脂等が含まれる。窒素含有化合物(C2)は、
アミノ基を有する窒素含有環状化合物、アミノ基を有す
る窒素含有環状化合物と酸素酸との塩、アミノ基を有す
る窒素含有環状化合物と有機リン酸との塩、ポリリン酸
アミド、尿素化合物、テトラゾール化合物等であっても
よい。無機金属系化合物(C3)には、無機酸の金属塩
(リン酸、ホウ酸、スズ酸等の酸素酸と多価金属との塩
など)、金属水酸化物、金属酸化物、金属硫化物等が含
まれる。硫黄含有化合物(C4)には、有機スルホン酸
金属塩などが含まれる。ケイ素含有化合物(C5)に
は、(分岐)オルガノシロキサンなどが含まれる。リン
含有化合物(C6)には、無機又は有機リン化合物など
が含まれる。
【0017】前記難燃性樹脂組成物は、さらに、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤、リン系安定剤、メラミン
シアヌール酸類、フッ素系樹脂、充填剤等を含んでいて
もよい。
【0018】また、本発明には、ベース樹脂と前記ホス
ファゼン化合物及び前記難燃助剤とを混合して難燃性樹
脂組成物を製造する方法、及び前記難燃性樹脂組成物で
形成された成形体も含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】[ベース樹脂(A)]ベース樹脂
としては、成形用として利用される種々の樹脂、例え
ば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキ
シド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリ
ル系樹脂などが挙げられる。
【0020】(1)ポリエステル系樹脂 ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成
分との重縮合、オキシカルボン酸又はラクトンの重縮
合、またはこれらの成分の重縮合などにより得られるホ
モポリエステル又はコポリエステルである。好ましいポ
リエステル系樹脂は、通常、飽和ポリエステル系樹脂、
特に芳香族飽和ポリエステル系樹脂が含まれる。
【0021】ジカルボン酸成分としては、例えば、脂肪
族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの炭素
数4〜40程度のジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜
14程度のジカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸(例え
ば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などの炭
素数8〜12程度のジカルボン酸)、芳香族ジカルボン
酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,
4′−ジフェノキシエーテルジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
ケトンジカルボン酸などの炭素数8〜16程度のジカル
ボン酸)、又はこれらの誘導体(例えば、低級アルキル
エステル、アリールエステル、酸無水物などのエステル
形成可能な誘導体)などが挙げられる。これらのジカル
ボン酸成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用し
てもよい。さらに、必要に応じて、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸などの多価カルボン酸などを併用してもよ
い。
【0022】好ましいジカルボン酸成分には、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸が含まれる。
【0023】ジオール成分には、例えば、脂肪族アルキ
レンジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカ
ンジオールなどの炭素数2〜12程度の脂肪族グリコー
ル、好ましくは炭素数2〜10程度の脂肪族グリコー
ル)、ポリオキシアルキレングリコール[アルキレン基
の炭素数が2〜4程度であり、複数のオキシアルキレン
単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコールなど]、脂環族ジ
オール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェ
ノールAなど)などが挙げられる。また、ハイドロキノ
ン、レゾルシノール、ビフェノール、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシ
リレングリコールなどの芳香族ジオールを併用してもよ
い。これらのジオール成分は単独で又は二種以上組み合
わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用して
もよい。
【0024】好ましいジオール成分には、C2-6アルキ
レングリコール(エチレングリコール、トリメチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ールなどの直鎖状アルキレングリコール)、繰返し数が
2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシ
アルキレングリコール[ジエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどのポリ(オキシ−C2-4
ルキレン)単位を含むグリコール]、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールなどが含まれる。
【0025】オキシカルボン酸には、例えば、オキシ安
息香酸、オキシナフトエ酸、ヒドロキシフェニル酢酸、
グリコール酸、オキシカプロン酸などのオキシカルボン
酸又はこれらの誘導体などが含まれる。
【0026】ラクトンには、プロピオラクトン、ブチロ
ラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(例えば、
ε−カプロラクトンなど)などのC3-12ラクトンなどが
含まれる。
【0027】好ましいポリエステル系樹脂には、アルキ
レンテレフタレート、アルキレンナフタレートなどのア
ルキレンアリレートを主成分(例えば、50〜100重
量%、好ましくは75〜100重量%程度)とするホモ
ポリエステル又はコポリエステル[例えば、ポリアルキ
レンテレフタレート(例えば、ポリ1,4−シクロヘキ
サンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタ
レート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)などのポリC2-4アルキレンテレフタレート)、ポ
リアルキレンナフタレート(例えば、ポリエチレンナフ
タレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレン
ナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレー
ト)などのホモポリエステル;アルキレンテレフタレー
ト及び/又はアルキレンナフタレート単位を主成分(例
えば、50重量%以上)として含有するコポリエステ
ル]が含まれる。特に好ましいポリエステル系樹脂に
は、ブチレンテレフタレート単位を主成分として含有す
るポリブチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートコ
ポリエステル)やエチレンテレフタレート単位を主成分
とするポリエチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
トコポリエステル)が含まれる。なお、これらのポリエ
ステル系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。
【0028】また、コポリエステルにおいて、共重合可
能な単量体としては、C2-6アルキレングリコール(エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオールなどの直鎖状アルキレングリコールな
ど)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を
有するポリオキシアルキレングリコール(ジエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ
(オキシ−C2-4アルキレン)単位を含むグリコールな
ど)、C6-12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、
芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、ジフェ
ニルジカルボン酸など)、オキシカルボン酸(オキシ安
息香酸、オキシナフトエ酸など)などが挙げられる。な
お、ポリエステル系樹脂は、溶融成形性などを損なわな
い限り、直鎖状のみならず分岐鎖構造を有していてもよ
く、架橋されていてもよい。また、液晶ポリエステルで
あってもよい。
【0029】ポリエステル系樹脂は、慣用の方法、例え
ば、エステル交換、直接エステル化法などにより製造で
きる。
【0030】(2)スチレン系樹脂 スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体
(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、クロロスチレンなど)の単独又は共重合体;スチ
レン系単量体とビニル単量体(例えば、アクリロニトリ
ルなどの不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などのα,β−モノ
オレフィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物あるいはそ
のエステルなど)との共重合体;スチレン系グラフト共
重合体、スチレン系ブロック共重合体などが挙げられ
る。
【0031】好ましいスチレン系樹脂としては、ポリス
チレン(GPPS)、スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体(AS樹脂)、ゴム成分にスチレン系単量
体が重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリ
スチレン系グラフト又はブロック共重合体などが含まれ
る。ポリスチレン系グラフト共重合体としては、ゴム成
分に少なくともスチレン系単量体および共重合性単量体
がグラフト重合した共重合体(例えば、ポリブタジエン
にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したA
BS樹脂、アクリルゴムにスチレン及びアクリロニトリ
ルをグラフト重合したAAS樹脂、塩素化ポリエチレン
にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したA
CS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体にスチレン及
びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、エチレ
ン−プロピレンゴムにスチレン及びアクリロニトリルを
グラフト重合した重合体、ポリブタジエンにスチレンと
メタクリル酸メチルをグラフト重合したMBS樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合体ゴムにスチレン及びアクリ
ルニトリルがグラフト重合した樹脂などが挙げられる。
ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックとジ
エン又はオレフィンブロックとで構成された共重合体
(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)
ブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重
合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロ
ック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ン(SEBS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−
イソプレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体)
などが挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、単独
で、又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0032】(3)ポリアミド系樹脂 ポリアミドには、ジアミンとジカルボン酸とから誘導さ
れるポリアミド;アミノカルボン酸、必要に応じてジア
ミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリア
ミド;ラクタム、必要に応じてジアミン及び/又はジカ
ルボン酸との併用により誘導されたポリアミドが含まれ
る。ポリアミドには、少なくとも2種の異なったポリア
ミド形成成分により形成されるコポリアミドも含まれ
る。
【0033】ジアミンとしては、例えば、トリメチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3
−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ジアミン
が挙げられる。また、フェニレンジアミン、メタキシリ
レンジアミンなどの芳香族ジアミンを併用してもよい。
これらのジアミンは1種で又は2種以上使用できる。
【0034】ジカルボン酸としては、例えば、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、オクタデカン二酸などのC4-20脂肪族
ジカルボン酸;二量体化脂肪酸(ダイマー酸);シクロ
ヘキサン−1,4−ジカルボン酸やシクロヘキサン−
1,3−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタ
ル酸、無水フタル酸、イソフタル酸やテレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが
挙げられる。
【0035】アミノカルボン酸としては、例えば、アミ
ノヘプタン酸、アミノノナン酸、アミノウンデカン酸な
どのC4-20アミノカルボン酸が例示される。アミノカル
ボン酸も一種で又は二種以上使用できる ラクタムとしては、例えば、ブチロラクタム、ピバロラ
クタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナント
ラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカラクタムなどの
4-20ラクタムが挙げられる。これらのラクタムも1種
で又は2種以上組み合せて使用できる。
【0036】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン4
6、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族
ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル
酸および/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例え
ば、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンな
ど)とから得られるポリアミド、芳香族および脂肪族ジ
カルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂
肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とか
ら得られるポリアミドなどが挙げられる。これらのポリ
アミドは単独で又は混合して使用できる。好ましいポリ
アミドには、非芳香族及び脂肪族ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12など)、半芳香族ポリアミ
ド(ナイロンMXD6、ナイロン9Tなど)、半芳香族
共重合ポリアミド(ナイロン6T/6、ナイロン6T/
66、ナイロン6T/12、ナイロン6I/6、ナイロ
ン6I/66、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/6
I/6、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/M
5Tなど)などが含まれる。ポリアミド系樹脂は、1種
で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0037】(4)ポリカーボネート系樹脂 ポリカーボネート系樹脂には、ジヒドロキシ化合物と、
ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステ
ルとの反応により得られる重合体が含まれる。ジヒドロ
キシ化合物は、脂環族化合物などであってもよいが、好
ましくはビスフェノール化合物である。
【0038】ビスフェノール化合物としては、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メ
チルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタンなどのビス(ヒドロキシアリール)
1-6アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)C4-10シクロアルカン;4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニル
スルホン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトンなどが挙
げられる。
【0039】好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビ
スフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。ポリカ
ーボネート系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて
使用できる。
【0040】(5)ポリフェニレンオキシド系樹脂 ポリフェニレンオキシド系樹脂(ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂)には、単独重合体および共重合体が含まれ
る。単独重合体としては、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジ
エチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メ
チル−6−エチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポ
リ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)
オキシド、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,
4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−メ
トキシ−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メ
チル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)オ
キシド、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェ
ニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4
−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−フェ
ニル−1,4−フェニレン)オキシド等のポリ(モノ、
ジ又はトリC1-6アルキル−フェニレン)オキシド、ポ
リ(モノ又はジC6 -20アリール−フェニレン)オキシ
ド、ポリ(モノC1-6アルキル−モノC6-20アリール−
フェニレン)オキシドなどが挙げられる。
【0041】ポリフェニレンオキシドの共重合体として
は、前記単独重合体のモノマーユニットを2つ以上有す
る共重合体(例えば、2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンオキシド単位と、2,3,6−トリメチル−1,
4−フェニレンオキシド単位とを有するランダム共重合
体など)、ベンゼンホルムアルデヒド樹脂(フェノール
樹脂などのベンゼン環含有化合物のホルムアルデヒド縮
合物)やアルキルベンゼンホルムアルデヒド樹脂に、ク
レゾール、p−tert−ブチルフェノールなどのアルキル
フェノールを反応させて得られるアルキルフェノール変
性ベンゼンホルムアルデヒド樹脂ブロックと、主体構造
としてのポリフェニレンオキシドブロックとで構成され
た変性ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリフェニレ
ンオキシド又はその共重合体にスチレン系重合体がグラ
フトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。
ポリフェニレンオキシド系樹脂は1種で又は2種以上組
み合わせて使用できる。
【0042】(6)ビニル系樹脂 ビニル系樹脂としては、ビニル系単量体(例えば、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息
香酸ビニルなどのビニルエステル;塩素含有ビニル単量
体(例えば、塩化ビニル、クロロプレンなど);フッ素
含有ビニル単量体(例えば、フルオロエチレンなど);
メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトンなど
のビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルカ
ルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのビニルアミン
類など)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能
なモノマーとの共重合体などが含まれる。
【0043】前記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ブチラールなどのポリビニルアセタール、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体など)も使用できる。これらのビニル系樹脂は1種で
又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0044】(7)オレフィン系樹脂 オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピ
レンなどのα−C2-10オレフィンや環状オレフィン[例
えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペン
テン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロプロピ
ニレン、シクロブチニレン、シクロペンチニレン、シク
ロヘキシニレン、シクロオクチニレン、ノルボルネン、
ジシクロペンタジエン、ジシクロヘプタジエン、テトラ
ジシクロドセン、ヘキサシクロヘプタデセン又はこれら
の誘導体(アルキル置換体、アルキリデン置換体、アル
コキシ置換体、アシル置換体、カルボキシ置換体など)
など]の単独又は共重合体、特に、α−C2-3オレフィ
ン系樹脂[例えば、プロピレン−エチレン共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸金属塩共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体(エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体など)、プロピレン−(メタ)アクリル酸共
重合体など]、環状オレフィン系樹脂(例えば、環状オ
レフィンの単独重合体、α−C2-10オレフィン−環状オ
レフィン共重合体など)などが挙げられる。
【0045】(8)アクリル系樹脂 アクリル系樹脂には、例えば、(メタ)アクリル系単量
体((メタ)アクリル酸又はそのエステルなど)の単独
又は共重合体の他、 (メタ)アクリル酸−スチレン共重
合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体など
が含まれる。
【0046】(9)その他の樹脂 その他の樹脂としては、ポリアセタール樹脂、ポリフェ
ニレンスルフィド系樹脂、脂肪族ポリケトン系樹脂(ケ
トン樹脂);ポリスルホン(例えば、熱可塑性ポリスル
ホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビ
スフェノールエーテルスルホンなど);ポリエーテルケ
トン;ポリ(エーテルエーテルケトン);ポリエーテル
イミド;熱可塑性ポリウレタン系樹脂(例えば、トリレ
ンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、
前記グリコール及び/又は前記ジアミンとの反応により
得られる重合体、ポリテトラメチレングリコールなどの
セグメントを有していてもよいポリウレタンエラストマ
ーなど);熱可塑性ポリイミド;ポリオキシベンジレ
ン;熱可塑性エラストマーなどが例示できる。
【0047】これらの高分子化合物を、単独でまたは二
種以上組合わせて使用してもよい。
【0048】好ましいベース樹脂としては、液晶ポリエ
ステルであってもよいポリエステル系樹脂、スチレン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィ
ン系樹脂などが挙げられ、さらに好ましくは、ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂
が挙げられ、特にポリエステル系樹脂(PBT系樹脂、
PET系樹脂など)が好ましい。ポリエステル系樹脂と
スチレン系樹脂とを併用してもよい。
【0049】前記ベース樹脂の数平均分子量は、特に制
限されず、樹脂の種類や用途に応じて適宜選択され、例
えば、5×103〜200×104、好ましくは1×10
4〜150×104、さらに好ましくは1×104〜10
0×104程度の範囲から選択できる。また、ベース樹
脂がポリエステル系樹脂の場合、数平均分子量は、例え
ば、5×103〜100×104、好ましくは1×104
〜70×104、さらに好ましくは1.2×104〜30
×104程度であってもよい。
【0050】[ホスファゼン化合物(B)]ホスファゼ
ン化合物には、環状ホスファゼン化合物、鎖状ホスファ
ゼン化合物などが含まれる。
【0051】環状ホスファゼン化合物としては、下記式
(1)で表される化合物が挙げられる。
【0052】
【化5】
【0053】(式中、mは3〜25の整数を示す。R1
は同一又は異なって、アリール基又はアルキルアリール
基を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、R1
合計量に対して0.1〜100モル%である)。
【0054】鎖状ホスファゼン化合物としては、下記式
(2)で表される化合物が含まれる。
【0055】
【化6】
【0056】[式中、nは3〜10,000の整数を示
す。Xは基−N=P(OR1)3又は基−N=P(O)OR1
を示し、Yは基−P(OR1)4又は基−P(O)(OR1)2
示す。R1は同一又は異なって、アリール基又はアルキ
ルアリール基を示す。但し、アルキルアリール基の割合
は、R1の合計量に対して0.1〜100モル%であ
る]。
【0057】式(1)及び(2)において、R1で表さ
れるアルキルアリール基としては、トリル(o−トリ
ル、m−トリル、p−トリルなど)、キシリル(3,4
−キシリル、3,5−キシリル、2,3−キシリル、
2,4−キシリル、2,5−キシリル、2,6−キシリ
ルなど)、エチルフェニル、クミル(o−クミル、m−
クミル、p−クミル、フェニルクミルなど)、ブチルフ
ェニル(2−t−ブチルフェニル、4−t−ブチルフェ
ニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−
t−ブチルフェニル、3−メチル−6−t−ブチルフェ
ニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルな
ど)、アミルフェニル(2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル、2,6−ジ−t−アミルフェニルなど)、シクロヘ
キシルフェニル、トリメチルフェニル、メチルナフチル
等のC1-10アルキルC6-20アリール基などが例示でき、
好ましくはC1-3アルキルフェニル基(例えば、o−ト
リル、m−トリル、p−トリル、2,4−キシリル、
2,6−キシリル、3,5−キシリル基)などである。
【0058】R1で表されるアリール基としては、フェ
ニル基、ナフチル基、ビフェニリル基(o−フェニルフ
ェニル、m−フェニルフェニル、p−フェニルフェニル
基など)、アルコキシフェニル基(o−メトキシフェニ
ル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル基な
ど)、ヒドロキシフェニル基(o−ヒドロキシフェニ
ル、m−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシフェニル
基、p−(p′−ヒドロキシフェニル)フェニル基な
ど)、(ヒドロキシアリール)アルキルアリール基(p
−[2−(p′−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]
フェニル基など)、(ヒドロキシアリールスルホニル)
アリール基(p−(p′−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)フェニル基)、(ヒドロキシアリールオキシ)アリ
ール(p−(p′−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニ
ル基など)等のC6-20アリール基などが例示でき、通
常、フェニル基である。
【0059】式(1)及び(2)で表される環状及び/
又は鎖状ホスファゼン化合物としては、例えば、(ポ
リ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o−トリルオ
キシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p
−トリルオキシホスファゼン、o,m−トリルオキシホ
スファゼン、o,p−トリルオキシホスファゼン、m,
p−トリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリルオ
キシホスファゼンなど)、(ポリ)キシリルオキシホス
ファゼン、(ポリ)メチルナフチルオキシホスファゼン
等の環状及び/又は鎖状C1-6アルキルC6-20アリール
オキシホスファゼンや、(ポリ)フェノキシトリルオキ
シホスファゼン(例えば、フェノキシo−トリルオキシ
ホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼ
ン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン、フェノ
キシo,m−トリルオキシホスファゼン、フェノキシ
o,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p
−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−
トリルオキシホスファゼンなど)、(ポリ)フェノキシ
キシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリ
ルオキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノ
キシメチルナフチルオキシホスファゼン等の環状及び/
又は鎖状C6-20アリールC1-10アルキルC6-20アリール
オキシホスファゼン等が例示でき、好ましくは環状及び
/又は鎖状C1-3アルキルC6-20アリールオキシホスフ
ァゼン、C6-20アリールオキシC1-3アルキルC6-20
リールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又はト
リルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキ
シトリルフェノキシホスファゼンなど、特に環状トリル
オキシホスファゼン、環状フェノキシトリルオキシホス
ファゼン)である。
【0060】また、本発明のホスファゼン化合物(B)
としては、前記環状ホスファゼン化合物(1)及び鎖状
ホスファゼン化合物(2)から選ばれた少なくとも1種
のホスファゼン化合物が、架橋基で架橋された架橋ホス
ファゼン化合物も含まれる。なお、前記架橋基で一組の
前記ホスファゼン化合物を架橋する場合、一組のR1
に代えて、二価の架橋基が導入されている。架橋基とし
ては、アルキレン基、シクロアルキレン基であってもよ
いが、通常、アリーレン基である。アリーレン基として
は、フェニレン基(1,2−フェニレン基、1,3−フ
ェニレン基、1,4−フェニレン基など)、ナフチレン
基、ビフェニレン基(4,4′−ビフェニレン基、3,
3′−ビフェニレン基など)、ビスフェノール残基
[1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェ
ニレン基(ビスフェノール−A残基)、1,4−フェニ
レンメチレン−1,4−フェニレン基(ビスフェノール
−F残基)、1,4−フェニレンカルボニル−1,4−
フェニレン基、1,4−フェニレンスルホニル−1,4
−フェニレン基(ビスフェノール−S残基)、1,4−
フェニレンチオ−1,4−フェニレン基、1,4−フェ
ニレンオキシ−1,4−フェニレン基など]などが好ま
しい。架橋基の割合は、R1基の合計量に対して0.0
1〜50モル%、好ましくは0.1〜30モル%程度で
ある。架橋ホスファゼン化合物としては、例えば、前記
フェニレン基、ナフチレン基及びビスフェノール残基か
ら選択される少なくとも一種のアリーレン基で架橋され
た架橋フェノキシホスファゼン、架橋トリルオキシホス
ファゼン、架橋キシリルオキシホスファゼン、架橋トリ
ルオキシキシリルオキシホスファゼン、架橋フェノキシ
トリルオキシホスファゼン、架橋フェノキシキシリルオ
キシホスファゼン、架橋フェノキシトリルオキシキシリ
ルホスファゼンなどが例示される。
【0061】なお、架橋フェノキシホスファゼン化合物
は、遊離のヒドロキシル基を有していてもよいが、通
常、分子内にフリー(遊離)のヒドロキシル基を実質的
に有していない。
【0062】環状ホスファゼン化合物において、繰返し
数mは、好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜1
5程度である。鎖状ホスファゼン化合物において、重合
度nは、好ましくは3〜7000、さらに好ましくは3
〜5000程度である。尚、環状及び/又は鎖状フェノ
キシトリルオキシホスファゼンのトリルオキシ基の含有
量が少ない場合には、フェノキシホスファゼンを含んで
いることもある。ホスファゼン化合物において、フェノ
キシ基及びアルキルアリールオキシ基の合計量に対して
アルキルアリールオキシ基の割合は、0.1〜100モ
ル%、好ましくは0.1〜50モル%、さらに好ましく
は0.1〜30モル%(特に0.1〜10モル%)程度
である。
【0063】さらに、ホスファゼン化合物中に含まれる
塩素含有量は、特に制限されないが、通常、少ない塩素
含有量、例えば、1000ppm以下(例えば、0〜1
000ppm)、好ましくは0〜500ppm、より好
ましくは0〜100ppm以下、さらに好ましくは0〜
50ppmである。
【0064】ホスファゼン化合物の酸価は、特に制限さ
れないが、例えば、0.5mgKOH/g以下、好まし
くは0.4mgKOH/g以下(例えば、0.01〜
0.4mgKOH/g)、さらに好ましくは0.3mg
KOH/g以下(例えば、0.01〜0.3mgKOH
/g)程度である。
【0065】これらのホスファゼン化合物は、単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。
【0066】式(1)及び(2)で表される環状及び鎖
状ホスファゼン化合物は、例えば、H.R.Allcock著,“P
hosphorus-Nitrogen Compounds”, Academic Press,(19
72)、J.E.Mark, H.R.Allcock, R.West著,“Inorganic
Polymers”, Prentice-HallInternational, Inc.,(199
2)、特開2001−192392号公報、特開2001
−64292号公報等に記載されている方法で合成する
ことができる。
【0067】例えば、塩化リン(三塩化リン、五塩化リ
ンなど)と、塩化アンモニウムと、必要に応じて塩素
(特に、塩化リンとして三塩化リンを用いる場合)と
を、塩素系溶媒中(クロロベンゼン、テトラクロロエタ
ンなど)で反応することにより、式(1)のOR基が塩
素原子(Cl)で置換され、かつmが3〜25の整数で表
される化合物(環状ジクロロホスファゼンオリゴマー)
と、式(2)のOR基が塩素原子で置換され、かつnが
3〜25の整数で表される化合物(鎖状ジクロロホスフ
ァゼンオリゴマー)との混合物が得られる。このジクロ
ロホスファゼンオリゴマー混合物の塩素原子を、アルカ
リ金属アルキルフェノラート(ナトリウムメチルフェノ
ラートなど)やアルカリ金属アルコラート等により、ヒ
ドロキシ化合物(アルキルフェノールやアルコール等)
で置換することにより、式(1)及び(2)で表される
環状及び鎖状ホスファゼン化合物を得ることができる。
【0068】アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属と
しては、ナトリウム、カリウム、リチウムなど、好まし
くはナトリウム、リチウムが例示できる。
【0069】塩化リンと塩化アンモニウムとの反応温度
は、例えば、120〜130℃程度である。
【0070】ジクロロホスファゼンオリゴマー混合物
は、必要に応じて、精製(蒸留、再結晶など)や重合
(環状ジクロロホスファゼンオリゴマーの開環重合)し
てもよい。ジクロロホスファゼンオリゴマー混合物を精
製することにより、環状のジクロロホスファゼンの単一
物(ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロ
ロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタ
ホスファゼンなど)を取り出すことができる。このた
め、この単一物をヒドロキシ化合物(例えば、クレゾー
ル)で置換することにより、ヘキサトリルオキシシクロ
トリホスファゼン、オクタトリルオキシシクロテトラホ
スファゼン、デカトリルオキシシクロペンタホスファゼ
ン等の環状ホスファゼン化合物を得ることができる。
【0071】一方、環状ジクロロホスファゼンオリゴマ
ーを開環重合すると、式(2)のOR基が塩素原子で置
換され、かつnが3〜10,000の整数で表される化
合物が得られる。このため、この化合物を前記ヒドロキ
シ化合物で置換することにより、式(2)で表される鎖
状ホスファゼン化合物を得ることができる。
【0072】環状ジクロロホスファゼンオリゴマーの開
環重合は、例えば、220〜250℃に加熱することに
より行うことができる。
【0073】このようなホスファゼン化合物としては、
例えば、「KEMIDANT 302S」[ケミプロ化
成(株)]などとして入手可能である。
【0074】[ホスファゼン化合物(B)の使用割合]
本発明では、難燃剤として特定のホスファゼン化合物
(B)を用いることにより、幅広いベース樹脂に対し
て、少量の添加であっても高い難燃性を付与できる。難
燃性樹脂組成物中のホスファゼン化合物(B)の割合
は、例えば、1〜40重量%、好ましくは1〜30重量
%、さらに好ましくは5〜25重量%程度である。ま
た、ホスファゼン化合物の割合は、ベース樹脂(A)1
00重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましく
は1〜80重量部、さらに好ましくは5〜70重量部程
度である。ベース樹脂(A)に対してホスファゼン化合
物(B)の割合が多すぎると、樹脂組成物の機械的特性
が低下する。
【0075】[難燃助剤(C)]本発明では、難燃助剤
(C)は、芳香族樹脂(C1)、窒素含有化合物(C
2)、無機金属系化合物(C3)、硫黄含有化合物(C
4)、ケイ素含有化合物(C5)、リン含有化合物(C
6)等で構成されている。これらの難燃助剤は、単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0076】(C1)芳香族樹脂 芳香族樹脂には、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポ
リフェニレンオキシド系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリアリレート系樹脂、芳香族ナイロン、芳香族エ
ポキシ樹脂、ノボラック樹脂、アラルキル樹脂、芳香族
ビニル樹脂等の炭化性又はチャー形成性芳香族樹脂が含
まれる。ポリフェニレンオキシド系樹脂及びポリカーボ
ネート系樹脂としては、前記ベース樹脂の項で例示した
樹脂と同様の樹脂を使用することができ、ベース樹脂と
芳香族樹脂とは、通常、異種の樹脂が使用される。
【0077】(ポリフェニレンスルフィド系樹脂)ポリ
フェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンチオエー
テル系樹脂)としては、ポリフェニレンスルフィド骨格
−(Ar−S−)−[式中、Arはフェニレン基を示す]
を有する単独重合体及び共重合体が含まれる。フェニレ
ン基(−Ar−)としては、例えば、p−フェニレン
基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニ
レン基(例えば、C1-5アルキル基などの置換基を有す
るアルキルフェニレン基や、フェニル基などの置換基を
有するアリールフェニレン基)、p,p′−ジフェニレ
ンスルホン基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′−
ジフェニレンエーテル基、p,p′−ジフェニレンカル
ボニル基等が例示できる。ポリフェニレンスルフィド系
樹脂は、このようなフェニレン基で構成されるフェニレ
ンスルフィド基のうち、同一の繰返し単位を用いたホモ
ポリマーであってもよく、組成物の加工性の点から、異
種繰返し単位を含むコポリマーであってもよい。
【0078】ホモポリマーとしては、p−フェニレンス
ルフィド基を繰返し単位とする実質上線状のものが好ま
しく用いられる。コポリマーは、前記フェニレンスルフ
ィド基の中で相異なる2種以上を組み合わせて使用でき
る。これらのうち、コポリマーとしては、p′−フェニ
レンスルフィド基を主繰返し単位とし、m−フェニレン
スルフィド基を含む組み合わせが好ましく、耐熱性、成
形性、機械的特性等の物性上の点から、p−フェニレン
スルフィド基を60モル%(好ましくは70モル%)以
上含む実質上線状のコポリマーが特に好ましい。
【0079】ポリフェニレンスルフィド樹脂は、比較的
低分子量の線状ポリマーを酸化架橋又は熱架橋により溶
融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーであ
ってもよく、2官能性モノマーを主体とするモノマーか
ら縮重合によって得られる実質的に線状構造の高分子量
ポリマーであってもよい。得られる成形物の物性の点か
らは、縮重合によって得られる実質的に線状構造ポリマ
ーの方が好ましい。又、ポリフェニレンスルフィド樹脂
としては、前記のポリマーの他に、3個以上の官能基を
有するモノマーを組み合わせて重合した分岐又は架橋ポ
リフェニレンスルフィド樹脂や、この樹脂を前記の線状
ポリマーにブレンドした樹脂組成物も用いることができ
る。
【0080】ポリフェニレンスルフィド系樹脂として
は、ポリフェニレンスルフィドやポリビフェニレンスル
フィド(PBPS)の他、ポリフェニレンスルフィドケ
トン(PPSK)、ポリビフェニレンスルフィドスルホ
ン(PPSS)等も使用できる。ポリフェニレンスルフ
ィド系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。
【0081】ポリフェニレンスルフィド系樹脂の数平均
分子量は、例えば、300〜30×104、好ましくは
400〜10×104程度である。
【0082】(芳香族ナイロン)難燃剤を構成する芳香
族ナイロンとしては、前記ベース樹脂のポリアミド樹脂
とは異種の樹脂が使用される。このような樹脂として
は、下記式(3)で表される単位を有する化合物などが
使用できる。
【0083】
【化7】
【0084】(式中、Z1およびZ2は、同一又は異なっ
て、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭
化水素基から選択され、かつ少なくとも一方が芳香族炭
化水素基であり、R2及びR3は、同一又は異なって、水
素原子、アルキル基及びアリール基から選択され、ま
た、R2及びR3は、直結して環を形成してもよい)。
【0085】このような芳香族ナイロンには、ジアミン
とジカルボン酸とから誘導されるポリアミドであって、
ジアミン成分およびジカルボン酸成分のうち、少なくと
も一方の成分が芳香族化合物であるポリアミド;芳香族
アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジ
カルボン酸を併用して得られるポリアミドが含まれる。
芳香族ナイロンには、少なくとも2種の異なったポリア
ミド形成成分により形成されるコポリアミドも含まれ
る。
【0086】ジアミンとしては、例えば、フェニレンジ
アミン、ジアミノトルエン、2,4−ジアミノメシチレ
ン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、キ
シリレンジアミン(特に、メタキシリレンジアミン、パ
ラキシリレンジアミン)、ビス(2−アミノエチル)ベ
ンゼン、ビフェニレンジアミン、ビフェニル骨格を有す
るジアミン(例えば、4,4′−ジアミノ−3,3′−
ジエチルビフェニル)、ジフェニルアルカン骨格を有す
るジアミン[例えば、ジアミノジフェニルメタン、ビス
(4−アミノ−3−エチル)ジフェニルメタン、ビス
(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、3,3′
−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパンな
ど]、ビス(4−アミノフェニル)ケトン、ビス(4−
アミノフェニル)スルホン、1,4−ナフタレンジアミ
ンなどの芳香族ジアミンおよびそれらのN−置換芳香族
ジアミンが挙げられる。また、1,3−シクロペンタン
ジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス(4
−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂
環式ジアミン;トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、
オクタメチレンジアミンなどの脂肪族アミンおよびそれ
らのN−置換脂肪族ジアミンなどを併用してもよい。こ
れらのジアミンは単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。ジアミンとしては、芳香族ジアミン(特に、キ
シリレンジアミン、N,N′−ジアルキル置換キシリレ
ンジアミン)を使用するのが好ましい。
【0087】ジカルボン酸としては、例えば、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オク
タデカン二酸などのC2-20脂肪族ジカルボン酸;フタル
酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロ
ヘキサン−1,4−ジカルボン酸やシクロヘキサン−
1,3−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;二量
体化脂肪酸(例えば、ダイマー酸)などが挙げられる。
これらのジカルボン酸は単独で又は二種以上組み合わせ
て使用できる。ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボ
ン酸(特に、アジピン酸などのC6-20脂肪族ジカルボン
酸)を使用するのが好ましい。
【0088】芳香族又は脂環族アミノカルボン酸として
は、例えば、フェニルアラニン、チロシン、アントラニ
ル酸、アミノ安息香酸などが例示される。アミノカルボ
ン酸も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0089】また、芳香族ナイロンとして、難燃剤とし
ての特性を損わない範囲で、ラクタム及び/又はα,ω
−アミノカルボン酸との縮合体を使用してもよい。ラク
タムとしては、プロピオラクタム、ブチロラクタム、バ
レロラクタム、カプロラクタム(ε−カプロラクタムな
ど)などのC3-12ラクタムなどが挙げられ、α,ω−ア
ミノカルボン酸としては、7−アミノヘプタン酸、10
−アミノデカン酸などが挙げられる。
【0090】その他の芳香族ナイロンの副成分として、
一塩基酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、カプロン
酸、ニコチン酸など)、モノアミン類(例えば、エチル
アミン、ブチルアミン、ベンジルアミンなど)、二塩基
酸類(例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、シンコメロン酸など)、ジアミン類
(例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミンなど)、ラクタム類等から選択された少なくとも
1種を粘度調整剤として使用できる。
【0091】芳香族ナイロンとしては、ジアミン成分が
芳香族化合物であるポリアミド(例えば、ジアミン成分
としてキシリレンジアミンを含むポリアミド又はコポリ
アミド)、好ましくは芳香族ジアミンとα,ω−C2-12
ジカルボン酸とから得られるポリアミド[例えば、アジ
ピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリア
ミド(MXD6)、スベリン酸とメタキシリレンジアミ
ンとから得られるポリアミド、アジピン酸とパラキシリ
レンジアミンとから得られるポリアミド(PMD6)、
スベリン酸とパラキシリレンジアミンとから得られるポ
リアミド、アジピン酸とN,N′−ジメチルメタキシリ
レンジアミンとから得られるポリアミド、スベリン酸と
N,N′−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得ら
れるポリアミド、アジピン酸と1,3−フェニレンジア
ミンとから得られるポリアミド、アジピン酸と4,4′
−ジアミノジフェニルメタンとから得られるポリアミ
ド、アジピン酸とメタキシリレンジアミン及びパラキシ
リレンジアミンとから得られるコポリアミド、アジピン
酸とメタキシリレンジアミン及びN,N′−ジメチルメ
タキシリレンジアミンとから得られるコポリアミドな
ど]などが挙げられる。特に好ましい芳香族ナイロンと
しては、芳香族ジアミン(特に、キシリレンジアミン)
とα,ω−C2-12脂肪族ジカルボン酸から得られるポリ
アミド(特に、MXD6)が挙げられる。これらのポリ
アミドは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0092】これらの芳香族ナイロンは、例えば、特公
昭44−22510号公報、特公昭47−51480号
公報、特開昭57−200420号公報、特開昭58−
111829号公報、特開昭62−283179号公
報、工業化学雑誌74巻4号p.786(1971)、工業化学雑
誌74巻10号p.2185(1971)、エンジニアリングプラス
チック辞典p.74(技報堂出版、1998年)及びそれら
に記載の参考文献を基に常圧直接法あるいは溶融重合法
などにより調製される。
【0093】芳香族ナイロンの数平均分子量は、特に制
限されず、例えば、300〜10×104、好ましくは
500〜5×104程度の範囲から選択できる。
【0094】(ポリアリレート系樹脂)ポリアリレート
系樹脂には、下記式(4) [−O−Ar−OC(O)−A1−C(O)−] (4) (式中、Arは芳香族基を示し、A1は芳香族、脂環
族、又は脂肪族基を示す)で表される構造単位を有する
化合物が使用できる。
【0095】このようなポリアリレート系樹脂は、ポリ
エステル化反応としてエステル交換法(例えば、アセテ
ート法、フェニルエステル法など)、酸クロリド法、直
接法、または重付加法などにより、溶融重合法、溶液重
合法、または界面重合法などを使用して製造できる。
【0096】ポリアリレート系樹脂は、芳香族ポリオー
ル成分とポリカルボン酸成分(芳香族ポリカルボン酸成
分、脂肪族ポリカルボン酸成分、脂環式ポリカルボン酸
成分など)との反応により得ることができる。ポリカル
ボン酸成分は、通常、少なくとも芳香族ポリカルボン酸
成分を含む。
【0097】芳香族ポリオール(モノマー)としては、
通常、単環式芳香族ジオール、多環式芳香族ジオールな
どのジオール、又はそれらの反応性誘導体[例えば、芳
香族ポリオールの塩(ナトリウム塩、カリウム塩な
ど)、芳香族ポリオールのエステル(酢酸エステルな
ど)、シリル保護された芳香族ポリオール(トリメチル
シリル化体など)など]が用いられる。
【0098】単環式芳香族ジオールとしては、例えば、
ベンゼンジオール(レゾルシノール、ハイドロキノン、
m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール
など)、ナフタレンジオールなどの炭素数6〜20程度
の芳香族環ジオールが挙げられる。
【0099】多環式芳香族ジオールとしては、ビス(ヒ
ドロキシアリール)類(ビスフェノール類)、例えば、
4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−ビフェ
ノール、前記Z1及びZ2の項で例示のジヒドロキシジア
リールアルカン類の他、ビスフェノールFなどのビス
(ヒドロキシアリール)C1-6アルカンなど;ビス(ヒ
ドロキシアリール)シクロアルカン[例えば、ビス(ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロ
キシアリール)C3-12シクロアルカンなど];ビス(ヒ
ドロキシアリール)カルボン酸[例えば、ビス−4,4
−(ヒドロキシフェニル)ブタン酸などのビス(ヒドロ
キシアリール)C2-6カルボン酸など]などが挙げられ
る。また、その他の多環式芳香族ジオールには、ビス
(ヒドロキシアリール)骨格を有する化合物、例えば、
前記Z1及びZ2の項で例示のジ(ヒドロキシフェニル)
エーテル、ジ(ヒドロキシフェニル)ケトン、ジ(ヒド
ロキシフェニル)スルホキシドの他、ジ(ヒドロキシフ
ェニル)チオエーテル、ビス(C1-4アルキル置換ヒド
ロキシフェニル)アルカン[例えば、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンなど]、テルペンジフェノール類(例えば、1,4−
ジ(C1-4アルキル置換ヒドロキシフェニル)−p−メ
ンタンなど)なども含まれる。
【0100】これら芳香族ポリオールは、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0101】好ましい芳香族ポリオールには、ベンゼン
ジオール類、ビスフェノール類、例えば、ビス(ヒドロ
キシアリール)C1-6アルカン(例えば、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなど)な
どが含まれる。
【0102】なお、前記芳香族ポリオールは、脂肪族又
は脂環式ポリオールと併用してもよい。脂肪族ポリオー
ルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどのC1-10脂肪族ポリ
オールが挙げられる。また、前記脂肪族ポリオールに
は、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC3-10
脂肪族環を有する脂肪族ポリオールも含まれる。脂環式
ポリオールとしてはシクロヘキサンジオールなどのC
3-10脂環式ポリオールが挙げられる。
【0103】芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、
単環式芳香族ジカルボン酸、多環式芳香族ジカルボン酸
などのジカルボン酸、又はそれらの反応性誘導体[例え
ば、芳香族ポリカルボン酸ハライド(芳香族ポリカルボ
ン酸クロライドなど)、芳香族ポリカルボン酸エステル
(アルキルエステル、アリールエステルなど)、芳香族
ポリカルボン酸無水物など]が挙げられる。
【0104】単環式芳香族環ジカルボン酸には、例え
ば、前記芳香族ナイロンの項で例示の芳香族カルボン酸
(ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸など
の炭素数8〜20程度のアリールジカルボン酸)が挙げ
られる。なお、前記ベンゼンジカルボン酸及びナフタレ
ンジカルボン酸(特に、ベンゼンジカルボン酸)には、
1又は2個のC1-4アルキル基が置換していてもよい。
【0105】多環式芳香族ジカルボン酸としては、ビス
(アリールカルボン酸)類、例えば、ビフェニルジカル
ボン酸、ビス(カルボキシフェニル)メタンなどのビス
(カルボキシアリール)C1-6アルカン;ビス(カルボ
キシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(カルボキシ
アリール)C3-12シクロアルカン;ビス(カルボキシフ
ェニル)ケトンなどのビス(カルボキシアリール)ケト
ン;ビス(カルボキシフェニル)スルホキシドなどのビ
ス(カルボキシアリール)スルホキシド;ビス(カルボ
キシフェニル)エーテルなどのビス(カルボキシアリー
ル)エーテル;ビス(カルボキシフェニル)チオエーテ
ルなどのビス(カルボキシアリール)チオエーテルなど
が挙げられる。
【0106】好ましい芳香族ポリカルボン酸成分には、
単環式芳香族ジカルボン酸(特に、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸などのベンゼンジカルボン酸)、ビ
ス(カルボキシアリール)C1-6アルカンなどが含まれ
る。
【0107】脂肪族ポリカルボン酸(モノマー)として
は、前記芳香族ナイロンの項で例示した脂肪族ジカルボ
ン酸(特にC2-20脂肪族ジカルボン酸)が挙げられ、ジ
カルボキシメチルシクロヘキサンなどのC3-10脂肪族環
を有するジカルボン酸であってもよい。脂環式ポリカル
ボン酸としては、前記芳香族ナイロンの項で例示した脂
環式ジカルボン酸(特にC3-20脂環式ジカルボン酸)が
含まれる。
【0108】好ましいポリアリレート系樹脂には、芳香
族ポリオールがベンゼンジオール類及び/又はビスフェ
ノール類であるポリアリレート樹脂、例えば、ベンゼン
ジオール類(ハイドロキノン、レゾルシノールなど)及
び/又はビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフ
ェノールAD、ビスフェノールF、ビフェノールなど)
とベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸
など)とのポリエステル、ベンゼンジオール類及び/又
はビスフェノール類とビス(アリールカルボン酸)類
[例えば、ビス(カルボキシフェニル)メタン、ビス
(カルボキシフェニル)エタン、ビス(カルボキシフェ
ニル)プロパンなどのビス(カルボキシアリール)C
1-4アルカン]とのポリエステルなどが挙げられる。こ
れらポリアリレート系樹脂は単独で又は二種以上組み合
わせて使用できる。
【0109】また、ポリアリレート系樹脂は、芳香族ジ
オール及び芳香族ジカルボン酸に加えて、必要に応じ
て、芳香族トリオール、芳香族テトラオール[例えば、
1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エ
タンなど]、芳香族トリカルボン酸、芳香族テトラカル
ボン酸、オキシカルボン酸(例えば、オキシ安息香酸、
オキシナフトエ酸など)などを併用してもよい。
【0110】また、ポリアリレート系樹脂の末端は、ア
ルコール類、カルボン酸類など(特に、一価のアルコー
ル類、一価のカルボン酸類など)で封鎖(結合)しても
よい。ポリアリレート系樹脂の末端を封鎖する一価のア
ルコール類としては、例えば、一価のアリールアルコー
ル類(C1-10アルキル基及び/又はC6-10アリール基が
置換していてもよい一価のフェノール類、例えば、フェ
ノール、o,m,又はp位に1〜2個のメチル基などの
1-4アルキル基を有するアルキルフェノール;o,
m,又はp位にフェニル、ベンジル、クミル基などを有
するアリールフェノールなど)、一価のアルキルアルコ
ール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ヘキサノール、ステアリルアルコールなどのC
1-20アルキルモノアルコール類)、一価のアラルキルア
ルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ルなどのC7-20アラルキルモノアルコール類)などが含
まれる。
【0111】ポリアリレート系樹脂の末端を封鎖(結
合)する一価のカルボン酸類としては、一価の脂肪族カ
ルボン酸(酢酸、プロピオン酸、オクタン酸などのC
1-20脂肪族モノカルボン酸)、一価の脂環式カルボン酸
(シクロヘキサンカルボン酸などのC4-20脂環式モノカ
ルボン酸)、一価の芳香族カルボン酸(安息香酸、トル
イル酸、o,m,p−tert−ブチル安息香酸、p−
メトキシフェニル酢酸等のC7-20芳香族モノカルボン
酸)などが含まれる。また、前記カルボン酸類は、フェ
ニル酢酸などの芳香族基が置換した一価の脂肪族カルボ
ン酸(特に、C6-20芳香族基が置換したC1-10脂肪族モ
ノカルボン酸)であってもよい。
【0112】また、ポリアリレート系樹脂は、ポリアリ
レート系樹脂以外の樹脂、例えば、ポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどとポリマ
ーアロイを構成してもよい。前記ポリマーアロイは、単
純混合物のみならずエステル交換反応させたポリマーア
ロイあるいは相溶化剤を含んだポリマーアロイも含まれ
る。
【0113】ポリアリレート系樹脂の数平均分子量は、
例えば、300〜30×104、好ましくは500〜1
0×104程度である。
【0114】(芳香族エポキシ樹脂)芳香族エポキシ樹
脂には、エーテル系エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂な
ど)、芳香族アミン成分を用いたアミン系エポキシ樹脂
などが含まれる。
【0115】ビスフェノール型エポキシ樹脂を構成する
ビスフェノールは、前記ビス(ヒドロキシアリール)類
に同じである。好ましいビスフェノール型エポキシ樹脂
としては、ビス(ヒドロキシアリール)C1-6アルカ
ン、特にビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビス
フェノールFなどのグリシジルエーテルが挙げられる。
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂には、分子量の大
きな前記ビスフェノールグリシジルエーテル(すなわ
ち、フェノキシ樹脂)も含まれる。
【0116】ノボラック型エポキシ樹脂を構成するノボ
ラック樹脂としては、芳香族環にアルキル基(例えば、
1-20アルキル基、好ましくはメチル基、エチル基など
のC 1-4アルキル基)が置換していてもよいノボラック
樹脂(例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾール
ノボラック樹脂など)を挙げることができる。好ましい
ノボラック型エポキシ樹脂には、C1-2アルキル基が置
換していてもよいノボラック樹脂のグリシジルエーテル
が含まれる。
【0117】アミン系エポキシ樹脂を構成する芳香族ア
ミン成分には、単環式芳香族アミン(アニリン、トルイ
ジンなど)、単環式芳香族ジアミン(ジアミノベンゼ
ン、キシリレンジアミンなど)、単環式芳香族アミノア
ルコール(アミノヒドロキシベンゼンなど)、多環式芳
香族性ジアミン(ジアミノジフェニルメタンなど)、多
環式芳香族性アミンなどが挙げられる。
【0118】芳香族エポキシ樹脂の数平均分子量は、例
えば、200〜5×104、好ましくは300〜1×1
4、さらに好ましくは400〜6,000程度であ
る。また、フェノキシ樹脂の数平均分子量は、例えば、
500〜5×104、好ましくは1,000〜4×104
程度である。
【0119】芳香族エポキシ樹脂は、アミン系硬化剤
(例えば、エチレンジアミンなどの脂肪族アミン、メタ
フェニレンジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族
アミンなど)、ポリアミノアミド系硬化剤、酸および酸
無水物系硬化剤などの硬化剤により硬化して用いてもよ
い。
【0120】これらの樹脂成分は単独で又は二種以上組
み合わせて使用できる。
【0121】(ヒドロキシル基及び/又はアミノ基含有
芳香族環を有する樹脂)ヒドロキシル基及び/又はアミ
ノ基を有する芳香族環を有する樹脂としては、前記芳香
族環を主鎖又は側鎖に有する樹脂が挙げられる。こられ
の樹脂のうち、芳香族環を主鎖に有する樹脂としては、
例えば、ノボラック樹脂、アラルキル樹脂が例示でき、
芳香族環を側鎖に有する樹脂としては、芳香族ビニル樹
脂が例示できる。
【0122】(1)ノボラック樹脂 ノボラック樹脂は、下記式(5)で表される繰り返し単
位を有している。
【0123】
【化8】
【0124】(式中、R4〜R6は、同一又は異なって、
水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、pは1以
上の整数を示す)。
【0125】アルキル基としては、メチル、エチル、ブ
チル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデ
シル等のC1-20アルキル基、好ましくはC1-12アルキル
基、さらに好ましくはC1-6アルキル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、ナフチルなどのC6-20
アリール基、置換アリール基(メチルフェニル基、エチ
ルフェニル基等のC1-4アルキル置換アリール基、ヒド
ロキシフェニル基など)が挙げられる。
【0126】ノボラック樹脂(特に、ランダムノボラッ
ク樹脂)は、一般に、フェノール類と、アルデヒド類と
の反応により得られる。フェノール類としては、例え
ば、フェノール、p−又はm−クレゾール、3,5−キ
シレノール、アルキルフェノール(例えば、t−ブチル
フェノール、p−オクチルフェノール、ノニルフェノー
ルなどのC1-20アルキルフェノール)、アリールフェノ
ール(例えば、フェニルフェノール、ベンジルフェノー
ル、クミルフェノール)などが挙げられる。これらのフ
ェノール類は、1種で又は2種以上組み合わせて使用し
てもよい。
【0127】アルデヒド類としては、例えば、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドな
どの脂肪族アルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなど
の芳香族アルデヒドなどが挙げられる。好ましいアルデ
ヒド類としては、ホルムアルデヒドなどが挙げられる。
また、トリオキサン、パラホルムアルデヒドなどのホル
ムアルデヒドの縮合体も使用できる。フェノール類とア
ルデヒド類との割合は、前者/後者=1/0.5〜1/
1(モル比)程度である。
【0128】フェノール類とアルデヒド類との縮合反応
は、通常、酸触媒の存在下で行われる。酸触媒として
は、例えば、無機触媒(例えば、塩酸、硫酸、リン酸な
ど)、有機触媒(p−トルエンスルホン酸、シュウ酸な
ど)などが挙げられる。
【0129】特に、1〜2核体が低減されたフェノール
ノボラック樹脂が好ましく用いられる。このようなフェ
ノールノボラック樹脂としては、例えば、商品名「スミ
ライトレジンPR−53647」、「スミライトレジン
PR−NMD−100シリーズ」、「スミライトレジン
PR−NMD−200シリーズ」として住友デュレズ
(株)から入手できる。
【0130】また、ノボラック樹脂として、オルソ/パ
ラ比が1以上のハイオルソノボラック樹脂を使用しても
よい。
【0131】特に、ノボラック樹脂としては、オルソ/
パラ比が、1以上、例えば、1〜20(特に1〜15)
程度であるノボラック樹脂、すなわち、いわゆるハイオ
ルソノボラック樹脂が好ましく用いられる。このような
ハイオルソノボラック樹脂としては、例えば、商品名
「スミライトレジンHPNシリーズ」として住友デュレ
ズ(株)から入手できる。
【0132】これらのノボラック樹脂の製造方法として
は、特開2001−172348号公報、特開2000
−273133号公報、特開2000−273132号
公報、特開2000−226423号公報、特開平10
−204139号公報、特開平10−195158号公
報等を参照できる。
【0133】なお、前述のフェノール類と、ジオキシベ
ンゼン類、ナフトール類、ビスフェノール類(例えば、
前記Z1及びZ2の項で例示のビスフェノール類)、アル
キルベンゼン類(例えば、トルエン、エチルベンゼン、
キシレン、メシチレンなど)、アニリン類、フルフラー
ル類、尿素類やトリアジン類(例えば、尿素、シアヌル
酸、イソシアヌル酸、メラミン、グアナミン、アセトグ
アナミン、ベンゾグアナミンなど)、テルペン類、カシ
ューナット類、ロジン類などの共縮合成分との共縮合体
も使用できる。特に、トリアジン類で変性されたアミノ
トリアジンノボラックは好ましい共縮合体である。この
ようなアミノトリアジンノボラックはフェノール類、ト
リアジン類、及びホルアルデヒド類を、塩基性触媒(ア
ンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミンな
ど)及び/又は酸性触媒(シュウ酸など)の存在下又は
非存在下で共縮合する方法[例えば、DIC Tech
nical Review No.3、p47(199
7)、特開平8−253557号公報、特開平10−2
79657号公報など]により得られる。アミノトリア
ジンノボラックは、商品名「フェノライト」として大日
本インキ化学工業(株)から入手できる。
【0134】また、ノボラック樹脂(ランダムノボラッ
ク樹脂及びハイオルソノボラック樹脂)のフェノール性
水酸基の一部又は全部が、リン化合物(例えば、リン
酸、亜リン酸、有機ホスホン酸、有機ホスフィン酸など
のリン酸類、及びこれらの無水物、ハロゲン化物、塩、
又はエステル(特に、脂肪族エステル)など)、及びホ
ウ素化合物(例えば、ホウ酸、有機ボロン酸、有機ボリ
ン酸などのホウ酸類、及びこれらの無水物、ハロゲン化
物、塩、又はエステルなど)から選択された少なくとも
1種を用いて変性された変性ノボラック樹脂(例えば、
リン酸変性ノボラック樹脂、ホウ酸変性ノボラック樹脂
など)も使用できる。ノボラック樹脂の水酸基は、通
常、リン酸エステル又はホウ酸エステルとして変性され
ている。
【0135】さらに、ノボラック樹脂(ランダムノボラ
ック樹脂及びハイオルソノボラック樹脂)のフェノール
性水酸基の水素原子の一部又は全部が、金属イオン、シ
リル基もしくは有機基(アルキル基、アルカノイル基、
ベンゾイル基など)で変性(又は置換)された変性ノボ
ラック樹脂も使用できる。
【0136】好ましいノボラック樹脂としては、フェノ
ールホルアルデヒドノボラック樹脂、アルキルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂(例えば、t−ブチルフェノー
ルホルムアルデヒドノボラック樹脂、p−オクチルフェ
ノールホルムアルデヒド樹脂)、およびこれらの共縮合
体(アミノトリアジンノボラック樹脂)、ならびにこれ
らの混合物が挙げられる。
【0137】ノボラック樹脂(ランダムノボラック樹脂
及びハイオルソノボラック樹脂)の数平均分子量は、特
に制限されず、例えば、300〜5×104、好ましく
は300〜1×104程度の範囲から選択できる。
【0138】(2)アラルキル樹脂 アラルキル樹脂は、下記式(6)で表される構造単位を
有している。
【0139】
【化9】
【0140】(式中、Arは芳香族基を示し、Z3及び
4は同一又は異なってアルキレン基を示し、R7は水素
原子又はアルキル基を示す。Xはヒドロキシル基、アミ
ノ基、又はN−置換アミノ基を示す)。
【0141】Arで示される芳香族基としては、炭素数
6〜20の芳香族基、例えば、フェニレン基(o−フェ
ニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基な
ど)、ナフチレン基など、好ましくはフェニレン基(特
に、p−フェニレン基)を挙げることができる。
【0142】Z3及びZ4で示されるアルキレン基として
は、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレ
ン、ヘキサメチレンなどのC1-6アルキレン基、好まし
くはC1 -4アルキレン基(特にC1-2アルキレン基)が挙
げられる。R7で示されるアルキル基としては、前記R4
〜R6の項で例示したC1-20アルキル基(特にC1-4アル
キル基)が挙げられる。
【0143】Xで示されるN−置換アミノ基には、モノ
又はジC1-4アルキルアミノ基、例えば、ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基が含まれる。
【0144】アラルキル樹脂としては、Xがヒドロキシ
ル基であるフェノールアラルキル樹脂を用いる場合が多
い。好ましいフェノールアラルキル樹脂には、Z3及び
4がメチレン基、Arがフェニレン基、R7が水素原子
であり、下記式(7)で表されるp−キシレン置換フェ
ノールを繰り返し単位として有する樹脂が含まれる。
【0145】
【化10】
【0146】アラルキル樹脂は、一般に、下記式(8)
で表される化合物とフェノール類又はアニリン類との反
応により得ることができる。フェノール類を用いるとフ
ェノールアラルキル樹脂が、アニリン類を用いるとアニ
リンアラルキル樹脂を得ることができる。
【0147】Y−Z5−Ar−Z6−Y (8) (式中、Yはアルコキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキ
シル基又はハロゲン原子を示す。Ar、Z5及びZ6は前
記に同じ)。
【0148】式(8)において、Yで示されるアルコキ
シ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ
基などのC1-4アルコキシ基が含まれる。アシルオキシ
基にはアセトキシ基などの炭素数が2〜5程度のアシル
オキシ基が含まれる。また、ハロゲン原子には、塩素、
臭素、ヨウ素などが含まれる。
【0149】前記式(8)で表される化合物としては、
例えば、キシリレングリコールC1- 4アルキルエーテル
(p−キシリレングリコールジメチルエーテル、p−キ
シリレングリコールジエチルエーテルなど)などのアラ
ルキルエーテル類、p−キシリレン−α,α′−ジアセ
テートなどのアシルオキシアラルキル類、p−キシリレ
ン−α,α′−ジオールなどのアラルキルジオール類、
p−キシリレン−α,α′−ジクロライド、p−キシリ
レン−α,α′−ジブロマイドなどのアラルキルハライ
ド類が挙げられる。
【0150】フェノール類としては、例えば、前記ノボ
ラック樹脂の項で例示のフェノール又はアルキルフェノ
ールが挙げられる。これらフェノール類は、1種で又は
2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0151】アニリン類としては、例えば、アニリン、
アルキルアニリン(例えば、トルイジン、キシリジン、
オクチルアニリン、ノニルアニリンなどのC1-20アルキ
ルアニリン)、及びN−アルキルアニリン(例えば、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン
などのN−C1-4アルキルアニリン)が挙げられる。こ
れらアニリン類は、1種で又は2種以上組み合わせて使
用してもよい。
【0152】前記式(8)で表される化合物と、フェノ
ール類又はアニリン類との割合は、例えば、前者/後者
=1/1〜1/3(モル比)程度、好ましくは1/1〜
1/2.5(モル比)程度である。
【0153】このようにして得られたアラルキル樹脂の
軟化点は、例えば、40〜160℃程度、好ましくは5
0〜150℃程度、さらに好ましくは55〜140℃程
度である。尚、他のアラルキル樹脂として、特開200
0−351822号公報記載のアラルキル樹脂も使用で
きる。
【0154】また、アラルキル樹脂は必要に応じて硬化
又は変性してもよい。硬化又は変性は、通常、ポリアミ
ン(ヘキサメチレンテトラミンなど)によるメチレン架
橋、エポキシ化合物(エピクロルヒドリンなど)による
エポキシ変性などの慣用の方法により行うことができ
る。
【0155】(3)芳香族ビニル樹脂 芳香族ビニル樹脂としては、例えば、下記式(9)で表
される構造単位を有する樹脂が使用できる。
【0156】
【化11】
【0157】(式中、R8は水素原子又はC1-3アルキル
基、R9は芳香族環を示し、qは1〜3の整数であ
る)。
【0158】式(9)において、好ましいC1-3アルキ
ル基としては、メチル基が挙げられる。また、芳香族環
としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン環などのC
6-20芳香族環が挙げられる。なお、芳香族環は、置換基
(例えば、ヒドロキシル基;前記R4〜R6の項で例示の
アルキル基;前記Yの項で例示のアルコキシ基など)を
有していてもよい。
【0159】式(9)において、ヒドロキシル基の水素
原子は、金属イオン、シリル基もしくはアルキル基、ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などの有機基(保護基)で
保護されていてもよい。
【0160】このような誘導体から得られる樹脂は、例
えば、下記式(10)に示される構造単位を有する。
【0161】
【化12】
【0162】[式中、R8は前記に同じ。R10は−OH,
−OSi(R11)3及び−OM(Mは金属カチオン、OR
11及びOCOR11であり、R11は1〜5個の炭素原子を
有するアルキル基又はアリール基である)からなる群よ
り選ばれる基である。また、rは1〜3の整数であ
る]。
【0163】前記式において、Mは一価のアルカリ金属
カチオン(ナトリウム、リチウム、カリウムなど)、又
は二価のアルカリ土類金属カチオン(マグネシウム、カ
ルシウムなど)もしくは遷移金属カチオンのいずれかで
あってもよい。
【0164】前記式の置換基R10は、オルト位、メタ位
又はパラ位のいずれか一つに位置していればよい。さら
に、置換基R10に加えて、ペンダント芳香族環はC1-4
のアルキル基で置換されていてもよい。
【0165】芳香族ビニル系樹脂には、前記構造単位
(9)に対応するヒドロキシル基を有する芳香族ビニル
モノマーの単独又は共重合体、または他の共重合性モノ
マーとの共重合体などが含まれる。
【0166】芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、
ビニルフェノール、ジヒドロキシスチレン、ビニルナフ
トールなどのヒドロキシル基含有芳香族ビニルモノマー
などが含まれる。これらの芳香族ビニルモノマーは単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0167】他の共重合性モノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル系モノマー[(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル
などの(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロ
キシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸グリシジルな
ど)、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニト
リルなど]、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、ビニルナフタリン、ビニルシクロヘキサンなど)、
重合性多価カルボン酸(フマル酸、マレイン酸など)、
マレイミド系モノマー(マレイミド、N−アルキルマレ
イミド、N−フェニルマレイミドなど)、ジエン系モノ
マー(イソプレン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエンなど)、ビニル系モノ
マー(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
ビニルエステル類;メチルビニルケトン、メチルイソプ
ロペニルケトンなどのビニルケトン類;ビニルイソブチ
ルエーテル、ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテ
ル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルイミダゾールなどの窒素含有ビニルモノ
マーなど)などが挙げられる。これらの共重合性モノマ
ーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0168】ビニルモノマーと共重合性モノマーとの割
合は、例えば、10/90〜100/0(重量%)、好
ましくは30/70〜100/0(重量%)、さらに好
ましくは50/50〜100/0(重量%)程度であ
る。
【0169】好ましい芳香族ビニル樹脂は、ビニルフェ
ノール単独重合体(ポリヒドロキシスチレン)、特にp
−ビニルフェノール単独重合体である。
【0170】芳香族ビニル樹脂の数平均分子量は、特に
制限されず、例えば、300〜50×104、好ましく
は400〜30×104程度の範囲から選択できる。
【0171】これらの芳香族樹脂のうち、ポリフェニレ
ンオキシド系樹脂、ポリカーボネー系樹脂、ポリアリレ
ート系樹脂、ノボラック樹脂、アラルキル樹脂、芳香族
ビニル樹脂、特にポリフェニレンオキシド系樹脂、ノボ
ラック樹脂が好ましい。
【0172】(C2)窒素含有化合物 難燃助剤として用いられる窒素含有化合物としては、
(a)アミノ基を有する窒素含有環状化合物、(b)ア
ミノ基を有する窒素含有環状化合物と酸素酸との塩、
(c)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と有機リン
酸との塩、(d)ポリリン酸アミド、(e)尿素化合
物、(f)テトラゾール化合物等が挙げられる。
【0173】(a)アミノ基を有する窒素含有環状化合
物 アミノ基を有する窒素含有環状化合物には、少なくとも
1つのアミノ基と、少なくとも1つの窒素原子を環のヘ
テロ原子として有するヘテロ環状化合物が含まれ、ヘテ
ロ環は、窒素以外にイオウ、酸素などの他のヘテロ原子
を有していてもよい。このような窒素含有ヘテロ環に
は、イミダゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン、
フラザン、トリアゾール、チアジアジン、ピラジン、ピ
リミジン、ピリダジン、トリアジン、プリンなどの複数
の窒素原子を環の構成原子として有する5又は6員不飽
和窒素含有ヘテロ環などが含まれる。このような窒素含
有環のうち、複数の窒素原子を環の構成原子として有す
る5又は6員不飽和窒素含有環が好ましく、特に、トリ
アゾール及びトリアジンが好ましい。
【0174】トリアゾール化合物としては、1,2,3
−トリアゾール類(1H−1,2,3−トリアゾール
類;2H−1,2,3−トリアゾール類など)、及び
1,2,4−トリアゾール類(グアナゾールなどの1H
−1,2,4−トリアゾール類;グアナジンなどの4H
−1,2,4−トリアゾール類など)が例示でき、アミ
ノ基はトリアゾール環の適当な部位(窒素原子及び炭素
原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。アミノ基
の個数は、特に制限されず、1〜3個、特に1〜2個程
度である。
【0175】トリアジン化合物としては、1,3,5−
トリアジン類[メラミン、置換メラミン(2−メチルメ
ラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミンな
ど)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンな
ど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂な
ど)などのメラミン又はその誘導体;アンメリン、アン
メリドなどのシアヌール酸アミド類;グアナミン、メチ
ルグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、
サクシノグアナミン、CTU−グアナミンなどのグアナ
ミン又はその誘導体など]、アミノ基含有1,2,3−
トリアジン類(5−位、4,5−位、4,5,6−位な
どにアミノ基が置換した1,2,3−トリアジン、4−
アミノ−ベンゾ−1,2,3−トリアジンなど)、アミ
ノ基含有1,2,4−トリアジン類(3−位、5−位、
3,5−位などにアミノ基が置換した1,2,4−トリ
アジンなど)などの各種アミノトリアジン類が挙げられ
る。アミノ基は、トリアジン環の適当な部位(窒素原子
及び炭素原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。
アミノ基の個数は特に制限されず、1〜4個、特に1〜
3個(例えば、1〜2個)程度である。
【0176】これらのうち、アミノ基含有トリアジン化
合物、特にアミノ基含有1,3,5−トリアジン類が好
ましい。
【0177】(b)アミノ基を有する窒素含有環状化合
物と酸素酸との塩 アミノ基を有する窒素含有環状化合物としては、前記
(a)と同様の窒素含有環状化合物が使用できる。
【0178】アミノ基を有する窒素含有環状化合物は、
環を構成する窒素原子部位(イミノ基)で酸素酸と塩を
形成してもよいが、通常、環に置換した少なくとも1つ
のアミノ基と酸素酸とで塩を形成するのが好ましい。複
数のアミノ基を有する場合、全てのアミノ基が酸素酸と
塩を形成していてもよい。また、複数の同種又は異種の
窒素含有化合物(前記窒素含有環状化合物や他のアミノ
基含有窒素含有化合物)が1つのポリ酸と塩を形成し
て、ポリ酸の複塩を形成してもよい。
【0179】(酸素酸)酸素酸には、硝酸、塩素酸(過
塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸など)、リン
酸、硫酸、スルホン酸、ホウ酸、クロム酸、アンチモン
酸、モリブデン酸、タングステン酸、スズ酸、ケイ酸な
どが含まれる。好ましい酸素酸には、リン酸(ポリリン
酸)、硫酸、スルホン酸、ホウ酸が含まれる。
【0180】(1)アミノ基を有する窒素含有環状化合
物のリン酸塩 リン酸には、ペルオクソリン酸、オルトリン酸、メタリ
ン酸、亜リン酸(ホスホン酸)、次亜リン酸(ホスフィ
ン酸)などの非縮合リン酸;ポリメタリン酸(HPO3)
s(式中、sは、2以上の整数を示す)、次リン酸、無
水リン酸(五酸化二リン)などの縮合リン酸(ポリリン
酸)などが含まれる。また、前記ポリリン酸には下記式
(11)で表される縮合リン酸類も含まれる。
【0181】
【化13】
【0182】(式中、tは2以上の整数を示す)。
【0183】前記式において、tは、好ましくは2〜2
00の整数、さらに好ましくは3〜100の整数であ
る。
【0184】また、前記ポリリン酸には、ピロリン酸、
三リン酸、四リン酸なども含まれる。
【0185】複数の塩形成可能な部位を有するリン酸
は、少なくとも一部の部位がアミンや尿素などの他のア
ミノ基含有化合物と部分塩(ポリリン酸アンモニウム、
ポリリン酸尿素などの縮合酸の部分塩;オルトリン酸尿
素などの非縮合酸の部分塩など)を形成してもよい。
【0186】アミノ基を有する窒素含有環状化合物のリ
ン酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物のリン
酸塩、例えば、非縮合リン酸塩(オルトリン酸メラミ
ン、ホスホン酸メラミンなどの非縮合リン酸のメラミン
塩;前記メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メ
ロン塩、グアナミン塩など)、ポリリン酸塩[ピロリン
酸メラミン塩(ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ジメラ
ミン)、これらのピロリン酸メラミン塩に対応する三リ
ン酸塩、四リン酸塩などのポリリン酸メラミン類;前記
ポリリン酸メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、
メロン塩、グアナミン塩など]などが例示できる。ま
た、ポリリン酸塩は、硫酸に由来する硫黄原子を含んで
いてもよい。前記トリアジン塩に対応するトリアゾール
塩なども使用できる。
【0187】ポリリン酸塩には、ポリリン酸メラミン・
メラム・メレム複塩、メタリン酸メラミン・メラム・メ
レム複塩や、前記イオウ原子を含むポリ酸(リン原子の
他に、イオウ原子、酸素原子などを含むポリ酸)のメラ
ミン・メラム・メレム複塩なども含まれる。これらの複
塩の詳細は特開平10−306081号公報、特開平1
0−306082号公報を参照できる。
【0188】(2)アミノ基を有する窒素含有化合物の
硫酸塩 硫酸としては、ペルオクソ一硫酸、硫酸、亜硫酸等の非
縮合硫酸、ペルオクソ二硫酸やピロ硫酸等の縮合硫酸な
どが挙げられる。
【0189】アミノ基を有する窒素含有化合物の硫酸塩
としては、アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩、例
えば、縮合硫酸塩[硫酸メラミン類(硫酸メラミン、硫
酸ジメラミン、硫酸グアニルメラミンなど)、硫酸メラ
ミンに対応する亜硫酸メラミンなどの非縮合硫酸メラミ
ン類;前記非縮合硫酸メラミン塩に対応するメレム塩、
メラム塩、メロン塩、グアナミン塩など)]、縮合硫酸
塩[ピロ硫酸メラミン類(ピロ硫酸メラミン、ピロ硫酸
ジメラミンなど)、ピロ硫酸メラミン塩に対応するメレ
ム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩など]などが
例示できる。また、前記トリアジン塩に対応するトリア
ゾール塩も使用できる。
【0190】なお、硫酸メラミンは、例えば、特開平8
−231517号公報に記載の方法などにより得ること
ができる。ピロ硫酸ジメラムは、例えば、A.C.S. Sympo
siumSeries No. 425 "Fire and Polymers"、第15章、
211〜238頁(American Chemical Society, Washi
ngton D.C., 1990)、特開平10−306082号公報
に記載の方法などにより得ることができる。このような
窒素含有環状化合物(トリアジン化合物)の硫酸塩とし
ては、例えば、(株)三和ケミカルから「アピノン90
1」などとして入手可能である。
【0191】(3)アミノ基を有する窒素含有環状化合
物のスルホン酸塩 スルホン酸としては、C1-10アルカンスルホン酸(例え
ば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジス
ルホン酸など)、C6-20アリールスルホン酸(例えば、
ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)等の有
機スルホン酸が挙げられる。
【0192】アミノ基を有する窒素含有環状化合物のス
ルホン酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物
(例えば、メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナ
ミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなど)のス
ルホン酸塩[スルホン酸メラミン類(メタンスルホン酸
メラミン、メタンスルホン酸メラム、メタンスルホン酸
メレム、メタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複
塩、メタンスルホン酸グアナミンなど)]が例示でき
る。このような窒素含有環状化合物(トリアジン化合
物)の有機スルホン酸塩としては、例えば、日産化学工
業(株)から「メタンスルホン酸メラム MMS−20
0」などとして入手可能である。
【0193】(4)アミノ基を有する窒素含有環状化合
物のホウ酸塩 ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸などの非縮
合ホウ酸;四ホウ酸、無水ホウ酸などの縮合ホウ酸など
が挙げられる。
【0194】アミノ基を有する窒素含有環状化合物のホ
ウ酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物のホウ
酸塩、例えば、非縮合ホウ酸塩[オルトホウ酸メラミン
塩(オルトホウ酸モノ乃至トリメラミンなどのオルトホ
ウ酸メラミン塩)、前記メラミン塩に対応するメレム
塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩などのオルトホ
ウ酸塩;前記オルトホウ酸塩に対応するメタホウ酸
塩]、ポリホウ酸塩[縮合ホウ酸メラミン塩(無水ホウ
酸メラミン、四ホウ酸メラミンなど)、前記メラミン塩
に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン
塩]などが例示できる。
【0195】このような窒素含有環状化合物(トリアジ
ン化合物)のホウ酸塩としては、例えば、DMS社から「m
elapur」、Joseph Storey & Co LTD社から「STORFLAM M
LB」、Budenheim Iberica Comercial社から「BUDIT 31
3」などとして入手可能である。
【0196】前記酸素酸塩は、単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。
【0197】アミノ基を有する窒素含有環状化合物と酸
素酸との割合は、特に制限されないが、例えば、前者/
後者(モル比)=1/20〜20/1、好ましくは1/
10〜10/1(例えば1/5〜10/1)、特に1/
2〜8/1程度である。窒素含有環状化合物が有するア
ミノ基と酸素酸の塩形成可能部位との当量比も特に制限
されず、例えば、10/1〜1/2、好ましくは5/1
〜1/1、特に4/1〜1/1程度である。
【0198】(c)アミノ基を有する窒素含有環状化合
物と有機リン酸との塩 アミノ基を有する窒素含有環状化合物としては、前記
(a)と同様のアミノ基を有する窒素含有環状化合物が
例示できる。
【0199】有機リン酸としては、例えば、前記(b)
の項で例示した非縮合リン酸[リン酸(オルトリン酸な
ど)、ホスホン酸など]のエステル、及び有機基で置換
されたホスホン酸又はホスフィン酸などが例示できる。
有機リン酸は、アミノ基を有する窒素含有環状化合物と
塩を形成可能な部位を少なくとも1つ有していればよ
い。
【0200】リン酸エステル(有機オルトリン酸)に
は、アルコール類(一価又は多価アルコール、一価又は
多価のフェノール類)のリン酸モノ又はジエステルが含
まれる。前記アルコール類には、前記ポリアリレート系
樹脂の項で例示した一価のアルコール(特にC1-10脂肪
族モノオール)及び脂肪族ポリオールの他、グリセロー
ル、ペンタエリスリトールなどのC1-10脂肪族ポリオー
ル;ニトリロトリメタノールなどのヘテロ原子を有する
2-10脂肪族ポリオール;シクロペンタノール、シクロ
ヘキサノールなどのC5-8脂環族モノオール(好ましく
はC5-6シクロアルカノール);シクロヘキサンジオー
ルなどのC5-8脂環族ジオール(好ましくはC5-6シクロ
アルカンジオール);フェノール、アルキルフェノール
(例えば、p−又はm−クレゾール、3,5−キシレノ
ール、トリメチルフェノール、t−ブチルフェノール、
p−オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのモノ
乃至トリC1-20アルキルフェノール)、アリールフェノ
ール(例えば、フェニルフェノール、ベンジルフェノー
ル、クミルフェノール)、ナフトール、ヒドロキシビフ
ェニルなどの一価フェノール類;前記ポリアリレート系
樹脂の項で例示した一価のアラルキルアルコール及び芳
香族環ジオールなどが含まれる。
【0201】このようなリン酸エステルとしては、メチ
ルホスフェート、ジブチルホスフェートなどのモノ又は
ジC1-10アルキルホスフェート;エチレングリコールモ
ノホスフェート、ペンタエリスリトールビスホスフェー
トなどのC2-10脂肪族多価アルコールのモノ乃至テトラ
ホスフェート;モノフェニルホスフェート、モノクレジ
ルホスフェート、モノキシリルホスフェート、モノトリ
メチルフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェー
ト、ジクレジルホスフェート、ジキシリルホスフェー
ト、ジトリメチルフェニルホスフェートなどの置換基
(C1-4アルキル基など)を有していてもよい一価フェ
ノール類のリン酸エステル(例えば、C1-4アルキル基
を有していてもよいモノ又はジC6-14アリールホスフェ
ート);フェニレンビスホスフェートなどの置換基(C
1-4アルキル基など)を有していてもよい多価フェノー
ル類のモノ又はジホスフェート(例えば、C1-4アルキ
ル基を有していてもよいC6-14アリーレンモノ又はジホ
スフェート)など]、アルキル−アリールリン酸エステ
ル[メチルフェニルホスフェートなどのC1-10アルキル
6-14アリールホスフェート(好ましくはC1-6アルキ
ルC6-10アリールホスフェート)など]などが含まれ
る。
【0202】有機ホスホン酸には、前記リン酸エステル
に対応するホスホン酸モノエステル、ホスホン酸のリン
原子に直接結合した水素原子が有機基(脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基などの有機
基)で置換された有機ホスホン酸、前記アルコール類の
有機ホスホン酸モノエステルなどが含まれる。
【0203】前記有機ホスホン酸には、脂肪族ホスホン
酸[メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホ
スホン酸、ブチルホスホン酸などのアルキルホスホン
酸;1−ヒドロキシエチリデン−1−ホスホン酸、1−
ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などの脂
肪族ポリオールのモノ又はジホスホン酸エステル;ホス
ホノ酢酸、3−ホスホノプロピオン酸などのホスホノC
1-10脂肪族カルボン酸又はそのカルボン酸エステル(ホ
スホノ酢酸エチル、3−ホスホノプロピオン酸エチルな
どのホスホノカルボン酸のカルボン酸エステル類など)
などのホスホノカルボン酸類などの置換基(ヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、エステル基など)を有していて
もよいC1-10アルキル基で置換されたホスホン酸(好ま
しくはC1- 6アルキル置換ホスホン酸);エチレンビス
ホスホン酸などのC1-10アルキレンジホスホン酸;ニト
リロトリス(メチレンホスホン酸)などのヘテロ原子を
有する脂肪族多価基で置換されたホスホン酸など]、芳
香族ホスホン酸[フェニルホスホン酸、トリルホスホン
酸などのC6-10アリールホスホン酸;ホスホノ安息香酸
などのホスホノC7-15芳香族カルボン酸又はそのカルボ
ン酸エステル(ホスホノ安息香酸エチルなどのホスホノ
芳香族カルボン酸のカルボン酸エステル類など)などの
ホスホノカルボン酸;フェニレンビスホスホン酸などの
置換基(C1-4アルキル基など)を有していてもよい芳
香族多価基で置換されたホスホン酸など]などが含まれ
る。また、前記有機ホスホン酸はポリマーと結合したホ
スホン酸(ポリビニルホスホン酸など)であってもよ
い。
【0204】有機ホスホン酸モノエステルには、前記有
機ホスホン酸と前記リン酸エステルの項で例示のアルコ
ール類とのモノエステル、例えば、メチルホスホン酸モ
ノメチルエステルなどのC1-10アルキルホスホン酸モノ
1-6アルキルエステル;ホスホノカルボン酸のジエス
テル(エトキシカルボニルメチルホスホン酸モノエチ
ル、エトキシカルボニルエチルホスホン酸モノエチルな
どのC2-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルホスホン
酸モノC1-6アルキルエステルなど);メチルホスホン
酸モノフェニルエステルなどのC1-10アルキルホスホン
酸モノC6-10アリールエステル;フェニルホスホン酸モ
ノメチルエステルなどのC6-10アリールホスホン酸C
1-6アルキルエステル;フェニルホスホン酸モノフェニ
ルエステルなどのC6-10アリールホスホン酸モノC6-10
アリールエステルなどが含まれる。なお、前記ホスホン
酸エステルは、環状ホスホン酸エステル(9,10−ジ
ヒドロ−10−ヒドロキシ−10−オキソ−9−オキサ
−10−ホスファフェナントレンなど)であってもよ
い。
【0205】有機ホスフィン酸には、ホスフィン酸のリ
ン原子に有機基(脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素
基、芳香族炭化水素基などの炭化水素基)が結合した有
機ホスフィン酸が含まれる。このような有機ホスフィン
酸としては、前記置換ホスホン酸に対応する置換ホスフ
ィン酸、例えば、メチルエチルホスフィン酸、ジエチル
ホスフィン酸などのモノ又はジC1-10アルキルホスフィ
ン酸;メチルフェニルホスフィン酸などのC1-10アルキ
ルC6-10アリールホスフィン酸;フェニルホスフィン酸
などのC6-10アリールホスフィン酸;ホスフィニコカル
ボン酸[ホスフィニコジ酢酸などのホスフィニコジC
1-6脂肪族カルボン酸;3−(メチルホスフィニコ)プ
ロピオン酸などのC1-6アルキルホスフィニコ−モノC
1-6脂肪族カルボン酸、3−(フェニルホスフィニコ)
プロピオン酸などのC6-10アリールホスフィニコ−モノ
1-6脂肪族カルボン酸、これらのホスフィニコカルボ
ン酸のカルボン酸エステルなど;ホスフィニコモノ又は
ジC6-10アリールカルボン酸又はそのカルボン酸エステ
ル];ヒドロキシホスフィンオキシド(1−ヒドロキシ
ジヒドロホスホニルオキシド、1−ヒドロキシホスホラ
ンオキシドなど)などが挙げられる。
【0206】前記有機リン酸塩は、塩形成可能な部位の
一部又は全部でアミノ基を有する窒素含有環状化合物と
塩を形成でき、いずれの塩も使用できる。このような有
機リン酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物の
塩、例えば、有機リン酸エステルのメラミン塩(ペンタ
エリスリトールビスホスフェート・メラミン、ペンタエ
リスリトールビスホスフェート・ジメラミンなど)、C
1-6アルキル置換ホスホン酸のメラミン塩、C1-6脂肪族
ジオールのモノ又はジホスホン酸エステルのメラミン塩
(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸・
ジメラミン、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸・テトラメラミンなど)、ヘテロ原子を有する
脂肪族多価基で置換されたホスホン酸のメラミン塩[ニ
トリロトリス(メチレンホスホン酸)・テトラメラミン
塩、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)・ヘキサメ
ラミン塩など]、及びC6-10アリールホスホン酸・メラ
ミン(フェニルホスホン酸・メラミン、フェニルホスホ
ン酸・ジメラミンなど)、ホスフィニコカルボン酸・メ
ラミン塩[3−(フェニルホスフィニコ)プロピオン酸
・メラミン、3−(フェニルホスフィニコ)プロピオン
酸・ジメラミンなどのアリールホスフィニコカルボン酸
・メラミン塩];前記メラミン塩に対応するメレム塩、
メラム塩、メロン塩、グアナミン塩;並びにペンタエリ
スリトールビスホスフェート・メラミン・メレムなどの
前記メラミン塩に対応する複塩などが挙げられる。ま
た、前記トリアジン化合物塩に対応するトリアゾール塩
も使用できる。このような有機リン酸塩は、単独で又は
二種以上組み合わせて使用できる。
【0207】このようなアミノ基を有する窒素含有化合
物(特に、アミノ基含有トリアジン化合物)の有機リン
酸塩の製造方法は、特に制限されないが、例えば、前記
窒素含有化合物と有機リン酸と含む溶液又は分散液(水
−アセトン混合系、水−アルコール混合系などの水溶液
又は懸濁液など)を、適当な温度(例えば50〜100
℃程度)で攪拌、混合し、生成する沈殿物を分離、乾燥
する方法などにより製造できる。
【0208】(d)ポリリン酸アミド ポリリン酸アミドとしては、前記酸素酸の項で例示した
リン酸類と、−N=C=N−又は−N=C(−N<)2
表されるユニットを有する化合物(シアナミド誘導体な
ど)との縮合物であり、アミド態の窒素を含有する高分
子化合物である。このようなポリリン酸アミドは、通
常、前記リン酸と前記シアナミド誘導体とを、尿素及び
リン酸尿素から選択された少なくとも一種(結合剤)の
存在下で加熱(焼成など)することにより得られる。
【0209】前記リン酸類としては、非縮合リン酸(オ
ルトリン酸、メタリン酸など)、ポリリン酸、リン酸の
部分エステル(ポリリン酸アンモニウム、リン酸尿素な
ど)などが好ましく使用できる。リン酸類は、単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。
【0210】前記シアナミド誘導体としては、アミノ基
含有トリアジン類(メラミン、メラム、メレム、メロ
ン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン
などのアミノ基含有1,3,5−トリアジン類、3−ア
ミノ−1,2,4−トリアジンなどのアミノ基含有1,
2,4−トリアジン類など)、アミノ基含有トリアゾー
ル類(2,5−ジアミノ−1,3,4−トリアゾールな
どのアミノ基含有1,3,4−トリアゾール類など)な
どの環状シアナミド誘導体;グアニジン類[グアニジ
ン、グアニジン誘導体(ジシアンジアミド、グアニル尿
素など)など]などの非環状シアナミド誘導体などが挙
げられる。好ましいシアナミド誘導体は、アミノ基含有
1,3,5−トリアジン類、グアニジン又はその誘導
体、特にメラミンなどである。このようなシアナミド誘
導体は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0211】ポリリン酸アミドは、単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。ポリリン酸アミドについて
は、例えば、特開平7−138463号公報を参照でき
る。このようなポリリン酸アミドは、特公昭53−21
70号公報、特公昭53−15478号公報、特公昭5
5−49004号公報、特開昭61−126091号公
報、特開平10−81691号公報、米国特許第404
3987号明細書などに記載の方法などにより製造でき
る。ポリリン酸アミドは、「スミセーフPM」[住友化
学工業(株)製]、「タイエンS」[太平化学産業
(株)製]、「アピノンMPP」[(株)三和ケミカル
製]、「Melapur」[DSM社製]、「Exol
it」[クラリアント社製]、「AMGARD」[Al
bright&Wilson社製]として市販されてい
る。
【0212】(e)尿素化合物 尿素化合物には、非環状尿素化合物及び環状尿素化合物
が含まれる。
【0213】(非環状尿素化合物)非環状尿素化合物に
は、尿素、アルキル基などの置換基が置換したN−置換
尿素[例えば、N−メチル体、N−エチル体などのN−
1-6アルキル体、アルキレンジウレア(例えば、メチ
レンジウレアなどのC1-6アルキレンジウレアなど)な
ど]、非環状ウレイド化合物[オキサルル酸などのC
2-6ジカルボン酸のウレイド酸、ウレイド酢酸などのウ
レイド基含有C1-6モノカルボン酸、ウレイドコハク酸
などのカルバミド基含有C2-6ジカルボン酸、又はそれ
らの誘導体(アミド、エステルなど)などのモノウレイ
ド;アラントイン酸などのC2-6ジカルボン酸のジウレ
イドなど]、非環状の尿素縮合体[尿素の二量体(例え
ば、ビウレット、ビウレアなど)、尿素の多量体、尿素
とアルデヒド化合物との縮合体など]などが含まれる。
【0214】(環状尿素化合物)環状尿素化合物は、少
なくとも1つの尿素ユニット−NHCONH−を環の構
成ユニットとして有する限り、特に制限されず、単環化
合物、芳香族炭化水素環との縮合環、架橋環などのいず
れであってもよい。このような環状尿素化合物には、環
状モノウレイド、環状ジウレイド等が挙げられる。これ
らの環状尿素化合物は、単独で又は二種以上組み合わせ
て使用できる。
【0215】環状モノウレイドとしては、例えば、アル
キレン尿素[メチレン尿素、エチレン尿素、クロトニリ
デン尿素(CDU)などのC1-10アルキレン尿素(好ま
しくはC1-6アルキレン尿素)など]、アルケニレン尿
素(ビニレン尿素、シトシン等のC2-10アルケニレン尿
素など)、アルキニレン尿素[C2-10アルキニレン尿素
(好ましくはC2-6アルキニレン尿素)など]、アリー
レン尿素(イメサチンなど)、ジカルボン酸のウレイド
(パラバン酸、ジメチルパラバン酸、バルビツル酸、
5,5−ジエチルバルビツル酸、ジリツル酸、ジアルル
酸、アロキサン、アロキサン酸、イソシアヌール酸、ウ
ラミル等)、β−アルデヒド酸のウレイド[ウラシル、
5−メチルウラシル(チミン)、ジヒドロウラシル、ウ
ラゾール、ベンゾイレン尿素等]、α−オキシ酸のウレ
イド[ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、
1,1−メチレンビス(5,5−ジメチルヒダントイ
ン)、アラントイン等のヒダントイン類など]、又はそ
の誘導体などが例示できる。
【0216】環状ジウレイドとしては、例えば、尿酸、
3−メチル尿酸、プソイド尿酸、アセチレン尿素(グリ
コールウリル)、α−オキシ酸のジウレイド[1,1−
メチレンビス(5,5−ジメチルヒダントイン)、アラ
ントインなど]、p−ウラジンなどのジウレア、ジカル
ボン酸のジウレイド(アロキサンチン、プルプル酸
等)、又はその誘導体などが例示できる。
【0217】これらの環状尿素化合物のうち、2つの尿
素ユニットを環の構成ユニットとして有する環状ジウレ
イド、特にアセチレン尿素、尿酸、それらの誘導体が好
ましい。
【0218】(f)テトラゾール化合物 テトラゾール化合物には、モノテトラゾール及びテトラ
ゾールのアミン塩又は金属塩が含まれる。例えば、5−
フェニルテトラゾール、5,5′−ビテトラゾールのア
ミン塩(例えば、二アンモニウム塩、二グアニジン塩、
ピペラジン塩、メラミン塩、グアナミン塩、キシリレン
ジアミン塩など)、5,5′−ビテトラゾールの金属塩
(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、
マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩
など)などが挙げられる。
【0219】これらのテトラゾール化合物としては、特
開平5−51476号公報、特開平6−166678号
公報、特開2001−294497号公報などを参照で
きる。
【0220】これらの窒素含有化合物のうち、トリアジ
ン骨格を有するアミノ基含有化合物と、硫酸、(ポリ)
リン酸、スルホン酸、有機ホスホン酸及び有機ホスフィ
ン酸から選択された成分との反応生成物(塩)(例え
ば、ポリリン酸メラミン塩、ポリリン酸メラミン・メラ
ム・メレム複塩、ポリメタリン酸メラミン、硫酸メラミ
ン、ピロ硫酸メラム、メタンスルホン酸メラム、有機ス
ルホン酸メラム、有機ホスホン酸メラミン、有機ホスフ
ィン酸メラミン等)、(ポリ)リン酸とシアナミド類又
は誘導体との反応生成物(塩)(例えば、ポリリン酸ア
ミド等)、又は環状ジウレイド(例えば、尿酸、アセチ
レン尿素等)、ビテトラゾール(例えば、5,5′−ビ
テトラゾールの二アンモニウム塩、二アミノグアニジン
塩、ピペラジン塩、メラミン塩、アルカリ土類金属塩、
亜鉛塩、アルミニウム塩など)等が好ましい。
【0221】これらの窒素含有化合物(C2)は、エポ
キシ系化合物、カップリング剤(シラン系化合物、チタ
ネート系化合物、アルミニウム系化合物など)、クロム
系化合物などの表面改質剤により処理してもよい。ま
た、窒素含有化合物(C2)は、金属、ガラス、トリア
ジン誘導体のシアヌール酸塩、熱硬化性樹脂(例えば、
フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン
樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂又はこれらの共縮合樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミドなど)、熱
可塑性樹脂などで被覆処理してもよい。これらの処理の
うち、通常、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂や
エポキシ樹脂など)で被覆処理する。例えば、窒素含有
化合物(C2)の被覆処理方法として、特開昭52−1
25489号公報、特開昭62−21704号公報、特
開昭63−110254号公報、特開平8−53569
号公報、特開平8−53574号公報、特開2000−
169120号公報、特開2001−131293号公
報などを参照することができる。窒素含有化合物(C
2)と被覆成分との割合は、特に制限されないが、例え
ば、被覆成分が被覆難燃剤の0.1〜20重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%(例えば、0.1〜8重量
%)程度である。
【0222】(C3)無機金属系化合物 無機金属系化合物には、無機酸の金属塩、金属酸化物、
金属水酸化物、金属硫化物等が含まれる。
【0223】(1)無機酸の金属塩 塩を構成する無機酸としては、リン酸、ホウ酸、スズ酸
等の各種無機酸が使用できる。
【0224】無機酸と塩を形成する金属には、アルカリ
金属(カリウム、ナトリウムなど);アルカリ土類金属
(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど);遷移金
属(スカンジウムなどの第3A族金属;チタンなどの第
4A族金属;バナジウムなどの第5A族金属;クロム、
モリブデンなどの第6A族金属;マンガンなどの第7A
族金属;鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの第
8族金属;及び銅、銀などの第1B族金属)、第2B族
金属(亜鉛など)、第3B族金属(アルミニウムな
ど)、第4B族金属(スズ、鉛など)、第5B族金属
(アンチモン、ビスマスなど)などが含まれる。これら
の金属は一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0225】(リン酸の金属塩)リン酸としては、非縮
合リン酸[オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜
リン酸等]、縮合リン酸[次リン酸塩、ピロリン酸塩、
ポリリン酸(三リン酸、四リン酸等)、ポリメタリン
酸、無水リン酸塩類等]が例示でき、特に非縮合リン酸
が好ましい。金属は、多価金属、例えば、アルカリ土類
金属、遷移金属、周期表2B〜3B族金属、特に、アル
カリ土類金属が好ましい。
【0226】リン酸の金属塩としては、前記リン酸と多
価金属との塩の他、この多価金属リン酸塩に対応するリ
ン酸水素塩が挙げられ、前記金属塩には、配位子(例え
ば、ヒドロキソ、ハロゲンなど)が配位していてもよ
い。
【0227】リン酸の金属塩としては、例えば、ピロリ
ン酸塩(Ca227など)、ポリメタリン酸塩[Ca3
(P39)2など]、無水リン酸塩類[Ca2(P412)、
Ca 5(P310)2など]の他、Ca5(PO4)3(OH)、C
5(PO4)3(F,Cl)などの縮合リン酸塩を使用して
もよいが、リン酸水素塩を用いるのが好ましい。
【0228】このようなリン酸水素塩としては、例え
ば、オルトリン酸水素マグネシウム(リン酸水素マグネ
シウム、リン酸二水素マグネシウムなど)、オルトリン
酸水素カルシウム(リン酸二水素カルシウム、第二リン
酸カルシウムなど)などのアルカリ土類金属リン酸水素
塩;リン酸水素マンガン(リン酸水素マンガン(III)な
ど)、リン酸水素鉄[Fe(H2PO4)3など]等の遷移
金属リン酸水素塩;リン酸水素亜鉛、リン酸水素カドミ
ウムなどの周期表第2B族金属のリン酸水素塩;リン酸
水素アルミニウムなどの周期表第3B族金属のリン酸水
素塩;リン酸水素スズなどの周期表第4B族金属のリン
酸水素塩などの非縮合リン酸水素塩などである。これら
のうち、実質的に無水のリン酸水素金属塩、特にアルカ
リ土類金属リン酸水素塩[リン酸二水素マグネシウム、
リン酸二水素カルシウム、第二リン酸カルシウム(Ca
HPO4)など]が好ましい。
【0229】(ホウ酸の金属塩)ホウ酸としては、オル
トホウ酸、メタホウ酸などの非縮合ホウ酸;ピロホウ
酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸などの縮合ホウ
酸、並びに塩基性ホウ酸などが好ましい。
【0230】金属としては、アルカリ金属などを用いて
もよいが、アルカリ土類金属、遷移金属、周期表2B族
金属の多価金属が好ましい。
【0231】ホウ酸金属塩は、通常、含水塩であり、例
えば、非縮合ホウ酸塩[オルトホウ酸カルシウム、メタ
ホウ酸カルシウムなどのアルカリ土類金属非縮合ホウ酸
塩;オルトホウ酸マンガン、メタホウ酸銅などの遷移金
属非縮合ホウ酸塩;メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸カドミ
ウムなどの周期表第2B族金属の非縮合ホウ酸塩(特に
メタホウ酸塩)など]、縮合ホウ酸塩(四ホウ酸三マグ
ネシウム、ピロホウ酸カルシウムなどのアルカリ土類金
属縮合ホウ酸塩;四ホウ酸マンガン、二ホウ酸ニッケル
などの遷移金属縮合酸塩;四ホウ酸亜鉛、四ホウ酸カド
ミウムなどの周期表第2B族金属の縮合ホウ酸塩な
ど);塩基性ホウ酸塩(塩基性ホウ酸亜鉛、塩基性ホウ
酸カドミウムなどの周期表第2B族金属の塩基性ホウ酸
塩など)などが挙げられる。また、これらのホウ酸塩に
対応するホウ酸水素塩(例えば、オルトホウ酸水素マン
ガンなど)なども使用できる。特に、アルカリ土類金属
又は周期表第2B族金属ホウ酸塩(非縮合又は縮合ホウ
酸塩)、特に、(含水)ホウ酸亜鉛類、(含水)ホウ酸
カルシウム類が好ましい。
【0232】(スズ酸の金属塩)スズ酸としては、スズ
酸、メタスズ酸、オルトスズ酸、ヘキサヒドロオクソス
ズ酸等が例示できる。金属としては、アルカリ金属や、
アルカリ土類金属、遷移金属、周期表2B族金属等の多
価金属が例示できる。スズ酸の金属塩は、通常、含水塩
であり、例えば、スズ酸のアルカリ金属塩(例えば、ス
ズ酸ナトリウムやスズ酸カリウム等)、スズ酸のアルカ
リ土類金属塩(例えば、スズ酸マグネシウムなど)、ス
ズ酸の遷移金属塩(例えば、スズ酸コバルトなど)、ス
ズ酸の周期表2B族金属塩(例えば、スズ酸亜鉛など)
が例示できる。これらのスズ酸の金属塩のうち、スズ酸
の周期表2B族金属塩、特に(含水)スズ酸亜鉛類が好
ましい。スズ酸の金属塩は、単独で又は二種以上組み合
わせて使用できる。
【0233】リン酸、ホウ酸及びスズ酸以外の無機酸
(酸素酸)の金属塩としては、前記リン酸金属塩及びホ
ウ酸金属塩に対応する各種金属塩が使用できる。
【0234】(2)金属酸化物 金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タ
ングステン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ス
ズ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニッケ
ル、酸化鉄、酸化マンガン、三酸化アンチモン、四酸化
アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
【0235】(3)金属水酸化物 金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化スズ、水酸化ジルコニウム
が挙げられる。
【0236】(4)金属硫化物 金属硫化物としては、例えば、硫化モリブデン、硫化タ
ングステン、硫化亜鉛などが挙げられる。
【0237】(C4)硫黄含有化合物 硫黄含有化合物としては、有機スルホン酸[アルカンス
ルホン酸、パーフルオロアルカンスルホン酸(パーフル
オロブタンスルホン酸など)、アリールスルホン酸(ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸、スルホ安息香酸、スルホフタル酸、スルホナ
フトエ酸、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン
酸、3−フェニルスルホニルベンゼンスルホン酸な
ど)、スルホン化ポリマー(スルホン化ポリスチレン、
スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスル
ホン、スルホン化ポリフェニレンオキシドなど)]、ス
ルファミン酸、有機スルファミン酸、有機スルホン酸ア
ミドの塩(アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩など)などが挙げられる。
【0238】(C5)ケイ素含有化合物 ケイ素含有化合物には、(ポリ)オルガノシロキサンや
ゼオライトなどが含まれる。(ポリ)オルガノシロキサ
ンとしては、ジアルキルシロキサン(例えば、ジメチル
シロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(フェ
ニルメチルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン、
モノオルガノシロキサンなどの単独重合体(例えば、ポ
リジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン
など)、又は共重合体などが含まれる。また、(ポリ)
オルガノシロキサンとしては、分岐オルガノシロキサン
(ポリメチルシルセスキオキサン、ポリメチルフェニル
シルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサ
ン、ポリオルガノシルセスキオキサンなど)[例えば、
東芝シリコーン(株)の商品名「XC99−B566
4」、特開2001−40219号公報、特開2000
−159995号公報、特開平11−158363号公
報、特開平10−182832号公報、特開平10−1
39964号公報記載の化合物など]、分子末端や主鎖
に、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、
エーテル基などの置換基を有する変性(ポリ)オルガノ
シロキサン(例えば、東レ・ダウコーニング・シリコー
ン(株)の商品名「SiパウダーDC4−7051,D
C4−7081,DC4−7105,DC1−9641
など」など)なども使用できる。
【0239】ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、
β型、L型、モルデナイト型、ZSM型(ZSM−5型
など)ゼオライトなどのNa型、H型、NH4型、又は
遷移金属置換ゼオライトなどが挙げられる。
【0240】(C6)リン含有化合物 リン含有化合物としては、有機リン化合物(モノマー型
有機リン化合物、ポリマー型有機リン化合物など)、無
機リン化合物などが挙げられる。
【0241】前記有機リン化合物のうち、モノマー型有
機リン化合物には、リン酸エステル、リン酸エステルア
ミド、ホスホニトリル化合物、有機ホスホン酸化合物
(エステル、金属塩など)、有機ホスフィン酸化合物
(エステル、金属塩など)、有機ホスフィンオキシド
(トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホス
フィンオキシドなど)、有機ホスフィン(トリフェニル
ホスフィン、トリクレジルホスフィンなど)などが含ま
れる。
【0242】(リン酸エステル)リン酸エステルとして
は、脂肪族リン酸エステル[リン酸トリメチル、リン酸
トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリイソプロ
ピル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、リン
酸ペンタエリスリトール(例えば、GreatLake
s Chemical社のNH−1197、特開200
1−106889号公報に記載のビシクロリン酸エステ
ルなど)などのリン酸トリC1-10アルキルエステル;前
記リン酸トリエステルに対応するリン酸ジC1-10アルキ
ルエステル及びリン酸モノC1-10アルキルエステルな
ど]、芳香族リン酸エステル[リン酸トリフェニル、リ
ン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル、リン酸ジフェ
ニルクレジル、リン酸トリ(イソプロピルフェニル)、
リン酸ジフェニルエチルクレジルなどのリン酸トリC
6-20アリールエステルなど]、脂肪族−芳香族リン酸エ
ステル[リン酸メチルジフェニル、リン酸フェニルジエ
チル、スピロ環状芳香族リン酸エステル(US3090
799号公報、特開平5−92986号公報に記載のジ
フェニルペンタエリスリトールジホスフェート、ジクレ
ジルペンタエリスリトールジホスフェート、ジキシリル
ペンタエリスリトールジホスフェート等)など]などが
挙げられる。
【0243】(リン酸エステルアミド)リン酸エステル
アミドとしては、リン酸エステル及びリン酸アミドの結
合様式を含み、特開2001−354684号公報、特
開2001−139823号公報、特開2000−15
4277号公報、特開平10−175985号公報、特
開平8−59888号公報、特開昭63−235363
号公報に記載のリン酸エステルアミドなどが使用でき
る。
【0244】リン酸エステルアミドは、商品名「リン酸
エステルアミド系難燃剤SPシリーズ(例えば、SP−
601、SP−670、SP−703など)」(四国化
成工業(株)製)として入手できる。
【0245】(有機ホスホン酸化合物)有機ホスホン酸
(亜リン酸)化合物としては、例えば、芳香族亜リン酸
エステル(アリールがフェニル、クレジル、キシリルな
どである亜リン酸トリC6-20アリールエステルなど)、
脂肪族亜リン酸エステル(アルキルが前記R3〜R5の項
で例示のアルキルなどである亜リン酸トリC1-10アルキ
ルエステル;前記亜リン酸トリアルキルエステルに対応
する亜リン酸ジ又はモノC1-10アルキルエステルな
ど)、有機亜リン酸エステル[例えば、アルキルが前記
例示のアルキルであり、アリールがフェニル、クレジ
ル、キシリルなどであるC1-6アルキルホスホン酸ジC
1-6アルキル、C1-6アルキルホスホン酸ジC6-10アリー
ル、C1-6アルキルホスホン酸C1-6アルキルC6-10アリ
ールなどのアルキルホスホン酸ジエステル;前記アルキ
ルホスホン酸ジエステルに対応するC6-10アリール−ホ
スホン酸ジエステル;環状有機ホスホン酸ジエステル
[例えば、4−C1-6アルキル−1−ホスファ−2,
6,7−トリオキサビシクロ(2.2.2)−オクタン
−1−オキシド、ペンタエリスリトールビス(C1-6
ルキルホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(C
6-10アリールホスホネート)、ペンタエリスリトールビ
ス(C7-15アラルキルホスホネート)など];C6-10
リールホスホン酸モノエステル(例えば、10−ヒドロ
キシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキシドなど);ホスホノカ
ルボン酸エステル(メトキシカルボニルメチルホスホン
酸ジメチルなどの前記アルキルホスホン酸ジエステルに
対応するC1-4アルコキシカルボニルオキシC1-4アルキ
ルホスホン酸ジエステル)などのホスホノカルボン酸ト
リエステル]などの各種ホスホン酸エステルが含まれ
る。また、アルキル又はアリール基で置換されていても
よい亜リン酸、(環状)亜リン酸モノエステル、又はホ
スホノカルボン酸(例えば、アルキルホスホン酸、アル
キルホスホン酸モノアルキルエステル、アルキルホスホ
ン酸モノアリールエステル、アリールホスホン酸、アリ
ールホスホン酸モノアルキルエステル、アリールホスホ
ン酸モノアリールエステルなど)の金属塩(Ca,M
g,Zn,Ba,Al塩など)なども含まれる。このよ
うな有機ホスホン酸化合物の代表的な化合物に関して
は、例えば、US314032号公報、US37890
91号公報、US3849368号公報、US4162
278号公報、特開昭47−43144号公報、特開昭
52−12329号公報、特開昭54−143460号
公報、特開昭63−22866号公報、特開平1−22
6891号公報、特開平4−234893号公報、特開
平8−245659号公報、特開平9−272759号
公報などを参照できる。
【0246】(有機ホスフィン酸化合物)有機ホスフィ
ン酸化合物には、アルキル基(C1-4アルキル基など)
又はアリール基(C6-10アリール基など)が置換(一置
換又は二置換)していてもよいホスフィン酸エステル
(ホスフィン酸メチルなどのホスフィン酸C1-6アルキ
ル、ホスフィン酸フェニルなどのホスフィン酸C6-10
リール、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホス
ファフェナントレン−10−オキシド、10−C1-30
ルキル又はC6-20アリール置換−9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オ
キシドなどの環状ホスフィン酸エステルなど)などが含
まれる。また、アルキル基又はアリール基が置換してい
てもよいホスフィニコカルボン酸エステル(例えば、3
−メチルホスフィニコプロピオン酸エステル、3−フェ
ニルホスフィニコプロピオン酸エステルなど)、及びそ
の単独重合体や共重合体なども含まれる。
【0247】さらに、アルキル基(C1-10アルキル基な
ど)又はアリール基が一置換又は二置換していてもよい
ホスフィン酸[例えば、ジメチルホスフィン酸、エチル
メチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、エチルブ
チルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジブチル
ホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、エタン−1,
2−ジ(メチルホスフィン酸)などのジアルキルホスフ
ィン酸、メチルフェニルホスフィン酸などのアルキルア
リールホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸などのジ
アリールホスフィン酸、1−ヒドロキシジヒドロホスホ
ニルオキシド、1−ヒドロキシホスホランオキシドな
ど]及び前記ホスフィニコカルボン酸の金属塩(Ca、
Mg、Zn、Ba、Al塩など)なども含まれる。これ
らの有機ホスフィン酸金属塩の代表的な化合物として
は、例えば、特開昭55−5979号公報、特開平11
−60924号公報、特開平11−140228号公
報、特開平11−236392号公報、特開2001−
2686号公報、特表2001−513784号公報、
特表2001−513786号公報、US597314
号公報、US6011172号公報、US624892
1号公報等を参照できる。
【0248】(ポリマー型有機リン化合物)前記ポリマ
ー型有機リン化合物としては、モノマー型有機リン化合
物の縮合物を用いることができる。前記縮合物には、ポ
リマー型リン酸エステルが含まれ、例えば、レゾルシノ
ールホスフェート類(レゾルシノールとフェニルホスフ
ェートとの縮合物、レゾルシノールとクレジルホスフェ
ートとの縮合物、レゾルシノールとキシレニルホスフェ
ートとの縮合物等)、ハイドロキノンホスフェート類
(ハイドロキノンとフェニルホスフェートとの縮合物、
ハイドロキノンとクレジルホスフェートとの縮合物、ハ
イドロキノンとキシレニルホスフェートとの縮合物
等)、ビフェノールホスフェート類(ビフェノールとフ
ェニルホスフェートとの縮合物、ビフェノールとクレジ
ルホスフェートとの縮合物、ビフェノールとキシレニル
ホスフェートとの縮合物等)、ビスフェノールホスフェ
ート類(ビスフェノールAとフェニルホスフェートとの
縮合物、ビスフェノールAとクレジルホスフェートとの
縮合物、ビスフェノールAとキシリルホスフェートとの
縮合物等)などが挙げられる。このようなポリマー型リ
ン酸エステルの代表的な製造方法として、US2616
87号公報、US2636876号公報、US4482
693号公報、特開昭48−91147号公報、特開平
9−255786号公報、Polymer,Vol29,p756(1988)な
どを参照できる。
【0249】また、前記ポリマー型有機リン化合物は、
ヒドロキシル基を有するポリマー(フェノール樹脂な
ど)のリン酸エステルであってもよい。さらに、前記ポ
リマー型有機リン化合物には、ポリホスフィニコカルボ
ン酸エステル、ポリホスホン酸アミドも含まれる。
【0250】(無機リン化合物)前記無機リン化合物に
は、例えば、赤リン、(ポリ)リン酸塩[リン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸、ポリリン酸等の非縮合又は縮合リン
酸の無機塩(アンモニウム、Ca、Mg、Zn、Ba、
Al塩など)]、リン酸ホウ素などが含まれる。
【0251】赤リンは、難燃効果が高く、少量であって
も樹脂に難燃性を付与できる。また、少量で効果が得ら
れるため、樹脂の特性(例えば、機械的特性や電気的特
性)を損なうことなく難燃化できる。赤リンとしては、
通常、安定化処理を施した赤リン(安定化赤リン)が好
ましく用いられる。特に、赤リンの粉砕を行わず、赤リ
ン表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させず
に微粒子化する方法で得られた赤リン、さらには、赤リ
ンの表面が、樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂)、金属、金属化合物(例えば、金属水酸化物、金属
酸化物等)等により単独で又は2種以上組み合わせて被
覆された赤リンなどが使用できる。
【0252】赤リンとしては、通常、安定化赤リンを粉
粒状で使用できる。安定化赤リンの粒子径としては、例
えば、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜70
μm、さらに好ましくは0.1〜50μm程度である。
【0253】好ましいリン含有化合物としては、リン酸
エステル(脂肪族リン酸エステル、芳香族リン酸エステ
ル及び縮合リン酸エステル、特に縮合リン酸エステルな
ど)、リン酸エステルアミド、有機ホスホン酸化合物、
有機ホスフィン酸化合物、無機リン化合物((ポリ)リ
ン酸塩など)などが挙げられ、特に、モノマー型又はオ
リゴマー型リン酸エステルが好ましい。
【0254】[難燃助剤(C)の使用割合]難燃剤
(C)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対し
て、0.1〜500重量部、好ましくは1〜300重量
部、さらに好ましくは5〜200重量部程度である。
【0255】ベース樹脂(A)と芳香族樹脂(C1)と
は、通常、互いに異種の樹脂を使用し、その場合、ベー
ス樹脂と芳香族樹脂との割合(重量比)は、ベース樹脂
/芳香族樹脂=50/50〜100/0、好ましくは5
5/45〜100/0、さらに好ましくは60/40〜
100/0程度である。
【0256】ベース樹脂(A)及び芳香族樹脂(C1)
で構成された樹脂成分に対する窒素含有化合物(C2)
及び無機金属系化合物(C3)の割合は、合計で又はそ
れぞれ、樹脂成分100重量部に対して0〜300重量
部(例えば、0.1〜300重量部)の範囲から選択で
きるが、通常、樹脂成分100重量部に対して、例え
ば、0〜200重量部(例えば、1〜200重量部程
度)、好ましくは0〜150重量部(例えば、3〜15
0重量部)、さらに好ましくは0〜100重量部(例え
ば、5〜100重量部)程度である。
【0257】硫黄含有化合物(C4)の割合は、ベース
樹脂(A)100重量部に対して、0〜10重量部(例
えば、0.01〜10重量部)、好ましくは0.05〜
5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部程度であ
る。
【0258】ケイ素含有化合物(C5)の割合は、ベー
ス樹脂(A)100重量部に対して、0〜50重量部
(例えば、0.05〜50重量部)、好ましくは0.1
〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部程
度である。
【0259】リン含有化合物(C6)の割合は、ベース
樹脂(A)100重量部に対して、0〜100重量部
(例えば、0.1〜100重量部)、好ましくは1〜5
0重量部、さらに好ましくは5〜30重量部程度であ
る。
【0260】ホスファゼン化合物(B)と難燃助剤
(C)との割合(重量比)は、ホスファゼン化合物/難
燃助剤=99/1〜1/99、好ましくは98/2〜2
/98、さらに好ましくは97/3〜3/97程度であ
る。
【0261】[メラミンシアヌール酸類]本発明の難燃
性樹脂組成物には、難燃剤として、メラミンシアヌール
酸類を含んでいてもよい。メラミンシアヌール酸類は、
単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0262】メラミンシアヌール酸類は、メラミン化合
物と、シアヌール酸やイソシアヌール酸又はその誘導体
との付加物(メラミン化合物と、シアヌール酸、イソシ
アヌール酸、又はその誘導体との塩)であり、前者と後
者との割合(モル比)は、特に制限されないが、例え
ば、前者/後者=3/1〜1/2、好ましくは1/1〜
2/1程度である。
【0263】メラミン化合物には、メラミン又は置換メ
ラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、
グアニルメラミン等)、メラミン縮合物(メラム、メレ
ム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−
ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベ
ンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メ
ラミン樹脂など)、グアナミン又はその誘導体(グアナ
ミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグ
アナミン、サクシノグアナミン、CTU−グアナミン
等)などが含まれる。シアヌール酸又はその誘導体に
は、シアヌール酸、イソシアヌール酸、アンメリン、ア
ンメリド等が含まれる。
【0264】メラミンシアヌール酸類としては、例え
ば、メラミンシアヌレートなどのシアヌール酸のメラミ
ン塩や、メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メ
ロン塩、グアナミン塩等が例示できる。メラミンシアヌ
ール酸類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。これらのうち、メラミンシアヌレートが好ましい。
【0265】メラミンシアヌール酸類の製造方法は、特
に制限されないが、メラミン化合物とシアヌール酸又は
その誘導体との混合物を水スラリーとして調製し、充分
に混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このス
ラリーを濾過、乾燥する方法が好ましい。このようにし
て得られる粉末状化合物には、多少の未反応物として、
メラミン化合物やシアヌール酸、イソシアヌール酸等が
残存していてもよい。
【0266】メラミンシアヌール酸類の平均粒径は0.
01〜100μm、好ましくは0.1〜70μm、さら
に好ましくは1〜50μm程度である。平均粒径が小さ
すぎると2次凝集し易く、樹脂に対する分散性が低下
し、大きすぎると、難燃性が低下する。
【0267】メラミンシアヌール酸類の割合は、ベース
樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜100重量
部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは5〜
70重量部程度である。
【0268】[添加剤]本発明の難燃性樹脂組成物は、
必要に応じて種々の添加剤(例えば、他の難燃剤、ドリ
ッピング防止剤、酸化防止剤、安定剤など)を含んでい
てもよい。添加剤の全体の含有量は、ベース樹脂(A)
100重量部に対して、0.01〜50重量部、好まし
くは、0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20
重量部程度である。
【0269】(他の難燃剤)なお、本発明の難燃性樹脂
組成物は、さらに難燃性を付与するため、他の難燃剤、
例えば、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤、ラジカル
発生有機難燃剤などを含んでいてもよい。
【0270】アルコール系難燃剤としては、多価アルコ
ール(ペンタエリスリトールなど)、オリゴマーの多価
アルコール(ジペンタエリスリトール、トリペンタエリ
スリトールなど)、エステル化された多価アルコール、
置換されたアルコール、セルロース類(セルロース、ヘ
ミセルロース、リグノセルロース、ペクトセルロース、
アジポセルロースなど)、糖類(単糖類、多糖類など)
などが挙げられる。
【0271】無機系難燃剤には、膨張性黒鉛などが含ま
れる。
【0272】ラジカル発生有機系難燃剤としては、例え
ば、ベンジルラジカル発生化合物[2,3−ジフェニル
−2,3−ジメチルブタン、ポリ(α,α,α′,α′
−テトラメチル−1,3−キシリレン)、ポリ(α,
α,α′,α′−テトラメチル−1,4−キシリレン)
など]、ニトロキシド発生化合物[2,2,6,6−テ
トラメチル−1,4−ジヒドロキシ−ピペリジン、1−
メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロ
キシ−ピペリジン又はそれのカルボン酸エステル誘導
体、特表2002−507238号公報記載のアミン化
合物など]などが挙げられる。
【0273】これら他の難燃剤は、単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。
【0274】他の難燃剤の含有量は、例えば、ベース樹
脂(A)100重量部に対して、0.01〜50重量部
程度、好ましくは0.05〜30重量部程度、特に0.
1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0275】また、本発明の難燃性樹脂組成物は、長期
間安定に耐熱性を維持するために酸化防止剤又は安定剤
を含んでいてもよい。酸化防止剤又は安定剤には、例え
ば、フェノール系(ヒンダードフェノール類など)、ア
ミン系(ヒンダードアミン類など)、リン系、イオウ
系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤(又は安定
剤)などが含まれる。
【0276】フェノール系酸化防止剤には、ヒンダード
フェノール類、例えば、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]などのC2-10アルキレンジオ
ール−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、
トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]などのジ又はトリオキシC2-4アルキレンジオール
−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、グリ
セリントリス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]などのC3-8アル
キレントリオール−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C
3-6アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト];例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]などのC4- 8アルキレンテトラオール
テトラキス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが好ま
しい。
【0277】アミン系酸化防止剤には、ヒンダードアミ
ン類、例えば、トリ又はテトラC1- 3アルキルピペリジ
ン又はその誘導体(4−位にメトキシ、ベンゾイルオキ
シ、フェノキシなどが置換していてもよい2,2,6,
6−テトラメチルピペリジンなど)、ビス(トリ、テト
ラ又はペンタC1-3アルキルピペリジン)C2-20アルキ
レンジカルボン酸エステル[例えば、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギサレー
ト、オギサレートに対応するマロネート、アジペート、
セバケート、テレフタレートなど;ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト]、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルオキシ)エタン、フェニルナフチルアミ
ン、N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N′−シクロヘキシル−1,4−フ
ェニレンジアミンなどが含まれる。
【0278】リン系安定剤(又は酸化防止剤)には、例
えば、トリイソデシルホスファイト、トリスノニルフェ
ニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、フェニルジイソデシルホスファイト、2,2−メチ
レンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチル
ホスファイト、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイ
ト、トリス(分岐C3-6アルキルフェニル)ホスファイ
ト[例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
アミルフェニル)ホスファイトなど]、(分岐C3-6アル
キルフェニル)フェニルホスファイト[例えば、ビス
(2−t−ブチルフェニル)フェニルホスファイト、2
−t−ブチルフェニルジフェニルホスファイトなど]、
トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、
ビス(C1- 9アルキルアリール)ペンタエリスリトール
ジホスファイト[例えば、ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイトなど]、トリフェニルホス
フェート系安定剤(例えば、4−フェノキシ−9−α−
(4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルオキシ−
3,5,8,10−テトラオキサ−4,9−ジホスファ
ピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスフェートなど)、ジホスフォナイト
系安定剤(例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチ
ル)−4,4′−ビフェニレンジホスフォナイト、テト
ラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル)−4,
4′−ビフェニレンジホスフォナイトなど)などが含ま
れる。リン系安定剤は、通常、分岐C3-6アルキルフェ
ニル基(特に、t−ブチルフェニル基)を有している。
【0279】ヒドロキノン系酸化防止剤には、例えば、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどが含まれ、キ
ノリン系酸化防止剤には、例えば、6−エトキシ−2,
2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが
含まれ、イオウ系酸化防止剤には、例えば、ジラウリル
チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネ
ートなどが含まれる。
【0280】これらの酸化防止剤は単独で又は二種以上
使用できる。酸化防止剤の含有量は、例えば、難燃性樹
脂組成物中0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜
3重量%、特に0.1〜2重量%程度の範囲から選択で
きる。
【0281】さらに、本発明の難燃性樹脂組成物は、フ
ッ素系樹脂などのドリッピング防止剤を添加してもよ
い。ドリッピング防止剤により、燃焼時の火種及び融液
の滴下(ドリップ)を抑制できる。フッ素系樹脂には、
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのフッ素
含有モノマーの単独又は共重合体;前記フッ素含有モノ
マーと、エチレン、プロピレン、アクリレートなどの共
重合性モノマーとの共重合体が含まれる。このようなフ
ッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデ
ンフルオライドなどの単独重合体;テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、
エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などの
共重合体が例示される。これらのフッ素樹脂は、一種で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0282】前記フッ素系樹脂は、粒子状で使用しても
よく、平均粒径は、例えば、10〜5000μm程度、
好ましくは100〜1000μm程度、さらに好ましく
は100〜700μm程度であってもよい。
【0283】フッ素系樹脂の含有量は、例えば、難燃性
樹脂組成物中0.01〜10重量%程度、好ましくは
0.1〜5重量%程度、さらに好ましくは0.1〜3重
量%程度である。
【0284】さらに、本発明の難燃性樹脂組成物は、目
的に応じて他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤
としては、安定剤(紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安
定剤など)、耐加水分解性改良剤[エポキシ化合物(ス
テアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジル
エステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バーサテ
ィック酸グリシジルエステルなど)、カルボジイミド化
合物、オキサゾリン化合物、オキセタン化合物など]、
滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤、核剤、衝撃改良剤、摺
動剤、発泡剤などが挙げられる。
【0285】[充填剤]本発明の難燃性樹脂組成物は、
機械的強度、剛性、耐熱性及び電気的性質などをさらに
向上させるため、充填剤により改質されていてもよい。
充填剤には、繊維状充填剤、非繊維状充填剤(板状充填
剤、粉粒状充填剤など)が含まれる。
【0286】繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アス
ベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アル
ミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、金
属繊維、高融点有機質繊維(例えば、脂肪族又は芳香族
ポリアミド、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂、ポリア
クリロニトリルなどのアクリル樹脂など)などが例示で
きる。
【0287】非繊維状充填剤のうち、板状充填剤には、
例えば、ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、各種
金属箔などが例示できる。
【0288】粉粒状充填剤には、カーボンブラック、シ
リカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドファ
イバー(例えば、ミルドガラスファイバーなど)、ケイ
酸塩(例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、カオリン、タルク、クレー、ケイ藻土、ウォラスト
ナイト等)、金属酸化物(例えば、酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、アルミナ等)、金属の炭酸塩(例えば、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、ハイドロタル
サイト、金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム等)、金属粉末(例えば、炭化ケイ素など)な
どが含まれる。
【0289】これらの充填剤は、単独で又は二種以上組
み合わせて使用できる。好ましい繊維状充填剤として
は、ガラス繊維、カーボン繊維が挙げられ、好まし非繊
維状充填剤としては、粉粒状又は板状充填剤、ガラスビ
ーズ、ミルドファイバー、カオリン、タルク、マイカ、
炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ガラスフレーク
が挙げられる。特に好ましい充填剤には、ガラス繊維、
例えば、高い強度及び剛性を有するガラス繊維(チョッ
プドストランドなど)が含まれる。
【0290】充填剤を用いる場合、難燃性樹脂組成物中
の充填剤の割合は、例えば、0.1〜60重量%、好ま
しくは0.3〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜
45重量%程度である。
【0291】これらの充填剤の使用に当たっては、必要
ならば、収束剤又は表面処理剤を使用することが望まし
い。このような収束剤又は表面処理剤としては、官能性
化合物が含まれる。前記官能性化合物としては、例え
ば、エポキシ系化合物、シラン系化合物、チタネート系
化合物、好ましくはエポキシ系化合物、特にビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂など
が挙げられる。
【0292】充填剤は、前記収束剤又は表面処理剤によ
り、収束処理又は表面処理されていてもよい。処理の時
期については、充填剤の添加と同時に処理してもよく、
添加前に予め処理してもよい。
【0293】また、併用される官能性表面処理剤又は収
束剤の使用量は、充填剤に対して5重量%以下、好まし
くは0.05〜2重量%程度である。
【0294】本発明の難燃剤は、燃焼時に樹脂表面の炭
化を促進するためか、樹脂を高度に難燃化できる。ま
た、特定の難燃助剤とを組み合わせることにより、少量
であってもベース樹脂を効果的に難燃化でき、ブリード
アウトや耐熱性を低下させることもない。
【0295】[難燃性樹脂組成物の製造方法]本発明の
難燃性樹脂組成物は、粉粒体混合物や溶融混合物であっ
てもよく、ベース樹脂と、難燃剤と、難燃助剤と、必要
によりドリッピング防止剤や他の添加剤などとを慣用の
方法で混合することにより調製できる。例えば、(1)
各成分を混合して、一軸又は二軸の押出機により混練し
押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)
一旦、組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製
し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供
し、所定の組成の成形品を得る方法、(3)成形機に各
成分の1又は2以上を直接仕込む方法などが採用でき
る。さらに、押出機によるペレットの製造方法として
は、(1)充填剤を除く成分を先に溶融混合した後に、
充填剤成分を混合する製造方法、(2)ホスファゼン化
合物及び充填剤を除く成分を先に溶融混合した後に、充
填剤及びホスファゼン化合物を(同じフィード位置で)
同時混合する製造方法、(3)ホスファゼン化合物及び
充填剤を除く成分を先に溶融混合した後に、充填剤及び
ホスファゼン化合物を(別々のフィード位置で)順次混
合する製造方法等が採用できる。この押出機によるペレ
ット製造において、少量の芳香族化合物やハロゲン化合
物(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、
トリクロロベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレ
ンなど)を分散助剤として押出時に配合してもよい。こ
の分散助剤は押出機のベント口から混練樹脂より除去さ
れる。また、成形品に用いられる組成物の調製におい
て、ベース樹脂の粉粒体(例えば、ポリエステル系樹脂
の一部又は全部を粉砕した粉粒体)と、他の成分(難燃
剤など)とを混合して溶融混練すると、他の成分の分散
を向上させるのに有利である。
【0296】なお、ハンドリングの観点から、非樹脂状
成分(ホスファゼン化合物、窒素含有化合物、無機金属
系化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物、リン含
有化合物など)と、樹脂状成分(ベース樹脂、芳香族樹
脂など)とを一旦溶融混合することにより、マスターバ
ッチを調製すると便利である。特に、赤リンを併用する
場合、マスターバッチを調製する場合が多い。また、樹
脂状成分でマスターバッチを構成する場合、ベース樹脂
の一部をマスターバッチに用いることが多い。
【0297】マスターバッチには、例えば、(a)ベー
ス樹脂の一部と非樹脂状成分とで構成されたマスターバ
ッチ、(b)芳香族樹脂と非樹脂状成分とで構成された
マスターバッチ、(c)芳香族樹脂と樹脂状難燃剤と非
樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、(d)ベー
ス樹脂の一部と芳香族樹脂と非樹脂状成分とで構成され
たマスターバッチ、(e)ベース樹脂の一部と樹脂状成
分と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、
(f)ベース樹脂の一部と芳香族樹脂と樹脂状成分と非
樹脂状成分とで構成されたマスターバッチなどが挙げら
れる。
【0298】なお、前記マスターバッチは、必要に応じ
て、種々の添加剤、例えば、フッ素系樹脂、酸化防止
剤、リン系安定剤、充填剤などを含有していてもよい。
【0299】このようにして得られたマスターバッチ
と、ベース樹脂と、必要に応じて、残りの成分とを溶融
混合することにより、難燃性樹脂組成物を製造できる。
【0300】また、本発明の難燃性樹脂組成物を溶融混
練し、押出成形、射出成形、圧縮成形などの慣用の方法
で成形でき、形成された成形品は、難燃性および成形加
工性に優れているため、種々の用途に使用できる。例え
ば、電気・電子部品、機械機構部品、自動車部品、包装
材料やケースなどに好適に用いることができる。
【0301】
【発明の効果】本発明では、ベース樹脂と、特定のホス
ファゼン化合物及び難燃助剤とを組み合わせるので、ハ
ロゲン系難燃剤を使用することなく、少量であっても難
燃化でき、高いレベルで難燃化できる。また、樹脂の特
性が低下させることなく、難燃剤に由来するブリードア
ウト(又はブルーミング)及び金属腐食を有効に抑制で
き、高度に難燃化できる。さらに、ベース樹脂として、
ポリエステル系樹脂を用いても、耐湿熱性に優れてい
る。また、このような樹脂組成物により、難燃性が改善
された成形体を得ることができる。
【0302】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0303】尚、下記の試験により樹脂組成物の難燃
性、ブルーミング性、金属腐食性及び耐湿熱性を評価し
た。
【0304】(燃焼性試験)UL94に準拠して、試験
片の厚み1.6mmで燃焼性を評価した。
【0305】(ブルーミング性の評価)厚み1.6mm
の燃焼試験片をギヤオーブン中、150℃で5時間加熱
し、試験片表面の染み出し状態を目視観察し、以下の判
断基準によりブルーミング性を評価した。
【0306】 〇:染み出しが全く見られない △:若干の染み出しが見られる ×:著しい染み出しが見られる。
【0307】(金属腐食性)小型混練機で調製したペレ
ット組成物50gと銀板(1cm×1cm)を300m
lのガラス製共栓ビンに入れ、栓をしてギヤオーブン
中、120℃で200時間静置した後、金属腐食の状態
を目視観察し、下記基準で評価した。
【0308】 A:変化なし B:腐食あり。
【0309】[耐湿熱性(PCT)]厚み1.6mmの
燃焼試験片をプレッシャークッカー試験機に、121
℃、100%RH、2気圧の条件下で50時間処理した
後、試験片表面の染み出し状態を目視観察し、以下の判
定基準により湿熱条件下でのブルーミング性を評価し
た。
【0310】 ○:染み出しが全く見られない △:若干の染み出しが見られる ×:著しい染み出しが見られる。
【0311】[樹脂 A] A−1:ポリブチレンテレフタレート[ジュラネック
ス、固有粘度=1.0、ポリプラスチックス(株)製] A−2:ポリスチレン[トーヨースチロールG19、東
洋スチレン(株)製] A−3:アクリロニトリル−スチレン共重合体[セビア
ンN JD、ダイセル化学工業(株)製] A−4:ポリエチレンテレフタレート[ベルペットEF
G10、カネボウ合繊(株)製] A−5:12mol%イソフタル酸変性ポリブチレンテ
レフタレートコポリマー[固有粘度=1.0] A−6:ポリカーボネート[パンライトL1225、帝
人化成(株)製] A−7:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体[セビアンV DP611、ダイセル化学工業
(株)製] A−8:液晶性ポリエステル[ロッドランLC300
0、ユニチカ(株)製] A−9:液晶性ポリエステル[ベクトラA950、ポリ
プラスチックス(株)製] A−10:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)オキシド[PPEポリマーYPX−100F、三菱
ガス化学(株)製] A−11:ナイロン−6[UBEナイロン6、宇部興産
(株)製]。
【0312】[難燃剤 B] B−1:フェノキシトリルオキシホスファゼン[環状3
〜4量体、トリルオキシ基の割合2モル%]、塩素含有
量100ppm以下、酸価0.4mgKOH/g B−2:トリルオキシホスファゼン[環状3量体、p−
トリルオキシ基の割合100モル%]、塩素含有量10
0ppm以下、酸価0.3mgKOH/g B−3:トリルオキシホスファゼン[環状3〜4量体、
o−トリルオキシ基/m−トリルオキシ基/p−トリル
オキシ基=10/60/30(モル比)]、塩素含有量
100ppm以下、酸価0.3mgKOH/g B−4:フェノキシトリルオキシホスファゼン[環状3
〜4量体、フェノキシ基/m−トリルオキシ基/p−ト
リルオキシ基=40/20/40(モル比)]、塩素含
有量100ppm以下、酸価0.3mgKOH/g B−5:フェノキシp−トリルオキシホスファゼン[環
状オリゴマー/鎖状オリゴマー混合体]、塩素含有量1
00ppm以下、酸価0.3mgKOH/g B−6:ビスフェノール−A架橋フェノキシp−トリル
オキシホスファゼン[組成:−N=P(−O−C46)
1.85(−O−C65−p−CH3)0.05(−O−C64−C
(CH3)2−C64−O−)0.05]、塩素含有量100p
pm以下、酸価0.05mgKOH/g B−7:レゾルシノール架橋フェノキシp−トリルオキ
シホスファゼン[組成:−N=P(−O−C46)
1.85(−O−C65−p−CH3)0.05(−O−m−C64
−O−)0.05]、塩素含有量100ppm以下、酸価
0.2mgKOH/g。
【0313】[比較例で用いた有機リン化合物] B−8:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェー
ト)、酸価0.7mgKOH/g B−9:フェノキシホスファゼン(ヘキサクロロトリホ
スファゼンとフェノールとをテトラヒドロフラン中、ト
リエチルアミンの存在下で反応させた後、反応液を減圧
濃縮し、残渣物を水とアセトンで洗浄して得たホスファ
ゼン化合物)、塩素含有量1000ppm以上、酸価
0.9mgKOH/g。
【0314】[難燃助剤 C] [芳香族樹脂 C1] C1−1:ポリカーボネート[ユーピロンS3000、
三菱ガス化学(株)製] C1−2:ポリアリレート[ポリアリレートU100、
ユニチカ(株)製] C1−3:ナイロンMXD6[レニー6002、三菱エ
ンジニアリングプラスチックス(株)製] C1−4:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)オキシド[PPEポリマーYPX−100F、三菱
ガス化学(株)製] C1−5:ノボラック型フェノール樹脂[PR−536
47、住友デュレズ(株)製] C1−6:フェノールアラルキル樹脂[ミレックスXL
−225、三井化学(株)製] C1−7:ポリ(1,4−フェニレン)スルフィド C1−8:フェノキシ樹脂[フェノトートYP−50、
東都化成(株)製] C1−9:ビスフェノールA型エポキシ樹脂[エピコー
ト1004K、油化シェルエポキシ(株)製] C1−10:ポリp−ビニルフェノール[マルカリンカ
ーMS−1P、丸善石油化学(株)製] C1−11:グリシジル基変性ノボラック樹脂[EPP
N、日本化薬(株)製]。
【0315】[窒素含有化合物 C2] C2−1:ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩
[PMP200、日産化学工業(株)製] C2−2:ポリリン酸メラミン[Melapur20
0、DSM(株)製] C2−3:ポリリン酸メラミン[PMP100、日産化
学工業(株)製] C2−4:アセチレン尿素 C2−5:メラミンシヌレート[MC610、日産化学
工業(株)製]。
【0316】[無機金属系化合物 C3] C3−1:硼酸亜鉛[FireBrake ZB、ボラ
ックス・ジャパン(株)製] C3−2:水酸化マグネシウム[キスマ5E、協和化学
工業(株)製] C3−3:無水リン酸一水素カルシウム:平均粒子径=
約30μm[太平化学産業(株)製] C3−4:硼酸亜鉛[FireBrake 415、ボ
ラックス・ジャパン(株)製]。
【0317】[硫黄含有化合物 C4] C4−1:スルホン化ポリスチレンのナトリウム塩[ラ
イオン(株)製]。
【0318】[ケイ素含有化合物 C5] C5−1:シリコーン樹脂[SiパウダーDC4−70
15、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製] C5−2:ゼオライト[ゼオラムA−3、東ソー(株)
製]。
【0319】[リン含有化合物 C6] C6−1:赤燐[ノーバエクセル140、燐化学工業
(株)製] C6−2:エチルメチルホスフィン酸アルミニウム[特
開平11−60924号公報の実施例に準じて調製し
た] C6−3:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル
ホスフェート)[PX200、大八化学工業(株)製] C6−4:リン酸エステルアミド[1,4−ピペラジン
ジイルテトラ−2,6−キシリルホスフェート、四国化
成工業(株)製]。
【0320】[酸化防止剤 D] D−1:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート][イルガノックス1010、チバガイ
ギー(株)製]。
【0321】[リン系安定剤 E] E−1:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト[サンド
スタブP−EPQ、サンド(株)製] E−2:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[アデカ
スタブPEP36、アデカアーガス(株)製]。
【0322】[ドリッピング防止剤 F] F−1:ポリテトラフルオロエチレン。
【0323】[充填剤 G] G−1:直径10μm、長さ3mmのガラスチョップド
ストランド G−2:タルク[タルク3A、日本タルク(株)製] G−3:炭酸カルシウム[ホワイトンP−30、東洋フ
ァインケミカル(株)製] G−4:ハイドロタルサイト[DHT−4A、協和化学
工業(株)製]。
【0324】実施例1〜74及び比較例1〜25 上記成分を表1〜表9の割合(重量部)で混合し、小型
混練機により樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を
小型射出成形により試験用成形品を作製し、特性を評価
した。
【0325】結果を表1〜表9に示す。
【0326】
【表1】
【0327】
【表2】
【0328】
【表3】
【0329】
【表4】
【0330】
【表5】
【0331】
【表6】
【0332】
【表7】
【0333】
【表8】
【0334】
【表9】
【0335】表から明らかなように、特定のホスファゼ
ン化合物(B)と、特定の難燃助剤(C)とを用いた実
施例はいずれも、これらの成分のいずれかを欠く比較例
に比べ、難燃性に優れている。また、特定のホスファゼ
ン化合物(B)を使用した難燃樹脂組成物はブルーミン
グ性、金属腐食性及び耐湿熱性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB00W BC02W CD003 CF00W CF05W CF06W CF07W CF08W CF16W CG00W CG003 CH07W CL00W CL003 CN013 CQ01X ET016 EU186 EW146 EW157 FD13X FD136 FD137 GN00 GQ00

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース樹脂(A)と、ホスファゼン化合
    物(B)と、芳香族樹脂(C1)、窒素含有化合物(C
    2)、無機金属系化合物(C3)、硫黄含有化合物(C
    4)、ケイ素含有化合物(C5)及びリン含有化合物
    (C6)から選択された少なくとも一種の難燃助剤
    (C)とで構成された難燃性樹脂組成物であって、前記
    ホスファゼン化合物(B)が、 式(1) 【化1】 (式中、mは3〜25の整数を示す。R1は同一又は異
    なって、アリール基又はアルキルアリール基を示す。但
    し、アルキルアリール基の割合は、R1の合計量に対し
    て0.1〜100モル%である)で表される環状ホスフ
    ァゼン化合物、 式(2) 【化2】 [式中、nは3〜10,000の整数を示す。Xは基−
    N=P(OR1)3又は基−N=P(O)OR1を示し、Yは
    基−P(OR1)4又は基−P(O)(OR1)2を示す。R1
    同一又は異なって、アリール基又はアルキルアリール基
    を示す。但し、アルキルアリール基の割合は、R1の合
    計量に対して0.1〜100モル%である]で表される
    鎖状ホスファゼン化合物、及び前記環状ホスファゼン化
    合物(1)及び鎖状ホスファゼン化合物(2)から選ば
    れ、かつ架橋基で架橋された少なくとも1種のホスファ
    ゼン化合物(3)から選ばれた少なくとも1種のホスフ
    ァゼン化合物で構成されている難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ホスファゼン化合物(B)が、アルキル
    アリールオキシホスファゼン又はフェノキシアルキルア
    リールオキシホスファゼンである請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 ホスファゼン化合物(B)が、フェノキ
    シ基及びアルキルアリールオキシ基の合計量に対してア
    ルキルアリールオキシ基の割合が0.1〜10モル%で
    あるフェノキシアルキルアリールオキシホスファゼンで
    ある請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ホスファゼン化合物(B)が、式(1)
    で表される環状ホスファゼン化合物である請求項1記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 ホスファゼン化合物(B)が、架橋ホス
    ファゼン化合物(3)である請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ホスファゼン化合物(B)の塩素含有量
    が100ppm以下及び/又は酸価が0.5mgKOH
    /g以下である請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ベース樹脂(A)が、ポリエステル系樹
    脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネ
    ート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系
    樹脂、オレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂から選択さ
    れた少なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求項1記載
    の組成物。
  8. 【請求項8】 ベース樹脂(A)が、1,4−シクロヘ
    キサンジメチレンテレフタレート、C2-4アルキレンテ
    レフタレート及びC2-4アルキレンナフタレートから選
    択された少なくとも1種の単位を有するホモ又はコポリ
    エステルである請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】 ベース樹脂(A)が、ポリブチレンテレ
    フタレート、ブチレンテレフタレートを主成分とするコ
    ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、及びエチ
    レンテレフタレートを主成分とするコポリエステルから
    選択された少なくとも一種である請求項1記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 芳香族樹脂(C1)が、ポリフェニレ
    ンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、
    ポリカーボネート系樹脂、芳香族ナイロン、ポリアリレ
    ート系樹脂、芳香族エポキシ樹脂、並びにヒドロキシル
    基及び/又はアミノ基を有する芳香族環を主鎖又は側鎖
    に有する樹脂から選択された少なくとも一種である請求
    項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 窒素含有化合物(C2)が、アミノ基
    を有する窒素含有環状化合物、アミノ基を有する窒素含
    有環状化合物と酸素酸との塩、アミノ基を有する窒素含
    有環状化合物と有機リン酸との塩、ポリリン酸アミド、
    尿素化合物及びテトラゾール化合物から選択された少な
    くとも一種である請求項1記載の組成物。
  12. 【請求項12】 ポリアルキレンアリレート系樹脂
    (A)と、式(1)及び(2)においてR1がC1-3アル
    キルアリール基、又はC1-3アルキルアリール基及びア
    リール基であり、かつ環状ホスファゼン化合物(1)、
    鎖状ホスファゼン化合物(2)及び架橋ホスファゼン化
    合物(3)から選択された少なくとも一種(B)と、炭
    化性又はチャー形成性芳香族樹脂(C1)、トリアジン
    骨格を有するアミノ基含有化合物と、硫酸、(ポリ)リ
    ン酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸及び有機ホスフ
    ィン酸から選択された成分との反応生成物、(ポリ)リ
    ン酸とシアナミド誘導体との反応生成物、又は環状ジウ
    レイド(C2)並びにリン酸、ホウ酸及びスズ酸から選
    択された酸素酸と多価金属との塩(C3)から選択され
    た少なくとも一種の難燃助剤(C)とで構成された請求
    項1記載の難燃性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 ホスファゼン化合物(B)の割合が、
    ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜10
    0重量部である請求項1記載の組成物。
  14. 【請求項14】 ポリアルキレンアリレート系樹脂
    (A)と、環状もしくは鎖状トリルオキシホスファゼン
    化合物、環状もしくは鎖状フェノキシトリルオキシホス
    ファゼン化合物、及びこれらのホスファゼン化合物が架
    橋基で架橋された化合物から選択された少なくとも一種
    (B)と、炭化性芳香族樹脂(C1)、アミノ基を有す
    る窒素含有環状化合物、アミノ基を有する窒素含有環状
    化合物と酸素酸との塩、アミノ基を有する窒素含有環状
    化合物と有機リン酸との塩、ポリリン酸アミド、尿素化
    合物、又はテトラゾール化合物(C2)、リン酸、ホウ
    酸及びスズ酸から選択された少なくとも一種の酸素酸と
    多価金属との塩(C3)、有機スルホン酸金属塩(C
    4)、(分岐)オルガノシロキサン(C5)、及び無機
    又は有機リン化合物(C6)から選択された少なくとも
    一種の難燃助剤(C)とで構成された難燃性樹脂組成物
    であって、ポリアルキレンアリレート系樹脂(A)10
    0重量部に対して、ホスファゼン化合物(B)の割合
    が、1〜80重量部であり、難燃助剤(C)の割合が
    0.1〜500重量部である難燃性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 さらに、ヒンダードフェノール系酸化
    防止剤、リン系安定剤、メラミンシアヌール酸類、フッ
    素系樹脂及び充填剤から選択された少なくとも一種を含
    む請求項1記載の組成物。
  16. 【請求項16】 ベース樹脂と請求項1記載のホスファ
    ゼン化合物及び請求項1記載の難燃助剤とを混合して難
    燃性樹脂組成物を製造する方法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物で形
    成された成形体。
  18. 【請求項18】 電気・電子部品、OA機器部品、家電
    機器部品、自動車部品、又は機械機構部品である請求項
    17記載の成形体。
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